JP2014198448A - ガスバリアフィルム - Google Patents

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Morio Matsuzaki
盛雄 松崎
村岡 道晃
Michiaki Muraoka
道晃 村岡
靖晃 吉田
Yasuaki Yoshida
靖晃 吉田
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Abstract

【課題】ガスバリアフィルムの屈曲、延展等によるガスバリア性の低下を抑制するとともに、高温高湿環境下(60℃、90%RH)におけるガスバリア性に優れたガスバリアフィルムを提供する
【解決手段】ガスバリアフィルム5は、透明フィルム1の少なくとも片面上に、金属酸化物層2、プライマー層3、ガスバリア層4をこの順に設けてなるものである。前記プライマー層3は、酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリアフィルムに関する。
太陽電池や有機ELなど精密な電子部材を内蔵する製品において、水蒸気の製品内部への進入は内容物の変質や電子部材の損傷により製品寿命の短縮を引き起こす原因となるため、水蒸気の進入を高度に防止するガスバリア性部材が求められており、中でもフレキシブル性や軽量性を有する製品においては高性能なガスバリアフィルムが求められている。
現在、食品、医薬品、電子材料等のガスバリアフィルムとして、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等を塗布したフィルム、酸化珪素や酸化アルミニウムのような金属酸化物を蒸着した蒸着フィルムなどの様々なフィルムが開発されている。これらの中でも特に、優れたガスバリア性だけでなく、加熱焼却処理工程で有害な塩素系ガスを発生させないことによる環境面への配慮の点から蒸着フィルムが注目されている。
しかし、蒸着フィルムに設けられた金属酸化物層は屈曲、延展、及び擦れ等の物理的要因に対して脆く、製品製造後の取扱いでクラック(ひび割れ)の発生やスリキズが入り易く、欠陥が生じるとその箇所から水蒸気等のガスが透過するため、本来金属酸化物層が保有する高度なガスバリア性を十分に発揮できないという問題がある。この問題に対して、金属酸化物層の保護とガスバリア性の維持を目的に、金属酸化物層上に、水蒸気バリア性に優れるガスバリア層を設けたガスバリアフィルム、具体的には金属酸化物層上にエチレン/ビニルアルコール系共重合体からなるガスバリア層を設けたガスバリアフィルムを開示されている(特許文献1)。
特開2009−6508号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたガスバリアフィルムは、高温高湿環境下(60℃、90%RH)ではガスバリア性(特に、水蒸気バリア性)を十分に発揮することができない問題がある。
そこで、本発明の目的は、ガスバリアフィルムを構成する各層の密着性に優れ(特に高温高湿環境下)、ガスバリアフィルムの屈曲、延展等によるガスバリア性(特に、水蒸気バリア性)の低下を抑制するとともに、高温高湿環境下(60℃、90%RH)におけるガスバリア性(特に、水蒸気バリア性)に優れたガスバリアフィルムを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を有する発明を提供する。
(構成1の発明)
透明フィルムの少なくとも片面上に、金属酸化物層、プライマー層、ガスバリア層がこの順で設けられたガスバリアフィルムであって、前記プライマー層が酸変性ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とするガスバリアフィルム。
(構成2の発明)
前記酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポレオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸或いはその誘導体(A)、及び(メタ)アクリル酸エステル(B)をグラフト重合していることを特徴とする構成1に記載のガスバリアフィルム。
(構成3の発明)
前記酸変性ポリオレフィン樹脂の不飽和カルボン酸或いはその誘導体(A)、及び(メタ)アクリル酸エステル(B)の配合量が、各々0.1〜20重量%、0.1〜30重量%であり、且つ重量平均分子量が15,000〜200,000であることを特徴とする構成1又は2に記載のガスバリアフィルム。
(構成4の発明)
前記ポリオレフィン樹脂は、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体の中から選択された少なくとも1種であることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
(構成5の発明)
前記ガスバリア層が、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
(構成6の発明)
前記透明フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスチレングリシジルメタクリレート及びこれらの混合物の中から選択された1種のフィルムであることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
(構成7の発明)
前記ガスバリアフィルムの透明性が、JIS−K7361に準拠した全光線透過率において、80%以上であることを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
(構成8の発明)
前記ガスバリアフィルムは、太陽電池用ガスバリアフィルムであることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
本発明によれば、ガスバリアフィルムを構成する各層の密着性に優れ(特に高温高湿環境下)、ガスバリアフィルムの屈曲、延展等によるガスバリア性(特に、水蒸気バリア性)の低下を抑制するとともに、高温高湿環境下(60℃、90%RH)におけるガスバリア性(特に、水蒸気バリア性)に優れたガスバリアフィルムを提供することができる。
本発明に係るガスバリアフィルムの層構成を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるわけではない。
本発明の一実施の形態のガスバリアフィルム5は、図1に示すように、透明フィルム1の少なくとも片面上に、金属酸化物層2、プライマー層3、及びガスバリア層4が順次積層された構成としている。
(透明フィルム)
本発明において、ガスバリアフィルム5の基材である透明フィルム1の原料としては、熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスチレングリシジルメタクリレート及びこれ等の混合物を例示することができる。また、透明フィルムは、一軸延伸または二軸延伸されていてもよく、その表面をコロナ処理や低温プラズマ処理等の表面処理、或いは易接着処理(フィルム成膜時或いは成膜後に行われる熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂を用いた表面処理)が施されていてもよい。これらの中でも優れた透明性、経済性、入手性等の観点からポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、トリアセチルセルロースを透明フィルムの原料として用いることが好ましい。
本発明において、透明フィルムの厚みは、金属酸化物の蒸着条件やプライマー層、ガスバリア層の加工条件、及び透明フィルムの経済性、機械的強度、ハンドリング性等の関係から6〜25μmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは9〜15μmの範囲である。
また、透明フィルムには、耐光性の付与を目的にベンゾトリアゾール系或いはベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤の内添やフィルム表面への塗工、及びフィルムの走行性の改善を目的に添加される滑材量の調整やフィルム表面に滑り性の付与を目的とした易滑処理等を行うことができる。また、更に、帯電防止性を付与するために静防処理等も行うことができる。
(金属酸化物層)
本発明における金属酸化物層2は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。金属酸化物層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンスプレーディング法等の物理気相成長法(PVD法)、或いはプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)等の公知の方法を用いることができるが、生産性を考慮すると、現時点では真空蒸着法が最も優れている。
金属酸化物層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物又は金属酸化炭化物であり、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce及びTaから適宜選択される1種以上の合金を含む、酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物又は酸化炭化物等を好ましく用いることができる。これ等の中でも、Si、Al、In、Sn、Zn及びTiから選択される金属の酸化物、窒化物又は酸化窒化物が好ましく、特にSi又はAlの金属酸化物、窒化物又は酸化窒化物が好ましい。これ等は、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。金属酸化物層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
金属酸化物層の成膜厚みに関しては、特に限定されないが、通常、5〜500nm程度の範囲内であり、好ましくは10〜200nmの範囲である。
金属酸化物層を透明フィルム上へ成膜するに際し、透明フィルムへの金属酸化物層の密着性が劣る場合には、透明フィルムの表面をコロナ処理や低温プラズマ処理等の表面処理、或いは易接着処理(例えば、熱可塑性或いは熱硬化性樹脂による表面処理)が施されていてもよい。
(プライマー層)
本発明のプライマー層3には酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する。本発明のプライマー層3に用いるポリオレフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン,4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2以上20以下、好ましくは2以上6以下のオレフィンであって、中でもこれら炭素数のα-オレフィンが好ましく、又、シクロペンテン、シクロヘキセン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンセン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の鎖状あるいは環状ポリエン、あるいはスチレン、置換スチレンなどの単独または共重合体も、本発明のポリオレフィン樹脂として用いることができる。重合体中のこれらモノマーの割合は任意に選択できるが、結晶性ポリエチレン、ポリプロピレン等難密着性非極性ポリオレフィン樹脂を被着材とする場合は、本発明の酸変性ポリオレフィン樹脂は、エチレン−プロピレン、プロピレン−ブテン、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体が好ましく、特にこれ等の樹脂中のプロピレンの割合が50モル%以上98モル%以下であることが好ましい。50モル%よりも少ないと被着材への密着性が劣り、98モル%より多いと柔軟性が不足する。
本発明のプライマー層に用いる酸変性ポリオレフィン樹脂を製造するに当たり、出発原料となるポリオレフィン樹脂の分子量には、特に制限はない。しかし、変性した後の変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は15,000〜200,000となることが望ましい。原料ポリオレフィン樹脂の分子量が大きい場合は、熱やラジカルの存在下で減成して、あるいは変性反応と同時に減成して、分子量を適当な範囲に調整することができる。なお、原料ポリオレフィン樹脂は、単独でも、複数を併用することもできる。また、本発明の酸変性ポリオレフィン樹脂中、原料ポリオレフィン樹脂は、50重量%以上必要である。
不飽和ポリカルボン酸あるいはその誘導体(A)とは、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、アコニット酸、フタル酸、トリメリット酸、ノルボルネンジカルボン酸等の不飽和ポリカルボン酸あるいはこれらの誘導体(例えば、酸無水物、酸ハライド、アミド、イミド、エステル等)である。これらの中では、無水イタコン酸、無水マレイン酸が、変性ポリオレフィン樹脂の諸被膜物性及び取り扱い性やコストの点で好ましい。変性ポリオレフィン樹脂中の変性成分(A)のグラフト重量は、0.1〜20重量%である必要があり、好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。この範囲よりもグラフト重量が少ないと変性ポリオレフィン樹脂の溶剤溶解性、及び金属酸化物膜や基材、オレフィン系樹脂への密着性が低下する。また、逆に多すぎると未反応物が多く発生するため好ましくない。なお、これら変性モノマー(A)は単独でも、複数種でも使用することができる。
(メタ)アクリル酸エステル(B)は、下記一般式で示される化合物から選ばれる少なくとも1種である。
CH=CRCOOR
(式中、R=HまたはCH、R=C2n+1、n=8〜18の整数。)
これらのうち、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルが、変性ポリオレフィン樹脂の諸被膜物性やコストの点で好ましく、本発明はこれらのうちから選ばれる少なくとも1種を用いる。上記一般式において、nが8よりも小さいと溶剤溶解性が悪化し、nが18よりも大きいと被膜にタックが生じるため好ましくない。また、変性ポリオレフィン樹脂中の変性モノマー(B)のグラフト重量は、0.1〜30重量%、好ましくは1〜15重量%である。この範囲よりもグラフト重量が少ないと変性ポリオレフィン樹脂の溶剤溶解性や他樹脂との相溶性、及び基材、ポリオレフィン系樹脂への密着性が低下する。また、逆に多すぎると反応性の高い変性モノマー(B)が超高分子量体を形成して、やはり溶剤溶解性が悪化したり、ポリオレフィン骨格にグラフトしないホモポリマーやコポリマーの生成量が増加するため好ましくない。
なお、これら変性モノマー(B)は、単独でも、複数種でも使用することができる。
また、本発明では、用途や目的に応じて、本発明の特性を損なわない範囲で、変性モノマー(A)、(B)以外のモノマーを併用することができる。使用可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(B)以外の(メタ)アクリル酸誘導体(シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソシアネート含有(メタ)アクリレート等)や、その他スチレン,シクロヘキシルビニルエーテル,ジシクロペンタジエン等の共重合可能な不飽和モノマーである。これらのモノマーを併用することで、密着性、溶剤溶解性や、変性モノマー(A)や(B)のグラフト率を、さらに向上することができる。
なお、これらのモノマーの使用量は、変性モノマー(A)と(B)のグラフト量の合計を超えないことが望ましい。
上記の変性モノマー(A)、(B)あるいはそれ以外の変性モノマーを用いてグラフト反応させ、変性ポリオレフィン樹脂を得る方法は公知の方法で行うことが可能である。例えばポリオレフィン樹脂をトルエン等の溶剤に加熱溶解し、変性モノマーを添加する溶液法や、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等を使用して溶融したポリオレフィン樹脂とともに変性モノマーを添加する溶融法等が挙げられる。変性モノマーの添加方法は、逐次に添加しても一括添加してもかまわない。
本発明のプライマー層に用いる酸変性ポリオレフィン樹脂は、使用する目的に応じて不飽和カルボン酸のグラフト効率向上のための反応助剤、樹脂安定性の調整のための安定剤、反応促進のためのラジカル開始剤等をさらに配合することができる。
反応助剤としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。安定剤としてはヒドロキノン、ベンゾキノン、ニトロソフェニルヒドロキシ化合物等が挙げられる。ラジカル開始剤は公知のものから適宜選択できるが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物を用いることが好ましい。
得られる酸変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は、15,000〜200,000、好ましくは30,000〜120,000である。特に好ましくは30,000〜100,000である。15,000より小さいと非極性基材への付着力や凝集力が劣り、200,000より大きいと粘度増加により作業性や溶剤への溶解性、他樹脂との相溶性が低下する。
なお、重量平均分子量の測定法としては、GPC法、光散乱法が知られているが、本発明における分子量は、GPC法で測定した分子量である。変性モノマー(A)のグラフト重量%は、アルカリ滴定法により求めるが、誘導体が酸基を持たないイミド等の場合は、FT−IR法で求める。また、変性モノマー(B)のグラフト重量%は、FT−IR法で求める。
また、本発明は、上記の変性ポリオレフィン樹脂に、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリオール、ポリアミンから選ばれる硬化剤、あるいはそれらの官能基が保護基でブロックされたものから選ばれる硬化剤を配合した変性ポリオレフィン樹脂組成物である。
エポキシ硬化剤としては、1,2,3,4-ジエポキシブタン、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,9,10-ジエポキシデカン、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、1,2,5,6-ジエポキシシクロオクタン、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,4-ブタンジオールグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
ポリイソシアネート硬化剤としては、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4',4"-トリフェニルメタントリイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、p-キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンイソシアネート等のポリイソシアネート硬化剤、及び前記のポリイソシアネート硬化剤の過剰と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールとの付加反応又は付加重合反応によって得られる2官能以上のポリイソシアネート硬化剤、ビュレット構造を有するポリイソシアネート硬化剤、アロファネート構造を有するポリイソシアネート硬化剤、ヌレート構造を有するポリイソシアネート硬化剤、あるいは前記のポリイソシアネート硬化剤のイソシアネート基を保護基でブロックした、一般にブロックイソシアネートと呼ばれる硬化剤が挙げられる。
ポリオール硬化剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール硬化剤や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体、水添ポリブタジエンの末端水酸基含有物、あるいは前記低分子ポリオールの過剰とテレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等のジカルボン酸から得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリアミン硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、N-アミノエチルピペラジン、m-キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、メラミン、メチロール化メラミン等が挙げられる。また、カルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタミン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、ウンデカン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド等のポリヒドラジド化合物も同様に使用できる。更に前記ポリアミン硬化剤のアミノ基が保護基でブロックされた、一般にブロックアミンと呼ばれる硬化剤も用いられる。
上記硬化剤の配合量は、本発明の酸変性ポリオレフィン樹脂中の官能基(カルボキシル基、酸無水基、水酸基等)の量により、適宜選択できるが、変性ポリオレフィン樹脂中の反応にかかわる該官能基数と、硬化剤中の官能基数(例えば、イソシアネート基、水酸基、アミノ基の数)の割合が10:1〜1:5となるように配合するのが好ましい。特に、5:1〜1:2の範囲が、諸被膜物性、特に付着性、耐ガソホール性の点で好ましい。硬化剤の配合量が、この範囲より多すぎると付着性が低下し、少なすぎると付着性、耐溶剤性、耐水性等の所望の物性が得られない。また、硬化剤を配合する場合には、目的に応じて錫系化合物等の触媒を併用することもできる。
本発明のプライマー層に用いる酸変性ポリオレフィン樹脂は、溶液、粉末、ペースト、シート等、用途に応じた形態で使用できる。また、その際に必要に応じて無機或いは有機微粒子の添加が可能である。微粒子の成分については特に限定されることはない。しかしながら、本発明のガスバリアフィルムは好ましくは太陽電池用部材に用いられ高い透明性が要求されることから、JIS−K7361に準拠した全光線透過率が80%以下とならない範囲で微粒子の粒子径、添加量、及び屈折率を考慮しながら使用する必要がある。また、前記プライマー層には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて添加剤を加えることができ、例えば、レベリング剤、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、静防処理剤、着色剤、酸化防止剤、光安定剤、染料等を配合できる。溶液として使用する場合、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン等の脂肪族溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤、あるいは前記の溶剤の混合物が使用できる。
本発明のプライマーを塗料、インキとして用いる場合は、必要に応じてウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、硝化綿等のポリオレフィン樹脂とは異なる種類の他樹脂をブレンドしてもよい。
これらの用途において、本発明のプライマー塗料に用いる変性ポリオレフィン樹脂を上記の添加剤や異なる種類の他樹脂とブレンドする場合には、非極性もしくは極性基材への密着性を維持するために、本発明の変性ポリオレフィン樹脂を全樹脂量に対して、少なくとも固形分で5重量%以上、特には30重量%以上配合する必要がある。
本発明のプライマー層の形成方法としては、例えば、溶融押し出しコート法により酸変性ポリオレフィン系樹脂を170〜180℃程度の高温下でフィルムにラミネートし成膜することができる。また、溶液状態で使用する場合には、刷毛塗り、グラビアコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング法、バーコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法等で塗布した後、80〜120℃程度の温度で乾燥し成膜することができる。
本発明において、プライマー層の形成厚みは、塗膜の形成方法により異なり、樹脂を溶融し一定の膜厚を得る溶融押し出しコート法では、5〜30μmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは10〜20μmである。また、溶液として用いる塗工方式においては、0.05〜20μmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜10μmである。
(ガスバリア層)
本発明のガスバリア層4に要求される性能としては、透明フィルム1上に形成される金属酸化物層2は屈曲、延展等による欠陥が生じ易く、欠陥が生じるとその箇所から水蒸気等のガスが透過するため、本来金属酸化物層が保有する高度なガスバリア性を十分に発揮できないこと、及び高温高湿環境下(例えば、60℃、90%RH)で使用する場合、水蒸気バリア性が劣るとガスバリア層からの湿分がプライマー層を透過し金属酸化物層に達した場合、この界面で剥離が起こり易くなる問題点がある。そのため、金属酸化物層上にガスバリア層を設けることにより水蒸気バリア性を低下させることなく、高温高湿条件下における金属酸化物層とガスバリア層との密着性に優れるガスバリアフィルムの改善が要求される。
本発明のガスバリア層にはポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。本発明に用いるポリオレフィン系樹脂としては、シクロオレフィン・コポリマー、シクロオレフィンポリマー、脂環族飽和炭化水素樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂及びこれ等の混合物を適宜選択し使用することができる。
前記ガスバリア層用塗料には、無機或いは有機微粒子の添加が可能である。微粒子の成分については特に限定されることはないが、本発明のガスバリアフィルムは好ましくは太陽電池用部材に用いられ高い透明性が要求されることから、JIS−K7361に準拠した全光線透過率が80%以下とならない範囲で微粒子の粒子径、添加量、及び屈折率を考慮しながら使用することが好ましい。また、前記ガスバリア層には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて添加剤を加えることができ、例えば、レベリング剤、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、静防処理剤、着色剤、酸化防止剤、光安定剤、染料等を配合できる。溶液として使用する場合、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン等の脂肪族溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤あるいは前記の溶剤の混合物が使用できる。
本発明のガスバリア層の形成方法としては、例えば、溶融押し出しコート法により酸変性ポリオレフィン系樹脂を180〜350℃程度の高温下でフィルムにラミネートし成膜することができる。また、溶液を用いる場合には、刷毛塗り、グラビアコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング法、バーコート、ダイコート、コンマコート、スクリーン印刷法等で塗布した後、80〜120℃程度の温度で乾燥し成膜することができる。
本発明において、ガスバリア層の形成厚みは、塗膜の形成方法により異なり、溶融押し出しコート法では、5〜30μmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは10〜20μmである。また、溶液として用いる場合には、0.1〜20μmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは1〜10μmである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに実施例に限定されるものではない。
<酸変性ポリオレフィン樹脂の製造>
(製造1)
撹拌機、冷却管、及び滴下ロートを取りつけた四つ口フラスコ中で、プロピレン−エチレン共重合体(プロピレン成分97.5モル%、エチレン成分2.5モル%、重量平均分子量250,000)100gをトルエン400g中に加熱溶解させた後、系の温度を110℃に保持して撹拌しながらジクミルパーオキサイド1gを滴下し、その後1時間減成処理した。次に、無水アコニット酸2g、アクリル酸オクチル4g、過酸化ベンゾイル0.5gをそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温に冷却した後、反応物を大量のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量が68,000、無水アコニット酸のグラフト重量が1.2重量%、アクリル酸オクチルが2.8重量%の変性ポリオレフィン樹脂を得た。
(製造2)
L/D=34、φ=40mmの二軸押出機((株)テクノベル製)に、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、重量平均分子量50,000)100重量部、無水マレイン酸8重量部、メタクリル酸ラウリル8重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン1.5重量部を投入した。滞留時間は10分、バレル温度は180℃(第1バレル〜第7バレル)として反応し、第7バレルにて脱気を行い、残留する未反応物を除去した。得られた変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は49,000、無水マレイン酸のグラフト重量は5.2重量%、メタクリル酸ラウリルのグラフト重量は6.2重量%であった。
(製造3)
L/D=34、φ=40mmの二軸押出機に、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、重量平均分子量50,000)100重量部、無水イタコン酸12重量部、アクリル酸トリデシル6重量部、ラウロイルパーオキサイド2重量部を投入した。滞留時間は10分、バレル温度は190℃(第1バレル〜第7バレル)として反応し、第7バレルにて脱気を行い、残留する未反応物を除去した。得られた変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は47,000、無水イタコン酸のグラフト重量は7.5重量%、アクリル酸トリデシルのグラフト重量は4.6重量%であった。
(製造4)
撹拌機、冷却管、及び滴下ロートを取りつけた四つ口フラスコ中で、プロピレン−エチレン共重合体(プロピレン成分97.5モル%、エチレン成分2.5モル%、重量平均分子量250,000)100gをトルエン400g中に加熱溶解させた後、系の温度を110℃に保持して撹拌しながらジクミルパーオキサイド1gを滴下し、その後1時間減成処理した。次に無水シトラコン酸15g、メタクリル酸ステアリル20g、過酸化ベンゾイル0.5gをそれぞれ3時間かけて滴下し、さらに1時間反応させた。反応後、室温に冷却した後、反応物を大量のアセトン中に投入して精製し、重量平均分子量が76,000、無水シトラコン酸のグラフト重量が9.4重量%、メタクリル酸ステアリルのグラフト重量が13.8重量%の変性ポリオレフィン樹脂を得た。
(製造5)
L/D=34、φ=40mmの二軸押出機に、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、重量平均分子量50,000)100重量部、無水イタコン酸4重量部、メタクリル酸オクチル2重量部、メタクリル酸ステアリル2重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.5重量部を投入した。滞留時間は10分、バレル温度は160℃(第1バレル〜第7バレル)として反応し、第7バレルにて脱気を行い、残留する未反応物を除去した。得られた変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は45,000、無水イタコン酸のグラフト重量は2.6重量%、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリルのグラフト重量の合計は3.0重量%であった。
なお、上記の分子量は、GPC法により、テトラヒドロフランを展開溶媒とし、40℃、1ml/minの条件で、検出器としてRIを用いて測定した。
[実施例1]
厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、真空蒸着法により厚み10nmの酸化珪素から成る金属薄膜が形成された金属酸化物層に、製造1で作製した変性ポリオレフィン樹脂塗料を、バーコータを用いて塗布し、100℃の乾燥炉で1分間乾燥させ塗工量1g/mのプライマー層を形成した。次に、プライマー層上に、シクロオレフィン・コポリマーであるTOPAS6015(ポリプラスチック(株)製)をトルエンを用い熱溶解した濃度14%の塗料を0.005インチのドクターを用いて塗布し、100℃の乾燥炉で1分間乾燥させ塗工量10g/mのガスバリア層を形成しガスバリアフィルムを作製した。
[実施例2]
製造2で作製した変性ポリオレフィン樹脂塗料を塗布してプライマー層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[実施例3]
製造3で作製した変性ポリオレフィン樹脂塗料を塗布してプライマー層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[実施例4]
製造4で作製した変性ポリオレフィン樹脂塗料を塗布してプライマー層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[実施例5]
製造5で作製した変性ポリオレフィン樹脂塗料を塗布してプライマー層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[実施例6]
シクロオレフィン・コポリマーの代わりにシクロオレフィンポリマーであるZEONOR1020R(日本ゼオン(株)製)をトルエンを用い熱溶解した濃度15%の塗料を0.005インチのドクターを用いて塗布し、100℃の乾燥炉で1分間乾燥させ塗工量10g/mのガスバリア層を形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[実施例7]
シクロオレフィン・コポリマーの代わりに脂環族飽和炭化水素樹脂であるQuintone1105(日本ゼオン(株)製)をトルエンを用い溶解した濃度30%の塗料をバーコータを用いて塗布し、100℃の乾燥炉で1分間乾燥させ塗工量10g/mのガスバリア層を形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[実施例8]
シクロオレフィン・コポリマーの代わりに非晶性ポリエステル樹脂であるバイロン20SS(東洋紡(株)製)を濃度15%に調整した塗料を、バーコータを用いて塗布し、100℃の乾燥炉で1分間乾燥させ塗工量10g/mのガスバリア層を形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[比較例1]
変性ポリオレフィン樹脂の代わりに非晶性ポリエステル樹脂であるバイロン20SS(東洋紡(株)製)を濃度15%に調整した塗料を用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[比較例2]
変性ポリオレフィン樹脂の代わりにポリメチルメタクリレート樹脂であるサーモラックLP−45M30(綜研化学(株)製)を濃度15%に調整した塗料を用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[比較例3]
変性ポリオレフィン樹脂の代わりにスチレンアクリル系樹脂であるアクリット7XE−503(大成ファインケミカル(株)製)を濃度15%に調整した塗料を用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
[比較例4]
変性ポリオレフィン樹脂の代わりに繊維素系樹脂であるCAP−482−0.5(イーストマンケミカル(株)製)を濃度12%に調整した塗料を用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。
上記実施例及び比較例で作製した各ガスバリアフィルムについて、下記の性能評価を行い、その性能評価結果を表1に示す。
(1)密着性A
各実施例、及び比較例の塗料を用い、酸化珪素が真空蒸着された厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの金属酸化物層上に、各実施例、比較例のサンプル作製条件に従いプライマー層を形成した試料1、及びそのプライマー層上にバリア層を形成した試料2の2種類の試料を恒温恒室環境下(温度23℃、湿度53%RH)で2時間調湿して試料を得た。
密着性(プライマー層と金属酸化物層との密着性、プライマー層とガスバリア層との密着性)の評価は、恒温恒室条件下で、作製した試料1,試料2のプライマー層或いはガスバリア層上に、碁盤目剥離治具を用い1mmのクロスカットを100個作製し、粘着テープをその上に貼り付け、ヘラを用いて均一に押し付けた後、90度方向に剥離試験を行い塗工層の残存個数を4段階評価した。評価基準は、下記の通りである。
なお、◎と○評価品を、密着性は良好とした。
◎:100個、○:99〜95個、△:94〜50個、×:49〜0個
(2)密着性B
各実施例、及び比較例のサンプル作製条件に従いプライマー層、及びバリア層を形成した試料2を用い、高温高湿条件下(温度60℃、湿度90%RH)に7日間保存後、試料を取り出し恒温恒湿度条件下(温度23℃、湿度53%RH)で2時間調湿を行った後、密着性Aと同様にして、密着性の評価を行った。評価基準は、下記の通りである。
なお、◎と○評価品を、密着性は良好とした。
◎:100個、○:99〜95個、△:94〜50個、×:49〜0個
(3)全光線透過率
作製したガスバリアフィルムについて、JIS−K7361規格に準拠し、HAZEMETER150(Murakami Color Reserch Laboratory)を用いて測定した。透過率の値が80%以上のものを合格とした。
Figure 2014198448
上記表1の結果から、透明フィルムの少なくとも片面上に、金属酸化物層、プライマー層、ガスバリア層がこの順で設けられ、プライマー層が酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する本発明の実施例のガスバリアフィルムは、各層の密着性に優れ(特に高温高湿環境下)、ガスバリアフィルムの屈曲、延展等によるガスバリア性(特に、水蒸気バリア性)の低下を抑制するとともに、高温高湿環境下(60℃、90%RH)におけるガスバリア性(特に、水蒸気バリア性)に優れていることが確認できた。
これに対し、プライマー層が酸変性ポリオレフィン樹脂以外の樹脂成分を含有する比較例のガスバリアフィルムは、各層の密着性が悪く(特にプライマー層とガスバリア層の密着性)、特に高温高湿環境下保存による密着性が劣っているため、ガスバリアフィルムの屈曲、延展等によるガスバリア性が低下し、高温高湿環境下(60℃、90%RH)におけるガスバリア性にも劣っている。
1 透明フィルム
2 金属酸化物層
3 プライマー層
4 ガスバリア層
5 ガスバリアフィルム

Claims (8)

  1. 透明フィルムの少なくとも片面上に、金属酸化物層、プライマー層、ガスバリア層がこの順で設けられたガスバリアフィルムであって、前記プライマー層が酸変性ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. 前記酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポレオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸或いはその誘導体(A)、及び(メタ)アクリル酸エステル(B)をグラフト重合していることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記酸変性ポリオレフィン樹脂の不飽和カルボン酸或いはその誘導体(A)、及び(メタ)アクリル酸エステル(B)の配合量が、各々0.1〜20重量%、0.1〜30重量%であり、且つ重量平均分子量が15,000〜200,000であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリアフィルム。
  4. 前記ポリオレフィン樹脂は、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体の中から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  5. 前記ガスバリア層が、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  6. 前記透明フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスチレングリシジルメタクリレート及びこれらの混合物の中から選択された1種のフィルムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  7. 前記ガスバリアフィルムの透明性が、JIS−K7361に準拠した全光線透過率において、80%以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  8. 前記ガスバリアフィルムは、太陽電池用ガスバリアフィルムであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のガスバリアフィルム。

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