JP2008238057A - 排ガス中の金属水銀の吸着材とそれを用いた金属水銀の除去方法 - Google Patents

排ガス中の金属水銀の吸着材とそれを用いた金属水銀の除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 排気ガス中の金属水銀を吸着除去するのに好適な吸着材を提供すること
【解決手段】 上記の課題を解決するため、本発明の排ガス中の金属水銀を吸着する吸着材は、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどの不活性担体に、三酸化モリブデン又は三酸化タングステンが5atom%以上担持されていることを特徴とする。Cl濃度が低い条件においても、金属水銀を含有する排ガスを三酸化モリブデン又は三酸化タングステンを主成分とする金属水銀吸着材に接触させることにより、排ガス中の金属水銀濃度を低減することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、排ガス中の金属水銀の吸着材とそれを用いた金属水銀の除去方法に係り、特に石炭火力発電所から排出される排ガス中の金属水銀の除去技術に関する。
火力発電所などで用いられるボイラなどの燃焼装置で、石炭などの化石燃料を燃焼して生じる排ガス中には、有害物質である水銀が含まれている。水銀は、排ガス中で金属形態の水銀(Hg)もしくは酸化形態の水銀として存在していると考えられ、塩化水銀(HgCl)のような酸化形態の水銀として存在している場合は、水に容易に吸収されるために捕捉・除去することは比較的容易であるが、金属形態の水銀として存在する場合は水にほとんど吸収されないため除去が困難である。
そのため、これまでの水銀の除去技術として、排ガス中へ活性炭などの吸着材を吹き込み、水銀を吸着後、吸着材ごとバグフィルタで回収する活性炭吸着法が知られている。しかし、活性炭吸着法は、高い水銀除去率を得ることができるが、大量の活性炭が必要となるため、運転費用が高くなることや集塵装置の寿命が短くなるという問題がある。
また、水銀の酸化機能を有する固体触媒を用い、金属形態の水銀(以下、金属水銀と呼ぶ。)を蒸気圧の低い酸化形態の水銀に酸化し、後流の除塵装置や脱硫装置などで除去する触媒酸化方式が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、特許文献1に記載の触媒酸化方式は、排ガス中のCl濃度が低いと、触媒での酸化効率が低下するため、高い水銀除去率が得られ難い。
そこで、HCl等のハロゲン化合物を触媒塔の前流側の煙道に注入して触媒塔での排ガス中水銀の酸化効率を向上させ、後流機器での水銀除去効率を高める方式が知られている(例えば、特許文献2)。しかし、ハロゲン化合物を注入すれば、触媒での酸化効率は高くなるが、ハロゲン化合物を継続的に添加する必要があるため、運転費用が高くなることや塩素化剤による配管類の腐食が問題となる。
一方、排ガス中の水銀除去ではないが、天然ガスコンデンセート中の水銀を除去する技術として、アルミナ等の担体にモリブデン等の硫化物を担持させた吸着材で吸着除去すること提案されている(例えば、特許文献3)。
また、吸着材の用途については具体的に記載されていないが、アルミナ含有の多孔性無機酸化物担体に活性金属成分として三酸化モリブデンを担持させた吸着材が提案されている(例えば、特許文献4)。
特開2005−125211 特開2001−198434 特開平2−2873 特開2005−13930
しかしながら、特許文献3には、モリブデンの硫化物が水銀の吸着に優れた活性を有していると記載されているが、モリブデンの酸化物は水銀を吸着しないと記載されている。
ところで、排ガス中には、一般にSOが含まれているが、酸化活性の強い水銀の吸着材を用いると、SOが酸化されてSOになると腐食性が問題となるが、特許文献3、4に記載の吸着材は、排ガス中の水銀を吸着できる能力を有するか否か、及び、SOに対する酸化活性については何ら考慮されていない。
本発明は、排気ガス中の金属水銀を吸着除去するのに好適な吸着材を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の排ガス中の金属水銀を吸着する吸着材は、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどの不活性担体に、三酸化モリブデン又は三酸化タングステンが5atom%以上担持されていることを特徴とする。
すなわち、本発明者等は、Cl濃度が低い条件においても排ガス中の金属水銀を効率良く除去できる方法を研究した結果、三酸化モリブデンや三酸化タングステンが金属水銀に対して高い吸着能力を有することを見出し、金属水銀を含有する排ガスを三酸化モリブデン又は三酸化タングステンを主成分とする金属水銀吸着材に接触させることにより、排ガス中の金属水銀濃度を低減する方法を採用するに至ったのである。
ここで、三酸化モリブデンや三酸化タングステンへの金属水銀の吸着メカニズムは明らかではないが、次に記載するような化学吸着と物理吸着の両方が考えられる。
(A)排ガス中の金属水銀が、三酸化モリブデンや三酸化タングステン中に存在する二重結合性酸素と反応し、(1)式に示すように、Hg−O結合を形成する。
Hg+O=Mo→Hg−O−Mo (1)
(B)三酸化モリブデンや三酸化タングステン中の酸素、或いは排ガス中の酸素によって酸化された水銀が多層に吸着する。
したがって、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどの不活性担体を多孔体として吸着材の表面積を増加させれば、三酸化モリブデン、三酸化タングステンの吸着点数や吸着材の吸着容量が増加するため、金属水銀の吸着除去率や吸着材の使用期間を向上させることができる。
また、本発明の水銀吸着材を用いた金属水銀の除去方法では、活性炭やハロゲン化合物などの添加剤を必要としないため、運転費用が安価であり、且つ、金属水銀Cl濃度が低い排ガス中でも、金属水銀を効率的に吸着除去することが可能である。
また、排ガス中にSOが含まれる場合、酸化活性を有する吸着材を用いると、式(2)に示すように、紫煙・配管類の腐食の原因となるSOの生成反応が起こる。この点、本発明の金属水銀吸着材では、含有成分がシリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどの不活性成分と、SOに対する酸化活性が非常に低い三酸化モリブデン、三酸化タングステンのみであるため、本発明の金属水銀吸着材によれば、SOの発生は問題とならない。
SO+O→SO+O (2)
また、三酸化モリブデン又は三酸化タングステンの含有量は、5atom%以上担持されていることが好ましく、5〜20atom%担持されていることがより好ましい。5atom%以下では分散化の効果が小さく、20atom%以上では焼成時に三酸化モリブデンや三酸化タングステンの焼結による表面積の低下が大きくなるため、効果はそれほど上がらない。
また、吸着材は、板状又はハニカム状に形成されることが好ましい、ダストが多い排ガスに対しては、吸着材の形状を板状にすることで、磨耗や目詰まりを防止することができ、ダストが少ない場合は、ハニカム状にすることで板状よりも表面積を大きく取ることができる。
さらに、一酸化窒素及び金属水銀を含有する排ガスを、脱硝装置内に導入して一酸化窒素濃度を低減した後、吸着材に接触させることで、金属水銀が吸着材に吸着するのを妨げる一酸化窒素及びアンモニアの濃度が低いため、高い金属水銀の除去率を得ることができる。
また、吸着材に接触される排ガスの温度は300〜400℃とすることが好ましい。この場合、吸着材の表面積を高く維持することができ、高い金属水銀の除去率を得ることができる。
本発明によれば、排気ガス中の金属水銀を吸着除去するために好適な吸着材を提供することができる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の排ガス処理システムの一実施形態の系統構成を示す図である。図示のように、排ガス処理システムは、ボイラ1、脱硝装置2、熱交換器3、乾式電気集塵機4、湿式脱硫装置5、湿式電気集塵機6、煙突7、アンモニア注入装置8、吸着材充填層9を備えて構成され、各装置は排ガスダクトなどで接続されている。
ボイラ1から排出された石炭の燃焼排ガスは、アンモニア注入装置8によりNHが注入される。NHが注入された排ガスは、脱硝装置2に導入され、NHとNOとの反応が行われる。NOが除去された排ガスは、吸着材充填層9に導入され、ここにおいて排ガス中の水銀が吸着除去される。水銀が除去された排ガスは熱交換器3を経て、乾式電気集塵機4にて煤塵が除去された後、湿式脱硫装置5で排ガス中のSOが除去される。湿式電気集塵機6で煤塵を除去後、煙突7より大気に放出される。
本実施の形態において、吸着材充填層9は、充填箱に複数の水銀吸着材が並べて配置され、排ガスが吸着材充填層9を通過する過程で水銀吸着材に接触して、水銀が吸着除去される。水銀吸着材は、高表面積を有する不活性担体(例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア)に、三酸化モリブデン又は三酸化タングステンを担持して形成されている。
三酸化モリブデンや三酸化タングステンへの金属水銀の吸着メカニズムは明らかではないが、前記(A)、(B)、及び(1)式で示したように、化学吸着と物理吸着の両方が考えられる。
本実施の形態の吸着材の吸着成分として用いられる三酸化モリブデンの原料は、モリブデン酸アンモニウムやモリブデン酸ナトリウムなど一般的に良く知られているモリブデン酸アルカリの他、モリブデン酸や三酸化モリブデンそのものを使用することができる。ここで、モリブデン酸アルカリは、アルカリ成分が水銀吸着能に悪影響を及ぼす可能性があるため、モリブデン酸アンモニウムやモリブデン酸、三酸化モリブデンのいずれかを用いることが好ましい。また、三酸化タングステンの原料についても同様で、タングステン酸アンモニウムやタングステン酸や三酸化タングステンのいずれかを用いることが好ましい。
三酸化モリブデンや三酸化タングステンを担持する担体は、不活性担体であればよく、特に限定されるものではないが、表面積が100m2/g以上である多孔質の不活性担体を用いると、吸着材の表面積を大きくできるので金属水銀の除去率を向上できる。
水銀吸着材の調製方法は、上記したモリブデン原料又はタングステン原料と不活性担体それぞれの粉末を混練し、ペースト状にしたものを金網やメタルラスなどの網状物に塗布後、乾燥及び焼成する方法を用いることができる。また、モリブデン又はタングステンと不活性担体の混合スラリを、板状或いはハニカム状の不活性担体にコーティングした後、乾燥及び焼成する方法を用いてもよい。ここで、不活性担体としては、例えば、無機繊維シートをコルゲート加工したハニカム状担体、無機繊維製不織布シート、コージェライトやアルミナなどのセラミックハニカム担体、Eガラス繊維などの無機繊維ヤーンを網状に織った網状物、金網やメタルラスなどの網状物に無機繊維物を担持したものを用いることができる。
また、モリブデン原料又はタングステン原料を溶解した溶液を上記の板状或いはハニカム状の不活性担体に含浸して、モリブデン又はタングステンを担持し、これを乾燥及び焼成する方法を用いてもよい。
これらの調製方法における焼成温度は、いずれの場合でも300〜600℃に設定すると良いが、300〜400℃程度の低温側で焼成すると、吸着材の表面積を高く維持することができる。
また、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどの不活性担体に対して、三酸化モリブデン又は三酸化タングステン等の吸着成分が5atom%以上担持されていればよい。5atom%以下では分散化の効果が小さく、特に上限に制限は無いが、20atom%を超える量を担持すると、焼成時に三酸化モリブデンや三酸化タングステンの焼結による表面積の低下が大きくなるため、担持量は5〜20atom%とするのが好ましい。
煤塵などのダストが多い排ガスに対しては、水銀吸着材の形状を板状にすることで、磨耗や目詰まりを防止することができる。逆にダストが少ない場合は、ハニカム状にすることで板状よりも表面積を大きく取ることができる。
吸着材充填層9の設置場所は、特に制限されないが、脱硝装置2の前流側或いは後流側のどちらに設置してもよく、特に、図1に示すように脱硝装置2の後流側に設置すると、吸着材に金属水銀が吸着するのを妨げる一酸化窒素及びアンモニアの濃度が低いため高い金属水銀の除去率を得ることができる。
また、吸着材充填層9を脱硝装置2の前流側に設置する場合は、アンモニアによる金属水銀の吸着阻害による金属水銀の除去率低下を防止するため、アンモニア注入装置8の前流側に吸着材充填層9を設置した方が好ましい。さらに、これらいずれの場合でも排ガス温度が300〜400℃付近であるとことが好ましい。
本実施の形態の吸着材を用いた金属水銀の除去方法では、活性炭やハロゲン化合物などの添加剤を必要としないため、運転費用が安価である。また、従来の触媒酸化方式では、排ガス中Cl濃度が低いと、触媒での金属水銀の酸化効率が低下し、金属水銀の除去率が低下していたが、本実施の形態では、Cl濃度が低い排ガス中でも、金属水銀を効率的に吸着除去することが可能である。
また、排ガス中にSOが含まれる場合、前記式(2)で示したように、紫煙・配管類の腐食の原因となるSOの生成反応が起こるが、本実施の形態の水銀吸着材では、含有成分が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどの不活性成分と、SOに対する酸化活性は非常に低い三酸化モリブデン、三酸化タングステンで構成されているため、SOの発生を心配する必要は無い。
次に、本実施の形態を適用し、実験により分析を行った実施例及びその比較例について図1、表1、表2を用いて説明する。なお、本実施の形態を試験例1と呼ぶ。
図1に示すように、試験例1では、脱硝装置2の後流側に吸着材充填層9を設置した場合を想定して実験を行った。このとき、吸着材充填層9に導入される排ガスは、脱硝処理後のガスであるので、本試験では、一酸化窒素及びアンモニアが存在しない条件(表1−試験例1)で行った。以下に示す実施例1〜7及び比較例1、2で調整した吸着材を吸着材充填層9に適用し、通ガスから5時間後のガス中金属水銀の除去率を測定した。その結果を表2に纏めて示した。
Figure 2008238057
シリカ粉末、モリブデン酸アンモニウム、水とシリカ系無機繊維を加えてニーダを用いて混練し、組成がSi/Mo=95/5(原子比)である触媒ペーストを調製した。これとは別にSUS430製帯鋼をメタルラス加工して目開きが約3mmの網状基材を作成し、この基材に上記ペーストを置き、加圧ローラで通過させることにより、基材の網目間及び表面にペーストを圧着して厚さ0.7mmの板状物に成型した。この板状物を150℃で2時間乾燥後、大気中400℃で2時間焼成し、板状の吸着材を得た。
モリブデン酸アンモニウムをパラタングステン酸アンモニウムに変更した以外は実施例1と同様にして板状の吸着材を得た。
シリカ粉末をチタニア粉末に変更した以外は実施例1と同様にして板状の吸着材を得た。
モリブデン酸アンモニウムをパラタングステン酸アンモニウムに変更した以外は実施例3と同様にして板状の吸着材を得た。
Ti/Mo=90/10に変更した以外は実施例3と同様にして板状の吸着材を得た。
チタニア粉末、パラタングステン酸アンモニウム、水とシリカ系無機繊維を加えてニーダを用いて混練し、組成がTi/W=95/2.5(原子比)である触媒ペーストを調製した。これとは別にSUS430製帯鋼をメタルラス加工して目開きが約2mmの網状基材を作成し、この基材に上記ペーストを置き、加圧ローラで通過させることにより、基材の網目間及び表面にペーストを圧着して厚さ0.7mmの板状物に成型した。この板状物を150℃で2時間乾燥後、モリブデン酸アンモニウム溶液に含浸した。これを再び150℃で2時間乾燥した後、大気中400℃で2時間焼成し、組成がTi/Mo/W=95/2.5/2.5(原子比)の板状の吸着材を得た。
アルミナ及びシリカを主成分とする多孔質コージェライトハニカム担体に、モリブデン酸アンモニウム溶液を含浸した。これを150℃で2時間乾燥した後、大気中400℃で2時間焼成し、組成がTi/Mo=95/5(原子比)のハニカム状の吸着材を得た。
(比較例1)
モリブデン酸アンモニウムを加えずに、以下実施例1と同様にして板状の吸着材を得た。
(比較例2)
モリブデン酸アンモニウムを加えずに、以下実施例3と同様にして板状の吸着材を得た。
Figure 2008238057
表2の結果より、三酸化モリブデン及び三酸化タングステンを吸着材として用いると、排ガス中の金属水銀を除去することが可能である。また、担体が同じである場合、三酸化モリブデンを吸着材としたときの金属水銀の除去率は三酸化タングステンより高い値を示した。また、吸着成分が同じ場合、チタニアを担体とした場合の金属水銀の除去率はシリカよりも高い値を示した。
実施例6に示すように、三酸化モリブデン及び三酸化タングステンの吸着成分の比を1対1の割合で混合したものは、同じ成分量を有する三酸化モリブデン(実施例3)と三酸化タングステン(実施例4)金属水銀の除去率の中間の値を示した。さらに、吸着材成分量を増加させれば、金属水銀の除去率が大幅に向上した。
(実施形態2)
図2は本発明の他の一実施形態である排ガス処理システムの系統構成を示す図である。以下、試験例2と呼ぶ。
図示のように、本実施の形態が実施形態1と異なる点は、図2に示すように、アンモニア注入装置8及び脱硝装置2の前流側に吸着材充填層9を設置したことにある。このとき、吸着材充填層9に導入される排ガスは、未処理ガスであり、アンモニアが注入される前のガスであるので、本試験は、一酸化窒素のみ存在する条件(表1−試験例2)で行った。また、実施形態1の実施例1〜4の吸着材と同一のものを用いて、通ガスから5時間後のガス中金属水銀の除去率を測定した。その結果を表3に纏めて示した。
Figure 2008238057
表3の結果より、排ガス中の金属水銀の除去性能は、一酸化窒素が吸着材への金属水銀の吸着を妨げているため、試験例1の結果と比較すると少し低くなったが、吸着材による金属水銀の除去効果は認められた。
(実施形態3)
図3は本発明の他の一実施形態である排ガス処理システムの系統構成を示す図である。以下、試験例3と呼ぶ。
図示のように、本実施の形態が実施形態1と異なる点は、アンモニア注入装置8と脱硝装置2の間に吸着材充填層9を設置したことにある。このとき、吸着材充填層9に導入される排ガスは、アンモニア注入後の未処理ガスであるので、本試験は、一酸化窒素とアンモニア両方が存在する条件(表1−試験例3)で行った。実施形態1の実施例1〜4の吸着材と同一のものを用いて、通ガスから5時間後のガス中金属水銀の除去率を測定した。その結果を表4に纏めて示した。
Figure 2008238057
金属水銀の除去性能は、一酸化窒素、アンモニア両方の影響を受けるため、試験例1、2の結果と比較すると最も低くなったが、吸着材による金属水銀の除去効果は認められた。この場所に吸着材充填層を設置する場合は、吸着材成分量を増加させて、金属水銀の除去性能を高める必要がある。
試験例1から試験例3の結果より、一酸化窒素とアンモニアの両方の濃度が低い場合に、最も高い金属水銀の除去率が得られることが分かる。従って、水銀吸着材は、一酸化窒素やアンモニアをほとんど含まない脱硝装置出口に設置することが最も好ましい。
本発明の排ガス処理システムの実施の形態の系統構成を示す図である。 本発明の他の一実施形態である排ガス処理システムの系統構成を示す図である。 本発明の他の一実施形態である排ガス処理システムの系統構成を示す図である。
符号の説明
1 ボイラ
2 脱硝装置
3 熱交換器
4 乾式電気集塵機
5 湿式脱硫装置
6 湿式電気集塵機
7 煙突
8 アンモニア注入装置
9 吸着材充填層

Claims (5)

  1. シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどの不活性担体に、三酸化モリブデン又は三酸化タングステンが5atom%以上担持されている排ガス中の金属水銀の吸着材。
  2. 請求項1に記載の吸着材は、板状又はハニカム状に形成されてなることを特徴とする吸着材。
  3. 請求項1又は2に記載の吸着材に金属水銀を含有する排ガスを接触させ、排ガス中の金属水銀濃度を低減することを特徴とする排ガス中の金属水銀の除去方法。
  4. 一酸化窒素及び金属水銀を含有する排ガスを、脱硝装置内に導入して一酸化窒素濃度を低減した後、請求項1又は2に記載の吸着材に接触させ、排ガス中の金属水銀濃度を低減することを特徴とする排ガス中の金属水銀の除去方法。
  5. 請求項3又は4に記載の排ガス中の金属水銀の除去方法において、吸着材に接触される排ガスの温度が300〜400℃であることを特徴とする排ガス中の金属水銀の除去方法。
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