JP2014225556A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンスユニット、有機エレクトロルミネッセンス装置及び表示方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、各種ディスプレイのバックライト、看板や非常灯等の表示板、照明光源等の面発光体として近年注目されている。
このように、従来の有機EL素子では、単色の発光を得るため、色温度の変動幅を抑制するように素子設計がなされているのが通常である。
最低色温度Kl(K)に対応する駆動電圧をVl(V)、最高色温度Kh(K)に対応する駆動電圧をVh(V)としたとき、下記式(1)で示される発光色の可変容易性Xが、−3000〜−300又は300〜3000の範囲内であり、かつ、パルス給電駆動により、発光色が可変であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
X=(Kh−Kl)/(Vh−Vl) (1)
前記有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも一つが、第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスユニット。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子又は有機エレクトロルミネッセンスユニットの発光色をあらかじめ定められたプログラムに従って変化させることを特徴とする表示方法。
有機EL素子が、輝度と色温度との間に正又は負の相関を有する場合、色温度を変化させると、それに対応して輝度も変化し、一定の輝度で発光させることができなかった。そのため、従来の有機EL素子では、一定の輝度で発光させることを目的として(すなわち、単色発光)、色温度の変動幅を抑制するように素子設計がなされていた。
本発明では、有機EL素子をパルス給電駆動し、一定時間内の通電量を制御することにより、輝度を変化させることなく、色温度の制御を可能としたものである。すなわち、視覚上の輝度(見かけの輝度)は、通電量と通電時間との積で表されるため、異なる色温度間での通電量を等しくすることにより、同輝度で、色温度を変化させることができると考えている。
また、本発明の有機EL素子は、最低色温度Kl(K)に対応する駆動電圧をVl(V)、最高色温度Kh(K)に対応する駆動電圧をVh(V)としたとき、式(1)で示される発光色の可変容易性Xを、−3000〜−300又は300〜3000の範囲内と調整することにより、色温度制御を容易とすることができたものと考えている。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極との間に有機機能層を有し、かつ光照射により発光領域と非発光領域とにパターニングされ、パルス給電駆動により、発光色が可変となっている。
有機EL素子の構成としては、種々の構成を採用することができるが、その一例を図1に示す。図1に示すとおり、有機EL素子10は、支持基板2上に設けられており、支持基板2側から順に、陽極4、有機材料等を用いて構成された有機機能層6、陰極8をこの順に積層して構成されている。
例えば、有機機能層6は、陽極4側から順に正孔注入層6a/正孔輸送層6b/発光層6c/電子輸送層6d/電子注入層6eを積層した構成が例示されるが、このうち、少なくとも有機材料を用いて構成された発光層6cを有することが必須である。正孔注入層6a及び正孔輸送層6bは、正孔輸送注入層として設けられてもよい。電子輸送層6d及び電子注入層6eは、電子輸送注入層として設けられてもよい。また、これらの有機機能層6のうち、例えば、電子注入層6eは無機材料で構成されている場合もある。
すなわち、陽極4と陰極8とで有機機能層6が挟持された部分であって、光照射されていない部分が、有機EL素子10における発光領域となる。
例えば、図2に示すように、光照射されていない領域12が発光領域であり、光照射された領域14が非発光領域となっている。
本発明の有機EL素子は、輝度が高いほど色温度が高く(正の相関)、若しくは輝度が高いほど色温度が低い(負の相関)といった発光特性を備えている。
色温度は、2000〜13000Kの範囲内であることが好ましい。
本発明の有機EL素子においては、Δ色温度/Δ駆動電圧が−3000〜−300又は300〜3000の範囲内である。
すなわち、最低色温度をKl(K)、最高色温度をKh(K)、及びそれぞれの色温度で発光させるために必要な駆動電圧をそれぞれVl(V)、Vh(V)としたとき、下記式(1)で示される発光色の可変容易性Xが、−3000〜−300又は300〜3000の範囲内に調整される。
したがって、本発明の有機EL素子においては、可変容易性Xを上記範囲とすることにより、任意の輝度において所望の色温度を安定して制御することができる。
(1)発光層(6c)
有機機能層には、少なくとも発光層が含まれる。
本発明に用いられる発光層には、発光材料としてリン光発光化合物が含有されている。なお、発光材料として、蛍光材料が使用されてもよいし、リン光発光化合物と蛍光材料とを併用してもよい。
なお、発光層の層厚の総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む層厚である。
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなる層であり、正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は、単層又は複数層設けることができる。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、更には、米国特許第5061569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3個スターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も使用することができる。
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなる層であり、電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。
電子輸送層は、単層又は複数層設けることができる。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、陽極と発光層又は正孔輸送層との間、及び陰極と発光層又は電子輸送層との間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
阻止層は、上記のように、有機機能層の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
本発明の有機EL素子に適用する支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等ともいう。)としては、ガラス、プラスチック等、種類には特に限定はなく、また、透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−3g/(m2・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m2・24h・atm以下、及び水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−3g/(m2・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度を余り必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等の湿式製膜法を用いることもできる。
この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに、膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲内で選ばれる。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第2金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲内で選ばれる。
なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であることが必須の要件である。
本発明の有機EL素子は、有機材料等を用いて構成された有機機能層の劣化を防止することを目的として、支持基板上において封止されていることが好ましい。
有機EL素子の封止に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と、電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に限定されない。具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。
有機機能層を挟み支持基板と対向する側の封止膜あるいは封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に、封止が封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
特に、バックライト用の有機EL素子においては、通常、全方位に光が放射され視野角が変わっても明るさが変わらないような特性が望ましいが、使用形態によっては、正面輝度をより高くし、大きな視野角(斜め方向から観察する角度)においては輝度を低下させることが望ましい。そのために、有機EL素子の上に、放射角を制御する拡散板、プリズムシート等が組み合わされることが好ましい。
本発明の有機EL素子の製造方法は、支持基板上に、陽極、有機機能層、陰極を積層する積層工程と、有機機能層の所定領域に紫外線等の光を照射する光照射工程と、を有することを特徴とする。
ここでは、一例として、図1に示す有機EL素子10の製造方法を説明する。
本発明の有機EL素子の製造方法は、支持基板上に、陽極、有機機能層、陰極を積層して形成する工程を有している。
以下、その一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極からなる有機EL素子の製造方法について説明する。
この有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。さらに、層ごとに異なる製膜法を適用してもよい。
製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−6〜10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、層厚0.1nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲内で適宜選ぶことが望ましい。
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
本発明の有機EL素子の製造方法は、有機EL素子が所定のパターンで発光できるように、素子内部の有機機能層又は電極のうちの1以上の層の所定の領域をパターニングする工程を有している。
具体的には、有機機能層又は電極のうちの1層以上の層の所定の領域をパターニングする工程は、有機EL素子の陽極と陰極とに挟持された発光領域のうち、所定の領域の発光機能を変化させ、非発光領域とする。
当該パターニング工程により、有機EL素子を構成する層のうちの1層以上の層において、所定の領域とその他の残りの領域の発光機能を相異なるようにし、有機EL素子が所定パターンで発光できるようになる。
本発明の有機EL装置は、少なくとも、上述のパターニングされた有機EL素子とパルス給電装置とから構成されている。
本発明に係るパルス給電装置は、直流電源供給機能とパルス給電パターンの制御機能とを有する。電源供給は、外部電源の交流、直流により交流直流変換機能を有しており、そのようなパルス給電装置としては、従来公知のパルス給電装置を制限なく用いることができる。
図3に示すとおり、有機EL素子を駆動するパルスは、有機EL素子を発光させるために順方向の電界を印加する振幅PHとその幅PWの双方を変化できるようにする。パルスの振幅PHを変えることで、図4に示すように、輝度と色温度との関係は実線上を移動する。
この状態から、任意の輝度からパルス幅PWを変えることで、色温度を変えることなく、輝度の調整を自由に制御することができる。
これは、図6に示されるような輝度と色温度とが負の相関である場合にも、同様である。
本発明の有機EL素子を用いた表示方法は、あらかじめ定められたプログラムに従って、発光領域を発光させるものである。なお、当該プログラムは、有機EL装置内に設けられた制御装置(図示略)からの指示により、実行される。
当該プログラムは、例えば、湿度や温度等の外環境の変化をセンサーで感知し、当該センサーからの情報に基づいて有機EL素子の発光領域の発光色を変化させるものであってもよいし、また、あらかじめ設定された単位時間ごと(例えば、四季)に規則的に発光色を変化させるものであってもよい。
第2の実施形態は、主に、下記の点で第1の実施形態と異なっている。
図7に示すとおり、有機ELユニット20は、複数の有機EL素子10が配設されて、構成されている。図7では、その一例として、複数の有機EL素子10が正方形状に配設された場合を示しているが、特にこれに限定されるものではない。
有機ELユニット20に用いられる有機EL素子としては、その全てがパターニングされた有機EL素子10であってもよいし、パターニングされた有機EL素子10とパターニングされていない有機EL素子とを組み合わせたものであってもよい。
また、パターニングされた各有機EL素子10のパターン形状(発光領域の形状)は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、有機ELユニット20全体として、一つの形状を呈するように、各有機EL素子10が異なる形状でパターニングされていてもよい。
複数の有機EL素子10は、配線を介して、互いに電気的に接続されている。このような複数の有機EL素子同士の電気的接続は、例えば、特開2008−269962号公報等を参照にすることができる。
また、有機ELユニット20がパルス給電装置に接続される場合には、例えば、図7中、左右両端に配設された一列の有機EL素子10がパルス給電装置に接続される(図示略)。各有機EL素子10の電気的接続は、直列、並列を任意に選択可能である。
また、その他の表示方法として、有機ELユニットを構成する全ての有機EL素子を同時に発光させてもよいし、ランダムに発光させてもよい。また、時間の経過に伴って発光させる有機EL素子を適宜選択して、時間的・空間的に任意の形状で発光するように、パターン発光させてもよい。
≪有機EL素子の作製≫
(1)有機EL素子101の作製
30mm×30mm、厚さ0.4mmのガラス基板上に、陽極としてITO(インジウムチンオキシド)を厚さ120nmで成膜してパターニングを行った後、このITO透明電極を有するガラス基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
次いで、青色発光層上に20nmの橙色発光層を設けた。すなわち、DCMを0.01nm/秒で蒸着し、同時にAlq3を蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、Alq3に対して蛍光性発光ドーパントDCMを5質量%ドープした。
なお、パターンマスクは、紫外線照射領域と紫外線非照射領域との面積比がおおよそ1:1となるように配置し、かつ、紫外線照射領域に幅0.25mmのマスクを十字パターンとなるように配置した。紫外線吸収フィルターは、320nm以下の波長成分の光透過率が50%以下のもの(カット波長:320nm)を用いた。
図9(a)で示されるパルス給電駆動においては、駆動電圧100、パルス給電時間10ms(休止時間30ms)とした。その結果、色温度3011Kの発光が観測された。
図9(b)で示されるパルス給電駆動においては、駆動電圧50、パルス給電時間20ms(休止時間20ms)とした。その結果、色温度1993Kの発光が観測された。
実施例1で作製した有機EL素子101(以下、有機EL素子101a〜101dとする。)を、図10に示すように、4行4列にタイリングし、有機ELユニットのサンプル201を作製した。各有機EL素子101a〜101dは、図11(a)〜(d)で示されるように、それぞれ異なるパルスパターンでパルス給電駆動した。なお、図11(a)〜(d)中、駆動電圧は、駆動電圧5.78Vを100とする相対値で示している。
有機EL素子101aは、図11(a)に示すように、駆動電圧100、パルス給電時間10ms(休止時間30ms)で、パルス給電駆動した。その結果、色温度3011Kの発光が観測された。有機EL素子101aは、見かけ上、連続点灯していた。
有機EL素子101bは、図11(b)に示すように、駆動電圧50、パルス給電時間20ms(休止時間20ms)で、パルス給電駆動した。その結果、色温度1993Kの発光が観測された。有機EL素子101bは、見かけ上、連続点灯していた。
有機EL素子101cは、図11(c)に示すように、駆動電圧25でパルス給電駆動させずに、連続点灯させた。その結果、色温度1489Kの発光が観測された。
有機EL素子101dは、図11(d)に示すように、駆動電圧200、パルス給電時間10ms(休止時間70ms)で、パルス給電駆動した。その結果、色温度4932Kの発光が観測された。有機EL素子101dは、点滅していた。
4 陽極
6 有機機能層
6a 正孔注入層
6b 正孔輸送層
6c 発光層
6d 電子輸送層
6e 電子注入層
8 陰極
10 有機EL素子
12 領域(発光領域)
14 領域(非発光領域)
20 有機ELユニット
32 ガラス基板
34 ITO透明電極
36 有機機能層
38 陰極
40 ガラスカバー
42 窒素ガス
46 捕水剤
101a〜101d 有機EL素子
Claims (5)
- 陽極と陰極との間に有機機能層を有し、かつ光照射により発光領域と非発光領域とにパターニングされた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
最低色温度Kl(K)に対応する駆動電圧をVl(V)、最高色温度Kh(K)に対応する駆動電圧をVh(V)としたとき、下記式(1)で示される発光色の可変容易性Xが、−3000〜−300又は300〜3000の範囲内であり、かつ、パルス給電駆動により、発光色が可変であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
X=(Kh−Kl)/(Vh−Vl) (1) - 陽極と陰極との間に有機機能層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を、複数有する有機エレクトロルミネッセンスユニットであって、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも一つが、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスユニット。 - 発光領域と非発光領域とにパターニングされていない有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンスユニット。
- 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、又は請求項2若しくは請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスユニットと、パルス給電装置と、を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
- 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、又は請求項2若しくは請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンスユニットを用いた表示方法であって、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子又は有機エレクトロルミネッセンスユニットの発光色をあらかじめ定められたプログラムに従って変化させることを特徴とする表示方法。
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