JP2014210827A - 油リッチな固体石鹸の製造方法 - Google Patents

油リッチな固体石鹸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014210827A
JP2014210827A JP2013039510A JP2013039510A JP2014210827A JP 2014210827 A JP2014210827 A JP 2014210827A JP 2013039510 A JP2013039510 A JP 2013039510A JP 2013039510 A JP2013039510 A JP 2013039510A JP 2014210827 A JP2014210827 A JP 2014210827A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soap
oil
mass
soap base
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013039510A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5406997B1 (ja
Inventor
正人 中井
Masato Nakai
正人 中井
仁美 福神
Hitomi Fukugami
仁美 福神
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Chemical Industry Co Ltd filed Critical Sanwa Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2013039510A priority Critical patent/JP5406997B1/ja
Priority to JP2013184724A priority patent/JP2014193992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5406997B1 publication Critical patent/JP5406997B1/ja
Publication of JP2014210827A publication Critical patent/JP2014210827A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/30Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
    • A61K8/33Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds containing oxygen
    • A61K8/36Carboxylic acids; Salts or anhydrides thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q19/00Preparations for care of the skin
    • A61Q19/10Washing or bathing preparations
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D13/00Making of soap or soap solutions in general; Apparatus therefor
    • C11D13/10Mixing; Kneading
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D13/00Making of soap or soap solutions in general; Apparatus therefor
    • C11D13/26Drying
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D17/00Detergent materials or soaps characterised by their shape or physical properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D17/00Detergent materials or soaps characterised by their shape or physical properties
    • C11D17/06Powder; Flakes; Free-flowing mixtures; Sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D9/00Compositions of detergents based essentially on soap
    • C11D9/04Compositions of detergents based essentially on soap containing compounding ingredients other than soaps
    • C11D9/22Organic compounds, e.g. vitamins
    • C11D9/26Organic compounds, e.g. vitamins containing oxygen

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dermatology (AREA)

Abstract

【課題】固体石鹸において、従来製造できないと考えられていた多量の油脂成分を含有する油リッチな石鹸を提供すること、並びに、その製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】高級脂肪酸とアルカリ剤との反応により得られた高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地に対して、追加原料を添加して練り合わせた固形状又はペースト状の固体石鹸において、前記追加原料の少なくとも1種として、前記反応がなされていない油脂成分を添加して混練して、油リッチな固体石鹸を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、油リッチな固体石鹸及びその製造方法に関するものである。本発明において、固体石鹸とは、液体状の液体石鹸を除外するもので、固形状の固形石鹸の他、ペースト状の石鹸を含む洗浄性を有する石鹸を意味する。
一般に石鹸は、高級脂肪酸のアルカリ塩であり、例えば、油脂成分を水酸化ナトリウム等のアルカリ剤で鹸化することにより製造される(特許文献1)。その製造方法としては、原料油脂を水酸化ナトリウム等で鹸化する油脂鹸化法や、原料油脂を高温加水分解して得られた脂肪酸を蒸留してグリセリンから分離し、単独で中和する脂肪酸中和法や、原料油脂を脂肪酸エステルに変換する前処理を行なった後に、鹸化を行なうエステル鹸化法などが知られている。
固形石鹸にあっては、油脂成分を鹸化又は中和し、固型に成形するため、油脂成分の含有量に限界がある。具体的には、固形石鹸の石鹸素地が得られた段階で、機械練りや枠練の石けんでは約10質量%以上、コールドプロセス製法の石けんでは20質量% 以上を含有させることが困難であり、それ以上の量を含有させようとしても、固化しなくなり、製品化できない。
より具体的には、油脂鹸化法の一種であるコールドプロセス製法を例に取って説明すると、この製法では、一般に、植物性などの油脂成分を反応釜に投入して溶解し、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ剤を加えて、攪拌しながら鹸化反応を起こさせる。次に、水冷枠に移して、必要に応じて攪拌し、ペースト状に近づいた段階で攪拌を停止し、30°C前後に保ちながら、1〜2週間程度、反応・熟成させる。反応が完了して得られた高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地を水冷枠から取り出して、熟成・乾燥を行い、石鹸素地を得る。得られた石鹸素地は、切断後、型材にて成形され、乾燥させられ、製品としての石鹸として出荷される。上記の反応釜への投入時点で、植物油脂成分とアルカリ剤との配合比は、植物油脂成分100質量部に対して、アルカリ剤10〜20質量部程度であるが、これ以上を油脂成分を多くすると、実質的に固化しなくなってしまう。
他方、特許文献1〜3に示されるように、高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地に、種々の添加物を加えて練り合わせて成形した固形石鹸は種々提案されているが、これらの添加物は、香料、着色料、薬用成分であり、油脂成分の量を調整するものではなかった。
特開2006−290865号公報 特開2003−119499号公報 特公昭63−20880号公報
本発明は、固体石鹸において、従来製造できないと考えられていた多量の油脂成分を含有する油リッチな固体石鹸を提供すること、並びに、その製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、高級脂肪酸とアルカリ剤との反応により得られた高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地に対して、追加原料を添加して練り合わせてなる固体石鹸において、前記追加原料の少なくとも1種が前記反応がなされていない追加の油脂成分であり、この追加油脂成分によって前記主成分が膨潤して、固形状又はペースト状をなしていることを特徴とする油リッチな固体石鹸を提供する。
前記追加油脂成分は、10質量%以上、より望ましくは20質量%以上配合する。これによって、追加油脂成分によって皮膚に充分な油分を与えることができ、洗浄後においても滑らかな肌触りを得ることができる。
本発明の固体石鹸にあっては、石鹸素地中の水分量が、基準水分量(即ち、通常の石鹸における石鹸素地中の水分量)の90%以下であることが望ましい。これによって、追加油脂成分の含有量を高めることができる。より望ましくは、基準水分量は、石鹸素地の製法や成分の種類によって異なるもので、コールドプロセス石鹸では、上記の基準水分量が8〜23質量%であるのに対して、本発明の油リッチな固体石鹸では、石鹸素地中の水分量が3〜20質量%程度が好ましく、最大幅で約13〜87%減となることが適当である。機械練り石鹸では、上記の基準水分量が8〜13質量%であるのに対して、本発明の油リッチな固体石鹸では、石鹸素地中の水分量が3〜10質量%程度が好ましく、最大幅で約23〜76%減となることが適当である。枠練り石鹸では、石鹸全体の基準水分量が18〜27質量%であるのに対して、本発明の油リッチな固体石鹸では、石鹸素地中の水分量が5〜20質量%程度が好ましく、最大幅で約18〜74%減となることが適当である。但し、追加油脂成分の量が少ない場合には、水分量を基準水分量よりも少なくせずに実施することもできる。
このように、本発明の油リッチの固体石鹸にあっては、前記石鹸素地30〜80質量%と前記追加油脂成分20〜70質量%とが配合され、前記石鹸素地中の水分量が3〜20質量%であることが望ましい。
本発明の固体石鹸の製造方法は、高級脂肪酸とアルカリ剤との反応により得られた高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地に対して水分調整を行なう水分調整工程と、前記水分調整された前記石鹸素地に対して油脂成分を加えて練り合わせる混練工程とを含み、前記水分調整工程は、石鹸の基準水分量よりも少なくなるまで石鹸素地を乾燥させる工程であり、前記混練工程で加えられた追加油脂成分によって前記主成分が膨潤して、固形状又はペースト状をなしている油リッチな固体石鹸を得るようにしたものである。
前記水分調整工程の前または後に石鹸素地を細分化する細分化工程を含むことが作業能率並びに均質な油リッチな固体石鹸を得る上で望ましい。
本発明は、固体石鹸において、従来製造できないと考えられていた多量の油脂成分を含有する油リッチな固体石鹸を提供することができたものである。また、本発明は、油リッチな固体石鹸を製造する方法を提供することができたものである。
油リッチな固体石鹸は、皮膚に充分な油分を与えることができ、洗浄後においても滑らかな肌触りを得ることができる。今日の衛生状態の良好な国々では、石鹸を使って顔や手や身体を洗うことが多く、本来必要な油分を洗浄によって取り去り過ぎてしまっている傾向があると言われるが、本発明に係る油リッチな固体石鹸を用いることによって、皮膚表面に充分な油分を付与することができる。
以下、本願発明の実施の形態を説明する。
(概要)本発明の油リッチな固体石鹸は、高級脂肪酸とアルカリ剤との反応により得られた高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地と、この石鹸素地に追加成分として加えられる鹸化反応がなされていない油脂成分とを含む。
(石鹸素地の高級脂肪酸)高級脂肪酸としては、石鹸組成物に通常用いられ得るものであれば特に制限されずに使用することができる。具体的には炭素数8〜24の高級脂肪酸を用いることができ、より具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸を用いることができ、また、これらの脂肪酸の混合物等を用いることができる。高級脂肪酸は、動植物性の油脂(例えば、ヤシ油、牛脂、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、オリーブ油)として配合することができ、また、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド等のトリグリセライド類として配合することもできる。
この高級脂肪酸の配合量は、前記石鹸素地中に0.5〜10.0質量%であり、好ましくは2.0〜7.0質量%、さらに好ましくは3.0〜6.0質量%である。配合量が0.5質量%未満では固体石鹸の泡立ちがよくなく、一方、10.0質量%を超えると石鹸が軟らかくなって成型しづらくなり、生産性に問題がみられる。
(アルカリ剤)上記の高級脂肪酸は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ剤と、鹸化反応又は中和反応させられ、高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地が得られる。高級脂肪酸とアルカリ剤との配合量は常法に従って決定すればよいが、一例を示すと、高級脂肪酸100質量部に対して水酸化ナトリウム10〜20質量部、水酸化カリウム15〜30質量部が適当である。
(任意成分)上記の石鹸素地には、通常固形石鹸で使用される任意成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ショ糖、ソルビトール、マルチトール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤、エデト酸塩類やエタンジホスホン酸塩類などのキレート剤などが好ましく例示できる。ショ糖、ソルビトール、グリセリンなどの多価アルコール類石鹸を加えて透明化することもできる。
任意成分の配合量は、その種類と添加する目的とによって種々変更することができるが、石鹸の洗浄力、泡立ち性、固さなどを大きく阻害しない範囲で適宜決定することができる。
(石鹸素地の製法工程)上記の原材料から、高級脂肪酸のアルカリ塩を含む石鹸素地を製造する。製法は、上記の油脂成分とアルカリ剤とを反応させ、熟成するもので、油脂鹸化法、脂肪酸中和法、エステル鹸化法等々、一般的な石鹸の製法によって得ることができる。例えば、前述の牛脂、羊脂等に代表される動物油脂、またはヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、オリーブ油、綿実油等に代表される植物油脂の各単独ないし混合物、或いは脂肪酸を前処理して得られた脂肪酸エステルなどを、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤で鹸化するか、あるいはこれらの油脂を分解して得られる脂肪酸の単独ないし混合物を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等のアルカリ剤で完全に中和することによって石鹸素地を製造する。あるいはまた、完全に中和を行わずに、高級脂肪酸を含む石鹸素地を製造してもよい。
また、この石鹸素地は、半製品として流通している石鹸素地としてのチップを購入して用いることもできる。
(水分調整工程)前記石鹸素地について水分量を調整する。この水分調整は、一般的な石鹸素地の製造工程にてなされる水分調整(以下、一般水分調整という)と同じ方法でよく、自然乾燥や乾燥機による乾燥であってもよい。また、一般水分調整の工程と本発明の水分調整工程とは、区別して行なってもよいが、区別することなく行なうこともできる。
追加油脂成分を多量に配合させたい場合には、一般水分調整よりもさらに水分を減少させることが好ましいが、一般水分調整のみで実施することも不可能ではない。
適当な水分量を表1に示すが、石鹸素地の製法によっても、その水分量は異なるものである。なお、以下の説明で、単に%と表記したものは、原則として質量%を意味する。
Figure 2014210827
なお、上記の(b)/(a)は、(a)と(b)との各最大値同士又は最小値同士の比率を100分率で示したものである。
(混練工程)次いで、この石鹸素地に追加油脂成分を添加、混合し、混練することで、本発明の油リッチな固体石鹸を製造することができる。混練は、混練機を用いてよく、手で捏ね合わせてもよく、常法に従って行えばよい。また、前記の任意成分の全部又は一部を、この段階で加えてもよい。
(細分化工程)混練に際しては、前述の石鹸素地を細分化して、追加油脂成分を加えて均一に混合し易くしておくことが望ましい。この細分化工程は、水分調整工程の前または後に行なうことができる。細分化の程度は、粉状又は細粒状になる程度でまで行なうことが望ましい。
(追加油脂成分の高級脂肪酸)本発明にあっては、石鹸素地に対して、追加油脂成分を加えることが最大の特徴である。追加油脂成分としては、前述の石鹸素地の製造にて列挙した高級脂肪酸の少なくとも1種を用いることができる。なお、石鹸素地の製造時の高級脂肪酸と、追加成分の高級脂肪酸とは、同一種類のものであってもよく、異なる種類のものであってもよい。
(配合量)追加成分の油脂成分の配合量は、得られる油リッチな固体石鹸全体中の20〜70質量%とすることが望ましい。20質量%よりも少ない場合、細分化した石鹸のまとまりが悪く、また一般の固形石鹸と有意差を得ることが困難である。70質量%よりも多い場合、油成分が多すぎて洗浄力に与える影響が大きくなり過ぎると共に得られる最終の油リッチな固体石鹸の流動性が低下し過ぎるおそれがある。
前述の石鹸素地の製造に用いた油脂成分は、アルカリ剤との反応によって、高級脂肪酸のアルカリ塩となっているが、追加油脂成分の高級脂肪酸は未反応のまま、最終の油リッチな固体石鹸中に存在する点が、本発明の油リッチな固体石鹸の特徴である。この追加油脂成分は、石鹸素地の主成分を膨潤させる作用を発揮して、得られた油リッチな固体石鹸を、しっとりとした滑らかさのある固形状又はペースト状に仕上げるのに役立つ。
(未反応アルカリ材)なお、前記アルカリ剤の一部が未反応のまま残っている場合には、追加成分の油脂成分と反応する場合もある。また、完全に反応を行わずに、未反応の高級脂肪酸を含む石鹸素地を製造してもよい。これらの場合にも、未反応の追加油脂成分の総量は、上記の(配合量)に記載の範囲内とすればよい。
(油リッチな固体石鹸)得られた固体石鹸中には、通常の固形石鹸に比して、上記の追加成分の油脂成分が未反応の状態で存在し、通常の固形石鹸よりも柔らかく、しっとりした皮膚感触を使用者に与える。その製品としての形状は自由であり、固形状の場合には、常法によって種々の形状に成型し得るが、一例としては、口紅と略同じ円柱状に成型し、これを口紅容器に収納して、肌の部分洗いに用いることもできる。ペースト状の場合には、手指で掬える程度の流動性を持つものとして実施することが望ましく、筒状容器やチューブ容器に入れて供給することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定して理解されるべきではない。
(実施例1〜5)表2の素地1に示す原料からコールド製法によって石鹸素地を製造し、常法に従い熟成・乾燥を行った。乾燥は自然乾燥により行い、水分調整工程として通常の乾燥よりも長く乾燥させて、石鹸素地中の調整後水分量を14質量%とした石鹸素地を得た。
得られた石鹸素地を、粉粒状になるまで細かくつぶし、表3の追加油脂成分を添加し、均一になるまで機械練りと手練りとで練り合わせ、油リッチな固体石鹸を得た。得られた石鹸は、油脂の配合比と水分量とでその性状は異なり、その状態を表3の「常温での状態」に示す。固形状のものは小塊として安定しており、ジェル状のものは流動性のないペースト状で、クリーム状のものは流動性のあるペースト状で安定していた。
なお、表3中の「油脂の配合比(%)」と「全体に対する水分量(%)」は、いずれも完成した油リッチな固体石鹸全体中の追加油脂成分と水分との質量%を示す。また、「素地に対する水分量(%)」は、石鹸素地中の調整後水分の質量%を示す。
Figure 2014210827
(実施例6〜23)表2の素地2に示す市販の機械練り石鹸(日油株式会社製のノンサールTN−1と、ノンサールLN−1とを配合質量比8:2で使用した)を細分化した後、水分調整工程とし自然乾燥させて、石鹸素地中の調整後水分量を4質量%とした石鹸素地を得た。
得られた石鹸素地に対して、表3の追加油脂成分を添加し、均一になるまで機械練りと手練りとで練り合わせ、油リッチな固体石鹸を得た。得られた石鹸は、油脂の配合比と水分量とでその性状は異なり、その状態を表3の「常温での状態」に示す。油脂量が少ない場合には、塊状にまとめることができず「粉状」であり、油脂量を増やすに従い「まとまる」状態となり、さらに増やすことで「固形状」「クリーム状」となるが、油脂量が多すぎると「液状」となった。従って、実施に際しては、「まとまる」〜「クリーム状」の範囲で実施することが適当である。
(実施例24〜26)表2の素地3に示す原料から枠練り製法によって石鹸素地を製造し、常法に従い熟成・乾燥を行った。乾燥は自然乾燥により行い、水分調整工程とし通常の乾燥より長く乾燥させて、石鹸素地中の調整後水分量を15質量%とした石鹸素地を得た。
得られた石鹸素地を、粉粒状になるまで細かくつぶし、表3の追加油脂成分としてオリーブ油の添加量を増やしつつ、均一になるまで機械練りと手練りとで練り合わせ、油リッチな固体石鹸を得た。得られた石鹸は、油脂の配合量50質量%で「まとまる」状態となった。
Figure 2014210827
(試験)得られた実施例の石鹸について、「まとまる」〜「クリーム状」のものについて、下記の試験を行いその結果を表3に示す。
(泡立ち)常温の水道水にて、手で泡立てた際の泡立ち感を確認し3段階で評価した。評価は次の通りである。
「×」…極端に泡立ちが悪く、市販が困難。
「○」…通常の泡立ちで、市販が可能。
「◎」…泡立ちがとても良い。
(皮膚感触)常温の水道水にて、手で泡立てたて使用した際の皮膚感触をパネラー10人で確認し、各人が3段階で評価し、その合計を表示した。評価は次の通りである。
「1」…通常の市販の枠練り石鹸と同じ。
「2」…しっとりと柔らかい感じがある。
「3」…油ぎった感じがある。
以上、本発明の実施例にあっては、泡立ちは特に問題はなく、いずれも、しっとり柔らかい感触の石鹸を得ることができることが確認された。得られた石鹸の状態は、石鹸素地の製法や成分によっても変化し、油脂成分の種類によっても変化するが、いずれの場合にも、油脂の配合量が少ないものでは、その性状は粉状のままで塊状にまとめることができず、配合量を増やすに従い固形状となり、さらに増やすことでペースト状となるが、増やしすぎると液状となり、追加油脂成分が十分になじまない場合があることが確認された。
本発明は、油リッチな固体石鹸及びその製造方法に関するものである。本発明において、固体石鹸とは、液体状の液体石鹸を除外するもので、固形状の固形石鹸の他、ペースト状の石鹸を含む洗浄性を有する石鹸を意味する。
一般に石鹸は、高級脂肪酸のアルカリ塩であり、例えば、油脂成分を水酸化ナトリウム等のアルカリ剤で鹸化することにより製造される(特許文献1)。その製造方法としては、原料油脂を水酸化ナトリウム等で鹸化する油脂鹸化法や、原料油脂を高温加水分解して得られた脂肪酸を蒸留してグリセリンから分離し、単独で中和する脂肪酸中和法や、原料油脂を脂肪酸エステルに変換する前処理を行なった後に、鹸化を行なうエステル鹸化法などが知られている。
固形石鹸にあっては、油脂成分を鹸化又は中和し、固型に成形するため、油脂成分の含有量に限界がある。具体的には、固形石鹸の石鹸素地が得られた段階で、機械練りや枠練の石けんでは約10質量%以上、コールドプロセス製法の石けんでは20質量% 以上を含有させることが困難であり、それ以上の量を含有させようとしても、固化しなくなり、製品化できない。
より具体的には、油脂鹸化法の一種であるコールドプロセス製法を例に取って説明すると、この製法では、一般に、植物性などの油脂成分を反応釜に投入して溶解し、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ剤を加えて、攪拌しながら鹸化反応を起こさせる。次に、水冷枠に移して、必要に応じて攪拌し、ペースト状に近づいた段階で攪拌を停止し、30°C前後に保ちながら、1〜2週間程度、反応・熟成させる。反応が完了して得られた高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地を水冷枠から取り出して、熟成・乾燥を行い、石鹸素地を得る。得られた石鹸素地は、切断後、型材にて成形され、乾燥させられ、製品としての石鹸として出荷される。上記の反応釜への投入時点で、植物油脂成分とアルカリ剤との配合比は、植物油脂成分100質量部に対して、アルカリ剤10〜20質量部程度であるが、これ以上を油脂成分を多くすると、実質的に固化しなくなってしまう。
他方、特許文献1〜3に示されるように、高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地に、種々の添加物を加えて練り合わせて成形した固形石鹸は種々提案されているが、これらの添加物は、香料、着色料、薬用成分であり、油脂成分の量を調整するものではなかった。
特開2006−290865号公報 特開2003−119499号公報 特公昭63−20880号公報
本発明は、固体石鹸において、従来製造できないと考えられていた多量の油脂成分を含有する油リッチな固体石鹸を提供すること、並びに、その製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、脂肪酸とアルカリ剤との反応により得られた脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地に対して、追加原料を添加して練り合わせてなる固体石鹸において、前記追加原料の少なくとも1種が前記反応がなされていない追加の油脂成分であり、この追加油脂成分によって前記主成分が膨潤して、固形状又はペースト状をなしていることを特徴とする油リッチな固体石鹸を提供する。
前記追加油脂成分は、10質量%以上、より望ましくは20質量%以上配合する。これによって、追加油脂成分によって皮膚に充分な油分を与えることができ、洗浄後においても滑らかな肌触りを得ることができる。
本発明の固体石鹸にあっては、石鹸素地中の水分量が、基準水分量(即ち、通常の石鹸における石鹸素地中の水分量)の90%以下であることが望ましい。これによって、追加油脂成分の含有量を高めることができる。より望ましくは、基準水分量は、石鹸素地の製法や成分の種類によって異なるもので、コールドプロセス石鹸では、上記の基準水分量が8〜23質量%であるのに対して、本発明の油リッチな固体石鹸では、石鹸素地中の水分量が3〜20質量%程度が好ましく、最大幅で約13〜87%減となることが適当である。機械練り石鹸では、上記の基準水分量が8〜13質量%であるのに対して、本発明の油リッチな固体石鹸では、石鹸素地中の水分量が3〜10質量%程度が好ましく、最大幅で約23〜76%減となることが適当である。枠練り石鹸では、石鹸全体の基準水分量が18〜27質量%であるのに対して、本発明の油リッチな固体石鹸では、石鹸素地中の水分量が5〜20質量%程度が好ましく、最大幅で約18〜74%減となることが適当である。但し、追加油脂成分の量が少ない場合には、水分量を基準水分量よりも少なくせずに実施することもできる。
このように、本発明の油リッチの固体石鹸にあっては、前記石鹸素地30〜80質量%と前記追加油脂成分20〜70質量%とが配合され、前記石鹸素地中の水分量が3〜20質量%であることが望ましい。
本発明の固体石鹸の製造方法は、脂肪酸とアルカリ剤との反応により得られた脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地に対して水分調整を行なう水分調整工程と、前記水分調整された前記石鹸素地に対して油脂成分を加えて練り合わせる混練工程とを含み、前記水分調整工程は、石鹸の基準水分量よりも少なくなるまで石鹸素地を乾燥させる工程であり、前記混練工程で加えられた追加油脂成分によって前記主成分が膨潤して、固形状又はペースト状をなしている油リッチな固体石鹸を得るようにしたものである。
前記水分調整工程の前または後に石鹸素地を細分化する細分化工程を含むことが作業能率並びに均質な油リッチな固体石鹸を得る上で望ましい。
本発明は、固体石鹸において、従来製造できないと考えられていた多量の油脂成分を含有する油リッチな固体石鹸を製造する方法を提供することができたものである。
油リッチな固体石鹸は、皮膚に充分な油分を与えることができ、洗浄後においても滑らかな肌触りを得ることができる。今日の衛生状態の良好な国々では、石鹸を使って顔や手や身体を洗うことが多く、本来必要な油分を洗浄によって取り去り過ぎてしまっている傾向があると言われるが、本発明に係る油リッチな固体石鹸を用いることによって、皮膚表面に充分な油分を付与することができる。
以下、本願発明の実施の形態を説明する。
(概要)本発明の油リッチな固体石鹸は、脂肪酸とアルカリ剤との反応により得られた脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地と、この石鹸素地に追加成分として加えられる鹸化反応がなされていない油脂成分とを含む。
(石鹸素地の脂肪酸脂肪酸としては、石鹸組成物に通常用いられ得るものであれば特に制限されずに使用することができる。具体的には炭素数8〜24の高級脂肪酸を用いることができ、より具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸を用いることができ、また、これらの脂肪酸の混合物等を用いることができる。高級脂肪酸は、動植物性の油脂(例えば、ヤシ油、牛脂、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、オリーブ油)として配合することができ、また、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド等のトリグリセライド類として配合することもできる。
この高級脂肪酸の配合量は、前記石鹸素地中に0.5〜10.0質量%であり、好ましくは2.0〜7.0質量%、さらに好ましくは3.0〜6.0質量%である。配合量が0.5質量%未満では固体石鹸の泡立ちがよくなく、一方、10.0質量%を超えると石鹸が軟らかくなって成型しづらくなり、生産性に問題がみられる。
(アルカリ剤)上記の高級脂肪酸は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ剤と、鹸化反応又は中和反応させられ、高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地が得られる。高級脂肪酸とアルカリ剤との配合量は常法に従って決定すればよいが、一例を示すと、高級脂肪酸100質量部に対して水酸化ナトリウム10〜20質量部、水酸化カリウム15〜30質量部が適当である。
(任意成分)上記の石鹸素地には、通常固形石鹸で使用される任意成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ショ糖、ソルビトール、マルチトール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤、エデト酸塩類やエタンジホスホン酸塩類などのキレート剤などが好ましく例示できる。ショ糖、ソルビトール、グリセリンなどの多価アルコール類石鹸を加えて透明化することもできる。
任意成分の配合量は、その種類と添加する目的とによって種々変更することができるが、石鹸の洗浄力、泡立ち性、固さなどを大きく阻害しない範囲で適宜決定することができる。
(石鹸素地の製法工程)上記の原材料から、高級脂肪酸のアルカリ塩を含む石鹸素地を製造する。製法は、上記の油脂成分とアルカリ剤とを反応させ、熟成するもので、油脂鹸化法、脂肪酸中和法、エステル鹸化法等々、一般的な石鹸の製法によって得ることができる。例えば、前述の牛脂、羊脂等に代表される動物油脂、またはヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、オリーブ油、綿実油等に代表される植物油脂の各単独ないし混合物、或いは脂肪酸を前処理して得られた脂肪酸エステルなどを、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤で鹸化するか、あるいはこれらの油脂を分解して得られる脂肪酸の単独ないし混合物を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等のアルカリ剤で完全に中和することによって石鹸素地を製造する。あるいはまた、完全に中和を行わずに、高級脂肪酸を含む石鹸素地を製造してもよい。
また、この石鹸素地は、半製品として流通している石鹸素地としてのチップを購入して用いることもできる。
(水分調整工程)前記石鹸素地について水分量を調整する。この水分調整は、一般的な石鹸素地の製造工程にてなされる水分調整(以下、一般水分調整という)と同じ方法でよく、自然乾燥や乾燥機による乾燥であってもよい。また、一般水分調整の工程と本発明の水分調整工程とは、区別して行なってもよいが、区別することなく行なうこともできる。
追加油脂成分を多量に配合させたい場合には、一般水分調整よりもさらに水分を減少させることが好ましいが、一般水分調整のみで実施することも不可能ではない。
適当な水分量を表1に示すが、石鹸素地の製法によっても、その水分量は異なるものである。なお、以下の説明で、単に%と表記したものは、原則として質量%を意味する。
Figure 2014210827
なお、上記の(b)/(a)は、(a)と(b)との各最大値同士又は最小値同士の比率を100分率で示したものである。
(混練工程)次いで、この石鹸素地に追加油脂成分を添加、混合し、混練することで、本発明の油リッチな固体石鹸を製造することができる。混練は、混練機を用いてよく、手で捏ね合わせてもよく、常法に従って行えばよい。また、前記の任意成分の全部又は一部を、この段階で加えてもよい。
(細分化工程)混練に際しては、前述の石鹸素地を細分化して、追加油脂成分を加えて均一に混合し易くしておくことが望ましい。この細分化工程は、水分調整工程の前または後に行なうことができる。細分化の程度は、粉状又は細粒状になる程度でまで行なうことが望ましい。
(追加油脂成分の高級脂肪酸)本発明にあっては、石鹸素地に対して、追加油脂成分を加えることが最大の特徴である。追加油脂成分としては、前述の石鹸素地の製造にて列挙した高級脂肪酸の少なくとも1種を用いることができる。なお、石鹸素地の製造時の高級脂肪酸と、追加成分の高級脂肪酸とは、同一種類のものであってもよく、異なる種類のものであってもよい。
(配合量)追加成分の油脂成分の配合量は、得られる油リッチな固体石鹸全体中の20〜70質量%とすることが望ましい。20質量%よりも少ない場合、細分化した石鹸のまとまりが悪く、また一般の固形石鹸と有意差を得ることが困難である。70質量%よりも多い場合、油成分が多すぎて洗浄力に与える影響が大きくなり過ぎると共に得られる最終の油リッチな固体石鹸の流動性が低下し過ぎるおそれがある。
前述の石鹸素地の製造に用いた油脂成分は、アルカリ剤との反応によって、高級脂肪酸のアルカリ塩となっているが、追加油脂成分の高級脂肪酸は未反応のまま、最終の油リッチな固体石鹸中に存在する点が、本発明の油リッチな固体石鹸の特徴である。この追加油脂成分は、石鹸素地の主成分を膨潤させる作用を発揮して、得られた油リッチな固体石鹸を、しっとりとした滑らかさのある固形状又はペースト状に仕上げるのに役立つ。
(未反応アルカリ材)なお、前記アルカリ剤の一部が未反応のまま残っている場合には、追加成分の油脂成分と反応する場合もある。また、完全に反応を行わずに、未反応の高級脂肪酸を含む石鹸素地を製造してもよい。これらの場合にも、未反応の追加油脂成分の総量は、上記の(配合量)に記載の範囲内とすればよい。
(油リッチな固体石鹸)得られた固体石鹸中には、通常の固形石鹸に比して、上記の追加成分の油脂成分が未反応の状態で存在し、通常の固形石鹸よりも柔らかく、しっとりした皮膚感触を使用者に与える。その製品としての形状は自由であり、固形状の場合には、常法によって種々の形状に成型し得るが、一例としては、口紅と略同じ円柱状に成型し、これを口紅容器に収納して、肌の部分洗いに用いることもできる。ペースト状の場合には、手指で掬える程度の流動性を持つものとして実施することが望ましく、筒状容器やチューブ容器に入れて供給することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例の試料を示すが、本発明はこれらの試料に限定して理解されるべきではない。下記の試料のうち、本発明の実施例に該当するものは、試料1〜10、17〜22、25及び26である。
試料1〜5)表2の素地1に示す原料からコールド製法によって石鹸素地を製造し、常法に従い熟成・乾燥を行った。乾燥は自然乾燥により行い、水分調整工程として通常の乾燥よりも長く乾燥させて、石鹸素地中の調整後水分量を14質量%とした石鹸素地を得た。
得られた石鹸素地を、粉粒状になるまで細かくつぶし、表3の追加油脂成分を添加し、均一になるまで機械練りと手練りとで練り合わせ、油リッチな固体石鹸を得た。得られた石鹸は、油脂の配合比と水分量とでその性状は異なり、その状態を表3の「常温での状態」に示す。固形状のものは小塊として安定しており、ジェル状のものは流動性のないペースト状で、クリーム状のものは流動性のあるペースト状で安定していた。
なお、表3中の「油脂の配合比(%)」と「全体に対する水分量(%)」は、いずれも完成した油リッチな固体石鹸全体中の追加油脂成分と水分との質量%を示す。また、「素地に対する水分量(%)」は、石鹸素地中の調整後水分の質量%を示す。
Figure 2014210827
試料6〜23)表2の素地2に示す市販の機械練り石鹸(日油株式会社製のノンサールTN−1と、ノンサールLN−1とを配合質量比8:2で使用した)を細分化した後、水分調整工程とし自然乾燥させて、石鹸素地中の調整後水分量を4質量%とした石鹸素地を得た。
得られた石鹸素地に対して、表3の追加油脂成分を添加し、均一になるまで機械練りと手練りとで練り合わせ、油リッチな固体石鹸を得た。得られた石鹸は、油脂の配合比と水分量とでその性状は異なり、その状態を表3の「常温での状態」に示す。油脂量が少ない場合には、塊状にまとめることができず「粉状」であり、油脂量を増やすに従い「まとまる」状態となり、さらに増やすことで「固形状」「クリーム状」となるが、油脂量が多すぎると「液状」となった。従って、実施に際しては、「まとまる」〜「クリーム状」の範囲で実施することが適当である。
試料24〜26)表2の素地3に示す原料から枠練り製法によって石鹸素地を製造し、常法に従い熟成・乾燥を行った。乾燥は自然乾燥により行い、水分調整工程とし通常の乾燥より長く乾燥させて、石鹸素地中の調整後水分量を15質量%とした石鹸素地を得た。
得られた石鹸素地を、粉粒状になるまで細かくつぶし、表3の追加油脂成分としてオリーブ油の添加量を増やしつつ、均一になるまで機械練りと手練りとで練り合わせ、油リッチな固体石鹸を得た。得られた石鹸は、油脂の配合量50質量%で「まとまる」状態となった。
Figure 2014210827
(試験)得られた試料の石鹸について、「まとまる」〜「クリーム状」のものについて、下記の試験を行いその結果を表3に示す。
(泡立ち)常温の水道水にて、手で泡立てた際の泡立ち感を確認し3段階で評価した。評価は次の通りである。
「×」…極端に泡立ちが悪く、市販が困難。
「○」…通常の泡立ちで、市販が可能。
「◎」…泡立ちがとても良い。
(皮膚感触)常温の水道水にて、手で泡立てたて使用した際の皮膚感触をパネラー10人で確認し、各人が3段階で評価し、その合計を表示した。評価は次の通りである。
「1」…通常の市販の枠練り石鹸と同じ。
「2」…しっとりと柔らかい感じがある。
「3」…油ぎった感じがある。
以上、本発明の実施例にあっては、泡立ちは特に問題はなく、いずれも、しっとり柔らかい感触の石鹸を得ることができることが確認された。得られた石鹸の状態は、石鹸素地の製法や成分によっても変化し、油脂成分の種類によっても変化するが、いずれの場合にも、油脂の配合量が少ないものでは、その性状は粉状のままで塊状にまとめることができず、配合量を増やすに従い固形状となり、さらに増やすことでペースト状となるが、増やしすぎると液状となり、追加油脂成分が十分になじまない場合があることが確認された。
本発明は、上記の固体石鹸を得ることができる製造方法を提供するものであり、炭素数8〜24の脂肪酸とアルカリ剤との反応により得られた前記脂肪酸のアルカリ塩を成分とする石鹸素地に対して、水分調整を行なう水分調整工程と、前記水分調整工程の前または後に石鹸素地を細分化する細分化工程と、前記細分化された前記石鹸素地に対して追加油脂成分を加えて練り合わせる混練工程とを含み、前記水分調整工程は、前記石鹸素地中の水分量が3〜20質量%となるように、前記石鹸素地を乾燥させる工程であり、前記追加油脂成分は前記反応がなされていない油脂成分であり、前記混練工程は前記石鹸素地30〜80質量%と前記追加油脂成分20〜70質量%とを配合して練り合わせる工程であり、粉状又は液状の状態ではなく、塊状にまとまった状態、固形状、流動性のあるペースト状体であるクリーム状、流動性のないペースト状体であるジェル状のうちの何れかの固体状態である固体石鹸を得ることを特徴とする。

Claims (6)

  1. 高級脂肪酸とアルカリ剤との反応により得られた高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地に対して、追加原料を添加して練り合わせてなる固体石鹸において、
    前記追加原料の少なくとも1種が前記反応がなされていない追加油脂成分であり、この追加油脂成分によって前記主成分が膨潤して、固形状又はペースト状をなしていることを特徴とする油リッチな固体石鹸。
  2. 前記追加油脂成分が10質量%以上配合されたことを特徴する請求項1記載の油リッチな固体石鹸。
  3. 前記石鹸素地中の水分量が、基準水分量(即ち、通常の石鹸における石鹸素地中の水分量)の90%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の油リッチな固体石鹸。
  4. 前記石鹸素地30〜80質量%と前記追加油脂成分20〜70質量%とが配合され、前記石鹸素地中の水分量が3〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の油リッチの固体石鹸。
  5. 高級脂肪酸とアルカリ剤との反応により得られた高級脂肪酸のアルカリ塩を主成分とする石鹸素地に対して水分調整を行なう水分調整工程と、
    前記水分調整された前記石鹸素地に対して油脂成分を加えて練り合わせる混練工程とを含み、
    前記水分調整工程は、石鹸の基準水分量(即ち、通常の石鹸における石鹸素地中の水分量)よりも少なくなるまで石鹸素地を乾燥させる工程であり、
    前記混練工程で加えられた追加油脂成分によって前記主成分が膨潤して、固形状又はペースト状をなしている油リッチな固体石鹸を得るようにした固体石鹸の製造方法。
  6. 前記水分調整工程の前または後に石鹸素地を細分化する細分化工程を含むことを特徴とする請求項5記載の固体石鹸の製造方法。
JP2013039510A 2013-02-28 2013-02-28 油リッチな固体石鹸の製造方法 Expired - Fee Related JP5406997B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013039510A JP5406997B1 (ja) 2013-02-28 2013-02-28 油リッチな固体石鹸の製造方法
JP2013184724A JP2014193992A (ja) 2013-02-28 2013-09-06 油リッチな固体石鹸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013039510A JP5406997B1 (ja) 2013-02-28 2013-02-28 油リッチな固体石鹸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5406997B1 JP5406997B1 (ja) 2014-02-05
JP2014210827A true JP2014210827A (ja) 2014-11-13

Family

ID=50202616

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013039510A Expired - Fee Related JP5406997B1 (ja) 2013-02-28 2013-02-28 油リッチな固体石鹸の製造方法
JP2013184724A Pending JP2014193992A (ja) 2013-02-28 2013-09-06 油リッチな固体石鹸

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013184724A Pending JP2014193992A (ja) 2013-02-28 2013-09-06 油リッチな固体石鹸

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP5406997B1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102032816B1 (ko) * 2018-07-16 2019-10-16 서호철 무스 타입 고형 비누 및 그 제조 방법
JP7368664B2 (ja) * 2019-06-05 2023-10-25 株式会社ビースタイル 流動性を有した脂肪酸ナトリウム石鹸を基材とした洗剤の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59117598A (ja) * 1982-12-25 1984-07-06 株式会社資生堂 クリ−ム状洗浄料
JPS61501453A (ja) * 1984-03-15 1986-07-17 シ−トン,ケネス エドウイン 洗浄剤
JPH0778239B2 (ja) * 1987-09-30 1995-08-23 延泰 村中 漢方化粧石鹸
JPH06287599A (ja) * 1993-03-30 1994-10-11 Shiseido Co Ltd 石鹸組成物の製造方法
JP3600434B2 (ja) * 1998-03-20 2004-12-15 株式会社資生堂 透明油状組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5406997B1 (ja) 2014-02-05
JP2014193992A (ja) 2014-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5982664B2 (ja) 発泡性ブリケット製剤
CN110381916B (zh) 液体个人清洁组合物
JP2008239792A (ja) スクラブ剤配合石鹸組成物の製造方法
CA2930724C (en) Soap bar formulations with improved skin softness comprising nonionic polymer structuring system
EA025565B1 (ru) Жидкая индивидуальная очищающая композиция
JP2023008894A (ja) アミノ酸系界面活性剤を含むクレンジングフォーム化粧料組成物
JP5406997B1 (ja) 油リッチな固体石鹸の製造方法
AU2014412810B2 (en) Cleansing bars with taurine
JP5115945B2 (ja) 固形洗浄剤組成物
KR20200008384A (ko) 몽글몽글한 성상을 갖는 지방산 클렌징 화장료 조성물
JP7326728B2 (ja) 固形石鹸組成物
JP2004284964A (ja) 固形洗浄剤
TW201437362A (zh) 黏性洗淨劑組成物
JP2019523317A (ja) 固形石鹸組成物
KR101109647B1 (ko) 거품과 보습력이 우수한 화장비누 조성물
JP2013028759A (ja) ペースト状石鹸組成物及びその製造方法
JP4404333B2 (ja) 透明固形石鹸
JP4340106B2 (ja) 透明固形石鹸
JP2004331961A (ja) 石けん
JP6705587B2 (ja) 流動性を有した脂肪酸ナトリウム石鹸の製造方法
JP2005171219A (ja) 米糠油由来化粧品原料組成物
JPH08183730A (ja) 固形洗浄剤組成物及びその製造方法
KR101862675B1 (ko) 천연 액체비누의 제조방법
JPH0827489A (ja) 石鹸組成物
CN107002001B (zh) 具有苯氧乙醇的清洁条

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131101

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees