JP2014197757A - アンテナコイル - Google Patents

アンテナコイル Download PDF

Info

Publication number
JP2014197757A
JP2014197757A JP2013071925A JP2013071925A JP2014197757A JP 2014197757 A JP2014197757 A JP 2014197757A JP 2013071925 A JP2013071925 A JP 2013071925A JP 2013071925 A JP2013071925 A JP 2013071925A JP 2014197757 A JP2014197757 A JP 2014197757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
antenna
power transmission
resonator
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013071925A
Other languages
English (en)
Inventor
山川 博幸
Hiroyuki Yamakawa
博幸 山川
佐藤 健一郎
Kenichiro Sato
健一郎 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
Priority to JP2013071925A priority Critical patent/JP2014197757A/ja
Publication of JP2014197757A publication Critical patent/JP2014197757A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】製造性が良いアンテナコイルを提供する。【解決手段】本発明のアンテナは、第1インダクタンス値を有する第1コイル510と、前記第1コイル510と直列接続され、前記第1コイル510が第1磁束を発生する際に、前記第1磁束を打ち消す第2磁束を発生する、第2インダクタンス値を有する第2コイル520と、からなり、前記第2インダクタンス値が前記第1インダクタンス値より小さく設定されることを特徴とする。【選択図】 図4

Description

本発明は、磁気共鳴方式のワイヤレス電力伝送システムに用いられ、電力の受電又は送電を行うアンテナに用いられるアンテナコイルに関する。
近年、電源コードなどを用いることなく、ワイヤレスで電力(電気エネルギー)を伝送する技術の開発が盛んとなっている。ワイヤレスで電力を伝送する方式の中でも、特に注目されている技術として、磁気共鳴方式と呼ばれるものがある。この磁気共鳴方式は2007年にマサチューセッツ工科大学の研究グループが提案したものであり、これに関連する技術は、例えば、特許文献1(特表2009−501510号公報)に開示されている。
磁気共鳴方式のワイヤレス電力伝送システムは、送電側アンテナの共振周波数と、受電側アンテナの共振周波数とを同一とし高いQ値(100以上)のアンテナを用いることで、送電側アンテナから受電側アンテナに対し、効率的にエネルギー伝達を行うものであり、電力伝送距離を数十cm〜数mとすることが可能であることが大きな特徴の一つである。
上記のような磁気共鳴方式のワイヤレス電力伝送システムに用いるアンテナの具体的な構成についてもこれまでいくつか提案がされてきた。例えば、特許文献2(特開2010−73976号公報)には、ワイヤレスで給電回路から受電回路へ電力を送信するワイヤレス電力伝送装置の、前記給電回路及び受電回路にそれぞれ設けられる通信コイルの構造において、比誘電率が1よりも大きい材質のプリント基板と、前記プリント基板の第1の層に設けられ、少なくとも1ループをなす導電パターンで形成された一次コイルと、前記プリント基板の第2の層に設けられ、渦巻き形状をなす導電パターンで形成された共鳴コイルと、を備えることを特徴とするワイヤレス電力伝送装置の通信コイル構造が開示されている。
特表2009−501510号公報 特開2010−73976号公報
上記のような磁気共鳴方式の電力伝送システムを電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などの車両に対する電力供給に用いる場合においては、送電用のコイルは地中部に埋設され、また、受電用のコイルは車両の底面部にレイアウトされることが想定される。
しかしながら、特許文献2記載の構造のコイルは、電力伝送中にコイルから漏洩した電磁界が、車両の金属部に入射しこれを加熱したり、車両の底面と地面との間から漏洩し、環境や人体へ影響を与える可能性があったりするので、好ましくない、という問題もあった。
そこで、発明者らはアンテナに用いるコイルに対し指向性を持たせることで、受電用アンテナと送電用アンテナとの間の空間の電磁界は高めるようにし、逆に、それ以外の空間には可能限り、電磁界の漏洩を抑制することを提案している。
発明者らが、提案しているアンテナコイルの製造工程の概略を図8に示す。従来のアン
テナコイルは、コイルを造形するために利用される基材300に、導体線400を巻きかけていくことで製造される。
基材300は、第1面301と、これと表裏の関係にある第2面302とを有する基板状の部材であり、例えばポリカーボネートやポリプロピレンなどの誘電正接が小さい材料を用いる。
この基材300は、略円形の平板部をなす基部310と、この基部310から放射状に延出する複数の突片とから構成されている。突片としては、メインコイル造形用突片320とサブコイル造形用突片330の2種類がある。
図8において、導体線400に示された矢印は、巻回する際の順序を示している。例えば、図中(a)から、基材300に導体線400を巻回し始めたとすると、まず、(a)から(b)にかけては、メインコイル造形用突片320の第1面301側において、導体線400を係止させる。
続いて、(b)から(c)の区間においては、導体線400は、サブコイル造形用突片330の第2面→サブコイル造形用突片330の第1面→サブコイル造形用突片330の第2面のように、サブコイル造形用突片330の周囲に略1周半分にわたって巻回する。
サブコイル造形用突片330で上記のように巻回されるコイルは、全体としてサブコイルSCとしての磁界を形成すると共に、サブコイル造形用突片330の第2面側に巻回されている導体線400分は、メインコイルMCとしての磁界も形成することとなる。
以上のような巻回パターンにより、(c)→(d)→(e)→・・・と順次巻回する。基材300の全ての突片に対して基材300の周囲1周分、上記のよう巻回パターンでの巻回を行い、再び(a)に戻ったときには、突片が基部310から延出する方向に、ずらして、巻回を進めていく。
上記のように、従来のアンテナコイルにおいては、サブコイル造形用突片330で、略1周半分にわたって巻回を行いつつ、基材300全体の周囲に導体線400を巻回するように製造しているが、このような製造方法では、非常に複雑な導体線400の巻回作業が必要であるために、製造性が非常に悪く、そのために、アンテナコイル生産の自動化を採用することが困難である、という問題があった。
上記問題を解決するために、本発明に係るアンテナは、第1インダクタンス値を有する第1コイルと、
前記第1コイルと直列接続され、前記第1コイルが第1磁束を発生する際に、前記第1磁束を打ち消す第2磁束を発生する、第2インダクタンス値を有する第2コイルと、からなり、
前記第2インダクタンス値が前記第1インダクタンス値より小さく設定されることを特徴とするアンテナコイル。
また、本発明に係るアンテナは、前記第1コイルは第1の周回方向に巻回され、前記第2コイルは前記第1の周回方向と反対の第2の周回方向に巻回されることを特徴とする。
また、本発明に係るアンテナは、前記第1コイルが前記第2コイルと直列接続されていない端部と、前記第2コイルが前記第1コイルと直列接続されていない端部と、から給電されることを特徴とする。
また、本発明に係るアンテナは、前記第1コイルと前記第2コイルとの間に磁性材が配されることを特徴とする
本発明に係るアンテナコイルによれば、第1コイルと第2コイルとして、導体線の巻回作業が複雑なコイルを用いる必要がなく、従来のアンテナコイルに比べ、製造性が良好であるため、アンテナコイル生産の自動化などにも対応することが可能となる。
本発明の実施形態に係るアンテナコイルが用いられる電力伝送システム100のブロック図である。 電力伝送システム100のインバーター部を示す図である。 電力伝送システム100の等価回路を示す図である。 本発明の実施形態に係るアンテナコイル500の模式図である。 アンテナコイル500の第1コイル510に好適なスパイダーコイルを説明する図である。 アンテナコイル500のシールド性能を説明する図である。 本発明の他の実施形態に係るアンテナコイル500の模式図である。 従来のアンテナコイルの製造工程の一例を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係るアンテナコイルが用いられる電力伝送システムのブロック図である。なお、本実施形態においては、電力伝送システムを構成する送電側のアンテナとして1次共振器150を、また、受電側のアンテナとして2次共振器250を用いる例につき説明する。したがって、本実施形態においては、1次共振器150に含まれる1次共振器コイル160が、送電側のアンテナコイルであり、2次共振器250に含まれる1次共振器コイル260が、受電側のアンテナコイルである。
本発明のアンテナが用いられる電力伝送システムとしては、例えば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などの車両への充電のためのシステムが想定されている。電力伝送システムは、上記のような車両に対して電力を非接触で伝送するため、当該車両を停車させることが可能な停車スペースに設けられる。車両のユーザーはこの電力伝送システムが設けられている停車スペースに車両を停車させて、車両に搭載されている2次共振器250と、前記1次共振器150とを対向させることによって電力伝送システムからの電力を受電する。
電力伝送システムでは、電力伝送システム100側の1次共振器150から、受電側システム200側の2次共振器250へ効率的に電力を伝送する際、1次共振器150の共振周波数と、2次共振器250の共振周波数とを同一とすることで、送電側アンテナから受電側アンテナに対し、効率的にエネルギー伝達を行うようにする。
電力伝送システム100におけるAC/DC変換部101は、入力される商用電源を一定の直流に変換するコンバータである。このAC/DC変換部101からの出力は電圧制御部102において、所定の電圧に昇圧されたりする。この電圧制御部102で生成される電圧の設定は主制御部110から制御可能となっている。
インバーター部103は、電圧制御部102から供給される電圧から所定の交流電圧を生成して、整合器104に入力する。図2は電力伝送システムのインバーター部を示す図
である。インバーター部103は、例えば図2に示すように、フルブリッジ方式で接続されたQA乃至QDからなる4つの電界効果トランジスタ(FET)によって構成されている。
本実施形態においては、直列接続されたスイッチング素子QAとスイッチング素子QBの間の接続部T1と、直列接続されたスイッチング素子QCとスイッチング素子QDとの間の接続部T2との間に整合器104が接続される構成となっており、スイッチング素子QA
とスイッチング素子QDがオンのとき、スイッチング素子QBとスイッチング素子QCがオ
フとされ、スイッチング素子QBとスイッチング素子QCがオンのとき、スイッチング素子QAとスイッチング素子QDがオフとされることで、接続部T1と接続部T2との間に矩形波の交流電圧を発生させる。なお、本実施形態においては、各スイッチング素子のスイッチングによって生成される矩形波の周波数の範囲は20kHz〜数1000kHz程度である。
上記のようなインバーター部103を構成するスイッチング素子QA乃至QDに対する駆動信号は主制御部110から入力されるようになっている。また、インバーター部103を駆動させるための周波数は主制御部110から制御することができるようになっている。
整合器104は、所定の回路定数を有する受動素子から構成され、インバーター部103からの出力が入力される。そして、整合器104からの出力は1次共振器150に供給される。整合器104を構成する受動素子の回路定数は、主制御部110からの指令に基づいて調整することができるようになっている。主制御部110は、1次共振器150と2次共振器250とが共振するように整合器104に対する指令を行う。なお、整合器104は必須の構成ではない。
1次共振器150は、誘導性リアクタンス成分を有する1次共振器コイル160と、容量性リアクタンス成分を有する1次共振器キャパシタ170とから構成されており、対向するようにして配置される車両搭載の2次共振器250と共鳴することで、1次共振器150から出力される電気エネルギーを2次共振器250に送ることができるようになっている。1次共振器150・2次共振器250は、電力伝送システム100における磁気共鳴アンテナ部として機能する。
電力伝送システム100の主制御部110はCPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理部である。この主制御部110は、図示されている主制御部110と接続される各構成と協働するように動作する。
また、通信部120は車両側の通信部220と無線通信を行い、車両との間でデータの送受を可能にする構成である。通信部120によって受信したデータは主制御部110に転送され、また、主制御部110は所定情報を通信部120を介して車両側に送信することができるようになっている。
次に、車両側に設けられている構成について説明する。車両の受電側のシステムにおいて、2次共振器250は、1次共振器150と共鳴することによって、1次共振器150から出力される電気エネルギーを受電するものである。このような2次共振器250は、車両の底面部に取り付けられるようになっている。
2次共振器250は、誘導性リアクタンス成分を有する2次共振器コイル260と、容量性リアクタンス成分を有する2次共振器キャパシタ270とから構成されている。
2次共振器250で受電された交流電力は、整流部202において整流され、整流された電力は充電制御部203を通して電池204に蓄電されるようになっている。充電制御部203は主制御部210からの指令に基づいて電池204の蓄電を制御する。より具体的には、整流部202からの出力は充電制御部203において、所定の電圧値に昇圧又は降圧されて、電池204に蓄電されるようになっている。また、充電制御部203は電池204の残量管理なども行い得るように構成される。
主制御部210はCPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理部である。この主制御部210は、図示されている主制御部210と接続される各構成と協働するように動作する。
インターフェイス部215は、車両の運転席部に設けられ、ユーザー(運転者)に対し所定の情報などを提供したり、或いは、ユーザーからの操作・入力を受け付けたりするものであり、表示装置、ボタン類、タッチパネル、スピーカーなどで構成されるものである。ユーザーによる所定の操作が実行されると、インターフェイス部215から操作データとして主制御部210に送られ処理される。また、ユーザーに所定の情報を提供する際には、主制御部210からインターフェイス部215に対して、所定情報を表示するための表示指示データが送信される。
また、車両側の通信部220は送電側の通信部120と無線通信を行い、送電側のシステムとの間でデータの送受を可能にする構成である。通信部220によって受信したデータは主制御部210に転送され、また、主制御部210は所定情報を通信部220を介して送電システム側に送信することができるようになっている。
電力伝送システムで、電力を受電しようとするユーザーは、上記のような送電側のシステムが設けられている停車スペースに車両を停車させ、インターフェイス部215から充電を実行する旨の入力を行う。これを受けた主制御部210は、充電制御部203からの電池204の残量を取得し、電池204の充電に必要な電力量を算出する。算出された電力量と送電を依頼する旨の情報は、車両側の通信部220から送電側のシステムの通信部120に送信される。これを受信した送電側システムの主制御部110は電圧制御部102、インバーター部103、整合器104を制御することで、車両側に電力を伝送するようになっている。
次ぎに、以上のように構成される1次共振器150・2次共振器250それぞれの回路定数(インダクタンス成分、キャパシタンス成分)について説明する。図3は本発明の実施形態に係る電力伝送システム100の等価回路を示す図である。
本発明に係る電力伝送システム100においては、1次共振器150の回路定数(インダクタンス成分、キャパシタンス成分)と、2次共振器250の回路定数とは、あえて異なるように構成することで、伝送効率を向上させるようにしている。
図3に示す等価回路において、1次共振器150のインダクタンス成分がL1、キャパ
シタンス成分がC1、抵抗成分がRt1であり、2次共振器250のインダクタンス成分が
2、キャパシタンス成分がC2、抵抗成分がRt2であり、1次共振器150と2次共振器250との間の相互インダクタンスがMであることを示している。なお、抵抗成分Rt1及び抵抗成分Rt2は導線などの内部抵抗であり、意図的に設けられているものではない。また、Rは電池204の内部抵抗を示している。また、1次共振器150と2次共振器250との間の結合係数はKによって示される。
また、本実施形態においては、1次共振器150は、インダクタンス成分L1、キャパ
シタンス成分C1である直列共振器を、また、2次共振器250は、インダクタンス成分
2、キャパシタンス成分C2である直列共振器を構成するものと考える。
まず、磁気共鳴方式の電力伝送では、電力伝送システム100側の1次共振器150から、受電側システム200側の2次共振器250へ効率的に電力を伝送する際、1次共振器150の共振周波数と、2次共振器250の共振周波数とを同一とすることで、送電側アンテナ(1次共振器150)から受電側アンテナ(2次共振器250)に対し、効率的にエネルギー伝達を行うようにしている。このための条件は、下式(1)によって表すことができる。
Figure 2014197757
これを、インダクタンス成分がL1、キャパシタンス成分がC1、インダクタンス成分がL2、キャパシタンス成分がC2のみの関係で示すと、下式(2)に要約することができる。
Figure 2014197757
また、1次共振器150のインピーダンスは下式(3)により、また、2次共振器250のインピーダンスは下式(4)により、表すことができる。なお、本明細書においては、下式(3)及び下式(4)によって定義される値をそれぞれの共振器のインピーダンスとして定義する。
Figure 2014197757
Figure 2014197757
磁気共鳴方式の電力伝送システム100の受電側システムにおいて、電池204が定電圧充電モードに移行すると、電池204の電圧が一定なので、充電電力によって入力インピーダンスが変化する。電池204への充電電力が大きければ入力インピーダンスは低く、充電電力が小さければ入力インピーダンスは高くなる。受電側における2次共振器25
0は、効率の面から、電池204の充電電力に応じた入力インピーダンスに近いインピーダンスに設定することが望ましい。
一方、送電側における電源から見た1次共振器150への入力インピーダンスは、効率の面から高ければ高いほどよい。これは電源の内部抵抗分により電流の2乗比例でロスが発生するためである。
以上のことから、(3)式で示される1次共振器150のインピーダンスと、(4)式で示される2次共振器250のインピーダンスとの間には、下式(5)の関係が満たされることが望ましい。
Figure 2014197757
これを、インダクタンス成分がL1、キャパシタンス成分がC1、インダクタンス成分がL2、キャパシタンス成分がC2のみの関係で示すと、下式(6)に要約することができる。
Figure 2014197757
本発明に係る電力伝送システム100においては、1次共振器150の回路定数と、2次共振器250の回路定数とが上記の式(2)及び式(6)を満たすようにされているために、受電側システムで電池204の充電を行う場合に、効率的な電力伝送を行うことが可能となる。
さらに電池204の内部インピーダンスとの関係についても言及する。受電側システムにおいて、電池204に対して効率的に充電が行える条件として、2次共振器250のインピーダンスと、電池204のインピーダンスとが整合していることを挙げることができる。
すなわち、本実施形態では、式(2)及び式(6)の条件に加えて、さらに、式(4)の2次共振器250のインピーダンスと電池204のインピーダンスRとの間に、
Figure 2014197757
の関係を持たせることで、受電側システムで電池204の充電を行う場合、システム全体として、効率的な電力伝送を行うことを可能としている。
次に、以上のように構成される電力伝送システム100における1次共振器コイル160についてより詳しく説明する。
次に、以上のように構成される電力伝送システム100で用いるアンテナコイルの具体的な構成について説明する。なお、本発明のアンテナコイルは、1次共振器150及び2次共振器250の双方に適用し得るものである。また、本発明のアンテナコイルは、送電側においては1次共振器コイル160に採用されるものであり、受電側においては2次共振器コイル260に採用されるものである。
以下、本発明のアンテナコイルの概要を説明する。図4は本発明の実施形態に係るアンテナコイル500の模式図である。
本発明の実施形態に係るアンテナコイル500は、第1インダクタンス値を有する第1コイル510と、第2インダクタンス値を有する第2コイル520とを有している。
また、第1コイル510は第1インダクタンス値を有し、第2コイル520は前記第1インダクタンス値より小さい第2インダクタンス値を有するものであり、第1コイル510が第1磁束を発生する際に、第2コイル520は、この第1磁束を打ち消す第2磁束を発生する。
したがって、本発明の実施形態に係るアンテナコイル500では、第1コイル510による第1磁束と、第2コイル520による第2磁束とは、一部が相殺することで、アンテナコイル500に指向性が付与されることとなる。
例えば、アンテナコイル500の第1コイル510は、PからQへと第1の周回方向(反時計回り)に巻回され、一方、第2コイル520は、第1の周回方向(反時計回り)と反対である、Q’からP’へと第2の周回方向(時計回り)に巻回されることで構成される。
また、第1コイル510と第2コイル520と間は、直列接続導体530により電気的に接続されており、第1コイル510が第2コイル520と直列接続されていない第1給電端540と、第2コイル520が第1コイル510と直列接続されていない第2給電端550と、から給電されるようになっている。すなわち、本実施形態においては、第1コイル510の端部と、第2コイル520の端部と、から給電が行われるようになっている。
以上から、例えば、第1コイル510において第1の周回方向(反時計回り)に電流が流れる時には、第2コイル520において第2の周回方向(時計回り)に電流が流れるようになっている。このことは、第1コイル510における電流の流れの位相が、第2コイル520における電流の流れの位相と180°ずれていることを意味している。
なお、第1コイル510及び第2コイル520として用いるコイルの種類は、上記のような各条件を満たせば、どのようなものも用いることができる。例えば、ボビンに巻いたソレノイドコイルであってもよいし、ポリカーボネート基板上に印刷された導体からなる渦巻き状のコイルなどであってもよい。
以上のような本発明に係るアンテナコイル500によれば、第1コイル510及び第2コイル520として、導体線の巻回作業が複雑なコイルを用いる必要がなく、従来のアンテナコイルに比べ、製造性が良好であるため、アンテナコイル生産の自動化などにも対応
することが可能となる。
ここで、第1コイル510に用いるコイルとしては、インダクタンス値が高いものが求められる。したがって、第1コイル510としては導体線の巻き密度が高いものが好ましい。このようなコイルとしては、スパイダーコイルと呼ばれるものがある。以下、第1コイル510として用いるのに好適なスパイダーコイルについて説明する。
図5はアンテナコイル500の第1コイル510に好適なスパイダーコイルを説明する図であり、図5(A)はスパイダーコイルを造形するために利用される基材600を示す図であり、図5(B)は基材600に導体線400を巻回する際のパターンの1例を示す図であり、図5(C)はスパイダーコイルを示す図である。
図5(A)に示す図では、基材600としては略円形であるものを例にとり説明するが、これに限定されるものではない。
基材600は、第1面601と、これと表裏の関係にある第2面602とを有する基板状の部材であり、例えばポリカーボネートやポリプロピレンなどの誘電正接が小さい材料を用いて構成することが好ましい。
この基材600は、略円形の平板部をなす基部610と、この基部610から放射状に延出する複数のコイル造形用突片620とから構成されている。
コイル造形用突片620は、第1面601又は第2面602のいずれか一方側に導体線400が通され、導体線400を係止するために利用される。これにより、導体線400でスパイダーコイルの形状が維持される。
次に、以上のような基材600で造形する際の導体線400の巻回パターンの1例について図5(B)を参照して説明する。導体線400としては、複数の導体素線を集合させた撚り線を用いることが好ましい。
図5(B)において、矢印はコイルを巻回する際の順序を示している。例えば、図中(a)に示すコイル造形用突片620に導体線400を係止することにより、導体線400を巻回し始めたとすると、まず、(a)に示す2つのコイル造形用突片620にかけては、コイル造形用突片620の第1面601側において、導体線400を係止させる。
続いて、(b)に示す2つのコイル造形用突片620にかけては、コイル造形用突片620の第2面602側において、導体線400を係止させる。
逆に、(c)に示す2つのコイル造形用突片620にかけては、コイル造形用突片620の第1面601側において、導体線400を係止させる。
以上のように、2つのコイル造形用突片620毎に、導体線400を係止させる面を、第1面601側、第2面602側と交互に変える巻回パターンにより、(c)→(d)→(e)→・・・と順次巻回する。このような巻回パターンとすることにより、インダクタンス成分が大きいアンテナコイルを形成することが可能となる。
逆に、インダクタンス成分が小さいアンテナコイルを形成する場合には、1つ1つのコイル造形用突片620毎に、導体線400を係止させる面を、第1面601側、第2面602側と交互に変える巻回パターンが好ましい。このようにして作られたコイルは、第2コイル520として好適である。
次に、以上のような本発明に係るアンテナコイル500のシールド性能について説明する。図6は、アンテナコイル500のシールド性能を説明する図である。図6中の丸いプロットは、1次共振器コイル160及び2次共振器コイル260として、本発明に係るアンテナコイル500を用いた電力伝送システムにおける、コイル間の位置ずれと、伝送効率の関係を示している。
図6中の四角いプロットは、1次共振器コイル160及び2次共振器コイル260として、シールド材によってシールドが施されたアンテナコイルを用いた電力伝送システムにおける、コイル間の位置ずれと、伝送効率の関係を示している。
図6を参照すると、コイル間の位置ずれによる伝送効率の低減は、シールド材が用いられたアンテナコイルに比べて、本発明に係るアンテナコイル500を用いた場合の方が抑制されている。本発明に係るアンテナコイル500では、第1コイル510に、巻回方向が逆の第2コイル520を直列接続する、という比較的な簡単な構成で、シールド材が用いられたアンテナコイルに匹敵する性能を得ることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図7は本発明の他の実施形態に係るアンテナコイル500の模式図である。
図7において、図4と同様の参照番号が付された構成については、先の実施形態と構成、機能と同様のものであるので、説明を省略する。本実施形態が先の実施形態と比較して異なる点は、第1コイル510と第2コイル520との間に磁性材560が配されている点である。
このような磁性材560は、透磁率と比抵抗が高いフェライト材料などの強磁性体材料からなるものである。このような磁性材560を、第1コイル510と第2コイル520との間に配することで、第1コイル510による第1磁束と、第2コイル520による第2磁束とが、より効率的に相殺されることとなり、アンテナコイル500により強い指向性が付与されることとなる。
以上、本発明に係るアンテナコイルによれば、第1コイルと第2コイルとして、導体線の巻回作業が複雑なコイルを用いる必要がなく、従来のアンテナコイルに比べ、製造性が良好であるため、アンテナコイル生産の自動化などにも対応することが可能となる。
100・・・電力伝送システム
101・・・AC/DC変換部
102・・・電圧制御部
103・・・インバーター部
104・・・整合器
110・・・主制御部
120・・・通信部
150・・・1次共振器
160・・・1次共振器コイル(送電側アンテナコイル)
170・・・1次共振器キャパシタ
201・・・2次共振器
202・・・整流部
203・・・充電制御部
204・・・電池
210・・・主制御部
215・・・インターフェイス部
220・・・通信部
250・・・2次共振器
260・・・2次共振器コイル(受電側アンテナコイル)
300・・・基材
301・・・第1面
302・・・第2面
310・・・基部
320・・・メインコイル造形用突片
330・・・サブコイル造形用突片
400・・・導体線
500・・・アンテナコイル
510・・・第1コイル
520・・・第2コイル
530・・・直列接続導体
540・・・第1給電端
550・・・第2給電端
560・・・磁性材
600・・・基材
601・・・第1面
602・・・第2面
610・・・基部
620・・・コイル造形用突片

Claims (4)

  1. 第1インダクタンス値を有する第1コイルと、
    前記第1コイルと直列接続され、前記第1コイルが第1磁束を発生する際に、前記第1磁束を打ち消す第2磁束を発生する、第2インダクタンス値を有する第2コイルと、からなり、
    前記第2インダクタンス値が前記第1インダクタンス値より小さく設定されることを特徴とするアンテナコイル。
  2. 前記第1コイルは第1の周回方向に巻回され、
    前記第2コイルは前記第1の周回方向と反対の第2の周回方向に巻回されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナコイル。
  3. 前記第1コイルの端部と、前記第2コイルの端部と、から給電されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナコイル。
  4. 前記第1コイルと前記第2コイルとの間に磁性材が配されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のアンテナコイル。
JP2013071925A 2013-03-29 2013-03-29 アンテナコイル Pending JP2014197757A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013071925A JP2014197757A (ja) 2013-03-29 2013-03-29 アンテナコイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013071925A JP2014197757A (ja) 2013-03-29 2013-03-29 アンテナコイル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014197757A true JP2014197757A (ja) 2014-10-16

Family

ID=52358288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013071925A Pending JP2014197757A (ja) 2013-03-29 2013-03-29 アンテナコイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014197757A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014236409A (ja) * 2013-06-04 2014-12-15 株式会社ダイヘン 非接触電力伝送システム、および、非接触電力伝送システムのアンテナ設計方法
KR101679202B1 (ko) * 2014-10-27 2016-11-25 한국과학기술원 편차에 둔감한 급·집전장치
CN107210126A (zh) * 2014-09-11 2017-09-26 奥克兰联合服务有限公司 具有受控磁通抵消的磁通耦合结构
JPWO2016162964A1 (ja) * 2015-04-08 2018-03-08 日産自動車株式会社 地上側コイルユニット

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014236409A (ja) * 2013-06-04 2014-12-15 株式会社ダイヘン 非接触電力伝送システム、および、非接触電力伝送システムのアンテナ設計方法
CN107210126A (zh) * 2014-09-11 2017-09-26 奥克兰联合服务有限公司 具有受控磁通抵消的磁通耦合结构
KR101679202B1 (ko) * 2014-10-27 2016-11-25 한국과학기술원 편차에 둔감한 급·집전장치
JPWO2016162964A1 (ja) * 2015-04-08 2018-03-08 日産自動車株式会社 地上側コイルユニット
EP3282459B1 (en) * 2015-04-08 2019-12-04 Nissan Motor Co., Ltd. Ground-side coil unit

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5924496B2 (ja) 電力伝送システム
JP5988210B2 (ja) 電力伝送システム
US10002708B2 (en) Coil unit and wireless power transmission device
JP5915857B2 (ja) アンテナ
JP5988211B2 (ja) 電力伝送システム
US10608478B2 (en) Power transmission system
JP2013038893A (ja) 電力伝送システム
JP2014197757A (ja) アンテナコイル
JP2013135491A (ja) アンテナ
JP2013255349A (ja) アンテナ
JP2013214613A (ja) コイルユニット及びコイルユニットを備える電力伝送装置
JP5930182B2 (ja) アンテナ
JP6216966B2 (ja) 電力伝送システム
JP6040510B2 (ja) 電力伝送システム
JP6040397B2 (ja) 電力伝送システム
JP2014093322A (ja) 電力伝送システム
JP6085817B2 (ja) 電力伝送システム
JP2013254852A (ja) アンテナ
JP5888504B2 (ja) アンテナ
JP2014093320A (ja) 電力伝送システム
JP2014093797A (ja) 電力伝送システム
JP2014197927A (ja) アンテナ
JP2013254851A (ja) アンテナ
JP2014197586A (ja) アンテナ
JP2014197935A (ja) 電力伝送システム