JP2014205784A - 接着剤およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酢酸ビニル系樹脂エマルジョンおよび無機粉末を含む高耐水性の接着剤を、ままこの発生を抑制して、効率良く低コストに製造することができる方法を提供する。
【解決手段】 酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと、無機粉末と、を含む接着剤の製造方法を、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコールを保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーを乳化重合し、または酢酸ビニルモノマーとアセトアセチル基を有するモノマーとを乳化共重合して、該酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得る重合工程と、ポリビニルアルコールを溶解した水溶液に該無機粉末の少なくとも一部を分散させてペーストを調製する予備分散工程と、調製した該ペーストを、得られた該酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに配合して撹拌する混合工程と、を有して構成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、接着性および耐水性に優れる接着剤、およびその製造方法に関する。
アセトアセチル化された酢酸ビニル系樹脂エマルジョンは、その皮膜の耐水性が高いことから、紙製品、木材、繊維などの高耐水性の接着剤として広く使用されている。当該酢酸ビニル系樹脂エマルジョンは、アセトアセチル化ポリビニルアルコールの存在下、酢酸ビニルモノマーを乳化重合して、または酢酸ビニルモノマーとアセトアセチル基を有するモノマーとを乳化共重合して、製造することができる。得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに、必要に応じて顔料、増量剤、可塑剤、安定剤などを適宜配合して、接着剤を製造する。
特開昭61−197649号公報 特開2000−282004号公報 特開2010−229307号公報 特開2005−314496号公報
顔料や増量剤としては、炭酸カルシウム、クレー、酸化チタンなどの粉末状のものが多く用いられる。例えば、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに、炭酸カルシウムなどの粉末をそのまま配合すると、粉末の分散性が悪いため、ままこ(だま)が生じやすい。一旦、ままこの状態になると、撹拌により、それを解砕し分散させることは難しい。また、製品として出荷する前には、異物除去のためにろ過を行う。しかし、ままこが発生すると、ろ過作業に多大な時間がかかってしまう。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンおよび無機粉末を含む接着剤を、ままこの発生を抑制して、効率良く低コストに製造することができる方法を提供することを課題とする。また、当該製造方法を採用することにより、接着性および耐水性に優れる接着剤を提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の接着剤の製造方法は、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと、無機粉末と、を含む接着剤の製造方法であって、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコールを保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーを乳化重合し、または酢酸ビニルモノマーとアセトアセチル基を有するモノマーとを乳化共重合して、該酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得る重合工程と、ポリビニルアルコールを溶解した水溶液に該無機粉末の少なくとも一部を分散させてペーストを調製する予備分散工程と、調製した該ペーストを、得られた該酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに配合して撹拌する混合工程と、を有することを特徴とする。
本発明の製造方法においては、無機粉末の少なくとも一部を、予めポリビニルアルコールを溶解した水溶液(以下、適宜「PVA水溶液」と称す)に分散させておく(予備分散工程)。酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに配合する前に、無機粉末をPVA水溶液に分散させておくことにより、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに配合した際の、ままこの発生を抑制することができる。これにより、撹拌作業やろ過作業をスムーズに行うことができる。
無機粉末の分散媒として使用するポリビニルアルコールは、保護コロイドとして使用するポリビニルアルコールと同じでも異なっていてもよい。また、分散媒としてポリビニルアルコールを用いることにより、分散媒の粘度を高くすることができる。これにより、予備分散の際、無機粉末に適度なシェアがかかるため、無機粉末を分散させやすい。また、分散媒として、接着剤の一成分であるポリビニルアルコールを用いるため、接着性能を阻害しにくい。このように、本発明の製造方法によると、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの接着性を維持しつつ、ままこの発生を抑制して、効率良く、低コストに接着剤を製造することができる。
(2)本発明の接着剤は、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコールを保護コロイドとする酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと、無機粉末と、を含み、上記(1)の構成の製造方法により製造されることを特徴とする。
本発明の接着剤は、無機粉末をPVA水溶液に分散させたペーストを、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに添加して、製造される。製造過程におけるままこの発生が抑制されるため、作業性に優れると共に、高い接着性、耐水性を有する。
本発明の製造方法によると、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの接着性を維持しつつ、配合する無機粉末の分散性を向上させて、効率良く低コストに、接着性および耐水性に優れる接着剤を製造することができる。
以下、本発明の接着剤およびその製造方法の実施の形態について説明する。なお、本発明の接着剤およびその製造方法は、以下の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
<接着剤の製造方法>
本発明の接着剤の製造方法は、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと、無機粉末と、を含む接着剤の製造方法であって、重合工程と、予備分散工程と、混合工程と、を有する。以下に、各工程を順に説明する。
(1)重合工程
本工程は、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコールを保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーを乳化重合し、または酢酸ビニルモノマーとアセトアセチル基を有するモノマーとを乳化共重合して、該酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得る工程である。
保護コロイドとしては、アセトアセチル化ポリビニルアルコール(以下、適宜「AA化PVA」と称す)を含むポリビニルアルコールを用いる。AA化PVAは、ポリビニルアルコールとジケテンとを反応させて得られる変性ポリビニルアルコールである。AA化PVAのアセトアセチル化度は、0.05〜20モル%の範囲が好適である。保護コロイドのポリビニルアルコールは、AA化PVAの他に、他のポリビニルアルコールを含んでいてもよい。例えば、アセトアセチル化されていないポリビニルアルコール(未変性のポリビニルアルコール)を併用することが望ましい。AA化PVAに加えて未変性のポリビニルアルコールを用いることにより、酢酸ビニルモノマーの反応性を高めて、重合時間を短縮することができる。
酢酸ビニルモノマーと共重合するアセトアセチル基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アリルアルコール、メタクリルアルコール、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、1,4−ブチレングリコールモノアクリレート、1,4−ブチレングリコールモノメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ヒドロキシスチレンなどのアセトアセチル化物が挙げられる。
アセトアセチル基を有するモノマーの配合量は、酢酸ビニルモノマーの100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが望ましい。酢酸ビニルモノマーに対してアセトアセチル基を有するモノマーが少ないと、耐水性向上効果が充分に得られない。反対に、アセトアセチル基を有するモノマーが多すぎると、接着剤の貯蔵安定性が悪くなる。
酢酸ビニルモノマーの乳化重合または乳化共重合は、公知の反応助剤、重合開始剤などを用いて行えばよい。反応助剤としては、酒石酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが好適である。重合開始剤としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどが好適である。保護コロイドは、酢酸ビニルモノマーの重合開始前または重合中に添加すればよい。
(2)予備分散工程
本工程は、ポリビニルアルコールを溶解した水溶液(PVA水溶液)に無機粉末の少なくとも一部を分散させてペーストを調製する工程である。
本工程は、重合工程の前に行ってもよい。すなわち、重合工程と予備分散工程との順序は限定されない。いずれかを先に行っても、両工程を同時に進行させてもよい。
無機粉末としては、顔料や増量剤として用いられる炭酸カルシウム、クレー、カオリン、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。配合する無機粉末のうちの全てを、本工程においてペースト状にしてもよいが、一部のみをペースト状にしてもよい。すなわち、配合する無機粉末のうち、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに直接配合してもままこになりにくい粉末については、ペースト状にすることなく、後の混合工程において添加してもよい。例えば、無機粉末として、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、酸化チタンから選ばれる一種以上を用いる場合には、ままこの発生を抑制するという観点から、本工程においてペースト状にしておくことが望ましい。なかでも、炭酸カルシウムを用いる場合には、ままこの発生を抑制する効果が存分に発揮される。
水溶液に溶解されるポリビニルアルコールとしては、AA化PVA、アセトアセチル化されていないポリビニルアルコール(未変性のポリビニルアルコール)などを用いることができる。これらのいずれか一方でも、両方でもよい。ポリビニルアルコールは、保護コロイドとして使用するポリビニルアルコールと同じでも異なっていてもよい。
例えば、接着剤の成分として必要なポリビニルアルコールを、保護コロイドと無機粉末の分散媒とに分割して配合するとよい。AA化PVAは、接着剤の耐水性を向上させる役割を果たす。このため、保護コロイドとしてだけでなく、無機粉末の分散媒としてもAA化PVAを用いると、接着剤の耐水性を向上させることができる。一方、AA化PVAは、酢酸ビニルモノマーの重合性を低下させる傾向がある。このため、AA化PVAの一部を保護コロイドとしてではなく、無機粉末の分散媒として用いると、接着剤に含まれるAA化PVAの総量を変えることなく、反応系におけるAA化PVA量を少なくすることができるため、耐水性を確保しつつ重合反応を促進することができる。
ちなみに、本発明の接着剤におけるAA化PVAの含有割合は、1質量%以上10質量%以下であることが望ましい。AA化PVAの含有割合が1質量%未満の場合には、耐水性が低下する。反対に、AA化PVAの含有割合が10質量%を超えると、粘度が上昇して貯蔵安定性が悪くなる。
重合工程において、酢酸ビニルモノマーを乳化重合する場合には、接着剤の耐水性および耐熱性の両方を満足するという観点から、PVA水溶液のポリビニルアルコールは、AA化PVAを含むことが望ましい。この場合、AA化PVAに加えて、他のポリビニルアルコールを併用してもよい。
また、重合工程において、酢酸ビニルモノマーとアセトアセチル基を有するモノマーとを乳化共重合する場合には、PVA水溶液のポリビニルアルコールとしてAA化PVAを含まなくても、接着剤において所望の耐水性および耐熱性を実現することができる。このため、PVA水溶液としては、未変性のポリビニルアルコールのみを用いる態様を採用することができる。勿論、AA化PVAのみを用いる態様、未変性のポリビニルアルコールとAA化PVAとの両方を用いる態様を採用してもよい。
酢酸ビニルモノマーとアセトアセチル基を有するモノマーとを乳化共重合させると、酢酸ビニルモノマーのみを乳化重合する場合と比較して、使用するAA化PVAの量が少なくても、所望の耐水性を実現することができる。このため、AA化PVAの使用量を減らして、コスト削減を図ることができる。
PVA水溶液におけるポリビニルアルコールの含有割合は、水溶液の粘度、無機粉末の添加量、保存性などを考慮して適宜決定すればよい。例えば、ポリビニルアルコールの含有割合を、1質量%以上30質量%以下にするとよい。ポリビニルアルコールの含有割合が1質量%未満の場合には、粘度が低くなり、無機粉末を分散させにくい。また、無機粉末が沈降しやすくなり、保存性が低下する。反対に、ポリビニルアルコールの含有割合が30質量%を超えると、粘度が高くなり、ペースト調製時の撹拌負荷が大きくなる。
PVA水溶液の調製は、ポリビニルアルコールの溶解性を考慮して、80℃程度に加熱して行うとよい。そして、調製されたPVA水溶液を室温程度に冷却した後、無機粉末を添加して、所定時間撹拌することにより、ペーストを調製すればよい。
(3)混合工程
本工程は、調製したペーストを、得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに配合して撹拌する工程である。
本工程においては、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに、無機粉末を含むペーストを配合して、接着剤を製造する。撹拌条件は、特に限定されない。例えば、室温下にて、30〜60分間程度撹拌すればよい。酢酸ビニル系樹脂エマルジョンには、ペースト以外にも、残りの無機粉末や、有機系顔料、増量剤、可塑剤、安定剤などを配合することができる。
<接着剤>
本発明の接着剤は、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコールを保護コロイドとする酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと、無機粉末と、を含み、上記本発明の製造方法により製造される。
本発明の接着剤は、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンおよび無機粉末に加えて、有機系顔料、増量剤、可塑剤、安定剤などを含んでいてもよい。本発明の接着剤は、家具、合板などの木材、紙、繊維などの高耐水性の接着剤として好適である。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実施例の接着剤の製造>
[重合工程(酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの製造)]
(1)第1エマルジョン
AA化PVA(日本合成化学工業(株)製「ゴーセファイマー(登録商標)Z−200」)30質量部と、未変性のポリビニルアルコール(電気化学工業(株)製「B−17」)5質量部と、を水390質量部に分散し、80℃にて1時間撹拌することにより溶解した。この水溶液に、酒石酸の10%水溶液6質量部と、過酸化水素の1.4%水溶液1質量部と、を加えた後、酢酸ビニルモノマー307質量部と、過酸化水素の1.4%水溶液9質量部と、を3時間で滴下して乳化重合を行った。重合後、そのまま80℃にて1時間熟成した後、冷却してアセトアセチル基を有する酢酸ビニル系樹脂エマルジョン(樹脂分46%)を得た。得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを、第1エマルジョンと称す。
(2)第2エマルジョン
AA化PVA(同上)7質量部と、未変性のポリビニルアルコール(同上)28質量部と、を水390質量部に分散し、80℃にて1時間撹拌することにより溶解した。この水溶液に、酒石酸の10%水溶液6質量部と、過酸化水素の1.4%水溶液1質量部と、を加えた後、酢酸ビニルモノマー293質量部と、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM)14質量部と、過酸化水素の1.4%水溶液9質量部と、を3時間で滴下して乳化共重合を行った。重合後、そのまま80℃にて1時間熟成した後、冷却してアセトアセチル基を有する酢酸ビニル系樹脂エマルジョン(樹脂分46%)を得た。得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを、第2エマルジョンと称す。
[予備分散工程(ペーストの調製)]
(1)第1ペースト
AA化PVA(同上)15質量部を水85質量部に分散し、80℃にて1時間撹拌することにより溶解した。この溶液を室温程度にまで冷却した後、重質炭酸カルシウム粉末(平均粒子径2μm)を150質量部添加して、30分間撹拌することにより、ペーストを調製した。得られたペーストを、第1ペーストと称す。
(2)第2ペースト
未変成のポリビニルアルコール(同上)15質量部を水85質量部に分散し、80℃にて1時間撹拌することにより溶解した。この溶液を室温程度にまで冷却した後、重質炭酸カルシウム粉末(同上)を150質量部添加して、30分間撹拌することにより、ペーストを調製した。得られたペーストを、第2ペーストと称す。
[混合工程]
製造した酢酸ビニル系樹脂エマルジョン(第1、第2エマルジョン)と、調製したペースト(第1、第2ペースト)と、を適宜組み合わせて、実施例1〜3および参考例1の4種類の接着剤を製造した。接着剤の製造は、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンにペーストを添加して、30分間撹拌して行った。いずれの組合せにおいても、ままこが発生することなく、重質炭酸カルシウム粉末の分散状態が良好な接着剤が得られた。各々の接着剤の配合組成については、後出の表1にまとめて示す。
<比較例の接着剤の製造>
[比較例1]
製造した第2エマルジョンに、重質炭酸カルシウム粉末(同上)150質量部を、直接添加した。しかしながら、添加した粉末がままこになり、使用できるレベルの接着剤を製造することはできなかった。
[比較例2]
製造した酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに代えて、アセトアセチル基を含有しない酢酸ビニル系樹脂エマルジョン(アイカ工業(株)製「A−322K」(樹脂分45%))を使用して、接着剤を製造した。具体的には、アセトアセチル基を含有しない酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに、調製した第2ペーストを添加して、30分間撹拌した。
<接着剤の評価>
[試験方法]
実施例および比較例の各接着剤の接着性を、以下の試験方法により評価した。まず、23℃にて、2枚のラワン合板(JAS1類相当、5プライ、12mm、ホルムアルデヒド放散量F☆☆☆☆)の各々の片面に、接着剤を90g/mずつ均一に塗布して、合板同士を貼り合わせた。堆積時間を30分間以内とし、その後0.5MPaで30分間圧締して、試験体を製造した。それから、JAS(日本農林規格)の特殊加工化粧合板の1類、2類浸せきはく離試験を行い、はく離の有無を確認した。
[試験結果]
表1に、各接着剤の配合組成、および評価結果をまとめて示す。表1中、接着性については、はく離無しを○印で、はく離有りを×印で示す。
Figure 2014205784
上述したように、重質炭酸カルシウム粉末をPVA水溶液に分散させたペーストを用いて製造した実施例1〜3、参考例1、および比較例2においては、重質炭酸カルシウム粉末が均一に分散した接着剤が得られた。一方、比較例1においては、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに重質炭酸カルシウム粉末を直接添加したため、接着剤を製造することができなかった。
また、表1に示すように、本発明の製造方法により製造された実施例1〜3の接着剤を用いた試験体については、1類、2類のいずれの浸せきはく離試験においても、はく離しなかった。しかしながら、参考例1の接着剤を用いた試験体については、2類浸せきはく離試験においてははく離しなかったが、1類浸せきはく離試験においてははく離した。参考例1の接着剤における酢酸ビニル系樹脂エマルジョンは、アセトアセチル基を有するモノマー(AAEM)を用いずに製造されており、ペーストもAA化PVAを含まない。このため、アセトアセチル基の含有量が少なくなり、耐水性が低下したと考えられる。
(2)第2ペースト
未変性のポリビニルアルコール(同上)15質量部を水85質量部に分散し、80℃にて1時間撹拌することにより溶解した。この溶液を室温程度にまで冷却した後、重質炭酸カルシウム粉末(同上)を150質量部添加して、30分間撹拌することにより、ペーストを調製した。得られたペーストを、第2ペーストと称す。

Claims (9)

  1. 酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと、無機粉末と、を含む接着剤の製造方法であって、
    アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコールを保護コロイドとして、酢酸ビニルモノマーを乳化重合し、または酢酸ビニルモノマーとアセトアセチル基を有するモノマーとを乳化共重合して、該酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得る重合工程と、
    ポリビニルアルコールを溶解した水溶液に該無機粉末の少なくとも一部を分散させてペーストを調製する予備分散工程と、
    調製した該ペーストを、得られた該酢酸ビニル系樹脂エマルジョンに配合して撹拌する混合工程と、
    を有することを特徴とする接着剤の製造方法。
  2. 前記重合工程において、酢酸ビニルモノマーを乳化重合し、
    前記予備分散工程において使用する前記ポリビニルアルコールは、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含む請求項1に記載の接着剤の製造方法。
  3. 前記重合工程において、酢酸ビニルモノマーとアセトアセチル基を有するモノマーとを乳化共重合する請求項1に記載の接着剤の製造方法。
  4. 前記予備分散工程において使用する前記ポリビニルアルコールは、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含む請求項1または請求項3に記載の接着剤の製造方法。
  5. 前記予備分散工程において使用する前記ポリビニルアルコールは、アセトアセチル化されていないポリビニルアルコールを含む請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の接着剤の製造方法。
  6. 前記重合工程において前記保護ポリマーとして使用する前記ポリビニルアルコールは、アセトアセチル化されていないポリビニルアルコールを含む請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の接着剤の製造方法。
  7. 前記予備分散工程において、前記水溶液に分散される前記無機粉末は、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、酸化チタンから選ばれる一種以上である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の接着剤の製造方法。
  8. 前記予備分散工程において、前記水溶液に分散される前記無機粉末は、炭酸カルシウムである請求項7に記載の接着剤の製造方法。
  9. アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコールを保護コロイドとする酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと、無機粉末と、を含み、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とする接着剤。
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