JP2014204576A - 車両駆動用電気機器の冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両駆動用電気機器の冷却システムにおいて、車両の衝突により冷媒循環路の構成部品が破損した場合に車両駆動用電気機器を冷却する冷却性能の低下を抑制することができることである。
【解決手段】冷却システム10は、冷媒が循環する冷媒循環路12と、冷媒循環路12に設けられて車両駆動用電気機器14を冷却する冷却器22と、冷媒循環路12において、冷却器22の直近上流側及び直近下流側に設けられた第1バルブ34及び第2バルブ38と、車両の衝突が検出された場合に第1バルブ34及び第2バルブ38を閉弁させる制御装置80とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される車両駆動用電気機器の冷却システムであって、特に車両衝突時の車両駆動用電気機器の冷却性能低下の抑制に関する。
特許文献1には、車両駆動用電気機器の冷却システムにおいて、インバータの冷却液入口付近に設けられた液温センサの検出温度に基づいて、冷却液を循環させる冷媒循環路の異常の発生の有無を判断することが記載されている。
特許文献2には、車両駆動用電気機器の冷却システムにおいて、空調装置用コンデンサの冷媒出口と膨張弁の冷媒入口との間に電気機器の冷却器を組み込むことが記載されている。
特許文献3には、車両空調装置用のエバポレータ、第1コンデンサ及び第2コンデンサを備える冷却装置において、第1コンデンサの冷媒出口と第2コンデンサの冷媒入口との間に車両駆動用のモータジェネレータ及びインバータを含む冷却部を組み込むことが記載されている。
特開2008−256313号公報 特開2011−110961号公報 特開2012−140060号公報
特許文献1に記載された冷却システムでは冷媒の温度変化で冷媒循環路の異常を判断するが、車両の軽衝突時に冷媒循環路の構成部品に破損が生じても冷媒の温度変化が生じるまではその破損を含めて異常を判断できない。このため、異常検出に時間がかかり、異常検出よりも先に、冷媒が破損個所から漏れ出るおそれがある。例えば、冷媒として揮発性の高い冷媒が用いられる場合に冷媒循環路の構成部品の異常検出よりも先に冷媒循環路内の冷媒が蒸発により失われる場合がある。冷媒循環路から冷媒が漏れ出る場合、車両駆動用電気機器を冷却する冷却性能が低下する。この冷却性能が低下した場合、車両走行性能が低下するおそれがある。特許文献1から特許文献3にこのような不都合を解消する手段は開示されていない。
本発明の目的は、車両の衝突により冷媒循環路の構成部品が破損した場合に車両駆動用電気機器を冷却する冷却性能の低下を抑制することができる車両駆動用電気機器の冷却システムを実現することである。
本発明に係る車両駆動用電気機器の冷却システムは、車両に搭載される車両駆動用電気機器の冷却システムであって、冷媒が循環する冷媒循環路と、前記冷媒循環路に設けられて前記車両駆動用電気機器を冷却する冷却器と、前記冷媒循環路において、前記冷却器の直近上流側及び直近下流側に設けられた2つのバルブと、車両の衝突が検出された場合に、前記2つのバルブを閉弁させる制御装置とを備えることを特徴とする。なお、「直近上流側」及び「直近下流側」は、冷却器の上流側または下流側とバルブとの間に、別のバルブ及び分岐流路のいずれも配置されないことを意味する。
上記構成によれば、車両の衝突が検出された場合に車両駆動用電気機器の冷却器の両側のバルブが閉弁されるので、冷却器内の冷媒量を維持しやすい。このため、車両の衝突で冷媒循環路の構成部品が破損した場合に車両駆動用電気機器の冷却性能の低下を抑制することができる。
本発明に係る車両駆動用電気機器の冷却システムにおいて、好ましくは、前記冷媒循環路に設けられた第1コンデンサ及び第2コンデンサを備え、前記2つのバルブは、前記第1コンデンサの出口と前記冷却器との間の冷媒流路に設けられた第1バルブと、前記冷却器と前記第2コンデンサの入口との間の冷媒流路に設けられた第2バルブとである。
上記構成によれば、冷媒循環路に2つのコンデンサが設けられるので冷却器に加えて冷却器以外の部品を冷却する場合でも冷却器の冷却性能低下を抑制でき、しかも衝突により2つのコンデンサのいずれで破損が生じた場合でも2つのバルブ閉鎖によって冷却器内の冷媒量を維持できる。
本発明に係る車両駆動用電気機器の冷却システムにおいて、好ましくは、前記第1バルブは、第1ポート(1)、第2ポート(2)、第3ポート(3)、及び第4ポート(4)を有する四方弁であり、前記冷媒循環路は、前記冷却器、前記第2バルブ、前記第2コンデンサ、前記第3ポート(3)、前記第4ポート(4)、前記第1コンデンサ、前記第1ポート(1)、及び前記第2ポート(2)の経路を含む。
上記構成によれば、第1バルブの第1ポート(1)と第2ポート(2)の内部結合、そして第3ポート(3)と第4ポート(4)の内部結合の場合に、冷却器、第2バルブ、第2コンデンサ、第3ポート(3)、第4ポート(4)、第1コンデンサ、第1ポート(1)、第2ポート(2)、冷却器の順に冷媒が循環する冷媒循環路が形成され、第1バルブの第1ポート(1)と第4ポート(4)の内部結合、そして第2ポート(2)と第3ポート(3)の内部結合の場合に、冷却器、第2バルブ、第2コンデンサ、第3ポート(3)、第2ポート(2)、冷却器の順に冷媒が循環する第1冷媒循環路と、第1コンデンサ、第1ポート(1)、第4ポート(4)、第1コンデンサの順に冷媒が循環する第2冷媒循環路とが形成される。
本発明に係る車両駆動用電気機器の冷却システムにおいて、好ましくは、前記第4ポート(4)と第1ポート(1)とに接続された前記第1コンデンサ側の冷媒流路に設けられた圧力センサと、前記第2ポート(2)と前記第3ポート(3)とに接続された前記冷却器側の冷媒流路に設けられた温度センサとを備え、前記冷媒は蒸気圧縮冷凍サイクル型の空調用冷媒であり、前記制御装置は、車両の衝突が検出され、前記第1バルブ及び前記第2バルブが閉弁された後において、前記圧力センサの検出圧力が所定圧力よりも低下し、かつ、前記温度センサの検出温度が所定温度以上の場合に、前記第2バルブを開弁させ、前記第1バルブを、前記第1ポート(1)と前記第4ポート(4)の内部結合、そして前記第2ポート(2)と前記第3ポート(3)の内部結合に切り替えて、前記冷却器、前記第2バルブ、前記第2コンデンサ、前記第3ポート(3)、前記第2ポート(2)、前記冷却器の順に冷媒が循環し、前記第1コンデンサから遮断される第1冷媒循環路を形成する。
上記構成によれば、車両衝突により第1コンデンサ側の流路構成部品で異常があるが、冷却器側の流路構成部品で異常がない場合に、異常個所を冷却器側の第1冷媒循環路から分離したままで第1冷媒循環路に冷媒を循環させて車両駆動用電気機器の冷却を促進できる。
本発明の車両駆動用電気機器の冷却システムによれば、車両の衝突により冷媒循環路の構成部品が破損した場合に車両駆動用電気機器を冷却する冷却性能の低下を抑制することができる。
本発明の実施形態の車両駆動用電気機器の冷却システムにおいて、冷媒循環路及び制御装置を示す図である。 図1の冷媒循環路において、四方弁の各ポートの内部結合を含んで形成される冷媒循環路の模式図である。 図1の冷媒循環路を、酷暑判定によって2つの冷媒循環路に分離する様子を示す図である。 図1の冷却システムにおいて、通常時制御と衝突時制御とを示すフローチャートである。 図1の冷媒循環路において、衝突時に第2コンデンサが破損した場合のバルブ閉鎖状態を示す図である。 本発明の実施形態の別例において、通常時制御、衝突時制御及び衝突後復帰制御とを示すフローチャートである。 図5の構成で、第1コンデンサ側の流路と第2コンデンサ側の流路とのそれぞれにおいて、衝突時に冷媒漏れが生じた場合において、衝撃加速度、冷媒圧力及び冷媒温度の検出値の時間変化を示す図である。 図6の別例において、衝突時に第1コンデンサが破損した場合のバルブ閉鎖状態を示す図である。 図8において、衝突後復帰制御によって、第1コンデンサ側から遮断される第1冷媒循環路が形成される様子を示す図である。 本発明の実施形態の別例の第2例において、通常時制御、衝突時制御、及び衝突後復帰制御とを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。以下では、車両駆動用電気機器を搭載する車両が、エンジン及び走行用モータを搭載するハイブリッド車両の場合を説明するが、これは例示であって、走行用モータを駆動源とする車両であればよい。例えば燃料電池車または電気自動車であってもよい。なお、走行用モータとして、モータ及び発電機の両方の機能を有するモータジェネレータを用いてもよい。また、以下ではすべての図面において同様の要素には同一の符号を付して説明する。
図1は、本実施形態の車両駆動用電気機器14の冷却システム10において、冷媒循環路12と制御装置80とを示している。冷却システム10は、ハイブリッド車両に搭載されPCUと呼ばれる車両駆動用電気機器14の冷却と車室内の空調とを行えるように、蒸気圧縮冷凍サイクル型の空調用冷媒で車両駆動用電気機器14を冷却する。冷媒は、代替フロンを用いることができる。なお、図1では後述する図8から図10の別例で用いられる圧力センサ72及び冷媒温度センサ74を破線で示している。以下、車両駆動用電気機器14は「PCU14」という。まず、PCU14について説明する。
PCU14は、車両駆動用の図示しない走行用モータを駆動させるためのインバータ16、DC/DCコンバータ18及びモータ制御装置20を含む。DC/DCコンバータ18は、図示しないバッテリとインバータ16との間に接続され、バッテリの直流電圧を昇圧してインバータ16に供給する。インバータ16は、DC/DCコンバータ18から供給された直流電圧を3相交流電圧に変換して走行用モータに供給して駆動する。モータ制御装置20は、後述する制御装置80により制御され、インバータ16及びDC/DCコンバータ18を介して走行用モータの駆動を制御する。インバータ16及びDC/DCコンバータ18は使用時に発熱するので、PCU14は後述する冷却器22によって冷却される。PCU14は、走行用モータを含む図示しないトランスアクスルと一体に設けられてもよい。
第1バルブ34は、第1ポート1、第2ポート2、第3ポート3及び第4ポート4を有する電磁切替式の四方弁である。第2バルブ38は電磁切替式の開閉弁である。冷媒循環路12は、冷却器22、第2バルブ38、第2コンデンサ28、第3ポート3、第4ポート4、第1コンデンサ26、第1ポート1及び第2ポート2の経路を含む。第1コンデンサ26は空調用コンデンサと呼ばれ、第2コンデンサ28は冷却器用コンデンサと呼ばれる。
第1バルブ34及び第2バルブ38は、冷媒循環路12において冷却器22の直近上流側と直近下流側とに設けられる。第1バルブ34は、第1コンデンサ26の出口P1aと冷却器22との間の第1冷媒流路30と、第2コンデンサ28の出口P2aと第1コンデンサ26の入口P1bとの間の第2冷媒流路32とに共用して設けられる。
第1冷媒流路30は配管40a,40bを含む。第2冷媒流路32は、配管42a、貯液タンク48、冷媒ポンプ50、配管42b,42c、膨張弁56、配管42d、エバポレータ60、配管42e、コンプレッサ58、及び配管42fを含む。
第2バルブ38は、冷却器22と第2コンデンサ28の入口P2bとの間の第3冷媒流路33に設けられる。第3冷媒流路33は、配管43a,43bを含む。この構成により、車両衝突検出時に第1バルブ34及び第2バルブ38を閉弁することによって、冷却器22内部の冷媒量の低下を抑制することができる。これについては、後で詳しく説明する。
第1バルブ34では、後述する制御装置80によって各ポート1,2,3,4の内部結合の切替が制御される。より具体的には、図2に示すように、第1バルブ34は、弁体94の実線位置で示す正規位置と、弁体94の破線位置で示す流路分離位置との間で切替可能である。
第1バルブ34の正規位置では、図1、図2に示すように、第1ポート1と第2ポート2の内部結合、そして第3ポート3と第4ポート4の内部結合となる。一方、図2の弁体94が破線位置となる第1バルブ34の流路分離位置では、第1ポート1と第4ポート4の内部結合、そして第2ポート2と第3ポート3の内部結合となる。制御装置80から図示しないアクチュエータに制御信号が送信されることでアクチュエータが駆動され、そのアクチュエータにより弁体94が回転することにより、第1バルブ34の切替が行われる。第1バルブ34の正規位置では通常時の冷媒循環路12(図1)が形成され、第1バルブ34の流路分離位置では、図3に示すように、互いの流通が遮断される第1冷媒循環路44と第2冷媒循環路46とが形成される。これについては後で詳しく説明する。
第1バルブ34は、制御装置80(図1)により制御されて、図2に一点鎖線で示すように、各ポート1,2,3,4が内部で別のいずれのポートに対しても遮断される閉弁状態にも切替可能である。図5において、第1バルブ34で丸の内部にXを示す状態は、閉弁状態である。なお、第1バルブ34は、図2のように弁体94の回転によりポートの内部結合を切り替えるロータリ式の四方弁に限定するものではなく、各ポートが内部で別のいずれのポートに対しても遮断される閉弁状態に切替可能な構造を有するものであれば、スプールの移動によりポートの内部結合を切り替えるスプール式の四方弁としてもよい。
貯液タンク48は、第2コンデンサ28の出口P2aに配管42aで接続され、第2コンデンサ28から流入した液状冷媒を貯留する。冷媒ポンプ50は、貯液タンク48の出口に一体に接続され、図示しないモータまたはエンジンを動力源として駆動され、その駆動は後述する制御装置80によって制御される。冷媒ポンプ50は、駆動時に貯液タンク48から吸引した液状冷媒を膨張弁56に送り出す。冷媒ポンプ50は、貯液タンク48と配管を介して接続してもよい。膨張弁56は、減圧した液状冷媒をエバポレータ60に送り出す。
エバポレータ60は、複数のチューブと、チューブ間に設けられたフィンとを含み、膨張弁56から流入した低温の液状冷媒をチューブ内部の内部流路に通過させる。エバポレータ60が配置される空調ダクト内に空調用ブロア62が設けられ、空調用ブロア62の駆動により、エバポレータ60の外側に空気が通過する。エバポレータ60は、外側を通過する空気と内部流路を流れる液状冷媒との間で熱交換を行わせる。エバポレータ60の外側を通過した空気は冷却風として車室内に吹き出され車室内を冷却する。エバポレータ60内部を流れる液状冷媒は、熱交換によって気化されてガス状冷媒となる。エバポレータ60及び膨張弁56により空調ユニット54が形成される。
コンプレッサ58は、図示しないモータまたはエンジンを動力源として駆動され、その駆動は後述する制御装置80によって制御される。コンプレッサ58は、駆動時にエバポレータ60から流入したガス状冷媒を吸入圧縮し、ガス状冷媒を吐出する。
第1コンデンサ26は、車両の前側に走行風の取り込みを可能に配置され、複数のチューブと、チューブ間に設けられたフィンとを有するコンデンサ本体64及び過冷却部66と、コンデンサ本体64及び過冷却部66に取り付けられたレシーバ68及び液面計70とを含む。コンデンサ本体64は、コンプレッサ58から吐出され、入口P1bから送り込まれた高温のガス状冷媒をチューブ内部の内部流路に通過させ、ガス状冷媒と外側を通過する空気との間で熱交換を行わせる。この場合、コンデンサ本体64内を流れるガス状冷媒は、外側を流れる空気と熱交換を行うことで凝縮して低温の液状冷媒となる。コンデンサ本体64の出口から流出した液状冷媒は、レシーバ68で液状冷媒とガス冷媒とに分離され、液状冷媒のみが過冷却部66に通過する。
過冷却部66は、液状冷媒をチューブ内部の内部流路に通過させ、液状冷媒と外側を通過する空気との間での熱交換を行わせる。この場合、液状冷媒はさらに温度低下する。過冷却部66の出口P1aは、第1バルブ34の第1ポート1に配管40aで接続される。過冷却部66の出口P1aから流出した液状冷媒は、第1バルブ34に流出される。液面計70は、液状冷媒量を目視で確認可能な確認部を有する。第1バルブ34の第2ポート2は、冷却器22に配管40bで接続される。
冷却器22は、内部流路を流れる低温の液状冷媒で冷却器22全体を冷却し、冷却器22に隣接するPCU14を冷却する。冷却器22は、PCU14を収容するケース内部を通過するように設けられた内部流路を有し、内部流路を流れる冷媒によってPCU14の構成部品を冷却するように形成してもよい。なお、冷却器22は、PCU14だけでなく、PCU14の近傍に配置される走行用モータを冷却するように形成されてもよい。
第2バルブ38は、冷却器22の直近下流側に設けられ、制御装置80により開閉が制御される電磁弁であり、開弁と閉弁との2段階で切替可能である。図1のように第2バルブ38を表す三角形が白である場合、第2バルブ38は開弁状態であり、図5のように第2バルブ38の三角形が黒である場合、第2バルブ38は閉弁状態である。なお、第1バルブ34及び第2バルブ38は、冷却器22に対し距離的にすぐ近くに配置されるのが好ましいが、冷却器22と第1バルブ34及び第2バルブ38との間の配管40b、43aが、車両衝突時でも潰れにくい車両内空間に配置されるのであれば、冷却器22から距離的に近い構成には限定しない。
第2コンデンサ28は、車両の前側に走行風の取り込みを可能に配置される。例えば第2コンデンサ28は、第1コンデンサ26とともに、冷却器22の前側に配置されるエンジン冷却用の図示しないラジエータのさらに前側に配置される。
第2コンデンサ28は、複数のチューブと、チューブ間に設けられたフィンとを含むコンデンサ本体75及び過冷却部76と、コンデンサ本体75及び過冷却部76に取り付けられたレシーバ77及び液面計78とを含む。コンデンサ本体75は、第2バルブ38から流入した液状冷媒をチューブ内部の内部流路に通過させ、液状冷媒と外側を通過する空気との間で熱交換を行わせる。この場合、コンデンサ本体75及び過冷却部76の内部を流れる液状冷媒は、外側を流れる空気と熱交換を行うことで温度低下する。第1コンデンサ26を通過した冷媒が冷却器22を通過することで温度上昇した場合に、第2コンデンサ28で再び温度低下する。レシーバ77及び液面計78の構成は、第1コンデンサ26の場合と同様である。また、第1コンデンサ26及び第2コンデンサ28は同じ冷却性能を持つものを用いてもよい。一方、第1コンデンサ26は、後述するように第1バルブ34の流路分離位置への切替で、PCU14の冷却よりも高い冷却性能が要求される空調専用として用いられるので、第1コンデンサ26の冷却性能を第2コンデンサ28の冷却性能よりも高くしてもよい。
衝突加速度センサ24は、冷却器22に固定され、制御装置80が有する車両衝突判定部82とともに車両衝突検出手段を形成する。衝突加速度センサ24は、センサ部品で発生する加速度を衝撃加速度として、その検出値を表す信号を制御装置80に送信する。衝突加速度センサ24は冷却器22に固定する構成に限定するものではなく、車体に固定された部品であれば、いずれの部品に衝突加速度センサ24が固定されてもよい。
室内温度センサ92は、車室内の温度を検出し、その検出温度を表す信号を制御装置80に送信する。
制御装置80は、HVコントローラとも呼ばれるもので、CPU、メモリを有するマイクロコンピュータを含む。制御装置80は、図示しないアクセルペダルセンサからペダル操作量を表す信号が入力され、図示しない車速センサから車速の検出値を表す信号を含む複数の信号が入力され、モータ制御装置20及び図示しないエンジン制御装置を制御し、走行用モータ及びエンジンの動作を制御する。なお、制御装置80は、走行用モータ及びエンジンの動作を制御する制御装置とは別の制御装置としてもよい。
制御装置80は、車両衝突判定部82と、バルブ制御部84とを有する。車両衝突判定部82は、衝突加速度センサ24が検出した衝撃加速度が予め設定された所定値以上である場合に、車両が図示しない何らかの物体に衝突して所定以上の衝撃を受けたと判定し、車両の衝突が発生したことを検出し、衝突検出をバルブ制御部84に出力する。
バルブ制御部84は、車両衝突判定部82によって車両の衝突が検出された場合に、後述する図4のように、第1バルブ34及び第2バルブ38を閉弁させる。
バルブ制御部84は、室内温度センサ92の検出温度が予め設定した所定温度以上である場合に酷暑状態であると判定して、第1バルブ34を図3の流路分離切替位置に切り替える機能も有する。
上記の冷却システム10によれば、図2に実線で弁体94を示すように、第1バルブ34は正規位置となり、コンプレッサ58及び冷媒ポンプ50の駆動により図1に実線矢印で示す方向に冷媒循環路12に冷媒が循環する。この場合、冷媒が冷却器22、第2バルブ38、第2コンデンサ28、貯液タンク48、冷媒ポンプ50、第1バルブ34の第3ポート3、第4ポート4、膨張弁56、エバポレータ60、コンプレッサ58、第1コンデンサ26、第1バルブ34の第1ポート1、第2ポート2、冷却器22の順に循環する冷媒循環路12が形成される。この場合、冷媒は、気相、または液相、または気液混合状態に相変化する。
一方、室内温度センサ92の検出温度から酷暑と判定された場合、図2のように弁体94が破線位置となり、第1バルブ34は流路分離位置に切り替えられる。この場合、図3に示すように、第1冷媒循環路44と第2冷媒循環路46とが形成される。第1冷媒循環路44では、図3に矢印αで示すように、冷媒が冷却器22、第2バルブ38、第2コンデンサ28、貯液タンク48、冷媒ポンプ50、第1バルブ34の第3ポート3、第2ポート2、冷却器22の順に循環する。第2冷媒循環路46では、矢印βで示すように、冷媒が第1コンデンサ26、第1バルブ34の第1ポート1、第4ポート4、膨張弁56、エバポレータ60、コンプレッサ58、第1コンデンサ26の順に循環する。この場合、第1冷媒循環路44では冷媒ポンプ50が冷媒を循環させ、第2冷媒循環路46では、コンプレッサ58が冷媒を循環させる。
次に、冷却システム10を用いて通常時制御と衝突時制御とを行う方法を、図4に示すフローチャートを用いて説明する。図4に示す制御方法は制御装置80に記憶されたプログラムで実行されてもよい。まず、ステップS10(以下、ステップは単にSという。)において、車両衝突判定部82は、今回時点までの最大衝撃加速度を表す「最大G」に初期値0を設定する。S12では、衝突加速度センサ24が検出した衝撃加速度が制御装置80に入力される。
車両衝突判定部82によって、S14で最大Gが今回G未満であるか否かが判定される。「今回G」は、今回の制御周期で検出された衝撃加速度である。S14の判定結果が否定である場合にはS18に移行する。一方、S14の判定結果が肯定である場合、今回Gが最大Gを超えているので、最大Gがより大きい今回Gで更新される。一方、S14の判定結果が否定の場合、今回Gが最大G以下であるので最大Gが維持される。このため、今回までで最大の衝撃加速度が最大Gとして設定される。
S18では車両衝突判定部82によって、最大Gが所定値A未満か否かが判定され、その判定結果が肯定の場合には、車両衝突がない通常時と判定され(S19)、S20からS26の通常時制御を行う。S20では第2バルブ38が開弁され、S22では第1バルブ34が正規位置となる。続いて、コンプレッサ58が駆動され(S24)、冷媒ポンプ50が駆動される(S26)。
一方、S18の判定結果が否定の場合には、最大Gが所定値A以上であり、車両の衝突が検出されたと判定され(S27)、S28からS34の衝突時制御を行う。S28では第2バルブ38が閉弁され、S30では第1バルブ34が閉弁される。次に、コンプレッサが駆動停止され(S32)、冷媒ポンプの駆動も停止される(S34)。S26またはS34の処理後では、S12に戻って、上記の処理が繰り返される。
上記の冷却システム10によれば、車両衝突検出手段によって車両の衝突が検出された場合にPCU14を冷却する冷却器22の両側の第1バルブ34及び第2バルブ38が閉弁されるので、冷却器22内の冷媒量を維持しやすい。このため、車両の衝突で冷媒循環路12の構成部品が破損した場合にPCU14を冷却する冷却性能の低下を抑制することができる。このため、車両走行性能の低下を抑制できる。一方、PCU14が所望状態に冷却されない場合に制御装置80で部品の保護のために出力制限を行うこともできるが、この場合には車両の走行性能が大きく低下する場合がある。本発明では、PCU14の冷却性能の低下を抑制することができるので、車両の加速性能を含む走行性能の低下を抑制できる。
図5は、冷媒循環路12において、車両衝突時に第2コンデンサ28が破損した場合のバルブ閉鎖状態を示している。この場合、車両衝突の検出により迅速に、冷却器22の両側の第1バルブ34及び第2バルブ38が閉弁されるので、第2コンデンサ28が破損しているのにもかかわらず、冷却器22内から破損個所を通じて冷媒が漏れ出ることが抑制され、冷却器22内の冷媒量を維持しやすい。車両衝突時に、図5の場合以外に、後述の図8のように第1コンデンサ26で破損が生じた場合、または冷却器22を挟んで第1バルブ34と第2バルブ38との間以外の配管で破損が生じる場合もあるが、この場合でも、冷却器22内の冷媒量を維持しやすい。
また、冷媒状態として冷媒温度を検出する温度センサの検出値から、冷媒循環路12の構成部品の異常を判断し、その異常が判断された場合に冷却器22両側の弁を閉弁する構成の場合と異なり、本発明では冷媒状態の異常をセンサで検出するよりも先に、第1バルブ34及び第2バルブ38を閉弁できる。このため、車両の衝突で冷媒循環路12の構成部品が破損した場合にPCU14の冷却性能の低下を迅速に抑制できる。したがって、車両が軽度の衝突でエンジン及び走行用モータを含む動力源と、動力源の動力を車輪に伝達する動力伝達部と、車輪の支持部とを含めて走行用の部品に問題がない場合に、車両の自力走行を行える可能性が高くなる。また、冷却器22内部からの冷媒の外部放出を抑制できるので、冷媒が地球温暖化効果ガスである場合にそのガスの大気への悪影響を抑制できる。
また、冷媒循環路12に第1コンデンサ26及び第2コンデンサ28が設けられるので、冷却器22に加えて冷却器22以外の部品としてエバポレータ60を冷却し、エバポレータ60を通過する空気を冷却する場合でも冷却器22の冷却性能低下を抑制できる。しかも衝突により2つのコンデンサ26,28のいずれで破損が生じた場合でも第1バルブ34及び第2バルブ38の閉鎖によって冷却器22内の冷媒量を維持できる。
また、図4のフローチャートで説明した制御方法によれば、衝突加速度センサ24で今回検出された衝撃加速度が前回以前の最大Gを越える場合にだけ最大Gが今回Gに更新されるので、一度最大Gが衝突検出のための所定値Aを超えた場合には、冷却器22両側の第1バルブ34及び第2バルブ38の閉弁が維持されたままとなる。このため、衝撃加速度が低下した後でも冷却器22の内部の冷媒を維持できる。なお、最大Gの初期設定を、車両に設けられた図示しないリセットスイッチを含むリセット手段で行えるようにしてもよい。この場合、修理工場で冷媒循環路12の構成部品の破損が修理された後に、リセット手段の操作により最大Gの初期設定を行うことが可能になる。後述する最小T、最小P、最大ΔT、最大ΔPの場合も同様である。
図6は、本発明の実施形態の別例において、通常時制御、衝突時制御及び衝突後復帰制御とを示すフローチャートである。本例では、上記の図1から図3で示した構成において、冷媒循環路12に圧力センサ72と冷媒温度センサ74とが設けられる。
圧力センサ72は、第1バルブ34の第4ポート4と第1ポート1とに接続された第1コンデンサ26側の冷媒流路において、第2冷媒流路32の配管42cに設けられる。圧力センサ72は、配管42c内の冷媒圧力を検出し、その検出圧力を表す信号を制御装置80に送信する。圧力センサ72は、配管42c以外で、第2冷媒流路32の第1バルブ34よりも第1コンデンサ26側の配管42d,42e,42fのいずれかか、または第1冷媒流路30の配管40aに設けてもよい。
冷媒温度センサ74は、第1バルブ34の第2ポート2と第3ポート3とに接続された冷却器22側の冷媒流路において、第2冷媒流路32の配管42aに設けられる。冷媒温度センサ74は、配管42a内の冷媒温度を検出し、その検出温度を表す信号を制御装置80に送信する。冷媒温度センサ74は、配管42a以外で、第1冷媒流路30の配管40bか、または第2冷媒流路32の配管42bか、または第3冷媒流路33の配管43aまたは配管43bに設けてもよい。
制御装置80は、車両の衝突が検出され、第1バルブ34及び第2バルブ38が閉弁された後において、圧力センサ72の検出圧力Pが所定圧力Cよりも低下し(P<C)、かつ、冷媒温度センサ74の検出温度Tが所定温度B以上(T≧B)の場合に「衝突後復帰制御」を実行する。「衝突後復帰制御」は、第1コンデンサ26側の流路構成部品で異常が生じているが、冷却器22側の流路構成部品で異常が生じていない場合の制御であり、制御装置80が第2バルブ38を開弁させ、第1バルブ34を図9の流路分離切替位置に切り替える。
このような構成により、後で詳しく説明するように車両衝突により第1コンデンサ26側の流路構成部品で異常が生じているが、冷却器22側の流路構成部品で異常が生じていない場合に、異常発生個所を冷却器22側と分離したままで第1冷媒循環路44に冷媒を循環させてPCU14の冷却を促進することが可能となる。
次に、図6に示すフローチャートを用いて、通常時制御、衝突時制御及び衝突後復帰制御を説明する。まず、S40において、車両衝突判定部82は、今回時点までの最大Gと、今回時点までの最小Tと、今回時点までの最小Pとに初期値0を設定する。「最小T」は、冷媒温度センサ74の検出温度Tの最低値である。「最小P」は、圧力センサ72の検出圧力Pの最小値である。
S42では、制御装置80で、衝突加速度センサ24、冷媒温度センサ74、圧力センサ72から加速度、冷媒温度、冷媒圧力が取得される。冷媒温度及び冷媒圧力の検出値は、予め設定された期間として数秒間連続して制御装置80で取得して、冷媒温度及び冷媒圧力のそれぞれを平均化して求めてもよい。S44からS48の処理は、図4のS14からS18の処理と同様である。S48において、判定結果が否定であり、最大Gが所定値A以上の場合には車両の衝突が検出された場合であるので、衝突時制御が行われる(S50)。この衝突時制御の処理は、図4のS28からS34の処理と同様である。一方、S44の判定結果が肯定の場合、S58に移行する。
S50の処理後では、S52において、最小Tが今回Tよりも大きいか否かが判定される。「今回T」は、今回の制御周期で検出された冷媒温度である。S52の判定結果が否定である場合にはS56に移行する。一方、S52の判定結果が肯定である場合、今回Tが最小T未満であるので、最小Tがより小さい今回Tで更新される。一方、S52の判定結果が否定の場合、今回Tが最小T以上であるので最小Tが維持される。
S56ではバルブ制御部84によって、最小Tが所定値B以上か否かが判定され、その判定結果が否定の場合には、上記の図5の場合と同様に、第2コンデンサ28側の流路構成部品で破損が生じていると判断され、第1バルブ34及び第2バルブ38の閉弁が維持された状態でS42に戻る。
S56の判定でこのように判断される理由を説明する。図7は、図5の構成で、第2コンデンサ28側の流路と、第1コンデンサ26側の流路とに衝突時に冷媒漏れが生じた場合において、衝撃加速度、冷媒圧力及び冷媒温度の検出値の時間変化を示している。この場合、時間t1で衝撃加速度の急上昇が生じているので衝突が発生したと判断される。
また、時間t2で冷媒温度が急激に減少している。この理由は、揮発性の高い空調用冷媒が流路から外部に漏れると冷媒の気化が促進されるので気化熱の吸収で周囲が冷却されて検出温度が短時間で低下するためである。このため、温度低下によって冷媒温度センサ74が配置される第2コンデンサ28側の流路構成部品で破損が生じて冷媒漏れが発生していると判断される。この場合、冷媒温度が予め任意に設定した所定値B未満で冷媒漏れが生じたと判断することが可能であり、図6のS56の判定結果が否定となり、最小Tが所定値B未満となる(最小T<B)ことで、第2コンデンサ28側で破損が生じていると判断でき、第1バルブ34及び第2バルブ38の閉弁を維持する。
図6に戻って、S56で判定結果が肯定の場合、最小Pが今回検出された冷媒圧力である今回Pよりも大きいか否かが判定され(S58)、判定結果が否定である場合にはS60に移行する。一方、S58の判定結果が肯定である場合、S59で今回Pが最小P未満であるので、最小Pがより小さい今回Pで更新される。一方、今回Pが最小P以上の場合には最小Pが維持される。
S60ではバルブ制御部84によって、最小Pが所定値C未満か否かが判定され、その判定結果が肯定の場合には、S61からS63の衝突後復帰制御を行う。この場合、図8で示すように、第2コンデンサ28側の流路構成部品で破損はないが、第1コンデンサ26側の流路構成部品で破損が生じて冷媒漏れが発生していると判断される。衝突後復帰制御では、図6のS61で第2バルブ38が開放され、S62で第1バルブ34が分離モードとして、図9の流路分離位置に切り替えられる。この場合、冷媒循環路12(図1)が第1バルブ34で第1コンデンサ26側の流路と、第1冷媒循環路44とに分離される。次に、図6のS63で冷媒ポンプが駆動され、図9の実線矢印のように第1冷媒循環路44に冷媒を循環させる。
S60の判定で第1コンデンサ26側の流路構成部品で破損が生じていると判断される理由を図7で説明する。図7では、時間t1で衝撃加速度の急上昇が生じた後、時間tAで冷媒圧力が急激に減少している。この理由は、圧力センサ72が配置される第1コンデンサ26側の流路構成部品で破損が生じて冷媒漏れが発生しているためである。この場合、冷媒圧力が予め任意に設定した所定値C未満で冷媒漏れが生じたと判断することが可能であり、図6のS60の判定で最小Pが所定値C未満となる(最小P<C)ことで、第1コンデンサ26側で破損が生じていると判断できる。kのS60では、S56の冷媒温度センサ74の検出温度を用いた判定で第2コンデンサ28側で冷媒漏れが生じていないと判断された場合か、S48で衝突検出がされない場合である。このため、図9のように第1バルブ34の冷媒流路分離位置で、第1冷媒循環路44に冷媒を循環させる。
一方、図6のS60の判定結果が否定の場合には、冷媒循環路12のいずれにも冷媒漏れが発生していないと判断されるので、S64からS70の通常時制御を行う。この通常時制御は、S20からS26と同様であるが、S66では「第1バルブ任意モード」として、室内温度センサ92(図1)の検出温度を制御装置80で取得し、その検出温度に応じて第1バルブ34を正規位置(図1)と流路分離位置(図3)との間で切り替える。図6のS63、S70の処理後ではS42に戻って上記の処理を繰り返す。
上記の冷却システム10によれば、図9のように車両衝突により第1バルブ34よりも第1コンデンサ26側の流路構成部品で異常があるが、冷却器22側の流路構成部品で異常がない場合に、冷却器22側の第1冷媒循環路44を異常が生じた第1コンデンサ26側から遮断できる。このため、異常個所を第1冷媒循環路44から分離したままで第1冷媒循環路44に冷媒を循環させてPCU14の冷却を促進できる。その他の構成及び作用は、上記の図1から図5の構成と同様である。
図10は、本発明の実施形態の別例の第2例において、通常時制御、衝突時制御、及び衝突後復帰制御とを示すフローチャートである。本例の制御装置80は、車両の衝突が検出され、第1バルブ34及び第2バルブ38が閉弁された後において、圧力センサ72の検出圧力低下の時間変化率が所定値よりも増大し、かつ、冷媒温度センサ74の検出温度低下の時間変化率が所定値以下の場合に「衝突後復帰制御」を実行する。このような構成の場合も上記の図6から図9の構成と同様に、車両衝突により異常が生じた異常発生個所を、異常がない第1冷媒循環路44から分離した状態で、第1冷媒循環路44に冷媒を循環させることが可能となる。
次に、図10に示すフローチャートを用いて、通常時制御、衝突時制御及び衝突後復帰制御を説明する。本例では、温度、圧力の検出値自体を用いた判定ではなく、温度、圧力低下の時間変化率を用いて冷媒漏れを判断する。上記の図7で示すように冷媒流路で冷媒漏れが生じた場合、冷媒温度、冷媒圧力のそれぞれの低下の時間変化率が大きくなる。本例ではこの時間変化率の増大で冷媒漏れを判断し、冷媒漏れが生じたと判断した場合に衝突時制御または衝突後復帰制御を行う。
まず、図10のS80において、車両衝突判定部82は、今回時点までの最大Gと、今回時点までの最大ΔTと、今回時点までの最大ΔPとに初期値0を設定する。「最大ΔT」は、冷媒温度センサ74の検出温度低下の時間変化率における最大値である。「最大ΔP」は、圧力センサ72の検出圧力低下の時間変化率における最大値である。
図10のS82からS90は、図6のS42からS50と同様である。S92では予め設定した所定期間での検出温度Tの変化から、冷媒温度センサ74の検出温度低下の時間変化率であるΔTを算出する。S92では、制御装置80の算出部で検出温度Tを予め設定された期間として数秒間連続して取得して、検出温度Tの低下の時間変化率の平均化したものをΔTとして求めてもよい。S94からS96の処理は、図6の最小Tを最大ΔTに置き換えて、今回Tを今回ΔTに置き換えて大小関係を逆にした処理と同様である。S98では、最大ΔTが所定値Ba以下か否かが判定され、その判定結果が否定の場合には、温度低下の時間変化率の最大値が過大であるので、第2コンデンサ28側の流路構成部品で破損が生じていると判断され、第1バルブ34及び第2バルブ38の閉弁が維持された状態でS82に戻る。
S98での判定結果が肯定の場合、S100で予め設定した所定期間での検出圧力Pの変化から、圧力センサ72の検出圧力低下の時間変化率であるΔPを算出する。S100では、制御装置80の算出部で検出圧力Pを予め設定された期間として数秒間連続して取得して、検出圧力Pの低下の時間変化率の平均化したものをΔPとして求めてもよい。S102からS104の処理は、図6の最小Pを最大ΔPに置き換えて、今回Pを今回ΔPに置き換えて大小関係を逆にした処理と同様である。S106では、最大ΔPが所定値Caを上回るか否かが判定され、その判定結果が肯定の場合には、図8で示したように、第2コンデンサ28側の流路構成部品で破損はないが、第1コンデンサ26側の流路構成部品で破損が生じて冷媒漏れが発生していると判断される。この場合、S108からS112の衝突後復帰制御を行う。
一方、S106の判定結果が否定の場合には、S114からS120の通常時制御を行う。その他の構成及び作用は、上記の図6から図9の構成と同様である。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。例えば第1バルブとして単なる電磁切替式の開閉弁を用いて、衝突検出により制御装置80により閉鎖されるように構成してもよい。
また、上記では、衝突検出手段を衝突加速度センサ24と車両衝突判定部82とにより形成しているが、衝突検出手段は、検出した衝撃加速度が所定値以上の場合に衝突発生を検出する機能を持つセンサにより形成してもよい。この場合、センサの検出信号が制御装置に入力され、制御装置がその衝突発生の検出に応じて第1バルブ34及び第2バルブ38を閉弁する。
1 第1ポート、2 第2ポート、3 第3ポート、4 第4ポート、10 冷却システム、12 冷媒循環路、14 車両駆動用電気機器(PCU)、16 インバータ、18 DC/DCコンバータ、20 モータ制御装置、22 冷却器、24 衝突加速度センサ、26 第1コンデンサ、28 第2コンデンサ、30 第1冷媒流路、32 第2冷媒流路、33 第3冷媒流路、34 第1バルブ、38 第2バルブ、40a,40b 配管、42a〜42f 配管、43a,43b 配管、44 第1冷媒循環路、46 第2冷媒循環路、48 貯液タンク、50 冷媒ポンプ、54 空調ユニット、56 膨張弁、58 コンプレッサ、60 エバポレータ、62 空調用ブロア、64 コンデンサ本体、66 過冷却部、68 レシーバ、70 液面計、72 圧力センサ、74 冷媒温度センサ、75 コンデンサ本体、76 過冷却部、77 レシーバ、78 液面計、80 制御装置、82 車両衝突判定部、84 バルブ制御部、92 室内温度センサ、94 弁体。

Claims (4)

  1. 車両に搭載される車両駆動用電気機器の冷却システムであって、
    冷媒が循環する冷媒循環路と、
    前記冷媒循環路に設けられて前記車両駆動用電気機器を冷却する冷却器と、
    前記冷媒循環路において、前記冷却器の直近上流側及び直近下流側に設けられた2つのバルブと、
    車両の衝突が検出された場合に、前記2つのバルブを閉弁させる制御装置とを備えることを特徴とする車両駆動用電気機器の冷却システム。
  2. 請求項1に記載の車両駆動用電気機器の冷却システムにおいて、
    前記冷媒循環路に設けられた第1コンデンサ及び第2コンデンサを備え、
    前記2つのバルブは、前記第1コンデンサの出口と前記冷却器との間の冷媒流路に設けられた第1バルブと、前記冷却器と前記第2コンデンサの入口との間の冷媒流路に設けられた第2バルブとであることを特徴とする車両駆動用電気機器の冷却システム。
  3. 請求項2に記載の車両駆動用電気機器の冷却システムにおいて、
    前記第1バルブは、第1ポート(1)、第2ポート(2)、第3ポート(3)、及び第4ポート(4)を有する四方弁であり、
    前記冷媒循環路は、前記冷却器、前記第2バルブ、前記第2コンデンサ、前記第3ポート(3)、前記第4ポート(4)、前記第1コンデンサ、前記第1ポート(1)、及び前記第2ポート(2)の経路を含むことを特徴とする車両駆動用電気機器の冷却システム。
  4. 請求項3に記載の車両駆動用電気機器の冷却システムにおいて、
    前記第4ポート(4)と前記第1ポート(1)とに接続された前記第1コンデンサ側の冷媒流路に設けられた圧力センサと、
    前記第2ポート(2)と前記第3ポート(3)とに接続された前記冷却器側の冷媒流路に設けられた温度センサとを備え、
    前記冷媒は蒸気圧縮冷凍サイクル型の空調用冷媒であり、
    前記制御装置は、車両の衝突が検出され、前記第1バルブ及び前記第2バルブが閉弁された後において、前記圧力センサの検出圧力が所定圧力よりも低下し、かつ、前記温度センサの検出温度が所定温度以上の場合に、前記第2バルブを開弁させ、前記第1バルブを、前記第1ポート(1)と前記第4ポート(4)の内部結合、そして前記第2ポート(2)と前記第3ポート(3)の内部結合に切り替えて、前記冷却器、前記第2バルブ、前記第2コンデンサ、前記第3ポート(3)、前記第2ポート(2)、前記冷却器の順に冷媒が循環し、前記第1コンデンサから遮断される第1冷媒循環路を形成することを特徴とする車両駆動用電気機器の冷却システム。
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