JP2014224677A - 大規模な凍結乾燥のための装置 - Google Patents

Abstract

【課題】工程の特徴づけおよび制御のために、温度センサが用いられる。しかし、温度センサは、工程自体に望ましくない影響を及ぼす。
【解決手段】凍結乾燥手段および少なくとも１台のカメラ９を有する、医用中空体の中の薬剤溶液を大規模に凍結乾燥するための装置を使用する。少なくとも１台のカメラ９によって、凍結乾燥のために決められた少なくとも１つの薬剤溶液の複数の画像が記録可能である。この装置は、これらの画像が、凍結改造工程の制御および／またはモニタのために使用される。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１の前提部分に記載の、医用中空体の中の薬剤溶液を大規模に凍結乾燥するための装置に関する。本発明は、更に、請求項１８の前提部分の特徴を有する、医用中空体の中の薬剤溶液の大規模な凍結乾燥をモニタおよび／または制御するための方法に関する。

医用中空体の中の薬剤溶液を大規模に凍結乾燥するための装置は、知られている。この場合、凍結乾燥工程は、経済的な理由から、出来る限り高い温度範囲でなされる。しかし、この温度範囲では、凍結された製品マトリクスの解凍または構造欠損が生じてはならない。製品温度が、凍結乾燥のために決められた物質に従って定められた限界値より低いままであること、を保証するために、通常は、凍結乾燥サイクルの特徴づけおよび制御のために用いられる複数の温度センサを製品へ入れる。この場合の欠点は、センサが、自らの最終的な熱容量の故に、温度変動に影響を及ぼし、または乾燥速度を誤ることがあることである。この理由から、凍結乾燥工程は、十分な安全域が温度に関して保たれるように、しばしばデザインされる。このことは、工程が、不必要に低い温度の場合でも行なわれることを意味する。このことは、乾燥速度の低下をもたらす。このことによって、工程は、多くの場合、出来る限り高い温度範囲で操作がなされる場合に必要である必要よりも、著しく長い。温度の所定の限界値を上回る際の危険性は、凍結乾燥のために決められた物質によって形成されるケーキが、凍結乾燥機の空気が余りに湿っているか、あるいは凍結物の温度が余りにも暖かいか、であるとき、崩れることにある。この場合、２つの工程パラメータすなわち凍結乾燥機の中の空気の湿度および製品温度が、凍結乾燥のために決められた物質の飽和蒸気圧を介して関連している。従って、ケーキの崩壊を回避するために、大規模な凍結乾燥の開始の前に、工程の持続的な成功を保証する工程パラメータを決めることが重要である。このような工程パラメータは、例えば、製品温度、または、凍結乾燥装置の棚の温度、凍結乾燥機に支配的な圧力、凍結乾燥機の中の空気の湿度、ならびに、これらのパラメータの、全工程に亘る時間的経過、特に工程の全持続時間である。この場合に調節される値が、夫々、凍結乾燥のために決められた具体的な物質に依存していることは、当然である。かくして、凍結乾燥サイクルが、凍結乾燥に関して経験がこれまでになくてなる物質のために展開されることが意図されるとき、関連のパラメータが実験的に決定されねばならない。この目的のために、顕微鏡の試験片のテーブル上に設けられていてもよい複数の小型化された凍結乾燥装置が設けられていてもよい。この場合、凍結乾燥の経過は、裸眼によってまたはカメラによって、顕微鏡のレンズおよび小型化された凍結乾燥装置の光透過性の壁を通して観察可能である。かくして、試行錯誤の原理に従って、好ましくは複数の連続試験において、どの工程パラメータで、凍結乾燥品のケーキが崩れ、どの工程パラメータで、上手く行く工程がなされるかを決定することができる。かようにして決定された工程パラメータを、この際、特に、好ましくは安全域を考慮して保たれるリミットパラメータの形態で、大規模な凍結乾燥機へ伝送することができる。この場合、同様に工程の特徴づけおよび制御のために、既に上述した温度センサが用いられる。しかし、温度センサは、既述のように、工程自体に望ましくない影響を及ぼすので、工程の特徴づけおよび制御の可能性、すなわち、一方では、凍結乾燥品との直接的な接触を必要とせず、他方では、工程自体に望ましくない影響を及ぼさない可能性を有することは望ましい。更に、工程の特徴づけおよび制御の新たな可能性が、以下の目的で、オンラインモニタを可能にすることは望ましい。この目的とは、凍結乾燥工程中に、工程パラメータの制御または調節のための評価可能な基準を用いることができ、それ故に、工程パラメータを、常に、最適な範囲に保つことができるのであって、予め別個の実験において手間がかかって面倒な方法で決められたリミットパラメータを、用いる必要がないことである。

従って、本発明の目的は、凍結乾燥品と直接に接触することができることなく、あるいは、工程に望ましくない影響を及ぼすことなく、凍結乾燥サイクルを観察し、特徴づけ、モニタおよび／または制御することができる装置を提供することである。更に、工程パラメータのオンラインモニタ、制御および／または調節が、凍結乾燥サイクル中に評価可能な基準に基づいて可能であることが意図される。それ故に、別個な、独立的な実験で予め決められたリミットパラメータの使用は、不要であり、かつ工程パラメータは、常に、最適な範囲に保たれることができる。

本発明の基礎になっている目的は、請求項１の特徴を有する装置によって解決される。この装置は、凍結乾燥手段および少なくとも１台のカメラを有し、少なくとも１台のカメラによって、凍結乾燥のために決められた少なくとも１つの薬剤溶液の複数の画像が記録可能である。この装置は、画像が、凍結乾燥工程の制御および／またはモニタのために使用可能である。かくして、カメラによって記録される画像は、第１には、工程の成功または失敗を、後から、所定の工程パラメータの選択に帰することができるために用いるのではなく、その代わりに、工程の経過を能動的にモニタおよび／または制御することができるために、用いられる。かくして、全工程中に、凍結乾燥のために決められた物質の画像が、記録可能である。この物質は、凍結乾燥品の崩壊が目前であるか否か、あるいは、物品が工程中に如何にほぐされるか、という問題に基づいて判断されることが可能である。例えば、試験要員が、モニタで、画像をモニタし、必要な場合には、調節または制御により工程に介入することができる。この目的のために、試験要員は、工程パラメータ、例えば、圧力、温度、凍結乾燥機の空気中の湿気、工程の個々の段階の時点および時間を、直に凍結乾燥中に変更し、画像から得られた情報に適合することができる。凍結乾燥のオンラインモニタを行なうことが可能である。このことによって、工程パラメータを、製品特性によって定められた物理的限界に、より近づけることができる。例えば、最大限可能な製品温度を選択することができる。この製品温度では、乾燥時間は、従来の装置において選択されかつ安全域によって決められた温度の場合よりも著しく短い。特に、予めの独立的な実験の際に、リミットパラメータを決定することは不要である。リミットパラメータは、このとき、安全域を考慮して保たれる。その代わりに、凍結乾燥のために決められた物質の画像に基づいて決定可能である、凍結乾燥品の状態を、工程制御のための基準として用いる。それ故に、実験的なリミットパラメータの予備知識なしに、工程を、その全持続期間の間に、物理的に可能な限界に近づけることが可能である。このことによって、乾燥工程は、著しく経済的である。何故ならば、単位時間当たり、従来よりも多い物質量を凍結乾燥することができるからであり、リミットパラメータを決めるための予めの面倒な試みを省略することができるからである。同時に、製品の損傷に関する危険性が減じられる。

画像を評価する評価手段が設けられていることを特徴とする装置も好ましい。この実施の形態では、試験要員が凍結乾燥工程を観察することは必要ない。その代わりに、例えば画像評価プログラムによって、少なくとも１台のカメラによって提供される画像をモニタしかつ評価する評価手段が設けられていてもよい。

この関連で、評価手段が凍結乾燥工程のパラメータの変更のために用いられてなる装置も好ましい。この場合、評価手段は、例えば画像評価プログラムによって、少なくとも１台のカメラによって提供される画像の評価を行ない、望ましい製品品質を保証するために、場合によっては、乾燥工程のパラメータを変更しなければならないか否か、を判断する。このことが当てはまるときは、評価手段は、工程パラメータの適切な変更を引き起こすことができる。それ故に、工程パラメータは、再度、所望の製品品質を保証する数値範囲内にある。

画像の評価に基づいて、信号が、評価手段から凍結乾燥手段の制御手段へ送信されることができ、該信号に基づいて、凍結乾燥工程のパラメータが変更可能であってなる装置も好ましい。従って、この実施の形態では、評価手段に加えて、凍結乾燥手段または凍結乾燥工程を制御する制御手段も設けられている。評価手段は、凍結乾燥のために決められた物質の、少なくとも１台のカメラによって提供される画像を評価し、その際に、特に、画像の評価を実行する。この評価に基づいて、信号は、評価手段から制御手段へ送られることができる。該信号は、凍結乾燥工程のパラメータの変更をもたらす。このことによって、工程パラメータが、常に、所望の製品品質を保証する数値範囲内にあることが保証されることが意図される。

他の好都合な実施の形態は、従属請求項から生じる。

更に、本発明の目的は、凍結乾燥のために決められた物質と直接に接触する必要がなく、あるいは、工程が、方法の枠内で用いられる装置によって、望ましくない影響を受けることなく、医用中空体の中の薬剤溶液の大規模な凍結乾燥をモニタおよび／または制御することができる方法を提供することである。更に、この方法が、凍結乾燥工程のオンラインモニタ、制御および／または調節を可能にすることが意図される。このことによって、工程を、常に、物理的に可能な限界に近くに保つことができる。安全域を保ちつつ、面倒な連続試験において予め決定されたリミットパラメータを用いる必要なしに、凍結乾燥工程中に評価可能な基準を用いて、工程パラメータの制御または調節が可能であることが意図される。

本発明のこの目的は、請求項１８の特徴を有する方法によって解決される。この場合、特に、請求項１に定義されており、かつこの請求項に係る従属請求項によって詳述されている装置が用いられる。凍結乾燥手段および少なくとも１台のカメラが設けられており、少なくとも１台のカメラは、凍結乾燥のために決められた少なくとも１つの薬剤溶液の画像を記録する。該方法は、これらの画像を、凍結乾燥工程の制御および／またはモニタのために用いることを特徴とする。このことは、試験要員が工程中にモニタで画像をモニタし、必要な場合には、工程パラメータの変更を行なうことによって、なされることができる。少なくとも１台のカメラによって記録された画像の評価は、凍結乾燥工程のオンラインモニタを可能にする基準を提供する。かくして、凍結乾燥品の状態は、工程のいずれの時点でも、観察可能である。このことによって、工程パラメータを、物理的に可能な限界に近づけることが可能である。この場合、安全域を保ちつつ、面倒な連続試験において予め決定されたリミットパラメータを用いる必要はなく、却って、光学的なオンラインモニタは、凍結乾燥品の、光学的に決定された瞬間状態のみによる、凍結乾燥工程の動的制御または調節を可能にする。

複数の画像を評価手段によって評価してなる方法も好ましい。この場合、画像は、試験要員によって評価される必要はなく、好ましくは、画像処理プログラムによって、ソフトウェアを用いて評価され、保証される製品品質に関して評価される。

この場合、評価手段によって、凍結乾燥工程のパラメータが変更可能であってなる方法も好ましい。少なくとも１台のカメラによって提供された画像の評価に基づいて、この場合、凍結乾燥工程の複数のパラメータを、所望の製品品質が保証されているように、適合させることができる。

最後に、複数の画像の評価に基づいて、信号を、評価手段から凍結乾燥手段の制御手段へ送り、該信号に基づいて、凍結乾燥工程のパラメータを変更する方法も、好ましい。従って、少なくとも１台のカメラによって提供された画像は、評価手段によって評価され、特に、所望の製品品質に関して評価され、この評価に基づいて、信号が、評価手段から、凍結乾燥手段の制御手段に送られ、該信号は、所望の製品品質が保たれるように、凍結乾燥工程のパラメータを変更するために、用いられる。

医用中空体の中の薬剤溶液を大規模に凍結乾燥するための装置の内部空間を略示する。

以下、図面を参照して本発明を詳述する。

図１は、医用中空体の中の薬剤溶液を大規模に凍結乾燥するための装置の内部空間１を略示する。例として、３つの棚３，３´，３´´が示されている。これらの棚は、好ましくは温度調節可能である。その目的は、一方では、凍結乾燥工程の開始時に、凍結乾燥のために決められた物質を内部空間１で凍結することができるためであり、他方では、凍結乾燥中に溶媒の昇華に必要な熱量を医用中空体に従ってまた直接物質中に導入することができるためである。棚３，３´，３´´上には、医用中空体が設けられている。これらの医用中空体は、ここでは、バイアル５としてデザインされている。これらのバイアルは、凍結乾燥のために決められた物質７を含む。ここには、１台のカメラ９が設けられている。このカメラは、例として、真中の棚３´に設けられており、凍結乾燥のために決められた薬剤溶液のうちの少なくとも１つの画像を記録することができる。

図示した実施の形態では、１台のカメラ９のみが、真中の棚３´に設けられている。工程パラメータは、内部空間１の如何なる位置でも、同一の値を有するとき、基本的には、物質７の入ったバイアル５をカメラ９によって観察すれば、十分である。しかしながら、複数のカメラ９が設けられていてもよい。これらのカメラは、観察されるバイアル５および観察される物質７の画像を種々の方向から記録する。かようにして、凍結された物質７が、カメラ９によって観察されない側では、例えば局所的に解凍しないこと、を保証することができる。

複数の工程パラメータが、種々の棚３，３´，３´´上で、典型的には少なくとも幾らか異なっているので、棚３，３´，３´´の各々の上に、物質７の入った少なくとも１つのバイアルの画像を記録する少なくとも１台のカメラ９を設けることは有効である。かくして、凍結乾燥プロセスを、すべての棚３，３´，３´´上で、均等にモニタし、かつ必要な場合には、制御することができることが保証されている。この場合には、工程パラメータが、１台のカメラ９によって観察されている或る棚３，３´，３´´上で、まだ、最適な数値範囲にあり、他方、工程パラメータが、他の棚３，３´，３´´上で、既に最適な数値範囲から逸れており、それ故に、所望の製品品質が最早保証され得ないことは生じない。当然ながら、物質７の入った複数のバイアル５を複数のカメラ９によって録画することも可能である。この場合、これらのカメラ９は、１つまたは複数のバイアル５および物質７の画像を種々の方向から記録するように、設けられていてもよい。

カメラ９は、アナログ式カメラとして、ディジタル式カメラとして、マクロカメラ、好ましくはマクロレンズを備えたカメラとして、あるいはウェブカメラとしてデザインされていてもよい。少なくとも１台のカメラ９によって提供される画像を、電子的に記録しかつ評価することは好ましい。このことは、カメラ９がディジタル式カメラであるとき、特に容易な方法で可能である。カメラ９が小型化されていることは好ましい。それ故に、カメラが、少ない所要面積を有し、内部空間１の中で、あまり場所を取らず、この場所は、かように、医用中空体のために用いられる。

カメラ９が間隔をあけて作動されることは好ましいが、カメラは、画像シーケンス、従って録画を連続的に記録することができる。しかしながら、カメラ９を連続的に作動させるのではなく、画像を、間隔をあけて記録させることは好都合である。かくして、作動によるカメラ９の加熱は、著しく少なくなる。それ故に、カメラから内部空間１へ放出される熱が減じられる。この場合、画像を記録するための複数の時点を、関連の工程パラメータを用いて、同期化することができる。従って、例えば、内部空間における増圧が、少なくとも１台のカメラ９の作動もたらすことが提案されていてもよい。当然ながら、他の工程パラメータも、カメラ画像の記録のための時間調節のために用いることができる。他方では、固定的な間隔でまたは可変の間隔で画像を記録することも可能である。録画の制御が、凍結乾燥機の制御ユニットに組み込まれていてもよい。しかしながら、試験要員が、規則的な間隔でまたは必要に応じて録画を作動させ、これらの画像を評価することができることも可能である。

典型的には、凍結乾燥機の内部空間１には、工程中に医用中空体を照らす照明手段が設けられていない。少なくとも１台のカメラ９による録画のために、電磁スペクトルの可視部分を利用することが意図されるとき、従って、所望の画像を記録するためには十分な光があるように、内部空間１に照明手段を設けねばならない。この照明手段が、冷光源として設計されていることは好ましい。その目的は、内部空間１の温度に出来るだけ影響を及ぼさなくするためである。

カメラ９が照明手段を有することは好ましい。このことは、照明手段が、カメラ９によって記録される領域を常に正確に照らすように、照明手段が、カメラ９に接続されていることができる、という利点を有する。照明手段が、少なくとも１台のカメラに組み込まれていることは、特に好都合である。かくして、特にコンパクトなデザインを実現することができる。

カメラ９の使用との関連で、内部空間１内の圧力が低下するときに、カメラ９の材料から、内部空間１内の圧力の増大をもたらす物質が、放出されることは問題である。カメラ９が、高いガス放出率を有するときは、内部空間１の真空のために用いられるポンプが、発生するガス負荷を吐き出すことができないことが生じることがある。この場合、可能な場合には合成樹脂を含むカメラ材料からのガス放出のみならず、いわゆる見掛けの漏れの発生も問題である。例えば、カメラ９の外壁に設けられたねじ込み式結合手段を通って、ガスが、カメラ９の内部から、非常に緩慢に拡散することがある。このことは、空間１内の圧力の持続的な増大をもたらす。つまりは、典型的には、非常に長時間かかって、圧力がかような見掛けの漏れによって補償されている。更に、カメラ９が、その内部に、外気圧よりも高い気圧を有することは問題である。このことによって、カメラは、損傷を受けるだろう。この理由から、カメラ９を、カメラを収容しかつ好ましくは真空気密に閉じるハウジング１１内に設けることは適切である。この場合、ハウジング１１の内部には、標準圧力が支配することができる。他方、凍結乾燥機の内部空間１内の圧力は影響を受けない。かようにして、一方では、カメラが保護され、他方では、内部空間１内の圧力の影響が、生じない。ハウジング１１が、この目的のために、真空気密に形成されていなくてはならないことは当然である。

更に上で、カメラ９が操作中に熱くなることがあることが既述された。この熱を内部空間１内の空気へ放出しないためには、少なくとも１台のカメラ９が断熱で形成されていることが提案されてもよい。カメラ９を収容する真空気密のハウジング１１が、断熱されていてもよい。

凍結乾燥が滅菌条件下で行なわれることが意図されるとき、少なくとも１台のカメラ９および／または少なくとも１つの真空気密のハウジング１１が、低い粒子密度を有することは、多大の利点である。更に、少なくとも１台のカメラ９および／または少なくとも１つの真空気密のハウジング１１が滅菌可能であることは好ましい。この関連で、ハウジング１１および／またはカメラ９が、棚３，３´，３´´に設けられているのではなく、医用中空体またはバイアル５を収容するカートリッジに直接に取り付けられ、例えばクリップ留めされていることは、特に好都合である。この場合、カメラ９および／またはハウジング１１が、滅菌工程、充填または凍結乾燥工程を、カートリッジと共に経ることができる。それ故に、その都度少なくとも１つのカメラ９および／またはハウジング１１が、しっかりとカートリッジに割り当てられていてもよく、基本的には、カートリッジから分離されなくてもよい。カメラ９からまたはカメラへデータおよび／または電力を無線で伝送することは、特に好ましい。かくして、カートリッジを、原則的には、カメラ９がカートリッジに接続されていないかのように、同様に処理してもよい。カメラ９は、例えば、データを無線で伝送するためのアンテナおよび電力を供給するためのバッテリを有してもよい。この場合、アキュムレータも用いられることができる。他方では、誘導的な伝送経路が設けられていてもよい。この伝送経路は、電力およびデータを、外部電源からカメラ９へまたは逆方向に伝送する。光学的な伝送経路も可能である。

ハウジング１１には、複数のカメラ９が収容されていてもよい。しかし、各々のカメラ９に、自身のハウジング１１が割り当てられていてもよい。

少なくとも１つのカメラ９は、内視鏡システムとして設計されていてもよい。この内視鏡システムは、例えば、バイアル５の中へ導入可能である。かようにして、カメラ９を、凍結乾燥のために決められた物質７の特に近くに寄せることができるのは、例えば、物質７の特に詳細な画像を記録することができるためである。他方では、このような内視鏡システムが、光ファイバを、ブッシングを通って凍結乾燥機の内部空間１へ挿入するためにも、用いられてもよい。光ファイバを介して、画像を、内部空間１から、外部のカメラ９に伝えることができる。この場合、カメラ９は、完全に、内部空間１の外側に設けられていてもよく、真空気密性、粒子密度または滅菌に対して比較的少ない要求を満たせばよい。内部空間１には、複数の光ファイバが分配されていてもよい。これらの光ファイバは、内部空間１からブッシングを介して導き出され、種々のカメラ９または只１つのカメラ９に割り当てられている。只１つのカメラ９が設けられているとき、このカメラは、種々の光ファイバによって提供される複数の画像情報の間で周期的に切り換わることができる手段に接続されていてもよい。周期的な切換わりの故に、カメラ９が、内部空間１の中で、種々の時間に、種々の位置からまたは種々の方向から画像を記録することができる。このような光ファイバの他の利点は、これらの光ファイバが、内部空間１の中で特に僅かなスペースしか要しないので、医用中空体のためのより大きなスペースが残っていることにある。

これに対し、少なくとも１台のカメラ９が、凍結乾燥機の内部空間１に設けられているときは、カメラが−６０℃ないし＋６０℃の温度範囲で使用可能であるように、カメラがデザインされていることは好ましい。このことによって、カメラ９の機能性が、全工程中に保証される。

少なくとも１台のカメラ９は、カメラが、電磁スペクトルの非可視範囲を、画像の記録のために用いるように、デザインされていてもよい。この目的のために、カメラは、この範囲では、感度がよくなければならない。カメラ９が、例えば熱画像を記録することができるのは、カメラが、電磁スペクトルの赤外線部分に対し感度がいい場合である。このことは、好都合であり得る。何故ならば、一方では、照明手段が省略されることができ、他方では、物質の製品温度が、偽色によって、空間解像度で表示可能だからである。かくして、物質７の構造に相互補完的な情報は、物質７内の温度の位置依存性の推移を検出することによって、得られる。

少なくとも１台のカメラ９によって記録された、凍結乾燥のために決められた少なくとも１つの薬剤溶液または物質７の画像が、凍結乾燥工程を制御および／またはモニタするためにも用いられることが意図される。この目的のために提案されてもよいことは、試験要員が、画像を評価し、必要な場合には、工程中に、工程パラメータ、例えば、温度、圧力、湿気またはこれらのパラメータの経時変化を、あるいは、画像によって得られる情報（Erkentnisse）に基づいて全工程期間を調整することである。他方では、評価手段が設けられていてもよい。この評価手段は、例えば画像評価プログラムを用いて、画像を評価し、特に、所望の製品品質に関して、評価する。この評価に基づいて、次に、凍結乾燥工程のパラメータの変更を行なうことができる。このことは、好ましくはオートメ化でなされる。この目的のために、評価手段が、画像の評価に基づいて、信号を、凍結乾燥手段の制御手段に送ることができる。信号は、凍結乾燥工程のパラメータを、所望の製品品質が得られるように、変更させるために、適切である。この場合、制御手段は、少なくとも１台のカメラ９による画像記録のための時間的調節も担うことができる。この場合、録画を、製品パラメータにおける変更によっても、引き起こすことができる。

以下、医用中空体の中の薬剤溶液の大規模な凍結乾燥をモニタおよび／または制御するための方法を詳述しよう。凍結乾燥手段の内部空間１に、医用中空体、例えばバイアル５を入れる。医用中空体は、冷凍乾燥のために決められた薬剤溶液、または物質７を含む。少なくとも１台のカメラは、複数のバイアル５または物質７の少なくとも１つの画像を記録する。これらの画像は、凍結乾燥工程の制御および／またはモニタするために用いられる。上述のように、この目的のために、試験要員、または好ましくは画像評価プログラムを含む評価手段を用いることができる。試験要員または評価手段は、画像に基づいて、凍結乾燥工程のコースまたは進展をモニタし、工程パラメータを変更することによって、コースまたは進展に干渉する。この目的のためには、少なくとも１台のカメラによって記録された画像を、所望の製品品質に関して評価することが必要である。次に、この詳細に従って、凍結乾燥工程のパラメータを、必要な場合には、変更することができる。画像の評価に基づいて、信号を、評価手段から凍結乾燥手段の制御手段へ送ることは特に好ましい。信号に基づいて、必要な場合には、凍結乾燥工程のパラメータが変更される。

結局、本発明に係わる装置または本発明に係わる方法を用いて、出来る限り高い温度範囲での凍結乾燥手段の作動が可能となることが明らかになる。他のパラメータも、製品特性によって決められる物理的限界に、より近づけることができる。このことは、乾燥時間の短縮、従ってまた、凍結乾燥工程の経済性の増大をもたらす。同時に、製品品質の低下の危険性が減じられる。装置および方法は、凍結乾燥のために決められた薬剤溶液と接触なしに作動し、工程の、望ましくない影響をもたらさない。更に、装置および方法は、全経過のオンラインモニタを可能にする。このことによって、全工程はモニタ可能のみならず、制御可能となる。更に、リミットパラメータを決めるための、従来の、個々の、面倒な連続試験を省略することができる。何故ならば、カメラ画像の形態の、凍結乾燥工程中にのみ評価可能な基準が、工程をモニタ、制御および／または調節するために、用いられるからである。このオンラインモニタは、結局のところ，再現可能なおよび常に高い製品品質をもたらす。それ故に、不合格品の割合を、著しく下げることができる。

１ 内部空間
３ 棚
３´ 棚
３´´ 棚
５ バイアル
７ 物質
９ カメラ
１１ ハウジング

Claims (21)

1. 医用中空体の中の薬剤溶液を大規模に凍結乾燥するための装置であって、
   凍結乾燥手段および少なくとも１台のカメラ（９）を有し、
   前記少なくとも１台のカメラ（９）によって、凍結乾燥のために決められた少なくとも１つの薬剤溶液の複数の画像が記録可能である装置において、
   前記画像は、凍結乾燥工程の制御および／またはモニタのために使用可能であることを特徴とする装置。
2. 前記画像を評価する評価手段が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 前記評価手段は、前記凍結乾燥工程のパラメータの変更のために用いられることを特徴とする請求項２に記載の装置。
4. 前記画像の評価に基づいて、信号が、前記評価手段から凍結乾燥手段の制御手段へ送信可能であり、前記信号に基づいて、凍結乾燥工程のパラメータが変更可能であることを特徴とする請求項３に記載の装置。
5. 前記少なくとも１台のカメラ（９）は、アナログ式カメラ、ディジタル式カメラ、マクロカメラまたはウェブカメラであることを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１項に記載の装置。
6. 照明手段、好ましくは冷光源が設けられていることを特徴とする請求項１ないし５のいずれか１項に記載の装置。
7. 前記少なくとも１台のカメラ（９）は、前記照明手段を有することを特徴とする請求項６に記載の装置。
8. 前記照明手段は、前記少なくとも１台のカメラ（９）に組み込まれていることを特徴とする請求項７に記載の装置。
9. 前記少なくとも１台のカメラ（９）を収容し、かつ好ましくは真空気密に取り囲む少なくとも１つの真空気密のハウジング（１１）が設けられていることを特徴とする請求項１ないし８のいずれか１項に記載の装置。
10. 前記少なくとも１つのカメラ（９）は、−６０℃ないし＋６０℃の温度範囲で使用可能であることを特徴とする請求項１ないし９のいずれか１項に記載の装置。
11. 前記少なくとも１台のカメラ（９）および／または前記少なくとも１つの真空気密のハウジング（１１）は、低い粒子密度を有することを特徴とする請求項１ないし１０のいずれか１項に記載の装置。
12. 前記少なくとも１台のカメラ（９）および／または前記少なくとも１つの真空気密のハウジング（１１）は、断熱されていることを特徴とする請求項１ないし１１のいずれか１項に記載の装置。
13. 前記少なくとも１台のカメラ（９）および／または前記少なくとも１つの真空気密のハウジング（１１）は、滅菌可能であることを特徴とする請求項１ないし１２のいずれか１項に記載の装置。
14. 前記少なくとも１台のカメラ（９）および／または前記少なくとも１つの真空気密のハウジング（１１）は、前記医用中空体を収容するためのカートリッジに取付可能であることを特徴とする請求項１ないし１３のいずれか１項に記載の装置。
15. 複数のカメラ（９）は、前記少なくとも１つの薬剤溶液の画像を種々の方向から記録することができることを特徴とする請求項１ないし１４のいずれか１項に記載の装置。
16. 前記少なくとも１台のカメラ（９）は、内視鏡システムとしてもデザインされていることを特徴とする請求項１ないし１５のいずれか１項に記載の装置。
17. 前記少なくとも１台のカメラ（９）は、電磁スペクトルの非可視範囲で、感度がよいことを特徴とする請求項１ないし１６のいずれか１項に記載の装置。
18. 特に、請求項１ないし１７のいずれか１項に記載の装置を用いて、医用中空体の中の薬剤溶液の大規模な凍結乾燥をモニタおよび／または制御するための方法であって、凍結乾燥手段および少なくとも１台のカメラ（９）が設けられており、前記少なくとも１台のカメラ（９）は、凍結乾燥のために決められた少なくとも１つの薬剤溶液の複数の画像を記録してなる方法において、
    これらの画像を、前記凍結乾燥工程の制御および／またはモニタのために用いることを特徴とする方法。
19. 前記複数の画像を評価手段によって評価することを特徴とする請求項１８に記載の方法。
20. 前記評価手段によって、前記凍結乾燥工程のパラメータを変更することを特徴とする請求項１９に記載の方法。
21. 前記複数の画像の評価に基づいて、信号を、前記評価手段から前記凍結乾燥手段の前記制御手段へ送り、該信号に基づいて、前記凍結乾燥工程のパラメータを変更することを特徴とする請求項２０に記載の方法。

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