JP2014191973A - 端子付電線 - Google Patents

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貴章 伊藤
Yoshiaki Yamano
能章 山野
Naoya Nishimura
直也 西村
Daichi Ashida
大地 芦田
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Abstract

【課題】合成樹脂の止水部が形成される端子付電線において、簡易に圧着端子の被覆圧着部の内側に隙間が形成されることを防止すること。
【解決手段】端子付電線1の圧着端子10において、被覆圧着部20の縁部が外側へ反った環状の拡径部200を形成している。第一止水樹脂部7及び第二止水樹脂部8は、流動状の合成樹脂が固化した部材からなる。第一止水樹脂部7は、絶縁電線9の端部における圧着端子10から露出している部分を覆う。環状の第二止水樹脂部8は、絶縁電線の絶縁被覆と拡径部200との間を埋める。
【選択図】図2

Description

本発明は、絶縁電線と絶縁電線の端部に取り付けられた圧着端子と絶縁電線における絶縁被覆から延び出た芯線を覆う止水樹脂部とを含む端子付電線に関する。
車両に搭載されるワイヤハーネスにおいて、コネクタのキャビティに挿入される金属製の圧着端子が電線の端部に取り付けられる。特許文献1に示されるように、圧着端子は、被覆圧着部、芯線圧着部及び接点部を有する。
被覆圧着部は、電線の端部における絶縁被覆に圧着される部分である。芯線圧着部は、電線の端部における絶縁被覆から延び出た芯線に圧着される部分である。接点部は、相手側の端子と直接接触し、相手側の端子に接続される部分である。以下、端部に圧着端子が取り付けられた電線のことを端子付電線と称する。
なお、被覆圧着部、芯線圧着部及び接点部は、それぞれインシュレーションバレル、ワイヤバレル及びコンタクトと称される。
絶縁電線の芯線がアルミニウム線である場合などにおいて、絶縁電線の芯線と圧着端子との間の異種金属接触腐食が生じやすい。異種金属接触腐食の防止のため、合成樹脂の被覆によって絶縁電線の芯線における圧着端子から露出した部分を覆うことが有効である。
例えば、特許文献1に示される端子付電線は、絶縁電線における絶縁被覆から延び出た芯線を芯線圧着部の外側から覆う合成樹脂の止水部を有する。この合成樹脂の止水部は、絶縁電線の芯線と圧着端子の芯線圧着部とが接触する部分への液体の浸入を防ぐために設けられている。合成樹脂の止水部は、流動状の合成樹脂が固化した部材からなる。以下、そのような合成樹脂の止水部のことを止水樹脂部と称する。
また、特許文献2に示される圧着端子においては、防食剤(流動状の合成樹脂)の導入溝が被覆圧着部の内側面に形成されている。これにより、絶縁電線と被覆圧着部との間に防食材を確実に充填させることが可能となる。
特開2010−108798号公報 特開2011−192530号公報
特許文献1に示される端子付電線において、絶縁電線における絶縁被覆の外周面と圧着端子における被覆圧着部の内側面との間に隙間が生じる場合がある。
被覆圧着部の内側の隙間は、芯線の端部への液体の浸入路となる。そのため、止水樹脂部が形成されているにもかかわらず、芯線と圧着端子とが接触する部分の腐食が生じてしまう。
一方、特許文献2に示される圧着端子が採用されれば、被覆圧着部の内側に隙間が生じることは防がれる。しかしながら、圧着端子に溝を形成する加工を施すよりも簡易に、被覆圧着部の内側に隙間が生じることを防げれば望ましい。
本発明の目的は、合成樹脂の止水部が形成される端子付電線において、簡易に圧着端子の被覆圧着部の内側に隙間が形成されることを防止し、ひいては絶縁電線の芯線と圧着端子とが接触する部分の腐食を防止することである。
第1態様に係る端子付電線は、絶縁電線と圧着端子と第一止水樹脂部と第二止水樹脂部とを備える。上記圧着端子は、上記絶縁電線における絶縁被覆の部分及びその絶縁被覆から延び出た芯線の各々に圧着された芯線圧着部及び被覆圧着部を有する。上記被覆圧着部における上記芯線圧着部側の第一縁部に対し反対側の第二縁部が外側へ反った環状の拡径部を形成している。上記第一止水樹脂部は、流動状の合成樹脂が固化した部材からなる。上記第一止水樹脂部は、上記絶縁電線における少なくとも上記被覆圧着部の上記芯線圧着部側の第一縁部に接する部分から先端側において上記圧着端子から露出している部分を覆う。上記第二止水樹脂部は流動状の合成樹脂が固化した部材からなる。環状の上記第二止水樹脂部は、上記絶縁電線の上記絶縁被覆と上記被覆圧着部の上記拡径部との間を埋める。
第2態様に係る端子付電線は、第1態様に係る端子付電線の一態様である。第2態様に係る端子付電線において、上記第一止水樹脂部は、上記被覆圧着部における突き合わせ状態で上記絶縁電線にかしめられた一対の先端縁部における上記第二止水樹脂部に接する位置までの領域を覆って形成されている。
第3態様に係る端子付電線は、第1態様又は第2態様に係る端子付電線の一態様である。第3態様に係る端子付電線において、上記絶縁電線の上記芯線はアルミニウムを主成分とする金属材料からなる。さらに、上記圧着端子は銅を主成分とする金属材料からなる。
以上に示された各態様において、第一止水樹脂部は、圧着端子の被覆圧着部よりも芯線圧着部側において、絶縁電線における圧着端子から露出している部分を覆う。従って、第一止水樹脂部は、液体が圧着端子の外側から芯線の端部へ浸入することを防ぐ。
一方、環状の第二止水樹脂部は、絶縁電線の全周方向において、絶縁電線における絶縁被覆の外周面と圧着端子における被覆圧着部の拡径部との間を密閉する。この第二止水樹脂部の作用により、絶縁被覆と圧着端子の被覆圧着部との間に芯線の端部へ通じる隙間が形成されることが防止される。なお、被覆圧着部の拡径部は、いわゆるベルマウスである。
また、被覆圧着部の拡径部(ベルマウス)は、特別な加工を要することなく通常の圧着工程によって形成される。即ち、被覆圧着部を絶縁電線にかしめるクリンパとして、被覆圧着部の第二縁部に接触しない程度に奥行き寸法の小さなクリンパが用いられるだけでよい。従って、被覆圧着部の拡径部(ベルマウス)を形成することは、圧着端子に溝を形成する加工を施すことに比べ容易である。
以上に示したことから、上記の各態様によれば、簡易に圧着端子の被覆圧着部の内側に隙間が形成されることが防止される。その結果、絶縁電線の芯線と圧着端子とが異種金属で構成されている場合でも、異種金属接触腐食を防止することが可能である。
なお、絶縁電線の芯線と圧着端子とが同種の金属で構成されている場合でも、上記の各態様は、絶縁電線の芯線と圧着端子とが接触する部分の腐食の防止に有効である。
また、第2態様においては、第一止水樹脂部が、第二止水樹脂部と繋がっており、突き合わせ状態で絶縁電線にかしめられた被覆圧着部の一対の先端縁部の間を埋める。そのため、液体が被覆圧着部の一対の先端縁部の間から芯線の端部へ浸入することも防止される。
また、第3態様においては、絶縁電線の芯線と圧着端子とが異なる種類の金属材料で構成されている。この構成は、液体が絶縁電線の芯線の部分へ浸入した場合に、異種金属接触腐食が特に生じやすい構成である。そのため、絶縁電線の芯線の部分への液体の浸入を防止できる本発明の効果がより顕著となる。
本発明の実施形態に係る端子付電線1の斜視図である。 端子付電線1の主要部の側面図である。 端子付電線1の主要部の平面図である。 端子付電線1の主要部の縦断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。以下に示される各実施形態に係る端子付電線は、自動車などの車両に搭載されるワイヤハーネスの一部である。
図1〜4に示されるように、端子付電線1は、絶縁電線9、圧着端子10、第一止水樹脂部7及び第二止水樹脂部8を備えている。なお、図2〜4は、それぞれ端子付電線1における圧着端子10の圧着部の部分の側面図、平面図及び縦断面図である。また、図4は、図3に示されるII−II平面における断面図である。
<絶縁電線>
圧着端子10が取り付けられる対象となる絶縁電線9は、長尺な導体である芯線910と、その芯線910の周囲を覆う絶縁体である絶縁被覆920と、を有する電線である。通常、芯線910は、細い導体からなる複数の素線が撚り合わされた撚り線である。しかしながら、芯線910が単線であることも考えられる。
圧着端子10が取り付けられる絶縁電線9の端部は、予め一定の長さの分の芯線910の周囲から絶縁被覆920が剥がれた状態、即ち、一定の長さ分の芯線910が絶縁被覆から伸び出た状態に加工されている。
以下、絶縁電線9の端部において、絶縁被覆920の端から伸び出た芯線910を裸芯線部91と称する。また、絶縁電線9の絶縁被覆920における端部の一定の範囲(数ミリメートルから十数ミリメートル程度の長さの範囲)の部分を被覆端部92と称する。
端子付電線1において、絶縁電線9の芯線910は、例えば、アルミニウムを主成分とする金属の線材である。一方、絶縁電線9の絶縁被覆920は、例えば、ポリエチレン、塩化ビニル又はポリアミド系ナイロンなどを主成分とする合成樹脂の部材である。なお、芯線910が、銅を主成分とする金属の線材であることも考えられる。
<圧着端子>
図1〜3に示されるように、圧着端子10は、直線方向に沿って一列に並んで形成された、被覆圧着部20、第一連結部30、芯線圧着部40、第二連結部50及び接点部60を備えている。
また、圧着端子10における被覆圧着部20から芯線圧着部40及び接点部60へ向かう直線方向を延伸方向と称する。延伸方向は、圧着端子10が取り付けられる絶縁電線9の長手方向でもある。
圧着端子10は、金属の板材の折り曲げ加工によって得られる。また、圧着端子10を構成する金属の板材は、メッキが形成された板状の金属の母材に対する打ち抜き加工によって得られる。従って、圧着端子10を構成する金属の板材は、基材と、その基材の表面に形成されたメッキとにより構成されている。
例えば、圧着端子10の基材は、銅又は銅の合金など、銅を主成分とする金属材料からなる部材である。この場合、メッキを含む圧着端子10全体は、銅を主成分とする金属材料からなる。一方、メッキは、錫(Sn)もしくは錫に銀(Ag)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)などが添加された錫合金など、錫を主成分とする金属材料からなる部材である。
<圧着端子:被覆圧着部>
被覆圧着部20は、曲がって形成された板状の部分であり、絶縁電線9に圧着される前の状態において、絶縁電線9の被覆端部92が挿入される溝を形成している。端子付電線1において、被覆圧着部20は、被覆圧着部20が形成する溝の内側に挿入された被覆端部92の周囲に沿って曲げられることにより、被覆端部92に対して圧着されている。
被覆端部92は、圧着端子10の被覆圧着部20の圧力によって強く圧縮されている。これにより、被覆端部92における環状溝921の両側の外周面は、被覆圧着部20の内側面に密接している。
また、被覆端部92の環状溝921と圧着端子10の被覆圧着部20の内側面との間には、第二止水樹脂部8で満たされた環状の隙間が形成されている。この環状の隙間は、環状溝921の内側面と被覆圧着部20の内側面における環状溝921の開口を覆う部分とで囲まれている。なお、第二止水樹脂部8については後述する。
被覆圧着部20は、底板部21と、2つの被覆かしめ部22とを有する。底板部21は、圧着端子10が取り付けられる対象の絶縁電線9における被覆端部92を一の方向(下方)から支える部分である。また、2つの被覆かしめ部22は、底板部21から被覆端部92の両側へ起立して形成された部分である。
以下、延伸方向に直交し、2つの被覆かしめ部22が対向する方向を幅方向と称する。さらに、延伸方向及び幅方向に直交する方向を高さ方向と称する。従って、底板部21は、絶縁電線9における被覆端部92を高さ方向における一方の側から支える。
被覆かしめ部22各々における先端側の一部の範囲を占める部分は、底板部21に対向する向きへ折り曲げられて被覆端部92にかしめられ、被覆圧着部20の上面を形成している。また、各被覆かしめ部22における根元側の一部の範囲を占める部分は、被覆圧着部20の両側面を形成している。
なお、本明細書において、被覆圧着部20の底面、側面及び上面との用語は、便宜上、被覆端部92の四方の面を区別するために用いられており、端子付電線1が敷設された状態における上下左右の方向とは関係しない。
本実施形態に示される被覆圧着部20は、一対の先端縁部221が突き合わさる状態で圧着される突き合わせタイプである。一対の先端縁部221は、2つの被覆かしめ部22各々の先端の縁部である。なお、被覆圧着部20が、2つの被覆かしめ部22の一部が重なった状態で圧着される重ね合わせタイプであることも考えられる。また、被覆圧着部20が、筒状に形成されたクローズドバレルタイプであることも考えられる。
図1〜4に示されるように、被覆圧着部20における芯線圧着部40側の第一縁部201に対し反対側の第二縁部202は、外側へ反った環状の拡径部200を形成している。拡径部200はいわゆるベルマウスである。
被覆圧着部20の拡径部200(ベルマウス)は、特別な加工を要することなく通常の圧着工程によって形成される。即ち、被覆圧着部20を被覆端部92にかしめるクリンパとして、被覆圧着部20の第二縁部202に接触しない程度に奥行き寸法の小さなクリンパが用いられるだけでよい。
圧着端子10が絶縁電線9の端部に圧着された際、被覆端部92と拡径部200との間には環状の隙間が形成される。後述するように、被覆端部92と拡径部200との間は、第二止水樹脂部8で埋められる。
<圧着端子:芯線圧着部>
芯線圧着部40は、絶縁電線9に圧着される前の状態において、曲がって形成された板状の部分であり、絶縁電線9の裸芯線部91が挿入される溝を形成している。そして、芯線圧着部40は、芯線圧着部40が形成する溝の内側に挿入された裸芯線部91に対して圧着される。
芯線圧着部40は、底板部41と、2つの芯線かしめ部42とを有する。底板部41は、圧着端子10が取り付けられる対象の絶縁電線9における裸芯線部91を高さ方向の一方の側から支える部分である。また、2つの芯線かしめ部42は、底板部41から裸芯線部91の両側へ起立して形成された部分である。
各芯線かしめ部42における先端側の一部の範囲を占める部分は、底板部41に対向する向きへ折り曲げられて裸芯線部91にかしめられている。本実施形態に示される芯線圧着部40は、2つの芯線かしめ部42が重ならない突き合わせタイプである。しかしながら、芯線圧着部40は、2つの芯線かしめ部42が重ねられて裸芯線部91にかしめられる重ね合わせタイプであること、或いは、筒状に形成されたクローズドバレルタイプであることも考えられる。
<圧着端子:第一連結部>
第一連結部30は、被覆圧着部20と芯線圧着部40とを繋ぐ部分である。第一連結部30は、曲がって形成された板状の部分であり、被覆端部92及び裸芯線部91の境界部分が挿入される溝を形成している。そして、第一連結部30は、被覆圧着部20の底板部21と芯線圧着部40の底板部41とを繋ぐ底板部31と、底板部31から絶縁電線9の両側へ伸びて起立した2つの側壁部32とを有する。
<圧着端子:接点部>
接点部60は、圧着端子10の接続相手となる不図示の相手側端子と嵌り合うことによって相手側端子と直接接触する部分である。図1に示される接点部60は、相手側端子が嵌め入れられる孔である端子挿入孔61が形成された筒状の部分である。なお、接点部60が、相手側端子の端子挿入孔に嵌め入れられる棒状の導体である場合もある。
<圧着端子:第二連結部>
第二連結部50は、芯線圧着部40と接点部60を繋ぐ部分である。第二連結部50は、曲がって形成された板状の部分であり、溝を形成している。裸芯線部91の先端部分が、芯線圧着部40から第二連結部50が形成する溝へはみ出す場合もあるが、そうでない場合もある。そして、第二連結部50は、芯線圧着部40の底板部41に繋がる底板部51と、底板部51から伸びて起立した2つの側壁部52とを有する。
端子付電線1において、絶縁電線9の芯線910と圧着端子10とは、それぞれ異種の金属で構成されていることが考えられる。
例えば、芯線910が、アルミニウム線、即ち、アルミニウムを主成分とする金属(アルミニウムまたはアルミニウム合金)の線材であることが考えられる。一方、圧着端子10が、銅もしくは黄銅などの銅合金の基材に、錫(Sn)もしくは錫に銀(Ag)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)などが添加された錫合金のメッキが施された部材であることが考えられる。この場合、圧着端子10と接触する裸芯線部91は、異種金属接触腐食によって腐食しやすい。
<第一止水樹脂部>
端子付電線1における絶縁電線9の端部には、裸芯線部91の腐食を防ぐための第一止水樹脂部7が形成されている。第一止水樹脂部7は、絶縁電線9の裸芯線部91を圧着端子10の外側から覆う合成樹脂の被覆である。第一止水樹脂部7は、流動状の合成樹脂が固化した部材からなる。
端子付電線1において、裸芯線部91の腐食防止のために覆われるべき領域は、絶縁電線9における少なくとも被覆圧着部20の芯線圧着部側の縁部に接する圧着境界部901から先端911までの部分である。そのため、第一止水樹脂部7は、絶縁電線9における少なくとも圧着境界部901から先端側において圧着端子10から露出している部分を覆う。
例えば、第一止水樹脂部7は、絶縁電線9の被覆端部92に圧着された被覆圧着部20の中間位置から、第二連結部50の延伸方向における中間位置までの範囲に形成されている。そして、第一止水樹脂部7は、その範囲に存在する絶縁電線9における圧着端子10から露出した部分を覆って密封している。
第一止水樹脂部7は、例えば、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系又はエポキシ系の合成樹脂である。また、図1〜3に示される例では、第一止水樹脂部7は、透明又は半透明の材料で構成されている。しかしながら、第一止水樹脂部7は、透明ではない樹脂で構成されることも考えられる。第一止水樹脂部7が、有色の半透明の材料で構成されていれば、第一止水樹脂部7の厚みの確認が容易となる。
また、図2〜4に示されるように、本実施形態においては、第一止水樹脂部7は、被覆圧着部20における突き合わせ状態で被覆端部92にかしめられた一対の先端縁部221における第二止水樹脂部8に接する位置までの領域を覆って形成されている。
従って、第一止水樹脂部7は、被覆圧着部20の芯線圧着部40側の縁部から第二止水樹脂部8に至る範囲において、一対の先端縁部221の間の隙間を埋めている。さらに、第一止水樹脂部7は、一対の先端縁部221の間において第二止水樹脂部8と繋がっている。
第一止水樹脂部7は、流動状の合成樹脂が上方から絶縁電線9の端部に供給されることによって形成される。絶縁電線9の端部に流下した合成樹脂は、所定の固化工程を経て固化する。
例えば、第一止水樹脂部7が熱可塑性樹脂からなる場合、固化工程は冷却工程である。また、第一止水樹脂部7が湿気固化樹脂からなる場合、固化工程は、湿気を含む空気に湿気固化樹脂を所定時間晒す工程である。また、第一止水樹脂部7が紫外線硬化樹脂からなる場合、固化工程は紫外光を照射する工程である。
<第二止水樹脂部>
第二止水樹脂部8は、液体が絶縁電線9の被覆端部92と被覆圧着部20との間から裸芯線部91へ浸入することを防ぐ止水部である。第二止水樹脂部8も、第一止水樹脂部7と同様に、流動状の合成樹脂が固化した部材からなる。
図2〜4に示されるように、第二止水樹脂部8は、被覆端部92と被覆圧着部20の拡径部200との間の隙間を満たして環状に形成されている。これにより、第二止水樹脂部8は、被覆圧着部20の第二縁部202の位置において、被覆端部92の外周面と拡径部200の内側面との間を密閉する。
第二止水樹脂部8は、例えば、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系又はエポキシ系の合成樹脂である。第二止水樹脂部8は、固化した状態において弾性を有する材料からなることが望ましい。さらに、第二止水樹脂部8は、被覆端部92との接着性に優れている材料からなることが望ましい。
第二止水樹脂部8は、被覆圧着部20の第二縁部202が上方を向く状態で、流動状の合成樹脂が上方から拡径部200の内側に供給されることによって形成される。拡径部200の内側に流下した合成樹脂は、第一止水樹脂部7と同様に所定の固化工程を経て固化する。
被覆圧着部20の第二縁部202が拡径部200を形成していない場合、被覆端部92と第二縁部202との間の隙間は、ほとんどない又はごく狭い。この場合、止水に十分な量の流動状の合成樹脂を被覆端部92と第二縁部202との間に溜めることができない。
一方、被覆圧着部20の第二縁部202が拡径部200を形成していれば、拡径部200が流動状の合成樹脂の受け皿となる。そのため、止水に十分な量の流動状の合成樹脂を被覆端部92と第二縁部202との間に溜めることができる。
<効果>
端子付電線1において、第一止水樹脂部7は、圧着端子10の被覆圧着部20よりも芯線圧着部40側において、絶縁電線9における圧着端子10から露出している部分を覆う。従って、第一止水樹脂部7は、液体が圧着端子10の外側から裸芯線部91へ浸入することを防ぐ。
一方、環状の第二止水樹脂部8は、絶縁電線9の全周方向において、絶縁電線9における被覆端部92の外周面と圧着端子10における被覆圧着部20の拡径部200との間を密閉する。この第二止水樹脂部8の作用により、被覆端部92と被覆圧着部20との間に裸芯線部91へ通じる隙間が形成されることが防止される。
また、被覆圧着部20の拡径部200(ベルマウス)は、特別な加工を要することなく通常の圧着工程によって形成される。即ち、被覆圧着部20を被覆端部92にかしめるクリンパとして、被覆圧着部20の第二縁部202に接触しない程度に奥行き寸法の小さなクリンパが用いられるだけでよい。従って、被覆圧着部20の拡径部200を形成することは、圧着端子10に溝を形成する加工を施すことに比べ容易である。
以上に示したことから、端子付電線1が採用されれば、簡易に被覆圧着部20の内側に隙間が形成されることが防止される。その結果、裸芯線部91と圧着端子10とが接触する部分における腐食を防止することが可能である。
また、芯線910と圧着端子10とが異なる種類の金属材料で構成されている場合、液体が裸芯線部91へ浸入すると異種金属接触腐食が特に生じやすい。しかしながら、端子付電線1が採用されれば、そのような場合でも、異種金属接触腐食を防止することが可能である。
なお、芯線910と圧着端子10とが同種の金属で構成されている場合でも、端子付電線1の構造は、裸芯線部91と圧着端子10とが接触する部分の腐食の防止に有効である。
また、端子付電線1においては、第一止水樹脂部7が、第二止水樹脂部8と繋がっており、突き合わせ状態で被覆端部92にかしめられた被覆圧着部20の一対の先端縁部221の間を埋める。そのため、液体が被覆圧着部20の一対の先端縁部221の間から裸芯線部91へ浸入することも防止される。
<その他>
端子付電線1において、第一止水樹脂部7が第二止水樹脂部8と繋がっていないことも考えられる。この場合でも、優れた止水性が確保される。
なお、本発明に係る端子付電線は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
1 端子付電線
7 第一止水樹脂部
8 第二止水樹脂部
9 絶縁電線
10 圧着端子
20 被覆圧着部
21 被覆圧着部の底板部
22 被覆かしめ部
30 第一連結部
31 第一連結部の底板部
32 第一連結部の側壁部
40 芯線圧着部
41 芯線圧着部の底板部
42 芯線かしめ部
50 第二連結部
51 第二連結部の底板部
52 第二連結部の側壁部
60 接点部
61 端子挿入孔
91 裸芯線部
92 被覆端部
200 拡径部(ベルマウス)
201 被覆圧着部の第一縁部
202 被覆圧着部の第二縁部
221 被覆圧着部の先端縁部
901 絶縁電線の圧着境界部
911 絶縁電線の先端
910 芯線
920 絶縁被覆

Claims (3)

  1. 絶縁電線と、
    前記絶縁電線における絶縁被覆の部分及び前記絶縁被覆から延び出た芯線の各々に圧着された芯線圧着部及び被覆圧着部を有し、前記被覆圧着部における前記芯線圧着部側の第一縁部に対し反対側の第二縁部が外側へ反った環状の拡径部を形成している圧着端子と、
    流動状の合成樹脂が固化した部材からなり、前記絶縁電線における少なくとも前記被覆圧着部の前記芯線圧着部側の第一縁部に接する部分から先端側において前記圧着端子から露出している部分を覆う第一止水樹脂部と、
    流動状の合成樹脂が固化した部材からなり、前記絶縁電線の前記絶縁被覆と前記被覆圧着部の前記拡径部との間を埋める環状の第二止水樹脂部と、を備える端子付電線。
  2. 請求項1に記載の端子付電線であって、
    前記第一止水樹脂部は、前記被覆圧着部における突き合わせ状態で前記絶縁電線にかしめられた一対の先端縁部における前記第二止水部に接する位置までの領域を覆って形成されている、端子付電線。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の端子付電線であって、
    前記絶縁電線の前記芯線はアルミニウムを主成分とする金属材料からなり、
    前記圧着端子は銅を主成分とする金属材料からなる、端子付電線。
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