JP2014200336A - 医療装置 - Google Patents

医療装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014200336A
JP2014200336A JP2013076466A JP2013076466A JP2014200336A JP 2014200336 A JP2014200336 A JP 2014200336A JP 2013076466 A JP2013076466 A JP 2013076466A JP 2013076466 A JP2013076466 A JP 2013076466A JP 2014200336 A JP2014200336 A JP 2014200336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
medical device
image receiving
unit
balloon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013076466A
Other languages
English (en)
Inventor
泰佳 中野
Yasuyoshi Nakano
泰佳 中野
達 末原
Tatsu Suehara
達 末原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2013076466A priority Critical patent/JP2014200336A/ja
Publication of JP2014200336A publication Critical patent/JP2014200336A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)
  • Endoscopes (AREA)

Abstract

【課題】生体内において所定の処置を行うために設けられる処置部の前方側を確認することを可能にし、正確で安全、且つ迅速な手技を実現し得る医療装置を提供する。
【解決手段】先端に第1対物レンズ111が装着され、第1対物レンズ111を介して取り込まれた第1光学像を基端へ伝送させる第1ファイバー110と、先端に第2対物レンズ121が装着され、第2対物レンズ121を介して取り込まれた第2光学像を基端へ伝送する第2ファイバー120と、第1光学像および第2光学像が受像可能に構成された受像部130と、第1ファイバー110の先端よりも第2ファイバー120の先端が軸方向の基端側に配置されるように第1ファイバー110と第2ファイバー120を保持する保持部140と、第2対物レンズ121よりも軸方向の先端側に配置され、生体内において所定の処置を行うために設けられる処置部160と、を有している。
【選択図】図2A

Description

本発明は、医療装置に関する。
生体内に、種々の疾患を原因として、管腔や体腔等の管状器官に狭窄部が形成されることがある。その一例として、例えば、副鼻腔に生じた副鼻腔炎が原因となり、鼻腔と連通する自然口が狭窄する症状が知られている。このような狭窄部に対する治療として、従来は病変部を鉗子及びドリル等によって除去する外科的処置が一般的であったが、近年は、狭窄した自然口をバルーンカテーテルによって拡張する低侵襲な処置が注目されている。例えば特許文献1では、硬性内視鏡下でバルーンカテーテルを操作することによって自然口を拡張する方法が開示されている。しかしながら、硬性内視鏡等を使用した手技においては、バルーンカテーテル等の処置具を使用する場合に、両手がふさがってしまうという課題や、内視鏡の太さに制約されて観察範囲が狭められてしまうという課題が生じる。
特表2008−513125号公報
上記のような課題を解決するために、カメラデバイスをバルーンカテーテル等の医療装置に搭載する場合、狭窄部などの処置対象部位を視野に収めることを可能にするために、カメラを先端に設けてバルーンの前方側を確認することを可能にするのが一般的である。しかしながら、医療装置がこのように構成される場合、バルーンを直接観察しながら位置決めを行うことができないため、盲目的に手技を行うことになる。また、バルーンを拡張しながらその拡張状態を確認することができないため、狭窄部が拡張されたか否かを確認することができない。
したがって、バルーン等の所定の処置部を備える医療装置にカメラデバイスを搭載する場合において、処置部およびその前方側の両方を視野に収めることが可能となれば、より正確で安全、且つ迅速な手技を実現し得ると考えられる。
そこで、本発明の目的は、生体内において所定の処置を行うために設けられる処置部と、その処置部の前方側を確認することを可能にし、もって正確で安全、且つ迅速な手技を実現し得る医療装置の提供を目的とする。
本発明は、下記の(1)〜(15)のいずれかの手段によって達成され得る。
(1)先端に第1対物レンズが装着され、前記第1対物レンズを介して取り込まれた第1光学像を基端へ伝送する第1ファイバーと、先端に第2対物レンズが装着され、前記第2対物レンズを介して取り込まれた第2光学像を基端へ伝送する第2ファイバーと、前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーの基端側に配置され、前記第1ファイバーによって伝送された第1光学像および前記第2ファイバーによって伝送された第2光学像が受像可能に構成された受像部と、前記第1ファイバーの先端よりも前記第2ファイバーの先端が軸方向の基端側に配置されるように前記第1ファイバーと前記第2ファイバーを保持する保持部と、前記第2対物レンズのレンズ面よりも軸方向の先端側に配置可能に構成されるとともに、生体内において所定の処置を行うために設けられる処置部と、を有する医療装置。
(2)前記保持部は、前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーが挿通可能な挿通ルーメンが形成された長尺部材を有する請求項1に記載の医療装置。
(3)前記挿通ルーメンに挿通された前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーのうちの少なくとも一方のファイバーが前記挿通ルーメンの先端開口から突出する際の突出角度を調整する角度調整部を有する上記(2)に記載の医療装置。
(4)前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーのうちの少なくとも一方のファイバーが他方のファイバーの外周に沿って回転可能に構成されている、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の医療装置。
(5)前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーのうちの少なくとも一方のファイバーが当該一方のファイバーの軸周りに回転可能に構成されている、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の医療装置。
(6)前記受像部に対する前記第1ファイバーの基端の相対的な位置、および前記受像部に対する前記第2ファイバーの基端の相対的な位置を、前記軸と交差する方向において変更させるための位置変更部をさらに有する、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の医療装置。
(7)前記第1ファイバーの基端および前記第2ファイバーの基端と前記受像部との間に配置され、前記受像部への前記第1光学像の受像と前記受像部への前記第2光学像の受像を選択的に切り替えるための受像切り替え部をさらに有する上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の医療装置。
(8)前記受像部に対して前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーを接近離反移動させるための接近離反移動部をさらに有する上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の医療装置。
(9)前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーが前記受像部に対して相対的に回転可能に構成されている、上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の医療装置。
(10)前記第1ファイバーの前方へ向けて光を照射する第1ライトガイドと、前記第2ファイバーの前方へ向けて光を照射する第2ライトガイドと、前記第1ライトガイドの光量および前記第2ライトガイドの光量を独立して調整自在な光量調整部と、をさらに有する上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の医療装置。
(11)前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーとともに前記受像部へ光を導光する導光部をさらに有する上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の医療装置。
(12)前記処置部は、流体の注入および排出によって拡張および収縮可能なバルーンによって構成されており、前記バルーンは、前記保持部、前記第1ファイバー、および前記第2ファイバーの少なくとも一つに装着される、上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の医療装置。
(13)前記バルーンには、拡張した際に当該バルーンの拡張状態を識別可能にする識別部が設けられる、上記(12)に記載の医療装置。
(14)前記処置部は、前記保持部の内部から外部へ突出可能に構成されるとともに生体組織を採取する生検器具を有する上記(1)〜(13)のいずれか1つに記載の医療装置。
(15)前記処置部は、生体の副鼻腔に連なる自然口に形成された狭窄部を拡張するための拡張手段によって構成されており、当該医療装置が副鼻腔炎の治療に用いられる治療装置である、上記(1)〜(14)のいずれか1つに記載の医療装置。
上記(1)に記載の発明によれば、第2対物レンズが装着された第2ファイバーの先端が処置部よりも基端側に配置されているため、第2ファイバーを介して受像部へ伝送される第2光学像を観測することにより、処置部の位置を的確に把握することが可能となる。これに加えて、第1ファイバーを介して受像部へ伝送される第1光学像を観測することにより、医療装置の前方側の状態を確認することもできる。したがって、各ファイバーを介して伝送される各光学像を確認しつつ、処置部による各種の処置を行うことにより、正確で安全、且つ迅速な手技を実現することが可能となる。
上記(2)に記載の発明によれば、保持部が、第1ファイバーおよび第2ファイバーが挿通可能な挿通ルーメンが形成された長尺部材によって構成されているため、各ファイバーをそれぞれルーメン内において保持することができ、各ファイバーに擦れや撚れ等の損傷が生じてしまうことを好適に防止することができる。
上記(3)に記載の発明によれば、挿通ルーメンに挿通された少なくとも一方のファイバーが、挿通ルーメンの先端開口から突出する際の突出角度を調整する角度調整部を有するため、各ファイバーを進退移動させることにより、それぞれのファイバーが備える対物レンズの観察範囲を広げることができ、医療装置の前方側や処置部の状況を使用者により正確に伝達することが可能となる。
上記(4)に記載の発明によれば、第1ファイバーおよび第2ファイバーのうちの少なくとも一方のファイバーが他方のファイバーの外周に沿って回転可能に構成されているため、各ファイバーの対物レンズによる観察範囲を広げることができ、医療装置の前方側や処置部の状況を使用者により正確に伝達することが可能となる。
上記(5)に記載の発明によれば、前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーのうちの少なくとも一方のファイバーが当該一方のファイバーの軸周りに回転可能に構成されているため、視野の向きを、上下、左右方向等の任意の方向へ変更することが可能となり、医療装置の使用用途に応じて、使用者が見やすい環境を提供することができる。
上記(6)に記載の発明によれば、受像部に対する第1ファイバーの基端の相対的な位置、および受像部に対する第2ファイバーの基端の相対的な位置を、軸と交差する方向において変更させることが可能になるため、受像部において映し出される各光学像の割合を変更させたり、一方の光学像のみを選択的に映し出したりすることが可能となるため、医療装置の使用用途に応じて、使用者が手技を行うのに適した映像を提供することができる。
上記(7)に記載の発明によれば、受像部における第1光学像の受像と受像部における第2光学像の受像を選択的に切り替えて、任意の光学像のみを映し出すことが可能となるため、医療装置の使用用途に応じて、使用者が手技を行うのに適した映像を提供することができる。
上記(8)に記載の発明によれば、受像部に対して第1ファイバーおよび第2ファイバーを接近離反移動させることにより、ファイバーごとにピント調整を行うことが可能となり、より鮮明な光学像を映す出すことが可能となる。
上記(9)に記載の発明によれば、各光学像の向きを変えることが可能となるため、医療装置の使用用途に応じて、使用者が手技を行うのに適した映像を提供することができる。
上記(10)に記載の発明によれば、光調整部によって各ライトガイドの光量を調整することが可能となるため、ハレーションの発生を防止することができ、また均等な明度で各光学像を映し出させることが可能となるため、受像部を介してより鮮明な光学像を観測することが可能となる。
上記(11)に記載の発明によれば、第1ファイバーおよび第2ファイバーとともに受像部へ光を導光する導光部によって鏡筒内へ直接光を導入することができ、映し出される光学像にハレーションが生じることを好適に防止することが可能となる。
上記(12)に記載の発明によれば、処置部が、流体の注入および排出によって拡張および収縮可能なバルーンによって構成されているため、バルーンによって狭窄部を拡張する拡張手技に医療装置を使用することが可能となる。
上記(13)に記載の発明によれば、処置部を構成するバルーンには、拡張した際に当該バルーンの異なる部位をそれぞれ識別可能にする識別部が設けられているため、バルーンの拡張状態を確認する際に、バルーンの拡張量をより的確に把握することが可能となる。また、バルーンの拡張量に基づいて狭窄部がどの程度まで押し広げられているのかといったことを把握することも可能になるため、より迅速かつ安全に手技を行うことが可能となる。
上記(14)に記載の発明によれば、第2ファイバーを介して基端側から生検器具を使用した作業を確認することができるため、生検器具を使用した手技を正確で安全、且つ迅速に行うことができる。
上記(15)に記載の発明によれば、処置部が、生体の副鼻腔に連なる自然口に形成された狭窄部を拡張するための拡張手段によって構成されているため、副鼻腔炎の治療に有効に作用し得る医療装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る医療装置の全体構成を示す概観図である。 第1実施形態に係る医療装置の要部を説明するための部分断面図である。 医療装置が備える受像部に映される光学像を例示する図である。 第1実施形態に係るバルーンの改変例を説明するための図である。 第1実施形態に係るバルーンの改変例を説明するための図である。 第1実施形態に係るバルーンの他の改変例を説明するための図であって、医療装置の側面を拡大して示す図である。 第1実施形態に係るバルーンの他の改変例を説明するための図であって、図4Aに示す4B方向から第2対物レンズを見た矢示図である。 第1実施形態の変形例1に係る医療装置の要部を示す部分断面図である。 第1実施形態の変形例2に係る医療装置の要部を示す部分断面図である。 第1実施形態の変形例3に係る医療装置の要部を示す部分断面図である。 第1実施形態の変形例4に係る医療装置の要部を示す部分断面図である。 第1実施形態の変形例5に係る医療装置の要部を示す部分断面図である。 第1実施形態の変形例6に係る医療装置を説明するための図であって、医療装置の軸直交方向に沿う断面を示す図である。 第1実施形態の変形例7に係る医療装置を説明するための図であって、医療装置の軸直交方向に沿う断面を示す図である。 第1実施形態の変形例8に係る医療装置を説明するための図であって、鏡筒を拡大して示す図である。 第1実施形態の変形例8に係る医療装置の作用を説明するための図であって、鏡筒の位置と各ファイバーの位置との関係を簡略的に示す図である。 第1実施形態の変形例8に係る医療装置の作用を説明するための図であって、鏡筒の位置と各ファイバーの位置との関係を簡略的に示す図である。 第1実施形態の変形例9に係る医療装置の作用を説明するための図であって、鏡筒を拡大して示す図である。 第1実施形態の変形例9に係る医療装置の作用を説明するための図であって、鏡筒が備える受像部に受像される像の選択が行われる様子を示す図である。 第1実施形態の変形例9に係る医療装置の作用を説明するための図であって、鏡筒が備える受像部に受像される像の選択が行われる様子を示す図である。 第1実施形態の変形例10に係る医療装置の作用を説明するための図であって、鏡筒を拡大して示す図である。 第1実施形態の変形例11に係る医療装置を説明するための図であって、医療装置の軸直交方向に沿う断面を示す図である。 第1実施形態の変形例11に係る医療装置の作用を説明するための図であって、医療装置が備える受像部に映される光学像の変化の様子を示す図である。 第1実施形態の変形例11に係る医療装置を説明するための図であって、医療装置の軸直交方向に沿う断面を示す図である。 第1実施形態の変形例11に係る医療装置の作用を説明するための図であって、医療装置が備える受像部に映される光学像の変化の様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る医療装置の全体構成を簡略化して示す図である。 本発明の第3実施形態に係る医療装置の全体構成を簡略化して示す図である。 本発明の第4実施形態に係る医療装置の要部を示す図である。 第4実施形態に係る各ファイバーおよび対物レンズの配置関係を示す図である。 第5実施形態に係る各ファイバーの先端面を示す図である。 第5実施形態に係る各ファイバーの先端面を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
以下、副鼻腔炎によって自然口に狭窄部が形成された患者に対して本発明の医療装置を適用した例を通じて各実施形態を説明する。なお、各図の説明において、図2Aにおける左側を「先端側」と称し、右側を「基端側」と称し、左右方向を「軸方向」と称する。
図1、図2Aに示すように、概説すれば、本実施形態に係る医療装置10は、先端に第1対物レンズ111が装着され、当該第1対物レンズ111を介して取り込まれた第1光学像を基端へ伝送させる第1ファイバー110と、先端に第2対物レンズ121が装着され、当該第2対物レンズ121を介して取り込まれた第2光学像を基端へ伝送する第2ファイバー120と、第1ファイバー110および第2ファイバー120の基端側に配置され、第1ファイバー110によって伝送された第1光学像および第1ファイバー110によって伝送された第2光学像を受像可能に構成された受像部130と、第1ファイバー110の先端よりも第2ファイバー120の先端が軸方向の基端側に配置されるように第1ファイバー110と第2ファイバー120を保持する保持部140と、第2対物レンズ121よりも軸方向の先端側に配置可能に構成されるとともに、生体内において所定の処置を行うために設けられる処置部160と、を有している。
第1ファイバー110は、光学像の伝送に一般的に用いられるイメージファイバーによって構成しているが、例えば、ガラスファイバーやプラスチックファイバーなどによって構成することができる。第2ファイバー120は第1ファイバー110と同様のものを使用することができる。
第1ファイバー110の先端に配置された第1対物レンズ111には光を集光させて光学像を作り出す一般的な対物レンズを使用することができ、例えば、ガラスレンズ、樹脂レンズ、屈折率分布レンズ、フレネルレンズ、プリズム等の公知のものを使用することができる。第2ファイバー120の先端に配置された第2対物レンズ121も第1対物レンズ111と同様に公知のものによって構成することができる。
第1ファイバー110および第2ファイバー120の基端側に配置された受像部130は、第1ファイバー110によって伝送される第1光学像および第2ファイバー120によって伝送される第2光学像をそれぞれ拡大または縮小させるために設けられる。本実施形態では、この受像部130を、一般的な光学撮影装置に用いられている接眼レンズによって構成している。ただし、受像部130は、各ファイバー110、120を介して伝送される光学像が観察者の目や公知のカメラデバイス等を介して視認することが可能に構成されていればよく、例えば、接眼レンズおよび他の光学レンズを含むレンズ群、接眼レンズ以外の光学レンズ、接眼レンズを含まない光学レンズからなるレンズ群、ファイバーのような光伝送部材などによって構成することが可能である。
受像部130は、所定形状の筐体173内に収容しており、この筐体173と受像部130とによって鏡筒170を構成している。なお、鏡筒170内には、図示するように各ファイバー110、120を束ねることにより、各ファイバー110、120の取り扱いを容易にする結束部材175を設けることができる。本実施形態では、第1、第2ファイバー110、120に対して1つの受像部130を共用化した構成としているため、製品の部品点数を少なく抑えることができ、製造の容易化、製造コストの削減を図ることができる。
鏡筒170は、受像部130および各ファイバー110、120を保持することが可能に構成されていればよく、硬質の所定の部材を選択することができるが、例えば、樹脂材料や金属材料によって構成されることが好ましい。その構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ステンレス鋼、アルミニウム、銅または銅系合金等の各種金属材料、各種ガラス、アルミナ、シリカ等の各種セラミックスが挙げられる。また、受像部130が接眼レンズで構成されている場合、アイピースと呼ばれ、観察者の目や公知のカメラを介して視認することが可能である。
受像部130は、第1ファイバー110を介して伝送される第1光学像と第2ファイバー120を介して伝送される第2光学像を受像し、それぞれの像を拡大または縮小して視覚可することを可能にする。鏡筒170を基端側から覗き込むと、図2Bに示すように、二つの光学像A、Bを同時に観測することが可能となる。なお、本実施形態では、第1ファイバー110の径を、第2ファイバー120の径よりも大きく形成しているため、第2光学像Bよりも第1光学像Aの方が大きく映し出される。また、図2Bからも理解できるように、第1ファイバー110の基端部と第2ファイバー120の基端部とが所定の方向に離れて配置されているため、各光学像A、Bの位置もこれに応じて位置をずらして映し出される。
図2Aに示すように、本実施形態では、各ファイバー110、120を保持するために用いられる保持部140は、第1ファイバー110および第2ファイバー120が挿通可能な挿通ルーメン141が形成された長尺部材140によって構成している。以下、保持部140を長尺部材140とも記す。
また、本実施形態では、第1ファイバー110は、管状部材150に挿通され、この管状部材150に挿通された状態で長尺部材140の挿通ルーメン141内に挿通される。一方、第2ファイバー120は、図示するような所定の位置から位置ずれしないように、挿通ルーメン141に挿通された状態で管状部材150に固着させている。
各ファイバー110、120を長尺部材140や管状部材150に挿通させる際、または挿通させた状態で進退移動等させる際に各部材が回転してしまうことを防止するために、例えば、各ファイバー110、120の断面形状および挿通ルーメン141の断面形状を非回転対称形状に形成することができる。非回転対称形状として、例えば、楕円形、多角形形状などを採用することができる。また、この他にも、磁力を利用して回転を防止するように構成することができる。
長尺部材140を構成する材料としては、軟質や硬質の所定の部材を選択することができるが、例えば、生体内への導入性を考慮して可撓性を有する樹脂材料や金属材料によって構成されることが好ましい。その構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ステンレス鋼、アルミニウム、銅または銅系合金等の各種金属材料、各種ガラス、アルミナ、シリカ等の各種セラミックスが挙げられる。
管状部材150には、例えば、保持部140と同様の材料によって構成されたものを使用することができる。
本実施形態では、処置部160は、流体の注入および排出によって拡張および収縮可能なバルーン(拡張手段に相当する)によって構成している。バルーン160は、第1ファイバー110が挿通された管状部材150の先端側の外周に配置される。このため、バルーン160は管状部材150を介して第1ファイバー110に装着される。
管状部材150は、例えば、手元の操作等によって湾曲変形させることができるように構成することができる。管状部材150には、例えば、公知の軟性内視鏡のように、紐やワイヤ、ブレード等の押し引き部材を取り付けることができ、この押し引き部材を操作することによって湾曲動作を行うように構成することができる。
バルーン160は、第2対物レンズ121よりも先端側に配置されるため、第2対物レンズ121の観察範囲に収められる。したがって、受像部130を介してバルーン160を常時観測することが可能となっている。
図2Aに示すように、バルーン160は、筒状に拡長可能な拡張有効部161と、拡張有効部161よりも先端側に位置する先端側円錐部162と、拡張有効部161よりも基端側に位置する基端側円錐部163とを有している。バルーン160を使用した狭窄部Nの拡張は、狭窄部Nに拡張有効部161を位置させた状態でバルーン160を拡張させ、拡張有効部161を介して狭窄部Nに対して加圧力を付与することで行われる。なお、図中において拡張変形前の状態のバルーン160を二点鎖線で示す。
バルーン160には、医療分野において公知であるバルーンカテーテル等に使用されるものと同様のものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等によって構成されたものを使用することができる。
バルーン160の拡張および収縮は、図示省略するポンプ等の公知の流体供給装置、およびバルーン160の内腔と流体供給装置とを液密・気密に連通する公知の流体チューブ等を介して行うことができる。また、バルーン160の拡張に用いられる流体は、気体でも液体でもよく、例えば、ヘリウムガス、COガス、Oガス等の気体や、生理食塩水等の液体が挙げられる。
図1に示すように、医療装置10の基端部には、手元操作部180を設けることができる。この手元操作部180は、例えば、管状部材150の湾曲操作、挿通ルーメン141内における第1ファイバー110および第2ファイバー120の進退移動、その他後述する各ファイバーの移動や動作を手元で操作することを可能にするために設けられる。
また、図1に示すように、医療装置10を使用する際には、第1ライトガイド191および第2ライトガイド192が接続される所定のアダプタ210と、光源ケーブル220を介してアダプタ210に接続される光源装置230と、受像部130を介して伝送された各光学像を電気信号に変換する撮像素子240(例えば、結像用レンズを搭載したCMOSセンサやCCDセンサなど)と、撮像素子240から送信される電気信号を処理する信号処理部250と、各ファイバー110、120を介して伝送された光学像を画像として表示するディスプレイ260とを併用することができる。
図2Aに示すように、第1ライトガイド191は、管状部材150に挿通され、その先端が第1ファイバー110の先端付近に位置するように配置される。また、第2ライトガイド192は、長尺部材140の挿通ルーメン141に挿通され、その先端が第2ライトガイド192の先端付近に位置するように配置される。このため、第1ファイバー110の先端側は第1ライトガイド191から出射された光によって照らされ、第2ファイバー120の先端側は第2ライトガイド192から出射された光によって照らされるため、各対物レンズ111、121を介して各ファイバー110、120に結像および伝送された鮮明な光学像を、さらに受像部130を介して観察側(接眼レンズにおいて覗き込まれるレンズ面側)に伝送させることが可能となる。なお、各ライトガイド191、192は、アダプタ210側で一つに束ねて配置することができる。
各ライトガイド191、192の材料としては、第1ファイバー110および第2ファイバー120に使用されるものと同様のもの(例えば、ガラスファイバーやプラスチックファイバー)を使用することができる。
次に、本実施形態に係る医療装置10の作用を説明する。
図2Aに示すように、副鼻腔に隣接する自然口Oに形成された狭窄部Nへバルーン160の拡張有効部161を位置させる。この際、第2対物レンズ121によって結像され第2ファイバー120を介して伝送される第2光学像を、受像部130を介して観測することにより、狭窄部Nの位置およびバルーン160の位置を的確に把握することができる。したがって、正確かつ迅速にバルーン160を狭窄部Nに位置決めして配置することができる。
また、バルーン160の位置合わせを行う際に、第2ファイバー120よりも先端側に配置された第1ファイバー110を介して伝送される第1光学像を第2光学像とともに観測することにより、医療装置10の前方の状況を確認することもできるため、より一層迅速かつ安全に作業を行うことができる。
治療対象部位が副鼻腔である場合には、安全上、自然口Oの先に存在する副鼻腔内へ医療装置10が過剰に進入することを防止する必要があるが、手技の最中に第1ファイバー110を介して伝送される第1光学像を観測することにより、上記のような副鼻腔内への過剰な進入が生じてしまうことを好適に防止することができる。
バルーン160の拡張有効部161を狭窄部Nの所定の位置に位置合わせてした後、バルーン160を拡張させて狭窄部Nを押し広げる。この際、バルーン160が拡張する様子、および狭窄部Nが押し広げられる様子を受像部130に映る第2光学像を介して観測することが可能となるため、正確で安全、且つ迅速な手技を実現することができる。なお、ディスプレイ260等を併用する場合には、ディスプレイ260を介して手技の様子を確認することもできる。
以上、本実施形態に係る医療装置10によれば、第2対物レンズ121が装着された第2ファイバー120の先端が処置部160よりも基端側に配置されているため、第2ファイバー120を介して受像部130へ伝送される第2光学像を観測することにより、処置部160の位置を的確に把握することができる。これに加えて、第1ファイバー110を介して受像部130へ伝送される第1光学像を観測することにより、医療装置10の前方側の状態を確認することも可能になる。したがって、各ファイバー110、120を介して伝送される各光学像を確認しつつ、処置部160による各種の処置を行うことにより、正確で安全、且つ迅速な手技を実現することができる。
また、保持部140が、第1ファイバー110および第2ファイバー120を挿通可能な挿通ルーメン141が形成された長尺部材140によって構成されているため、各ファイバー110、120を挿通ルーメン141内において保持することができ、各ファイバー141、142に擦れや撚れ等の損傷が生じてしまうことを好適に防止することができる。
また、処置部160が、流体の注入および排出によって拡張および収縮可能なバルーンによって構成されているため、バルーンによって狭窄部Nを拡張する拡張手技に医療装置10を使用することが可能となる。
また、処置部160が、生体の副鼻腔に連なる自然口Oに形成された狭窄部Nを拡張するための拡張手段によって構成されているため、副鼻腔炎の治療に有効に作用し得る医療装置10を提供することが可能となる。
次に、上述した実施形態において説明したバルーンの改変例を説明する。第1実施形態において説明した部材と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
図3A、図3Bに示すように、処置部を構成するバルーン160には、拡張した際に当該バルーン160の拡張状態を識別可能にする識別部310を設けることができる。バルーン160に識別部310が設けられていると、第2光学像を観測してバルーン160の拡張状態を確認する際に、バルーン160の拡張量をより的確に把握することが可能となる。また、バルーン160の拡張量に基づいて狭窄部がどの程度まで押し広げられているのかといったことを把握することも可能になるため、より迅速かつ安全に手技を行うことが可能となる。
識別部310は、例えば、図3Aに示すように、径方向の異なる位置に付された複数の直線状のマーカーにより構成することができる。また、図3Bに示すように、バルーン160の径方向に同心円状に付したマーカー等によって構成することもできる。なお、色味や模様は、狭窄部Nとの境界が明瞭に判別できるように、例えば、生体組織とのコントラストが高くなる色や模様であることが好ましい。さらに、各ライトガイド191、192から照射される光が反射して見えにくくなることを防止するために、光の反射を抑えるつや消しの着色がなされていることが好ましい。
次に、バルーン160の他の改変例を説明する。
図4A、図4Bに示すように、処置部をバルーン160によって構成する場合には、例えば、拡張する前のバルーン160の内側に第2対物レンズ121を収容させて配置することができる。このように配置すると、バルーン160を拡張させるまでの間、第2対物レンズ121のレンズ面に汚れが付着することを好適に防止することが可能となる。したがって、バルーン160の拡張状態および狭窄部Nの押し広げられた状態を確認する際には、より鮮明に第2光学像を観測することが可能となる。なお、バルーン160が拡張した際には、バルーン160が第2対物レンズの前方側および側方側へ広がるため、バルーン160の観測を好適に行うことができる。
次に、第1実施形態の各変形例を説明する。上述した第1実施形態において既に説明した部材については、同一の部材を付してその説明を一部省略する。また、各変形例の説明では、重複する部材の図示も一部省略し、変更された箇所を中心に説明する。
<変形例1>
図5に示すように、例えば、医療装置10には、保持部を構成する長尺部材140の挿通ルーメン141に挿通された第2ファイバー120が、挿通ルーメン141の先端開口145から突出する際の突出角度を調整する角度調整部320を設けることができる。第2ファイバー120を進退移動させることにより、第2対物レンズ121の観察範囲を広げることができ、医療装置の前方側や処置部の状況を使用者により正確に伝達することが可能となる。
第2ファイバー120が進退移動可能となるように、本変形例では、第1ファイバー用の長尺部材140と、第2ファイバー120用の長尺部材140を個別に備えさせている。なお、本変形例では、第1ファイバー110も第2ファイバー120から独立して進退移動可能に構成されている。また、第1ファイバー110が突出する際の角度が変更されるように構成することも可能である。
<変形例2>
図6に示すように、例えば、医療装置10は、バルーン160が第1ファイバー110に一体的に形成された構成とすることも可能である。さらに、第2ファイバー120を挿通ルーメン141に挿通させずに長尺部材140の外表面に固着させることができる。このように構成すると、医療装置10を全体的に細径化して構成することが可能となる。
<変形例3>
図7に示すように、例えば、医療装置10は、バルーン160が第1ファイバー110に一体的に形成され、さらに第1ファイバー110が保持部をなす長尺部材140の挿通ルーメン141内を移動可能となるように構成することができる。このように構成する場合には、必要に応じてバルーン140を挿通ルーメン141内に収容することができるため、生体内を移動させるときなどにバルーン140が生体器官等と干渉することを好適に防止することができ、医療装置10を生体内において円滑に移動させることが可能となる。
<変形例4>
図8に示すように、例えば、医療装置10が備える処置部160は、長尺部材140の内部から外部へ突出可能に構成されるとともに生体組織を採取する生検器具330を有するように構成することができる。生検器具330の構成は特に限定されないが、本変形例では、管状構造を有する気管支等の壁面に位置し、医療装置10に対して離れた位置にある組織を採取することができるような湾曲した形状付けがなされた器具を使用している。生検器具330を使用した処置を行う場合においても、バルーン160を使用する場合と同様に、第2ファイバー120を介して基端側から生検器具330の様子を確認することが可能であるため、正確で安全、且つ迅速な手技を実現することが可能となる。
<変形例5>
図9に示すように、医療装置10が備える処置部160は、例えば、生体組織を掻き分けるように構成された離間器340を有するように構成することができる。離間器340を設けることにより、第2対物レンズ121が生体組織と接触して体液や血液等の汚れがレンズに付着したり、組織が損傷したりすることを防ぐことができる。このような離間器340を使用する場合においても、バルーン160や生検器具330を使用する場合と同様に、第2ファイバー120を介して基端側から離間器340の様子を確認することが可能であるため、正確で安全、且つ迅速な手技を実現することが可能となる。なお、例えば、離間器340を透明に形成し、離間器340越しに組織を透視して見え易くしたり、離間器340の材質、色、形状等を光が拡散し易い形態で構成して、ライトガイド等による照明効果の向上を図ったりすることができる。また、保持部140は、例えば、図示するように、長尺部材の形態のものではなく簡素な固定具(例えば、リング状の部材)を用いることもできる。なお、処置部160として、流体を吸引・供給するためのカテーテルデバイス等を用いることも可能である。
<変形例6>
図10Aに示すように、医療装置10は、例えば、第2ファイバー120が第1ファイバー110の外周に沿って回転可能となるように構成することができる。このように構成すると、第2ファイバー120の第2対物レンズ121の観察範囲を広げることができ、医療装置10の前方側や処置部160の状況を使用者により正確に伝達することが可能となる。第2ファイバー120を回転可能に構成する方法としては、例えば、挿通ルーメン141の径を第2ファイバー120よりも大きくする方法を採用することができる。なお、第1ファイバー110が第2ファイバー120の外周に沿って回転可能となるように構成することもできる。
<変形例7>
図10Bに示すように、医療装置10は、例えば、第2ファイバー120が当該第2ファイバー120の軸周りに回転可能となるように構成することができる。このように構成すると、視野の向きを上下、左右方向等の任意の方向へ変更することが可能となるため、特に第2対物レンズ121の視野方向が斜視である場合に、使用者が望む方向に視野方向を調整することができる。また、例えば、前述した変形例1と組み合わせて使用することにより、第2対物レンズ121の観察範囲をより一層広げることが可能となる。なお、長尺部材140の断面形状を、例えば、図10Bに示すように形成することにより、長尺部材140の内壁に沿わせて第2ファイバー120を軸周りに回転可能に保持することが可能となる。また、第1ファイバー110を軸周りに回転可能となるように構成することもできる。
<変形例8>
図11Aに示すように、医療装置110は、例えば、受像部130に対する第1ファイバー110の基端の相対的な位置、および受像部130に対する第2ファイバー120の基端の相対的な位置を、軸と交差する方向において変更させるための位置変更部350を有するように構成することができる。
位置変更部350は、鏡筒170の内部に配置された弾性部材351と、弾性部材351が連結された板材352と、板材352を押圧するための押圧部材353とを有するように構成することができる。板材352には、各ファイバー110、120の基端が挿通可能な孔(不図示)が形成されている。各ファイバー110、120はこの孔354を介して板材352に保持される。そして、図11Aに示すように、板材352を矢印方向(軸と交差する方向)へ移動させることにより、各ファイバー110、120の基端の位置と受像部130との相対的な位置を変更させることが可能となる。
図11Bには、各ファイバー110、120の位置が変更される前の状態の受像部130における観測像が示される。この状態から板材352を上下させて、例えば、図11Cに示すように、受像部130の光軸に対して各ファイバー110、120の軸位置を移動させることにより、例えば、第1ファイバー110に伝送される第1光学像と第2ファイバー120に伝送される第2光学像が映し出される割合を変更させたり、一方の光学像のみを選択的に映し出させたりすることが可能となる。このように、本変形例に係る医療装置10によれば、受像部130において映し出される各光学像の割合を変更させたり、一方の光学像のみを選択的に映し出させたりすることが可能となるため、医療装置10の使用用途に応じて、使用者が手技を行うのに適した映像を提供することができる。
<変形例9>
図12Aに示すように、医療装置10は、第1ファイバー110の基端および第2ファイバー120の基端と受像部130との間に配置され、受像部130への第1光学像の受像と受像部130への第2光学像の受像を選択的に切り替えるための受像切り替え部360を有するように構成することができる。なお、必要に応じて、受像切り替え部360の前後に、光学系を別途構成することができる。
受像切り替え部360は、軸方向と交差する方向に移動可能に構成された板材によって構成することができる。板材には、孔361が形成されており、例えば、図12Bに示すように、孔361が第2ファイバー120の基端と位置合わせされる場合には、第2ファイバー120を介して第2光学像が受像部130へ伝送される。また、図12Cに示すように、孔361が第1ファイバー110の基端と位置合わせされる場合には、第1ファイバー110を介して第1光学像が受像部130へ伝送される。このように、孔361と各ファイバー110、120の基端との位置合わせを行うことによって、受像部130の受像を切り替えることができる。したがって、本変形例に係る医療装置10によれば、受像部130への第1光学像の受像および受像部130への第2光学像の受像を選択的に切り替えて、任意の光学像のみを映し出すことが可能となるため、医療装置10の使用用途に応じて、使用者が手技を行うのに適した映像を提供することができる。
<変形例10>
図13に示すように、医療装置10は、受像部130に対して第1ファイバー110および第2ファイバー120を接近離反移動させるための接近離反移動部370を有するように構成することができる。接近離反移動部370は、簡略して図示するが、例えば、ラックピニオン等の機構により各ファイバー110、120の移動量を調整することが可能に構成される。このように、各ファイバー110、120が受像部130に対して接近離反移動可能となると、ファイバー110、120ごとにピント調整を行うことが可能となるため、より鮮明な光学像を映すことが可能となる。なお、ピントを調整する手段は、接近離反移動部370を設ける方法以外にも、例えば、鏡筒170内に光学系を組み込み、この光学系によってピント調整する方法を採用することも可能である。
<変形例11>
図14Aに示すように、医療装置10は、例えば、第1ファイバー110および第2ファイバー120が受像部130に対してそれぞれ相対的に回転可能となるように構成することができる。例えば、各ファイバー110、120がそれぞれ独立して同方向に回転可能となるように、保持部をなす長尺部材140の内部に軸周りの回転を補助する部材380を配置することができる。また、各ファイバー110、120の外周面にも、その回転を補助するための部材を設けたり、回転が円滑に行われ得るような外形形状を付与したりすることができる。なお、図示省略するが、医療装置10においては、回転を補助する部材380を歯車によって構成し、各ファイバー110、120の外表面に歯車に噛み合い自在な歯車状の溝を形成している。
14Bに示すように、各ファイバー110、120を回転させると、それぞれが逆向きの光学像を形成するようになる。このように、各光学像の向きを変えることを可能とすることにより、医療装置10の使用用途に応じて、使用者が手技を行うのに適した映像を提供することが可能となる。
図15A、図15Bに示すように、例えば、第1ファイバー110および第2ファイバー120を一緒に同方向へ回転させるように構成することもできる。この場合、回転後に映し出される光学像は、回転前とは左右の位置が逆になる。図15A、図15Bに示す変形例においても、各光学像の向きを変えることが可能になるため、医療装置10の使用用途に応じて、使用者が手技を行うのに適した映像を提供することが可能となる。なお、各ファイバー110、120を回転させずに、撮像素子240に対して、鏡筒170を回転させる場合においても同様に各光学像を反転させて映しさせることが可能となる。各光学像の向きを変えて表示等する方法としては、上記の方法以外にも、例えば、各種の信号処理やモニター自体を回転させる方法で行うことができる。
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態に係る医療装置を説明する。なお、上述した第1実施形態および各変形例において説明した部材と同一の部材には同一の部材番号を付してその説明を省略する。
図16に示すように、本実施形態に係る医療装置410は、第1ファイバー110の前方へ向けて光を照射する第1ライトガイド411と、第2ファイバー120の前方へ向けて光を照射する第2ライトガイド412と、第1ライトガイド411の光量および第2ライトガイド412の光量を独立して調整自在な光量調整部430とを有するように構成することができる。このように構成された本実施形態に係る医療装置410は、各ライトガイド411、412の光量を独立して調整することを可能にする光調整部430を有する点において第1実施形態に係る医療装置10と相違する。
光調整部430によって各ライトガイド411、412の光量を調整することが可能となるため、ハレーションの発生を防止することができる。また、近接するライトガイドの光の影響を弱めて均等な明度で各光学像を映し出すことが可能となる。なお、光量を調整する方法としては、例えば、各ファイバー110、120に供給される光量を、光を提供する光ファイバーの数によって制限する方法や、光源ケーブル220の射出端と各ライトガイド411、412の基端部との距離を近付けたり、遠ざけたりすることによって調整する方法を採用することもできる。なお、第1ファイバー110と第2ファイバー120は、所定の固定具165を使用して相互に固定させている。
<第3実施形態>
次に本発明の第3実施形態に係る医療装置を説明する。なお、上述した第1、第2実施形態において説明した部材と同一の部材には同一の部材番号を付してその説明を省略する。
図17に示すように、本実施形態に係る医療装置510は、第1ファイバー110および第2ファイバー120とともに受像部130へ光を導光する導光部520を有している。このような点において、第1、第2実施形態に係る医療装置と相違する。
導光部520は、ライトガイド用の光調整部430と別個に設けられた調光部530から鏡筒170の内部へ引き込まれた調光用の光ファイバーによって構成することができる。各光学像がモニター等において暗めに写しだされると、信号処理部250が明度を上げるように明るさの自動調整を行うが、この際、過度に明度が大きくなってしまい、ハレーション気味に光学像が映し出されてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、導光部520を設置して鏡筒170内に光を直接導入することにより、明度を上げて上記のようなハレーションが生じることを未然に防止することを可能にしている。このように、本実施形態に係る医療装置510によれば、各光学像をより鮮明に映すことが可能となる。これにより、信号処理部250の特性によらず、明るさの自動調整が可能となる。
<第4実施形態>
次に本発明の第4実施形態に係る医療装置を説明する。なお、上述した第1〜第3実施形態において説明した部材と同一の部材には同一の部材番号を付してその説明を省略する。
図18A、図18Bに示すように、医療装置610は、一つの第2ファイバー120に対して複数の第2対物レンズ121を有するように構成することができる。図示例では、第2対物レンズ121を軸周りに沿って均等な間隔を空けて配置している。複数の第2対物レンズ121を使用する場合において、図示するようにそれぞれを周方向に配置すると、細径化を図ることができるとともに、周方向に沿って広い範囲に亘って観察範囲を確保することが可能となる。なお、第1対物レンズ121の設置数は、図示する数に限定されず、増減することが可能である。
<第5実施形態>
第1、第2ファイバー110、120を形成する方法として、例えば、一本のファイバー束を引き裂いて2つのファイバーを形成する方法や、一本のファイバー束を研磨して先端位置を変えることにより先端側に第1ファイバー110を形成し、基端側に第2ファイバー120を形成することができる。図19Aには、一本のファイバー束の先端側を研磨して第1、第2ファイバー110、120が形成されたものの先端面が示され、図19Bには、先端側を引き裂いて第1ファイバー110、第2ファイバー120が形成されたものの先端面が示される。このような製造手順により、各実施形態において説明した医療装置に好適に使用される第1、第2ファイバー110、120を提供することが可能となる。
以上、本発明に係る医療装置を複数の実施形態および変形例を通じて説明したが、本発明は特許請求の範囲の記載に基づいて種々改変することができ、説明した実施形態および変形例のみに限定されるものではない。また、それぞれの実施形態や変形例を組み合わせた実施も可能である。例えば、各実施形態においては、第1ファイバーと第2ファイバーの2本のファイバーを使用する形態を示したが、ファイバーの数は特に限定されず、適宜増加させることができる。
10、410、510、610 医療装置、
110 第1ファイバー、
111 第1対物レンズ、
120 第2ファイバー、
121 第2対物レンズ、
130 受像部、
140 長尺部材(保持部)、
141 挿通ルーメン、
150 管状部材、
160 バルーン(処置部)、
170 鏡筒、
191 第1ライトガイド、
192 第2ライトガイド、
310 識別部、
320 角度調整部、
330 生検器具(処置部)、
340 離間器(処置部)、
350 位置変更部、
353 押圧部材、
360 受像切り替え部、
370 接近離反移動部、
411 第1ライトガイド、
412 第2ライトガイド、
430 光調整部、
520 導光部、
530 調光部、
N 狭窄部、
O 自然口。

Claims (15)

  1. 先端に第1対物レンズが装着され、前記第1対物レンズを介して取り込まれた第1光学像を基端へ伝送する第1ファイバーと、
    先端に第2対物レンズが装着され、前記第2対物レンズを介して取り込まれた第2光学像を基端へ伝送する第2ファイバーと、
    前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーの基端側に配置され、前記第1ファイバーによって伝送された第1光学像および前記第2ファイバーによって伝送された第2光学像が受像可能に構成された受像部と、
    前記第1ファイバーの先端よりも前記第2ファイバーの先端が軸方向の基端側に配置されるように前記第1ファイバーと前記第2ファイバーを保持する保持部と、
    前記第2対物レンズよりも軸方向の先端側に配置可能に構成されるとともに、生体内において所定の処置を行うために設けられる処置部と、を有する医療装置。
  2. 前記保持部は、前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーが挿通可能な挿通ルーメンが形成された長尺部材を有する請求項1に記載の医療装置。
  3. 前記挿通ルーメンに挿通された前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーのうちの少なくとも一方のファイバーが前記挿通ルーメンの先端開口から突出する際の突出角度を調整する角度調整部を有する請求項2に記載の医療装置。
  4. 前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーのうちの少なくとも一方のファイバーが他方のファイバーの外周に沿って回転可能に構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療装置。
  5. 前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーのうちの少なくとも一方のファイバーが当該一方のファイバーの軸周りに回転可能に構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療装置。
  6. 前記受像部に対する前記第1ファイバーの基端の相対的な位置、および前記受像部に対する前記第2ファイバーの基端の相対的な位置を、前記軸と交差する方向において変更させるための位置変更部をさらに有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療装置。
  7. 前記第1ファイバーの基端および前記第2ファイバーの基端と前記受像部との間に配置され、前記受像部への前記第1光学像の受像と前記受像部への前記第2光学像の受像を選択的に切り替えるための受像切り替え部をさらに有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療装置。
  8. 前記受像部に対して前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーを接近離反移動させるための接近離反移動部をさらに有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療装置。
  9. 前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーが前記受像部に対して相対的に回転可能に構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医療装置。
  10. 前記第1ファイバーの前方へ向けて光を照射する第1ライトガイドと、
    前記第2ファイバーの前方へ向けて光を照射する第2ライトガイドと、
    前記第1ライトガイドの光量および前記第2ライトガイドの光量を独立して調整自在な光量調整部と、をさらに有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の医療装置。
  11. 前記第1ファイバーおよび前記第2ファイバーとともに前記受像部へ光を導光する導光部をさらに有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の医療装置。
  12. 前記処置部は、流体の注入および排出によって拡張および収縮可能なバルーンによって構成されており、
    前記バルーンは、前記保持部、前記第1ファイバー、および前記第2ファイバーの少なくとも一つに装着される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医療装置。
  13. 前記バルーンには、拡張した際に当該バルーンの拡張状態を識別可能にする識別部が設けられる、請求項12に記載の医療装置。
  14. 前記処置部は、前記保持部の内部から外部へ突出可能に構成されるとともに生体組織を採取する生検器具を有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の医療装置。
  15. 前記処置部は、生体の副鼻腔に連なる自然口に形成された狭窄部を拡張するための拡張手段によって構成されており、
    当該医療装置が副鼻腔炎の治療に用いられる治療装置である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の医療装置。
JP2013076466A 2013-04-01 2013-04-01 医療装置 Pending JP2014200336A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013076466A JP2014200336A (ja) 2013-04-01 2013-04-01 医療装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013076466A JP2014200336A (ja) 2013-04-01 2013-04-01 医療装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014200336A true JP2014200336A (ja) 2014-10-27

Family

ID=52351353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013076466A Pending JP2014200336A (ja) 2013-04-01 2013-04-01 医療装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014200336A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10856727B2 (en) Endoscopic methods and devices for transnasal procedures
US9107574B2 (en) Endoscopic methods and devices for transnasal procedures
US10137285B2 (en) Balloon dilation system with malleable internal guide
EP2757931B1 (en) Access devices and related methods of use
EP2018112B1 (en) Imaging catheter with position sensor
JP4920235B2 (ja) 透明な拡張器およびその使用方法
US20120053419A1 (en) Highly Articulable Catheter
JP2010519974A (ja) 内視鏡用の先端面組立体
JP2007503277A (ja) 窩洞の見にくい部分を観察するためのシステム、装置、及び方法
JP2004202236A (ja) 体の内腔の拡張に用いるための医療器具、内視鏡と共に用いる医療器具、および、医療器具を用いて体の内腔を拡張する方法
US9427138B2 (en) Access devices and related methods of use
JP2014033716A (ja) 内視鏡及び内視鏡装置並びに内視鏡システム
JP2014504179A (ja) トロカールシステム
US20180160888A1 (en) Imaging mini-scope for endoscope system
JP2019503734A (ja) 固定ガイドワイヤ
EP3539452A1 (en) Mini-scope apparatus and system and method of use thereof
KR20180074858A (ko) 플라스틱 광섬유를 포함하는 분리형 일회용 내시경
CN110575122A (zh) 内窥镜导管、组件及内窥镜下可视鼻窦球囊扩张***
US11304594B2 (en) Articulating medical device
JP2014200336A (ja) 医療装置
WO2020218404A1 (ja) カテーテルおよびそれを備える軟性内視鏡
US20180280046A1 (en) Guidewire with optics tube containing core wire
CN113226149A (zh) 定向控制器和一次性内窥镜
JP7463246B2 (ja) 内視鏡及び医療機器
WO2017164836A1 (en) Methods and devices for temporarily attaching an optical instrument to a hand instrument