JP2014223578A - ガスバリア性フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いガスバリア性を有し、かつ高温条件下での保存安定性に優れるガスバリア性フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】フィルム基材上に少なくとも1層のガスバリア膜を有するガスバリア性フィルムの製造方法であって、(1)前記フィルム基材上にケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を形成する工程と、(2)前記塗膜に200nm未満の波長成分を含む紫外光を照射する工程と、(3)前記塗膜に200nm以上230nm未満の波長を有する紫外光を照射する工程と、を有する、ガスバリア性フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア性フィルムの製造方法に関する。
従来、プラスチック基板やフィルム表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物の薄膜を形成したガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止するための包装用途等に広く用いられている。また、包装用途以外にも、液晶表示素子、太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)素子等で使用されている。特に、液晶表示素子や有機EL素子などでは、水蒸気や空気の内部浸透が品質の劣化を招く要因となるため、高度なガスバリア性(ガス遮断性)が要求されている。
このような水蒸気や空気等の高いガスバリア性への要望は、近年より厳しいものとなってきており、加えて、より低コストかつ簡便な方法でのガスバリアフィルムの製造方法が要望されており、そのために様々な試みがなされている。このような従来技術として、特に透明なガスバリア膜をフィルム基板上に作製する技術が知られている(特許文献1参照)。しかし、この技術は、ガスバリア膜作製に真空プロセスが必要となるため、装置が大型化し、コストが高いという問題がある。
一方、ガスバリア膜の製造方法として、ポリシラザン化合物溶液を塗布した塗膜に真空紫外光照射を施すことにより、酸化ケイ素を含むガスバリア膜を作製する方法が提案されている。この方法は、ポリシラザン化合物内の原子間結合力より大きい、真空紫外光(以下、「VUV」、「VUV光」とも記載する。)と呼ばれる100nm〜200nmの光エネルギーを用いる。この製造方法では、光量子プロセスと呼ばれる光子のみによる作用により、原子の結合を直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温でガスバリア膜となる酸化ケイ素膜の作製をおこなうことができる。例えば、40mW/cm2の照度を有する、VUV光源のエキシマランプを3分間〜10分間照射することにより、ポリシラザン化合物塗膜を酸化ケイ素膜へと転化させる方法が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この照射条件はガスバリア性フィルムの工業的な連続生産に適していないという問題がある。
ガスバリア性フィルムの製造という観点では、工業的には所謂ロール・トゥー・ロールで連続的に生産ができることが好ましい。ロール・トゥー・ロールで製造する方法に関する従来技術としては、フィルムを搬送してポリシラザン化合物塗膜にエキシマランプによる真空紫外光を照射してガスバリア性フィルムを製造する方法が知られている(特許文献3参照)。この方法によれば、200nm以下の真空紫外光と230〜300nmの紫外光とを組み合わせることにより、高いガスバリア性が得られるとしている。
特開2009−196155号公報 特開2009−255040号公報 特表2009−503157号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載のガスバリア性フィルムは、経時変化で、ガスバリア性が劣化するという問題があった。
そこで、本発明は、高いガスバリア性を有し、かつ保存安定性、特に過酷な条件(高温条件)下での保存安定性に優れるガスバリア性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、ケイ素酸化物前駆体またはケイ素酸窒化物前駆体を含む塗膜に対して、200nm未満の波長成分を含む紫外光を照射する工程と、200nm以上230nm未満の紫外光を照射する工程と、を有する製造方法により得られるガスバリア性フィルムが、上記課題を解決することを見出した。上記知見に基づいて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、フィルム基材上に少なくとも1層以上のガスバリア膜を有するガスバリア性フィルムの製造方法であって、(1)前記フィルム基材上にケイ素酸化物前駆体またはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を形成する工程と、(2)前記塗膜に200nm未満の波長成分を含む紫外光を照射する工程と、(3)前記塗膜に200nm以上230nm未満の波長を有する紫外光を照射する工程と、を有する、ガスバリア性フィルムの製造方法である。
本発明によれば、高いガスバリア性を有し、かつ高温条件下での保存安定性に優れたガスバリア性フィルムの製造方法が提供されうる。
(a)は、紫外光照射ユニットの一例を示す外観図であり、(b)は、紫外光照射ユニットの一例を示す断面図である。 石英基板上にパーヒドロポリシラザンを含む塗膜を形成した後、波長172nmの紫外光を照射量が異なるように照射した後、塗膜の紫外吸収スペクトルを測定した結果を示す図である。(a)は、照射量が0J(照射なし)、1J、3J、および6Jの場合の紫外吸収スペクトルをそれぞれ示し、(b)は、照射量が1J、3Jおよび6Jの場合と照射量0Jの場合との差分を取ったグラフである。
本発明は、フィルム基材上に少なくとも1層以上のガスバリア膜を有するガスバリア性フィルムの製造方法であって、(1)前記フィルム基材上にケイ素酸化物前駆体もしくはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を形成する工程と、(2)前記塗膜に200nm未満の波長成分を含む紫外光を照射する工程と、(3)前記塗膜に200nm以上230nm未満の波長を有する紫外光を照射する工程と、を有する、ガスバリア性フィルムの製造方法である。
このような製造方法により得られるガスバリア性フィルムは、高いガスバリア性を発現するとともに、保存安定性、特に高温下での保存安定性に優れる。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」および「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
(1)フィルム基材上にケイ素酸化物前駆体またはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を形成する工程
本工程では、フィルム基材上に、ケイ素酸化物前駆体またはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を形成する。
(フィルム基材)
本発明に係るガスバリア性フィルムに用いられるフィルム基材としては、例えば、シリコン等の金属基板、ガラス基板、セラミックス基板、プラスチックフィルム等が挙げられるが、好ましくはプラスチックフィルムが用いられる。用いられるプラスチックフィルムは、ガスバリア膜、ハードコート層等を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。前記プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明に係るガスバリア性フィルムを有機EL素子等の電子デバイスの基板として使用する場合は、前記フィルム基材は耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、線膨張係数が15ppm/K以上100ppm/K以下で、かつガラス転移温度(Tg)が100℃以上300℃以下の樹脂フィルム基材が使用される。該樹脂フィルム基材は、電子部品用途、ディスプレイ用積層フィルムとしての必要条件を満たしている。即ち、これらの用途に本発明に係るガスバリア性フィルムを用いる場合、ガスバリア性フィルムは、150℃以上の工程に曝されることがある。この場合、ガスバリア性フィルムにおけるフィルム基材の線膨張係数が100ppm/Kを超えると、ガスバリア性フィルムを前記のような温度の工程に流す際に基板寸法が安定せず、熱膨張および収縮に伴い、遮断性性能が劣化する不都合や、あるいは熱工程に耐えられないという不具合が生じやすくなる。15ppm/K未満では、フィルムがガラスのように割れてしまいフレキシビリティが劣化する場合がある。
フィルム基材のTgや線膨張係数は、添加剤などによって調整することができる。フィルム基材として用いることができる熱可塑性樹脂のより好ましい具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET:70℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃)、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン株式会社製、ゼオノア(登録商標)1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報に記載の化合物:162℃)、ポリイミド(例えば三菱ガス化学株式会社製、ネオプリム(登録商標):260℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報に記載の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報に記載の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報に記載の化合物:300℃以上)等が挙げられる(括弧内はTgを示す)。
本発明に係るガスバリア性フィルムを偏光板と組み合わせて使用する場合、ガスバリア性フィルムのガスバリア膜がセルの内側に向くようにし、最も内側に(素子に隣接して)配置することが好ましい。このとき、偏光板よりセルの内側にガスバリア性フィルムが配置されることになるため、ガスバリア性フィルムのレターデーション値が重要になる。このような態様でのガスバリア性フィルムの使用形態は、レターデーション値が10nm以下のフィルム基材を用いたガスバリア性フィルムと円偏光板(1/4波長板+(1/2波長板)+直線偏光板)を積層して使用するか、あるいは1/4波長板として使用可能な、レターデーション値が100nm〜180nmのフィルム基材を用いたガスバリア性フィルムに直線偏光板を組み合わせて用いるのが好ましい。
レターデーションが10nm以下のフィルム基材としては、例えば、セルローストリアセテート(富士フイルム株式会社製:フジタック(登録商標))、ポリカーボネート(帝人化成株式会社製:ピュアエース(登録商標)、株式会社カネカ製:エルメック(登録商標))、シクロオレフィンポリマー(JSR株式会社製:アートン(登録商標)、日本ゼオン株式会社製:ゼオノア(登録商標))、シクロオレフィンコポリマー(三井化学株式会社製:アペル(登録商標)(ペレット)、ポリプラスチック株式会社製:トパス(登録商標)(ペレット))、ポリアリレート(ユニチカ株式会社製:U100(ペレット))、透明ポリイミド(三菱ガス化学株式会社製:ネオプリム(登録商標))等を挙げることができる。
また1/4波長板としては、上記のフィルム基材を適宜延伸することで所望のレターデーション値に調整したフィルム基材を用いることができる。
本発明に係るガスバリア性フィルムは、有機EL素子等の電子デバイスとして利用されることから、プラスチックフィルムは透明であることが好ましい。すなわち、光線透過率が通常80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。光線透過率は、JIS K7105:1981に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
ただし、本発明に係るガスバリア性フィルムをディスプレイ用途に用いる場合であっても、観察側に設置しない場合などは必ずしも透明性が要求されない。したがって、このような場合は、プラスチックフィルムとして不透明な材料を用いることもできる。不透明な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、公知の液晶ポリマーなどが挙げられる。
本発明に係るガスバリア性フィルムに用いられるプラスチックフィルムの厚みは、用途によって適宜選択されるため特に制限がないが、典型的には1〜800μmであり、好ましくは10〜200μmである。これらのプラスチックフィルムは、透明導電層、プライマー層等の機能層を有していてもよい。機能層については、上述したもののほか、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に記載されているものを好ましく採用できる。
基材は、表面の平滑性が高いものが好ましい。表面の平滑性としては、平均表面粗さ(Ra)が2nm以下であるものが好ましい。下限は特にないが、実用上、0.01nm以上である。必要に応じて、基材の両面、少なくともガスバリア膜を設ける側を研摩し、平滑性を向上させておいてもよい。
また、上記に挙げた樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明で用いられるフィルム基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
フィルム基材の少なくとも本発明に係るガスバリア膜を設ける側には、密着性向上のための公知の種々の処理、例えばコロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、またはプラズマ処理等を行うことが好ましく、必要に応じて上記処理を組み合わせて行うことがより好ましい。
(ケイ素酸化物前駆体、ケイ素酸窒化物前駆体)
ケイ素酸化物前駆体またはケイ素酸窒化物前駆体(以下、単に前駆体とも称する)の具体的な例としては、例えば、パーヒドロポリシラザン、オルガノポリシラザン、シルセスキオキサン、テトラメチルシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、1,1−ジメチル−1−シラシクロブタン、トリメチルビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジビニルシラン、ジメチルエトキシエチニルシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、アリールトリメトキシシラン、エトキシジメチルビニルシラン、アリールアミノトリメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリビニルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、メチルトリアセトキシシラン、アリールオキシジメチルビニルシラン、ジエチルビニルシラン、ブチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、テトラビニルシラン、トリアセトキシビニルシラン、テトラアセトキシシラン、3−トリフルオロアセトキシプロピルトリメトキシシラン、ジアリールジメトキシシラン、ブチルジメトキシビニルシラン、トリメチル−3−ビニルチオプロピルシラン、フェニルトリメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルイソペンチロキシビニルシラン、2−アリールオキシエチルチオメトキシトリメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アリールアミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ジメチルエチキシフェニルシラン、ベンゾイロキシトリメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシ−3−グリシドキシプロピルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ブチルアミノプロピルトリメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ビス(ブチルアミノ)ジメチルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジアセトキシメチルフェニルシラン、ジメチル−p−トリルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ジエチルメチルフェニルシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、デシルメチルジメトキシシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、オクチロキシトリメチルシラン、フェニルトリビニルシラン、テトラアリールオキシシラン、ドデシルトリメチルシラン、ジアリールメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルビニルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジアセトキシジフェニルシラン、ジベンジルジメチルシラン、ジアリールジフェニルシラン、オクタデシルトリメチルシラン、メチルオクタデシルジメチルシラン、ドコシルメチルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アセトキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエトキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等を挙げることができる。これら前駆体は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
上記シルセスキオキサンとしては、例えば、Mayaterials製Q8シリーズのOctakis(tetramethylammonium)pentacyclo−octasiloxane−octakis(yloxide)hydrate;Octa(tetramethylammonium)silsesquioxane、Octakis(dimethylsiloxy)octasilsesquioxane、Octa[[3−[(3−ethyl−3−oxetanyl)methoxy]propyl]dimethylsiloxy]octasilsesquioxane;Octaallyloxetane silsesquioxane、Octa[(3−Propylglycidylether)dimethylsiloxy]silsesquioxane;Octakis[[3−(2,3−epoxypropoxy)propyl]dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octakis[[2−(3,4−epoxycyclohexyl)ethyl]dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octakis[2−(vinyl)dimethylsiloxy]silsesquioxane;Octakis(dimethylvinylsiloxy)octasilsesquioxane、Octakis[(3−hydroxypropyl)dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octa[(methacryloylpropyl)dimethylsilyloxy]silsesquioxane、Octakis[(3−methacryloxypropyl)dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、および有機基を含まない水素化シルセスキオキサン等が挙げられる。
これら前駆体の中でも、成膜性、クラック等の欠陥が少ないこと、残留有機物の少なさの点で、パーヒドロポリシラザン、オルガノポリシラザン等のポリシラザン;シルセスキオキサン等のポリシロキサン等が好ましく、ガスバリア性能が高く、屈曲時および高温高湿条件下であってもバリア性能が維持されることから、ポリシラザンがより好ましく、パーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
ポリシラザンとは、ケイ素−窒素結合を有するポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等の結合を有し、かつSiO2、Si34、および両方の中間固溶体SiOxy等の前駆体となる無機ポリマーである。
具体的には、ポリシラザンは、好ましくは下記の構造を有する。
上記一般式(I)において、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R1、R2およびR3は、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。ここで、アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などがある。また、アリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの非縮合炭化水素基;ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基などの縮合多環炭化水素基が挙げられる。(トリアルコキシシリル)アルキル基としては、炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換されたシリル基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基が挙げられる。より具体的には、3−(トリエトキシシリル)プロピル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基などが挙げられる。上記R1〜R3に場合によって存在する置換基は、特に制限はないが、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基(−OH)、メルカプト基(−SH)、シアノ基(−CN)、スルホ基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)、ニトロ基(−NO2)などがある。なお、場合によって存在する置換基は、置換するR1〜R3と同じとなることはない。例えば、R1〜R3がアルキル基の場合には、さらにアルキル基で置換されることはない。これらのうち、好ましくは、R1、R2およびR3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ビニル基、3−(トリエトキシシリル)プロピル基または3−(トリメトキシシリルプロピル)基である。
また、上記一般式(I)において、nは、整数であり、一般式(I)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。
上記一般式(I)で表される構造を有する化合物において、好ましい態様の一つは、R1、R2およびR3のすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンである。
または、ポリシラザンとしては、下記一般式(II)で表される構造を有する。
上記一般式(II)において、R1'、R2'、R3'、R4'、R5'およびR6'は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R1'、R2'、R3'、R4'、R5'およびR6'は、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。上記における、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基は、上記一般式(I)の定義と同様であるため、説明を省略する。
また、上記一般式(II)において、n'およびpは、整数であり、一般式(II)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。なお、n'およびpは、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。
上記一般式(II)のポリシラザンのうち、R1'、R3'およびR6'が各々水素原子を表し、R2'、R4'およびR5'が各々メチル基を表す化合物;R1'、R3'およびR6'が各々水素原子を表し、R2'、R4'が各々メチル基を表し、R5'がビニル基を表す化合物;R1'、R3'、R4'およびR6'が各々水素原子を表し、R2'およびR5'が各々メチル基を表す化合物が好ましい。
または、ポリシラザンとしては、下記一般式(III)で表される構造を有する。
上記一般式(III)において、R1"、R2"、R3"、R4"、R5"、R6"、R7"、R8"およびR9"は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R1"、R2"、R3"、R4"、R5"、R6"、R7"、R8"およびR9"は、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。上記における、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基は、上記一般式(I)の定義と同様であるため、説明を省略する。
また、上記一般式(III)において、n"、p"およびqは、整数であり、一般式(III)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。なお、n"、p"およびqは、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。
上記一般式(III)のポリシラザンのうち、R1"、R3"およびR6"が各々水素原子を表し、R2"、R4"、R5"およびR8"が各々メチル基を表し、R9"が(トリエトキシシリル)プロピル基を表し、R7"がアルキル基または水素原子を表す化合物が好ましい。
一方、そのSiと結合する水素原子部分の一部がアルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより下地である基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミック膜に靭性を持たせることができ、より(平均)膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。このため、用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6および8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)で、液体または固体の物質があり、その状態は分子量により異なる。
本発明で使用できるポリシラザンの別の例としては、以下に制限されないが、例えば、上記ポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等の、低温でセラミック化するポリシラザンが挙げられる。
(塗膜形成用塗布液)
本工程で塗膜を形成するための塗布液(以下、単に塗膜形成用塗布液とも称する)の調製に用いられる溶剤としては、前駆体を溶解できるものであれば特に制限されないが、前駆体と容易に反応してしまう水および反応性基(例えば、ヒドロキシル基、あるいはアミン基等)を含まず、前駆体に対して不活性の有機溶剤が好ましく、非プロトン性の有機溶剤がより好ましい。具体的には、溶剤としては、非プロトン性溶剤;例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類:例えば、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、モノ−およびポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)などを挙げることができる。上記溶剤は、前駆体の溶解度や溶剤の蒸発速度等の目的にあわせて選択され、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
塗膜形成用塗布液における前駆体の濃度は、特に制限されず、ガスバリア膜の膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%である。
塗膜形成用塗布液は、改質を促進するために、触媒を含有することが好ましい。本発明に適用可能な触媒としては、例えば、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン等のアミン化合物、Ptアセチルアセトナート等のPt化合物、プロピオン酸Pd等のPd化合物、Rhアセチルアセトナート等のRh化合物等の金属触媒、N−複素環式化合物、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジン、ルチジン、ピリミジン、ピリダジン等のピリジン化合物、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、マレイン酸、ステアリン酸、等の有機酸、塩酸、硝酸、硫酸、過酸化水素等の無機酸等が挙げられる。これらのうち、アミン化合物を用いることが好ましい。この際添加する触媒の濃度としては、ポリシラザンを基準としたとき、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7重量%の範囲である。触媒添加量をこの範囲とすることで、反応の急激な進行よる過剰なシラノール形成、および膜密度の低下、膜欠陥の増大などを避けることができる。
塗膜形成用塗布液には、必要に応じて下記に挙げる添加剤を用いることができる。例えば、セルロースエーテル類、セルロースエステル類;例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート等、天然樹脂;例えば、ゴム、ロジン樹脂等、合成樹脂;例えば、重合樹脂等、縮合樹脂;例えば、アミノプラスト、特に尿素樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステルもしくは変性ポリエステル、エポキシド、ポリイソシアネートもしくはブロック化ポリイソシアネート、ポリシロキサン等である。
(塗膜形成用塗布液を塗布する方法)
塗膜形成用塗布液を塗布する方法としては、従来公知の適切な湿式塗布方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
塗布厚さは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、ガスバリア膜1層当たりの塗布厚さは、乾燥後の厚さが5〜500nm程度であることが好ましく、10〜400nmであることがより好ましい。膜厚が5nm以上であれば十分なバリア性を得ることができ、500nm以下であれば、塗膜形成時に安定した塗布性を得ることができ、かつ高い光線透過性を実現できる。
塗布液を塗布した後は、塗膜を乾燥させることが好ましい。塗膜を乾燥することによって、塗膜中に含有される有機溶媒を除去することができる。この際、塗膜に含有される有機溶媒は、すべてを乾燥させてもよいが、一部残存させていてもよい。一部の有機溶媒を残存させる場合であっても、好適なガスバリア膜が得られうる。なお、残存する溶媒は後に除去されうる。
塗膜の乾燥温度は、適用する基材によっても異なるが、50〜200℃であることが好ましい。例えば、ガラス転移温度(Tg)が70℃のポリエチレンテレフタレート基材を基材として用いる場合には、乾燥温度は、熱による基材の変形等を考慮して150℃以下に設定することが好ましい。上記温度は、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することによって設定されうる。乾燥時間は短時間に設定することが好ましく、例えば、乾燥温度が150℃である場合には30分以内に設定することが好ましい。また、乾燥雰囲気は、大気雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、真空雰囲気下、酸素濃度をコントロールした減圧雰囲気下等のいずれの条件であってもよい。
上部塗膜形成用塗布液を塗布して得られた塗膜は、改質処理前または改質処理中に水分を除去する工程を含んでいてもよい。水分を除去する方法としては、低湿度環境を維持して除湿する形態が好ましい。低湿度環境における湿度は温度により変化するので、温度と湿度の関係は露点温度の規定により好ましい形態が示される。好ましい露点温度は4℃以下(温度25℃/湿度25%)で、より好ましい露点温度は−5℃(温度25℃/湿度10%)以下であり、維持される時間はガスバリア膜の膜厚によって適宜設定することが好ましい。ガスバリア膜の膜厚が1.0μm以下の条件においては、露点温度は−5℃以下で、維持される時間は1分以上であることが好ましい。なお、露点温度の下限は特に制限されないが、通常、−50℃以上であり、−40℃以上であることが好ましい。改質処理前、あるいは改質処理中に水分を除去することによって、ガスバリア膜の脱水反応を促進する観点から好ましい形態である。
好ましい前駆体であるポリシラザンは、有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのまま塗膜形成用塗布液として使用することができる。ポリシラザン溶液の市販品としては、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製のアクアミカ(登録商標) NN120−10、NN120−20、NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL120−20、NL150A、NP110、NP140、SP140等が挙げられる。
(2)塗膜に200nm未満の波長成分を含む紫外光を照射する工程
本工程では、200nm未満の波長成分を含む紫外光を上記塗膜に照射する。本工程では、ケイ素酸化物またはケイ素酸窒化物内の原子間結合力より大きい、200nm未満の波長成分の光エネルギーを用い、好ましくは100〜180nmの波長成分を含む紫外光を用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみの作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温(約200℃以下)で、ケイ素酸化物膜および/またはケイ素酸窒化物膜の形成を行う。
本工程で用いられる紫外光は、200nm未満の波長成分を含む紫外光であれば特に制限されない。
本工程においての紫外光源は、200nm未満の波長成分を含む紫外光を発生させるものであればよいが、好適にはエキシマラジエータ(例えば、約172nmに最大放射を有するXeエキシマランプや約193nmに最大放射を有するArFエキシマランプ、約161nmに最大放射を有するArBrエキシマランプ等のエキシマランプ)、約185nmおよび254nmに輝線を有する低圧水銀ランプやアマルガムランプ、重水素ランプ、約156nmと約165nmに強い輝線を有する一酸化炭素を用いたランプ(特開2010−135162公報など)、約193nmに最大放射を有するArFエキシマレーザー、約157nmに最大放射を有するF2エキシマレーザー等が用いられる。上記したように本工程で用いられる紫外光としては、(1)200nm未満の波長成分のみの紫外光、或いは(2)200nm未満の波長成分と、230nm以上の波長成分とからなる紫外光を用いるのが望ましい。
これら紫外光源の中でも、希ガスエキシマランプが特に好ましく用いられる。Xe、Kr、Ar、Ne等の希ガスの原子は化学的に結合して分子を作らないため、不活性ガスと呼ばれる。しかし、放電等によりエネルギーを得た希ガスの原子(励起原子)は他の原子と結合して分子を作ることができる。希ガスがキセノンの場合には、
e+Xe→e+Xe*
Xe*+Xe+Xe→Xe2 *+Xe
となり、励起されたエキシマ分子であるXe2 *が基底状態に遷移するときに172nmのエキシマ光を発光する。
エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので効率が高いことが挙げられる。また、余分な光が放射されないので、対象物の温度を低く保つことができる。さらには始動・再始動に時間を要さないので、瞬時の点灯点滅が可能である。
エキシマ発光を得るには、誘電体バリア放電を用いる方法が知られている。誘電体バリア放電とは、両電極間に誘電体(エキシマランプの場合は透明石英)を介してガス空間を配し、電極に数10kHzの高周波高電圧を印加することによりガス空間に生じる、雷に似た非常に細いmicro dischargeと呼ばれる放電で、micro dischargeのストリーマが管壁(誘電体)に達すると誘電体表面に電荷が溜まるため、micro dischargeは消滅する。このmicro dischargeが管壁全体に広がり、生成・消滅を繰り返している放電である。このため肉眼でも分る光のチラツキを生じる。また、非常に温度の高いストリーマが局所的に直接管壁に達するため、管壁の劣化を早める可能性もある。
効率よくエキシマ発光を得る方法としては、誘電体バリア放電以外には無電極電界放電でも可能である。
容量性結合による無電極電界放電で、別名RF放電とも呼ばれる。ランプと電極およびその配置は、基本的には誘電体バリア放電と同じでよいが、両極間に印加される高周波は数MHzで点灯される。無電極電界放電はこのように空間的にまた時間的に一様な放電が得られるため、チラツキがない長寿命のランプが得られる。
誘電体バリア放電の場合は、micro dischargeが電極間のみで生じるため、放電空間全体で放電を行わせるには外側の電極は外表面全体を覆い、かつ外部に光を取り出すために光を透過するものでなければならない。このため細い金属線を網状にした電極が用いられる。この電極は光を遮らないようにできるだけ細い線が用いられるため、酸素雰囲気中では真空紫外光により発生するオゾン等により損傷しやすい。
これを防ぐためにはランプの周囲、すなわち照射装置内を窒素等の不活性ガスの雰囲気にし、合成石英の窓を設けて照射光を取り出す必要が生じる。合成石英の窓は高価な消耗品であるばかりでなく、光の損失も生じる。
二重円筒型ランプは外径が25mm程度であるため、ランプ軸の直下とランプ側面では照射面までの距離の差が無視できず、照度に大きな差を生じる。従って仮にランプを密着して並べても、一様な照度分布が得られない。合成石英の窓を設けた照射装置にすれば酸素雰囲気中の距離を一様にでき、一様な照度分布が得られる。
無電極電界放電を用いた場合には、外部電極を網状にする必要はない。ランプ外面の一部に外部電極を設けるだけでグロー放電は放電空間全体に広がる。外部電極には、通常アルミのブロックで作られた光の反射板を兼ねた電極がランプ背面に使用される。しかし、ランプの外径は誘電体バリア放電の場合と同様に大きいため一様な照度分布にするためには合成石英が必要となる。
細管エキシマランプの最大の特徴は、構造がシンプルなことである。石英管の両端を閉じ、内部にエキシマ発光を行うためのガスを封入しているだけである。したがって、非常に安価な光源を提供できる。
二重円筒型ランプは、内外管の両端を接続して閉じる加工をしているため、細管ランプに比べ取り扱いや輸送で破損しやすい。細管ランプの管の外径は6〜12mm程度で、あまり太いと始動に高い電圧が必要になる。
放電の形態は、誘電体バリア放電でも無電極電界放電のいずれでも使用できる。電極の形状はランプに接する面が平面であってもよいが、ランプの曲面に合わせた形状にすればランプをしっかり固定できるとともに、電極がランプに密着することにより放電がより安定する。また、アルミで曲面を鏡面にすれば光の反射板にもなる。
希ガスエキシマランプのうち、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外光を単一波長で放射することから、発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。
また、波長の短い172nmの光のエネルギーは、有機物の結合を解離させる能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間で塗膜の改質を実現できる。
エキシマランプは光の発生効率が高いため、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、光による温度上昇の要因となる波長の長い光は発せず、紫外線領域で、すなわち短い波長でエネルギーを照射するため、解射対象物の表面温度の上昇が抑えられる特徴を持っている。このため、熱の影響を受けやすいとされるPETなどのフレシキブルフィルム材料に適している。
照射時の反応には、酸素が必要であるが、200nm以下の波長成分を含む紫外光は、酸素による吸収があるため効率が低下しやすいことから、照射は可能な限り酸素濃度および水蒸気濃度の低い状態で行うことが好ましい。すなわち、本工程における照射時の酸素濃度は、0.01〜5体積%であることが好ましく、0.01〜1体積%であることがより好ましく、0.01〜0.5体積%であることがさらに好ましい。この範囲であれば、塗膜の改質が十分に進み、また酸素による紫外光の吸収も抑制されることから、オゾンの発生も抑制され、得られるガスバリア性フィルムの損傷も抑えられる。
紫外光照射時に用いられる、照射雰囲気を満たすガスとしては乾燥不活性ガスとすることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。酸素濃度の調整は、照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
本工程の紫外光照射においては、常用されているいずれの紫外光照射装置も使用することが可能であるが、一例として、図1に示すような紫外光照射ユニットを挙げることができる。
図1(a)は、本工程において用いられる紫外光照射ユニットの一例を示す外観図であり、(b)は本工程において用いられる紫外光照射ユニットの一例を示す断面図である。図1(a)において、紫外光照射ユニット1は、エキシマランプホルダー2とエキシマランプ3と窒素ガス配管入口4とを備えている。
図1(b)は、図1(a)の紫外光照射ユニット1のA−Aの位置における断面図である。エキシマランプホルダー2内には、窒素ガス配管入口4から乾燥した窒素ガスが供給され、窒素ガス配管5を通って、エキシマランプ3の幅手の両サイドから下方のフィルム基材に向かって窒素ガス6を噴射させることができる。また、エキシマランプ3は、真空紫外光7を下方のフィルム基材に向かって照射することができる。
本工程において、塗膜が受ける塗膜面での該紫外光のピーク照度は50mW/cm2〜500mW/cm2であることが好ましく、80mW/cm2〜300mW/cm2であることがより好ましい。この範囲であれば、塗膜の深部まで改質が可能となる。
塗膜面における紫外光の照射エネルギー量(照射量)は、0.01〜20J/cm2であることが好ましく、0.1〜20J/cm2であることがより好ましく、0.3〜15J/cm2であることがさらに好ましい。この範囲であれば、改質が十分に進み、生産性が向上する。また、過剰改質によるクラック発生や、フィルム基材の熱変形を防ぐことができる。なお、後述するように、本工程は複数回行われてもよいが、その場合、照射量の合計が上記範囲となるように、1回あたりの照射量を適宜選択すればよい。
また、改質に用いられる紫外光は、CO、CO2およびCH4の少なくとも一種を含むガスで形成されたプラズマにより発生させてもよい。さらに、CO、CO2およびCH4の少なくとも一種を含むガス(以下、炭素含有ガスとも称する)は、炭素含有ガスを単独で使用してもよいが、希ガスまたはH2を主ガスとして、炭素含有ガスを少量添加することが好ましい。プラズマの生成方式としては容量結合プラズマなどが挙げられる。
本工程において、紫外光の照射は、照射される塗膜を担持しているフィルム基材がダメージを受けない範囲で、フィルム基材−紫外光源間の距離や照射時間を設定することが好ましい。
フィルム基材としてプラスチックフィルムを用いた場合を例にとると、基材−紫外線照射ランプ間の距離は、酸素による光吸収を抑制するという観点から、0.01〜10mmが好ましい。また、照射時間は、改質効率や生産性の観点から、0.05〜300秒が好ましい。
本工程における紫外光の照射は、バッチ処理にも連続処理にも適合可能であり、使用する基材の形状によって適宜選定することができる。例えば、バッチ処理の場合には、前駆体を含む塗膜を表面に有する積層体を上記のような紫外光源を具備した紫外線焼成炉で処理することができる。紫外線焼成炉自体は一般に知られており、例えば、アイグラフィクス株式会社製の紫外線焼成炉を使用することができる。また、前駆体を含む塗膜を表面に有する積層体が長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら上記のような紫外光源を具備した乾燥ゾーンで連続的に紫外光を照射することにより改質を行うことができる。
(3)塗膜に200nm以上230nm未満の波長を有する紫外光を照射する工程
本工程では、塗膜に200nm以上230nm未満の波長を有する紫外光を照射する。本工程を行うことにより、上記(2)の工程で発生し得る欠陥(E'センター)を修復し低減させることができ、ガスバリア性をさらに向上させることができる。
図2は、石英基板上にパーヒドロポリシラザンを含む塗膜を形成した後、波長172nmの紫外光を照射量が異なるように照射した後、塗膜の紫外吸収スペクトルを測定した結果を示す図である。図2の(a)は、照射量が0J(照射なし)、1J、3J、および6Jの場合の紫外吸収スペクトルをそれぞれ示し、(b)は、照射量が1J、3Jおよび6Jの場合と照射量0Jの場合との差分を取ったグラフである。図2の(b)に示すように、紫外光照射後は、波長220nm付近にE’センターに起因すると思われる吸収が出ており、200nm未満の波長成分を含む紫外光を照射することにより、欠陥が発生することがわかる。本工程を行うことにより、この欠陥を修復することができる。
本工程において用いられる紫外光源は、200nm以上230nm未満の波長を有する紫外光を発生させるものであればよく、例えば、KrClエキシマランプ(222nmの単一波長)、KrBrエキシマランプ(207nm)、AlGaNやAlNを用いたLED素子等が挙げられるが、特に限定されない。またXeエキシマランプのガラス管内部に蛍光体を設けること(たとえば特開2011−175823)や、Xeエキシマランプと塗膜間に蛍光体を設けたフィルターを介することで当該波長の紫外線を発生することができる。
照射時の反応には、酸素が必要であるが、本工程における照射時の酸素濃度は、0.01〜21体積%であることが好ましく、0.1〜21体積%であることがより好ましい。この範囲であれば、塗膜の改質が十分に進む。
紫外光照射時に用いられる、照射雰囲気を満たすガスとしては乾燥不活性ガスとすることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。酸素濃度の調整は、照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
本工程の紫外光照射においても、常用されているいずれの紫外光照射装置も使用することが可能であるが、一例として、図1に示すような紫外光照射ユニットを挙げることができる。
本工程において、塗膜が受ける塗膜面での該紫外光のピーク照度は10mW/cm2〜500mW/cm2であることが好ましく、50mW/cm2〜300mW/cm2であることがより好ましい。この範囲であれば、塗膜の深部まで改質が可能となる。
本工程において、塗膜面における紫外光の照射エネルギー量(照射量)は、0.01〜20J/cm2であることが好ましく、0.1〜15J/cm2であることがより好ましく、0.3〜10J/cm2であることがさらに好ましい。この範囲であれば、改質が十分に進み、生産性が向上する。また、過剰改質によるクラック発生や、フィルム基材の熱変形を防ぐことができる。なお、後述するように、本工程は複数回行われてもよいが、その場合、照射量の合計が上記範囲となるように、1回あたりの照射量を適宜選択すればよい。
本工程における紫外光の照射は、照射される塗膜を担持しているフィルム基材がダメージを受けない範囲で、フィルム基材−紫外光源間の距離や照射時間を設定することが好ましい。
フィルム基材としてプラスチックフィルムを用いた場合を例にとると、基材−紫外線照射ランプ間の距離は、酸素による光吸収を抑制するという観点から、0.01〜100mmが好ましい。また、照射時間は、改質効率や生産性の観点から、0.05〜300秒が好ましい。
上記(2)の工程および上記(3)の工程の順番は、特に制限されず、(2)の工程の後に(3)の工程を行う形態、(3)の工程の後に(2)の工程を行う形態、(2)の工程と(3)の工程とを同時に行う形態、等が挙げられる。
(2)の工程の後に(3)の工程を行う形態では、工程(2)の紫外光照射ユニットと、工程(3)の紫外光照射ユニットとを、被照射体(塗膜を形成されたフィルム基材)の走行方向に一定の間隔をあけて設置すればよい。ここで、工程(2)の紫外光照射ユニットとは、図1に示す紫外光照射ユニットとして、工程(2)用のVUV光源(Xeエキシマランプ)を設けた紫外光照射ユニットをいう。工程(3)の紫外光照射ユニットとは、図1に示す紫外光照射ユニットとして、工程(3)用の200nm以上230nm未満の紫外線光源(KrClエキシマランプ)を設けた紫外光照射ユニットをいう。また被照射体とは、上記フィルム基材上に前記前駆体溶液を塗布して形成された塗膜をいう。上記工程を繰り返し行う場合には、上記工程(1)の塗布装置、上記工程(2)用の紫外光照射ユニット、工程(3)用の紫外光照射ユニットを複数備えればよい。但し、フィルムの走行距離が長くなりすぎる場合には、ロールツーロール方式で適当回数、工程(1)〜工程(3)を行うようにし、再度、一度巻き取ったロールを再度巻出し側に取り付けて、工程(1)〜工程(3)を繰り返し行ってもよい。
(3)の工程の後に(2)の工程を行う形態の場合は、上記した(2)の工程と(3)の工程とを同時に行う形態の各紫外光照射ユニットの設置順序を逆にすればよい。
(2)の工程と(3)の工程とを同時に行う形態の場合には、例えば、工程(2)の紫外光照射ユニットを被照射体表面から5mm程度上方に設置する。工程(3)の紫外光照射ユニットを工程(2)の紫外光照射ユニットと連設して被照射体表面から5mm程度上方に設置することで、双方の照射範囲が重なる部分を被照射体が走行するようにして、被照射体の塗膜に工程(2)のVUVと工程(3)の紫外線を同時に照射するようにしてもよい。
(2)の工程と(3)の工程とを同時に行う他の形態としては、工程(2)の紫外光照射ユニットを被照射体表面から5mm程度上方に設置する。工程(3)の紫外光照射ユニットを工程(2)の紫外光照射ユニットから走行方向に一定間隔(例えば、5〜200mm)離した位置に被照射体表面から50mm程度上方に設置する。こうすることで、双方の照射範囲が重なる部分を被照射体が走行するようにして、被照射体の塗膜に工程(2)のVUVと工程(3)の紫外線を同時に照射するようにしてもよい(実施例14に適用)。
(2)の工程と(3)の工程とを同時に行うさらに他の形態としては、工程(2)の紫外光照射ユニットを被照射体表面から5mm程度上方に設置する。工程(3)の紫外光照射ユニットを工程(2)の紫外光照射ユニットから走行方向に一定間隔(例えば、5〜200mm)離した位置に被照射体表面から50mm程度上方に設置する。このとき、工程(3)の紫外光照射ユニットでは、該照射ユニットの光源からの紫外線を、工程(2)の紫外光照射ユニットの上方設けた反射板(ミラー)で反射させてから、工程(2)のVUVの照射範囲全体をカバーする照射範囲となるように、該反射板(ミラー)の角度等を調整して被照射体の塗膜に当てることで、工程(2)のVUVと工程(3)の紫外線を同時に照射するようにしてもよい。
(2)の工程と(3)の工程とを同時に行うさらに他の形態としては、工程(2)の紫外光照射ユニットを被照射体表面から5mm程度上方に設置する。このとき工程(2)の紫外光照射ユニットのランプ管の半分に蛍光体を設け、この蛍光体を設けた部分を工程(3)として用い、被照射体の塗膜に工程(2)のVUVと工程(3)の紫外線を同時に照射するようにしてもよい
(2)の工程と(3)の工程とを同時に行う形態としては、特に制限されるものではなく、上記した4形態に何ら制限されるものではない。
また、(2)の工程と(3)の工程とは、複数回繰り返してもよい。繰り返し回数は、特に制限されず、通常、2〜100回の範囲である。保存安定性、特に過酷な条件(高温高湿条件)下での保存安定性に優れる点から、好ましくは3〜50回である(実施例1〜12参照)。また、(2)の工程と(3)の工程との繰り返しの間隔は、5分以内であることが好ましく、30秒以内であることがより好ましい。
さらに、繰り返す場合の(2)の工程1回あたりの紫外光の照射エネルギー量(照射量)は、10mJ/cm2以上であることが好ましい。同様に、(3)の工程1回あたりの紫外光の照射エネルギー量(照射量)は、0.01J/cm2以上であることが好ましい。これは、繰り返し照射により欠陥自体が減ってくるので、ある程度のエネルギー量をあてる方が紫外光の吸収効率、改質効率、更には生産効率の観点からよいといえる。
上記の(2)の工程および(3)の工程は、生産性向上の観点から、図1に示す紫外光照射ユニットを複数備える紫外光照射装置を使用して行うことが好ましい。
本発明の製造方法により得られるガスバリア性フィルムは、ガスバリア膜を2層以上備えていてもよい。この際、(1)の工程のみを繰り返し積層構造の塗膜を得た後(2)の工程および(3)の工程を行ってもよいし、1層ごとに(1)〜(3)の工程を繰り返してガスバリア膜の積層構造を得てもよい。紫外光の吸収効率を考慮すれば、1層ごとに(1)〜(3)の工程を繰り返す方法が好ましい。
〔ガスバリアフィルムのガスバリア膜以外の構成層〕
ガスバリアフィルムにおいては、本発明に係るガスバリア膜以外に、必要に応じて各種機能層を設けてもよい。
(アンカーコート層)
本発明に係るフィルム基材の表面には、接着性(密着性)の向上を目的として、アンカーコート層を易接着層として形成してもよい。アンカーコート層の構成材料、形成方法等は、特開2013−52561号公報の段落「0229」〜「0232」に開示される材料、方法等が適宜採用される。
(平滑層)
本発明に係るガスバリア性フィルムは、フィルム基材のガスバリア膜を有する面、好ましくはフィルム基材とガスバリア膜との間に平滑層を有していてもよい。平滑層は突起等が存在するフィルム基材の粗面を平坦化するために、あるいはフィルム基材に存在する突起により、ガスバリア膜に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。平滑層の構成材料、形成方法、表面粗さ、膜厚等は、特開2013−52561号公報の段落「0233」〜「0248」に開示される材料、方法等が適宜採用される。
(ブリードアウト防止層)
本発明に係るガスバリア性フィルムは、ブリードアウト防止層をさらに有することができる。ブリードアウト防止層は、平滑層を有するフィルムを加熱した際に、樹脂基材中から未反応のオリゴマー等が表面へ移行して、接触する面を汚染する現象を抑制する目的で、平滑層を有する基材の反対面に設けられる。ブリードアウト防止層は、この機能を有していれば、基本的に平滑層と同じ構成をとっても構わない。ブリードアウト防止層の構成材料、形成方法、膜厚等は、特開2013−52561号公報の段落「0249」〜「0262」に開示される材料、方法等が適宜採用される。
(乾式ガスバリア膜)
本発明に係るガスバリアフィルムにおいては、本発明に係るガスバリア膜のほかに、乾式ガスバリア膜を設けてもよい。たとえば乾式ガスバリア膜の上に本発明に係るガスバリア膜を設けることで、塗布による均質な膜により乾式ガスバリア膜の有する微細な欠陥の補修などによる相乗効果によりガスバリア性の更なる向上が期待できる。
乾式ガスバリア膜には、Si、Ta、Nb、Al、In、W、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、Ca、Na、B、Pb、Mg、P、Ba、Ga、Ge、Li、K、Zrから選ばれる1種以上の金属原子を含む酸化物または窒化物、窒酸化物、炭化物を主成分として含む膜を用いることができ、酸化ケイ素、窒酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミ、酸化ケイ素アルミ、窒酸化ケイ素アルミ、ZTO、ITO、ZnOが好ましく用いられる。またこれらの膜には一定割合の炭素が含有されていてもよく、膜厚方向に組成変化のある傾斜膜でもよい。
乾式ガスバリア膜の製造方法としては、物理蒸着法(真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法など)や化学蒸着法(PECVD、Cat−CVD、大気圧プラズマ法、ALD法など)を用いることができる。
[電子デバイス]
本発明の製造方法により得られるガスバリア性フィルムは、空気中の化学成分(酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等)によって性能が劣化するデバイスに好ましく用いることができる。前記デバイスの例としては、例えば、有機EL素子、液晶表示素子(LCD)、薄膜トランジスタ、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池(PV)等の電子デバイスを挙げることができ、有機EL素子または太陽電池が好ましく、有機EL素子が特に好ましい。
本発明に係るガスバリア性フィルムは、また、デバイスの膜封止に用いることができる。すなわち、デバイス自体を支持体として、その表面に本発明に係るガスバリア性フィルムを設ける方法である。ガスバリア性フィルムを設ける前にデバイスを保護層で覆ってもよい。
本発明に係るガスバリア性フィルムは、デバイスの基板や固体封止法による封止のためのフィルムとしても用いることができる。固体封止法とはデバイスの上に保護層を形成した後、接着剤層、ガスバリア性フィルムを重ねて硬化する方法である。接着剤は特に制限はないが、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性アクリレート樹脂等が例示される。
(有機EL素子)
ガスバリア性フィルムを用いた有機EL素子の例は、特開2007−30387号公報に詳しく記載されている。
(液晶表示素子)
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明におけるガスバリア性フィルムは、前記透明電極基板および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN型(Twisted Nematic)、STN型(Super Twisted Nematic)またはHAN型(Hybrid Aligned Nematic)、VA型(Vertically Alignment)、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、IPS型(In−Plane Switching)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)であることが好ましい。
(太陽電池)
本発明に係るガスバリア性フィルムは、太陽電池素子の封止フィルムとしても用いることができる。ここで、本発明に係るガスバリア性フィルムは、ガスバリア膜が太陽電池素子に近い側となるように封止することが好ましい。本発明に係るガスバリア性フィルムが好ましく用いられる太陽電池素子としては、特に制限はないが、例えば、単結晶シリコン系太陽電池素子、多結晶シリコン系太陽電池素子、シングル接合型、またはタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池素子、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池素子、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、有機太陽電池素子等が挙げられる。中でも、本発明においては、上記太陽電池素子が、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子であることが好ましい。
(その他)
その他の適用例としては、特表平10−512104号公報に記載の薄膜トランジスタ、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のタッチパネル、特開2000−98326号公報に記載の電子ペーパー等が挙げられる。
(光学部材)
本発明に係るガスバリア性フィルムは、光学部材としても用いることができる。光学部材の例としては円偏光板等が挙げられる。
<円偏光板>
本発明に係るガスバリア性フィルムを基板とし、λ/4板と偏光板とを積層し、円偏光板を作製することができる。この場合、λ/4板の遅相軸と偏光板の吸収軸とのなす角が45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°の方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−865554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「重量部」あるいは「重量%」を表す。
(実施例1)
(1)の工程
無触媒のパーヒドロポリシラザンを20重量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、アクアミカ(登録商標)NN120−20)と、アミン触媒(N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン(TMDAH))を含むパーヒドロポリシラザン20重量%のジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、アクアミカ(登録商標)NAX120−20)とを、4:1の割合で混合し、さらにジブチルエーテルと2,2,4−トリメチルペンタンとの重量比が65:35となるように混合した溶媒で、塗布液の固形分が5重量%になるように、塗布液を希釈調製した。
上記で得られた塗布液を、スピンコーターにて株式会社きもと製のクリアハードコートを施したPET基材(125μm厚)上に、厚さが250nmになるよう成膜し、2分間放置した後、80℃のホットプレートで1分間追加加熱処理を行い、ポリシラザン塗膜を形成した。
ポリシラザン塗膜を形成した後、下記の方法に従って、酸素濃度0.1体積%の雰囲気下で、1.0J/cm2の真空紫外線照射処理を施した。
(2)および(3)の工程
(2)および(3)の工程は、図1に示す紫外光照射ユニットを複数備える装置を用いて行った。
(2)および(3)の工程で塗膜表面に照射されるエネルギーは、浜松ホトニクス株式会社製の紫外線積算光量計:C8026/H8025 UV POWER METERを用いて測定した。測定に際しては、光源管面とセンサヘッドの測定面との最短距離が、3mmとなるようにセンサヘッドを試料ステージ中央に設置し、かつ、装置チャンバ内の雰囲気が、(2)および(3)の工程と同一の酸素濃度となるように窒素と酸素とを供給し、試料ステージを0.5m/minの速度で移動させて測定を行った。測定に先立ち、光源の照度を安定させるため、光源点灯後に10分間のエージング時間を設け、その後試料ステージを移動させて測定を開始した。
この測定で得られた照射エネルギーを元に、試料ステージの移動速度を調整することで表1および2に記載の照射エネルギー(照射量)となるように調整した。尚、紫外光照射に際しては、照射エネルギー測定時と同様に、10分間のエージング後に行った。
このようにして、ガスバリア性フィルムを作製した。
(実施例2〜18、比較例1〜9)
光源の種類、酸素濃度、照射量、および(2)および(3)の工程を表1および表2に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ガスバリア性フィルムを作製した。
なお、実施例14は、(2)および(3)の工程を同時に行った例である。詳しくは工程(2)の紫外光照射ユニットを被照射体表面から5mm上方に設置し、工程(3)の紫外光照射ユニットを工程(2)の紫外光照射ユニットから走行方向に一定間隔(50mm後方に)離した位置に被照射体表面から50mm上方に設置した。かかる装置構成としたことで、双方の照射範囲が重なる部分を被照射体が走行するようにして、被照射体の塗膜に工程(2)のVUVと工程(3)の紫外線を同時に照射する方法により行った。
得られたガスバリア性フィルムの水蒸気バリア性を、下記の方法に従って測定した。
《水蒸気バリア性の評価》
(装置)
蒸着装置:日本電子株式会社製、真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
(水蒸気バリア性評価試料の作製)
真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置 JEE−400)を用い、実施例および比較例で作製したガスバリア性フィルムのガスバリア膜表面に、マスクを通して12mm×12mmのサイズで金属カルシウムを蒸着させた。
その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムを蒸着させて仮封止をした。次いで、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下に移して、アルミニウム蒸着面に封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス社製)を介して厚さ0.2mmの石英ガラスを張り合わせ、紫外線を照射して樹脂を硬化接着させて本封止することで、水蒸気バリア性評価試料を作製した。
(評価方法)
得られた試料を40℃、90%RHの高温高湿下で保存し、保存時間に対して金属カルシウムが腐食して行く様子を観察した。観察は5時間ごとに行い、12mm×12mmの金属カルシウム蒸着面積に対する金属カルシウムが腐食した面積を%表示で算出した。金属カルシウムが腐食した面積が100%に達した時間を、下記のランクで評価した。
1:30時間未満
2:30時間以上100時間未満
3:100時間以上200時間未満
4:200時間以上300時間未満
5:300時間以上500時間未満
6:500時間以上
各実施例および比較例について、作製直後のガスバリア性フィルムと、85℃85%RHで7日間保存した後のガスバリア性フィルムとのそれぞれについて、上記の水蒸気バリア性評価を行った。
評価結果を下記表1および表2に示す。
上記表1および表2から明らかなように、本発明に係るガスバリア性フィルムは、高いガスバリア性を有し、高温高湿下での保存安定性に優れる。
1 紫外光照射ユニット、
2 エキシマランプホルダー
3 エキシマランプ、
4 窒素ガス配管入口、
5 窒素ガス配管、
6 窒素ガス、
7 紫外光。

Claims (7)

  1. フィルム基材上に少なくとも1層のガスバリア膜を有するガスバリア性フィルムの製造方法であって、
    (1)前記フィルム基材上にケイ素酸化物前駆体またはケイ素酸窒化物前駆体を含む溶液を塗布して塗膜を形成する工程と、
    (2)前記塗膜に200nm未満の波長成分を含む紫外光を照射する工程と、
    (3)前記塗膜に200nm以上230nm未満の波長を有する紫外光を照射する工程と、
    を有する、ガスバリア性フィルムの製造方法。
  2. 前記(2)の工程で、前記塗膜に波長200nm未満の真空紫外光を照射する、請求項1に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  3. 前記(2)の工程と前記(3)の工程とを複数回繰り返す、請求項1または2に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  4. 前記(2)の工程の後に前記(3)の工程を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  5. 前記(2)の工程の酸素濃度が0.01〜1体積%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  6. 前記(3)の工程の酸素濃度が0.01〜21体積%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  7. 前記(2)の工程と前記(3)の工程を同時に行うことを特徴とする請求項1〜3、5、および6のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
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