JP2014220139A - 非水系電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】非水系電解質二次電池の入出力特性を向上させること。
【解決手段】本発明の非水系電解質二次電池は、正極、負極合剤層25を有する負極、及び非水系電解質を備える。負極合剤層25は、負極集電体10と接し負極活物質21を含有する電極層20、及び電極層20の非水系電解質の側の表面に接するコート層30を有する。コート層30はリチウムチタン酸化物(LTO粒子32)を含有する。正極は、タングステンを含有する正極活物質を有する。電極層20はLTO粒子32を含有しない、又は前記コート層よりもリチウムチタン酸化物の含有量が少ない。
【選択図】図1

Description

本発明は非水系電解質二次電池に関する。
非水系電解質二次電池の一つにリチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極および負極の間を、非水系電解質中のリチウムイオンが移動することで充放電可能な二次電池である。
特許文献1は正極活物質にタングステンを有するリチウムイオン二次電池を開示している。正極活物質は三酸化タングステンからなる添加剤を含有する。三酸化タングステンは正極活物質の一次粒子の凝集を防止する添加剤として作用する。
特開2012−074334号公報
特許文献1に記載のリチウムイオン二次電池は出力特性と高負荷サイクル特性の高い優れたものである。しかしながら、電池の繰り返しの使用により、タングステンは正極表面より溶出する。正極のタングステンはイオンとして非水系電解質に溶出する。タングステンは負極合剤層中の負極活物質上で還元されて析出し負極の抵抗を増大する恐れがある。
本発明の課題は非水系電解質二次電池の入出力特性を向上させることである。本発明の課題は特に正極活物質にタングステンを有する非水系電解質二次電池の入出力特性をさらに向上させることである。
本発明の非水系電解質二次電池は、正極、負極合剤層を有する負極、及び非水系電解質を備え、前記正極は、タングステンを含有する正極活物質を有し、前記負極合剤層は、負極集電体上に形成され負極活物質を含有する電極層と、前記電極層の前記負極集電体とは反対側の表面に形成されたコート層とを有し、前記コート層はリチウムチタン酸化物を含有する。
前記電極層はリチウムチタン酸化物を含有しない、又は前記コート層よりもリチウムチタン酸化物の含有量が少ないことが好ましい。前記コート層は導電性炭素材料をさらに含有することが好ましい。
前記導電性炭素材料は前記コート層の含有するリチウムチタン酸化物よりも、前記コート層に対する総重量百分率含量が大きいことが好ましい。前記コート層は、前記導電性炭素材料100重量部に対して0.1〜5.0重量部の前記リチウムチタン酸化物を含有することが好ましい。
前記導電性炭素材料は黒鉛であることが好ましい。前記コート層は前記負極合剤層の最外層に位置することが好ましく、前記非水系電解質に接することが特に好ましい。前記電極層の負極活物質は黒鉛を含有することが好ましい。
前記非水系電解質二次電池は、初回充電を好ましくは0.33C以下の、特に好ましくは0.02C以下の電流で行ってなることが好ましい。前記非水系電解質二次電池は、前記初回充電の後、放電前に電流パルスを印加されてなることが好ましい。
前記正極は、タングステン酸塩を添加してなる正極活物質を有することが好ましい。前記タングステン酸塩はタングステン酸ナトリウムであることが好ましい。前記タングステン酸ナトリウムの添加量は、前記正極活物質に対して0.5mol%以下であることが好ましい。
本発明は、正極活物質にタングステンを有するリチウムイオン二次電池の入出力特性を向上させる。
実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の負極の断面図である。 従来のリチウムイオン二次電池の負極の断面図である。
<構造>
本発明の実施形態にかかる非水系電解質二次電池(以下、電池という場合がある。)は、タングステンを含有する正極、負極、及び非水系電解質を備えるリチウムイオン二次電池である。タングステンを含有する正極は電気抵抗が小さいので、かかる正極を備える電池は出力が高い。
図1に示すように、本実施形態の電池の負極50は負極合剤層25及び集電体10を有する。負極合剤層25は電極層20とコート層30を有する。電極層20は負極集電体と接しており、負極活物質を含有する。コート層30は負極合剤層の非水系電解質側の表面をコートしている。すなわちコート層30は、電極層20の集電体10と接する面の反対側の面に接する。
コート層30は化学式LiTi12で表されるリチウムチタン酸化物(別名:チタン酸リチウム。以下、LTOという場合がある。)を有する。リチウムチタン酸化物はこれを含有するLTO粒子32としてコート層30中に分散している。LTO粒子32はリチウムチタン酸化物のみからなっていてもよい。
電池の繰り返しの使用により、タングステンは正極表面より溶出する。タングステンは例えばタングステン酸イオンとして非水系電解質に溶出する。図1に示すように溶出したタングステン40は負極合剤層中の負極活物質上で還元されて析出し負極の抵抗を増大する恐れがある。
コート層30は負極の非水系電解質側に位置するので、LTO粒子32はタングステンを効率的に吸着し電極層中にタングステン40が侵入することを防止する。また、LTO粒子32は負極の抵抗を顕著に増加させることがない。このため、本実施形態の電池は初期の入出力特性に優れ、かつ繰り返しの使用によっても入出力特性が低下しにくい。
<正極活物質>
正極活物質は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料である。かかる材料は、リチウムイオン、遷移金属イオン、及びカウンターアニオンを含有する三元系材料が好ましい。かかる三元系材料の例は、コバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、又はニッケル酸リチウム(LiNiO)である。
また、かかる三元系材料の別の例は、上記物質の混合物であるニッケルマンガン酸リチウムやニッケルコバルトマンガン酸リチウムである。起電力、エネルギー密度、及び充放電効率の観点から、混合物はニッケルコバルトマンガン酸リチウムであることが好ましい。
かかる混合物の組成はLiNi1/3Co1/3Mn1/3であってもよい。Ni:Co:Mnの比は適宜選択できる。かかる場合特に優れた起電力、エネルギー密度、及び充放電効率を得ることができる。
<正極活物質粒子の形成>
活物質粒子の形成はスプレードライ法又は晶析法が好ましい。晶析法では、上記遷移金属の硫酸水和物を出発原料として、反応層にて中和反応させて核を生成し粒子を成長させる。その後ろ過し、得られた粉末を乾燥させてNiCoMnの水酸化物の粒子を得る。
スプレードライ法では、溶液濃度や温度を調整することで同等の粒子を得ることができる。両方法は同一の溶液中で共沈させる点が共通している。生産効率の観点では、晶析法が好ましい。
得られた粒子を炭酸リチウムと混合し、800〜1000℃で焼成することが好ましい。焼成温度は800〜900℃でもよく、900〜1000℃でもよい。焼成後、細かく砕き、篩にかけて所望の粒子サイズの酸化物を得る。
<正極活物質への添加剤>
正極活物質は添加剤を含むことが好ましい。添加剤はタングステンを含むことが好ましい。添加剤は三酸化タングステン(WO)又はタングステン酸塩であることが好ましい。タングステン酸塩は、これを溶解し、熱処理した場合に分散しやすいという観点からタングステン酸ナトリウム(NaWO)であることが好ましい。
タングステン酸ナトリウムを正極活物質に添加する場合の添加量は正極活物質に対して1.1mol%より小さいことが好ましく、0.5mol%以下であることが特に好ましい。かかる添加量のタングステン酸ナトリウムは、繰り返し使用後の電池の電気抵抗の上昇及び電池容量の低下を抑制する。
タングステンを含む正極活物質は電気抵抗が小さい。このため本実施形態では、電池は高い出力を有し、かつ充電時の電力の喪失は小さい。また正極活物質はさらに0.5重量%のZrを添加物として有してもよい。
<正極活物質の物性>
正極活物質の粒子の大きさは晶析中の温度により1〜10μmに調整することが好ましい。粒子の密度は2.0〜2.2g/cmであることが好ましい。粒子のNBET比表面積は0.3〜2.0m/gであることが好ましい。
<導電剤>
導電材の例は、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(登録商標)等のカーボンブラック、黒鉛(グラファイト)である。
<結着剤>
結着剤の例は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等である。
<正極用溶媒>
正極の結着剤がPVDFである場合、正極用の溶媒としては有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては非プロトン性極性溶媒が好ましく、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)が特に好ましい。上記溶媒は分散剤として、上記正極材料を正極合剤中に速やかに分散させることができる。
<正極の作製>
正極活物質、導電材、及び結着剤を溶媒に対して同時に加えて混練し、正極合剤を作製することができる。混練は、上記材料を溶媒に加えた後、プラネタリーミキサーで2時間撹拌して混合することで行うことが好ましい。撹拌する際のずり速度は、35rpmであることが好ましい。
このようにして作製した正極合剤を正極集電体に塗布して乾燥することによりリチウムイオン二次電池の正極を作製することができる。正極集電体としては、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。
<負極活物質>
リチウムイオン二次電池の負極は負極活物質を有する。負極活物質は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料である。負極活物質は、導電性を有し、さらに高い可逆容量を有することから黒鉛(グラファイト)等からなる粉末状の炭素材料や、天然黒鉛を非晶質炭素で被覆した非晶質炭素被覆天然黒鉛が好ましい。
<負極の電極層>
黒鉛負極を塗工し、集電体10上に電極層20を形成する。電極層20を形成する際は負極活物質と、溶媒と、結着剤と、増粘剤とを混練し、混練後の負極合剤を負極集電体に塗布して乾燥することが好ましい。電極層はその単位体積当たりの負極容量の低下を防ぐため、LTOを含有しない、又はコート層30よりもLTOの含有量が少ないことが好ましい。
結着剤は特に限定されない。結着剤にSBRを用いた場合は、溶媒として水が好ましい。増粘剤は特に制限されない。増粘剤の例としてCMCが挙げられる。結着剤や増粘剤は分散し負極活物質21の間の間隙23に位置する。負極集電体としては、例えば銅やニッケルあるいはそれらの合金が好ましい。
<負極のコート層>
タングステンを効率的に吸着し電極層中にタングステン40が侵入することを防止するかんてんから、図1に示すようにコート層30は負極合剤層25の最外層に位置することが好ましい。非水系電解質に接することが特に好ましい。
リチウムイオンの拡散を阻害しないよう、コート層は一層であることが好ましい。また同様の理由から、コート層は黒鉛、非晶質炭素、又はカーボンナノチューブを初めとする導電性炭素材料を含むことが好ましい。非晶質炭素はアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(登録商標)等のカーボンブラックであることが好ましい。
また、かかる導電性炭素材料は、コート層の含有するLTOよりも、コート層に対する総重量百分率含量が大きいことが好ましい。かかる構成により電極層とコート層との界面の混層におけるリチウムの拡散が促進されるので、負極の抵抗が小さくなる。
図1に示すようにコート層30は黒鉛を含有する負極活物質31を含有する。このため、前記非水系電解質に接するコート層も電極として機能するので、電池の容量は大きくなる。結着剤及び増粘剤は電極層と同様である。負極活物質、LTO、結着剤、増粘剤を、水に加えて混練することが好ましい。混練後の負極合剤を負極集電体に塗布して乾燥することが好ましい。
LTOは平均粒径D50が0.5〜2.0μmの球状粒子であることが好ましい。LTO粒子は混合される際、黒鉛100重量部に対する割合が0.1〜5.0重量部であることが好ましく、3重量部以上であることが特に好ましい。図1に示すように、結着剤、増粘剤及びLTO粒子32は分散し負極活物質31の間の間隙33に位置する。
<導電剤>
電極層及びコート層は導電剤を有してもよい。導電材としては、アセチレンブラック(AB)、又はカーボンナノチューブ(CNT)が挙げられる。
<非水系電解質>
非水系電解質は、非水溶媒及び支持塩を含有する組成物であることが好ましい。ここで、非水溶媒の例は、フッ素系溶媒、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等からなる群から選択された一種または二種以上の材料を含むものである。
<支持塩>
支持塩の例は、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等から選択される一種または二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)である。電池電圧の向上及び耐久性の観点から、LiPFが好ましい。
<セパレータ>
本実施形態では、リチウムイオン二次電池がセパレータを備えている。セパレータの好ましい例は、多孔性ポリエチレン膜(PE)、多孔性ポリプロピレン膜(PP)、多孔性ポリオレフィン膜、および多孔性ポリ塩化ビニル膜等の多孔性ポリマー膜、又は、リチウムイオンもしくはイオン導電性ポリマー電解質膜を、単独、又は組み合わせたものである。電池出力を高める観点から、セパレータはPEを上下二層のPPで挟んだ、三層コートセパレータであることが好ましい。
<電池の組立>
以下、捲回電極体を備えるリチウムイオン二次電池を例として説明する。長尺状の正極シート(正極)と長尺状の負極シート(負極)とを長尺状のセパレータを介して積層する工程により上記部材は積層体となる。積層体は捲回されて捲回体となる。さらに捲回体を側面方向から押しつぶす工程により捲回体は扁平捲回体となる。
ここで、正極シート中、箔状の正極集電体の両面は正極活物質を含む正極合剤層を保持している。負極シート中でも正極シート中と同様に、箔状の負極集電体の両面は、負極活物質を含む負極合剤層を保持している。
リチウムイオン二次電池の容器として公知のものが利用可能である。電池の型としては、円筒型、コイン型、角型、あるいはフィルム型(ラミネート型)等がある。電池容器の選択は所望の電池の型に合わせるのがよい。
角型とした場合は、上端が開放された扁平な直方体状の容器本体と、その開口部を塞ぐ蓋体とを備えるが好ましい。容器を構成する材料の例は、アルミニウム、スチール等の金属材料である。
電池容器の他の例は、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリイミド樹脂等の樹脂材料を成形した容器である。容器の上面(つまり、蓋体)は、捲回電極体の正極と電気的に接続する正極端子、及び捲回電極体の負極と電気的に接続する負極端子を有する。
そして、捲回電極体の両端部の正極シートおよび負極シートが露出した部分は、正極リード端子および負極リード端子となる。かかる露出した部分とは正極合剤層および負極合剤層がない部分である。かかるリード端子は上述の正極端子および負極端子とそれぞれ電気的に接続する。
電池容器は捲回体を収容する。蓋体は容器本体の開口部を封止する。その後、非水系電解質は蓋体の有する注液孔から電池容器内に注入される。封止キャップは注液孔を閉塞する。
<コンディショニング処理>
コンディショニング処理は、リチウムイオン二次電池の充電および放電を所定の回数繰り返す工程である。かかる処理は、所定の充電レート、放電レート、及び充放電の設定電圧の条件を有する。かかる条件は電池の仕様に合わせて適宜設定可能である。
初回充電を0.33C以下の電流で行ってなることが好ましい。電圧の上昇が頭打ちになった時点で初回充電を停止してよい。初回充電を行う電流は0.02C以下であってもよい。かかる初回充電により、LTOはタングステンを特異的に吸着する。
このためLTOは負極50の抵抗増加を抑制するので(デポ抑制)、電池は使用初期において高い入出力特性を有する。さらに初回充電後、放電前に電流パルスを印加することで電池の入出力特性が向上する。
コンディショニング後に電池容量を確認してもよい。例えば1/3Cの定電流で4.1Vになるまで充電してから、さらに4.1Vの定電圧で充電した後、1/3Cの定電流で3.0Vになるまで放電してから、さらに3.0Vの定電圧で放電することで、電流値の合算から電池容量を測定することができる。
<効果の説明>
タングステンを有する電池では、正極活物質にタングステンを添加すると、正極の抵抗が低減するため、電池の出力が向上する。しかしながら、タングステンは正極から電解質中に拡散する。
図2に示すように、コート層を有しない比較形態の電池では、タングステン40は負極60の電極層20中に間隙23を通って浸透する。タングステン40は黒鉛からなる負極活物質21の表面で還元され析出する。
このとき負極上に析出したタングステンは、リチウムの失活反応を増加させる。失活反応とは、リチウムイオンが黒鉛に取り込まれたまま、非水系電解質に戻らなくなる反応である。失活反応は、負極60の電気抵抗を大幅に増加させる。
本実施形態では、図1に示すようにLTO粒子32を含むコート層30が負極合剤層25の表面をコートしている。かかるLTO粒子32が微弱な電流を受けた場合、LTO粒子32は負極近傍の金属イオンを引き寄せて、これを還元する。このため、LTO粒子32は電解質中に拡散したタングステン40が負極50上で析出することを予防する。
従来のコンディショニング方法では、初回充電の電流印加量は1/3C程度であったが、本実施形態では、初回充電の電流印加量が1/3Cより小さい。また、従来のコンディショニング方法にはないパルス電流を、初回充電後に印加している。このため、LTOはタングステンを吸着するのでデポ抑制が働き負極の抵抗増加が抑制される。したがって電池の高入出力特性が維持される。
<実施形態の変形等>
本実施形態の電池は、例えば電気自動車(EV)又はプラグインハイブリット自動車(PHV)等の動力機械に搭載して、作動電源として使用することができる。なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
正極活物質は三元系材料に三酸化タングステンを添加してスプレードライ法で形成してもよい。例えばLi2CO3,Ni(OH)2,MnO2,CoOOH,B23,WO3を混合し、これに純水を加えて、攪拌,湿式粉砕,スプレードライ後、焼成し、リチウム遷移金属酸化物を得ることができる。
上記実施形態では、LTOはコート層中に分散するものとしたが、LTOがコート層の負極活物質を被覆してもよい。例えば、コート層中でLTOは黒鉛をコーティングしてもよい。コーティングは湿式コーティング法又は乾式コーティング法を用いることができる。
湿式コーティングでは、LTOを分散させた分散液若しくは懸濁液、又はLTOの溶液を電極層の表面に噴射する。または、かかる分散液、懸濁液、又は溶液を電極層の表面に含浸させる。その後、電極層を乾燥させる。湿式コーティングは、コーティング材料を負極活物質表面に均一に被覆させることができる。
乾式コーティングでは、負極合剤層をコア部とし、コーティング材料をシェル部として機械的な手段でコーティングできる。コーティング材料はLTOの粒子でよい。乾式コーティングでは機械的な手段により、せん断力、衝突力、又は圧縮力が生じる。このため機械的調整により単純混合からコーティングまで可能である。
上記実施形態ではLTOを含有するコート層は一層であるが、これに対してLTOの含有量が同一又は異なる他のコート層をさらに設けてもよい。また、上記実施形態ではLTOは負極のコート層に含まれているが、これに対し実施形態の変形では、LTOがセパレータや正極に含まれていてもよい。
電極層にLTO粒子を混合する際は、コート層よりも、黒鉛に対するLTOの割合が小さいことが好ましく、3重量部より小さいことが特に好ましい。
[実施例1]
<正極活物質>
硫酸ニッケル、硫酸コバルトおよび硫酸マンガンを、Ni:Co:Mnのモル比が適宜選択した比となり且つこれら硫酸水和物が飽和するように水に溶解し、混合水溶液を調整した。さらにNiCoMnに対し硫酸ジルコニウム(Zr(SO)を0.5重量%添加した。
さらにNiCoMnに対しNaWOを添加した。表1中、タングステン添加量(mol%)は正極活物質中のNaWO添加量を表す。実施例1にかかる正極活物質は0.5mol%のNaWOを添加して形成した。
Figure 2014220139
この混合水溶液と所定濃度のNaOH水溶液及びアンモニア水とを上記反応槽内に一定速度で供給することにより、反応液を所定のpH、及びNH 濃度に制御しつつ、該反応液からNiCoMn複合水酸化物の核を晶析させた(核生成段階)。
上記混合水溶液の供給開始から所定時間経過したところで、NaOH水溶液の供給を停止した。上記混合水溶液およびアンモニア水については引き続き一定速度で供給を行った。反応液のpHが所定値まで低下した後、NaOH水溶液の供給を再開した。
反応液を所定pH且つ所定NH 濃度に制御しつつ、上記混合水溶液、NaOH水溶液およびアンモニア水を供給する操作を4時間継続してNiCoMn複合水酸化物粒子を成長させた(粒子成長段階)。その後、生成物をケーキ濾過により反応槽から取り出し、水洗して乾燥させた。このようにして、複合水酸化物粒子を得た。
上記複合水酸化物粒子に対し、大気雰囲気中、150℃で12時間の熱処理を施した。次いで、リチウム源としてのLi2CO3と上記複合水酸化物粒子とを、リチウムのモル数(MLi)と上記複合水酸化物を構成するNi,CoおよびMnの総モル数(MMe)との比(MLi:MMe)が1.15:1となるように混合した。
この混合物を760℃で4時間焼成し(第一焼成段階)、次いで950℃で10時間焼成した(第二焼成段階)。その後、焼成物を解砕し、篩分けを行った。このようにして、適宜選択したNi:Co:Mnの比からなる組成の活物質粒子サンプルを得た。
粒子の大きさは晶析中の温度により7μmに調整した。粒子の密度は2.1g/cmであった。粒子のNBET比表面積は0.5m/gであった。
<正極の作製>
正極活物質、導電材、及び結着剤を溶媒に対して同時に加えて混練した。混練は、上記材料を溶媒に加えた後、プラネタリーミキサーで2時間撹拌して混合して行った。撹拌する際のずり速度は、35rpmであった。このようにして作製した正極合剤をアルミニウムからなる正極集電体に塗布して乾燥し、正極を得た。
<負極の電極層>
100重量%の天然黒鉛に対し、0.7重量%のSBR、0.7重量%のCMC、及び水を加えて混合し、負極合剤ペーストを作成した。図1に示すように、このペーストを銅箔からなる集電体10上に塗布し、さらに乾燥して電極層20とした。電極層20の単位面積当たりの塗工重量は18mg/cmであった。
<負極のコート層>
図1に示すように、極板の電極層20側の表面にコート層30を形成した。100重量%の黒鉛に対し、3重量%のLTO、2重量%のSBR、2重量%のCMC、及び水を加えて混合し、負極合剤ペーストを作成した。LTOの平均粒径D50は1.0μmであった。
コート層30をさらに備える極板をロール圧延した。集電体10、電極層20及びコート層30を備える極板を80.9mm幅に切断し、負極の極板のフープを形成した。フープの幅方向の片側は20mm幅の集電体露出部を有するものとした。
<非水系電解質等>
非水系電解質としてLiPFを非水溶媒に溶解した。本実施例の非水溶媒はEC、DMC、EMCを30/40/30の体積比で混合したものである。
<電池の組立>
セパレータはPEを上下二層のPPで挟んだ、三層コートセパレータとした。正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層し捲回することで18650型の電池セルを作成した。
<コンディショニング>
コンディショニングは60℃にて行った。初回充電時に、電池を、0.02C(1/50C)の微弱な電流で4.1Vまで低速充電した。次に電池の充電状態を維持したまま、電池に4.1Vでパルス電流を印加した。パルス電流は10秒間の通電と20秒間の休止を繰り返した。パルス電流値は1/10Cであった。パルス回数は10回であった。
10分間の休止を挟み、1/3Cの定電流で3.0Vになるまで放電し、さらに10分間休止した。さらに1/3Cの定電流で4.1Vになるまで充電してから10分間休止した後、1/3Cの定電流で3.0Vになるまで放電してから10分間休止するサイクルを2回行った。
[実施例2]
初回充電時の電流印加量を0.33C(1/3C)とした以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
[実施例3]
正極活物質の三元系材料にNaWOを添加しなかった以外は、実施例3と同様に電池を作製した。
[実施例4]
初回充電時の電流印加量を1.0Cとし、正極活物質の三元系材料に1.1mol%のNaWOを添加した以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
[効果の検証]
<耐久試験>
電池の一般使用条件を模擬して耐久試験を行った。コンディショニング後の実施例1〜4の電池を60℃にて、2Cの充電レートで4.1Vになるまで定電流充電した後、10分間の休止時間をとった。
さらに2Cの放電レートで3.0Vになるまで放電し、このときの放電容量を初期電池容量とした。10分間の休止時間をとったのち、再度、上記と同一の行程で充放電した。合計500サイクルの充放電を繰り返し、500サイクル目の放電容量を試験後電池容量とした。
<抵抗増加率>
コンディショニング後、SOC60%に充電した実施例1〜4の電池を、温度25℃で、10秒間放電した。放電電流レートは10Cとし、放電した後の電圧を測定した。電流レート及び電圧より初期IV抵抗を算出した。耐久試験後も同様に測定し試験後IV抵抗を算出した。抵抗増加率(倍)は下記の式を用いて求めた。

抵抗増加率(倍)= 試験後IV抵抗/初期IV抵抗
表1に示すように、実施例1では、実施例2〜4に比べ抵抗増加率が低かった。このことから、初回充電時に印加する電流を微弱なものとすることで電池の繰り返し使用に対する耐久性が向上することが示された。
また、実施例2では、実施例3に比べ抵抗増加率が低かった。このことから、タングステンを正極活物質に添加することで電池の繰り返し使用に対する耐久性が向上することが示された。
<容量維持率>
容量維持率(%)は下記の式を用いて求めた。

容量維持率(%)=(試験後電池容量/初期電池容量)×100
表1に示すように、実施例1では、実施例2〜4に比べ容量維持率が高かった。このことから、初回充電時に印加する電流を微弱なものとすることで電池の繰り返し使用に対する耐久性が向上することが示された。
また、実施例2では、実施例3に比べ容量維持率が高かった。このことから、タングステンを正極活物質に添加することで電池の繰り返し使用に対する耐久性が向上することが示された。
10 集電体 20 電極層
21 負極活物質 25 負極合剤層
30 コート層 31 負極活物質
32 LTO粒子 40 タングステン
50 負極

Claims (15)

  1. 正極、負極合剤層を有する負極、及び非水系電解質を備え、
    前記正極は、タングステンを含有する正極活物質を有し、
    前記負極合剤層は、負極集電体上に形成され負極活物質を含有する電極層と、前記電極層の前記負極集電体とは反対側の表面に形成されたコート層とを有し、
    前記コート層はリチウムチタン酸化物を含有する、非水系電解質二次電池。
  2. 前記電極層はリチウムチタン酸化物を含有しない、又は前記コート層よりもリチウムチタン酸化物の含有量が少ない、請求項1に記載の非水系電解質二次電池。
  3. 前記コート層は導電性炭素材料をさらに含有する、請求項2に記載の非水系電解質二次電池。
  4. 前記導電性炭素材料は前記コート層の含有するリチウムチタン酸化物よりも、前記コート層に対する総重量百分率含量が大きい、請求項3に記載の非水系電解質二次電池。
  5. 前記コート層は、前記導電性炭素材料100重量部に対して0.1〜5.0重量部の前記リチウムチタン酸化物を含有する、請求項4に記載の非水系電解質二次電池。
  6. 前記導電性炭素材料は黒鉛である、請求項3〜5のいずれかに記載の非水系電解質二次電池。
  7. 前記コート層は前記負極合剤層の最外層に位置する、請求項1〜6のいずれかに記載の非水系電解質二次電池。
  8. 前記コート層は前記非水系電解質に接する、請求項1〜7のいずれかに記載の非水系電解質二次電池。
  9. 前記電極層の負極活物質は黒鉛を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の非水系電解質二次電池。
  10. 初回充電を0.33C以下の電流で行ってなる、請求項1〜9のいずれかに記載の非水系電解質二次電池。
  11. 初回充電を0.02C以下の電流で行ってなる、請求項1〜9のいずれかに記載の非水系電解質二次電池。
  12. 前記初回充電の後、放電前に電流パルスを印加されてなる、請求項10又は11に記載の非水系電解質二次電池。
  13. 前記正極は、タングステン酸塩を添加してなる正極活物質を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の非水系電解質二次電池。
  14. 前記タングステン酸塩はタングステン酸ナトリウムである、請求項13に記載の非水系電解質二次電池。
  15. 前記タングステン酸ナトリウムの添加量は、前記正極活物質に対して0.5mol%以下である、請求項14に記載の非水系電解質二次電池。
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