JP2014208352A - アンモニア分解触媒および触媒を用いたアンモニア分解方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、アンモニアのオートサーマルリフォーマー(ATR)において、触媒層の温度上昇を制御し、改質器の損傷・触媒の劣化を防止することを目的とするものである。【解決手段】本発明は、アンモニアを窒素と水素に分解する反応のアンモニア消費速度をrD mmol/(g・s)、アンモニアを燃焼して窒素と水を生成する反応のアンモニア消費速度をrA mmol/(g・s)とすると、反応温度400℃におけるrA/rDが0.2以上、10以下であることを特徴とするアンモニア分解用触媒である。【選択図】図1
Description
本発明は、アンモニア、酸素および水素を含むガス中のアンモニアを分解するためのアンモニア分解触媒および当該触媒を用いたアンモニア分解方法に関するものである。
近年、地球温暖化防止を目的として二酸化炭素の排出の少ない技術が求められている。水素は燃料として用いられたとき、二酸化炭素の排出はなく、燃料として注目されている。水素を得る手段として化学反応に副生する水素、製鋼時に副生する水素等の手段がある。しかし、これらの技術は副生する水素を利用するものであり安定して水素を得ることは困難である。
水素を得る手段として、アンモニアの分解反応があり、反応としては NH3 → 0.5N2 + 1.5H2である。この反応は10.9kcal/molの大きな吸熱反応であり、反応熱の供給が問題となる。この反応熱の供給方法として、アンモニアや分解で生成した水素を一部燃焼しその燃焼熱を用いるオートサーマルリフォーマー(ATR)があり(特許文献1、非特許文献1)、燃焼反応はNH3+ 0.75O2 → 0.5N2 + 1.5H2O、H2 + 0.5O2→ H2O である。ATRに用いる触媒としては、Ruをアルミナに担持した触媒(特許文献1)、Pt、Rhをアルミナに担持した触媒(非特許文献1)がある。
しかし、これらの触媒を反応に用いるとき触媒組成によっては制御が難しく定常的に一定の濃度の水素を得ることは容易ではないことがある。また触媒層の温度が変化することでアンモニア改質器に損傷、触媒の劣化を招くことがある。一方、アンモニアの改質が充分でないときは水素を燃料として用いるとき質の良くない燃料を提供することになる。
室井高城著「工業貴金属触媒」幸書房、2003年5月26日、p297
本発明は、アンモニアのオートサーマルリフォーマー(ATR)において、触媒層の温度上昇を制御し、改質器の損傷・触媒の劣化を防止する方法を提供する。
本発明者らは鋭意検討の結果、上記課題を解決する方法として、アンモニア、酸素および水素を含むガス中のアンモニアを水素に分解する触媒であって、アンモニア、酸素、水素の分圧をそれぞれ 40kPa、10kPa、10kPaとした場合において、アンモニアを窒素と水素に分解する反応のアンモニア消費速度をrD mmol/(g・s)、アンモニアを燃焼して窒素と水を生成する反応のアンモニア消費速度をrA mmol/(g・s)と、反応温度400℃におけるrA/rDが0.2以上、10以下であることを特徴とするアンモニア分解用触媒を用いることによって、ATRの温度の過度な上昇を抑え、改質器の損傷・触媒の劣化を防止することができることを見出し発明の完成に至ったものである。
本発明により、アンモニアのオートサーマルリフォーマー(ATR)において、触媒層の温度上昇を制御し、改質器の損傷・触媒の劣化を防止することができる。
本発明に用いるガスは、アンモニア、酸素を含むガス(以下「反応ガス」とも称する)であれば良く、好ましくはアンモニアの分圧が10〜1000kPa、更に好ましくは20〜500kPaであり、好ましくは酸素の分圧が1〜300kPa、更に好ましくは2〜200kPaであり、好ましくはアンモニア1に対する酸素のモル比が0.05〜0.4、更に好ましくは0.1〜0.2である。当該反応ガスは水素、窒素を含むことができる。
反応ガスは触媒に対し空間速度で1000〜100000h−1、好ましくは2000〜50000h−1である。
(アンモニア分解触媒)
本発明にかかる触媒は、以下の通りに特定することができる。アンモニア、酸素および水素を含むガス中のアンモニアを水素に分解する触媒であって、アンモニア、酸素、水素の分圧をそれぞれ 40kPa、10kPa、10kPaとした場合において、アンモニアを窒素と水素に分解する反応のアンモニア消費速度をrD mmol/(g・s)、アンモニアを燃焼して窒素と水を生成する反応のアンモニア消費速度をrA mmol/(g・s)とすると、反応温度400℃におけるrA/rDが0.2以上、10以下であることを特徴とするアンモニア分解用触媒である。
本発明にかかる触媒は、以下の通りに特定することができる。アンモニア、酸素および水素を含むガス中のアンモニアを水素に分解する触媒であって、アンモニア、酸素、水素の分圧をそれぞれ 40kPa、10kPa、10kPaとした場合において、アンモニアを窒素と水素に分解する反応のアンモニア消費速度をrD mmol/(g・s)、アンモニアを燃焼して窒素と水を生成する反応のアンモニア消費速度をrA mmol/(g・s)とすると、反応温度400℃におけるrA/rDが0.2以上、10以下であることを特徴とするアンモニア分解用触媒である。
本発明に係るアンモニア分解触媒は、(1)アンモニアを窒素と水素に分解する作用(アンモニア分解作用)と、(2)アンモニアを燃焼して窒素と水を生成する作用(アンモニア燃焼作用)と、を有し、反応温度400℃におけるrA/rDが0.2以上、10以下であること、を要するものである。
(アンモニア分解作用)
本発明に係る「アンモニアを窒素と水素に分解する反応のアンモニア消費速度(以下、「rD」と称する)」とは、触媒1g当たり、1秒間に消費されるアンモニアのモル数により定義されるものである。rDの測定方法としては、酸素を加えずにアンモニアの分解反応だけを行い、アンモニアの分解率から求めることができる。その際、高SVで測定を行いアンモニア消費率を20%未満とすることが好ましい。また触媒を不活性物質で希釈するなどして吸熱反応による触媒層温度の低下を防止することが好ましい。
本発明に係る「アンモニアを窒素と水素に分解する反応のアンモニア消費速度(以下、「rD」と称する)」とは、触媒1g当たり、1秒間に消費されるアンモニアのモル数により定義されるものである。rDの測定方法としては、酸素を加えずにアンモニアの分解反応だけを行い、アンモニアの分解率から求めることができる。その際、高SVで測定を行いアンモニア消費率を20%未満とすることが好ましい。また触媒を不活性物質で希釈するなどして吸熱反応による触媒層温度の低下を防止することが好ましい。
また、当該アンモニア分解触媒は触媒組成が同一であっても本発明に用いることができる触媒に該当するものではなく、前提条件として反応温度400℃におけるrA/rDが0.2以上、10以下を満たすことを要する。好ましくは、反応温度400℃でrDが0.1〜100mmol/(g・s)、更に好ましくは0.2〜50mmol/(g・s)である。
(アンモニア燃焼作用)
本発明に係る「アンモニアを燃焼して窒素と水を生成する反応のアンモニア消費速度(以下、「rA」と称する)」とは、触媒1g当たり、1秒間に燃焼によって消費されるアンモニアのモル数により定義されるものである。rAの測定方法としては、アンモニアと酸素を混合して触媒に供給した場合のアンモニアの消費率から求めることができる。その際、高SVで測定を行いアンモニア消費率を20%未満とすることが好ましい。また触媒を不活性物質で希釈するなどして反応による触媒層温度の上昇や低下を防止することが好ましい。この方法で求めたアンモニアの消費速度には分解によるアンモニア消費が含まれているのでそれを差し引きする必要がある。すなわち、アンモニアと酸素を混合して触媒に供給した場合のアンモニアの消費率から、アンモニアの分解と燃焼を合わせたアンモニアの消費速度rDAを求め、別に測定したアンモニアの分解速度rDを用いて rA=rDA−rD としてrAを求めることができる。
本発明に係る「アンモニアを燃焼して窒素と水を生成する反応のアンモニア消費速度(以下、「rA」と称する)」とは、触媒1g当たり、1秒間に燃焼によって消費されるアンモニアのモル数により定義されるものである。rAの測定方法としては、アンモニアと酸素を混合して触媒に供給した場合のアンモニアの消費率から求めることができる。その際、高SVで測定を行いアンモニア消費率を20%未満とすることが好ましい。また触媒を不活性物質で希釈するなどして反応による触媒層温度の上昇や低下を防止することが好ましい。この方法で求めたアンモニアの消費速度には分解によるアンモニア消費が含まれているのでそれを差し引きする必要がある。すなわち、アンモニアと酸素を混合して触媒に供給した場合のアンモニアの消費率から、アンモニアの分解と燃焼を合わせたアンモニアの消費速度rDAを求め、別に測定したアンモニアの分解速度rDを用いて rA=rDA−rD としてrAを求めることができる。
また、当該アンモニア分解触媒は触媒組成が同一であっても本発明に用いることができる触媒に該当するものではなく、前提条件として反応温度400℃におけるrA/rDが0.2以上、10以下を満たすことを要する。好ましくは、rAが反応温度400℃で0.05〜200mmol/(g・s)、更に好ましくは0.1〜100mmol/(g・s)である。
また低温で作動のためには、低温でもある程度のアンモニア燃焼活性があることが好ましく反応温度200℃におけるrAは0.0005mmol/(g・s)以上であり、好ましくは0.002mmol/(g・s)以上、1mmol/(g・s)以下である。
(水素燃焼作用)
本発明に係るアンモニア分解触媒の更なる作用として、水素を燃焼して水を生成する作用(以下、「水素燃焼作用」と称する)を有することが好ましい。当該水素燃焼作用の指標となる「水素を燃焼して水を生成する反応の水素消費速度(以下、「rH」と称する。)」とは、触媒1g当たり、1秒間に消費される水素のモル数により定義されるものであり、rHの測定方法としては、アンモニアを加えずに水素の燃焼反応だけを行い、水素の消費率あるいは水の生成率から求めることができる。その際、高SVで測定を行い水素消費率を20%未満とすることが好ましい。また触媒を不活性物質で希釈するなどして発熱反応による触媒層温度の上昇を防止することが好ましい。
本発明に係るアンモニア分解触媒の更なる作用として、水素を燃焼して水を生成する作用(以下、「水素燃焼作用」と称する)を有することが好ましい。当該水素燃焼作用の指標となる「水素を燃焼して水を生成する反応の水素消費速度(以下、「rH」と称する。)」とは、触媒1g当たり、1秒間に消費される水素のモル数により定義されるものであり、rHの測定方法としては、アンモニアを加えずに水素の燃焼反応だけを行い、水素の消費率あるいは水の生成率から求めることができる。その際、高SVで測定を行い水素消費率を20%未満とすることが好ましい。また触媒を不活性物質で希釈するなどして発熱反応による触媒層温度の上昇を防止することが好ましい。
本水素燃焼作用により、アンモニアの分解によって生成した水素も酸素によって触媒上で燃焼することができ、燃焼熱を供給することができる。水素を燃焼して水を生成する反応の水素消費速度をrH mmol/(g・s)とすると反応温度400℃におけるrH/rDが好ましくは0.02以上、20以下であり、更に好ましくは0.05以上、10以下である。
(アンモニア分解触媒の組成等)
アンモニア分解触媒の組成としては、Fe、Co、Ni、Moの遷移金属系、La、Ce、Ndの希土類系、Ru、Rh、Ir、Pd、Ptの貴金属系を用いることができる。遷移金属系は合金、窒化物、炭化物、酸化物、複合酸化物として用いることができ、希土類系は酸化物として用いることができ、遷移金属系および希土類系とも、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の高比表面積の担体に担持して用いることができる。Ru、Rh、Ir、Pd、Ptなどの貴金属は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の高比表面積の担体に担持して用いることができる。また遷移金属系や希土類系に少量の貴金属を含有させることもできる。
アンモニア分解触媒の組成としては、Fe、Co、Ni、Moの遷移金属系、La、Ce、Ndの希土類系、Ru、Rh、Ir、Pd、Ptの貴金属系を用いることができる。遷移金属系は合金、窒化物、炭化物、酸化物、複合酸化物として用いることができ、希土類系は酸化物として用いることができ、遷移金属系および希土類系とも、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の高比表面積の担体に担持して用いることができる。Ru、Rh、Ir、Pd、Ptなどの貴金属は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の高比表面積の担体に担持して用いることができる。また遷移金属系や希土類系に少量の貴金属を含有させることもできる。
触媒調製例としては、一般的な調製方法を用いることができ、例えば、水溶性の触媒成分前駆体を水に溶解しアンモニア等で水酸化物とし沈殿させた後乾燥・焼成し触媒とする方法(沈殿法)、触媒成分に用いる元素の酸化物を単独または複数種の酸化物を混合して用いる方法(混合法)、触媒成分前駆体を水性液として高比表面積の担体に担持する方法(担持法)、触媒成分の前駆体を窒素処理して窒化物を得る方法(窒化物法)などがある。
なお、触媒を調製するに際して、rD、rAが上記範囲内となるように制御するものである。制御方法としては、(1)触媒原料を硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物等適宜選定すること、(2)調製時の乾燥又は焼成の温度・時間を触媒組成に応じて適宜変更すること、(3)触媒調製時の焼成を還元ガス、不活性ガスを用いること、(4)上記触媒用成分の合金、窒化物、酸化物、複合酸化物を適宜混合すること、などの手段である。これらの手段により得られた触媒を上記のrD、rAの測定方法により、rD、rAを測定し、本発明の範囲内となるものを本発明に係る触媒として用いるものである。
アンモニア分解触媒とアンモニア燃焼触媒とを混合(混合触媒)して用いることもできる。その場合酸素が消費され尽くす触媒層の後半では燃焼触媒は必要ないので、反応ガスの流れに対して分解触媒と燃焼触媒の混合触媒を前段に設置し、後段には分解触媒のみを設置することが好ましい。
(アンモニア燃焼触媒)
本発明に係るアンモニア分解触媒と併用することができるアンモニア燃焼触媒としては、アンモニアを燃焼しN2とH2Oにしうるものであれば何れのものであっても良く、例えば酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、ペロブスカイト型酸化物、Ru、Rh、Ir、Pd、Ptなどを用いることができる。Ru、Rh、Ir、Pd、Ptなどの貴金属は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の高比表面積の担体に担持して用いることができる。
本発明に係るアンモニア分解触媒と併用することができるアンモニア燃焼触媒としては、アンモニアを燃焼しN2とH2Oにしうるものであれば何れのものであっても良く、例えば酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、ペロブスカイト型酸化物、Ru、Rh、Ir、Pd、Ptなどを用いることができる。Ru、Rh、Ir、Pd、Ptなどの貴金属は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の高比表面積の担体に担持して用いることができる。
混合するときの触媒量はそれぞれの触媒活性によって大きく異なるが分解触媒100質量部に対して燃焼触媒を0.1〜500質量部、好ましくは0.5〜200質量部である。
ATRの最高反応温度は400〜800℃、好ましくは500〜700℃である。反応温度が800℃を超えるときはアンモニア分解器に損傷を与えるおそれがあることも触媒の劣化をまねくおそれのあることがあり、好ましくはないからである。
以下に、実施例、比較例を用いて本発明を詳細に説明するが本発明の趣旨に反しない限り実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アンモニア分解触媒として、Irをアルミナに担持した触媒前駆体を水素還元処理し、rD=0.74mmol/(g・s)、rA/rD=0.95、rH/rD=0.39であるものを得た。当該アンモニア分解触媒を直径10mm長さ150mmの石英製反応管に触媒層長として100mm充填し、反応ガスとしてアンモニアを58mol%、酸素を8.7mol%、窒素を33mol%含むものを、予熱器で200℃に加熱して、常圧でSV 9000h−1で導入し反応した。反応器は十分に保温し、断熱状態とした。反応器出口ガスは酸素とアンモニアは消費され、水素・窒素・水からなっていた。結果は図1に示す。
アンモニア分解触媒として、Irをアルミナに担持した触媒前駆体を水素還元処理し、rD=0.74mmol/(g・s)、rA/rD=0.95、rH/rD=0.39であるものを得た。当該アンモニア分解触媒を直径10mm長さ150mmの石英製反応管に触媒層長として100mm充填し、反応ガスとしてアンモニアを58mol%、酸素を8.7mol%、窒素を33mol%含むものを、予熱器で200℃に加熱して、常圧でSV 9000h−1で導入し反応した。反応器は十分に保温し、断熱状態とした。反応器出口ガスは酸素とアンモニアは消費され、水素・窒素・水からなっていた。結果は図1に示す。
(実施例2)
アンモニア分解触媒として、Co、Ce、Zrの元素からなる触媒前駆体10部とPtをアルミナに担持した触媒前駆体1部を混合した後、水素還元処理し、rD=0.6mmol/(g・s)、rA/rD=0.32、rH/rD=0.17であるものを得た。当該アンモニア分解触媒を直径10mm長さ150mmの石英製反応管に触媒層長として100mm充填し、反応ガスとしてアンモニアを58mol%、酸素を8.7mol%、窒素を33mol%含むものを、予熱器で200℃に加熱して、常圧でSV 6000h−1で導入し反応した。反応器は十分に保温し、断熱状態とした。反応器出口ガスは酸素とアンモニアは消費され、水素・窒素・水からなっていた。
結果は図2に示す。
アンモニア分解触媒として、Co、Ce、Zrの元素からなる触媒前駆体10部とPtをアルミナに担持した触媒前駆体1部を混合した後、水素還元処理し、rD=0.6mmol/(g・s)、rA/rD=0.32、rH/rD=0.17であるものを得た。当該アンモニア分解触媒を直径10mm長さ150mmの石英製反応管に触媒層長として100mm充填し、反応ガスとしてアンモニアを58mol%、酸素を8.7mol%、窒素を33mol%含むものを、予熱器で200℃に加熱して、常圧でSV 6000h−1で導入し反応した。反応器は十分に保温し、断熱状態とした。反応器出口ガスは酸素とアンモニアは消費され、水素・窒素・水からなっていた。
結果は図2に示す。
(比較例1)
アンモニア分解触媒として、La、Coの元素からなる触媒前駆体1部とPtをアルミナに担持した触媒前駆体10部を混合した後、水素還元処理し、rD=0.06mmol/(g・s)、rA/rD=31.6、rH/rD=16.6であるものを得た。当該アンモニア分解触媒を直径10mm長さ150mmの石英製反応管に触媒層長として100mm充填し、反応ガスとしてアンモニアを58mol%、酸素を8.7mol%、窒素を33mol%含むものを、予熱器で200℃に加熱して、常圧でSV 18000h−1で導入し反応した。反応器は十分に保温し、断熱状態とした。
結果は図3に示す。
アンモニア分解触媒として、La、Coの元素からなる触媒前駆体1部とPtをアルミナに担持した触媒前駆体10部を混合した後、水素還元処理し、rD=0.06mmol/(g・s)、rA/rD=31.6、rH/rD=16.6であるものを得た。当該アンモニア分解触媒を直径10mm長さ150mmの石英製反応管に触媒層長として100mm充填し、反応ガスとしてアンモニアを58mol%、酸素を8.7mol%、窒素を33mol%含むものを、予熱器で200℃に加熱して、常圧でSV 18000h−1で導入し反応した。反応器は十分に保温し、断熱状態とした。
結果は図3に示す。
(比較例2)
アンモニア分解触媒として、Niをアルミナに担持した触媒前駆体を水素還元処理し、rD=0.05mmol/(g・s)、rA/rD=0.029、rH/rD=0.074であるものを得た。当該アンモニア分解触媒を直径10mm長さ150mmの石英製反応管に触媒層長として100mm充填し、反応ガスとしてアンモニアを58mol%、酸素を8.7mol%、窒素を33mol%含むものを、予熱器で200℃に加熱して、常圧でSV 3000h−1で導入し反応した。反応器は十分に保温し、断熱状態とした。反応器出口でもアンモニアは大部分分解せず残存していた。
結果は図4に示す。
アンモニア分解触媒として、Niをアルミナに担持した触媒前駆体を水素還元処理し、rD=0.05mmol/(g・s)、rA/rD=0.029、rH/rD=0.074であるものを得た。当該アンモニア分解触媒を直径10mm長さ150mmの石英製反応管に触媒層長として100mm充填し、反応ガスとしてアンモニアを58mol%、酸素を8.7mol%、窒素を33mol%含むものを、予熱器で200℃に加熱して、常圧でSV 3000h−1で導入し反応した。反応器は十分に保温し、断熱状態とした。反応器出口でもアンモニアは大部分分解せず残存していた。
結果は図4に示す。
本発明は、反応器に悪影響が少なく、長時間触媒を用いることができるものである。アンモニア含有ガスから水素を得ることができる。
Claims (5)
- アンモニア、酸素および水素を含むガス中のアンモニアを水素に分解する触媒であって、
前記触媒が遷移金属としてCoを含有し、
反応温度400℃におけるrA/rDが0.2以上、10以下であることを特徴とするアンモニア分解用触媒。
(なお、アンモニア、酸素および水素の分圧をそれぞれ40kPa、10kPa、10kPaとした場合、アンモニアを窒素と水素に分解する反応のアンモニア消費速度をrD mmol/(g・s)、アンモニアを燃焼して窒素と水を生成する反応のアンモニア消費速度をrA mmol/(g・s)で示す。) - 反応温度200℃におけるrAが0.00005mmol/(g・s)以上であることを特徴とする請求項1記載の触媒。
- 請求項1記載の触媒を用いてアンモニア、酸素および水素を含むガス中のアンモニアを分解し水素を得ることを特徴とするアンモニア分解方法。
- 請求項3記載の方法において、アンモニア分解触媒とアンモニア燃焼触媒を混合した触媒(以下、「混合触媒」と称する)を用いることを特徴とする請求項3記載のアンモニア分解方法。
- 請求項3記載の方法において、アンモニア分解反応温度が800℃未満であることを特徴とする請求項3記載のアンモニア分解方法。
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