JP2014220741A - 通信システム、復調装置及び変調信号生成装置 - Google Patents
通信システム、復調装置及び変調信号生成装置Info
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Abstract
【課題】符号系列の相関値のピークの検出精度を向上させる。【解決手段】送信装置10は、同一の符号系列をデータ符号で変調して、ダミーシンボルA、測距シンボルA、測距シンボルB及びダミーシンボルBを時間軸上に順に配置した変調信号を生成して放音する。受信装置20において媒質中を伝搬した変調信号を収音すると、整合フィルタは、所定のサンプリング周波数で、この変調信号に対して符号系列の相関を取って、第1の相関値を順次算出する。受信装置20では、第1の相関値と、第1の相関値に測距シンボルAのシンボル期間分の時間遅延を与えた第2の相関値とを乗算して、反射音等を原因として現れた相関値のピークのレベルを低く抑圧し、測距シンボルに対応する相関値のピークを強調し検出する。受信装置20は、相関値のピークの検出結果に基づいて媒質中での変調信号の伝搬時間を測定し、送信装置10と受信装置20との間の距離を算出する。【選択図】図1
Description
本発明は、符号系列の相関を検出する技術に関する。
スペクトラム拡散通信を行う通信システムでは、スペクトラム拡散信号(変調信号)と拡散符号の相関値を算出し、相関ピークの検出結果に基づいてデータを復調する。特許文献1は、変調信号を含む音響信号に対し、HPF(High-pass Filter)を用いてフィルタ処理を行ってから、変調信号と拡散符号との相関を検出することを開示している。
特許文献1に記載の発明では、音響信号に拡散符号を重畳させるため、例えば、広帯域ノイズが発生しやすい環境下や反射音(残響)が多い環境下では、これら広帯域ノイズ等の外乱の影響を受けて相関値のピークのレベルが低下することがある。
そこで、本発明の目的は、符号系列の相関値のピークの検出精度を向上させることである。
そこで、本発明の目的は、符号系列の相関値のピークの検出精度を向上させることである。
上述した課題を解決するため、本発明の通信システムは、同一の符号系列を変調して生成された第1のシンボル及び第2のシンボルをそれぞれ時間軸上に順に配置した変調信号を生成し、生成した当該変調信号を放音する放音制御部と、前記放音制御部により放音された前記変調信号を取得する取得部と、所定のサンプリング周波数で、前記取得部が取得した変調信号と前記符号系列との相関を取って、第1の相関値を順次算出する相関検出部と、前記相関検出部から供給される第1の相関値と、前記第1の相関値に前記第1のシンボルの開始時点から前記第2のシンボルの開始時点までの時間分の時間遅延を与えた第2の相関値とを乗算する乗算部と、前記乗算部による乗算結果に基づいて相関値のピークを検出するピーク検出部とを備える。
本発明の通信システムでは、第1の相関値と、第1の相関値に第1のシンボル開始時点から第2のシンボルの開始時点までの時間分の時間遅延を与えた第2の相関値とを乗算することによって、反射音等の影響で発生した相関値のピークのレベルを低く抑圧しつつ、第1のシンボル及び第2のシンボルに対応する相関値のピークを強調することができる。
本発明の通信システムでは、第1の相関値と、第1の相関値に第1のシンボル開始時点から第2のシンボルの開始時点までの時間分の時間遅延を与えた第2の相関値とを乗算することによって、反射音等の影響で発生した相関値のピークのレベルを低く抑圧しつつ、第1のシンボル及び第2のシンボルに対応する相関値のピークを強調することができる。
本発明の通信システムにおいて、前記放音制御部は、前記符号系列を変調して生成された、前記第1のシンボルの直前に配置した第3のシンボルと、前記第2のシンボルの直後に配置した第4のシンボルとを含んだ変調信号に、前記第3のシンボルの開始時点から、当該第3のシンボルのシンボル期間よりも長い時間長で立ち上がり、前記第4のシンボルの開始時点から立ち下がる窓関数により窓関数処理を施した変調信号を生成し、生成した当該変調信号を放音するようにしてもよい。
本発明によれば、第1のシンボル及び第2のシンボルの前後の信号を原因とした相関値のピークの検出精度の低下を抑えることができる。
本発明によれば、第1のシンボル及び第2のシンボルの前後の信号を原因とした相関値のピークの検出精度の低下を抑えることができる。
本発明の通信システムにおいて、前記相関値のピークの検出結果に基づいて、前記放音制御部により放音された前記変調信号が前記取得部により取得されるまでの時間を用いた特定の処理を実行する処理実行部を備えるようにしてもよい。
本発明によれば、変調信号が放音されてから取得されるまでの時間を用いた処理の精度を向上させることができる。
本発明によれば、変調信号が放音されてから取得されるまでの時間を用いた処理の精度を向上させることができる。
この通信システムにおいて、前記放音制御部は、前記符号系列を変調したベースバンド信号を、互いに周波数が異なる複数のキャリア信号で周波数シフトさせた変調信号を生成し、生成した当該変調信号を放音し、前記処理実行部は、各キャリア信号に対応する前記変調信号から検出された前記相関値のピークに基づいて、前記処理を実行するようにしてもよい。
本発明によれば、反射音等の影響がより少ない変調信号から検出した相関値のピークを優先して使用することにより、変調信号が放音されてから取得されるまでの時間を用いた処理の精度を向上させることができる。
本発明によれば、反射音等の影響がより少ない変調信号から検出した相関値のピークを優先して使用することにより、変調信号が放音されてから取得されるまでの時間を用いた処理の精度を向上させることができる。
本発明の復調装置は、同一の符号系列を変調して生成された第1のシンボル及び第2のシンボルをそれぞれ時間軸上に順に配置した変調信号を取得する取得部と、所定のサンプリング周波数で、前記取得部が取得した変調信号と前記符号系列との相関を取って、第1の相関値を順次算出する相関検出部と、前記相関検出部から供給される第1の相関値と、前記第1の相関値に前記第1のシンボルの開始時点から前記第2のシンボルの開始時点までの時間分の時間遅延を与えた第2の相関値とを乗算する乗算部と、前記乗算部による乗算結果に基づいて相関値のピークを検出するピーク検出部とを備える。
本発明の変調信号生成装置は、同一の符号系列を変調して生成された第1のシンボル及び第2のシンボルをそれぞれ時間軸上に順に配置した変調信号を生成し、生成した当該変調信号を放音する放音制御部であって、所定のサンプリング周波数で前記変調信号と前記符号系列との相関を取って第1の相関値を順次算出し、算出した前記第1の相関値と、前記第1の相関値に前記第1のシンボルの開始時点から前記第2のシンボルの開始時点までの時間分の時間遅延を与えた第2の相関値との乗算結果に基づいて相関値のピークを検出する復調装置が配置された媒質中に、前記変調信号を放音する放音制御部を備える。
本発明によれば、符号系列の相関値のピークの検出精度を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム1の全体構成を示す図である。図1に示すように、通信システム1は、送信装置10と受信装置20を備え、音(音波)を介したスペクトラム拡散通信を行う通信システムである。送信装置10は、直接スペクトラム拡散方式により変調信号を生成して送信する。受信装置20は、送信装置10により送信された変調信号を受信して復調する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム1の全体構成を示す図である。図1に示すように、通信システム1は、送信装置10と受信装置20を備え、音(音波)を介したスペクトラム拡散通信を行う通信システムである。送信装置10は、直接スペクトラム拡散方式により変調信号を生成して送信する。受信装置20は、送信装置10により送信された変調信号を受信して復調する。
送信装置10は、放音制御部11と、送信回路部12と、スピーカ13とを備える。放音制御部11は、拡散符号を変調したデジタル形式の変調信号を生成して、送信回路部12へ供給する変調信号生成装置として機能する。送信回路部12は、デジタル形式の変調信号をアナログ形式に変換し、増幅処理を行った後で、スピーカ13へ供給する。スピーカ13は、送信回路部12から供給されたアナログ形式の変調信号を、音(音波)として放音する放音部である。スピーカ13が放音した変調信号は、媒質中(ここでは空気)を伝搬して受信装置20のマイクロホン21へ到達する。
受信装置20は、マイクロホン21と、受信回路部22と、復調部23とを備える。マイクロホン21は、送信装置10のスピーカ13から放音された音(音波)である変調信号を収音して、アナログ形式の変調信号を受信回路部22に供給する収音部である。受信回路部22は、マイクロホン21から供給された変調信号を、所定のサンプリング周波数でアナログ形式からデジタル形式に変換して、復調部23へ供給する。復調部23は、受信回路部22から供給された変調信号に含まれている拡散符号を検出して、その拡散符号に重畳されている情報データ(後述するデータ符号)を復調する。
通信システム1は、ここでは、送信装置10及び受信装置20の構成要素を全て備えた変調信号の送受信装置によって実現される。この通信システム1では、例えば、スピーカ13及びマイクロホン21を除く構成要素が同一の筐体内に設けられ、スピーカ13と送信回路部12とが例えばケーブルを介して接続され、マイクロホン21と受信回路部22とが例えばケーブルを介して接続される構成である。
以上の構成の通信システム1では、送信装置10が備えるスピーカ13と、受信装置20が備えるマイクロホン21との間の音の伝搬時間を測定し、スピーカ13とマイクロホン21との間の距離を算出する測距処理が実行される。この測距処理の詳細については後で説明する。
以上の構成の通信システム1では、送信装置10が備えるスピーカ13と、受信装置20が備えるマイクロホン21との間の音の伝搬時間を測定し、スピーカ13とマイクロホン21との間の距離を算出する測距処理が実行される。この測距処理の詳細については後で説明する。
図2は、放音制御部11の詳細な構成を示すブロック図である。図2に示すように、放音制御部11は、拡散符号発生部111と、データ符号入力部112と、乗算部113と、差動符号化部114と、LPF(Low-pass filter)115と、キャリア信号発生部116と、乗算部117と、窓関数処理部118とを備える。図3は、放音制御部11の各部が供給する信号を説明する図である。
拡散符号発生部111は、拡散符号を発生させて乗算部113へ供給する。拡散符号は、例えばM系列であるが、Gold系列等の一定の巡回周期を持つ他の符号系列であってもよい。拡散符号の波形の一例を図3(a)に示す。
データ符号入力部112は、「0」又は「1」のいずれかの値で表されるデータ符号が入力される。入力されるデータ符号の1シンボル周期は、拡散符号の1巡回周期と一致するように調整されている。データ符号の波形の一例を図3(b)に示す。
拡散符号発生部111は、拡散符号を発生させて乗算部113へ供給する。拡散符号は、例えばM系列であるが、Gold系列等の一定の巡回周期を持つ他の符号系列であってもよい。拡散符号の波形の一例を図3(a)に示す。
データ符号入力部112は、「0」又は「1」のいずれかの値で表されるデータ符号が入力される。入力されるデータ符号の1シンボル周期は、拡散符号の1巡回周期と一致するように調整されている。データ符号の波形の一例を図3(b)に示す。
乗算部113は、データ符号入力部112から供給されたデータ符号を、拡散符号発生部111から供給された拡散符号との乗算によって変調し、変調後の拡散符号を差動符号化部114へ供給する。変調後の拡散符号の波形の一例を図3(c)に示す。ここにおいて、データ符号の値により拡散符号が位相変調されて、データ符号の周波数スペクトルが拡散する。
差動符号化部114は、例えばXOR回路及び遅延器を有し、乗算部113から供給された拡散符号を差動符号に変換し、この差動符号をベースバンド信号として、LPF115へ供給する。差動符号化は、拡散符号の各チップの値を、その絶対値から前チップからの変化を表す値に置き換える処理である。差動符号の波形の一例を図3(d)に示す。
LPF115は、例えばナイキストフィルタであり、差動符号化部114からのベースバンド信号の帯域を制限して、チップ間の干渉を抑制するフィルタである。
なお、拡散符号のチップレートや帯域幅を規定するために、差動符号化部114とLPF115との間に、差動符号をアップサンプリングするアップサンプリング部が設けられてもよい。
なお、拡散符号のチップレートや帯域幅を規定するために、差動符号化部114とLPF115との間に、差動符号をアップサンプリングするアップサンプリング部が設けられてもよい。
キャリア信号発生部116は、周波数faの正弦波信号であるキャリア信号(つまり搬送波信号)を発生させて、乗算部117へ供給する。キャリア信号及び拡散符号の周波数成分の周波数軸上での関係を、図3(e)に示す。
乗算部117は、LPF115から供給されたベースバンド信号を、キャリア信号発生部116から供給されたキャリア信号と乗算して、その乗算結果である変調信号を窓関数処理部118へ供給する。即ち、乗算部117は、ベースバンド信号を高周波数側の周波数faへ周波数シフトさせた変調信号を生成する。周波数シフト後のキャリア信号及び拡散符号の周波数成分の周波数軸上での関係を、図3(f)に示す。この周波数シフトにより、ベースバンド信号は、例えば、可聴周波数の中で比較的高い周波数であり、人間が聞き取り難く聴感上の違和感や不快感の少ない周波数(例えば18kHz)以上で、且つ、可聴周波数の上限値(例えば20kHz)を含む帯域内の周波数に周波数シフトさせられる。
特に、ベースバンド信号が可聴周波数の上限値以下の周波数に周波数シフトさせられた場合、送信装置10及び受信装置20において、可聴周波数を超える高い周波数の信号を確実に伝送し処理するための構成を省くこともできる。なお、上述の目的信号を変調する周波数としての可聴周波数の上限値は、送信装置10及び受信装置20でのサンプリング周波数に基づいて決められてもよく、例えば、22.05kHz(サンプリング周波数が44.1kHzの場合)又は24.0kHz(サンプリング周波数が48.0kHzの場合)等としてもよい。
特に、ベースバンド信号が可聴周波数の上限値以下の周波数に周波数シフトさせられた場合、送信装置10及び受信装置20において、可聴周波数を超える高い周波数の信号を確実に伝送し処理するための構成を省くこともできる。なお、上述の目的信号を変調する周波数としての可聴周波数の上限値は、送信装置10及び受信装置20でのサンプリング周波数に基づいて決められてもよく、例えば、22.05kHz(サンプリング周波数が44.1kHzの場合)又は24.0kHz(サンプリング周波数が48.0kHzの場合)等としてもよい。
他方、ベースバンド信号が18kHz以上の周波数に周波数シフトさせられることが望ましい理由は、以下のとおりである。文献(Kenji Kurata, Tazu Mizunami and Kazuma Matsushita, "Percentiles of normal hearing-threshold distribution under free-field listening conditions in numerical form,"Acoust.Sci.&Tech.26,447-449(2005).)には、人間が音を知覚するために必要な音圧が周波数毎に記載されている(特にFig.2の記載参照)。この文献には、18kHzの音を全体の5%の人間が知覚するために必要な音圧(同図のP5)が、およそ50dBSPLと記載されている。換言すると、18kHzの音の音圧レベルがおよそ50dBSPLである場合、全体の95%の人間が、その音を知覚できない、又は、ほとんど知覚できないことになる。人間が日常的に置かれる環境下では、40〜50dBSPL程度の暗騒音が存在するが、この環境下で通信システム1を利用するためには、送信装置10が、この暗騒音の音圧以上の音圧で放音する必要がある。このために、ベースバンド信号が18kHzに周波数シフトさせられて、およそ50dBSPLで放音した場合であっても、ほとんどの人間(95%)によって、18kHzの周波数成分の音は知覚されないこととなる。また、18kHzよりも高い周波数の音は、人間によって更に知覚され難くなる。更に、同図に示すように、18kHzよりも低い周波数の音、例えば17kHzの音では、上述のP5の閾値はおよそ30dBSPLと大幅に低下するため、50dBSPLで放音された場合には、全体の25%以上の人間により知覚されることとなる(同図P25に対応)。以上の理由によりベースバンド信号は、18kHz以上の周波数に周波数シフトさせられることが望ましいといえる。
窓関数処理部118は、乗算部117から供給された変調信号に窓関数Wを乗じる窓関数処理を施す。窓関数処理部118は、窓関数処理後の変調信号を、送信回路部12経由でスピーカ13へ供給する。スピーカ13は、窓関数処理部118から供給された変調信号を放音する。なお、窓関数処理の詳細な説明は、後述する。
図4は、測距処理に用いられる、送信装置10の放音制御部11で生成される変調信号を説明する図である。図4において、横軸は時間軸を表す。
図4(a)は、測距処理に用いられる変調信号の時間的な構成を説明する図である。この変調信号では、時間軸上に、順に、ダミーシンボルA、測距シンボルA、測距シンボルB及びダミーシンボルBという4つのシンボルが連続して配置される。放音制御部11の各部に供給される信号が、図4(a)に示す構成となる。以下の説明では、放音制御部11の窓関数処理部118に供給される変調信号において、ダミーシンボルAの開始時点をt1とし、測距シンボルAの開始時点をt2とし、測距シンボルBの開始時点をt3とし、ダミーシンボルBの開始時点をt4とし、ダミーシンボルBの終了時点をt5とする。また、これらの4つのシンボルの各シンボルに相当する信号は、データ符号入力部112に入力された1ビットのデータ符号に基づいて、1周期分の拡散符号を変調して生成される。よって、各シンボルの期間(以下「シンボル期間」という。)Tは、拡散符号の1周期分の時間長に相当する。各シンボルに相当する信号は、例えば、データ符号の値を「1」として生成されているが、「0」として生成されてもよい。
図4(a)は、測距処理に用いられる変調信号の時間的な構成を説明する図である。この変調信号では、時間軸上に、順に、ダミーシンボルA、測距シンボルA、測距シンボルB及びダミーシンボルBという4つのシンボルが連続して配置される。放音制御部11の各部に供給される信号が、図4(a)に示す構成となる。以下の説明では、放音制御部11の窓関数処理部118に供給される変調信号において、ダミーシンボルAの開始時点をt1とし、測距シンボルAの開始時点をt2とし、測距シンボルBの開始時点をt3とし、ダミーシンボルBの開始時点をt4とし、ダミーシンボルBの終了時点をt5とする。また、これらの4つのシンボルの各シンボルに相当する信号は、データ符号入力部112に入力された1ビットのデータ符号に基づいて、1周期分の拡散符号を変調して生成される。よって、各シンボルの期間(以下「シンボル期間」という。)Tは、拡散符号の1周期分の時間長に相当する。各シンボルに相当する信号は、例えば、データ符号の値を「1」として生成されているが、「0」として生成されてもよい。
測距シンボルA及び測距シンボルBに相当する変調信号は、拡散符号との相関を表す相関値が測距処理に用いられる信号である。ダミーシンボルAに相当する変調信号は、時間軸上で測距シンボルAよりも前の信号が測距処理に与える影響を抑えるために用いられる信号である。ダミーシンボルBに相当する変調信号は、時間軸上で測距シンボルBよりも後の信号が測距処理に与える影響を抑えるために用いられる信号である。これらのダミーシンボルの作用については、後で詳細を説明する。
図4(b)は、窓関数処理部118での窓関数処理に用いられる窓関数Wを説明する図である。窓関数Wは、時点t1〜t5において以下のとおりに値が変化する。
窓関数Wは、ダミーシンボルAの開始時点t1の値が「0」であり、時点t1から、ダミーシンボルAのシンボル期間Tよりも長い時間長で立ち上がって、時点t2mの値が「1」となる。時点t2mは、測距シンボルAの開始時点t2よりも後で、且つ、測距シンボルBの開始時点t3よりも前の時点である。よって、測距シンボルAの開始時点t2では、窓関数の値は「0」よりも大きく、且つ、「1」よりも小さい値となる(例えば0.7)。窓関数Wは、時点t2mの値が「1」となった後、測距シンボルBの終了時点(つまりt4)に至るまで、その値が「1」である。窓関数Wは、ダミーシンボルBの開始時点t4から、ダミーシンボルBのシンボル期間Tと同じ時間長で立ち下がり、ダミーシンボルBの終了時点t5の値が「0」となる。
以上のとおり、窓関数Wは、時点t1〜t2mの期間においてその値が漸次増加し、時点t4〜t5の期間においてその値が漸次減少する。
窓関数Wは、ダミーシンボルAの開始時点t1の値が「0」であり、時点t1から、ダミーシンボルAのシンボル期間Tよりも長い時間長で立ち上がって、時点t2mの値が「1」となる。時点t2mは、測距シンボルAの開始時点t2よりも後で、且つ、測距シンボルBの開始時点t3よりも前の時点である。よって、測距シンボルAの開始時点t2では、窓関数の値は「0」よりも大きく、且つ、「1」よりも小さい値となる(例えば0.7)。窓関数Wは、時点t2mの値が「1」となった後、測距シンボルBの終了時点(つまりt4)に至るまで、その値が「1」である。窓関数Wは、ダミーシンボルBの開始時点t4から、ダミーシンボルBのシンボル期間Tと同じ時間長で立ち下がり、ダミーシンボルBの終了時点t5の値が「0」となる。
以上のとおり、窓関数Wは、時点t1〜t2mの期間においてその値が漸次増加し、時点t4〜t5の期間においてその値が漸次減少する。
図5は、窓関数処理部118から出力された変調信号の波形を示すグラフである。図5において、横軸が時間軸を表し、縦軸が振幅を表す。
図5に示すように、窓関数Wを用いた窓関数処理の後の変調信号では、測距シンボルとダミーシンボルとの境界付近の期間において、振幅が漸次変化する。このため、窓関数処理後の変調信号では、測距シンボルとダミーシンボルとの境界付近で信号が不連続になるのが抑えられ、この信号の不連続に起因する広帯域ノイズの発生が抑制される。これに対して、変調信号が不連続となって広帯域ノイズが発生した場合には、測距シンボルA及び測距シンボルBについての相関の検出が妨げられる可能性がある。
図5に示すように、窓関数Wを用いた窓関数処理の後の変調信号では、測距シンボルとダミーシンボルとの境界付近の期間において、振幅が漸次変化する。このため、窓関数処理後の変調信号では、測距シンボルとダミーシンボルとの境界付近で信号が不連続になるのが抑えられ、この信号の不連続に起因する広帯域ノイズの発生が抑制される。これに対して、変調信号が不連続となって広帯域ノイズが発生した場合には、測距シンボルA及び測距シンボルBについての相関の検出が妨げられる可能性がある。
また、窓関数Wによる窓関数処理を変調信号に施しておけば、測距シンボルA及び測距シンボルBに対応する相関値のピークのレベルに対して、ダミーシンボルA及びダミーシンボルBに対応する相関値のピークのレベルを低く抑圧することができる。図4(b)の「相関ピーク」の欄に示すように、ダミーシンボルAの開始時点t2における窓関数Wの値を「1」未満の小さな値としておけば、ダミーシンボルAに対応する相関値のピークのレベルが低くなる。また、時点t5において窓関数Wの値は「0」であるから、ダミーシンボルBに対応する相関値のピークのレベルは、ゼロ又はほぼゼロになる。図4(c)は、窓関数処理部118により窓関数処理が施されてからスピーカ13により放音された変調信号と、拡散符号との相関値を算出した場合の相関値の一例を示す図である。図4(c)に示すように、時点t3,t4に現れる測距シンボルの相関値のピークのレベルに対して、時点t2に現れるダミーシンボルの相関値のピークのレベルが低く抑圧されていることが分かる。
一方、図12(a)に示すように、窓関数の値が時点t1〜t2の期間で立ち上がりが完了した場合、時点t2で窓関数の値が「1」となる。この場合、図12(a)に示すように、時点t2に現れるダミーシンボルに対応する相関値のピークのレベルと、時点t3,t4に現れる測距シンボルに対応する相関値のピークのレベルとがほぼ同じとなる。図12(b)は、図12(a)に示す窓関数で窓関数処理が施されてからスピーカ13により放音された変調信号と、拡散符号との相関値を算出した場合の相関値の一例を示す図である。図12(a)の「相関ピーク」の欄及び図12(b)に示すように、ダミーシンボルに対応する相関値のピークのレベルが高いと、特に、反射音(残響)の影響を受けて高いレベルの相関値のピークが複数現れた場合に、どれが測距シンボルに対応する相関値のピークであるかを正確に判別するのが難しい。窓関数Wによる窓関数処理を施しておけば、高いレベルの相関値のピークが多数現れるのを未然に抑えることができる。
図6は、受信装置20の復調部23の詳細な構成を示すブロック図である。図6に示すように、復調部23は、変調信号取得部231と、BPF(Band-pass filter)232と、遅延検波部233と、LPF234と、拡散符号発生部235と、整合フィルタ236と、遅延部237と、乗算部238と、ピーク検出部239と、測距部240とを備える。
変調信号取得部231は、スピーカ13により放音されて空間を伝搬した音(音波)を、マイクロホン21から変調信号として取得する。この変調信号は、受信回路部22によってデジタル形式に変換される。変調信号取得部231は、図4に示したダミーシンボルA、測距シンボルA、測距シンボルB及びダミーシンボルBに相当する変調信号を取得する。
変調信号取得部231は、スピーカ13により放音されて空間を伝搬した音(音波)を、マイクロホン21から変調信号として取得する。この変調信号は、受信回路部22によってデジタル形式に変換される。変調信号取得部231は、図4に示したダミーシンボルA、測距シンボルA、測距シンボルB及びダミーシンボルBに相当する変調信号を取得する。
BPF232は、ダミーシンボルA、測距シンボルA、測距シンボルB及びダミーシンボルBに相当する変調信号を抽出するための帯域通過フィルタである。BPF232は、キャリア信号の周波数faを含む周波数帯域を通過帯域とし、それ以外の周波数帯域の余分な信号成分を通過させないフィルタ処理を行う。BPF232を通過した変調信号は、遅延検波部233へ供給される。
遅延検波部233は、例えば遅延器及び乗算部を有し、差動符号化された変調信号を、元の拡散符号を含む変調信号に変換するための遅延検波を行う。遅延検波部233の遅延器の遅延時間は、送信装置10における拡散符号の1チップ分の時間に設定されている。遅延検波部233は、BPF232を通過した1チップ分のサンプルと、遅延器の1チップ分のサンプルとを乗算する。
LPF234は、例えばナイキストフィルタであり、遅延検波部233から供給された変調信号からキャリア成分を除去してベースバンド信号を抽出し、更に、余計な雑音成分を除去してSN比を向上させるためのフィルタである。
拡散符号発生部235は、送信装置10の拡散符号発生部111と同一の拡散符号を発生させて、整合フィルタ236へ供給する。
拡散符号発生部235は、送信装置10の拡散符号発生部111と同一の拡散符号を発生させて、整合フィルタ236へ供給する。
整合フィルタ236は、所定のサンプリング周波数で、LPF234から供給された変調信号に対して、拡散符号発生部235から供給された拡散符号との相関を取って、相関値を順次算出する相関検出部として機能する。整合フィルタ236は、拡散符号発生部235から供給された拡散符号をフィルタ係数としたFIRフィルタで構成される。整合フィルタ236は、LPF234から供給された変調信号と拡散符号との畳み込み演算を実行して、相関値を算出する。フィルタ係数に使用する拡散符号のサンプリング周波数は、例えば、送信装置10におけるサンプリング周波数と同じである。ただし、送信装置10で差動符号のアップサンプリングが行われていた場合は、そのアップサンプリング後のサンプリング周波数と同じである。
遅延部237は、整合フィルタ236から供給された相関値に、1シンボル期間Tに相当する時間遅延を与えて、乗算部238へ供給する。1シンボル期間Tは、測距シンボルAの開始時点t2から測距シンボルBの開始時点t3までの時間長に相当する。
乗算部238は、整合フィルタ236から供給される第1の相関値と、遅延部237により時間遅延が与えられた第2の相関値とを乗算する遅延乗算処理を行って、その乗算結果である合成相関値を、ピーク検出部239へ供給する。即ち、遅延部237及び乗算部238は、測距シンボルA及び測距シンボルBに対応して算出された相関値同士を乗算する。
図7は、上述の遅延乗算処理を説明する図である。図7(a)は、測距シンボルA及び測距シンボルBの相関値を表したグラフである。図7(b)は、測距シンボルAと測距シンボルBとの合成相関値を表したグラフである。図7(a),(b)のグラフにおいて、横軸は時間軸を表し、縦軸は相関値を表す。また、図8は、時間軸上で連続する2つのシンボルの相関値同士を乗算した後の合成相関値を説明する図である。
図7(a)に示すように、遅延乗算処理が行われる前は、反射音等の影響によって、相関値のピークが複数現れることがある。一方で、図7(b)に示す遅延乗算処理が行われた後の合成相関値では、相関値のピークが1つ(同図中の最大ピーク)だけ強調されている。これは、測距シンボルAに対応して現れた相関値のピークと、測距シンボルBに対応して現れた相関値のピークとを乗算したことにより、これらの相関値のピークがより強調されたことによるものである。図4で説明したように、測距シンボルA及び測距シンボルBに対応する相関値のピークのレベルがそれぞれ高いので、図8に示すようにこれら2つの相関値のピークの合成相関値は、特に高いレベルとなる。一方、反射音等の外乱による影響によって相関値のピークが現れた場合、その1シンボル期間Tの後の時刻にも相関値のピークが現れる可能性は低いと考えられる。このため、測距シンボルに対応する相関値のピーク以外のピークについては、遅延乗算処理によってそのレベルが低く抑圧される。
図7(a)に示すように、遅延乗算処理が行われる前は、反射音等の影響によって、相関値のピークが複数現れることがある。一方で、図7(b)に示す遅延乗算処理が行われた後の合成相関値では、相関値のピークが1つ(同図中の最大ピーク)だけ強調されている。これは、測距シンボルAに対応して現れた相関値のピークと、測距シンボルBに対応して現れた相関値のピークとを乗算したことにより、これらの相関値のピークがより強調されたことによるものである。図4で説明したように、測距シンボルA及び測距シンボルBに対応する相関値のピークのレベルがそれぞれ高いので、図8に示すようにこれら2つの相関値のピークの合成相関値は、特に高いレベルとなる。一方、反射音等の外乱による影響によって相関値のピークが現れた場合、その1シンボル期間Tの後の時刻にも相関値のピークが現れる可能性は低いと考えられる。このため、測距シンボルに対応する相関値のピーク以外のピークについては、遅延乗算処理によってそのレベルが低く抑圧される。
また、図8に示すように、ダミーシンボルAと測距シンボルAとの合成相関値、及び、測距シンボルBとダミーシンボルBとの合成相関値も上述の遅延乗算処理により算出される。ただし、図4で説明したように、ダミーシンボルA及びダミーシンボルBの相関値のピークのレベルが窓関数処理により低く抑圧されるため、合成相関値では、ダミーシンボルに対応する相関値のピークのレベルも低く抑圧されることとなる。即ち、窓関数Wは、遅延乗算処理によってダミーシンボルに対応する相関値のピークが強調されないように、その値が決められている。
相関ピーク検出部239は、乗算部238から供給された合成相関値に基づいて相関値のピークを検出する。ここにおいて、相関ピーク検出部239は、例えば、閾値以上であり、且つ、最大レベルの相関値のピークを検出する。ここでは、相関ピーク検出部239は、図7(b)に「最大ピーク」と付した相関値のピークを検出する。
測距部240は、相関ピーク検出部239により検出された相関値のピークに基づいて測距処理を実行する処理実行部として機能する。測距部240は、下記式(1)の演算によって、スピーカ13とマイクロホン21との間の距離dを算出する。
d=(x−la)×c×1/fs ・・・(1)
d=(x−la)×c×1/fs ・・・(1)
式(1)において、xは、相関値遅延であり、変調信号がスピーカ13から放音されたときから相関値のピークが現れるまでのサンプル数である。このサンプル数は、スピーカ13から変調信号が放音されてから、マイクロホン21に収音されるまで(つまり、変調信号取得部231に取得されるまで)の時間長に相当する、この時間長は、変調信号が放音された空間を伝搬した時間に相当する。laは、通信システム1の全体でのレイテンシに相当する遅延時間である。cは、変調信号が伝搬した空間(媒質)での音速であり、ここでは、空気中の音速として340m/s等とすればよい。fsはサンプリング周波数である。レイテンシlaは、設計段階等で設定された値であってもよいし、測距処理の実行時等に実測された値であってもよい。後者の場合、例えば、スピーカ13及びマイクロホン21を接触させた状態で測距処理を行うことで求めることができる。即ち、この場合、d=0とみなせるので、相関値遅延x、音速c及びサンプリング周波数fsを式(1)に代入することで、レイテンシlaを一意に算出することができる。レイテンシlaは、いわば、スピーカ13及びマイクロホン21間の空間(媒質)以外での、通信システム1における変調信号の伝搬時間に相当する。
以上のとおり、測距部240は、媒質中(空気中)での変調信号の伝搬時間を用いた測距処理を行う。測距部240は、距離dを算出すると、例えば、表示出力や音声出力等の方法を用いて、使用者に、スピーカ13とマイクロホン21との間の距離dの測定結果を報知する。
以上のとおり、測距部240は、媒質中(空気中)での変調信号の伝搬時間を用いた測距処理を行う。測距部240は、距離dを算出すると、例えば、表示出力や音声出力等の方法を用いて、使用者に、スピーカ13とマイクロホン21との間の距離dの測定結果を報知する。
以上説明した実施形態の通信システム1では、2つの測距シンボルに対応した相関値同士を乗算する遅延乗算処理を行うによって、相関値のピークを強調し、反射音等の外乱を原因として偶発的に発生した相関値のピークを低く抑圧することができる。この際に、時間軸上で測距シンボルA及び測距シンボルBに相当する変調信号の前後に現れる信号が、上述の遅延乗算処理により測距シンボルに相当する信号と乗算されることによって、相関値のレベルが高くなることを避けるために、送信装置10は、ダミーシンボルA及びダミーシンボルBに相当する変調信号を付与する。更には、送信装置10は、時間軸上で測距シンボルA及び測距シンボルBの前後にある、ダミーシンボルA及びダミーシンボルBに相当する信号が、遅延乗算処理により測距シンボルに相当する信号と乗算されて、相関値のレベルが高くなることを避けるために、窓関数Wを用いた窓関数処理を放音前の変調信号に施す。以上の作用により、通信システム1によれば、スピーカ13とマイクロホン21との間の距離測定を、広帯域ノイズや反射音(残響等)の外乱による影響を抑えて、精度良く行うことができる。
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
上述した実施形態では、通信システム1において、周波数faのひとつのキャリア信号を用いてベースバンド信号を高周波数側にシフトさせていたが、周波数が互いに異なる複数のキャリア信号を用いてもよい。
図9は、反射音等の外乱の影響が大きい環境下での測距シンボルAと測距シンボルBとの合成相関値の時間的な変化を例示するグラフを示す図である。図9に示すグラフには、合成相関値の時間的な変化を表すグラフを示すとともに、「○」印及び「○」印に延びる線分によって合成相関値の値(ピーク値)とピーク箇所を示す。
図9に示すように、反射音等が特に大きい環境下では、合成相関値においても、相関値のピークが多数現れることがある。図9に示す例の場合、最大ピークのレベルと2番目のピークのレベルとがかなり近いため、どちらが測距シンボルによるものであるかを正確に判別することが難しい。また、マイクロホン21の位置や向きを調整して、これらの反射音等の影響を緩和することが難しい場合もある。このような場合には、通信システム1において、予め複数のキャリア信号を用いてベースバンド信号を周波数シフトさせておくことにより、複数のピークの中から最大のピークを、容易に特定することができる。
上述した実施形態では、通信システム1において、周波数faのひとつのキャリア信号を用いてベースバンド信号を高周波数側にシフトさせていたが、周波数が互いに異なる複数のキャリア信号を用いてもよい。
図9は、反射音等の外乱の影響が大きい環境下での測距シンボルAと測距シンボルBとの合成相関値の時間的な変化を例示するグラフを示す図である。図9に示すグラフには、合成相関値の時間的な変化を表すグラフを示すとともに、「○」印及び「○」印に延びる線分によって合成相関値の値(ピーク値)とピーク箇所を示す。
図9に示すように、反射音等が特に大きい環境下では、合成相関値においても、相関値のピークが多数現れることがある。図9に示す例の場合、最大ピークのレベルと2番目のピークのレベルとがかなり近いため、どちらが測距シンボルによるものであるかを正確に判別することが難しい。また、マイクロホン21の位置や向きを調整して、これらの反射音等の影響を緩和することが難しい場合もある。このような場合には、通信システム1において、予め複数のキャリア信号を用いてベースバンド信号を周波数シフトさせておくことにより、複数のピークの中から最大のピークを、容易に特定することができる。
図10は、この変形例で送信装置10が送信する変調信号の一例を示すグラフである。図10のグラフにおいて、横軸が周波数軸を表し、縦軸が振幅を表す。この例では、送信装置10は、中心周波数がf01,f02及びf03の3つの相異なるキャリア信号を用いて、ベースバンド信号を周波数シフトさせる。送信装置10は、これら3つの変調信号を同時に放音した場合であっても、互いの変調信号が干渉しない程度に、各変調信号の周波数帯域(中心周波数f01,f02及びf03)を周波数軸上で離しておく。
送信装置10は、3つのキャリア信号のそれぞれで変調した変調信号を、スピーカ13により放音する。受信装置20は、これらの3つのキャリア信号で変調された変調信号のそれぞれから、相関値のピークを検出するように各部が動作する。そして、測距部240は、ピーク検出部239による相関値のピークの検出結果に基づき、複数のキャリア信号のうちの、少なくともいずれか一つのキャリア信号により周波数シフトさせられたベースバンド信号を用いて、測距処理を実行する。この際、測距部240は、最大ピークのレベルと2番目のピークのレベルとの差が最大となった相関値のピークに基づいて測距処理を実行する。これ以外にも、測距部240は、2番目のピークのレベルが閾値以下、例えば、最大ピークの1/2以下のレベル以下となった場合に、最大レベルの相関値のピークに基づいて測距処理を実行してもよい。また、測距部240は、合成相関値における全ピークのレベルを参照して、測距シンボルに対応する相関値のピークの検出精度の良し悪しを判断してもよい。
また、送信装置10は、複数の変調信号の周波数帯域を上述のように周波数軸上で離すのではなく、複数の変調信号を時間軸上で離すことにより、各変調信号の放音タイミングをずらすことによっても、互いの変調信号の干渉を防ぐことができる。
なお、ここでは、キャリア信号を3種類用いる例を説明したが、2種類又は4種類以上であってもよい。
また、送信装置10は、複数の変調信号の周波数帯域を上述のように周波数軸上で離すのではなく、複数の変調信号を時間軸上で離すことにより、各変調信号の放音タイミングをずらすことによっても、互いの変調信号の干渉を防ぐことができる。
なお、ここでは、キャリア信号を3種類用いる例を説明したが、2種類又は4種類以上であってもよい。
上述した実施形態の通信システム1では、変調信号の空間での伝搬時間を用いて、スピーカ13とマイクロホン21との間の距離dを測定していた。この伝搬時間を用いた処理は、測距処理に限られない。
例えば、スピーカ13とマイクロホン21との間の距離dが既知であれば、通信システム1では、伝搬時間を用いて、空間における変調信号の伝搬速度を測定することができる。また、空間での音波の伝搬速度は温度によって変化するので、通信システム1では、伝搬時間と距離dとを用いて空間の温度を測定することもできる。この場合、空間の局所的な場所の温度ではなく、変調信号が伝搬した空間全体の温度の特性を把握することができる。即ち、通信システム1では、測距部240に代えて、伝搬時間を用いて算出可能な物理量を測定する処理を実行する処理実行部が設けられてもよい。
例えば、スピーカ13とマイクロホン21との間の距離dが既知であれば、通信システム1では、伝搬時間を用いて、空間における変調信号の伝搬速度を測定することができる。また、空間での音波の伝搬速度は温度によって変化するので、通信システム1では、伝搬時間と距離dとを用いて空間の温度を測定することもできる。この場合、空間の局所的な場所の温度ではなく、変調信号が伝搬した空間全体の温度の特性を把握することができる。即ち、通信システム1では、測距部240に代えて、伝搬時間を用いて算出可能な物理量を測定する処理を実行する処理実行部が設けられてもよい。
また、本発明を以下の構成の撮影システムに適用することができる。
図11は、本発明を適用した撮影システム300の構成の一例を示す図である。図11は、電話会議が行われる会議室等の空間や、講演会やコンサートが行われるホール等の音響空間400を上方から平面視した様子を表している。
撮影システム300は、コントローラ200と、スピーカ13a,13bと、マイクロホン21と、撮影カメラ30a〜30cと、表示装置40とを備える。
コントローラ200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有するマイクロコンピュータを備えるとともに、上述した実施形態で説明した、放音制御部11及び復調部23等に相当する機能を実現する。コントローラ200は、上述した実施形態と同じ方法で、スピーカ13aとマイクロホン21との距離d1を測定するとともに、スピーカ13bとマイクロホン21との距離d2を測定する。ここにおいて、スピーカ13aとスピーカ13bとの間の距離Lは既知であるものとし、例えば、コントローラ200に予め設定されている。
撮影カメラ30a〜30cは、動画を撮影する動画カメラであり、撮影画像を示す画像信号をコントローラ200へ供給する。表示装置40は、例えばモニタであり、コントローラ200の制御の下、撮影カメラ30a〜30cによって撮影された画像を表示する表示装置である。
図11は、本発明を適用した撮影システム300の構成の一例を示す図である。図11は、電話会議が行われる会議室等の空間や、講演会やコンサートが行われるホール等の音響空間400を上方から平面視した様子を表している。
撮影システム300は、コントローラ200と、スピーカ13a,13bと、マイクロホン21と、撮影カメラ30a〜30cと、表示装置40とを備える。
コントローラ200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有するマイクロコンピュータを備えるとともに、上述した実施形態で説明した、放音制御部11及び復調部23等に相当する機能を実現する。コントローラ200は、上述した実施形態と同じ方法で、スピーカ13aとマイクロホン21との距離d1を測定するとともに、スピーカ13bとマイクロホン21との距離d2を測定する。ここにおいて、スピーカ13aとスピーカ13bとの間の距離Lは既知であるものとし、例えば、コントローラ200に予め設定されている。
撮影カメラ30a〜30cは、動画を撮影する動画カメラであり、撮影画像を示す画像信号をコントローラ200へ供給する。表示装置40は、例えばモニタであり、コントローラ200の制御の下、撮影カメラ30a〜30cによって撮影された画像を表示する表示装置である。
この変形例では、コントローラ200は、スピーカ13aとマイクロホン21との間の距離d1、及び、スピーカ13bとマイクロホン21との間の距離d2を繰り返し測定し(例えば所定期間毎に測定し)、撮影カメラ30a〜30cを制御する。コントローラ200は、距離d1,d2を測定すると、マイクロホン21の位置、換言すると、マイクロホン21を持つ人物(話者や歌手)の位置を特定する。即ち、距離Lが既知であるから、三角測量の方法により、コントローラ200はマイクロホン21の位置を特定することができる。そして、コントローラ200は、マイクロホン21の位置を撮影するのに最適な撮影カメラ30a〜30cを選択して、選択した撮影カメラからの画像信号に基づいて、表示装置40に画像を表示させる。撮影システム300によれば、撮影カメラ30a〜30cの選択を操作する人物が居なくても、撮影カメラ30a〜30cが適切に選択されるので、マイクロホン21を持つ人物が移動しても、この人物を表示装置40に継続して表示させることができる。
また、コントローラ200は、距離d1,d2に基づいて、撮影カメラ30a〜30cの撮影操作を制御してもよい。この場合、コントローラ200は、マイクロホン21の位置を撮影するのに適した撮影方法で撮影するように、撮影カメラ30a〜30cのパンニングやチルト、ズームアップ/ズームバック等を制御するとよい。
この変形例では、撮影カメラ30a〜30cの3台としているが、2台以下又は4台以上であってもよい。
また、この変形例では、スピーカの数を2個(スピーカ13a及びスピーカ13b)とし、マイクロホンを1個(マイクロホン21)としているが、撮影システム300において、スピーカを1個とし、マイクロホンを2個とした場合であっても、スピーカ間の距離が既知であれば、コントローラ200は、マイクロホン21の位置を特定することができる。また、撮影システム300において、スピーカ及びマイクロホンがそれぞれ複数あっても構わない。
この変形例では、撮影カメラ30a〜30cの3台としているが、2台以下又は4台以上であってもよい。
また、この変形例では、スピーカの数を2個(スピーカ13a及びスピーカ13b)とし、マイクロホンを1個(マイクロホン21)としているが、撮影システム300において、スピーカを1個とし、マイクロホンを2個とした場合であっても、スピーカ間の距離が既知であれば、コントローラ200は、マイクロホン21の位置を特定することができる。また、撮影システム300において、スピーカ及びマイクロホンがそれぞれ複数あっても構わない。
前述の撮影システム300で実行される測距処理を応用して、二次元の平面上での距離を算出する測距処理を行う測距システムや、三次元の空間内での距離を算出する測距処理を行う測距システムを構成することも可能である。後者の測距システムの場合、スピーカを3個とし、マイクロホンを1個とするか、又は、スピーカを3個とし、マイクロホンを1個とすることにより、三次元の空間内でのマイクロホン又はスピーカの位置を特定することができる。
更に、この変形例の測距システムを応用し、スピーカ及びマイクロホンを一体化して、対象物から反射音を計測する装置とした場合には、スピーカ及びマイクロホン以外の目標物までの距離を算出する測距処理を行う測距システムを構成することができる。ただし、この場合に、マイクロホンが、複数の反射体から反射した変調信号を収音することがある。このとき、複数の相関値のピークが検出される可能性があるが、測距システムにおいては、測定対象である目標物とその他の反射体(非目標物)との位置関係に応じて、複数の相関値のピークの時系列の中から適切な相関値のピークを選択して、測距処理を行えばよい。この測距システムにおいて、例えば、目標物までの距離が非目標物までの距離よりも近い場合には、最も先に検出した相関値のピークに基づいて測距処理を行えばよい。
以上のとおり、本発明によれば、スピーカの位置からマイクロホンの位置に至るまでに変調信号が表す音が伝搬した距離を測定して、この音が伝搬した経路上の位置を特定する測距システムを構成することができる。
以上のとおり、本発明によれば、スピーカの位置からマイクロホンの位置に至るまでに変調信号が表す音が伝搬した距離を測定して、この音が伝搬した経路上の位置を特定する測距システムを構成することができる。
また、窓関数処理部118が行う窓関数処理は、少なくとも、ダミーシンボルA及びダミーシンボルBの相関値のピークのレベルを低く抑圧できるものであればよい。例えば、窓関数Wは、ダミーシンボルBの開始時点t4から1シンボル期間よりも短い期間、又は、1シンボルよりも長い期間で立下りが完了してもよい。
上述した実施形態の通信システム1では、測距シンボルを時間軸上で2つ連続させていたが、3つ以上連続させてもよい。n個(ただしn≧3)の測距シンボルを連続させる場合、受信装置20では、これらのn個の測距シンボルに対応する相関値のピーク同士を乗算する遅延乗算処理によって、相関値のピークを強調することができる。この際、受信装置20は、先頭からk番目(ただし1≦k≦n)の測距シンボルについては、シンボル期間Tの(n−k)倍の時間長だけ遅延させて、n個目の測距シンボルの相関値と乗算する遅延乗算処理を行えばよい。よって、復調部23は、遅延部237を(n−1)個備えていればよい。
以上のとおり、送信装置10は、測距シンボルを時間軸上で3つ以上連続させて変調信号を放音することにより、測距シンボルによる相関値のピークの検出精度が更に向上することが期待できる。
以上のとおり、送信装置10は、測距シンボルを時間軸上で3つ以上連続させて変調信号を放音することにより、測距シンボルによる相関値のピークの検出精度が更に向上することが期待できる。
また、通信システム1では、複数の測距シンボルを時間軸上で連続させない場合であっても、これらの複数の測距シンボルに対応する相関値のピーク同士を乗算する遅延乗算処理を行うことによって、測距シンボルに対応する相関値のピークを強調することができる。
上述した実施形態の送信装置10の放音制御部11は、変調信号を放音する機会のたびに、データ符号を拡散符号で変調し、この変調により得られた変調信号に窓関数処理を施すことにより、スピーカ13に供給する変調信号を生成していた。この構成に代えて、放音制御部11は、スピーカ13に供給する変調信号を生成する基となる放音用データを予めメモリに記憶しておき、このメモリから放音用データを読み出して、スピーカ13に供給する変調信号を生成してもよい。この場合、放音制御部11は、データ符号を拡散符号で変調する機能、及び、データ符号を拡散符号で変調して得た変調信号に窓関数処理を施す機能を実現しなくてもよい。いずれの構成の場合であっても、放音制御部11は、ダミーシンボルA、測距シンボルA、測距シンボルB及びダミーシンボルBを時間軸上に順に配置した変調信号を生成する変調信号生成装置として機能する。
通信システム1においては、ベースバンド信号を高周波数側にシフトする構成を備えなくてもよく、例えばベースバンド信号である変調信号を放音してもよい。
通信システム1において、例えば反射音等の外乱の影響を受けにくい環境下では、ダミーシンボルに相当する変調信号を測距シンボルに相当する変調信号の前後に付加しないようにしてもよい。
また、送信装置10が放音した変調信号を伝搬する媒質は、空気等の気体に限らず、固体や液体であってもよい。この場合、送信装置10は、スピーカ13に代えて、媒体を振動で加振するアクチュエータ(加振器)を用いる等、変調信号を伝搬させる媒体に適した放音装置を備えていればよい。また、受信装置20は、マイクロホン21に代えて、振動ピックアップ(振動検出子)を用いる等、変調信号が伝搬する媒体に適した収音装置を備えていればよい。
通信システム1において、例えば反射音等の外乱の影響を受けにくい環境下では、ダミーシンボルに相当する変調信号を測距シンボルに相当する変調信号の前後に付加しないようにしてもよい。
また、送信装置10が放音した変調信号を伝搬する媒質は、空気等の気体に限らず、固体や液体であってもよい。この場合、送信装置10は、スピーカ13に代えて、媒体を振動で加振するアクチュエータ(加振器)を用いる等、変調信号を伝搬させる媒体に適した放音装置を備えていればよい。また、受信装置20は、マイクロホン21に代えて、振動ピックアップ(振動検出子)を用いる等、変調信号が伝搬する媒体に適した収音装置を備えていればよい。
また、通信システム1を送信装置10と受信装置20とに分散させて構成した場合、受信装置20が送信装置10により変調信号が放音されたタイミングを特定する必要がある。この場合の放音タイミングの具体的な特定方法については特に問わないが、例えば、送信装置10が受信装置20とケーブル等の通信路を介して接続され、送信装置10が受信装置20にこの通信路を介して放音時刻を通知してもよい。又は、受信装置20が、この通信路を介して送信装置10に放音タイミングを指示して放音させることにより、送信装置10の放音時刻を特定してもよい。
本発明では、楽音信号や超音波信号等の音波を表す音響信号に、データ符号で拡散符号を変調した信号を重畳させてもよい。
本発明では、楽音信号や超音波信号等の音波を表す音響信号に、データ符号で拡散符号を変調した信号を重畳させてもよい。
また、送信装置10又は受信装置20が実現する機能は、1のプログラム又は複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、1のハードウェア資源又は複数のハードウェア資源の連係によって実現されうる。例えば、放音制御部11に相当する変調信号生成装置又は復調部23に相当する復調装置を、専用プロセッサやコンピュータでのプログラムの実行により実現させてもよい。放音制御部11又は復調部23の機能がプログラムを用いて実現される場合、このプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよいし、ネットワークを介して配信されてもよい。また、本発明は、変調信号を生成するための変調信号生成方法、又は、上述の遅延乗算処理を用いて相関値のピークを強調して検出する相関ピーク検出方法(又は復調方法)として実施することもできる。
1…通信システム、10…送信装置、200…コントローラ、11…放音制御部、111…拡散符号発生部、112…データ符号入力部、113…乗算部、114…差動符号化部、115…LPF、116…キャリア信号発生部、117…乗算部、118…窓関数処理部、12…送信回路部、13,13a,13b…スピーカ、20…受信装置、21…マイクロホン、22…受信回路部、23…復調部、231…変調信号取得部、232…BPF,233…遅延検波部、234…LPF,235…拡散信号発生部、236…整合フィルタ、237…遅延部、238…乗算部、239…ピーク検出部、240…測距部、30a,30b,30c…撮影カメラ、300…撮影システム、40…表示装置、400…音響空間
Claims (6)
- 同一の符号系列を変調して生成された第1のシンボル及び第2のシンボルをそれぞれ時間軸上に順に配置した変調信号を生成し、生成した当該変調信号を放音する放音制御部と、
前記放音制御部により放音された前記変調信号を取得する取得部と、
所定のサンプリング周波数で、前記取得部が取得した変調信号と前記符号系列との相関を取って、第1の相関値を順次算出する相関検出部と、
前記相関検出部から供給される第1の相関値と、前記第1の相関値に前記第1のシンボルの開始時点から前記第2のシンボルの開始時点までの時間分の時間遅延を与えた第2の相関値とを乗算する乗算部と、
前記乗算部による乗算結果に基づいて相関値のピークを検出するピーク検出部と
を備える通信システム。 - 前記放音制御部は、
前記符号系列を変調して生成された、前記第1のシンボルの直前に配置した第3のシンボルと、前記第2のシンボルの直後に配置した第4のシンボルとを含んだ変調信号に、前記第3のシンボルの開始時点から、当該第3のシンボルのシンボル期間よりも長い時間長で立ち上がり、前記第4のシンボルの開始時点から立ち下がる窓関数により窓関数処理を施した変調信号を生成し、生成した当該変調信号を放音する
請求項1に記載の通信システム。 - 前記相関値のピークの検出結果に基づいて、前記放音制御部により放音された前記変調信号が前記取得部により取得されるまでの時間を用いて、特定の処理を実行する処理実行部を備える
請求項1又は2に記載の通信システム。 - 前記放音制御部は、
前記符号系列を変調したベースバンド信号を、互いに周波数が異なる複数のキャリア信号で周波数シフトさせた変調信号を生成し、生成した当該変調信号を放音し、
前記処理実行部は、
各キャリア信号に対応する前記変調信号から検出された前記相関値のピークに基づいて、前記処理を実行する
請求項3に記載の通信システム。 - 同一の符号系列を変調して生成された第1のシンボル及び第2のシンボルをそれぞれ時間軸上に順に配置した変調信号を取得する取得部と、
所定のサンプリング周波数で、前記取得部が取得した変調信号と前記符号系列との相関を取って、第1の相関値を順次算出する相関検出部と、
前記相関検出部から供給される第1の相関値と、前記第1の相関値に前記第1のシンボルの開始時点から前記第2のシンボルの開始時点までの時間分の時間遅延を与えた第2の相関値とを乗算する乗算部と、
前記乗算部による乗算結果に基づいて相関値のピークを検出するピーク検出部と
を備える復調装置。 - 同一の符号系列を変調して生成された第1のシンボル及び第2のシンボルをそれぞれ時間軸上に順に配置した変調信号を生成し、生成した当該変調信号を放音する放音制御部であって、
所定のサンプリング周波数で前記変調信号と前記符号系列との相関を取って第1の相関値を順次算出し、算出した前記第1の相関値と、前記第1の相関値に前記第1のシンボルの開始時点から前記第2のシンボルの開始時点までの時間分の時間遅延を与えた第2の相関値との乗算結果に基づいて相関値のピークを検出する復調装置が配置された媒質中に、前記変調信号を放音する放音制御部
を備える変調信号生成装置。
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JP2013100212A JP2014220741A (ja) | 2013-05-10 | 2013-05-10 | 通信システム、復調装置及び変調信号生成装置 |
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- 2013-05-10 JP JP2013100212A patent/JP2014220741A/ja active Pending
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