JP2014201676A - 樹脂複合材料の製造方法 - Google Patents

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弥 鳴田
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Abstract

【課題】薄片化黒鉛を樹脂中に均一に分散させ得る樹脂複合材料の製造方法を提供する。【解決手段】樹脂中にフィラーが分散されている樹脂複合材料の製造方法であって、樹脂に、第1のフィラーとしてアスペクト比が80〜1500の範囲にある薄片化黒鉛を混練により分散させるに際し、薄片化黒鉛以外のフィラーであって、アスペクト比が6以下である第2のフィラーを同時に混練する、樹脂複合材料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂中にフィラーが分散されている樹脂複合材料の製造方法に関し、特に、フィラーとして薄片化黒鉛が用いられている樹脂複合材料の製造方法に関する。
樹脂の物性を高めるために、樹脂にフィラーを分散させてなる樹脂複合材料が種々提案されている。例えば下記の特許文献1には、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂に、薄片化黒鉛などの炭素材料を添加してなる樹脂複合材料が開示されている。薄片化黒鉛は、アスペクト比の大きな平板状のナノフィラーとして注目を集めている。
特開2010−254822号公報
薄片化黒鉛は平板状であり、アスペクト比が大きいため、凝集しやすい。また、薄片化黒鉛はグラフェン積層体である。従って、π−πスタッキングが生じるので、他の平板状ナノフィラーに比べて、薄片化黒鉛は極めて凝集しやすい。よって、薄片化黒鉛を樹脂と混練したとしても、薄片化黒鉛を均一に分散させることが困難であった。そのため、薄片化黒鉛の添加による物性改善効果が充分に得られ難かった。
本発明の目的は、薄片化黒鉛を樹脂中に均一に分散させることを可能とする樹脂複合材料の製造方法を提供することにある。
本発明に係る樹脂複合材料の製造方法は、樹脂中にフィラーが分散されている樹脂複合材料の製造方法である。本発明では、樹脂に第1のフィラーとしてアスペクト比が80〜1500の範囲にある薄片化黒鉛を混練により分散させるに際し、アスペクト比が6以下であり、薄片化黒鉛以外のフィラーからなる第2のフィラーを同時に混練する。
本発明に係る樹脂複合材料の製造方法では、上記第2のフィラーとしては、好ましくは無機フィラーが用いられる。より好ましくは、第2のフィラーは、マイカ、タルク、シリカ、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択された少なくとも1種である。
本発明においては、好ましくは、第2のフィラーと第1のフィラーとの重量比は0.2〜10の範囲内である。
本発明においては、上記樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。
本発明に係る樹脂複合材料の製造方法によれば、アスペクト比が小さい第2のフィラーが同時に混練されるため、混練により解枠された薄片化黒鉛の再凝集を効果的に抑制することができる。従って、薄片化黒鉛が均一に分散された樹脂複合材料を提供することが可能となる。
以下、本発明の詳細を説明する。
(樹脂)
本発明に係る樹脂複合材料の製造方法において用いられる樹脂は特に限定されない。すなわち、樹脂として、合成樹脂、天然樹脂または半合成樹脂などを適宜用いることができる。上記合成樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いてもよく、熱硬化性樹脂を用いても良い。好ましくは、溶融混練により薄片化黒鉛を分散させやすいため、熱可塑性樹脂が望ましい。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、公知の種々の熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネート、これらで重合されているモノマー成分のうちの少なくとも2種のモノマー成分の共重合体などが挙げられる。樹脂複合材料に含まれる熱可塑性樹脂は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンは安価であり、加熱下の成形が容易である。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ブテン単独重合体、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンの単独重合体または共重合体などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。
より好ましくは、上記ポリオレフィンとして、MFR(JIS K7210に準拠し温度190℃、荷重2.16kgfの条件で測定)が0.1〜20g/10分であるポリプロピレン、MFR(JIS K7210に準拠し温度190℃、荷重2.16kgfの条件で測定)が0.1〜20g/10分であるポリエチレンまたはこれらの混合物が用いられる。その場合には、耐衝撃性を効果的に高めることができる。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリイミドなどを挙げることができる。
(薄片化黒鉛)
本発明において、薄片化黒鉛とは、グラフェンシートの積層体である。薄片化黒鉛は、黒鉛を剥離処理することにより得られる。すなわち、薄片化黒鉛は、元の黒鉛よりも薄い、グラフェンシートの積層体である。
本発明で用いられる薄片化黒鉛は、アスペクト比が80〜1500の範囲にあることが必要であり、100〜1000の範囲がより好ましい。なお、本発明において薄片化黒鉛のアスペクト比とは、薄片化黒鉛の厚みに対する薄片化黒鉛の積層面方向における最大寸法の比をいう。
アスペクト比が80以上の場合、薄片化黒鉛は凝集しやすくなるが、本発明により、第2のフィラーの添加効果によって80以上のアスペクト比の薄片化黒鉛を確実に均一に分散させることができる。また、アスペクト比が1500以下であるため、混練中に壊れ難い。
上記のように本発明で用いられる薄片化黒鉛はアスペクト比が大きい。そのため、樹脂中に均一に分散されると、薄片化黒鉛におけるグラフェンシート積層面に交差する方向に加わる外力に対する補強効果を充分に高めることができる。
薄片化黒鉛におけるグラフェンシートの積層数は、2以上である。樹脂複合材料の引張弾性率等の機械的強度を効果的に高める観点から、積層数は、1000以下であることが好ましく、150以下であることがより好ましい。
薄片化黒鉛の平均粒子径は、0.1〜50μm程度であることが好ましい。なお、薄片化黒鉛の平均粒子径は、粒度分布測定装置によって測定した値である。
薄片化黒鉛は、市販品が入手可能であり、従来公知の方法により製造することもできる。例えば、薄片化黒鉛は、黒鉛の層間に硝酸イオンなどのイオンを挿入した後に加熱処理する化学的処理方法、黒鉛に超音波を印加するなどの物理的処理方法、黒鉛を作用極として電気分解を行う電気化学的方法などの方法により得られる。
薄片化黒鉛は、表面改質処理されていてもよい。表面改質処理としては、例えば、薄片化黒鉛の表面に樹脂をグラフトしたり、薄片化黒鉛の表面に親水性官能基または疎水性官能基を導入したりする処理などが挙げられる。薄片化黒鉛を表面改質処理することにより、薄片化黒鉛と熱可塑性樹脂との親和性を高めることができる。薄片化黒鉛と熱可塑性樹脂との親和性を高められると、樹脂複合材料の弾性率などの機械的強度が高められる。
好ましくは、本発明において樹脂複合材料のマトリクス樹脂として用いられる上記熱可塑性樹脂などの樹脂が薄片化黒鉛の表面にグラフトされていることが望ましい。それによって、薄片化黒鉛のマトリクス樹脂に対する分散性及び親和性を高めることができる。従って、機械的強度をより一層高めることができる。
なお、薄片化黒鉛に熱可塑性樹脂をグラフトする方法については特に限定されず、熱可塑性樹脂と薄片化黒鉛と、ラジカル開始剤とを溶融混練する方法などを用いることができる。上記ラジカル開始剤としてはベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの過酸化物、過酸化物化合物、アゾ系化合物、ジハロゲン系化合物などを用いることができる。この場合、マトリクス樹脂としての前述した熱可塑性樹脂を薄片化黒鉛にグラフトすることが望ましい。その場合には、熱可塑性樹脂と薄片化黒鉛とラジカル開始剤とを溶融混練し、薄片化黒鉛に熱可塑性樹脂をグラフトするとともに、熱可塑性樹脂と薄片化黒鉛と、後述の第2のフィラーとを混練し、樹脂複合材料を得てもよい。
もっとも、マトリクス樹脂としての上記熱可塑性樹脂に、あらかじめ上記熱可塑性樹脂と同一または異なる熱可塑性樹脂がグラフトされた薄片化黒鉛と、第2のフィラーとを混合し、樹脂複合材料を得てもよい。
上記薄片化黒鉛は、樹脂100質量部に対し、0.1〜40質量部の範囲で含まれている。0.1質量部以上含まれていることにより、機械的強度及び耐衝撃性を高めることができる。より好ましくは、10質量部以上含まれていることが望ましい。それによって機械的強度及び耐衝撃性をより一層高めることができる。
また、上記薄片化黒鉛の配合割合が40質量部以下であるため、樹脂複合材料の割れを抑制することができ、耐衝撃性を高めることができる。より好ましくは、20質量部以下の割合で薄片化黒鉛が含まれていることが望ましい。
(第2のフィラー)
本発明の樹脂複合材料の製造方法では、アスペクト比が6以下であり、薄片化黒鉛とは異なる第2のフィラーが用いられる。
薄片化黒鉛とは異なる第2のフィラーとしては、特に限定されず、公知の無機フィラーを用いることができる。無機フィラーの具体例としては、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、クレー、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリナイト、ワラストナイト、チタン酸カリウム、ガラス繊維などが挙げられる。樹脂複合材料中に含まれる第2のフィラーは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
好ましくは、安価で入手が容易で、かつ第二のフィラー自身が補強効果を有するものがよいので、上記第2のフィラーとして、マイカ、タルク、シリカ、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択された少なくとも1種が用いられる。
第2のフィラーのアスペクト比は6以下である。ここでアスペクト比とは、第2のフィラーが長辺と短辺とを有する形状の場合には、長辺と短辺との比を言うものとする。また、第2のフィラーが長径と短径とを有する形状の場合には長径と短径の比を言うものとする。言いかえれば、無機フィラーが長さ方向を有し、その長さ方向の最大寸法と、長さ方向以外であってもっとも距離が小さい最小外形寸法が存在する場合、長さ方向の最大寸法と、上記の最小外形寸法との比を言うものとする。
本発明では、第2のフィラーのアスペクト比は6以下と小さい。このようなアスペクト比の小さい第2のフィラーを同時に混練することにより、薄片化黒鉛の解枠により生じたグラフェンシートやグラフェンシート積層体の再凝集を抑制することができる。これは、アスペクト比の小さい第2のフィラーが、混練により分散されたグラフェンシート間やグラフェンシート積層体のグラフェンシート間に入り込み、再凝集を抑制しているためと考えられる。従って、上記第2のフィラーのアスペクト比は6以下であることが必要である。
特に限定されないが、上記第2のフィラーの平均粒径は0.2〜20μmの範囲であることが好ましい。この範囲内の平均粒径の第2のフィラーを用いることにより、機械的強度と耐衝撃性の双方を高めることができる。より好ましくは、第2のフィラーの平均粒径は5μm以下であることが望ましい。その場合には、耐衝撃性などの物性を効果的に高めることができる。
上記第2のフィラーと第1のフィラーとの重量比は0.2〜10の範囲とすることが望ましい。このような割合で第2のフィラーと第1のフィラーとを用いることにより、第1のフィラーとしての薄片化黒鉛におけるグラフェンシートの凝集をより一層効果的に抑制することができる。従って、機械的強度をより一層高めることができる。好ましくは、この重量比は、0.2〜8の範囲である。
(添加剤)
本発明に係る樹脂複合材料の製造方法では、上記必須成分の他、任意成分として様々な添加剤を用いてもよい。
添加剤としては、例えば、フェノール系、リン系、アミン系、イオウ系などの酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系などの紫外線吸収剤;金属害防止剤;ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテルなどのハロゲン化難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェートなどの難燃剤;各種充填剤;帯電防止剤;安定剤;顔料などが挙げられる。
(製造方法)
本発明に係る樹脂複合材料の製造方法では、必須成分としての上記樹脂と、薄片化黒鉛とを混練するに際し、上記第2のフィラーを同時に混練する。第2のフィラーが存在している状態で樹脂と薄片化黒鉛とを混練する限り、その製造方法の具体的な工程は特に限定されない。例えば、以下の第1〜第4の方法が挙げられる。
第1の方法:樹脂と、薄片化黒鉛と、第2のフィラーとをまず用意する。次に、樹脂と、薄片化黒鉛と第2のフィラーとを混練する。この場合、樹脂と薄片化黒鉛と第2のフィラーとを同時に混練する。
第2の方法:樹脂と第2のフィラーとを混練し、さらに薄片化黒鉛を添加し、混練する。
第3の方法:薄片化黒鉛と第2のフィラーを混練した後に、樹脂を添加し、混練する。
第4の方法:薄片化黒鉛と樹脂とを混練した後に、さらに第2のフィラーを添加して混練する。この場合、第2のフィラーの添加前に薄片化黒鉛において再凝集が生じるおそれがあるが、第2のフィラーを添加してさらに混練するに際し、薄片化黒鉛が再度解枠され、かつ第2のフィラーの効果により再凝集が抑制されることとなる。もっとも、第1〜第3の方法のように、第2のフィラーが存在している状態で初めて薄片化黒鉛を樹脂と混練することが望ましい。それによって、再凝集をより確実に抑制することができる。
上記樹脂が熱可塑性樹脂の場合、混練は、熱可塑性樹脂が溶融する温度で行うことが好ましい。混練方法は特に限定されない。例えば、プラストミルなどの二軸スクリュー混練機、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールなどの混練装置を用いて、加熱下において混練する方法などが挙げられる。これらの中でも、プラストミルを用いて溶融混練する方法が好ましい。
さらに、本発明により得られる樹脂複合材料は、適宜の賦型方法を用いて様々な形状とすることができる。このような賦型方法としては、プレス加工、射出成形または押出成形などの成形方法を好適に用いることができる。さらに、溶融塗工法により賦型してもよい。上記のような賦型方法を用い、シート状などの所望の形状とすることができる。特に、各種成形方法で得られた本発明に係る樹脂複合材料の成型品では、機械的強度と耐衝撃性とを効果的に高めることができる。
(実施例及び比較例)
以下、本発明について、具体的な実施例に基づき、さらに説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(使用した薄片化黒鉛)
第1のフィラーとしての黒鉛又は薄片化黒鉛:アスペクト比が、それぞれ、10、100、180、1000及び2000の黒鉛又は薄片化黒鉛を用意した。より具体的には、下記の市販の薄片化黒鉛を用いた。
黒鉛1:SECカーボン社製、品番:SNO5、アスペクト比=10
薄片化黒鉛2:XGScience社製、品番:xGnP−H5、アスペクト比=100
薄片化黒鉛3:XGScience社製、品番:xGnP−M5、アスペクト比=180
薄片化黒鉛4:XGScience社製、品番:xGnP−C750、アスペクト比=1000
薄片化黒鉛5:Angstron社製、品番:N002、アスペクト比=2000
(第2のフィラー)
第2のフィラーとして、タルク、マイカ、シリカ、ジルコニア、アルミナを用意した。
タルク:日本タルク社製、品番:L−1、アスペクト比=4
マイカ:白石カルシウム社製、商品名:タカラマイカM−101、アスペクト比=5
シリカ:キンセイマテック社製、結晶シリカ、アスペクト比=1
ジルコニア:アイメックス社製、品番:YTZ、アスペクト比=1
アルミナ:住友化学社製、品番:A−21、アスペクト比=1
なお、マイカについては、比較例3及び4では、それぞれ、白石カルシウム社製マイカ、品番:ST−501、アスペクト比=10、白石カルシウム社製マイカ、品番:ST−509、アスペクト比=110のものを用いた。
(樹脂)
日本ポリプロ社製の2種のポリプロピレンを50重量%ずつ混合したものを用いた。すなわち、日本ポリプロ社製、ポリプロピレン、品番:MA3H(MFR=10g/10分、重量平均分子量約25万)と、品番:EA9(MFR=0.5g/10分、重量平均分子量約55万)とを50重量%ずつ配合した樹脂を用いた。
(実施例1)
上記樹脂100重量部に、上記薄片化黒鉛3(アスペクト比=180)と、タルク(アスペクト比=4)を、それぞれ10重量部配合し、東洋精機製作所社製ラボプラストミルR−100を用いて温度180℃で溶融混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、神港精機社製プレス装置により成形し、シート状の成形体を得た。
(実施例2〜15及び比較例1〜4)
下記の表1に示すように使用した薄片化黒鉛及び第2のフィラーを変更したことを除いては実施例1と同様にして溶融混練し、樹脂組成物を得た。また実施例1と同様にして、得られた樹脂組成物を成形し、成形体を得た。
(比較例5)
第2のフィラーを添加しなかったことを除いては実施例1と同様にして、樹脂組成物を得、かつ同様にして成形し、成形体を得た。
(比較例6)
薄片化黒鉛を添加しなかったことを除いては実施例1と同様にして樹脂組成物を得、かつ実施例1と同様にして成形し成形体を得た。
(比較例7)
薄片化黒鉛及び第2のフィラーを用いずに、実施例1で用いた樹脂のみを実施例1と同様にして成形し、成形体を得た。
(評価方法)
(1)薄片化黒鉛及び第2のフィラーのアスペクト比:薄片化黒鉛及び第2のフィラーのアスペクト比は、電子顕微鏡により観察し、長さと厚みとを測定した。すなわち、電子顕微鏡で観察して得られた多数の薄片化黒鉛または第2のフィラーの長さと厚みを測定し、これらの平均値を求めた。そして、長さの平均値と厚みの平均値とによりアスペクト比を求めた。
(2)引張弾性率:得られた厚み0.5mmのシートについて、長さ75mm×幅6mmの平面形状が長方形の試験片を切り出した。この試験片について、23℃における引張弾性率をJIS K7161に準拠して測定した。結果を下記の表1に示す。
(3)分散性評価:得られた複合材料シートをスライスし、断面を電子顕微鏡で観察し、所定の面積を超える薄片化黒鉛の割合を測定した。すなわち、グラフェンが再凝集し、所定の面積を超えている薄片化黒鉛の視野中に現れている全薄片化黒鉛に占める割合を求めて分散性を評価した。
より具体的には、走査型電子顕微鏡を用い1000倍の倍率で複合材料シート断面を観察した。この視野内において、断面積が10μm以上の薄片化黒鉛の全薄片化黒鉛に占める割合(%)を求めた。そして下記の評価記号に従って評価した。結果を下記の表1に示す。
○:16%以下
△:16%を超え、20%以下
×:20%を超えるもの
Figure 2014201676
表1から明らかなように、実施例1〜3では、いずれも薄片化黒鉛が均一に分散されており、引張弾性率も充分大きかった。また、実施例2、実施例1及び実施例3の順で、薄片化黒鉛のアスペクト比が高くなるため、引張弾性率は、実施例2、実施例1から実施例3になるに従って高くなっていることがわかる。
実施例4〜6では、実施例1に比べ、第2のフィラーとしてのタルクの量を変化させているが、いずれにおいても、薄片化黒鉛の分散性が比較的良好であり、引張弾性率も高かった。
また、実施例7では、薄片化黒鉛におけるグラフェンの再凝集が一部で認められた。これは、第2のフィラーの配合割合が高いこと、第2のフィラーの絶対量が多いためと考えられる。もっとも、実施例7においても、比較例1〜5に比べ、薄片化黒鉛の分散性は充分に高められている。
実施例8〜11では、第2のフィラーの種類を実施例1と異ならせているが、いずれの場合においても、薄片化黒鉛が均一に分散され、かつ引張弾性率も充分大きかった。実施例12,13では、薄片化黒鉛及び第2のフィラーの種類及び重量比を固定した状態で、薄片化黒鉛と第2のフィラーの添加量を異ならせている。実施例12では、薄片化黒鉛及び第2のフィラーがいずれも1.5重量部と少ない。実施例12では、引張弾性率は若干低かったが、薄片化黒鉛の分散性は良好であった。
他方、実施例13では、薄片化黒鉛及び第2のフィラーを90重量部ずつ配合した。この場合、薄片化黒鉛及び第2のフィラーの配合量が多いため、引張弾性率が飛躍的に高められている。
実施例14及び15では、薄片化黒鉛の配合割合を10重量部とし、第2のフィラーとしてのタルクの配合割合を変化させた。この場合においても、タルクの配合割合に応じて、引張弾性率がわずかに変化していることがわかる。
なお、比較例1では、黒鉛1のアスペクト比が10と低いため、黒鉛の分散性が不充分であり、引張弾性率も低かった。
比較例2では、薄片化黒鉛のアスペクト比が2000と大きすぎるため、やはり薄片化黒鉛の分散性が低かった。これは、アスペクト比が大きすぎる薄片化黒鉛5が混練に際し変形したり、破断しているためと考えられる。
比較例3及び4では、第2のフィラーのアスペクト比が大きすぎるため、引張弾性率が低く、薄片化黒鉛の分散性も低かった。
これは、第2のフィラーのアスペクト比が大きすぎるので、薄片化黒鉛における再凝集を抑制する効果が小さくなるためと考えられる。

Claims (5)

  1. 樹脂中にフィラーが分散されている樹脂複合材料の製造方法であって、
    樹脂に、第1のフィラーとしてアスペクト比が80〜1500の範囲にある薄片化黒鉛を混練により分散させるに際し、薄片化黒鉛以外のフィラーであって、アスペクト比が6以下である第2のフィラーを同時に混練する、樹脂複合材料の製造方法。
  2. 前記第2のフィラーが、無機フィラーである、請求項1に記載の樹脂複合材料の製造方法。
  3. 前記第2のフィラーが、マイカ、タルク、シリカ、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択された少なくとも1種である、請求項2に記載の樹脂複合材料の製造方法。
  4. 前記第2のフィラーと前記第1のフィラーとの重量比が、0.2〜10の範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂複合材料の製造方法。
  5. 前記樹脂として熱可塑性樹脂を用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂複合材料の製造方法。
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