JP2014188713A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルから噴射される液体の尾曳を抑制することが可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】噴射パルスDPは、圧力室を膨張させる予備膨張部p1と、圧力室を収縮させてノズルからメニスカスを噴射側に押し出させる収縮部p3と、ノズルから押し出されたメニスカスを圧力室側に引き込ませる再膨張部p5と、を含む電圧波形であり、圧力室内のインクに生じる固有振動周期をTc、収縮部p3の終端から再膨張部p5の始端までの時間をT1、再膨張部p5の始端から終端までの時間をT2としたとき、
0<T1≦0.5×Tc …(A)
0<T2≦0.3×Tc …(B)
を満たす。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法に関し、特に、駆動信号に含まれる駆動波形を圧力発生手段に印加することにより当該圧力発生手段を駆動させ、ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズルから液体を噴射させる液体噴射装置に関するものである。
液体噴射装置は噴射ヘッドを備え、この噴射ヘッドから各種の液体を噴射(吐出)する装置である。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を活かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
上記液体噴射装置には、噴射パルスを圧力発生手段(例えば、圧電振動子や発熱素子等)に印加してこれを駆動することにより圧力室内の液体に圧力変化を与え、この圧力変化を利用して圧力室に連通したノズルから液体を噴射させるように構成されたものがある。例えば、特許文献1に開示されている液体噴射装置の一種であるプリンターでは、ノズルのメニスカスを圧力室側に引き込む工程と、この状態を一定時間維持してインクの噴射のタイミングを図る維持工程と、圧力室の収縮によってインク滴を噴射させる第1の収縮工程と、噴射動作の反動によるメニスカスの引き込みを低減する第2の収縮工程と、を含む駆動パルス(駆動波形)が用いられている。即ち、膨張工程でメニスカスを圧力室側に引き込んだ後、自由振動によってメニスカスが噴射側に移動しているタイミングを狙って圧力室側を収縮させることにより、インク滴を効率良く噴射させるように構成されている。
特許第3412682号公報
ところで、この種の液体噴射装置は、近年、例えば紫外線を照射することで硬化する光硬化型インク等のように、粘度が比較的高い(常温(例えば、20℃)において8mPa・s以上の)液体を噴射する用途に用いられる場合がある。このような場合、ノズルから噴射される際に、インクの後端部が尾のように伸びる現象(尾曳)が顕著となる傾向にある。そして、この尾の部分がインク滴本体から分離してサテライト滴として飛翔し、着弾対象物において正規の位置(本来目標とする着弾位置)に着弾しない虞があった。これにより、例えば、インクジェットプリンターでは、記録画像の画質に悪影響を及ぼすという問題があった。特に、高粘度液体では、尾の部分が幾つにも分離することにより、これらの複数に分離したサテライト滴が画質を著しく低下させる原因となっていた。また、インク滴本体から分離したものが、サテライト滴よりもさらに微小なミスト状になった場合、このミストは記録媒体まで到達することなく空気中を漂い、プリンター内の構成部品に付着して汚損する可能性もあった。特に、ギアなどの駆動部品にミストが付着した場合、故障の原因となるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズルから噴射される液体の尾曳を抑制することが可能な液体噴射装置を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、液体を噴射するノズル、当該ノズルに連通する圧力室、及び、当該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の作動によってノ前記ズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、
前記圧力発生手段を駆動してノズルから液体を噴射させる噴射パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
を備えた液体噴射装置であって、
前記噴射パルスは、
第1電位から該第1電位とは異なる第2電位に電位が変化して前記ノズルから液体を噴射方向に押し出させるように前記圧力発生手段を駆動させる第1の波形部と、
前記第2電位から前記第1電位に電位が変化して前記噴射方向へ押し出されたメニスカスを前記圧力室側に引き込ませるように前記圧力発生手段を駆動させる第2の波形部と、
を含む電圧波形であり、
前記圧力室内の液体に生じる固有振動周期をTc、前記第1の波形部の終端から前記第2の波形部の始端までの時間をT1、前記第2の波形部の始端から終端までの時間をT2としたとき、
0<T1≦0.5×Tc …(A)
0<T2≦0.3×Tc …(B)
を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、第1の波形部の終端から第2の波形部の始端までの時間T1が上記式(A)を満たすように設定されることで、第1の波形部によって噴射方向に押し出されたメニスカス中央部分が液柱のように伸びきって、当該液柱の後端部分がメニスカスから自然に離れるタイミングよりも前に第2の波形部によってメニスカスが圧力室側に引き込まれるので、液柱の尾曳が低減される。これにより、液柱の尾にあたる後端部分が、メイン滴となる本体部分から分離してサテライト滴となったり、さらにそのサテライト滴が着弾対象に着弾することなく空中を漂うミスト化したりすることが抑制される。その結果、例えば、着弾対象上の意図しない位置にサテライト滴が着弾することによる記録画像の画質の低下や、ミストが装置内の構成部品等に付着することによる汚損等の不具合を低減することが可能となる。
また、第2の波形部の始端から終端までの時間T2が上記(B)を満たすように設定されることにより、第2の波形部によってメニスカスが圧力室側に引き込まれる際、より急峻に引き込まれるので、高粘度領域の液体を噴射する際の尾引きの低減効果をより向上させることが可能となる。
上記構成において、前記第1の波形部の始端電位から終端電位までの電位差をV1、前記第2の波形部の始端電位から終端電位までの電位差をV2としたとき、
V2≦0.5×V1 …(C)
を満たす構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、第2の波形部の始端電位から終端電位までの電位差V2が上記(C)を満たすように設定されることで、第2の波形部によってメニスカスが必要以上に圧力室側に大きく引き込まれることが抑制される。このため、第2の波形部によるメニスカスの引き込みによる当該メニスカスの残留振動を低減することができ、当該残留振動に起因する次の液体の噴射に対する悪影響を抑制することが可能となる。
そして、上記各構成は、20℃における前記液体の粘度が、8mPa・s以上20mPa・s以下の範囲内である場合に好適である。
プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 プリンターの内部構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 噴射パルスの構成を説明する波形図である。 ノズルからインクが噴射される過程を説明する模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図、図2は、プリンター1の内部構成を説明する斜視図である。外部装置2は、例えばコンピューター、デジタルカメラ、或いは携帯電話機などの画像を取り扱うことが可能な電子機器である。この外部装置2は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1において記録紙等の記録媒体(着弾対象)に画像やテキストを印刷させるため、その画像等に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
本実施形態におけるプリンター1は、紙送り機構3、キャリッジ移動機構4(移動手段)、リニアエンコーダー5、記録ヘッド6、及び、プリンターコントローラー7を有する。記録ヘッド6は、インクカートリッジ17を搭載したキャリッジ16の底面側に固定されている。そして、当該キャリッジ16は、キャリッジ移動機構4によってガイドロッド18に沿って往復移動可能に構成されている。すなわち、プリンター1は、紙送り機構3によって記録紙を順次搬送すると共に、記録媒体に対して記録ヘッド6を相対移動させながら当該記録ヘッド6のノズル36(図3参照)からインクを噴射させて、記録媒体上に当該インクを着弾させることにより画像等を記録する。
プリンターコントローラー7は、制御手段の一種であり、プリンターの各部の制御を行う制御ユニットである。プリンターコントローラー7は、インターフェース(I/F)部8と、CPU9と、記憶部10と、駆動信号生成部11とを有する。インターフェース部8は、外部装置2からプリンター1へ印刷データや印刷命令を送ったり、プリンター1の状態情報を外部装置2側に出力したりする際にプリンターの状態データの送受信を行う。CPU9は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。記憶部10は、CPU9のプログラムや各種制御に用いられるデータを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性記憶素子)を含む。CPU9は、記憶部10に記憶されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。
駆動信号生成部11は、駆動信号の波形に関する波形データに基づいて、アナログの電圧信号を生成する。また、駆動信号生成部11は、上記の電圧信号を増幅して駆動信号COMを生成する。本実施形態における駆動信号生成部11は、例えば、図4に示す噴射パルスDPを1つ以上含む駆動信号COMを発生する。
次に、プリントエンジン13について説明する。このプリントエンジン13は、図1に示すように、記録ヘッド6、キャリッジ移動機構4、紙送り機構3、及び、リニアエンコーダー5等を備えている。キャリッジ移動機構4は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド6が取り付けられたキャリッジ16と、このキャリッジ16を、タイミングベルト等を介して走行させる駆動モータ(例えば、DCモータ)等からなり(図示せず)、キャリッジ16に搭載された記録ヘッド6を主走査方向に移動させる。紙送り機構3は、紙送りモータ及び紙送りローラ等からなり、記録紙をプラテン上に順次送り出して副走査を行う。また、リニアエンコーダー5は、キャリッジ16に搭載された記録ヘッド6の走査位置に応じたエンコーダパルスを、主走査方向における位置情報としてプリンターコントローラー7に出力する。プリンターコントローラー7は、リニアエンコーダー5側から受信したエンコーダパルスに基づいて記録ヘッド6の走査位置(現在位置)を把握することができる。
図3は、記録ヘッド6の内部構成を説明する要部断面図である。本実施形態における記録ヘッド6は、圧力発生ユニット23と流路ユニット24とから構成されており、これらを重ね合わせた状態で一体化してある。圧力発生ユニット23は、圧力室25を区画する圧力室プレート26、供給側連通口30及び第1連通口32aを開設した連通口プレート27、及び、圧電素子28を実装した振動板29と、を積層し、焼成等により一体化することで構成されている。また、流路ユニット24は、供給口31や第2連通口32bを形成した供給口プレート33、リザーバー34や第3連通口32cを形成したリザーバープレート35、及び、ノズル36が形成されたノズルプレート37からなるプレート部材を積層状態で接着することで構成されている。ノズルプレート37は、複数(例えば、360個)のノズル36が列設されてノズル列が構成されている。このノズル列は、例えば、インクの色毎に設けられる。
圧力室25とは反対側となる振動板29の外側表面には、圧力室25毎に対応して圧電素子28が配設される。例示した圧電素子28は、所謂撓み振動モードの圧電素子であり、駆動電極28aと共通電極28bとによって圧電体28cを挟んで構成されている。そして、圧電素子28の駆動電極に駆動信号(駆動パルス)が印加されると、駆動電極28aと共通電極28bとの間には電位差に応じた電場が発生する。この電場は圧電体28cに付与され、圧電体28cが付与された電場の強さに応じて変形する。即ち、駆動電極28aの電位を高くする程、圧電体層28cの幅方向(ノズル列方向)の中央部が圧力室25の内側(ノズルプレート37に近づく側)に撓み、圧力室25の容積を減少させるように振動板29を変形させる。一方、駆動電極28aの電位を低くする程(0に近づける程)、圧電体層28cの短尺方向の中央部が圧力室25の外側(ノズルプレート37から離れる側)に撓み、圧力室25の容積を増加させるように振動板29を変形させる。ここで、振動板29において、圧力室25の開口部を封止している部分は作動面として機能する。この作動面の面積は、当該作動面によって封止される圧力室25の開口面積よりも少し広くなっている。これにより、作動面が圧力室25の開口面よりも内側又は外側に容易に撓むことができるようになっている。なお、例示した構成において、駆動電極28aと共通電極28bとを逆にする構成を採用することも可能である。
図4は、駆動信号発生回路43が発生する駆動信号COMに含まれる噴射パルスDPの構成を説明する波形図である。
同図に示すように、本実施形態における噴射パルスDPは、予備膨張部p1と、膨張ホールド部p2と、収縮部p3(第1の波形部に相当)と、収縮ホールド部p4と、再膨張部p5(第2の波形部に相当)と、再膨張ホールド部p6と、再収縮部p7とからなる。予備膨張部p1は、基準電位Vbから膨張電位VLまで一定の勾配(電位変化率)で電位がマイナス(第1電位)側に変化(下降)する波形部である。膨張ホールド部p2は、予備膨張部p1の終端電位である膨張電位VLを一定時間維持する波形部である。収縮部p3は、膨張電位VLから基準電位Vbまで電位がマイナス(第2電位)側に比較的急峻な勾配で変化(上昇)する波形部である。収縮ホールド部p4は、基準電位Vbを時間T1だけ維持する波形部である。再膨張部p5は、基準電位Vbから中間電位Vm(VB<Vm<VL)まで比較的急峻な勾配で電位がマイナス側に変化する波形部である。再膨張ホールド部p6は、中間電位Vmを一定時間維持する波形部である。再収縮部p7は中間電位Vmから基準電位Vbまで比較的緩やかな勾配で電位が変化する波形部である。
上記のように構成された噴射パルスDPが圧電素子28に印加されると、まず、予備膨張部p1によって圧電素子28は圧力室25の外側(ノズルプレート37から離隔する側)に撓み、これに伴って圧力室25が基準電位Vbに対応する基準容積から膨張電位VLに対応する膨張容積まで膨張する(第1の変化工程)。この膨張により、図5(a)に示すように、ノズル36におけるインクの表面(メニスカス)が圧力室25側(図における上側)に大きく引き込まれると共に、圧力室25内にはリザーバー34側から供給口31および供給側連通口30を通じてインクが供給される。そして、この圧力室25の膨張状態は、膨張ホールド部p2によって一定時間維持される(ホールド工程)。
膨張ホールド部p2によるホールドの後、収縮部p3により圧電素子28が圧力室25の内側(ノズルプレート37に近接する側)に撓む。これに伴い、圧力室25は膨張容積から基準電位Vbに対応する収縮容積まで急激に収縮される(第2の変化工程)。これにより、圧力室25内のインクが加圧されて、図5(b)に示すように、メニスカスの中央部分が噴射側(図における下側)に押し出され、この押し出された部分が液柱(インク柱)のように伸びる。続いて、収縮ホールド部p4が供給され、収縮容積が一定時間(T1)維持される(第1収縮ホールド工程)。この間、メニスカス中央部のインク柱が慣性力によって噴射方向、即ち、着弾対象である記録紙側に向けて伸び続ける。続いて、再膨張部p5が供給されることにより、圧電素子28が圧力室25の外側に向けて撓む。これに伴い、圧力室25は、収縮容積から中間電位Vmに対応する再膨張容積まで再度膨張する(第3の変化工程)。これにより、メニスカスが圧力室25側に引き込まれる。ここで、図5(c)に示すように、メニスカス中央部のインク柱が慣性力によって噴射方向へ伸びつつある状態で、これとは逆方向の圧力室25側にメニスカスが引き込まれるので、インク柱がメニスカスから分離してインク滴Dmとして記録紙に向けて飛翔する。
このときの再膨張容積は、再膨張ホールド部p6によって所定時間維持される(再膨張ホールド工程)。再膨張ホールド部p6によるホールドの後、再収縮部p7により圧電素子28が圧力室25の内側まで撓み、基準電位Vbに対応する基準状態まで復帰する。これにより圧力室25の容積が再膨張容積から基準電位Vbに対応する基準容積まで収縮して復帰する(第4の変化工程)。
次に、上記の噴射パルスDPの特徴部分について説明する。本実施形態における噴射パルスDPは、比較的高粘度のインク、具体的には、常温(20℃)における粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下の範囲内の粘度のインクをノズル36から噴射する際に、尾曳が抑制されるように、各種パラメーターが設定されている。
具体的には、まず、圧力室25内のインクに生じる圧力振動のヘルムホルツ振動周期(以下、固有振動周期)をTcとしたとき、収縮部p3の終端から再膨張部p5の始端までの時間T1が以下の式(A)を満たすように設定される。
0≦T1≦0.5×Tc …(A)
ここで、上記Tcは、ノズル36、圧力室25、供給側連通口30、供給口31、及び圧電素子28等の各構成部材の形状、寸法、及び剛性などにより、記録ヘッド毎に固有に定まる。この固有の振動周期Tcは、例えば、次式(3)で表すことができる。
Tc=2π√[〔(Mn×Ms)/(Mn+Ms)〕×Cc] …(3)
但し、式(3)において、Mnはノズル36におけるイナータンス、Msは供給口31及び供給側連通口30における合成イナータンス、Ccは圧力室25のコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化、柔らかさの度合いを示す。)である。また、上記式(3)において、イナータンスMとは、ノズル36等の流路における液体の移動し易さを示し、換言すると、単位断面積あたりの液体の質量である。そして、流体の密度をρ、流路の流体の流下方向と直交する面の断面積をS、流路の長さをLとしたとき、イナータンスMは次式(4)で近似して表すことができる。
M=(ρ×L)/S …(4)
なお、Tcは、上記式(3)で規定されるものに限られず、記録ヘッド6の圧力室25が有している振動周期であればよい。
このように、収縮部p3の終端から再膨張部p5の始端までの時間T1が上記式(A)を満たすように設定されることで、収縮部p3によって噴射側に押し出されたメニスカス中央部のインク柱が伸びきって、当該インク柱の後端部分がメニスカスから自然に離れるタイミングよりも前に再膨張部p5によってメニスカスが圧力室25側に引き込まれるので、インク柱の尾曳が低減される。これにより、インク柱の尾にあたる後端部分が、メイン滴Dmとなる本体部分から分離してサテライト滴となったり、さらにそのサテライト滴がミスト化したりすることが抑制される。その結果、サテライト滴がメイン滴とは着弾対象上で異なる位置に着弾することで記録画像の画質の低下を招いたり、ミストがプリンターの構成部品等に付着して汚損したりする等の不具合を低減することが可能となる。
一方、上記時間T1が0.5×Tcよりも長くなると、インク柱が伸びきってメニスカスから自然に離れた後に再膨張部p5によってメニスカスが圧力室25側に引き込まれることになるので、尾曳の低減効果が得られない。なお、常温の粘度が8mPa・sよりも低い低粘度領域の一般的な水系のインクを噴射する構成では、T1があまり短い(T1が0に近い)と、つまり、再膨張部p5によるメニスカスの引き込みタイミングが早いと、メイン滴Mdの量が目標値よりも減少してしまう場合があるが、常温の粘度が8mPa・s以上の所謂高粘度領域のインクを噴射する場合、再膨張部p5によるメニスカスの引き込みタイミングが早くても、低粘度領域のインクと比較してメイン滴Mdの量の変化が少ないことが判っている。このため、上記時間T1は0より長ければ、メイン滴Mdの必要な量を確保しつつ尾曳の低減効果が得られる。
また、本実施形態における噴射パルスDPでは、再膨張部p5の始端から終端までの時間T2が、以下の式(B)を満たすように設定される。
0<T2≦0.3×Tc …(B)
時間T2は、再膨張部p5によるメニスカスの引き込みの強さに係るパラメーターである。時間T2が上記(B)を満たすように設定されることにより、再膨張部p5によってメニスカスを圧力室側に引き込む際、より急峻に引き込まれるので、高粘度領域のインクを噴射する際の尾引きの低減効果をより向上させることが可能となる。
さらに、再膨張部p5の始端電位である基準電位Vbから終端電位である中間電位Vmまでの電位差V2は、収縮部p3の始端電位である基準電位Vbから終端電位である膨張電位VLまでの電位差をV1としたとき、以下の式(C)を満たすように設定される。
V2≦0.5×V1 …(C)
V2をこのように設定することで、再膨張部p5によってメニスカスが必要以上に大きく引き込まれることが抑制される。このため、再膨張部p5によるメニスカスの引き込みによるメニスカスの残留振動を低減することができ、当該残留振動に起因する次のインクの噴射に対する悪影響を抑制することが可能となる。これに対し、V2が0.5×V1よりも大きくなると、膨張部p5によるメニスカスの引き込みによって、メニスカスがより大きく変位することで、残留振動が大きくなる。これにより、その後、すぐにインクを噴射する場合に、ノズル36から噴射されるインクの量や飛翔速度が当該残留振動に起因して変動してしまうおそれがある。
そして、本実施形態では、予備膨張部p1の始端から収縮部p3の始端かまでの時間T3が、以下の式(D)を満たすように設定される。
0.3×Tc≦T3≦0.6×Tc …(D)
時間T3が上記式(D)を満たすように設定されることで、予備膨張部p1によってメニスカスが圧力室25側に引きこまれた後、当該メニスカスが圧力室25側から噴射側に移動しているタイミングで収縮部p3によってメニスカスが噴射側に押し出されるようにすることができる。これにより、噴射パルスDPの最大電圧V1を高めることなく、より効率良く高粘度領域のインクを噴射させることが可能となる。
このように、本発明に係るプリンター1では、上記の噴射パルスDPを用いて高粘度領域のインクを噴射させることで、サテライト滴やミストを低減することができる。したがって、高粘度のインクを用いる場合においても、サテライト滴やミストによる記録画像の画質の低下や装置内の部品の汚損などの不具合を抑制することが可能となる。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
噴射パルスDPの波形構成に関し、上記実施形態で例示したものには限られない。少なくとも、ノズルにおけるメニスカスを噴射側に押し出す第1の波形部と、第1の波形部によって押し出されたメニスカスを圧力室側に引き込む第2の波形部と、を含む電圧波形であればよい。
また、上記実施形態では、圧力発生手段として、所謂撓み振動型の圧電素子28を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電素子を採用することも可能である。この場合、例示した噴射パルスDPに関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
そして、本発明は、常温における粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下の範囲内の粘度の液体を噴射する液体噴射装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体噴射装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。そして、ディスプレイ製造装置では、色材噴射ヘッドからR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極製造装置では、電極材噴射ヘッドから液状の電極材料を噴射する。チップ製造装置では、生体有機物噴射ヘッドから生体有機物の溶液を噴射する。
1…プリンター,6…記録ヘッド,7…プリンターコントローラー,11…駆動信号生成部,13…プリントエンジン,25…圧力室,28…圧電素子,36…ノズル

Claims (3)

  1. 液体を噴射するノズル、当該ノズルに連通する圧力室、及び、当該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の作動によって前記ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、
    前記圧力発生手段を駆動してノズルから液体を噴射させる噴射パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
    を備えた液体噴射装置であって、
    前記噴射パルスは、
    第1電位から該第1電位とは異なる第2電位に電位が変化して前記ノズルから液体を噴射方向に押し出させるように前記圧力発生手段を駆動させる第1の波形部と、
    前記第2電位から前記第1電位に電位が変化して前記噴射方向へ押し出されたメニスカスを前記圧力室側に引き込ませるように前記圧力発生手段を駆動させる第2の波形部と、
    を含む電圧波形であり、
    前記圧力室内の液体に生じる固有振動周期をTc、前記第1の波形部の終端から前記第2の波形部の始端までの時間をT1、前記第2の波形部の始端から終端までの時間をT2としたとき、
    0<T1≦0.5×Tc …(A)
    0<T2≦0.3×Tc …(B)
    を満たすことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記第1の波形部の始端電位から終端電位までの電位差をV1、前記第2の波形部の始端電位から終端電位までの電位差をV2としたとき、
    V2≦0.5×V1 …(C)
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 20℃における前記液体の粘度が、8mPa・s以上20mPa・s以下の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
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