JP2014210341A - 外装体およびその製造方法 - Google Patents

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Katsu Nakao
克 中尾
長嶋 貴志
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Abstract

【課題】ポリ乳酸および/または乳酸共重合体等の環境樹脂を使用し、かつリサイクルによる資源循環が可能な電気機器の外装体を提供することを目的とする。
【課題手段】電気機器の外装体において、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分および強化剤および難燃剤を含有する樹脂組成物を成形して構成した基材13と、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分を有する樹脂組成物をシート状に成形するとともに表面に加飾部15aを設けた加飾用シート14とを有し、前記基材13表面に前記加飾用シート14を貼り付けて構成した。
【選択図】図5

Description

本発明は、薄型かつ軽量の平面型のディスプレイ装置などの電化製品、抵抗およびスピーカなどの一般的な電子部品などの電気機器に用いられる外装体およびその製造方法に関するものである。
平面型のディスプレイ装置として、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、およびプラズマディスプレイなどが商品化されている。特に液晶ディスプレイ、およびプラズマディスプレイは、薄型で、大画面の表示が可能であることから、一般家庭以外にも、公共施設などにおけるディスプレイとして、広く一般に普及するようになってきた。
このようなディスプレイ装置においては、デザイン上の要請を満たすために、また軽量化のために、外装体として樹脂成形品が用いられている。これらのディスプレイ装置が普及するに従い、使用済み後に処分する際の樹脂成形品の廃棄処理が課題となりつつある。
近年、土中に埋め立てると、バクテリア作用によって分解する樹脂(またはプラスチック)が注目されている。生分解性樹脂(または生分解性プラスチック)と呼ばれるこれら樹脂は、好気性バクテリア存在下で水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に分解する特性を有する。生分解性樹脂は、農業分野において実用化され、また、使い捨て商品の包装材、およびコンポスト対応ゴミ袋等の材料として実用化されている。
生分解性樹脂を用いた商品は、例えば農業分野において使用する場合には、使用済みプラスチックを回収する必要がないため、ユーザーにとっても、好都合な場合がある。さらに、近年、植物由来の樹脂もまた、電子機器および自動車の分野において着目されつつある。植物由来の樹脂は、植物原料から得られるモノマーを重合または共重合させることにより得られる。植物由来の樹脂は、石油資源に頼ることなく製造されること、原料となる植物が二酸化炭素を吸収して成長すること、および焼却処理により廃棄する場合でも、一般に燃焼カロリーが小さく、発生するCO2量が少ないこと等の理由により、地球環境に優しい樹脂として注目されている。植物由来の樹脂は一般に生分解性を有するが、石油資源の枯渇防止という観点だけから見れば、必ずしも生分解性を有する必要はない。すなわち、環境保護に寄与する樹脂には、生分解性樹脂に加えて、生分解性を有しない植物由来の樹脂も含まれることとなる。以下、これらの樹脂を総称して「環境樹脂」という。
現在、環境樹脂として使用されているものは、ポリ乳酸(以下、「PLA」と略すことがある)系、PBS系(ポリブチレンサクシネート(1,4ブタンジオールとコハク酸の共重合樹脂))、PET系(変性ポリエチレンテレフタレート)の3つに大別される。
これらの樹脂のうち、PLAは、トウモロコシまたはサツマイモ等の植物が作り出す糖分を原料として、化学合成することにより製造可能であり、工業的生産の可能性を有する。そのような植物由来の樹脂を含むプラスチックはバイオプラスチックとも呼ばれる。PLAはトウモロコシを原料とした大量生産が開始されたことから特に着目されており、生分解性を要する用途のみならず、多種多様の用途にPLAを応用しうる技術を開発することが望まれている。
このような環境樹脂の特性を改善する方法として、他の成分を配合する方法が提案されている。例えば、PLAの耐熱性を向上させるために、PLAに合成マイカを0.5−20wt%程度配合することが、特許文献1で提案されている。
また、PLAにケナフ繊維を配合することで、パソコン外装体への応用の可能性を報告した例がある(芹沢他,“ケナフ繊維強化ポリ乳酸の開発”(第14回プラスチック成形加工学会年次大会講演予稿集,第161頁−162頁,2003年(非特許文献1))。具体的には、ケナフ繊維を配合したPLA樹脂を成形した後、アニール工程を追加すると、PLA樹脂の耐熱性を改善でき、PLAをパソコン外装体に応用する可能性が高くなるとの報告がなされている。
特開2002−173583号公報
芹沢他,"ケナフ繊維強化ポリ乳酸の開発"(第14回プラスチック成形加工学会年次大会講演予稿集,第161頁−162頁,2003年)
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体等の環境樹脂を使用し、かつリサイクルによる資源循環が可能な電気機器の外装体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分および強化剤および難燃剤を含有する樹脂組成物を成形して構成した基材と、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分を有する樹脂組成物をシート状に成形するとともに表面に加飾部を設けた加飾用シートとを有し、前記基材表面に前記加飾用シートを貼り付けて構成したことを特徴とする外装体を提供する。
また、本発明は、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分および強化剤および難燃剤を含有する樹脂組成物を成形して構成した基材と、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分を有する樹脂組成物をシート状に成形するとともに表面に加飾部を設けた加飾用シートとを有し、前記加飾用シートを前記基材に貼り合わせるとき、加飾用シートを構成する樹脂組成物のガラス転移点より高い温度に加熱することを特徴とする外装体の製造方法を提供する。
本発明によれば、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とし、強化剤および難燃剤を含有する樹脂組成物を使用して射出成形した場合に、ウエルドや色スジ、色むらなどの外観不良が生じるが、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂組成物を成形して構成した加飾用シートを貼り合わせることによりデザイン性を損なうことなく、電気機器の外装体を得ることができる。また、基材と加飾用シートをポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂組成物で構成しているため、分離・分別することなくリサイクルが可能となる。
本発明の一実施の形態による電気機器の一例としての液晶ディスプレイ装置の外観を示す正面図 図1に示す液晶ディスプレイ装置において、スタンドを取り外した状態を示す斜視図 図1に示す液晶ディスプレイ装置の全体構成の回路ブロックを示すブロック図 図1に示す液晶ディスプレイ装置の回路ブロックの配置例を説明するためにバックキャビネットを取り除いて示す平面図 本発明による外装体の一例を示す断面図 本発明による外装体を製造する途中段階の状態を示す断面図
以下、本発明に係る電気機器の外装体の実施の形態の一つを、図面を参照しながら説明する。
図1および図2はそれぞれ、本発明の一実施の形態による電気機器の一例としての液晶表示装置の外観を示す正面図および斜視図である。図3は同液晶ディスプレイ装置の全体構成の回路ブロックを示すブロック図であり、図4は同液晶ディスプレイ装置の回路ブロックの配置例を説明するためにバックキャビネットを取り除いて示す平面図である。
液晶ディスプレイ装置は、図1、図2に示すように、ディスプレイ装置本体1と、このディスプレイ装置本体1を立てた状態で保持するスタンド2とを有している。ディスプレイ装置本体1は、平面型表示パネルである液晶ディスプレイパネル3とバックライト装置(図1および図2には示されず)とからなるディスプレイ・モジュールを、樹脂成形品などからなる外装体5内に収容することにより構成されている。また、外装体5は、液晶ディスプレイパネル3の画像表示領域に対応するように、開口部6aを設けたフロントキャビネット6と、このフロントキャビネット6と組み合わせられるバックキャビネット7とから構成されている。なお、6bはスピーカの音を外部に放出するためのスピーカグリルである。
また、図3および図4に示すように、液晶ディスプレイ装置全体の概略構成は、液晶表示パネル3に画像を表示する駆動回路、およびバックライト装置4の点灯を制御する点灯制御回路を備えた信号処理回路ブロック8と、前記液晶表示パネル3、バックライト装置4および信号処理回路ブロック8に電源電圧を供給するための電源ブロック9と、テレビジョン放送を受信して前記信号処理回路ブロック8に受信信号を供給するチューナ10と、音を出力するためのスピーカ11とを有する構成である。前記信号処理回路ブロック8、および電源ブロック9はともに、回路基板に回路を構成する部品を搭載することにより構成されている。前記信号処理回路ブロック8、電源ブロック9、およびチューナ10などを搭載した回路基板は、バックライト装置4の背面とバックキャビネット7との間の空間に配置されるように取り付けられている。
図3においては、スピーカが省略されている。また、図4において、符号12はDVDプレーヤーなどの外部機器からの映像信号を液晶表示装置に入力するための外部信号入力端子であり、信号処理回路ブロック8に搭載されている。
図5は本発明による外装体5において、フロントキャビネット6の要部構造を示す断面図であり、図6はそのフロントキャビネット6を製造する途中段階の状態を示す断面図である。
図5、図6に示すように、フロントキャビネット6は、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂成分を含有する樹脂組成物を成形して構成した基材13と、同じくポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂成分を含有する樹脂組成物をシート状に成形するとともに表面に加飾部を設けた加飾用シート14とを有し、前記基材13表面に前記加飾用シート14を貼り付けて密着させることにより構成されている。
前記ポリ乳酸は、例えば、L−乳酸単位からなるポリ−L−乳酸、D−乳酸単位からなるポリ−D−乳酸、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸が混合されて形成されたポリ乳酸ステレオコンプレックスを含む混合物、またはこの混合物を固相重合してなるポリ乳酸ブロック共重合体であってよい。また、乳酸共重合体は、例えば、L−乳酸および/またはD−乳酸を原料とする、L−ラクチドおよび/またはD−ラクチドと、これらと共重合可能なオキシ酸、ラクトン、ジカルボン酸、または多価アルコール(例えば、カプロラクトンまたはグリコール酸)とを共重合させることにより得られる共重合体である。
前記基材13は、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂組成物、すなわちポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上、望ましくは70wt%以上含む樹脂成分および強化剤および難燃剤を含有する樹脂組成物を射出成形により成形して構成したものである。ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分は、未使用のポリ乳酸および/または乳酸共重合体を含む樹脂成分のペレットと、市場から回収した使用済み製品に含まれているポリ乳酸および/または乳酸共重合体を含む樹脂成分である再生樹脂のペレットと、基材13を射出成形した際に発生するスプール、ランナーなどの成形端材を粉砕、リペレット化した端材ペレットとから構成されている。
これらの混合割合は、前記未使用のポリ乳酸および/または乳酸共重合体のペレットが40wt%〜70wt%、再生樹脂のペレットが25wt%〜50wt%、端材ペレットが5wt%〜10wt%としている。また、再生樹脂のペレットは、市場から回収した使用済み製品に含まれているポリ乳酸および/または乳酸共重合体を含む樹脂成分を分別し、破砕機で2mm〜3mmに粉砕してリペレット化したものである。
ここで、前記未使用のペレットは、澱粉を発酵させて生成したL体もしくはD体乳酸などを重合させてポリマー化したポリ乳酸が70wt%〜80wt%、炭酸カルシウム、トリメシン酸トリアミド化合物および銅フタロシアニンなどの結晶核剤が1wt%〜3wt%、ABS、ブタジエン、シリコーンゴムなどの耐衝撃強化剤が5wt%、タルクやシリカなどの強化フィラーが5wt%〜10wt%、カルボジイミドなどの湿熱改質剤3wt%〜5wt%、フタル酸エステルなどの可塑剤が3wt%〜5wt%、シリコーン系化合物やフッ素系化合物、ステアリン酸亜鉛などの離型剤が1wt%〜3wt%、難燃性を付与する難燃性付与成分としてのシリカ−マグネシア触媒粒子が1wt%〜5wt%、充填剤などのその他の有機系および無機系材料が微少量配合されることにより構成されている。
また、ポリ乳酸の再生樹脂のペレットは、上記未使用のペレットと同様な材料組成のものが望ましいが、この再生樹脂のペレットは、市場から回収した使用済み製品に含まれているポリ乳酸および/または乳酸共重合体を含む樹脂成分であり、未使用のペレットと成分、配合量が異なる場合が多い。一方、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分からなる基材13は、外装体として機器の使用するに耐えるだけの物性を有する必要があるため、市場から回収される再生樹脂のペレットの物性に応じて、上記未使用のペレットの配合比率、および樹脂成分に添加する上記添加剤の配合率を調整することにより、基材13を構成する樹脂成分の物性値について、所定の特性を確保することができる。
基材13を構成する樹脂成分の物性値について、電気機器の外装体として要求される樹脂成分の特性の一例は次の通りである。
(電気機器の外装体としての樹脂の特性)
引張強さ:30MPa以上
曲げ強さ:50MPa以上
引張破断伸び:10%以上
曲げ弾性率:2000MPa以上
シャルピー衝撃強度:5kJ/m2以上
ボールプレッシャー温度:80℃以上
ビカット軟化温度:90℃以上
難燃性(耐燃性):UL規格V1以上
耐加水分解性:60℃、90%RH、500時間で機械的強度が初期の70%以上
未使用のポリ乳酸および/または乳酸共重合体のペレットと、市場から回収した再生樹脂のペレットと、成形端材を粉砕、リペレット化した端材ペレットとから構成されるポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂組成物は、射出成形機内で170℃〜240℃の温度に加熱し、70℃〜110℃の温度の金型内に充填することにより基材13を得ることができる。
ここで、「難燃性」とは、点火源を取り除いた後は燃焼を継続しないまたは残燼を生じない性質をいう。ここで、難燃性を付与する「難燃性付与成分」とは、それを添加することにより、樹脂を難燃化する成分である。本発明で使用する難燃性付与成分としてのシリカ−マグネシア触媒粒子は、炭化水素の精製、分解、合成および/または改質の際に用いられる触媒であり、ハロゲンを全く含まないまたはダイオキシンを生成しにくい化合物の形態の触媒である。本発明において、難燃性付与成分としての触媒は、予め樹脂成分と混練されて、樹脂成分中に分散させられることにより、実際に樹脂成分が燃焼するプロセスにおいて、その燃焼反応中に触媒特有の作用を奏する。この触媒作用が樹脂の難燃化に大きく寄与する。
シリカ−マグネシア触媒粒子は、燃焼中に高い温度(例えば、500℃程度以上)に付されると、樹脂成分である高分子を端から切断して、低分子量の分子に分解していく。分解された後の分子の分子量が小さいと、熱分解して噴出する可燃性ガスの総分子量が低減し、それにより、樹脂組成物の難燃化が達成されていると考えられる。
一般に、樹脂の燃焼は、燃焼中に樹脂が熱分解することにより生じた分子が燃焼するときに発生するエネルギーが輻射熱として樹脂に供給されて、さらに樹脂が熱分解され、分解により生じた分子が燃焼するという燃焼サイクルによって継続する。樹脂の分解により生じた分子の分子量がより大きく、したがって燃料としてのガスをより多く供給するものであると、燃焼エネルギーはより大きくなる。また、この燃焼エネルギーが大きいほど、燃焼場における輻射熱が増加し、樹脂の燃焼がより長い時間継続する。
したがって、樹脂を同じ回数切断する場合、分子量のより小さな分子に分解されることが、燃焼エネルギーを低下させ、樹脂の熱分解を抑える点で好ましい。シリカ−マグネシア触媒粒子は、樹脂の燃焼中に、樹脂をより小さな分子量の分子に分解させるように、触媒作用を奏していると考えられる。このような難燃メカニズムは、ハロゲン系難燃剤およびリン系難燃剤のそれとは異なる。例えば、臭素系を代表とするハロゲン系難燃剤は、熱により分解したハロゲン系ガス成分が、気相において樹脂から噴出したラジカルをトラップし、燃焼反応を抑制する。リン系難燃剤は、燃焼により炭化層(チャー)の生成を促進し、この炭化層が酸素および輻射熱を遮り、燃焼を抑制するといわれている。
次に加飾用シート14について説明する。
加飾用シート14は、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂組成物、すなわちポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上、望ましくは85wt%以上含む樹脂成分を有する樹脂組成物を、厚み150μm〜300μmのシート状に押出成形したもので、光透過性を有している。
そして、この加飾用シート14において、基材13側の表面には、ポリ乳酸を50wt%〜60wt%以上含む樹脂に、所定の色の顔料を3wt%〜6wt%、溶剤を30wt%〜40wt%配合して作製したインクを用い、シルクスクリーン印刷やグラビア印刷などにより加飾部15aを有する厚み5μm〜20μmの加飾層15が形成されている。また、この加飾層15上には、ポリ乳酸と相溶性を有するエポキシ化ポリオレフィンや脂肪族ジエンポリマーから構成された2液硬化型の接着剤からなり、加飾用シート14を基材13に貼り付けるための厚み3μm〜10μmの接着層16が形成されている。
ここで、加飾用シート14を構成する樹脂組成物は、澱粉を発酵させて生成したL体もしくはD体乳酸などを重合させてポリマー化したポリ乳酸が85wt%〜95wt%、炭酸カルシウム、トリメシン酸トリアミド化合物および銅フタロシアニンなどの結晶核剤が1wt%〜3wt%、オレイン酸アミドやフッ素化合物などの表面滑剤が1wt%〜3wt%、カルボジイミドなどの湿熱改質剤が1wt%〜3wt%、フタル酸エステルなどの可塑剤が3wt%〜5wt%、シリコーン系化合物、フッ素系化合物およびステアリン酸亜鉛などの離型剤が1wt%〜3wt%、アルキル硫酸エステルなどの帯電防止剤が1wt%程度、サリチル酸フェニルなどの紫外線吸収剤が1wt%程度、充填剤などのその他の有機系および無機系材料が微少量配合されることにより構成されている。
なお、この加飾用シート14は、無延伸で作製されており、加飾用シート14を加熱軟化させて基材13に貼り付ける時、200%程度伸びて基材13の形状に良く追随して密着することとなる。また、加飾用シート14を構成する樹脂組成物のポリ乳酸は、貼り合わせ前では非晶状態であり、張り合わせた後に結晶化するように構成されている。
次に、加飾用シート14を基材13に貼り合せる製造方法について説明する。
まず、加飾用シート14は、図6に示すように、所定の形状に成形した基材13上に接着層16が基材13側となるように配置される。その後、加飾用シート14は赤外線ヒーターによって、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂成分を有する樹脂組成物のガラス転移点である約60℃より高い80℃〜100℃の温度に加熱される。そして、加飾用シート14が軟化した状態になると、基材13の表面全体に巻きつくように押し付けて接着層16によって貼り合わされる。この過程において、加飾用シート14を構成する樹脂組成物のポリ乳酸は結晶化され、所定の特性を有する状態に変化する。以上の工程により、加飾用シート14が基材13表面に密着するように貼り付けられ、これにより本発明の外装体が得られる。
以上のように、本発明の外装体は、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂成分および強化剤および難燃剤を含有する樹脂組成物を成形して構成した基材13と、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂成分を有する樹脂組成物をシート状に成形するとともに表面に加飾部15aを設けた加飾用シート14とを有し、前記基材13表面に前記加飾用シート14を貼り付けて構成したものであり、基材13表面全体を加飾用シート14で覆い加飾することによって、デザイン性に優れ、環境に配慮した外装体を実現することが可能となる。
具体的には、植物由来樹脂であるポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂成分に、強化剤および結晶核剤や難燃剤を配合して作製した樹脂組成物を、そのまま射出成形して外装体を構成した場合、色むら、色スジ、曇り、ウエルド、ヒケなどの外観不良が発生し、電気機器の外装体として使用することができないが、外装体として要求される特性を満足する樹脂組成物を成形して構成した基材13と、この基材13に貼り付けられる加飾用シート14とで構成することにより、外装体としての特性を満足した上で、外観のデザイン性を満足させることができる。
さらに、基材13および加飾用シート14は、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂組成物により構成されているため、使用後に廃棄物として回収された場合において、基材13と加飾用シート14を分別することなく、再生樹脂のペレットとして使用できる。また、基材13を構成する樹脂組成物のみに難燃剤を配合し、加飾用シート14を構成する樹脂組成物には難燃剤を配合しないようにすることで、外観のデザイン性を損なうことなく、難燃性を備えた外装体を実現することが可能となる。
また、本発明による外装体の製造方法においては、加飾用シート14を所定の形状に成形した基材13上に配置し、その後、加飾用シート14を、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を主成分とする樹脂成分を有する樹脂組成物のガラス転移点より高い温度に加熱し、加飾用シート14を軟化させた後、基材13の表面全体に押し付けることにより、加飾用シート14を基材13表面に貼り付けて外装体を製造しており、非晶性の比較的柔らかいポリ乳酸の加飾用シート14を加熱して軟化させ、基材13に貼り合わせる工程において、結晶化されることにより、複雑な形状の基材13に対しても簡単に加飾用シート14を貼り合わせることが可能であり、さらに結晶化することで、耐熱性や剛性が向上するという利点が得られる。
なお、上記説明においては、加飾用シート14に接着層16を設け、この接着層16により基材13に加飾用シート14を張り合わせる例を説明したが、接着層16を用いないで、インサート成形法により基材13に加飾用シート14を貼り合わせることも可能である。具体的には、加飾用シート14をあらかじめガラス転移点より高い60℃〜80℃の温度にヒーターにより加熱して非晶性のポリ乳酸を結晶化するとともに、この状態で成形金型に転写することにより外装体としての形状に加工したプリフォームを形成する。次に、このプリフォームを基材13を成形する射出成形装置の金型内に設置した状態で、基材13を構成する樹脂組成物を充填することにより、基材13を成形すると同時に加飾用シート14を貼り合わせることにより、外装体を作製することができる。
本発明による外装体は、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体等の環境樹脂を使用し、かつリサイクルによる資源循環が可能な電気機器の外装体を提供する上で有用である。
1 ディスプレイ装置本体
5 外装体
6 フロントキャビネット
13 基材
14 加飾用シート

Claims (7)

  1. ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分および強化剤および難燃剤を含有する樹脂組成物を成形して構成した基材と、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分を有する樹脂組成物をシート状に成形するとともに表面に加飾部を設けた加飾用シートとを有し、前記基材表面に前記加飾用シートを貼り付けて構成したことを特徴とする外装体。
  2. 前記難燃剤は、シリカ−マグネシア触媒粒子であることを特徴とする請求項1に記載の外装体。
  3. 前記加飾用シートは光透過性を有しており、前記加飾用シートを構成する樹脂組成物は強化剤および難燃剤を含有しないものであることを特徴とする請求項1記載の外装体。
  4. 前記基材を構成する樹脂組成物は、市場から回収した使用済み製品に含まれているポリ乳酸および/または乳酸共重合体を含む樹脂成分である再生樹脂のペレットを含む材料により構成したものであることを特徴とする請求項1記載の外装体。
  5. 前記基材はリサイクル材料のポリ乳酸樹脂を含んでおり、前記シートは前記加飾層によって前記基材の表面外観を隠蔽する構成であることを特徴とする請求項1及び請求項2及び請求項3及び請求項4記載のAV機器外装体及び成形工法。
  6. ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分および強化剤および難燃剤を含有する樹脂組成物を成形して構成した基材と、ポリ乳酸および/または乳酸共重合体を50wt%以上含む樹脂成分を有する樹脂組成物をシート状に成形するとともに表面に加飾部を設けた加飾用シートとを有し、前記加飾用シートを前記基材に貼り合わせるとき、加飾用シートを構成する樹脂組成物のガラス転移点より高い温度に加熱することを特徴とする外装体の製造方法。
  7. 前記加飾用シートは、前記基材に貼り合わせるときに加熱することにより、樹脂組成物のポリ乳酸および/または乳酸共重合体を結晶化することを特徴とする請求項6に記載の外装体の製造方法。
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