JP2014213521A - 三次元繊維強化複合材 - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも2軸配向となる積層繊維層を、縫い糸と留め糸とで結束してなる繊維構造体を強化基材として使用し、ループ状に折り返す縫い糸の根元部の樹脂溜まり量の減少と繊維体積含有率の向上とを両立させる。
【解決手段】三次元繊維強化複合材の強化基材となる三次元繊維構造体10は、面内糸層11が積層された少なくとも2軸配向となる積層繊維層12を、縫い糸13と留め糸14とで結束してなる。縫い糸13は、積層繊維層12のいずれか一方の最外層上に配列された留め糸と係合してループ状に折り返して積層繊維層に挿入された折り返し挿入部13aと、積層繊維層の留め糸が配列された側と反対側の面の外側に配列された反留め糸側配列部13bとを有し、折り返し挿入部13aの根元部16において、留め糸に向かう方向の入側部13cと、留め糸に係合して折り返してくる方向の出側部13dとが同一方向に屈曲されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、三次元繊維強化複合材に係り、詳しくは面内糸層が積層された少なくとも2軸配向となる積層繊維層を、縫い糸と留め糸とで結束してなる繊維構造体を強化基材とする三次元繊維強化複合材に関する。
繊維強化複合材は軽量の構造材料として広く使用されている。複合材用の強化基材として三次元織物(三次元繊維構造体)がある。この三次元織物を強化基材として、樹脂をマトリックスとした複合材は航空機、自動車、船舶あるいは一般産業機器の構造用部材として用いられている。三次元織物複合材(三次元繊維強化複合材)は、織布や不織布等の強化繊維に樹脂を含浸硬化して形成した繊維強化複合材と異なり、基準面内に配列された強化繊維(面内配向糸)と交差する方向に配列される厚さ方向糸(面外方向糸)を有する三次元織物を強化基材としている。そのため、面外方向糸を有さない繊維強化複合材に比較して、高い面外方向強度を持つ反面、厚さ方向糸(面外方向糸)の周辺でクラックが発生し易いという品質課題がある。
この課題に対応するため、積層された面内方向糸の複数の層が有機繊維からなる縫い糸により縫い合わされた三次元織物に樹脂を含浸硬化してなる三次元繊維強化樹脂複合材が提案されている。(特許文献1参照)。特許文献1の三次元繊維強化樹脂複合材は、図7に示すように、複数の経糸51と複数の緯糸52からなる面内方向糸53と、面内方向糸53の基準面に対して直交する複数の面外方向糸(縫い糸)54と、面外方向糸54を固定する耳糸(留め糸)55とから形成される平板状三次元織布56に樹脂を含浸し、加熱加圧処理して硬化することで形成される。面外方向糸54は1000デニール以下のものが使用される。
特開2007−152672号公報
特許文献1の三次元繊維強化樹脂複合材は、面外方向糸54に有機繊維を使用することにより、無機繊維に比べてマトリックス樹脂と熱的性質が近く、クラックの原因となる内部ひずみが減少する。また、1000デニール以下の細い糸を使用することにより、図7に矢印A,Bで示す箇所、即ち面外方向糸54のループ内や面外方向糸54及び耳糸55の太さ分生じる治具と面内方向糸53の隙間における樹脂溜まりを減少させる方策として有効である。
ところが、これらの対策では、図7において矢印Cで示す部分、即ち面外方向糸54の根元部の樹脂溜まりを減少させる方策としては、面外方向糸54の張力を上げられないという背反が伴い有効ではない。また、面外方向糸54の張力を上げることができないと、一般的な構造用CFRP(炭素繊維強化樹脂)材の繊維体積含有率(Vf55%程度)を実現できないという問題がある。
また、面外方向糸54は、積層繊維層の各繊維層と直交する方向に延び、かつ耳糸55と係合してループ状に折り返して配列された部分と、積層繊維層の耳糸55の側と反対側の表層に沿って配列された部分とを有する。そのため、平板状三次元織布56の製造工程において面外方向糸54を引き締める際に、面外方向糸54の耳糸55と係合してループ状に折り返して配列された部分の根元部において、積層繊維層の耳糸55の側と反対側の表層に沿って配列される部分が、面外方向糸54の間隔を拡げるように作用する。その結果、平板状三次元織布56は、面外方向糸54の根元部の間隔が広がった状態となり、平板状三次元織布56を強化基材として繊維強化複合材(繊維強化樹脂)を形成すると、面外方向糸54の根元部の樹脂溜まり量が多くなり、樹脂溜まりの部分からクラックが発生し易くなる。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、少なくとも2軸配向となる積層繊維層を、縫い糸と留め糸とで結束してなる繊維構造体を強化基材として使用し、ループ状に折り返す縫い糸の根元部の樹脂溜まり量の減少と繊維体積含有率の向上とを両立させることができる三次元繊維強化複合材を提供することにある。
上記課題を解決する三次元繊維強化複合材は、面内糸層が積層された少なくとも2軸配向となる積層繊維層を、縫い糸と留め糸とで結束してなる繊維構造体を強化基材とする三次元繊維強化複合材である。そして、前記繊維構造体は、前記留め糸が前記積層繊維層のいずれか一方の最外層上に配列されている。前記縫い糸は、前記留め糸と係合してループ状に折り返して前記積層繊維層に挿入された折り返し挿入部と、前記積層繊維層の前記留め糸が配列された側と反対側の面の外側に配列された反留め糸側配列部とを有し、前記折り返し挿入部の根元部において、前記留め糸に向かう方向の入側部と、前記留め糸に係合して折り返してくる方向の出側部とが同一方向に屈曲されている。
この構成によれば、強化基材となる繊維構造体の製造工程において、積層繊維層を留め糸と協同して結束する縫い糸を引き締める際に、積層繊維層の留め糸の側と反対側の表層に沿って配列される縫い糸の反留め糸側配列部が、縫い糸の折り返し挿入部の根元部において、縫い糸の間隔を拡げるように作用しない。したがって、少なくとも2軸配向となる積層繊維層を、縫い糸と留め糸とで結束してなる繊維構造体を強化基材として使用した三次元繊維強化複合材において、ループ状に折り返す縫い糸の根元部の樹脂溜まり量の減少と繊維体積含有率の向上とを両立させることができる。
前記縫い糸は、前記積層繊維層の幅方向の一方の端部から1ピッチより離れた位置で折り返し状に挿入された後、1ピッチ戻る位置で折り返し状に挿入され、以降の挿入位置が3ピッチ先の位置と、前記3ピッチ先の位置から1ピッチ戻る位置とを繰り返さすように挿入されていることが好ましい。この構成によれば、繊維構造体を製造する際、縫い糸の留め糸と係合してループ状に折り返して積層繊維層に挿入された部分が一定ピッチで存在するように縫い糸を積層繊維層に挿入する作業が他の挿入方法に比べて簡単になる。
本発明によれば、少なくとも2軸配向となる積層繊維層を、縫い糸と留め糸とで結束してなる繊維構造体を強化基材として使用した三次元繊維強化複合材において、ループ状に折り返す縫い糸の根元部の樹脂溜まり量の減少と繊維体積含有率の向上とを両立させることができる。
一実施形態の三次元繊維構造体の模式斜視図。 三次元繊維構造体の模式断面図。 縫い糸と留め糸の関係を示す模式図。 (a)は実施形態の三次元繊維構造体を用いた三次元織繊維強化複合材の模式断面図、(b)は(a)の部分拡大図。 (a)は従来の三次元繊維構造体を用いた三次元織繊維強化複合材の模式断面図、(b)は(a)の部分拡大図。 (a),(b)はそれぞれ別の実施形態の縫い糸と留め糸の関係を示す模式図。 従来技術の模式断面図。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、三次元繊維強化複合材の強化基材として使用される繊維構造体としての三次元繊維構造体10は、面内糸層11が積層された少なくとも2軸配向となる積層繊維層12が、縫い糸13と留め糸14とで結束されて構成されている。三次元繊維構造体10は、留め糸14が積層繊維層12のいずれか一方の最外層上に配列されている。
縫い糸13は、留め糸14と係合してループ状に折り返して積層繊維層12に挿入された折り返し挿入部13aと、積層繊維層12の留め糸14が配列された側と反対側の面の外側に配列された反留め糸側配列部13bとを有する。縫い糸13は、留め糸14と係合してループ状に折り返す折り返し挿入部13aの根元部16において、留め糸14に向かう方向の入側部13cと、留め糸14に係合して折り返してくる方向の出側部13dとが同一方向に屈曲されている。縫い糸13の配列面Pzは、留め糸14の配列方向と直交するようになっており、この実施形態では配列面Pzは、配向角0度の面内糸と平行になっている。
図3に示すように、この実施形態では、縫い糸13は、積層繊維層12に対して基本的には3ピッチの間隔をおいて折り返し状に挿入された後、1ピッチ戻る位置で折り返し状に挿入されることの繰り返しで構成されている。但し、縫い糸13の積層繊維層12に対する挿入の最初の部分は、積層繊維層12に端部から1ピッチより離れた位置で折り返し状に挿入された後、1ピッチ戻る位置で折り返し状に挿入される。即ち、縫い糸13は、留め糸14と係合してループ状に折り返して積層繊維層12に挿入された折り返し挿入部13aが一定のピッチPで存在するように配列されている。1ピッチは、例えば、3mm程度である。
図2に示すように、この実施形態では、積層繊維層12は、配向角0度の連続繊維から成る面内糸層11aと、配向角90度の連続繊維から成る面内糸層11bと、配向角45度の連続繊維から成る面内糸層11cと、配向角−45度の連続繊維から成る面内糸層11dとが、所定数積層されて疑似等方性に構成されている。そして、積層繊維層12の厚さ方向の両面にそれぞれ配向角45度の連続繊維から成る面内糸層11c又は配向角−45度の連続繊維から成る面内糸層11dが配列されている。連続繊維は、三次元繊維構造体10の厚さ方向(図2の上下方向)と直交する面内に配列される面内糸となる。
面内糸、縫い糸13及び留め糸14としては、例えば、炭素繊維が使用される。炭素繊維はフィラメント数が数百〜数万本程度であり、要求性能に適した本数の繊維束が選択される。縫い糸13及び留め糸14としては、基本的に同じ太さの繊維束が使用される。また、縫い糸13及び留め糸14は面内糸層11を構成する面内糸と同じ太さであってもよいが、面内糸より細い方が好ましい。
次に前記のように構成された三次元繊維構造体10の製造方法の一例を説明する。三次元繊維構造体10は、積層繊維層12に公知の方法、例えば特開平8−218249号公報に開示されている厚さ方向糸(縫い糸)の挿入方法と同様に、先端に孔を有する複数本の挿入針を用いて縫い糸13を挿入する。即ち、積層繊維層12の厚さ方向に、先端に備えた孔に縫い糸13を掛止した複数本の挿入針を、各挿入針の孔が積層繊維層12を貫通するまで挿入した後、各挿入針をわずかに後退させて縫い糸13がループ状になった部分に留め糸14を挿入する。その状態で挿入針を引き戻し、留め糸14に張力を加えた状態で縫い糸13により留め糸14を締め付けて各面内糸層11を結合する。しかし、従来の挿入方法と異なり、挿入針は一定ピッチで順次積層繊維層12に挿入されるのではない。
詳述すると、縫い糸13は、折り返し挿入部13aが先ず図3において、左から2番目のIで示す位置に留め糸14の配列側と反対側から折り返し状に挿入された後、その位置から1ピッチ戻った最も左側のIIで示す位置に挿入される。次にIIで示す位置から3ピッチ先のIII で示す位置に挿入された後、その位置から1ピッチ戻ったIVで示す位置に挿入される。以下、「3ピッチ先」、「1ピッチ戻し」を繰り返すように積層繊維層12に挿入される。なお、縫い糸13が積層繊維層12に対して最初に挿入される位置は、積層繊維層12の端から3ピッチの間隔をおいた位置ではなく、1ピッチ戻る余地のある端からほぼ1ピッチ間隔をおいた位置となる。
そして、縫い糸13は、留め糸14と係合してループ状に折り返す折り返し挿入部13aの根元部16において、留め糸14に向かう方向の入側部13cと、留め糸14に係合して折り返してくる方向の出側部13dとが同一方向に屈曲する状態で積層繊維層12に挿入された状態になる。
そのため、挿入針を引き戻し、留め糸14に張力を加えた状態で縫い糸13により留め糸14を締め付ける場合、縫い糸13の留め糸14と係合してループ状に折り返して積層繊維層12に挿入された折り返し挿入部13aの根元部16には、図3に矢印Fで示す方向に張力が作用する状態となる。即ち、折り返し状に挿入された折り返し挿入部13aの根元部16の入側部13c及び出側部13dにはその間隔を拡げる方向に張力が作用しない。したがって、縫い糸13及び留め糸14の張力を高めて積層繊維層12に大きな圧縮力を加えた場合、根元部16の目開きを大きくせずに三次元繊維構造体10の繊維体積密度を高めることができる。その結果、三次元繊維構造体10は、縫い糸13の折り返し挿入部13aの根元部16と対応する箇所において、三次元繊維構造体10に樹脂を含浸させた際に樹脂溜まりとなる部分の占める体積が小さくなる。
一方、従来技術のように挿入針が一定ピッチで順次積層繊維層12に挿入される縫い糸の挿入方法では、縫い糸13及び留め糸14の張力を高めて積層繊維層12に大きな圧縮力を加える際、縫い糸13の折り返し挿入部13aの根元部16の入側部13c及び出側部13dにはその間隔を拡げる方向に張力が作用する。その結果、三次元繊維構造体10は、縫い糸13の折り返し挿入部13aの根元部16と対応する箇所において、三次元繊維構造体10に樹脂を含浸させた際に樹脂溜まりとなる部分の占める体積が大きくなる。
三次元繊維構造体10は三次元繊維強化複合材としての三次元繊維強化樹脂の強化基材として使用される。三次元繊維強化樹脂は、三次元繊維構造体10に、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が含浸硬化されて構成される。図4(a),(b)に示すように、実施形態の三次元繊維強化樹脂では、縫い糸13は、留め糸14と係合してループ状に折り返す折り返し挿入部13aの根元部16において、留め糸14に向かう方向の入側部13cと、留め糸14に係合して折り返してくる方向の出側部13dとが同一方向に屈曲する状態で積層繊維層12に挿入された状態になる。そして、入側部13c及び出側部13dの目開きが防止された状態で樹脂が含浸硬化されているため、縫い糸13の折り返し挿入部13aの根元部16と対応する箇所における樹脂溜まり17となる部分の占める体積が小さくなる。そのため、樹脂溜まり17の部分からのクラックの発生が、抑制される。
一方、図5(a),(b)に示すように、従来技術では、縫い糸13が、留め糸14と係合してループ状に折り返す折り返し挿入部13aの根元部16において、留め糸14に向かう方向の入側部13cと、留め糸14に係合して折り返してくる方向の出側部13dとが逆方向に屈曲する状態で積層繊維層12に挿入された状態になる。そのため、入側部13c及び出側部13dの目開きが大きくなり、その三次元繊維構造体を強化基材とした三次元繊維強化樹脂では、縫い糸13の折り返し挿入部13aの根元部16と対応する箇所における樹脂溜まり17が大きくなり、樹脂溜まり17の部分からクラックが発生し易くなる。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)三次元繊維強化複合材は、面内糸層11が積層された少なくとも2軸配向となる積層繊維層12を、縫い糸13と留め糸14とで結束してなる繊維構造体を強化基材とする三次元繊維強化複合材である。繊維構造体(三次元繊維構造体10)は、留め糸14が積層繊維層12のいずれか一方の最外層上に配列されている。縫い糸13は、留め糸14と係合してループ状に折り返して積層繊維層12に挿入された折り返し挿入部13aと、積層繊維層12の留め糸14が配列された側と反対側の面の外側に配列された反留め糸側配列部13bとを有する。折り返し挿入部13aの根元部16において、留め糸14に向かう方向の入側部13cと、留め糸14に係合して折り返してくる方向の出側部13dとが同一方向に屈曲されている。したがって、少なくとも2軸配向となる積層繊維層12を、縫い糸13と留め糸14とで結束してなる繊維構造体(三次元繊維構造体10)を強化基材として使用した三次元繊維強化複合材において、ループ状に折り返す縫い糸13の根元部16の樹脂溜まり量の減少と繊維体積含有率の向上とを両立させることができる。
(2)縫い糸13は、積層繊維層12の幅方向の一方の端部から1ピッチより離れた位置で折り返し状に挿入された後、1ピッチ戻る位置で折り返し状に挿入され、以降の挿入位置が3ピッチ先の位置と、3ピッチ先の位置から1ピッチ戻る位置とを繰り返さすように挿入されている。したがって、繊維構造体(三次元繊維構造体10)を製造する際、縫い糸13の留め糸14と係合してループ状に折り返して積層繊維層12に挿入された折り返し挿入部13aが一定ピッチで存在するように縫い糸13を積層繊維層12に挿入する作業が他の挿入方法に比べて簡単になる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 縫い糸13は、基本的に3ピッチの間隔をおいて折り返し状に挿入された後、1ピッチ戻る位置で折り返し状に挿入されたことの繰り返しで構成されているものに限らない。例えば、図6(a)に示すように、縫い糸13は、積層繊維層12の最外層の面内糸層11cに沿って配列された留め糸14と係合してループ状に折り返して積層繊維層12に挿入される折り返し挿入部13aの挿入位置が、積層繊維層12の幅方向(図6(a)の左右方向)の外側から内側に向かって変更されるように順次挿入されて形成されたものでもよい。
○ 図6(b)に示すように、縫い糸13は、積層繊維層12の最外層の面内糸層11cに沿って配列された留め糸14と係合してループ状に折り返して積層繊維層12に挿入される折り返し挿入部13aの挿入位置が、積層繊維層12の幅方向(図6(b)の左右方向)の内側から外側に向かって変更されるように順次挿入されて形成されたものでもよい。
○ 縫い糸13は、留め糸14と係合してループ状に折り返して積層繊維層12に挿入された折り返し挿入部13aの根元部16において、留め糸14に向かう方向の入側部13cと、留め糸14に係合して折り返してくる方向の出側部13dとが同一方向に屈曲されていればよい。したがって、縫い糸13は、折り返し挿入部13aが一定ピッチではなく異なる間隔で挿入されてもよい。
○ 面内糸層11を構成する繊維束は炭素繊維に限らず、例えば、ガラス繊維やセラミック繊維等の無機繊維、あるいは、アラミド繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリアリレート繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の高強度の有機繊維であってもよく、要求性能に応じて適宜選択される。例えば、繊維強化複合材料に対する剛性・強度の要求性能が高い場合は、炭素繊維が好ましい。繊維束に安価なガラス繊維を用いると低コストとなる。
○ 積層繊維層12を疑似等方性で面内4軸配向に構成する面内糸層11a〜11dの積層順序は、外層を面内糸層11c(+45度層)又は面内糸層11d(−45度層)にする順に限らない。
○ 積層繊維層12は少なくとも2軸配向であればよく、疑似等方性で面内4軸配向に限らない。例えば、配向角が0度、60度及び−60度に配列した糸で面内3軸の積層繊維層12を構成したり、面内4軸の積層繊維層12を構成する場合に配向角が0度及び90度の他の面内配列糸の配向角を±45°以外の配向角としたりしてもよい。また、積層繊維層12を配向角が0度及び90度の面内2軸配向としてもよい。
○ 三次元繊維強化複合材を構成するマトリックス樹脂は熱硬化性樹脂に限らず、例えば、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂を使用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)面内糸層が積層された少なくとも2軸配向となる積層繊維層を、縫い糸と留め糸とで結束してなる繊維構造体であって、前記留め糸は前記積層繊維層のいずれか一方の最外層上に配列され、前記縫い糸は、前記留め糸と係合してループ状に折り返して前記積層繊維層に挿入された折り返し挿入部と、前記積層繊維層の前記留め糸が配列された側と反対側の面の外側に配列された反留め糸側配列部とを有し、前記折り返し挿入部の根元部において、前記留め糸に向かう方向の入側部と、前記留め糸に係合して折り返してくる方向の出側部とが同一方向に屈曲されている。
Pz…配列面、10…繊維構造体としての三次元繊維構造体、11,11a,11b,11c,11d…面内糸層、12…積層繊維層、13…縫い糸、13a…折り返し挿入部、13b…反留め糸側配列部、13c…入側部、13d…出側部、14…留め糸、16…根元部。

Claims (2)

  1. 面内糸層が積層された少なくとも2軸配向となる積層繊維層を、縫い糸と留め糸とで結束してなる繊維構造体を強化基材とする三次元繊維強化複合材であって、
    前記繊維構造体は、前記留め糸が前記積層繊維層のいずれか一方の最外層上に配列され、
    前記縫い糸は、前記留め糸と係合してループ状に折り返して前記積層繊維層に挿入された折り返し挿入部と、前記積層繊維層の前記留め糸が配列された側と反対側の面の外側に配列された反留め糸側配列部とを有し、前記折り返し挿入部の根元部において、前記留め糸に向かう方向の入側部と、前記留め糸に係合して折り返してくる方向の出側部とが同一方向に屈曲されていることを特徴とする三次元繊維強化複合材。
  2. 前記縫い糸は、前記積層繊維層の幅方向の一方の端部から1ピッチより離れた位置で折り返し状に挿入された後、1ピッチ戻る位置で折り返し状に挿入され、以降の挿入位置が3ピッチ先の位置と、前記3ピッチ先の位置から1ピッチ戻る位置とを繰り返さすように挿入されている請求項1に記載の三次元繊維強化複合材。
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