JP2014213414A - 穴明け工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐折損性や他の性能を維持しながら穴位置精度の更なる改善が可能な実用性に秀れた穴明け工具の提供。【解決手段】工具本体1の外周に工具先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝2が1つ若しくは複数形成された穴明け工具であって、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲におけるランド3は、次の2条件を充足し、(1)外周方向長さの合計が工具直径Dの円の円周長さの20%以上60%以下(2)前記ランド3のうち、最も外周方向長さの長いランド3の該外周方向長さは前記工具直径Dの円の円周長さの20%以上50%以下更に、前記ランド3に硬質皮膜4を設け、この硬質皮膜4は工具先端側ほど厚く設ける。【選択図】図3

Description

本発明は、穴明け工具に関するものである。
近年、プリント配線板(PCB)は、小型化、薄型化及び軽量化が進み、信頼性向上のために高耐熱化及び高剛性化が進んでいる。そのため、ガラスクロス及び絶縁部の樹脂構成が難削化し、それだけPCBの穴明け加工に使用されるドリル(以下、PCBドリルという。)の摩耗が進行し易くなっており、摩耗に伴う穴位置精度の悪化が問題となっている。
そこで、例えば特許文献1に開示されるような、耐摩耗性を向上させるための硬質皮膜が被覆されたドリルが種々提案されており、上記穴位置精度の改善が図られているものの、更なる改善が要望されている。
特開2012−11489号公報
本発明者等は、穴位置精度の更なる改善を図るべく、硬質皮膜が被覆されたドリルについての種々の繰り返しの検討の結果、以下の知見を得た。
穴位置精度の悪化が引き起こされる要因としては、図1に図示したようなドリルの被削材への食いつき時の位置ズレ、及び、図2に図示したようなドリルの被削材進入後の進行方向ズレが挙げられる。さらに、被削材との接触によりドリルの摩耗が進行した場合、ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレやドリルの被削材進入後の進行方向ズレが顕著となり、穴位置精度が悪化しやすくなる。なお、図1及び図2は、当て板及び捨て板で挟持されたPCBにPCBドリルで穴明け加工を施す際の例である。
具体的には、ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレは、ドリルの先端切れ刃、逃げ面及び逃げ面稜線(チゼルエッジ)が摩耗すること等による食いつき性の低下が原因で悪化し、ドリルの被削材進入後の進行方向ズレは、工具先端部の工具外周と切れ刃が交わり形成されるコーナー付近の外周摩耗により先端側ほど漸次外周が縮径する、所謂フロントテーパ化が原因で悪化しているものと考えられる。
ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレは、当て板を変更することである程度コントロールすることが可能であるが、当て板の変更以外にドリルの形状等にも改善の余地が残っている。また、ドリルの被削材進入後の進行方向ズレは、当て板等の変更ではコントロールできないため、特にドリルの被削材進入後の進行方向ズレの影響をドリルの形状変更等により、可及的に小さくする必要がある。
本発明は、発明者等の上記知見に基づき完成したもので、所定の外周方向長さのランドに工具先端側ほど厚くなるように硬質皮膜を設けることで、ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレを防ぎつつドリルの被削材進入後の進行方向ズレを抑制し、耐折損性や他の性能を維持しながら穴位置精度の更なる改善が可能な実用性に秀れた穴明け工具を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
工具本体1の外周に工具先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝2が1つ若しくは複数形成された穴明け工具であって、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲におけるランド3は、次の2条件を充足し、
(1)外周方向長さの合計が工具直径Dの円の円周長さの20%以上60%以下
(2)前記ランド3のうち、最も外周方向長さの長いランド3の該外周方向長さは前記
工具直径Dの円の円周長さの20%以上50%以下
更に、前記ランド3には硬質皮膜4が設けられ、この硬質皮膜4は工具先端側ほど厚く設けられていることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1記載の穴明け工具において、前記ランド3の工具先端側位置の前記硬質皮膜4の膜厚T1と、前記ランド3の工具先端から軸方向に工具直径Dの2倍若しくは工具直径Dの2倍以下の範囲における工具後端側位置の前記硬質皮膜4の膜厚T2の比T2/T1が、0.50以上0.98以下であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記硬質皮膜4は、金属成分として少なくともAlとCrとを含み、非金属成分として少なくともNを含むものであり、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲における膜厚が1μm以上5μm以下であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の穴明け工具において、切れ刃5が1つであることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端面には前記硬質皮膜4が設けられていないことを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端面及び前記切り屑排出溝2の内面には前記硬質皮膜4が設けられていないことを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲に前記ランド3が複数存在し、この複数設けられたランド3のうち、最も外周方向長さの長いランド3に設けられた前記硬質皮膜4の膜厚TWと、最も外周方向長さの短いランド3に設けられた前記硬質皮膜4の膜厚TNの比TW/TNが、0.60以上0.98以下であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項7に記載の穴明け工具において、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲に前記ランド3が2つ存在することを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜8いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具直径Dが0.2mm以上1.0mm以下であり、少なくとも先端から切り屑排出溝後端部までがWCとCoを含有する超硬合金製であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、耐折損性や他の性能を維持しながら穴位置精度の更なる改善が可能な実用性に秀れた穴明け工具となる。
ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレを説明する概略説明図である。 ドリルの被削材進入後の進行方向ズレを説明する概略説明図である。 本実施例の概略説明斜視図である。 図3の先端側の拡大斜視図である。 穴明け工具の工具先端部の構成例を示す概略説明正面図である。 図4のA−A断面図である。 本実施例の概略説明側面図である。 図7の要部を簡略化して拡大した概略説明側面図である。 成膜方法を説明する概略説明図である。 実験条件及び実験結果を示す表である。 実験条件及び実験結果を示す表である。 実験条件及び実験結果を示す表である。 実験条件及び実験結果を示す表である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
工具先端部においてランド3の外周方向長さを十分長くして硬質皮膜4の耐久性を向上させると共に、この硬質皮膜4を工具先端側ほど厚く設けることで、工具先端側の硬質皮膜4が摩耗し難く、且つ、摩耗しても工具先端側ほど漸次外周が縮径する(フロントテーパ)形状となり難く、従って、工具先端部の工具外周と切れ刃が交わり形成されるコーナー付近の外周摩耗によるフロントテーパ化が良好に抑制されることになる。
更に、例えば、硬質皮膜4として、金属成分として少なくともAlとCrとを含み、非金属成分として少なくともNを含むものを採用し、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲における膜厚を1μm以上5μm以下に設定した場合には、食いつき時の位置ズレを改善することができる。また、工具先端面及び切り屑排出溝2の内面に硬質皮膜4を設けない構成とした場合にも、食いつき時の位置ズレを改善することができる。
よって、本発明は、ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレを防ぎつつドリルの被削材進入後の進行方向ズレの影響を可及的に小さくして、穴位置精度の更なる改善を図ることが可能となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、工具本体1の外周に工具先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝2が1つ若しくは複数形成された穴明け工具であって、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍(1D)以下の範囲に存在する1つ若しくは複数のランド3の外周方向長さの合計が工具直径Dの円の円周長さ(πD、πは円周率)の20%以上60%以下で、このランド3のうち、最も外周方向長さの長いランド3の外周方向長さが前記πDの20%以上50%以下であり、前記ランド3には硬質皮膜4が設けられ、この硬質皮膜4は工具先端側ほど厚く設けられているものである。
具体的には、前記穴明け工具は、図3,4に図示したように、外周に螺旋状の切り屑排出溝2が設けられている工具本体1と、工具本体1に連設され工具基端側ほど漸次拡径するシャンクテーパ部と、シャンクテーパ部に連設され直径が3.175mmのシャンク部とから成るPCBドリルである。工具本体1は少なくとも先端から切り屑排出溝後端部までがWCとCoを含有し、後述する硬質皮膜4と良好に密着する超硬合金部材で形成され、シャンク部はステンレス鋼部材で形成されており、この両者が接合されて構成されている。なお前記超硬合金部材のCo含有量は重量%で3%以上15%以下であることが好ましい。シャンクテーパ部のテーパ角度は本実施例においては30°に形成されている。
また、工具本体1(刃部)の直径Dはランド3に設けられた硬質皮膜4を含めた最大直径であり(図8参照)、本実施例においては0.3mmに設定されている。また、硬質皮膜4を含めない工具本体1の刃部の形状は、工具本体1の先端側から基端側にかけて径が一定となる所謂ストレート形状(図8(A)参照)としても良いし、基端側で一段径小となるような所謂アンダーカット形状(図8(B)参照)としても良い。なお、穴位置精度が悪化しやすい0.2mm以上1.0mm以下のものであれば、本実施例と同様に本発明の効果が特に発揮される。
また、本実施例は、切れ刃が1つであり切り屑排出溝2を2つ設けた、図5(A)に図示したような所謂1刃2溝形状のドリルである。ランド3は外周方向長さの長いランド3と外周方向長さの短いランド3の2つが設けられ、具体的には、切れ刃5の工具回転方向後方側のランド3の外周方向長さをより長く設定している。本発明においてランドとは、穴内壁面と接触する外周面を指す。即ち、図5(B)に図示したように、ランド3に二番取り面8を設ける構成とした場合、二番取り面はランドとみなさない。図中、符号6は第一逃げ面、7は第二逃げ面である。
なお、図5(C)に図示したような一般的な所謂2刃2溝形状のドリルの場合、ランド3の外周方向長さを長くすると(ランド3を大きくすると)、その分溝容積が小さくなり、切り屑排出性が悪化して穴内壁粗さが大きくなる場合がある。この点、1刃形状であると、ランド3の外周方向長さを長くしても1つの切れ刃5に対する溝容積を十分大きくすることができ、良好な切り屑排出性を得ることが可能となり、それだけ穴内壁粗さが改善する。また、図5(A),(B)のような1刃2溝形状のドリルは、2つのランドがバランスを保ち、安定して被削材に食いつくため、図5(D)に図示したような切れ刃5が1つであり切り屑排出溝2を1つ設けた一般的な所謂1刃1溝形状に比し、食いつき性をさらに向上させることができる。
また、本実施例においては、工具先端面(第一逃げ面6及び第二逃げ面7)及び切り屑排出溝2の内面には前記硬質皮膜4を設けず、図3,4に図示したように、ランド3にのみ設けた構成としている。従って、工具先端の逃げ面とすくい面との交差稜線部に存在する切れ刃が硬質皮膜4に覆われず、刃物角を鋭利にすることができ、それだけ被削材への食いつき性が向上するため、被削材への食いつき時の穴位置精度が良好となる。なお、工具先端面及び切り屑排出溝2の内面にも硬質皮膜4を設けた場合も本発明の範囲内であるが、その場合には工具全体が硬質皮膜4で覆われるため耐摩耗性は向上するものの、硬質皮膜4中のドロップレットと呼ばれる微小金属粒子が切り屑排出溝2の内面に存在することで切り屑排出性が悪化し、さらに工具先端の逃げ面とすくい面上の硬質皮膜4により刃物角が鈍くなり切削抵抗が大きくなるため、工具先端面及び切り屑排出溝2の内面に前記硬質皮膜4を設けない場合に比べ、穴明け時に折損する可能性が少し高くなる。また、刃物角が鈍くなることにより、被削材への食いつき時の位置ズレが生じやすくなり、工具先端面及び切り屑排出溝2の内面に前記硬質皮膜4を設けない場合に比べ、穴位置精度が少し悪化する。
本実施例では硬質皮膜4として、金属成分として少なくともAlとCrとを含み、非金属成分として少なくともNを含むものを採用している。このような硬質皮膜4は、工具母材の摩耗を抑制するが、加工とともに皮膜自体が摩耗するため、適度な厚さが必要であり、1μm以上あることが望ましい。一方、厚すぎると、工具先端面及び切り屑排出溝2の内面にも硬質皮膜4を設けた場合に切れ刃やチゼルエッジの鋭利さが失われ、被削材への食いつき時の位置ズレが生じやすくなるため、5μm以下であることが望ましい。従って、硬質皮膜4は、工具先端から軸方向に1D以下の範囲における膜厚が1μm以上5μm以下となるように設定されている。
本実施例では、工具先端から軸方向に1D以下の範囲に存在する1つ若しくは複数のランド3の外周方向長さの合計がπDの20%以上60%以下で、2つ設けられたランド3のうち、外周方向長さの長いランド3の外周方向長さがπDの20%以上50%以下となるように設定している。
ここで、各ランド3の外周方向長さの合計が長くなると、ランド3の皮膜耐久性が良くなり、それだけ工具先端部のコーナー付近の外周摩耗が進行し難くなって穴位置精度が悪化し難くなるが、各ランド3の外周方向長さの合計がπDの60%より長い場合には、切削抵抗が大きくなり折損しやすくなり、πDの20%より短い場合には、ランド3の皮膜耐久性が悪くなり、工具先端部のコーナー付近の外周摩耗が進行しやすくなって穴位置精度が悪化しやすくなる。また、最も外周方向長さの長いランド3の外周方向長さが、πDの50%より長い場合には、上記同様の理由で折損しやすくなり、πDの20%より短い場合には、上記同様の理由で穴位置精度が悪化しやすくなる。
本実施例は上述したような1刃2溝形状であり、図4に図示したように、工具先端から軸方向に1D以下の範囲にランド3が2つ存在し、この2つのランド3の外周方向長さの合計はπDの43%、外周方向長さの長いランド3の外周方向長さがπDの33%に設定されている。前述したように、本実施例においては切れ刃5の工具回転方向後方側のランド3の外周方向長さをより長く設定している。この場合、切れ刃5を外周方向長さの長いランド3で支持することにより剛性が確保でき、工具の振れが抑えられるため、穴位置精度の悪化を防ぐことができる。
また、ドリルは先端部ほど切削抵抗を強く受けるため、工具先端部のコーナー付近で皮膜の耐久性が悪くなったり、摩耗が進行しやすくなったりする。よって、工具先端側のランド3ほど厚めに硬質皮膜4を成膜したほうが(工具本体1の根元側から先端側にかけて膜厚が漸増するように設けたほうが)、穴位置精度の悪化を抑制しやすい。
そのため、本実施例は、図7に図示したように、ランド3の工具先端側位置(工具先端部のコーナー位置)L1の硬質皮膜4の膜厚T1と、ランド3の工具先端から軸方向に工具直径の2倍(2D)若しくは2D以下の範囲の工具後端側位置L2の硬質皮膜4の膜厚T2の比T2/T1が、0.50以上0.98以下となるように設定されている。なお、図7における膜厚T1及びT2は、工具本体1の根元側から先端側にかけて膜厚が漸増するように設けられていることを大まかに示すものである。具体的には、図8に示すとおり、図8(A)はL2がランド3の工具先端から軸方向に2Dの位置の例、図8(B)はL2がランド3の工具先端から軸方向に2D以下の範囲の工具後端側位置の例である。なお、工具先端から軸方向に1D以下の範囲にランド3が複数存在する場合、T2/T1の値はランド3毎に設定される。
ここで、T2/T1が、0.5より小さい場合には、位置L1において皮膜が工具径方向に突き出る形状となって切削負荷が集中し、皮膜強度以上の応力が発生するため、この付近でかえって皮膜が欠損しやすくなり、穴位置精度の悪化を招く。T2/T1が、0.98より大きい場合には、工具本体1の根元側から先端側にかけて膜厚がほぼ一定に、若しくは、根元側から先端側にかけて膜厚が漸減するようになるため、工具先端部のコーナー付近に十分な膜厚が無く、先端部の皮膜の耐久性悪化や摩耗が進行しやすくなり、穴位置精度が悪化しやすくなる。
このT2/T1は、例えば、図9に図示したように、皮膜を成膜する成膜炉内でドリルを保持するジグを、ドリルの直径Dに対して水平方向に十分大きいものとし、ジグに対するドリルの挿入深さを変化させることで、適宜設定することができる。具体的には、ドリルの挿入深さを深くするとT2/T1を小さくでき(L1におけるT1の膜厚を厚くでき)、浅くするとT2/T1を大きくできる(L1におけるT1の膜厚を薄くできる)。
更に、切り屑排出溝2を複数設けた場合、最も外周方向長さが短いランド3において皮膜の耐久性が悪化し、穴位置精度が悪化する。つまり、外周方向長さが最も長いランド3に対して最も短いランド3の皮膜の摩耗が進行するため、工具の母材が露出する摩滅が最も短いランド3で顕著になり片減り状態になる。その結果、被削材と夫々のランド3との接触がアンバランスとなり、上記ドリルの被削材進入後の進行方向ズレの影響が大きくなり、穴位置精度が悪化することとなる。
そのため、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲に存在する複数のランド3のうち、最も外周方向長さの長いランド3に設けられた硬質皮膜4の膜厚TWと、最も外周方向長さの短いランド3に設けられた硬質皮膜4の膜厚TNの比TW/TNが、0.60以上0.98以下となるように設定するのが好ましい。
本実施例においては、図6に図示したように、工具先端から軸方向に1D以下の範囲における外周方向長さP1のランド3に設けられた硬質皮膜4の膜厚TWと、P1より短い外周方向長さP2のランド3に設けられた硬質皮膜4の膜厚TNの比TW/TNが、0.60以上0.98以下となるように設定されている。なお、図示しないが、工具先端から軸方向に1D以下の範囲にランド3が3つ以上存在する場合であっても、最も外周方向長さの長いランド3に設けられた硬質皮膜4の膜厚をTW、最も外周方向長さの短いランド3に設けられた硬質皮膜4の膜厚をTNに設定すればよい。
ここで、TW/TNが、0.6より小さい場合には、外周方向長さの短いランドにおいて切削負荷が集中し、この付近でかえって皮膜の摩耗が進行しやすくなったり、皮膜が欠損しやすくなったりして、穴位置精度が悪化することになり、0.98より大きい場合には、外周方向長さが短いランドにおいて皮膜の耐久性が悪化しやすくなり、穴位置精度が悪化しやすくなる。
このTW/TNは、例えば、ドリルの刃部全体に一定の膜厚で硬質皮膜4を設けた後、工具先端から1Dの範囲のランド3で、最も外周方向長さが短いランド3が成膜炉内の金属蒸発源の方向を向くように設置して成膜処理を行うことで小さくでき(TNを厚くすることができ)、最も外周方向長さが長いランド3が金属蒸発源の方向を向くように設置して成膜処理を行うことで大きくできる(TNを薄くすることができる)。
本実施例は上述のように構成したから、工具先端部においてランド3の外周方向長さを十分長くして硬質皮膜4の耐久性を向上させると共に、この硬質皮膜4を工具先端側ほど厚く設けることで、工具先端側の硬質皮膜4が摩耗し難く、且つ、摩耗しても先端側ほど漸次外周が縮径する形状となり難く、従って、工具先端部のコーナー付近の外周摩耗によるフロントテーパ化が良好に抑制されることになる。
よって、本実施例は、ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレを防ぎつつドリルの被削材進入後の進行方向ズレの影響を可及的に小さくして、耐折損性や他の性能を維持しながら、穴位置精度の更なる改善を図ることが可能なものとなる。
本実施例の効果を裏付ける実験例について説明する。
図10〜13は、ドリル形状やランド3の構成、硬質皮膜4の構成を変化させて穴位置精度等を評価した実験条件及び実験結果を示す表である。図10〜13の詳細を説明すると、図10は各種ドリル形状とランドの外周方向長さ違いの比較評価結果の図、図11はT2/T1違いの比較評価結果の図、図12はTW/TN違いの比較評価結果の図、図13はドリルサイズ違いの比較評価結果の図である。
図10の実験で使用したドリルは、工具直径Dを0.3mm、溝長lを6.5mmとした2刃2溝ドリル、1刃1溝ドリル、1刃2溝ドリルであり、ランドの構成を種々変化させている。図中の円周比(%)は、πDに対するランドの外周方向長さの合計及び最も外周方向長さの長いランドの外周方向長さの比を表したものである。また、先端角、ねじれ角等の基本形状は同じにしてあるが、1刃形状の溝深さは2刃形状に対して10%深くしている。図中、コート部位欄の表示は夫々、全面:刃部全面にコートあり、溝内面、ランド:先端面にコートなし、ランドのみ:溝内面と先端面にコートなし、を示す。また、各サンプルにおいて硬質皮膜を設けたコートドリルだけでなくノンコート(硬質皮膜を全く設けない)ドリルも評価している。硬質皮膜の膜厚はT2において2μmとし、T2/T1は0.65以上0.75以下とした。また、No.7〜13については、TW/TNを0.76以上0.85以下とした。
なお、No.13は、切れ刃の工具回転方向後方側のランドに上記二番取り面を設けた例である。
以上のドリルにより、基材としての「FR−4ハロゲンフリー材 厚さ1.2mm 6層銅箔」を4枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.2mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:120krpm、送り速度:3.0m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて各仕様について10本ずつ穴明け加工実験を行った。
図10〜図13における評価方法について説明する。折損本数については、図10〜図12では6,000ヒット加工で10本中の折損本数を、図13では設定ヒット数以内で10本中の折損本数を記載した。穴位置精度については、図10〜図12では10本の6,000ヒット加工における最下基板裏側の穴位置ずれ量のAvg.+3s値を、図13では10本の設定ヒット数の最下基板裏側の穴位置ずれ量のAvg.+3s値を記載した。なお、折損本数が10本のものは測定しておらず、折損本数が10本に満たないものは折損しなかった本数の穴位置ずれ量を記載した。また、ノンコートとコートの穴位置ずれ量のAvg.+3s値の差(ノンコート差)により、硬質皮膜被覆の効果を確認した(○:効果大きい、×:効果小さい(ノンコート差が1μm以下))。また、穴内壁粗さは、図10では6,000ヒット付近の5穴の穴内壁の外観を確認することで評価し(○:穴内壁粗さが25μm未満、△:穴内壁粗さが25μm未満だが、外観上比較的悪い)、図13では設定ヒット付近の5穴の穴内壁の外観を確認することで評価した(○:穴内壁粗さが15μm未満、△:穴内壁粗さが15μm未満だが、外観上比較的悪い)。また、膜欠損は、図11においては6,000ヒット後のコーナー付近の皮膜状態をその外観を確認することで、図12においては6,000ヒット後の外周方向長さの短いランドの皮膜状態をその外観を確認することで評価した(○:皮膜が欠損していない、×:皮膜が欠損している)。また、膜摩滅は、図11においては6,000ヒット後のコーナー付近の皮膜状態をその外観を確認することで、図12においては6,000ヒット後の外周方向長さの短いランドの皮膜状態をその外観を確認することで評価した(○:皮膜の摩滅が目立たない、×:皮膜の摩滅が顕著、−:膜欠損のため摩滅の確認が不可能)。
評価結果より、以下の点を確認した。
2刃2溝形状は折損しにくく、皮膜により穴位置精度は多少良くなるが、ランドの外周方向長さが長くなると穴内壁粗さが悪化しやすい傾向がある。また、1刃1溝形状は硬質皮膜被覆の効果が大きいために穴位置精度は良好となり、穴内壁粗さも悪くはないが、ランドの外周方向長さが好ましい範囲内であっても折損しやすい傾向がある。また、1刃2溝形状は被削材への食いつき性が良いために穴位置精度が良く、硬質皮膜被覆の効果も大きく、穴内壁粗さも良好である。
また、1刃2溝形状で溝内面とランドに皮膜を設けた場合(図10中のNo.10)や、ランドにのみ皮膜を設けた場合(図10中のNo.11)においては、前述したドリル形状による効果に加え、先端面に、または先端面と溝内面に皮膜が設けられていないことにより折損しにくい傾向であった。1刃2溝形状でランドに二番取り面を設けた場合(図10中のNo.13)は、穴位置精度が同形状の中で最も良好で、折損しにくく、穴内壁粗さにおいても良好な結果が得られた。
以上から、1刃2溝形状でランドにのみ皮膜を設けた場合に最も良好な結果が得られることが確認できた。
図11の実験で使用したドリルは、工具直径Dを0.3mm、溝長lを6.5mmとした図10のNo.9と同形状のドリルである。各サンプルにおいて硬質皮膜を設けたコートドリルだけでなくノンコートドリルも評価している。硬質皮膜の膜厚はT2において2μmとし、T2/T1を変化させた。また、TW/TNを0.76以上0.88以下とした。
以上のドリルにより、基材としての「FR−4ハロゲンフリー材 厚さ1.2mm 6層銅箔」を4枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.2mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:120krpm、送り速度:3.0m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて各仕様について10本ずつ穴明け加工実験を行った。
評価結果より、T2/T1が小さい場合、コーナー付近の皮膜欠損が目立つことが確認できた。また、T2/T1が大きい場合、コーナー付近の皮膜摩滅が目立つことが確認できた。
以上から、T2/T1は、0.50以上0.98以下が好適であると考えられる。
図12の実験で使用したドリルは、工具直径Dを0.3mm、溝長lを6.5mmとした図10のNo.9と同形状のドリルである。各サンプルにおいて硬質皮膜を設けたコートドリルだけでなくノンコートドリルも評価している。硬質皮膜の膜厚はTWにおいて2.8μmとし、TW/TNを変化させた。また、T2/T1を0.65以上0.75以下とした。
以上のドリルにより、基材としての「FR−4ハロゲンフリー材 厚さ1.2mm 6層銅箔」を4枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.2mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:120krpm、送り速度:3.0m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて各仕様について10本ずつ穴明け加工実験を行った。
評価結果より、TW/TNが小さい場合、外周方向長さの短いランドの皮膜欠損が目立つことが確認できた。また、TW/TNが大きい場合、外周方向長さの短いランドの皮膜摩滅が目立つことが確認できた。
以上から、TW/TNは、少なくとも0.51以下若しくは1.17以上であると好ましくないことが確認できた。
図13の実験で使用したドリルは、工具直径Dを0.1mm、溝長lを2.2mmとした2刃2溝ドリル及び1刃2溝ドリルと、工具直径Dを0.2mm、溝長lを3.5mmとした1刃2溝ドリルと、工具直径Dを0.6mm、溝長lを8.5mmとした2刃2溝ドリル及び1刃2溝ドリル、工具直径Dを1.0mm、溝長lを9.0mmとした2刃2溝ドリルと、工具直径Dを1.1mm、溝長lを9.0mmとした2刃2溝ドリルである。硬質皮膜は刃部全面に設けている。また、各サンプルにおいて硬質皮膜を設けたコートドリルだけでなくノンコートドリルも評価している。
以上のドリルにより、工具直径Dごとに下記の条件で穴明け加工実験を行った。
・工具直径D:0.1mm
基材としての「ハロゲンフリー材 厚さ0.4mm 2層銅箔」を3枚重ね、当て板として樹脂付きアルミ板(厚さ0.1mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:330krpm、送り速度:2.4m/min、スピンドルの上昇速度:50.0m/minにて各仕様について10本ずつ6,000ヒット穴明け加工を行う。
・工具直径D:0.2mm
基材としての「FR−4材 厚さ1.2mm 6層銅箔」を2枚重ね、当て板として樹脂付きアルミ板(厚さ0.17mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:180krpm、送り速度:2.4m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて10本ずつ3,000ヒット穴明け加工を行う。
・工具直径D:0.6mm
基材としての「FR−4材 厚さ1.6mm 6層銅箔」を3枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.2mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:75krpm、送り速度:2.05m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて各仕様について10本ずつ2,400ヒット穴明け加工を行う。
・工具直径D:1.0mm
基材としての「FR−4材 厚さ1.5mm 4層銅箔」を3枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.15mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:48krpm、送り速度:0.96m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて10本ずつ2,000ヒット穴明け加工を行う。
・工具直径D:1.1mm
基材としての「FR−4材 厚さ1.6mm 2層銅箔」を3枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.15mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:48krpm、送り速度:0.96m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて10本ずつ2,000ヒット穴明け加工を行う。
評価結果より、工具直径Dが0.1mm若しくは1.1mmのドリルでは硬質皮膜の耐摩耗効果が小さいことが確認できた。
以上から、工具直径Dが0.2mm以上1.0mm以下のドリルで特に本発明の効果が発揮されることが確認できた。
1 工具本体
2 切り屑排出溝
3 ランド
4 硬質皮膜
5 切れ刃
D 工具直径
本発明は、穴明け工具に関するものである。
近年、プリント配線板(PCB)は、小型化、薄型化及び軽量化が進み、信頼性向上のために高耐熱化及び高剛性化が進んでいる。そのため、ガラスクロス及び絶縁部の樹脂構成が難削化し、それだけPCBの穴明け加工に使用されるドリル(以下、PCBドリルという。)の摩耗が進行し易くなっており、摩耗に伴う穴位置精度の悪化が問題となっている。
そこで、例えば特許文献1に開示されるような、耐摩耗性を向上させるための硬質皮膜が被覆されたドリルが種々提案されており、上記穴位置精度の改善が図られているものの、更なる改善が要望されている。
特開2012−11489号公報
本発明者等は、穴位置精度の更なる改善を図るべく、硬質皮膜が被覆されたドリルについての種々の繰り返しの検討の結果、以下の知見を得た。
穴位置精度の悪化が引き起こされる要因としては、図1に図示したようなドリルの被削材への食いつき時の位置ズレ、及び、図2に図示したようなドリルの被削材進入後の進行方向ズレが挙げられる。さらに、被削材との接触によりドリルの摩耗が進行した場合、ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレやドリルの被削材進入後の進行方向ズレが顕著となり、穴位置精度が悪化しやすくなる。なお、図1及び図2は、当て板及び捨て板で挟持されたPCBにPCBドリルで穴明け加工を施す際の例である。
具体的には、ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレは、ドリルの先端切れ刃、逃げ面及び逃げ面稜線(チゼルエッジ)が摩耗すること等による食いつき性の低下が原因で悪化し、ドリルの被削材進入後の進行方向ズレは、工具先端部の工具外周と切れ刃が交わり形成されるコーナー付近の外周摩耗により先端側ほど漸次外周が縮径する、所謂フロントテーパ化が原因で悪化しているものと考えられる。
ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレは、当て板を変更することである程度コントロールすることが可能であるが、当て板の変更以外にドリルの形状等にも改善の余地が残っている。また、ドリルの被削材進入後の進行方向ズレは、当て板等の変更ではコントロールできないため、特にドリルの被削材進入後の進行方向ズレの影響をドリルの形状変更等により、可及的に小さくする必要がある。
本発明は、発明者等の上記知見に基づき完成したもので、所定の外周方向長さのマージンに工具先端側ほど厚くなるように硬質皮膜を設けることで、ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレを防ぎつつドリルの被削材進入後の進行方向ズレを抑制し、耐折損性や他の性能を維持しながら穴位置精度の更なる改善が可能な実用性に秀れた穴明け工具を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
工具本体1の外周に工具先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝2が1つ若しくは複数形成された穴明け工具であって、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲に複数のマージン3が設けられ、このマージン3は、次の2条件を充足し、
(1)外周方向長さの合計が工具直径Dの円の円周長さの20%以上60%以下
(2)前記マージン3のうち、最も外周方向長さの長いマージン3の該外周方向長さは
前記工具直径Dの円の円周長さの20%以上50%以下
更に、前記マージン3には硬質皮膜4が設けられ、この硬質皮膜4は工具先端側ほど厚く設けられており、更に、前記複数のマージン3のうち、最も外周方向長さの長いマージン3に設けられた前記硬質皮膜4の膜厚TWと、最も外周方向長さの短いマージン3に設けられた前記硬質皮膜4の膜厚TNの比TW/TNが、0.60以上0.98以下であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1記載の穴明け工具において、前記マージン3の工具先端側位置の前記硬質皮膜4の膜厚T1と、前記マージン3の工具先端から軸方向に工具直径Dの2倍若しくは工具直径Dの2倍以下の範囲における工具後端側位置の前記硬質皮膜4の膜厚T2の比T2/T1が、0.50以上0.98以下であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記硬質皮膜4は、金属成分として少なくともAlとCrとを含み、非金属成分として少なくともNを含むものであり、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲における膜厚が1μm以上5μm以下であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の穴明け工具において、切れ刃5が1つであることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端面には前記硬質皮膜4が設けられていないことを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端面及び前記切り屑排出溝2の内面には前記硬質皮膜4が設けられていないことを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲に前記マージン3が2つ存在することを特徴とする穴明け工具に係るものである。
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具直径Dが0.2mm以上1.0mm以下であり、少なくとも先端から切り屑排出溝後端部までがWCとCoを含有する超硬合金製であることを特徴とする穴明け工具に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、耐折損性や他の性能を維持しながら穴位置精度の更なる改善が可能な実用性に秀れた穴明け工具となる。
ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレを説明する概略説明図である。 ドリルの被削材進入後の進行方向ズレを説明する概略説明図である。 本実施例の概略説明斜視図である。 図3の先端側の拡大斜視図である。 穴明け工具の工具先端部の構成例を示す概略説明正面図である。 図4のA−A断面図である。 本実施例の概略説明側面図である。 図7の要部を簡略化して拡大した概略説明側面図である。 成膜方法を説明する概略説明図である。 実験条件及び実験結果を示す表である。 実験条件及び実験結果を示す表である。 実験条件及び実験結果を示す表である。 実験条件及び実験結果を示す表である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
工具先端部においてマージン3の外周方向長さを十分長くして硬質皮膜4の耐久性を向上させると共に、この硬質皮膜4を工具先端側ほど厚く設けることで、工具先端側の硬質皮膜4が摩耗し難く、且つ、摩耗しても工具先端側ほど漸次外周が縮径する(フロントテーパ)形状となり難く、従って、工具先端部の工具外周と切れ刃が交わり形成されるコーナー付近の外周摩耗によるフロントテーパ化が良好に抑制されることになる。
更に、例えば、硬質皮膜4として、金属成分として少なくともAlとCrとを含み、非金属成分として少なくともNを含むものを採用し、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲における膜厚を1μm以上5μm以下に設定した場合には、食いつき時の位置ズレを改善することができる。また、工具先端面及び切り屑排出溝2の内面に硬質皮膜4を設けない構成とした場合にも、食いつき時の位置ズレを改善することができる。
よって、本発明は、ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレを防ぎつつドリルの被削材進入後の進行方向ズレの影響を可及的に小さくして、穴位置精度の更なる改善を図ることが可能となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、工具本体1の外周に工具先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝2が1つ若しくは複数形成された穴明け工具であって、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍(1D)以下の範囲に存在する1つ若しくは複数のマージン3の外周方向長さの合計が工具直径Dの円の円周長さ(πD、πは円周率)の20%以上60%以下で、このマージン3のうち、最も外周方向長さの長いマージン3の外周方向長さが前記πDの20%以上50%以下であり、前記マージン3には硬質皮膜4が設けられ、この硬質皮膜4は工具先端側ほど厚く設けられているものである。
具体的には、前記穴明け工具は、図3,4に図示したように、外周に螺旋状の切り屑排出溝2が設けられている工具本体1と、工具本体1に連設され工具基端側ほど漸次拡径するシャンクテーパ部と、シャンクテーパ部に連設され直径が3.175mmのシャンク部とから成るPCBドリルである。工具本体1は少なくとも先端から切り屑排出溝後端部までがWCとCoを含有し、後述する硬質皮膜4と良好に密着する超硬合金部材で形成され、シャンク部はステンレス鋼部材で形成されており、この両者が接合されて構成されている。なお前記超硬合金部材のCo含有量は重量%で3%以上15%以下であることが好ましい。シャンクテーパ部のテーパ角度は本実施例においては30°に形成されている。
また、工具本体1(刃部)の直径Dはマージン3に設けられた硬質皮膜4を含めた最大直径であり(図8参照)、本実施例においては0.3mmに設定されている。また、硬質皮膜4を含めない工具本体1の刃部の形状は、工具本体1の先端側から基端側にかけて径が一定となる所謂ストレート形状(図8(A)参照)としても良いし、基端側で一段径小となるような所謂アンダーカット形状(図8(B)参照)としても良い。なお、穴位置精度が悪化しやすい0.2mm以上1.0mm以下のものであれば、本実施例と同様に本発明の効果が特に発揮される。
また、本実施例は、切れ刃が1つであり切り屑排出溝2を2つ設けた、図5(A)に図示したような所謂1刃2溝形状のドリルである。マージン3は外周方向長さの長いマージン3と外周方向長さの短いマージン3の2つが設けられ、具体的には、切れ刃5の工具回転方向後方側のマージン3の外周方向長さをより長く設定している。本発明においてマージンとは、穴内壁面と接触する外周面を指す。即ち、図5(B)に図示したように、工具本体1に二番取り面8を設ける構成とした場合、二番取り面はマージンとみなさない。図中、符号6は第一逃げ面、7は第二逃げ面である。
なお、図5(C)に図示したような一般的な所謂2刃2溝形状のドリルの場合、マージン3の外周方向長さを長くすると(マージン3を大きくすると)、その分溝容積が小さくなり、切り屑排出性が悪化して穴内壁粗さが大きくなる場合がある。この点、1刃形状であると、マージン3の外周方向長さを長くしても1つの切れ刃5に対する溝容積を十分大きくすることができ、良好な切り屑排出性を得ることが可能となり、それだけ穴内壁粗さが改善する。また、図5(A),(B)のような1刃2溝形状のドリルは、2つのマージンがバランスを保ち、安定して被削材に食いつくため、図5(D)に図示したような切れ刃5が1つであり切り屑排出溝2を1つ設けた一般的な所謂1刃1溝形状に比し、食いつき性をさらに向上させることができる。
また、本実施例においては、工具先端面(第一逃げ面6及び第二逃げ面7)及び切り屑排出溝2の内面には前記硬質皮膜4を設けず、図3,4に図示したように、マージン3にのみ設けた構成としている。従って、工具先端の逃げ面とすくい面との交差稜線部に存在する切れ刃が硬質皮膜4に覆われず、刃物角を鋭利にすることができ、それだけ被削材への食いつき性が向上するため、被削材への食いつき時の穴位置精度が良好となる。なお、工具先端面及び切り屑排出溝2の内面にも硬質皮膜4を設けた場合も本発明の範囲内であるが、その場合には工具全体が硬質皮膜4で覆われるため耐摩耗性は向上するものの、硬質皮膜4中のドロップレットと呼ばれる微小金属粒子が切り屑排出溝2の内面に存在することで切り屑排出性が悪化し、さらに工具先端の逃げ面とすくい面上の硬質皮膜4により刃物角が鈍くなり切削抵抗が大きくなるため、工具先端面及び切り屑排出溝2の内面に前記硬質皮膜4を設けない場合に比べ、穴明け時に折損する可能性が少し高くなる。また、刃物角が鈍くなることにより、被削材への食いつき時の位置ズレが生じやすくなり、工具先端面及び切り屑排出溝2の内面に前記硬質皮膜4を設けない場合に比べ、穴位置精度が少し悪化する。
本実施例では硬質皮膜4として、金属成分として少なくともAlとCrとを含み、非金属成分として少なくともNを含むものを採用している。このような硬質皮膜4は、工具母材の摩耗を抑制するが、加工とともに皮膜自体が摩耗するため、適度な厚さが必要であり、1μm以上あることが望ましい。一方、厚すぎると、工具先端面及び切り屑排出溝2の内面にも硬質皮膜4を設けた場合に切れ刃やチゼルエッジの鋭利さが失われ、被削材への食いつき時の位置ズレが生じやすくなるため、5μm以下であることが望ましい。従って、硬質皮膜4は、工具先端から軸方向に1D以下の範囲における膜厚が1μm以上5μm以下となるように設定されている。
本実施例では、工具先端から軸方向に1D以下の範囲に存在する1つ若しくは複数のマージン3の外周方向長さの合計がπDの20%以上60%以下で、2つ設けられたマージン3のうち、外周方向長さの長いマージン3の外周方向長さがπDの20%以上50%以下となるように設定している。
ここで、各マージン3の外周方向長さの合計が長くなると、マージン3の皮膜耐久性が良くなり、それだけ工具先端部のコーナー付近の外周摩耗が進行し難くなって穴位置精度が悪化し難くなるが、各マージン3の外周方向長さの合計がπDの60%より長い場合には、切削抵抗が大きくなり折損しやすくなり、πDの20%より短い場合には、マージン3の皮膜耐久性が悪くなり、工具先端部のコーナー付近の外周摩耗が進行しやすくなって穴位置精度が悪化しやすくなる。また、最も外周方向長さの長いマージン3の外周方向長さが、πDの50%より長い場合には、上記同様の理由で折損しやすくなり、πDの20%より短い場合には、上記同様の理由で穴位置精度が悪化しやすくなる。
本実施例は上述したような1刃2溝形状であり、図4に図示したように、工具先端から軸方向に1D以下の範囲にマージン3が2つ存在し、この2つのマージン3の外周方向長さの合計はπDの43%、外周方向長さの長いマージン3の外周方向長さがπDの33%に設定されている。前述したように、本実施例においては切れ刃5の工具回転方向後方側のマージン3の外周方向長さをより長く設定している。この場合、切れ刃5を外周方向長さの長いマージン3で支持することにより剛性が確保でき、工具の振れが抑えられるため、穴位置精度の悪化を防ぐことができる。
また、ドリルは先端部ほど切削抵抗を強く受けるため、工具先端部のコーナー付近で皮膜の耐久性が悪くなったり、摩耗が進行しやすくなったりする。よって、工具先端側のマージン3ほど厚めに硬質皮膜4を成膜したほうが(工具本体1の根元側から先端側にかけて膜厚が漸増するように設けたほうが)、穴位置精度の悪化を抑制しやすい。
そのため、本実施例は、図7に図示したように、マージン3の工具先端側位置(工具先端部のコーナー位置)L1の硬質皮膜4の膜厚T1と、マージン3の工具先端から軸方向に工具直径の2倍(2D)若しくは2D以下の範囲の工具後端側位置L2の硬質皮膜4の膜厚T2の比T2/T1が、0.50以上0.98以下となるように設定されている。なお、図7における膜厚T1及びT2は、工具本体1の根元側から先端側にかけて膜厚が漸増するように設けられていることを大まかに示すものである。具体的には、図8に示すとおり、図8(A)はL2がマージン3の工具先端から軸方向に2Dの位置の例、図8(B)はL2がマージン3の工具先端から軸方向に2D以下の範囲の工具後端側位置の例である。なお、工具先端から軸方向に1D以下の範囲にマージン3が複数存在する場合、T2/T1の値はマージン3毎に設定される。
ここで、T2/T1が、0.5より小さい場合には、位置L1において皮膜が工具径方向に突き出る形状となって切削負荷が集中し、皮膜強度以上の応力が発生するため、この付近でかえって皮膜が欠損しやすくなり、穴位置精度の悪化を招く。T2/T1が、0.98より大きい場合には、工具本体1の根元側から先端側にかけて膜厚がほぼ一定に、若しくは、根元側から先端側にかけて膜厚が漸減するようになるため、工具先端部のコーナー付近に十分な膜厚が無く、先端部の皮膜の耐久性悪化や摩耗が進行しやすくなり、穴位置精度が悪化しやすくなる。
このT2/T1は、例えば、図9に図示したように、皮膜を成膜する成膜炉内でドリルを保持するジグを、ドリルの直径Dに対して水平方向に十分大きいものとし、ジグに対するドリルの挿入深さを変化させることで、適宜設定することができる。具体的には、ドリルの挿入深さを深くするとT2/T1を小さくでき(L1におけるT1の膜厚を厚くでき)、浅くするとT2/T1を大きくできる(L1におけるT1の膜厚を薄くできる)。
更に、切り屑排出溝2を複数設けた場合、最も外周方向長さが短いマージン3において皮膜の耐久性が悪化し、穴位置精度が悪化する。つまり、外周方向長さが最も長いマージン3に対して最も短いマージン3の皮膜の摩耗が進行するため、工具の母材が露出する摩滅が最も短いマージン3で顕著になり片減り状態になる。その結果、被削材と夫々のマージン3との接触がアンバランスとなり、上記ドリルの被削材進入後の進行方向ズレの影響が大きくなり、穴位置精度が悪化することとなる。
そのため、工具先端から軸方向に工具直径Dの1倍以下の範囲に存在する複数のマージン3のうち、最も外周方向長さの長いマージン3に設けられた硬質皮膜4の膜厚TWと、最も外周方向長さの短いマージン3に設けられた硬質皮膜4の膜厚TNの比TW/TNが、0.60以上0.98以下となるように設定するのが好ましい。
本実施例においては、図6に図示したように、工具先端から軸方向に1D以下の範囲における外周方向長さP1のマージン3に設けられた硬質皮膜4の膜厚TWと、P1より短い外周方向長さP2のマージン3に設けられた硬質皮膜4の膜厚TNの比TW/TNが、0.60以上0.98以下となるように設定されている。なお、図示しないが、工具先端から軸方向に1D以下の範囲にマージン3が3つ以上存在する場合であっても、最も外周方向長さの長いマージン3に設けられた硬質皮膜4の膜厚をTW、最も外周方向長さの短いマージン3に設けられた硬質皮膜4の膜厚をTNに設定すればよい。
ここで、TW/TNが、0.6より小さい場合には、外周方向長さの短いマージンにおいて切削負荷が集中し、この付近でかえって皮膜の摩耗が進行しやすくなったり、皮膜が欠損しやすくなったりして、穴位置精度が悪化することになり、0.98より大きい場合には、外周方向長さが短いマージンにおいて皮膜の耐久性が悪化しやすくなり、穴位置精度が悪化しやすくなる。
このTW/TNは、例えば、ドリルの刃部全体に一定の膜厚で硬質皮膜4を設けた後、工具先端から1Dの範囲のマージン3で、最も外周方向長さが短いマージン3が成膜炉内の金属蒸発源の方向を向くように設置して成膜処理を行うことで小さくでき(TNを厚くすることができ)、最も外周方向長さが長いマージン3が金属蒸発源の方向を向くように設置して成膜処理を行うことで大きくできる(TNを薄くすることができる)。
本実施例は上述のように構成したから、工具先端部においてマージン3の外周方向長さを十分長くして硬質皮膜4の耐久性を向上させると共に、この硬質皮膜4を工具先端側ほど厚く設けることで、工具先端側の硬質皮膜4が摩耗し難く、且つ、摩耗しても先端側ほど漸次外周が縮径する形状となり難く、従って、工具先端部のコーナー付近の外周摩耗によるフロントテーパ化が良好に抑制されることになる。
よって、本実施例は、ドリルの被削材への食いつき時の位置ズレを防ぎつつドリルの被削材進入後の進行方向ズレの影響を可及的に小さくして、耐折損性や他の性能を維持しながら、穴位置精度の更なる改善を図ることが可能なものとなる。
本実施例の効果を裏付ける実験例について説明する。
図10〜13は、ドリル形状やマージン3の構成、硬質皮膜4の構成を変化させて穴位置精度等を評価した実験条件及び実験結果を示す表である。図10〜13の詳細を説明すると、図10は各種ドリル形状とマージンの外周方向長さ違いの比較評価結果の図、図11はT2/T1違いの比較評価結果の図、図12はTW/TN違いの比較評価結果の図、図13はドリルサイズ違いの比較評価結果の図である。
図10の実験で使用したドリルは、工具直径Dを0.3mm、溝長lを6.5mmとした2刃2溝ドリル、1刃1溝ドリル、1刃2溝ドリルであり、マージンの構成を種々変化させている。図中の円周比(%)は、πDに対するマージンの外周方向長さの合計及び最も外周方向長さの長いマージンの外周方向長さの比を表したものである。また、先端角、ねじれ角等の基本形状は同じにしてあるが、1刃形状の溝深さは2刃形状に対して10%深くしている。図中、コート部位欄の表示は夫々、全面:刃部全面にコートあり、溝内面、マージン:先端面にコートなし、マージンのみ:溝内面と先端面にコートなし、を示す。また、各サンプルにおいて硬質皮膜を設けたコートドリルだけでなくノンコート(硬質皮膜を全く設けない)ドリルも評価している。硬質皮膜の膜厚はT2において2μmとし、T2/T1は0.65以上0.75以下とした。また、No.7〜13については、TW/TNを0.76以上0.85以下とした。
なお、No.13は、工具本体1に上記二番取り面を設けた例である(図5(B)参照)
以上のドリルにより、基材としての「FR−4ハロゲンフリー材 厚さ1.2mm 6層銅箔」を4枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.2mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:120krpm、送り速度:3.0m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて各仕様について10本ずつ穴明け加工実験を行った。
図10〜図13における評価方法について説明する。折損本数については、図10〜図12では6,000ヒット加工で10本中の折損本数を、図13では設定ヒット数以内で10本中の折損本数を記載した。穴位置精度については、図10〜図12では10本の6,000ヒット加工における最下基板裏側の穴位置ずれ量のAvg.+3s値を、図13では10本の設定ヒット数の最下基板裏側の穴位置ずれ量のAvg.+3s値を記載した。なお、折損本数が10本のものは測定しておらず、折損本数が10本に満たないものは折損しなかった本数の穴位置ずれ量を記載した。また、ノンコートとコートの穴位置ずれ量のAvg.+3s値の差(ノンコート差)により、硬質皮膜被覆の効果を確認した(○:効果大きい、×:効果小さい(ノンコート差が1μm以下))。また、穴内壁粗さは、図10では6,000ヒット付近の5穴の穴内壁の外観を確認することで評価し(○:穴内壁粗さが25μm未満、△:穴内壁粗さが25μm未満だが、外観上比較的悪い)、図13では設定ヒット付近の5穴の穴内壁の外観を確認することで評価した(○:穴内壁粗さが15μm未満、△:穴内壁粗さが15μm未満だが、外観上比較的悪い)。また、膜欠損は、図11においては6,000ヒット後のコーナー付近の皮膜状態をその外観を確認することで、図12においては6,000ヒット後の外周方向長さの短いマージンの皮膜状態をその外観を確認することで評価した(○:皮膜が欠損していない、×:皮膜が欠損している)。また、膜摩滅は、図11においては6,000ヒット後のコーナー付近の皮膜状態をその外観を確認することで、図12においては6,000ヒット後の外周方向長さの短いマージンの皮膜状態をその外観を確認することで評価した(○:皮膜の摩滅が目立たない、×:皮膜の摩滅が顕著、−:膜欠損のため摩滅の確認が不可能)。
評価結果より、以下の点を確認した。
2刃2溝形状は折損しにくく、皮膜により穴位置精度は多少良くなるが、マージンの外周方向長さが長くなると穴内壁粗さが悪化しやすい傾向がある。また、1刃1溝形状は硬質皮膜被覆の効果が大きいために穴位置精度は良好となり、穴内壁粗さも悪くはないが、マージンの外周方向長さが好ましい範囲内であっても折損しやすい傾向がある。また、1刃2溝形状は被削材への食いつき性が良いために穴位置精度が良く、硬質皮膜被覆の効果も大きく、穴内壁粗さも良好である。
また、1刃2溝形状で溝内面とマージンに皮膜を設けた場合(図10中のNo.10)や、マージンにのみ皮膜を設けた場合(図10中のNo.11)においては、前述したドリル形状による効果に加え、先端面に、または先端面と溝内面に皮膜が設けられていないことにより折損しにくい傾向であった。1刃2溝形状で工具本体に二番取り面を設けた場合(図10中のNo.13)は、穴位置精度が同形状の中で最も良好で、折損しにくく、穴内壁粗さにおいても良好な結果が得られた。
以上から、1刃2溝形状でマージンにのみ皮膜を設けた場合に最も良好な結果が得られることが確認できた。
図11の実験で使用したドリルは、工具直径Dを0.3mm、溝長lを6.5mmとした図10のNo.9と同形状のドリルである。各サンプルにおいて硬質皮膜を設けたコートドリルだけでなくノンコートドリルも評価している。硬質皮膜の膜厚はT2において2μmとし、T2/T1を変化させた。また、TW/TNを0.76以上0.88以下とした。
以上のドリルにより、基材としての「FR−4ハロゲンフリー材 厚さ1.2mm 6層銅箔」を4枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.2mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:120krpm、送り速度:3.0m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて各仕様について10本ずつ穴明け加工実験を行った。
評価結果より、T2/T1が小さい場合、コーナー付近の皮膜欠損が目立つことが確認できた。また、T2/T1が大きい場合、コーナー付近の皮膜摩滅が目立つことが確認できた。
以上から、T2/T1は、0.50以上0.98以下が好適であると考えられる。
図12の実験で使用したドリルは、工具直径Dを0.3mm、溝長lを6.5mmとした図10のNo.9と同形状のドリルである。各サンプルにおいて硬質皮膜を設けたコートドリルだけでなくノンコートドリルも評価している。硬質皮膜の膜厚はTWにおいて2.8μmとし、TW/TNを変化させた。また、T2/T1を0.65以上0.75以下とした。
以上のドリルにより、基材としての「FR−4ハロゲンフリー材 厚さ1.2mm 6層銅箔」を4枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.2mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:120krpm、送り速度:3.0m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて各仕様について10本ずつ穴明け加工実験を行った。
評価結果より、TW/TNが小さい場合、外周方向長さの短いマージンの皮膜欠損が目立つことが確認できた。また、TW/TNが大きい場合、外周方向長さの短いマージンの皮膜摩滅が目立つことが確認できた。
以上から、TW/TNは、少なくとも0.51以下若しくは1.17以上であると好ましくないことが確認できた。
図13の実験で使用したドリルは、工具直径Dを0.1mm、溝長lを2.2mmとした2刃2溝ドリル及び1刃2溝ドリルと、工具直径Dを0.2mm、溝長lを3.5mmとした1刃2溝ドリルと、工具直径Dを0.6mm、溝長lを8.5mmとした2刃2溝ドリル及び1刃2溝ドリル、工具直径Dを1.0mm、溝長lを9.0mmとした2刃2溝ドリルと、工具直径Dを1.1mm、溝長lを9.0mmとした2刃2溝ドリルである。硬質皮膜は刃部全面に設けている。また、各サンプルにおいて硬質皮膜を設けたコートドリルだけでなくノンコートドリルも評価している。
以上のドリルにより、工具直径Dごとに下記の条件で穴明け加工実験を行った。
・工具直径D:0.1mm
基材としての「ハロゲンフリー材 厚さ0.4mm 2層銅箔」を3枚重ね、当て板として樹脂付きアルミ板(厚さ0.1mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:330krpm、送り速度:2.4m/min、スピンドルの上昇速度:50.0m/minにて各仕様について10本ずつ6,000ヒット穴明け加工を行う。
・工具直径D:0.2mm
基材としての「FR−4材 厚さ1.2mm 6層銅箔」を2枚重ね、当て板として樹脂付きアルミ板(厚さ0.17mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:180krpm、送り速度:2.4m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて10本ずつ3,000ヒット穴明け加工を行う。
・工具直径D:0.6mm
基材としての「FR−4材 厚さ1.6mm 6層銅箔」を3枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.2mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:75krpm、送り速度:2.05m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて各仕様について10本ずつ2,400ヒット穴明け加工を行う。
・工具直径D:1.0mm
基材としての「FR−4材 厚さ1.5mm 4層銅箔」を3枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.15mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:48krpm、送り速度:0.96m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて10本ずつ2,000ヒット穴明け加工を行う。
・工具直径D:1.1mm
基材としての「FR−4材 厚さ1.6mm 2層銅箔」を3枚重ね、当て板としてアルミ板(厚さ0.15mm)、捨て板としてベーク板(厚さ1.5mm)を用い、ドリル(スピンドル)の回転数:48krpm、送り速度:0.96m/min、スピンドルの上昇速度:25.4m/minにて10本ずつ2,000ヒット穴明け加工を行う。
評価結果より、工具直径Dが0.1mm若しくは1.1mmのドリルでは硬質皮膜の耐摩耗効果が小さいことが確認できた。
以上から、工具直径Dが0.2mm以上1.0mm以下のドリルで特に本発明の効果が発揮されることが確認できた。
1 工具本体
2 切り屑排出溝
マージン
4 硬質皮膜
5 切れ刃
D 工具直径

Claims (9)

  1. 工具本体の外周に工具先端から基端側に向かう螺旋状の切り屑排出溝が1つ若しくは複数形成された穴明け工具であって、工具先端から軸方向に工具直径の1倍以下の範囲におけるランドは、次の2条件を充足し、
    (1)外周方向長さの合計が工具直径の円の円周長さの20%以上60%以下
    (2)前記ランドのうち、最も外周方向長さの長いランドの該外周方向長さは前記工具
    直径の円の円周長さの20%以上50%以下
    更に、前記ランドには硬質皮膜が設けられ、この硬質皮膜は工具先端側ほど厚く設けられていることを特徴とする穴明け工具。
  2. 請求項1記載の穴明け工具において、前記ランドの工具先端側位置の前記硬質皮膜の膜厚T1と、前記ランドの工具先端から軸方向に工具直径の2倍若しくは工具直径の2倍以下の範囲における工具後端側位置の前記硬質皮膜の膜厚T2の比T2/T1が、0.50以上0.98以下であることを特徴とする穴明け工具。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載の穴明け工具において、前記硬質皮膜は、金属成分として少なくともAlとCrとを含み、非金属成分として少なくともNを含むものであり、工具先端から軸方向に工具直径の1倍以下の範囲における膜厚が1μm以上5μm以下であることを特徴とする穴明け工具。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の穴明け工具において、切れ刃が1つであることを特徴とする穴明け工具。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端面には前記硬質皮膜が設けられていないことを特徴とする穴明け工具。
  6. 請求項1〜4いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端面及び前記切り屑排出溝の内面には前記硬質皮膜が設けられていないことを特徴とする穴明け工具。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具先端から軸方向に工具直径の1倍以下の範囲に前記ランドが複数存在し、この複数設けられたランドのうち、最も外周方向長さの長いランドに設けられた前記硬質皮膜の膜厚TWと、最も外周方向長さの短いランドに設けられた前記硬質皮膜の膜厚TNの比TW/TNが、0.60以上0.98以下であることを特徴とする穴明け工具。
  8. 請求項7に記載の穴明け工具において、工具先端から軸方向に工具直径の1倍以下の範囲に前記ランドが2つ存在することを特徴とする穴明け工具。
  9. 請求項1〜8いずれか1項に記載の穴明け工具において、工具直径が0.2mm以上1.0mm以下であり、少なくとも先端から切り屑排出溝後端部までがWCとCoを含有する超硬合金製であることを特徴とする穴明け工具。
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