JP2014200757A - 蓄積性触媒毒吸着剤および燃焼排ガス浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼排ガスに含まれるヒ素やリンを含有する化合物を効率的に除去することができる安価な蓄積性触媒毒吸着剤およびこれを用いた燃焼排ガス浄化方法を提供する。【解決手段】酸化ケイ素をSiO2として100質量部、および硫酸鉄化合物をFe2(SO4)3として1〜10質量部含有してなる蓄積性触媒毒吸着剤に、燃焼排ガスに含まれるヒ素および/またはリンを含有する化合物を吸着させて、燃焼排ガスからヒ素および/またはリンを含有する化合物を除去し、次いで、脱硝触媒の存在下で当該ガス中の窒素酸化物をアンモニア若しくは尿素で接触還元することを含む方法によって燃焼排ガスを浄化する。【選択図】なし
Description
本発明は蓄積性触媒毒吸着剤および燃焼排ガス浄化方法に関する。より詳細に、本発明は燃焼排ガスに含まれるヒ素やリンを含有する化合物を効率的に除去することができる吸着剤およびそれを利用した燃焼排ガス浄化方法に関する。
エネルギー需要の拡大と原油価格の高騰と相まって世界的に石炭ボイラの設置数が増えている。石炭ボイラでは、日本国内で使用されている良質な石炭だけでなく、ヒ素やリンなどの不純物を含有する石炭も用いられる。ヒ素やリンなどの不純物を含有する石炭の燃焼排ガスは、ヒ素やリンなどの触媒毒を多量に含んでいるので、該触媒毒によって脱硝触媒の性能が大きく低下する。また、ヒ素やリンは脱硝触媒に強く吸着するので、水洗浄や酸洗浄などの通常の再生処理では、使用済み脱硝触媒を元の脱硝効率にまで戻すことが難しい。
そこで、燃焼排ガスからリンやヒ素を除去する方法が提案されている。例えば、特許文献1や2は、モリブデナイト、γ−アルミナ、Y型ゼオライトなどからなる吸着剤を燃焼排ガスに添加してヒ素を吸着させて、脱硝触媒の劣化を防ぐ方法を開示している。特許文献3は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の金属イオンでイオン交換されたゼオライトと、粘土および/または酸化チタンとからなる排ガス中のヒ素を吸着除去することができるハニカム状吸着剤を開示している。
燃焼排ガスに含まれていることがあるSOxは、アルミナやゼオライトからなる従来の吸着剤中のアルミニウム酸化物と、例えば、式(1)に表わされるような反応をする。この反応によって吸着剤の体積が膨張して吸着剤の粉化や細孔の閉塞を引き起こし、吸着剤のヒ素化合物吸着性能を低下させることがある。
Al2O3 + 2SO3 → Al2(SO4)2 + 1/2O2 (1)
Al2O3 + 2SO3 → Al2(SO4)2 + 1/2O2 (1)
本発明の目的は、燃焼排ガスに含まれるヒ素やリンを含有する化合物を効率的に除去することができる安価な蓄積性触媒毒吸着剤およびこれを用いた燃焼排ガス浄化方法を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成するために検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕 酸化ケイ素をSiO2として100質量部、および硫酸鉄化合物をFe2(SO4)3として1〜10質量部含有してなる、
燃焼排ガスに含まれるヒ素および/またはリンを含有する化合物を吸着することができる蓄積性触媒毒吸着剤。
〔2〕 燃焼排ガスに含まれるヒ素および/またはリンを含有する化合物を〔1〕に記載の吸着剤に吸着させて、燃焼排ガスからヒ素および/またはリンを含有する化合物を除去し、次いで、脱硝触媒の存在下で当該ガス中の窒素酸化物をアンモニア若しくは尿素で接触還元することを含む燃焼排ガス浄化方法。
〔3〕 前記〔1〕の吸着剤が設置された吸着装置、 脱硝触媒が設置され且つアンモニア若しくは尿素を供給する配管を有する脱硝装置、 燃焼排ガスを吸着装置に供給するための配管、および 吸着装置から排出されるガスを脱硝装置に供給するための配管を有する燃焼排ガス浄化システム。
〔1〕 酸化ケイ素をSiO2として100質量部、および硫酸鉄化合物をFe2(SO4)3として1〜10質量部含有してなる、
燃焼排ガスに含まれるヒ素および/またはリンを含有する化合物を吸着することができる蓄積性触媒毒吸着剤。
〔2〕 燃焼排ガスに含まれるヒ素および/またはリンを含有する化合物を〔1〕に記載の吸着剤に吸着させて、燃焼排ガスからヒ素および/またはリンを含有する化合物を除去し、次いで、脱硝触媒の存在下で当該ガス中の窒素酸化物をアンモニア若しくは尿素で接触還元することを含む燃焼排ガス浄化方法。
〔3〕 前記〔1〕の吸着剤が設置された吸着装置、 脱硝触媒が設置され且つアンモニア若しくは尿素を供給する配管を有する脱硝装置、 燃焼排ガスを吸着装置に供給するための配管、および 吸着装置から排出されるガスを脱硝装置に供給するための配管を有する燃焼排ガス浄化システム。
本発明の吸着剤によれば、後段の脱硝触媒に蓄積する触媒毒の量を減らすことができるので、脱硝触媒の寿命が延びるほか、使用済み脱硝触媒の再生が容易になる。さらに、SiO2上に担持されたFeは、SO2からSO3への酸化活性を持たないため、本発明の吸着剤を用いてもSO2酸化率が上昇しない。
本発明の吸着剤を設置すること自体はコストアップに繋がる。一方、本発明の吸着剤は、高価な活性成分を含まないため脱硝触媒に比べて遥かに安価であり、高価な脱硝触媒の寿命が大幅に伸びること、さらに脱硝触媒の再生を容易にすることができることから吸着剤設置によるコストアップを遥かに超えるコストダウンが実現できる。
本発明の吸着剤による効果は、次のような機序によってもたらされるのであろうと推測する。
燃料中のヒ素は燃焼炉内ではAs2O3の形態で存在していると考えられる。そして、脱硝装置に供給される直前の燃焼排ガスにおいてはヒ素は熱力学的にAs2O5の形態で存在していると考えられる。本発明の吸着剤に燃焼排ガスが接触すると、ヒ素化合物は硫酸鉄化合物である硫酸鉄(II)や硫酸鉄(III)と式(2)および(3)で表わされる反応により安定なヒ酸鉄に成り、吸着剤に固定される。
Fe2(SO4)3 + As2O5 → 2FeAsO4 + 3SO3 (2)
3FeSO4 + As2O5 → Fe3(AsO4)2 + 3SO3 (3)
燃料中のヒ素は燃焼炉内ではAs2O3の形態で存在していると考えられる。そして、脱硝装置に供給される直前の燃焼排ガスにおいてはヒ素は熱力学的にAs2O5の形態で存在していると考えられる。本発明の吸着剤に燃焼排ガスが接触すると、ヒ素化合物は硫酸鉄化合物である硫酸鉄(II)や硫酸鉄(III)と式(2)および(3)で表わされる反応により安定なヒ酸鉄に成り、吸着剤に固定される。
Fe2(SO4)3 + As2O5 → 2FeAsO4 + 3SO3 (2)
3FeSO4 + As2O5 → Fe3(AsO4)2 + 3SO3 (3)
また、燃焼排ガスに含まれるリン化合物は、式(4)および(5)で表わされる反応により吸着剤に固定される。
Fe2(SO4)3 + P2O5 → 2FePO4 + 3SO3 (4)
3FeSO4 + P2O5 → Fe3(PO4)2 + 3SO3 (5)
Fe2(SO4)3 + P2O5 → 2FePO4 + 3SO3 (4)
3FeSO4 + P2O5 → Fe3(PO4)2 + 3SO3 (5)
また、本発明の吸着剤では、担体としてSiO2を用いる。TiO2上に担持されたFeは、燃焼排ガスに含まれるSO2をSO3へ酸化させる活性を有するのに対して、SiO2上に担持されたFeは、そのようなSO2酸化活性を有しない。このため、本発明の吸着剤はSO2酸化率を上昇させない。さらに、脱硝触媒層の前段に本発明の吸着剤を設置する本発明の燃焼排ガス浄化方法を利用すれば、吸着剤中に蓄積したAsによるSO2酸化率の上昇も抑えることができる。
また、ヒ素やリンを含有する化合物は脱硝触媒に強く吸着するため容易に脱硝触媒から除去できないが、脱硝触媒の前段に本発明の吸着剤を設置する本発明の燃焼排ガス浄化方法では、脱硝触媒が長寿命化するだけでなく、触媒にヒ素やリンを含有する化合物が吸着しないため再生も容易である。
本発明の吸着剤は、硫酸鉄と酸化ケイ素とを主成分として含むことを特徴とする。
本発明に使用される硫酸鉄としては、Fe2(SO4)3の無水塩、Fe2(SO4)3・nH2O(n=3、6、7、9、10、12、14)、FeSO4の無水塩、FeSO4・mH2O(m=1、4、5、7)などを挙げることができる。
本発明に使用される酸化ケイ素としては、ゲル法や沈殿法などの公知の製造方法によって合成される二酸化ケイ素(シリカ)や、珪藻土やシラスバルーンなどの天然に存在する酸化ケイ素、シリカゾルを挙げることができる。
本発明に使用される硫酸鉄としては、Fe2(SO4)3の無水塩、Fe2(SO4)3・nH2O(n=3、6、7、9、10、12、14)、FeSO4の無水塩、FeSO4・mH2O(m=1、4、5、7)などを挙げることができる。
本発明に使用される酸化ケイ素としては、ゲル法や沈殿法などの公知の製造方法によって合成される二酸化ケイ素(シリカ)や、珪藻土やシラスバルーンなどの天然に存在する酸化ケイ素、シリカゾルを挙げることができる。
硫酸鉄の酸化ケイ素に対する比率は、SiO2100質量部に対してFe2(SO4)31〜10質量部となる割合である。硫酸鉄の酸化ケイ素に対する比率が低いと、吸着剤の寿命が短く吸着剤の交換が頻繁になる。硫酸鉄の酸化ケイ素に対する比率が高いと、吸着剤をハニカム、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、サドル、スルザーパッキンなどに成形し難くなる。
吸着剤には、ベーマイトやγ−アルミナなどのアルミナ粉末、酸化チタンなどをバインダとして含有させることができる。
酸化チタンの使用量は、SiO2100質量部に対して好ましくは30質量部以下である。酸化チタンの使用量が多すぎるとTiO2上に担持されたFeによってSO2酸化率が高くなる。
酸化チタンの使用量は、SiO2100質量部に対して好ましくは30質量部以下である。酸化チタンの使用量が多すぎるとTiO2上に担持されたFeによってSO2酸化率が高くなる。
アルミナ粉末の使用量は、SiO2100質量部に対して好ましくは30質量部以下である。アルミナを使用すると、SOx含有排ガスによってアルミナが硫酸塩化して硫酸アルミニウムが生成する。これが排ガス中のヒ素やリンと反応することによって吸着剤中にAsやPを固定化することができる。これにより、排ガス中のヒ素やリンをより効率的に除去することができる。一方、アルミナの使用量が多すぎると、アルミナの硫酸塩化による体積膨張が吸着剤の粉化や細孔の閉塞を引き起こすことがある。
また、本発明の吸着剤には、無機繊維などの強度部材等が含まれていてもよい。
また、本発明の吸着剤には、無機繊維などの強度部材等が含まれていてもよい。
本発明の吸着剤の製造法は、特に制限されない。例えば、硫酸鉄(II)および/または硫酸鉄(III)とシリカとを水の存在下で混練し、得られた混練物を所望の形に成形し、該成形物を乾燥させ、次いで必要に応じて焼成することによって製造することができる。また、混練時に必要に応じて加熱してもよい。
吸着剤の形状は、粒状、ハニカム状、板状などのいずれの形状でもよいが、ステンレス製基材に吸着剤を担持してなる板状のものが好適である。板状にすることで、圧力損失が小さくでき、かつ多孔質化が容易になるため吸着性能を高めることができる。なお、吸着剤の磨耗強度は必ずしも高く無い方が好ましい。磨耗強度が低い方が、吸着剤表面のダスト等による磨耗で常に吸着剤表面が更新され、吸着性能の低下を抑制することができる。
実施例1
シリカ(富田製薬製、マイコンF)1200kg、硫酸鉄(III)14水和物(Fe2(SO4)3・14H2O (Fe2(SO4)3として60%含有))200kg、ベーマイト(コンデア社製、Al2O3として30wt%含有)360kg、および適量の水を混練機に入れて60分間混練した。次いで、シリカアルミナ系セラミック繊維(ニチアス)193kgを徐々に添加して混練した。添加終了後、30分間混練して水含有量33%のペースト状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/SiO2の質量比は10/100である。
ペースト状吸着剤を、厚さ0.2mmのSUS430J1L製鋼板をラス加工して成る厚さ0.7mmのメタルラス基材の上に置き、1対の加圧ローラ間を通して、メタルラス基材の網目および表面に吸着剤を担持させた。これを自然乾燥させ、次いで500℃で2時間焼成して、板状吸着剤を得た。
シリカ(富田製薬製、マイコンF)1200kg、硫酸鉄(III)14水和物(Fe2(SO4)3・14H2O (Fe2(SO4)3として60%含有))200kg、ベーマイト(コンデア社製、Al2O3として30wt%含有)360kg、および適量の水を混練機に入れて60分間混練した。次いで、シリカアルミナ系セラミック繊維(ニチアス)193kgを徐々に添加して混練した。添加終了後、30分間混練して水含有量33%のペースト状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/SiO2の質量比は10/100である。
ペースト状吸着剤を、厚さ0.2mmのSUS430J1L製鋼板をラス加工して成る厚さ0.7mmのメタルラス基材の上に置き、1対の加圧ローラ間を通して、メタルラス基材の網目および表面に吸着剤を担持させた。これを自然乾燥させ、次いで500℃で2時間焼成して、板状吸着剤を得た。
実施例2
硫酸鉄(III)14水和物(Fe2(SO4)3・14H2O)の量を100kgに変えた以外は実施例1と同じ方法で板状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/SiO2の質量比は5/100である。
硫酸鉄(III)14水和物(Fe2(SO4)3・14H2O)の量を100kgに変えた以外は実施例1と同じ方法で板状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/SiO2の質量比は5/100である。
実施例3
硫酸鉄(III)14水和物(Fe2(SO4)3・14H2O)の量を20kgに変えた以外は実施例1と同じ方法で板状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/SiO2の質量比は1/100である。
硫酸鉄(III)14水和物(Fe2(SO4)3・14H2O)の量を20kgに変えた以外は実施例1と同じ方法で板状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/SiO2の質量比は1/100である。
実施例4
シリカ(富田製薬製、マイコンF)1200kg、硫酸鉄(III)14水和物(Fe2(SO4)3・14H2O (Fe2(SO4)3として60%含有))200kg、ベーマイト(コンデア社製、Al2O3として30wt%含有)360kg、シリカゾル(日産化学製、OSゾル、SiO2として20wt%含有)128kg、および適量の水を混練機に入れて60分間混練した。次いで、シリカアルミナ系セラミック繊維(ニチアス)193kgを徐々に添加して混練した。添加終了後、30分間混練して水含有量33%のペースト状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/SiO2の質量比は9.8/100である。
ペースト状吸着剤を、厚さ0.2mmのSUS430J1L製鋼板をラス加工して成る厚さ0.7mmのメタルラス基材の上に置き、1対の加圧ローラ間を通して、メタルラス基材の網目および表面に吸着剤を担持させた。これを自然乾燥させ、次いで500℃で2時間焼成して、板状吸着剤を得た。
シリカ(富田製薬製、マイコンF)1200kg、硫酸鉄(III)14水和物(Fe2(SO4)3・14H2O (Fe2(SO4)3として60%含有))200kg、ベーマイト(コンデア社製、Al2O3として30wt%含有)360kg、シリカゾル(日産化学製、OSゾル、SiO2として20wt%含有)128kg、および適量の水を混練機に入れて60分間混練した。次いで、シリカアルミナ系セラミック繊維(ニチアス)193kgを徐々に添加して混練した。添加終了後、30分間混練して水含有量33%のペースト状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/SiO2の質量比は9.8/100である。
ペースト状吸着剤を、厚さ0.2mmのSUS430J1L製鋼板をラス加工して成る厚さ0.7mmのメタルラス基材の上に置き、1対の加圧ローラ間を通して、メタルラス基材の網目および表面に吸着剤を担持させた。これを自然乾燥させ、次いで500℃で2時間焼成して、板状吸着剤を得た。
比較例1
シリカ1200kgを酸化チタン(TiO2、石原産業、比表面積100m2/g)2000kgに替えた以外は実施例1と同じ方法で板状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/TiO2の質量比は6/100である。
シリカ1200kgを酸化チタン(TiO2、石原産業、比表面積100m2/g)2000kgに替えた以外は実施例1と同じ方法で板状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/TiO2の質量比は6/100である。
比較例2
硫酸鉄(III)14水和物の量を0kgに変えた以外は実施例1と同じ方法で板状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/SiO2の質量比は0/100である。
硫酸鉄(III)14水和物の量を0kgに変えた以外は実施例1と同じ方法で板状吸着剤を得た。該吸着剤に含まれるFe2(SO4)3/SiO2の質量比は0/100である。
試験例1(吸着剤のヒ素蓄積量の測定)
実施例1〜4および比較例1〜2で得られた板状吸着剤(20mm×100mm-3枚)を、流通式反応管にそれぞれ設置した。表1に示すガス組成の石炭燃焼模擬排ガスを350℃で流通式反応管にガス速度(AV)17m/hrで50時間流した。板状吸着剤を反応器から取り出し、メタルラス基材から吸着剤を剥がした。剥がした吸着剤の粉末を蛍光X線分析装置を用いて分析し、As2O3の蓄積量を定量した。その結果を表2に示す。
表2に示すとおり、硫酸鉄を添加した実施例1〜4および比較例1は、硫酸鉄を添加していない比較例2よりもAs2O3の蓄積量が多い。
実施例1〜4および比較例1〜2で得られた板状吸着剤(20mm×100mm-3枚)を、流通式反応管にそれぞれ設置した。表1に示すガス組成の石炭燃焼模擬排ガスを350℃で流通式反応管にガス速度(AV)17m/hrで50時間流した。板状吸着剤を反応器から取り出し、メタルラス基材から吸着剤を剥がした。剥がした吸着剤の粉末を蛍光X線分析装置を用いて分析し、As2O3の蓄積量を定量した。その結果を表2に示す。
表2に示すとおり、硫酸鉄を添加した実施例1〜4および比較例1は、硫酸鉄を添加していない比較例2よりもAs2O3の蓄積量が多い。
試験例2(吸着剤のSO2酸化率の測定)
実施例1、実施例4および比較例1で得られた板状吸着剤(20mm×100mm-3枚)を流通式反応管にそれぞれ設置した。表3に示すガス組成の石炭燃焼模擬排ガスを380℃で流通式反応管に空塔速度6m/hrで流した。SO2酸化率を測定した。その結果を表4に示す。
表4に示すとおり、吸着剤の主剤としてSiO2を使用するとSO2酸化率を低く抑えることができる。
実施例1、実施例4および比較例1で得られた板状吸着剤(20mm×100mm-3枚)を流通式反応管にそれぞれ設置した。表3に示すガス組成の石炭燃焼模擬排ガスを380℃で流通式反応管に空塔速度6m/hrで流した。SO2酸化率を測定した。その結果を表4に示す。
表4に示すとおり、吸着剤の主剤としてSiO2を使用するとSO2酸化率を低く抑えることができる。
触媒調製例1
酸化チタン、三酸化モリブデン、メタバナジン酸アンモニウム、シリカゾル、シリカアルミナ系セラミック繊維、および水を混練して水分30%のペースト状脱硝触媒を得た。ペースト状脱硝触媒を、厚さ0.2mmのSUS430製鋼板をラス加工して得られる厚さ0.7mmのメタルラス基材の上に置き、これを2枚のフッ素樹脂製メッシュクロス(平織り、目開き1000μm、糸径400μm)間に挟んで、1対の加圧ローラ間を通して、メタルラス基材の網目および表面に脱硝触媒を担持させて、板状脱硝触媒を得た。該脱硝触媒に含まれる成分の原子比Ti/Mo/Vは93.5/5/1.5である。
酸化チタン、三酸化モリブデン、メタバナジン酸アンモニウム、シリカゾル、シリカアルミナ系セラミック繊維、および水を混練して水分30%のペースト状脱硝触媒を得た。ペースト状脱硝触媒を、厚さ0.2mmのSUS430製鋼板をラス加工して得られる厚さ0.7mmのメタルラス基材の上に置き、これを2枚のフッ素樹脂製メッシュクロス(平織り、目開き1000μm、糸径400μm)間に挟んで、1対の加圧ローラ間を通して、メタルラス基材の網目および表面に脱硝触媒を担持させて、板状脱硝触媒を得た。該脱硝触媒に含まれる成分の原子比Ti/Mo/Vは93.5/5/1.5である。
試験例3
実施例1で得られた板状吸着剤(20mm×100mm-3枚)を流通式反応管の上流部に、触媒調製例1で得られた板状脱硝触媒(20mm×100mm-3枚)を流通式反応器の下流部に設置した。表5に示すガス組成の石炭燃焼模擬排ガスを350℃で流通式反応管にガス量120L/hrで50時間流した。模擬排ガスを流し始めた時(初期)の脱硝率は97.1%であった。50時間経過時の脱硝率は96.6%であった。
比較例3として板状吸着剤を流通式反応器の上流部に設置せずに上記と同じようにして石炭燃焼模擬ガスを流した。模擬排ガスを流し始めた時(初期)の脱硝率は97.1%であった。50時間経過時の脱硝率は85.1%であった。
板状脱硝触媒を反応器からそれぞれ取り出し、メタルラス基材から脱硝触媒を剥がした。剥がした脱硝触媒の粉末を蛍光X線分析装置を用いて分析し、As2O3の蓄積量を定量した。その結果を表6に示す。
表6に示すとおり、本発明の吸着剤を上流部に設置した場合には、脱硝触媒に蓄積するAs2O3の量が少なく、脱硝率の低下が小さい。
実施例1で得られた板状吸着剤(20mm×100mm-3枚)を流通式反応管の上流部に、触媒調製例1で得られた板状脱硝触媒(20mm×100mm-3枚)を流通式反応器の下流部に設置した。表5に示すガス組成の石炭燃焼模擬排ガスを350℃で流通式反応管にガス量120L/hrで50時間流した。模擬排ガスを流し始めた時(初期)の脱硝率は97.1%であった。50時間経過時の脱硝率は96.6%であった。
比較例3として板状吸着剤を流通式反応器の上流部に設置せずに上記と同じようにして石炭燃焼模擬ガスを流した。模擬排ガスを流し始めた時(初期)の脱硝率は97.1%であった。50時間経過時の脱硝率は85.1%であった。
板状脱硝触媒を反応器からそれぞれ取り出し、メタルラス基材から脱硝触媒を剥がした。剥がした脱硝触媒の粉末を蛍光X線分析装置を用いて分析し、As2O3の蓄積量を定量した。その結果を表6に示す。
表6に示すとおり、本発明の吸着剤を上流部に設置した場合には、脱硝触媒に蓄積するAs2O3の量が少なく、脱硝率の低下が小さい。
Claims (3)
- 酸化ケイ素をSiO2として100質量部、および硫酸鉄化合物をFe2(SO4)3として1〜10質量部含有してなる、
燃焼排ガスに含まれるヒ素および/またはリンを含有する化合物を吸着することができる蓄積性触媒毒吸着剤。 - 燃焼排ガスに含まれるヒ素および/またはリンを含有する化合物を請求項1に記載の吸着剤に吸着させて、燃焼排ガスからヒ素および/またはリンを含有する化合物を除去し、次いで、脱硝触媒の存在下で当該ガス中の窒素酸化物をアンモニア若しくは尿素で接触還元することを含む燃焼排ガス浄化方法。
- 請求項1に記載の吸着剤が設置された吸着装置、 脱硝触媒が設置され且つアンモニア若しくは尿素を供給する配管を有する脱硝装置、 燃焼排ガスを吸着装置に供給するための配管、および 吸着装置から排出されるガスを脱硝装置に供給するための配管を有する燃焼排ガス浄化システム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111346509A (zh) * | 2020-04-28 | 2020-06-30 | 苏州西热节能环保技术有限公司 | 一种scr脱硝催化剂硫酸氢铵中毒的诊断方法 |
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2013
- 2013-04-08 JP JP2013080286A patent/JP2014200757A/ja active Pending
Cited By (1)
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CN111346509A (zh) * | 2020-04-28 | 2020-06-30 | 苏州西热节能环保技术有限公司 | 一种scr脱硝催化剂硫酸氢铵中毒的诊断方法 |
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