JP2014217471A - 中空長尺体 - Google Patents
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Abstract
【課題】血管内で延在方向に往復動させ、または周方向に回動させることにより、血管の内壁に付着した血栓を、直接開口の周りに捕集し、開口から吸引除去することができる突起の設けられた中空長尺体を提供する。【解決手段】中空長尺体1は、延在方向に沿って延びる中空部2aと、該中空部に連なる吸引装置への接続部とを備え、体内へと挿入される中空長尺体であって、外周面から前記中空部に貫通する開口11が設けられ、外周面の開口を挟んだ両側に、それぞれ外周面から突出するとともに、開口側に向けて傾斜する突起12が設けられている。【選択図】図2
Description
本発明は、医療用に用いられる血栓吸引用カテーテル等の、体内へと挿入される中空長尺体に関する。
従来から、血管内に生じた血栓を除去するために、カテーテル等の中空長尺体が用いられている。
例えば、特許文献1には、血管内にカテーテルを挿入し、このカテーテルを通して血管内に挿入したブラシにより血管の内壁に付着した血栓を分離させつつ当該カテーテルを通して血管内に導入した溶解剤により血栓を溶解除去するようにした治療デバイスが記載されている。
一方、血管内の血栓を吸引除去する治療方法に用いられるデバイスとして、血栓吸引用のカテーテルが知られている。血栓吸引用のカテーテルは先端が血栓の位置に達するまで血管内に挿通され、その基端部に装着されたシリンジ等の吸引装置を作動させることにより血管内から血栓を吸引除去することができる。
しかしながら、上記のように血管内の血栓を溶解剤により溶解し、または血管内の血栓を吸引するだけでは、血管内の血栓を十分に除去できない場合がある。
そこで、縮められた状態のバルーンを、イントロデューサシース等を用いて血管内の血栓の先の位置にまで挿入し、その位置でバルーンを膨張させ、当該位置から膨張したバルーンをイントロデューサシースに向けて引き抜くことで血栓を回収するようにしたバルーンカテーテルが開発されている。
しかしながら、上記従来のバルーンカテーテルは、膨張状態で血管内を移動して血栓を回収するものであるので、血管の内壁に付着した血栓を十分に回収することができず、また、回収の際に血栓が血管内で飛散するおそれがあるなど、血管内から血栓を十分に除去することは困難であった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、血管内の血栓を確実に除去することができる中空長尺体を提供することにある。
本発明の中空長尺体は、延在方向に沿って延びる中空部と、該中空部に連なる吸引装置への接続部とを備え、体内へと挿入される中空長尺体であって、外周面から前記中空部に貫通する開口が設けられ、前記外周面の前記開口を挟んだ両側に、それぞれ前記外周面から突出するとともに前記開口側に向けて傾斜する突起が設けられていることを特徴とする。
本発明の中空長尺体では、前記外周面の前記開口を挟んだ両側に、それぞれ複数の前記突起が設けられているのが好ましい。
本発明の中空長尺体では、前記突起は前記中空部の延在方向に傾斜しているのが好ましい。
本発明の中空長尺体では、前記突起は前記中空部の軸心を中心とした周方向に傾斜しているのが好ましい。
本発明の中空長尺体では、前記突起は前記中空部の延在方向に傾斜する第1突起と前記中空部の軸心を中心とした周方向に傾斜する第2突起とを有するのが好ましい。
本発明の中空長尺体では、延在方向の基端部に回転機構が装着されているのが好ましい。
本発明の中空長尺体では、前記開口をその開口方向上方側から見たとき、前記開口に隣接する前記突起の先端部分から前記開口までの距離が、前記突起の根元部分から前記開口までの距離よりも短いのが好ましい。
本発明の中空長尺体では、前記外周面の前記開口を挟んだ両側に、複数の前記突起がブラシ状に設けられているのが好ましい。
本発明の中空長尺体では、前記突起が壁状に形成されているのが好ましい。
本発明の中空長尺体では、延在方向の前記開口よりも遠位端側に、前記中空部の終端となる終端部が設けられているのが好ましい。
本発明の中空長尺体では、延在方向の先端部に径方向に拡張する拡張部を備え、前記開口および前記突起が該拡張部に設けられているのが好ましい。
本発明によれば、中空長尺体の外周面の開口を挟んだ両側に、それぞれ該外周面から突出するとともに開口側に向けて傾斜する突起を設けるようにしたので、中空長尺体を血管内で延在方向に往復動させ、または周方向に回動させることにより、血管の内壁に付着した血栓を突起によって直接開口の周りに捕集し、開口から吸引除去することができる。したがって、血管内の血栓を確実に除去することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して例示説明する。
図1に示す本発明の一実施の形態であるカテーテル(中空長尺体)1は、血栓吸引用カテーテルとも呼ばれるものであり、血管内(体内)に挿入されて血管の内壁に付着した血栓等の異物を吸引除去するために用いられる。このカテーテル1は、このカテーテル1の本体部分となるカテーテルチューブ2とカテーテルハブ3とを有している。
カテーテルチューブ2は、例えば合成樹脂、シリコンゴム等の合成ゴムまたはエラストマー等の可撓性を有する材質により形成され、その内部には延在方向(長手方向)に沿ってその基端部(近位端)から先端部(遠位端)にまで延びる中空部2aが設けられている。このカテーテルチューブ2は断面円形に形成されており、その外周面2bと内周面2cは円筒面となっている。カテーテルハブ3は、例えば樹脂材料や金属材料により円筒状に形成され、カテーテルチューブ2の基端部に固定されている。
カテーテルハブ3には、例えば図示するようなY型コネクタ4を接続することができる。Y型コネクタ4は、その基端にガイドワイヤの挿入部4aを備えており、カテーテルチューブ2を血管内に挿入する前に、Y型コネクタ4の挿入部4aからカテーテルチューブ2の中空部2a内にガイドワイヤ(不図示)を挿入することができる。
また、Y型コネクタ4はガイドワイヤの案内経路から分岐する分岐部4bを備えている。この分岐部4bには接続チューブ5を介して吸引装置6が接続され、この吸引装置6は接続チューブ5とY型コネクタ4とを介してカテーテルチューブ2の中空部2aに連通している。したがって、吸引装置6を作動させることにより、カテーテルチューブ2の中空部2a内を負圧にすることができる。なお、Y型コネクタ4の基端のガイドワイヤの挿入部4aには図示しない弁が設けられており、吸引装置6の作動時には、当該弁によりY型コネクタ4の挿入部4aが閉塞される。このように、カテーテルハブ3は、Y型コネクタ4を介して吸引装置6が接続される吸引装置6の接続部として機能する。
吸引装置6としては、例えば、図示するようにシリンジを用いることができる。吸引装置6としてシリンジを用いる場合には、当該シリンジとして吸引途中でプランジャーの位置を固定できるロック機構付きのものを用い、または、接続チューブ5の先端側または基端側に三方活栓を設けることにより、吸引途中でカテーテルチューブ2の中空部2a内を負圧状態に保持する構成とすることもできる。なお、吸引装置6としては、上記のようなシリンジに限らず、カテーテルチューブ2の中空部2a内を負圧にすることができるものであれば、他の構成の吸引装置を用いることもできる。
カテーテルチューブ2の延在方向の、カテーテルハブ3が装着される基端部(近位端)とは反対側となる先端部(遠位端)には、血管内の血栓を吸引するための吸引部10が設けられている。
図2に示すように、この吸引部10には4つの開口11が設けられている。これらの開口11は、そのうちの2つの開口11がカテーテルチューブ2の延在方向に沿って一直線状に並べて配置されるとともに、他の2つの開口11が、上記開口11に対してカテーテルチューブ2の軸心を中心として周方向に180度ずれて配置されている。また、開口11は、それぞれカテーテルチューブ2の外周面2bから内周面2cつまり外周面2bから中空部2aに貫通し、中空部2aをカテーテルチューブ2の外部に連通させている。したがって、吸引部10が血管内に挿入された状態で吸引装置6により中空部2a内が負圧状態にされると、これらの開口11が吸引口となって、血管内の血栓Mを開口11からカテーテルチューブ2の中空部2a内に吸引することができる。
なお、本実施の形態においては、吸引部10に4つの開口11を上記の配置で設けるようにしているが、吸引部10には少なくとも1つの開口11が設けられていればよい。また、吸引部10に複数の開口11を設ける場合には、その個数や配置は、必要となる吸引力や吸引対象となる血栓Mの大きさ等に応じて任意に設定することができる。さらに、本実施の形態においては、開口11は円形に形成されているが、これに限らず、例えば矩形形状や楕円形状など、種々の形状とすることもできる。
カテーテルチューブ2の先端には終端部としての終端壁(閉塞壁)2dが設けられている。この終端壁2dはカテーテルチューブ2と一体に設けられ、カテーテルチューブ2の先端つまり中空部2aの先端を閉塞している。吸引部10が設けられる先端部において中空部2aの先端を閉塞した構成とすることにより、吸引装置6が作動したときに、開口11により大きな吸引力が生じるようにして、より効率よく血栓Mを開口11から中空部2a内に吸引することができる。
なお、終端壁2dはカテーテルチューブ2の先端に限らず、カテーテルチューブ2の延在方向の開口11よりも遠位端側(先端側)であれば、任意の位置に設けることができる。また、カテーテルチューブ2と一体に形成される終端壁2dに代えて、終端部としての閉塞栓をカテーテルチューブ2の先端または中空部2aの内部に固定して、中空部2aを閉塞する構成とすることもできる。
一方、カテーテルチューブ2つまり中空部2aの先端は、終端壁2dを設けることなく、開放された構成とすることもできる。この場合、カテーテルチューブ2つまり中空部2aの先端側から血栓を吸引しつつ、開口11によりカテーテルチューブ2の径方向外側からも血栓を吸引することができる。
図2に示すように、本発明のカテーテル1では、血管の内壁に付着した血栓Mを開口の周りに捕集するために、吸引部10に複数の突起12を設けるようにしている。これらの突起12は、カテーテルチューブ2の外周面2bの開口11を挟んだ両側に、カテーテルチューブ2の外周面2bから突出するとともに開口11の側に向けて傾斜して設けられている。
本実施の形態では、開口11に対してカテーテルチューブ2の延在方向の先端側と基端側とに、それぞれ複数の突起12が設けられている。開口11に対してカテーテルチューブ2の延在方向の先端側(図2中左側)に設けられる複数の突起12は、図2(a)に示すように当該延在方向に向けて複数列(図示する場合は3列)に並ぶとともに、図2(b)に示すようにカテーテルチューブ2の外周面2bの周方向に沿って当該外周面2bの全周に亘って等間隔に並べて配置されている。同様に、開口11に対してカテーテルチューブ2の延在方向の基端側(図2中右側)に設けられる複数の突起12は、図2(a)に示すように当該延在方向に向けて複数列に並ぶとともに、図2(b)に示すようにカテーテルチューブ2の外周面2bの周方向に沿って当該外周面2bの全周に亘って等間隔に並べて配置されている。
図3(a)に示すように、それぞれの突起12は、カテーテルチューブ2の外周面2bから突出する根元部分からその先端部分までの間が一様な円形の断面形状を有する棒状に形成されている。なお、図示する場合では、それぞれの突起12は、カテーテルチューブ2と一体に形成されて当該カテーテルチューブ2の外周面2bから突出する構成とされているが、カテーテルチューブ2とは別体に形成した突起12をカテーテルチューブ2の外周面2bに接着、溶着、植え付け等の手段により固定した構成とすることもできる。
図2に示すように、開口11に対してカテーテルチューブ2の延在方向の先端側に配置される複数の突起12は、カテーテルチューブ2の外周面2bに垂直な方向に対して、当該カテーテルチューブ2や中空部2aの延在方向に沿って開口11の側つまりカテーテルチューブ2の基端側に向けて傾斜している。反対に、開口11に対してカテーテルチューブ2の延在方向の基端側に配置される複数の突起12は、カテーテルチューブ2の外周面2bに垂直な方向に対して、当該カテーテルチューブ2や中空部2aの延在方向に沿って開口11の側つまりカテーテルチューブ2の先端側に向けて傾斜している。上記のように傾斜する突起12は、開口11をその開口方向上方側から見たとき、つまり開口11をその軸心に沿って離れた位置から見たときに、突起12の先端部分から開口11までの距離は、突起12の根元部分から開口11までの距離よりも短くなっている。このように、カテーテルチューブ2の外周面2bの各開口11の両側には、それぞれ開口11に向けて互いに逆向きに傾斜する複数の突起12が、複数列の環状に配置されてブラシ状に設けられている。
なお、本実施の形態では、全ての突起12を、開口11をその開口方向上方側から見たときに、その先端部分から開口11までの距離が根元部分から開口11までの距離よりも短くなるように傾斜させるようにしているが、開口11に隣接する最前列の突起12のみを、その先端部分から開口11までの距離が根元部分から開口11までの距離よりも短くなるように傾斜させる構成とすることもできる。
なお、突起12は、図3(a)に示すような断面円形の棒状に限らず、例えば図3(b)に示すように、断面形状が略長方形状であるへら状に形成することもできる。また、突起12は、カテーテルチューブ2の外周面2bから突出して開口11の側に向けて傾斜する形状のものであれば、根元部分から先端部分まで一様な断面形状のものに限らず、例えば図3(c)に示すように、根元部分から先端部分に向けて徐々に先細りとなるテーパ形状等とすることもできる。さらに、突起12は、例えば図3(d)に示すように、カテーテルチューブ2の外周面2bの全周に亘って円環状に延びる壁状に形成することもできる。
次に、このカテーテル1を用いて血管内の血栓Mを吸引除去する方法について説明する。
Y型コネクタ4の挿入部4aから挿入したガイドワイヤを血管に差し込んだイントロデューサシース(不図示)を用いて血管内に挿入し、このガイドワイヤに沿ってカテーテルチューブ2を、その吸引部10が設けられる先端部の側から血管内に挿入する。
そして、カテーテルチューブ2の吸引部10が血管の血栓Mが存在する部位にまで達すれば、その位置において、カテーテルチューブ2を血管内でその延在方向に沿って往復動作させることで、突起12により血管の内壁に付着した血栓Mを捕集することができる。つまり、カテーテルチューブ2を血管内でその延在方向に沿って移動させると、開口11に対してカテーテルチューブ2の移動方向の前方側となる突起12は、血栓Mから加えられる荷重により外周面2bに接近する方向に弾性変形して当該血栓Mを開口11の側に向けて通過させる一方、開口11に対してカテーテルチューブ2の移動方向の後方側となる突起12は血栓Mを捕らえてこれを血管の内壁から引き剥がしつつ開口11の周りに捕集する。これは、カテーテルチューブ2の血管内での移動方向を反対としても同様である。
このように、カテーテルチューブ2の外周面2bの開口11の両側に、それぞれ外周面2bから突出するとともに開口11の側に向けてカテーテルチューブ2の延在方向に沿って傾斜する複数の突起12を設けたことにより、血管内に挿入したカテーテルチューブ2をその延在方向に沿って往復動作させるだけの簡単な操作で、血管の内壁に付着した血栓Mを突起12により効率よく開口11の周りに捕集することができる。そして、上記のようにカテーテルチューブ2を血管内でその延在方向に沿って移動させて血栓Mを捕集しつつ、吸引装置6を作動させて中空部2aを負圧状態とすることにより、突起12によって開口11の周りに捕集した血栓Mを、開口11から効率よく吸引することができる。特に、カテーテルチューブ2の外周面2bの開口11の両側に、複数の突起12をブラシ状に配置することにより、血管の内壁に付着した血栓Mをさらに効率よく突起12によって開口11の周りに捕集することができる。
なお、血栓を吸引除去する作業を行う前に、カテーテルチューブ2の基端部から血栓を溶解するための溶解剤を注入し、この溶解剤を開口11から血管内の血栓に向けて吐出させることもできる。
図4(a)は図2に示す吸引部の変形例であって、カテーテルチューブの外周面に、中空部の軸心を中心とした周方向に傾斜する突起を設けた場合を示す側面図であり、図4(b)は同図(a)におけるB−B線に沿う断面図である。なお、図4においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
図4に示す変形例では、カテーテルチューブ2の外周面2bの、開口11に対してカテーテルチューブ2の軸心を中心とした周方向の一方側と他方側とに、それぞれ複数の突起12が設けられている。開口11に対してカテーテルチューブ2の周方向の一方側と他方側とに設けられる複数の突起12は、それぞれ図4(a)に示すようにカテーテルチューブ2の延在方向に向けて複数列(図示する場合は8列)に並ぶとともに、図4(b)に示すようにカテーテルチューブ2の外周面2bの周方向に沿って複数列(図示する場合は3列)に並べて配置されている。
そして、図4(b)に示すように、当該図4(b)中において右側半分の領域に設けられる複数の突起12は、それぞれカテーテルチューブ2の外周面2bに垂直な方向に対して、中空部2aの軸心を中心とした周方向(外周面2bの周方向)、つまり当該カテーテルチューブ2や中空部2aの延在方向に垂直な面に沿って図中右側を向く開口11の側に向けて周方向に傾斜している。同様に、図4(b)中において左側半分の領域に設けられる複数の突起12は、それぞれカテーテルチューブ2の外周面2bに垂直な方向に対して、中空部2aの軸心を中心とした周方向(外周面2bの周方向)、つまり当該カテーテルチューブ2や中空部2aの延在方向に垂直な面に沿って図中左側を向く開口11の側に向けて周方向に傾斜している。
この場合においても、開口11に隣接する最前列の突起12は、開口11をその開口方向上方側から見たとき、つまり開口11をその軸心に沿って離れた位置から見たときに、突起12の先端部分から開口11までの距離が、突起12の根元部分から開口11までの距離よりも短くなるように傾斜している。なお、この場合においても、全ての突起12を、開口11をその開口方向上方側から見たとき、突起12の先端部分から開口11までの距離が、突起12の根元部分から開口11までの距離よりも短くなるように傾斜させる構成とすることもできる。
この変形例では、開口11の両側に設けられる複数の突起12は、それぞれ中空部2aの軸心を中心とした周方向に傾斜しているので、カテーテルチューブ2をその軸心を中心として回動(揺動)させることで、血管の内壁に付着した血栓Mを突起12によって直接開口11の周りに捕集することができる。つまり、カテーテルチューブ2を血管内でその軸心を中心とした一方側に回動させると、開口11に対してカテーテルチューブ2の回動方向の前方側となる突起12は、血栓Mから加えられる荷重により外周面2bに接近する方向に弾性変形して当該血栓Mを開口11の側に向けて通過させる一方、開口11に対してカテーテルチューブ2の回動方向の後方側となる突起12は血栓Mを捕らえてこれを血管の内壁から引き剥がしつつ開口11の周りに捕集する。このように、開口11の両側に、それぞれ開口11の側に向けて中空部2aの軸心を中心とした周方向に傾斜する複数の突起12を設けたことにより、血管内に挿入したカテーテルチューブ2をその軸心を中心として回動させるだけの簡単な操作で、血管の内壁に付着した血栓Mを突起12により効率よく開口11の周りに捕集することができる。
図4に示す変形例において、カテーテルチューブ2をその軸心を中心として所定の角度範囲で回動(揺動)させるために、このカテーテル1に回転機構Dを装着することができる。
回転機構Dとしては、例えば図5に示すように、カテーテルハブ3を手動で回動させる構成のものを用いることができる。この場合、回転機構Dは、カテーテルハブ3の外側にカテーテルハブ3に対して相対回転自在に装着される円筒状のケース13を備え、このケース13の端面には、その軸心を中心として周方向に180度の間隔を空けて一対のストッパ片14a,14bが設けられる。一方、カテーテルハブ3の基端には一対の板状の操作片15が固定され、これらの操作片15は一対のストッパ片14a,14bの間に配置されている。このような構成により、ケース13を保持した状態で、操作片15を手動で操作して、一方のストッパ片14aに当接する位置と他方のストッパ片14bに当接する位置との間の約180度の範囲で回動させるだけの簡単な操作で、カテーテルチューブ2をその軸心を中心とした180度の範囲で回動させることができる。つまり、このような回転機構Dを設けることにより、血管内に挿入したカテーテルチューブ2の回動操作を容易に行い得るようにすることができる。
図示する場合では、周方向に180度ずれた2つの開口11を備えたカテーテルチューブ2に対応して、回転機構Dの回動範囲を180度としているが、例えば、カテーテルチューブ2の外周面2bに周方向に90度毎ずれて4つの開口11が設けられる場合に、回転機構Dのストッパ片14a,14bを周方向に90度の間隔を空けて設けて、カテーテルチューブ2の回動範囲を90度に設定するなど、回転機構Dによる回動範囲は任意に設定することができる。
図6は図2に示す吸引部の変形例であって、カテーテルチューブの外周面に、中空部の延在方向に傾斜する突起と、中空部の軸心を中心とした周方向に傾斜する突起とを設けた場合を模式的に示す側面図である。なお、図6においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
この変形例では、カテーテルチューブ2の外周面2bには、図2に示す場合と同様に、カテーテルチューブ2の外周面2bの、開口11に対してカテーテルチューブ2の延在方向の先端側と基端側に配置されて中空部2aの延在方向に傾斜する複数の突起(第1突起)12が設けられるとともに、図4に示す場合と同様に、カテーテルチューブ2の外周面2bの、開口11に対してカテーテルチューブ2の軸心を中心とした周方向の一方側と他方側に配置されて中空部2aの軸心を中心とした周方向に傾斜する複数の突起(第2突起)12が設けられている。この変形例の構成によれば、カテーテルチューブ2を血管内で延在方向に往復動させ、または、軸心を中心として回動させることにより、血管の内壁に付着した血栓Mを突起12により開口11の周りに捕集することができるので、突起12による血栓Mの捕集操作を容易にすることができるとともに、突起12による血栓Mの捕集効率を高めることができる。
図7は図2に示す吸引部の変形例であって、カテーテルチューブの先端部に設けた拡張部に開口と突起とを設けた場合を模式的に示す一部切欠き断面図である。なお、図7においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
この変形例では、カテーテルチューブ2の先端部(遠位端)に、径方向に拡張可能な拡張部20を設け、この拡張部20の外周面に開口11と突起12とを設けるようにしている。この変形例の構造によれば、血管Bv内で拡張部20を径方向に拡張させることにより、その外周面2bに設けられた突起12を血管Bvの内壁や当該内壁に付着した血栓に接触し易くして、突起12による血栓の捕集効率をさらに高めることができる。
拡張部20としては、例えば、カテーテルチューブ2内に設けられた編み込み構造による自己拡張性を有し、径方向に収縮した状態でシースを通して血管内に挿入され、シースの先端から血管内に送出されたときに径方向に自己拡張する自己拡張型のものを用いるのが好ましいが、拡張部20として他の構成のものを用いることもできる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、中空長尺体はカテーテル1とされているが、これに限らず、中空長尺体はイントロデューサシースとすることもできる。
また、本発明の中空長尺体であるカテーテル1は、人体の静脈に生じた血栓を吸引除去するのに用いるのが好適であるが、人体の動脈に生じた血栓を吸引除去するのに用いることもでき、また、血管内の血栓以外の異物の吸引除去に用いることもできる。
1 カテーテル(中空長尺体)
2 カテーテルチューブ
2a 中空部
2b 外周面
2c 内周面
2d 終端壁(終端部)
3 カテーテルハブ
4 Y型コネクタ
4a 挿入部
4b 分岐部
5 接続チューブ
6 吸引装置
10 吸引部
11 開口
12 突起
13 ケース
14a,14b ストッパ片
15 操作片
20 拡張部
D 回転機構
M 血栓
Bv 血管
2 カテーテルチューブ
2a 中空部
2b 外周面
2c 内周面
2d 終端壁(終端部)
3 カテーテルハブ
4 Y型コネクタ
4a 挿入部
4b 分岐部
5 接続チューブ
6 吸引装置
10 吸引部
11 開口
12 突起
13 ケース
14a,14b ストッパ片
15 操作片
20 拡張部
D 回転機構
M 血栓
Bv 血管
Claims (11)
- 延在方向に沿って延びる中空部と、該中空部に連なる吸引装置への接続部とを備え、体内へと挿入される中空長尺体であって、
外周面から前記中空部に貫通する開口が設けられ、
前記外周面の前記開口を挟んだ両側に、それぞれ前記外周面から突出するとともに前記開口側に向けて傾斜する突起が設けられていることを特徴とする中空長尺体。 - 前記外周面の前記開口を挟んだ両側に、それぞれ複数の前記突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の中空長尺体。
- 前記突起は前記中空部の延在方向に傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載の中空長尺体。
- 前記突起は前記中空部の軸心を中心とした周方向に傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載の中空長尺体。
- 前記突起は前記中空部の延在方向に傾斜する第1突起と前記中空部の軸心を中心とした周方向に傾斜する第2突起とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の中空長尺体。
- 延在方向の基端部に回転機構が装着されていることを特徴とする請求項4または5に記載の中空長尺体。
- 前記開口をその開口方向上方側から見たとき、前記開口に隣接する前記突起の先端部分から前記開口までの距離が、前記突起の根元部分から前記開口までの距離よりも短いことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の中空長尺体。
- 前記外周面の前記開口を挟んだ両側に、複数の前記突起がブラシ状に設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の中空長尺体。
- 前記突起が壁状に形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の中空長尺体。
- 延在方向の前記開口よりも遠位端側に、前記中空部の終端となる終端部が設けられていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の中空長尺体。
- 延在方向の先端部に径方向に拡張する拡張部を備え、前記開口および前記突起が該拡張部に設けられていることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の中空長尺体。
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CN108348713A (zh) * | 2015-11-05 | 2018-07-31 | 西达-赛奈医疗中心 | 气管内清洁用抽吸刷 |
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