JP2014185086A - チオフェンモノマーの製造方法、π電子共役ポリマーの製造方法、及び、エレクトロクロミックシート - Google Patents

チオフェンモノマーの製造方法、π電子共役ポリマーの製造方法、及び、エレクトロクロミックシート Download PDF

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Keigo Owashi
圭吾 大鷲
Tsutomu Ando
努 安藤
Ikuyoshi Tomita
育義 冨田
Shiori Kawamata
志織 川俣
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Tokyo Institute of Technology NUC
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Abstract

【課題】多種のチオフェンモノマーを簡便に製造することができるチオフェンモノマーの製造方法の提供。
【解決手段】一般式(1)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体と、ハロゲン化物とを混合する工程を有する、一般式(2)で表されるチオフェンモノマーの製造方法。


(Rは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、アルキル基等を示し、Xは2価の、チオフェン、セレノフェン、テルロフェン等を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、多種のチオフェンモノマーを簡便に製造することができるチオフェンモノマーの製造方法に関する。また、本発明は、該チオフェンモノマーの製造方法を含むπ電子共役ポリマーの製造方法、及び、該π電子共役ポリマーの製造方法により得られるπ電子共役ポリマーを含有するエレクトロクロミックシートに関する。
チオフェンモノマーや置換化チオフェンモノマーから生成したπ電子共役ポリマーは、伝導帯及び荷電子帯と称される電子エネルギー準位の間のエネルギー差であるバンドギャップ(Eg)が比較的低く、適度な導電率を有し、また、電圧の印加によって光の透過率が変化するエレクトロクロミズムを示す。一対の導電膜の間に、π電子共役ポリマーを用いて製造されたエレクトロクロミックシートと、電解質層とを積層することによって、通電によって光の透過率が変化する調光体を製造することができる。
調光体を建築物等や、電光板等の表示装置に応用することを目的とする検討が重ねられてきた。近年、自動車等の車内の温度を制御するために、調光体を合わせガラス用中間膜として用いた合わせガラスが提案されている。このような合わせガラス用中間膜を用いることにより、合わせガラスの光線透過率を制御することができると考えられている。
π電子共役ポリマーの光学特性は、該π電子共役ポリマーの構造によって変化するため、該π電子共役ポリマーを製造するための材料として、様々なチオフェンモノマー又はオリゴマーが検討されてきた。例えば、特許文献1には、2個のチオフェンの間にフェニレン基が挟まれた構造を有するチオフェン−フェニレンオリゴマーの製造方法が開示されている。また、特許文献2には、チオフェンモノマーの単位数を2〜20の範囲で調節することが可能なチオフェンオリゴマーの製造方法が開示されている。
特開2005−225862号公報 特表2010−513613号公報
上述のようにπ電子共役ポリマーの光学特性は、該π電子共役ポリマーの構造によって変化するため、所望の光学特性を得るためには、該π電子共役ポリマーを製造するためのチオフェンモノマー又はオリゴマーを多種にわたって検討する必要がある。このような多種のチオフェンモノマー又はオリゴマーを検討するためには、より簡便な方法で多種のチオフェンモノマーを製造する方法が不可欠である。
特に、特許文献1及び2に記載のような従来のチオフェンモノマー又はオリゴマーの製造方法では、2個のチオフェンの間に5員環構造又は共役ジエン構造が挟み込まれた単位構造を有するようなπ電子共役ポリマーを製造することはできなかった。
本発明は、多種のチオフェンモノマーを簡便に製造することができるチオフェンモノマーの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該チオフェンモノマーの製造方法を含むπ電子共役ポリマーの製造方法、及び、該π電子共役ポリマーの製造方法により得られるπ電子共役ポリマーを含有するエレクトロクロミックシートを提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体と、ハロゲン化物とを混合する工程を有する、下記一般式(2)で表されるチオフェンモノマーの製造方法(本発明の第1のチオフェンモノマーの製造方法ともいう)である。
(R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は炭素数1〜20の有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を示す。)
(R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示す。)
また、本発明は、下記一般式(3)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体と、ハロゲン化物とを混合する工程を有する、下記一般式(4)で表されるチオフェンモノマーの製造方法(本発明の第2のチオフェンモノマーの製造方法ともいう)である。
(R13及びR14は、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は炭素数1〜20の有機基を示し、環A及び環Aは、それぞれ独立に置換基を有してもよい5員環又は6員環の芳香族複素環又はシクロアルケン環を示し、R15及びR16は、それぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を示す。)
(環A及び環Aは、それぞれ独立に置換基を有してもよい5員環又は6員環の芳香族複素環又はシクロアルケン環を示し、Xは2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示す。)
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、所定の構造を有するチタナシクロペンタジエン誘導体と、ハロゲン化物とを混合する工程を行うことにより、ハロゲン化物を変化させるだけで、2個のチオフェンの間に5員環構造又は共役ジエン構造が挟み込まれた構造を有する多種のチオフェンモノマーを簡便に製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本発明の第1のチオフェンモノマーの製造方法と、本発明の第2のチオフェンモノマーの製造方法とは、いずれも、チタナシクロペンタジエン誘導体とハロゲン化物とを混合する工程を行うことによりチオフェンモノマーを得るものである。ただし、本発明の第1のチオフェンモノマーの製造方法と、本発明の第2のチオフェンモノマーの製造方法とでは、原料であるチタナシクロペンタジエン誘導体の構造が異なっており、その結果、得られるチオフェンモノマーの構造も異なっている。
本発明の第1のチオフェンモノマーの製造方法においては、上記一般式(1)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体と、ハロゲン化物とを混合する工程を行うことにより、上記一般式(2)で表されるチオフェンモノマーを得る。
上記一般式(1)及び(2)中のハロゲンは特に限定されず、従来公知のハロゲンを用いることができる。
上記一般式(1)及び(2)中の炭素数1〜20の有機基としては、直鎖構造を有する有機基、分岐構造を有する有機基、環状構造を有する有機基が好ましい。上記直鎖構造を有する有機基としては、直鎖構造を有するアルキル基が好ましい。上記分岐構造を有する有機基としては、分岐構造を有するアルキル基が好ましい。上記環状構造を有する有機基としては、フェニル基、シクロアルキル基が好ましい。
上記一般式(2)中のXは、2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示す。ここで置換基は特に限定されないが、ハロゲン、上記のような炭素数1〜20の有機基が好ましい。
また、上記置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールには、金属ハロゲン化物が配位していてもよい。上記金属ハロゲン化物として、例えば、塩化第一スズ、塩化ビスマス、臭化ビスマス、塩化インジウム、ヨウ化インジウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化ニッケル、塩化パラジウム、塩化金等が挙げられる。
本発明の第2のチオフェンモノマーの製造方法においては、上記一般式(3)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体と、ハロゲン化物とを混合する工程を行うことにより、上記一般式(4)で表されるチオフェンモノマーを得る。
上記一般式(3)及び(4)中のハロゲンは特に限定されず、従来公知のハロゲンを用いることができる。
上記一般式(3)及び(4)中の炭素数1〜20の有機基としては、直鎖構造を有する有機基、分岐構造を有する有機基、環状構造を有する有機基が好ましい。上記直鎖構造を有する有機基としては、直鎖構造を有するアルキル基が好ましい。上記分岐構造を有する有機基としては、分岐構造を有するアルキル基が好ましい。上記環状構造を有する有機基としては、フェニル基、シクロアルキル基が好ましい。
上記一般式(3)及び(4)中の環A〜環Aは、それぞれ独立に置換基を有してもよい5員環又は6員環の芳香族複素環又はシクロアルケン環を示す。上記芳香族複素環として、例えば、ピロール環、ピリジン環、チオフェン環、セレノフェン環、テルロフェン環、ベンゼン環等が挙げられる。上記シクロアルケン環として、例えば、シクロペンテン環、シクロヘキセン環等が挙げられる。
上記一般式(4)中のXは、2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示す。ここで置換基は特に限定されないが、ハロゲン、上記のような炭素数1〜20の有機基が好ましい。
また、上記置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールには、金属ハロゲン化物が配位していてもよい。上記金属ハロゲン化物としては、例えば、塩化第一スズ、塩化ビスマス、臭化ビスマス、塩化インジウム、ヨウ化インジウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化ニッケル、塩化パラジウム、塩化金等が挙げられる。
本発明の第1のチオフェンモノマーの製造方法、及び、本発明の第2のチオフェンモノマーの製造方法において、上記ハロゲン化物は特に限定されないが、塩化硫黄、塩化セレン、四塩化テルル、塩化チオニル、塩化水素、フェニルスルフェニルクロリド、フェニルクロロセレニド及びジクロロフェニルホスフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、上記ハロゲン化物としては、フェニルセレニルクロリド、ヨウ素を用いることもできる。
上記ハロゲン化物の配合量は特に限定されないが、上記チタナシクロペンタジエン誘導体1モルに対する好ましい下限が0.4モル、好ましい上限が4モルである。上記ハロゲン化物の配合量が0.4モル未満であると、未反応の上記チタナシクロペンタジエン誘導体が多くなり、収率の低減につながることがある。上記ハロゲン化物の配合量が4モルを超えると、未反応ハロゲンが多くなり、精製回数が多くなって収率の低下につながることがある。上記ハロゲン化物の配合量は、上記チタナシクロペンタジエン誘導体1モルに対するより好ましい下限が1モル、より好ましい上限が2モルである。
本発明の第1のチオフェンモノマーの製造方法、及び、本発明の第2のチオフェンモノマーの製造方法においては、得られるチオフェンモノマーの収率が向上することから、不活性ガス雰囲気下で上記チタナシクロペンタジエン誘導体と、上記ハロゲン化物とを混合することが好ましい。上記不活性ガスは特に限定されず、窒素、アルゴン等の従来公知の不活性ガスを用いることができる。
また、得られるチオフェンモノマーの収率が向上することから、−40℃以下で上記チタナシクロペンタジエン誘導体と、上記ハロゲン化物とを混合することが好ましい。収率がより一層向上することから、−50℃以下がより好ましく、−78℃以下が更に好ましい。
また、得られるチオフェンモノマーの収率が向上することから、有機溶媒の存在下で上記チタナシクロペンタジエン誘導体と、上記ハロゲン化物とを混合することが好ましい。上記有機溶媒は特に限定されず、従来公知の有機溶媒を用いることができるが、得られるチオフェンモノマーの収率が向上することから、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等のエーテル、トルエン、アセトニトリルが好ましい。
また、得られるチオフェンモノマーの収率が向上することから、触媒の存在下で上記チタナシクロペンタジエン誘導体と、上記ハロゲン化物とを混合することが好ましい。上記触媒としては、アルキル基及びハロゲンを含有する有機金属化合物が好ましい。上記アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐鎖状アルキル基及び炭素数3〜6の環状構造を有するアルキル基が好ましい。上記ハロゲンとしては、塩素又はヨウ素が好ましい。上記有機金属化合物は、マグネシウムを更に含むことが好ましい。収率がより一層向上することから、上記アルキル基及びハロゲンを含有する有機金属化合物は、イソプロピルマグネシウムクロリドであることがより好ましい。
本発明の第1のチオフェンモノマーの製造方法、又は、本発明の第2のチオフェンモノマーの製造方法によりチオフェンモノマー得る工程と、上記チオフェンモノマーを重合することにより、下記一般式(5)又は(6)で表される単位構造を有するπ電子共役ポリマーを得る工程とを有するπ電子共役ポリマーの製造方法もまた、本発明の1つである。
(R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示し、nは整数を示す。)
(環A及び環Aは、それぞれ独立に置換基を有してもよい5員環又は6員環の芳香族複素環又はシクロアルケン環を示し、Xは2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示し、nは整数を示す。)
上記一般式(5)又は(6)中のnの上限及び下限は特に限定されないが、上限は10000が好ましく、下限は10が好ましく、50がより好ましく、100が更に好ましい。また、上記一般式(5)又は(6)で表される単位構造を有するπ電子共役ポリマーの数平均分子量は特に限定されないが、2000〜5000000が好ましく、10000〜5000000がより好ましい。
上記一般式(5)中のハロゲンは特に限定されず、従来公知のハロゲンを用いることができる。
上記一般式(5)中の炭素数1〜20の有機基としては、直鎖構造を有する有機基、分岐構造を有する有機基、環状構造を有する有機基が好ましい。上記直鎖構造を有する有機基としては、直鎖構造を有するアルキル基が好ましい。上記分岐構造を有する有機基としては、分岐構造を有するアルキル基が好ましい。上記環状構造を有する有機基としては、フェニル基、シクロアルキル基が好ましい。
上記一般式(6)中の環A及び環Aは、それぞれ独立に置換基を有してもよい5員環又は6員環の芳香族複素環又はシクロアルケン環を示す。上記芳香族複素環として、例えば、ピロール環、ピリジン環、チオフェン環、セレノフェン環、テルロフェン環、ベンゼン環等が挙げられる。上記シクロアルケン環として、例えば、シクロペンテン環、シクロヘキセン環等が挙げられる。
上記一般式(5)中のX、及び、上記一般式(6)中のXは、2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示す。ここで置換基は特に限定されないが、ハロゲン、上記のような炭素数1〜20の有機基が好ましい。
また、上記置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールには、金属ハロゲン化物が配位していてもよい。上記金属ハロゲン化物としては、例えば、塩化第一スズ、塩化ビスマス、臭化ビスマス、塩化インジウム、ヨウ化インジウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化ニッケル、塩化パラジウム、塩化金等が挙げられる。
上記チオフェンモノマーを重合する方法は特に限定されず、例えば、熱重合法、電解重合法等が挙げられる。なかでも、得られるπ電子共役ポリマーの収率が向上することから、上記チオフェンモノマーを電解重合法により重合することが好ましい。
上記電解重合法としては、上記チオフェンモノマーを含むモノマー成分を有機溶媒に溶解させた溶液、又は、この溶液に更に支持電解質を溶解させた電解液を介して、電極間に電圧印加することにより、陽極酸化された重合物としてπ電子共役ポリマーを陽極上に得る方法が好ましい。
上記有機溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−(N−メチル)−2−ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,Nジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ブタノール、1−ブタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリクレジルホスフェート、2エチルヘキシルホスフェート、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート等が挙げられる。なかでも、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン等のカルボン酸エステル化合物が好ましい。
上記電解液における支持電解質として、例えば、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属類のイオンや四級アンモニウムイオン等のカチオンと、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、六フッ化リンイオン、ハロゲン原子イオン、六フッ化ヒ素イオン、六フッ化アンチモンイオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン等のアニオンとの組み合わせからなる支持塩が挙げられる。
上記電解液における支持電解質の含有率は、好ましくは0.01〜10mol/Lであり、より好ましくは0.1〜5mol/Lである。
また、上記電解液としては、例えば、イミダゾリウム塩類、ピリジニウム塩類等のアンモニウム系イオン、ホスホニウム系イオン、無機系イオン、ハロゲン系イオン等の陽イオンと、フッ化物イオン、トリフラート等のフッ素系イオン等の陰イオンとを組み合わせたイオン液体に、上記チオフェンモノマーを含むモノマー成分を溶解させたものを用いることもできる。
上記溶液又は上記電解液における上記チオフェンモノマーを含むモノマー成分の含有率は特に限定されないが、好ましくは0.0001〜10mol/Lであり、より好ましくは0.0001〜0.5mol/Lである。
上記電極の材料は特に限定されないが、例えば、白金、金、ニッケル、銀等の金属、導電性高分子、セラミック、半導体、炭素、導電性ダイヤモンド等の導電性炭化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ZnO等の金属酸化物等を用いることができる。
上記電圧印加する際の電圧は特に限定されないが、銀/塩化銀参照電極又は標準水素電極(SCE)に対して−3〜3Vが好ましく、−2〜2Vがより好ましい。上記電圧印加する際の温度は特に限定されないが、0〜80℃が好ましく、15〜40℃がより好ましい。
このような電解重合法により、π電子共役ポリマーをシート状又は層状の形態で得ることができる。このようなπ電子共役ポリマーを含む層は、種々エレクトロニクス素子を構成するための材料として好適に用いられる。
上記π電子共役ポリマーを含む層は、エレクトロニクス素子としての性能等を妨げない範囲で、他の成分を含有していてもよい。上記他の成分として、例えば、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、フラーレン等のπ電子共役炭化物、ビオローゲン又はその誘導体、プルシアンブルー又はその誘導体、酸化タングステン又はその誘導体等の酸化還元によりクロミック特性を示す化合物等が挙げられる。
ただし、上記π電子共役ポリマーを含む層におけるπ電子共役ポリマーの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
上記π電子共役ポリマーを含む層には、電解成分としてドーパントが添加されていることが好ましい。上記ドーパントは特に限定されず、例えば、PF 、SbF 、AsF 等の5B族元素のハロゲン化アニオン、BF 等の3B族元素のハロゲン化アニオン、I(I )、Br、Cl等のハロゲンアニオン、ClO 等のハロゲン酸アニオン、AlCl 、FeCl 、SnCl 等の金属ハロゲン化物アニオン、NO で示される硝酸アニオン、SO 2−で示される硫酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、CHSO 、CFSO 等の有機スルホン酸アニオン、CFCOO、CCOO等のカルボン酸アニオン、これらのアニオン種を主鎖又は側鎖に有する変性ポリマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ドーパントの添加の形態は特に限定されず、例えば、エレクトロニクス素子において、上記π電子共役ポリマーを含む層に対してドーパントを含有する電解質層を隣接させ、エレクトロニクス素子の作動時に電圧の印加によって、ドーパントを上記π電子共役ポリマーの近傍に移動させる方法、上記π電子共役ポリマーを含む層中に予めドーパントを含有させておく方法等が挙げられる。上記電解質層は、固体状のものでも、ゲル状のものでも、液体状のものでもよい。
また、上述したような電解重合法により陽極上に形成されたπ電子共役ポリマーを含む層を陽極から取り除かずに、陽極とともにエレクトロニクス素子の構成部材として用いる場合には、電解重合の際に使用した支持電解質由来のアニオンをそのままドーパントとして用いることができる。化学酸化重合によりπ電子共役ポリマーを得る場合には、用いられる酸化剤由来のアニオンをそのままドーパントとして用いることができる。
本発明のπ電子共役ポリマーの製造方法により得られるπ電子共役ポリマーの用途は特に限定されないが、例えば、π電子共役ポリマーを他の成分と混合することにより、π電子共役ポリマー組成物として利用することができる。
上記π電子共役ポリマー組成物を、水、水混和性有機溶媒、有機溶媒等と混合することにより上記π電子共役ポリマー組成物を含有する分散液とし、この分散液を、従来公知の塗工法(例えば、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ロール焼付け法、スピンコーティング、メニスカス及びディップコーティング、スプレーコーティング、はけ塗り、ドクターブレード塗装、カーテンキャスティング等)により塗工し、乾燥させて溶媒を除去することにより、所望のシートを得ることができる。
上記乾燥は、室温又は得られるシートの目的とする特性に悪影響を与えない任意の温度(より具体的には、室温〜200℃の温度)において実施することができる。得られるシートの厚さは、通常、約50nm〜25μmである。
上記π電子共役ポリマー組成物は、用途に合わせて、酸化防止剤、UV安定化剤、界面活性剤、粘度調整剤、会合性増粘剤等の添加剤を含有していてもよい。界面活性剤を添加することにより、安定性、表面張力及び表面湿潤性を制御することができる。粘度調整剤又は会合性増粘剤を添加することにより、粘性率を調整することができる。
上記π電子共役ポリマー組成物の導電率は、必要であれば、特定の用途に適合させるために酸性ドーパント(p−ドーパント)及び塩基性ドーパント(n−ドーパント)を用いてドーピングすることにより調整することができる。
上記p−ドーパントとしては、少なくとも1種の鉱酸(例えば、HCl、HNO、HSO、HPO、HBr、HI等)、有機スルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等)、高分子量のスルホン酸(例えば、ポリ(スチレンスルホン酸)及びコポリマー等)、有機酸染料、カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、アジピン酸、アゼライン酸、シュウ酸等)、高分子量のポリカルボン酸(例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(メタクリル酸)及びこれらの酸のコポリマー等)が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。例えば、混合されたドーパント(例えば、鉱酸/有機酸等)を利用することができる。
上記n−ドーパントとして、例えば、Na、K、Li及びCaを含む一般的な塩基性ドーパント、I、(PF、(SbF、FeCl等が挙げられる。
上記ドーパントの量は、上記π電子共役ポリマー組成物の約1〜98質量%、又は、少なくとも1%のドーピングを行うために充分な量が好ましい。
上記π電子共役ポリマー組成物の用途は特に限定されず、透明導電性材料として用いられても不透明導電性材料として用いられてもよく、具体的には例えば、帯電防止コーティング、導電性コーティング、エレクトロクロミック素子、光電池素子、発光ダイオード(LED)、フラットパネルディスプレイ、感光回路、印刷回路、シートトランジスタ素子、バッテリ、電気スイッチ、コンデンサコーティング、防蝕コーティング、電磁遮へい、センサー、LED照明、他のオプトエレクトロニクス(電気−光、又は、光−電気トランスデューサとして作動する光電子素子)等が挙げられる。
上記π電子共役ポリマー組成物(ドープ化組成物)を用いて、水性若しくは有機溶媒系分散液とすることにより、この分散液を基板に適用される帯電防止コーティングとして利用することができる。このような帯電防止コーティングは、導電性と、適切な基板への付着等のシート特性とのバランスを達成することができる。
上記エレクトロクロミック素子は、公知の一般的な基板の両端に電圧をかけることにより、透明基板を介して、光の透過を許可する又は防ぐものである。
本発明のπ電子共役ポリマーの製造方法により得られるπ電子共役ポリマーを含有するエレクトロクロミックシートもまた、本発明の1つである。
LEDは、例えば、基板を含む多くの層、インジウムスズ酸化物(ITO)陽極、正孔注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極を有する。
上記π電子共役ポリマー組成物をLEDに用いる場合には、例えば、上記π電子共役ポリマー組成物(p−ドープ化組成物)を、インジウムスズ酸化物(ITO)陽極を置換するように適合させたり、正孔注入層として用いるように適合させたり、上記π電子共役ポリマー組成物(未ドープ化組成物)を、ホール輸送層、発光層及び/又は電子輸送層に用いたりすることができる。
また、上記π電子共役ポリマー組成物を利用して、例えば、光透過性電極、透明導電性接着剤、ステルスコーティング、透明な電磁解(EMF)遮蔽材、タッチスクリーン、フラットスクリーンディスプレイ、モバイル用途向けの平面アンテナ、透明な蓄電板等に用いるための光学的に透明な導電性コーティングを調製することができる。
また、上記π電子共役ポリマー組成物を利用して、電解質コンデンサを製造することができる。上記電解質コンデンサは、酸化可能な金属(例えば、アルミニウム、ニオブ、タンタル等)の箔で形成された第一の層、その金属箔上に金属の酸化物で形成された第二の層、その金属酸化物層上に上記π電子共役ポリマー組成物で形成された第三の層が、それぞれ積層されて形成された構造体である。
本発明によれば、多種のチオフェンモノマーを簡便に製造することができるチオフェンモノマーの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該チオフェンモノマーの製造方法を含むπ電子共役ポリマーの製造方法、及び、該π電子共役ポリマーの製造方法により得られるπ電子共役ポリマーを含有するエレクトロクロミックシートを提供することができる。
実施例5で得たエレクトロクロミックシートのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 実施例6で得たエレクトロクロミックシートのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 実施例7で得たエレクトロクロミックシートのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 実施例8で得たエレクトロクロミックシートのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 実施例9で得たエレクトロクロミックシートのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 実施例10で得たエレクトロクロミックシートのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 実施例5で得たエレクトロクロミックシートの紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 実施例6で得たエレクトロクロミックシートの紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 実施例7で得たエレクトロクロミックシートの紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 実施例8で得たエレクトロクロミックシートの紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 実施例9で得たエレクトロクロミックシートの紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 実施例10で得たエレクトロクロミックシートの紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例にのみ限定されない。
(実施例1)
(2−(トリメチルシリルエチニル)チオフェンの合成)
アルゴン雰囲気下で、ナスフラスコに塩化パラジウム0.18g、トリフェニルホスフィン0.53g、ヨウ化銅0.19g及び2−ヨードチオフェン6.7gを添加した。更に、テトラヒドロフラン(THF)70mL、ジイソプロピルアミン35mL及びトリメチルシリルアセチレン4.1gを加え、23℃で17時間の撹拌によって反応及び混合した。得られた反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで3回抽出を行った。得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、展開溶媒としてヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製を行い、2−(トリメチルシリルエチニル)チオフェン5.8gを得た。
得られた2−(トリメチルシリルエチニル)チオフェンについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ0.25(s,SiCH,9H),6.95(dd,J=3.6Hz,4.5Hz,aromatic,1H),7.23−7.25(m,aromatic,2H)ppmのピークが認められた。また、13C−NMR(CDCl,75MHz)により分析を行ったところ、δ0.00,97.7,98.9,123.4,127.0,127.4,132.8ppmのピークが認められた。
(2−エチニルチオフェンの合成)
ナスフラスコ中の2−(トリメチルシリルエチニル)チオフェン1.2gに、THF50mL及び1mol/L水酸化カリウムメタノール溶液20mLを加え、23℃で4時間撹拌した。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで3回抽出を行った。得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、展開溶媒としてエーテルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製を行い、2−エチニルチオフェン0.50gを得た。
得られた2−エチニルチオフェンについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ3.33(s,C≡C−H,1H),6.98(dd,J=3.9Hz,4.8Hz,aromatic,1H),7.12−7.29(m,aromatic,2H)ppmのピークが認められた。
(チオフェンモノマーの合成)
アルゴン雰囲気下で、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)20mLを溶媒として、得られた2−エチニルチオフェン0.17g及びテトライソプロポキシチタン0.31gを−78℃で撹拌後、更に1.0mol/Lイソプロピルマグネシウムクロリドのジエチルエーテル溶液2.2mLを添加し、−50℃まで昇温を行い、12時間撹拌し、下記式(x)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体を得た。
その後、フェニルスルフェニルクロリド0.27gを添加し、3時間攪拌しながら徐々に23℃まで昇温することにより、混合した。反応終了後、1.0mol/L塩酸水溶液30mLを加え、塩化メチレンで3回抽出を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾燥終了後、塩化メチレンを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にメタノールと塩化メチレンとの混合溶媒で再結晶を行うことにより、下記式(a)で表されるチオフェンモノマー0.20gを得た。
得られた下記式(a)で表されるチオフェンモノマーについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ6.89〜6.92(m,aromatic,2H),7.12〜7.30(m,aromatic,14H),7.80(s,S−C=CH,2H)ppmのピークが認められた。また、13C−NMR(CDCl,75MHz)により分析を行ったところ、δ126.0,126.4,126.6,127.8,128.1,129.0,130.3,131.7,136.0,145.7ppmのピークが認められた。
(実施例2)
(チオフェンモノマーの合成)
アルゴン雰囲気下で、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)20mLを溶媒として、実施例1で得られた2−エチニルチオフェン0.19g及びテトライソプロポキシチタン0.34gを−78℃で撹拌後、更に1.0mol/Lイソプロピルマグネシウムクロリドのジエチルエーテル溶液2.4mLを添加し、−50℃まで昇温を行い、12時間撹拌し、上記式(x)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体を得た。
その後、フェニルセレニルクロリド0.39gを添加し、2時間攪拌しながら徐々に23℃まで昇温することにより、混合した。反応終了後、1.0mol/L塩酸水溶液30mLを加え、塩化メチレンで3回抽出を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾燥終了後、塩化メチレンを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にメタノールと塩化メチレンとの混合溶媒で再結晶を行うことにより、下記式(b)で表されるチオフェンモノマー0.20gを得た。
得られた下記式(b)で表されるチオフェンモノマーについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ6.92−6.95(m,aromatic,2H),7.16−7.23(m,aromatic,8H),7.32−7.39(m,aromatic,6H),7.73(s,Se−C=CH,2H)ppmのピークが認められた。また、13C−NMR(CDCl,75MHz)により分析を行ったところ、δ126.3,126.6,127.2,127.7,128.7,129.3,130.6,131.8,133.9,146.9ppmのピークが認められた。
(実施例3)
(チオフェンモノマーの合成)
アルゴン雰囲気下で、ジエチルエーテル12mLを溶媒として、実施例1で得られた2−エチニルチオフェン0.26g及びテトライソプロポキシチタン0.31gを−78℃で撹拌後、更に1.0mol/Lイソプロピルマグネシウムクロリドのジエチルエーテル溶液3.4mLを添加し、−50℃まで昇温を行い、12時間撹拌し、上記式(x)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体を得た。
その後、ジクロロフェニルホスフィン0.30gを添加し、2時間攪拌しながら徐々に23℃まで昇温することにより、混合した。反応終了後、水を加え、塩化メチレンで3回抽出を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾燥終了後、ヘキサンを展開溶媒として用いたアルミナカラムクロマトグラフィーで精製し、更にメタノールと塩化メチレンとの混合溶媒で再結晶を行うことにより、下記式(c)で表されるチオフェンモノマー0.050gを得た。
得られた下記式(c)で表されるチオフェンモノマーについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ6.85−6.89(m,aromatic,2H),6.96(d,J=10.8Hz,P−C=CH,2H),7.06−7.11(m,aromatic,4H),7.21−7.33(m,aromatic,3H)ppmのピークが認められた。また、13C−NMR(CDCl,75MHz)により分析を行ったところ、δ124.2,124.3,127.8,128.9(d,J=8.6Hz),130.1(d,J=1.1Hz),131.0(d,J=9.8Hz),131.6(d,J=7.4Hz),134.1(d,J=20.0Hz),140.2(d,J=21.2Hz),143.6(d,J=3.4Hz)ppmのピークが認められた。また、31P−NMR(CDCl,121MHz)により分析を行ったところ、δ8.0ppmのピークが認められた。
(実施例4)
(チオフェンモノマーの合成)
アルゴン雰囲気下で、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)20mLを溶媒として、実施例1で得られた2−エチニルチオフェン0.22g及びテトライソプロポキシチタン0.40gを−78℃で撹拌後、更に1.0mol/Lイソプロピルマグネシウムクロリドのジエチルエーテル溶液2.8mLを添加し、−50℃まで昇温を行い、12時間撹拌し、上記式(x)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体を得た。
その後、塩化チオニル0.17gを添加し、3時間攪拌を行いながら徐々に23℃まで昇温することにより、混合した。反応終了後、1mol/L塩酸水溶液を加え、塩化メチレンで3回抽出を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾燥終了後、クロロホルムを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、下記式(d)で表されるチオフェンモノマー0.21gを得た。
得られた下記式(d)で表されるチオフェンモノマーについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ6.73(s,O=S−C=CH,2H),7.11(dd,J=4.2Hz,4.2Hz,aromatic,2H),7.37(d,J=5.4Hz,aromatic,2H),7.59(d,J=3.9Hz,aromatic,2H)ppmのピークが認められた。
(実施例5)
(チオフェンモノマーの合成)
アルゴン雰囲気下で、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)10mLを溶媒として、実施例1で得られた2−エチニルチオフェン0.22g及びテトライソプロポキシチタン0.40gを−78℃で撹拌後、更に1.0mol/Lイソプロピルマグネシウムクロリドのジエチルエーテル溶液2.8mLを添加し、−50℃まで昇温を行い、12時間撹拌し、上記式(x)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体を得た。
その後、塩化硫黄0.19gを添加し、2時間攪拌しながら徐々に23℃まで昇温することにより、混合した。反応終了後、水を加え、ジエチルエーテルで3回抽出を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾燥終了後、ヘキサンを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にヘキサンと塩化メチレンとの混合溶媒で再結晶を行うことにより、下記式(e)で表されるチオフェンモノマー0.028gを得た。
得られた下記式(e)で表されるチオフェンモノマーについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ7.02−7.04(m,aromatic,2H),7.09(s,S−C=CH,2H),7.17(m,aromatic,4H)ppmのピークが認められた。また、13C−NMR(CDCl,75MHz)により分析を行ったところ、δ123.7,124.3,127.9,136.2,137.1ppmのピークが認められた。
(エレクトロクロミックシートの作製)
支持電解質としてテトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート(BuNPF)を0.1mol/Lの濃度で含むアセトニトリル溶液10mLに上記式(e)で表されるチオフェンモノマー2.5mgを混合した。得られた溶液に対して、作用極として1cm×1cmのインジウムスズ酸化物(ITO)電極、対極として1cm×1cmの白金電極及び参照電極として標準水素電極(SCE)を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)を、掃引速度100mV/sとして0〜1.2Vの間を5サイクル掃引し、ITO電極上に下記式(e’)で表される単位構造を有するπ電子共役ポリマーからなる赤色のエレクトロクロミックシートを得た。
(実施例6)
(チオフェンモノマーの合成)
アルゴン雰囲気下で、ジエチルエーテル20mLを溶媒として、実施例1で得られた2−エチニルチオフェン0.19g及びテトライソプロポキシチタン0.37gを−78℃で撹拌後、更に1.0mol/Lイソプロピルマグネシウムクロリドのジエチルエーテル溶液2.6mLを添加し、−50℃まで昇温を行い、12時間撹拌し、上記式(x)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体を得た。
その後、塩化セレン0.30gを添加し、2時間攪拌しながら徐々に23℃まで昇温することにより、混合した。反応終了後、1.0mol/L塩酸水溶液を加え、塩化メチレンで3回抽出を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾燥終了後、ヘキサンを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にヘキサンで再結晶を行うことにより、下記式(f)で表されるチオフェンモノマー0.051gを得た。
得られた下記式(f)で表されるチオフェンモノマーについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ7.00(dd,J=3.6Hz,5.1Hz,aromatic,2H),7.11(dd,J=1.2Hz,3.6Hz,aromatic,2H),7.20−7.22(m,aromatic,4H)ppmのピークが認められた。また、13C−NMR(CDCl,75MHz)により分析を行ったところ、δ124.3,124.7,126.4,127.9,139.4,141.0ppmのピークが認められた。
(エレクトロクロミックシートの作製)
支持電解質としてテトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート(BuNPF)を0.1mol/Lの濃度で含むアセトニトリル溶液10mLに上記式(f)で表されるチオフェンモノマー6.5mgを混合した。得られた溶液に対して、作用極として1cm×1cmのインジウムスズ酸化物(ITO)電極、対極として1cm×1cmの白金電極及び参照電極として標準水素電極(SCE)を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)を、掃引速度100mV/sとして0〜1.3Vの間を5サイクル掃引し、ITO電極上に下記式(f’)で表される単位構造を有するπ電子共役ポリマーからなる赤色のエレクトロクロミックシートを得た。
(実施例7)
(チオフェンモノマーの合成)
アルゴン雰囲気下で、ジエチルエーテル20mLを溶媒として、実施例1で得られた2−エチニルチオフェン0.22g及びテトライソプロポキシチタン0.40gを−78℃で撹拌後、更に1.0mol/Lイソプロピルマグネシウムクロリドのジエチルエーテル溶液2.8mLを添加し、−50℃まで昇温を行い、12時間撹拌し、上記式(x)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体を得た。
その後、四塩化テルル0.38gを添加し、3時間攪拌しながら徐々に23℃まで昇温することにより、混合した。反応終了後、水を加え、塩化メチレンで3回抽出を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾燥終了後、ヘキサン33vol%と塩化メチレン67vol%との混合溶媒を展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にメタノールとエチレンの混合溶媒で再結晶を行うことにより、下記式(g)で表されるチオフェンモノマー0.11gを得た。
得られた下記式(g)で表されるチオフェンモノマーについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ6.96−7.02(m,aromatic,4H),7.19(dd,J=1.2 Hz,4.8Hz,aromatic,2H),7.56(s,Te−C=CH,2H)ppmのピークが認められた。また、13C−NMR(CDCl,75MHz)により分析を行ったところ、δ124.7,125.6,127.8,133.6,137.3,143.7ppmのピークが認められた。
(エレクトロクロミックシートの作製)
支持電解質としてテトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート(BuNPF)を0.1mol/Lの濃度で含むアセトニトリル溶液10mLに上記式(g)で表されるチオフェンモノマー2.4mgを混合した。得られた溶液に対して、作用極として1cm×1cmのインジウムスズ酸化物(ITO)電極、対極として1cm×1cmの白金電極及び参照電極として標準水素電極(SCE)を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)を、掃引速度100mV/sとして0〜1.2Vの間を5サイクル掃引し、ITO電極上に下記式(g’)で表される単位構造を有するπ電子共役ポリマーからなる赤紫色のエレクトロクロミックシートを得た。
(実施例8)
(チオフェンモノマーの合成)
アルゴン雰囲気下で、ジエチルエーテル20mLを溶媒として、実施例1で得られた2−エチニルチオフェン0.19g及びテトライソプロポキシチタン0.34gを−78℃で撹拌後、更に1.0mol/Lイソプロピルマグネシウムクロリドのジエチルエーテル溶液2.4mLを添加し、−50℃まで昇温を行い、12時間撹拌した。
その後、1.0mol/Lの塩酸/メタノール溶液2.4mLを添加し、2時間攪拌しながら徐々に23℃まで昇温することにより、混合した。反応終了後、水を加え、塩化メチレンで3回抽出を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾燥終了後、ヘキサン50vol%と塩化メチレン50vol%との混合溶媒を展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にヘキサンで再結晶を行うことにより、下記式(h)で表されるブタジエン骨格を有するジチオフェンモノマー0.048gを得た。
得られた下記式(h)で表されるブタジエン骨格を有するジチオフェンモノマーについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ6.64−6.80(m,CH=CH−CH=CH,4H),6.96−6.97(m,aromatic,4H),7.17(dd,J=1.5Hz,4.2Hz,aromatic,2H)ppmのピークが認められた。また、13C−NMR(CDCl,75MHz)により分析を行ったところ、δ124.4,125.4,125.9,127.7,128.5,142.9ppmのピークが認められた。
(エレクトロクロミックシートの作製)
支持電解質としてテトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート(BuNPF)を0.1mol/Lの濃度で含むアセトニトリル溶液10mLに上記式(h)で表されるブタジエン骨格を有するジチオフェンモノマー4.2mgを混合した。得られた溶液に対して、作用極として1cm×1cmのインジウムスズ酸化物(ITO)電極、対極として1cm×1cmの白金電極及び参照電極として標準水素電極(SCE)を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)を、掃引速度100mV/sとして0〜1.2Vの間を5サイクル掃引し、ITO電極上に下記式(h’)で表される単位構造を有するπ電子共役ポリマーからなる赤色のエレクトロクロミックシートを得た。
(実施例9)
(チオフェンモノマーの合成)
アルゴン雰囲気下で、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)15mLを溶媒として、実施例1で得られた2−エチニルチオフェン0.11g及びテトライソプロポキシチタン0.20gを−78℃で撹拌後、更に1.0mol/Lイソプロピルマグネシウムクロリドのジエチルエーテル溶液1.4mLを添加し、−50℃まで昇温を行い、12時間撹拌し、上記式(x)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体を得た。
その後、ヨウ素0.18gを添加し、3時間攪拌しながら徐々に23℃まで昇温することにより、混合した。反応終了後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで3回抽出を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。乾燥終了後、ヘキサン50vol%と塩化メチレン50vol%との混合溶媒を展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、更にヘキサンとメチレンとの混合溶媒で再結晶を行うことにより、下記式(i)で表されるチオフェンモノマー0.13gを得た。
得られた下記式(i)で表されるチオフェンモノマーについてH−NMR(CDCl,300MHz)により分析を行ったところ、δ7.02−7.07(m,aromatic,4H),7.37−7.40(m,aromatic,4H)ppmのピークが認められた。また、13C−NMR(CDCl,75MHz)により分析を行ったところ、δ98.6,126.8,127.3,130.3,136.3,145.9ppmのピークが認められた。
(エレクトロクロミックシートの作製)
支持電解質としてテトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート(BuNPF)を0.1mol/Lの濃度で含むアセトニトリル80vol%と塩化メチレン20vol%との混合溶媒10mLに上記式(i)で表されるチオフェンモノマー9.4mgを混合した。得られた溶液に対して、作用極として1cm×1cmのインジウムスズ酸化物(ITO)電極、対極として1cm×1cmの白金電極及び参照電極として標準水素電極(SCE)を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)を、掃引速度100mV/sとして0〜1.2Vの間を5サイクル掃引し、ITO電極上に下記式(i’)で表される単位構造を有するπ電子共役ポリマーからなる橙色のエレクトロクロミックシートを得た。
(実施例10)
(実施例3で得られたチオフェンモノマーの変換)
アルゴン雰囲気下で、実施例3で得られた上記式(c)で表されるチオフェンモノマー0.026gを塩化メチレンに溶解し、塩化金−テトラヒドロチオフェン錯体0.032gの塩化メチレン溶液1.0mLを加え、23℃で1時間攪拌した。反応終了後、ヘキサンで洗浄を行い、下記式(j)で表されるチオフェンモノマー0.045gを得た。
得られた下記式(j)で表されるチオフェンモノマーについてH−NMR(CDCl3,300MHz)により分析を行ったところ、δ6.90−6.93(m,aromatic,2H),7.09−7.26(m,aromatic,6H),7.43−7.53(m,aromatic,3H),7.75−7.82 (m,aromatic,2H)ppmのピークが認められた。また、13C−NMR(CDCl,75MHz)により分析を行ったところ、δ126.8,127.0(d,J=5.7Hz),128.4,129.9(d,J=12.6Hz),133.2,133.7(d,J=16.1Hz),134.1(d,J=14.9 Hz),134.5,135.2,136.1(d,J=18.3Hz)ppmのピークが認められた。また、31P−NMR(CDCl,121MHz)により分析を行ったところ、δ34.9ppmのピークが認められた。
(エレクトロクロミックシートの作製)
支持電解質としてテトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート(BuNPF)を0.1mol/Lの濃度で含むアセトニトリル80vol%と塩化メチレン20vol%との混合溶媒10mLに上記式(j)で示されるチオフェンオリゴマー11.1mgを混合した。得られた溶液に対して、作用極として1cm×1cmのインジウムスズ酸化物(ITO)電極、対極として1cm×1cmの白金電極及び参照電極として標準水素電極(SCE)を用いたサイクリックボルタンメトリー(CV)を、掃引速度100mV/sとして0〜1.4Vの間を5サイクル掃引し、ITO電極上に下記式(j’)で表される単位構造を有するπ電子共役ポリマーからなる青紫色のエレクトロクロミックシートを得た。
<評価>
(1)電気化学特性評価
陽極として実施例5〜10で得られたエレクトロクロミックシートが積層されたITO電極、陰極として白金電極及び参照電極としてSCEを用いて、電解液として0.1mol/Lテトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート(BuNPF)のアセトニトリル溶液を用いて、サイクリックボルタンメトリー(CV)を行った。結果を図1〜6に示す。
(2)光学特性評価
陽極として実施例5〜10で得られたエレクトロクロミックシートが積層されたITO電極、陰極として白金電極及び参照電極としてSCEを用い、図7〜12に記載の電圧を印加した際のUV−vis吸収スペクトルを測定した。結果を図7〜12に示す。
実施例5で得られたエレクトロクロミックシートは赤色であったが、1.1Vの電圧を印加することによって青色に変化した。実施例6で得られたエレクトロクロミックシートは赤色であったが、1.1Vの電圧を印加することによって青色に変化した。実施例7で得られたエレクトロクロミックシートは赤紫色であったが、1.1Vの電圧を印加することによって青紫色に変化した。実施例8で得られたエレクトロクロミックシートは赤色であったが、1.1Vの電圧を印加することによって青色に変化した。実施例9で得られたエレクトロクロミックシートは橙色であったが、1.2Vの電圧を印加することによって青紫色に変化した。実施例10で得られたエレクトロクロミックシートは青紫色であったが、1.2Vの電圧を印加することによって透明に近い青紫色に変化した。
本発明によれば、多種のチオフェンモノマーを簡便に製造することができるチオフェンモノマーの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該チオフェンモノマーの製造方法を含むπ電子共役ポリマーの製造方法、及び、該π電子共役ポリマーの製造方法により得られるπ電子共役ポリマーを含有するエレクトロクロミックシートを提供することができる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体と、ハロゲン化物とを混合する工程を有することを特徴とする、下記一般式(2)で表されるチオフェンモノマーの製造方法。
    (R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は炭素数1〜20の有機基を示し、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を示す。)
    (R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示す。)
  2. 下記一般式(3)で表されるチタナシクロペンタジエン誘導体と、ハロゲン化物とを混合する工程を有することを特徴とする、下記一般式(4)で表されるチオフェンモノマーの製造方法。
    (R13及びR14は、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は炭素数1〜20の有機基を示し、環A及び環Aは、それぞれ独立に置換基を有してもよい5員環又は6員環の芳香族複素環又はシクロアルケン環を示し、R15及びR16は、それぞれ独立に炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を示す。)
    (環A及び環Aは、それぞれ独立に置換基を有してもよい5員環又は6員環の芳香族複素環又はシクロアルケン環を示し、Xは2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示す。)
  3. 不活性ガス雰囲気下でチタナシクロペンタジエン誘導体と、ハロゲン化物とを混合する工程を有することを特徴とする請求項1又は2記載のチオフェンモノマーの製造方法。
  4. −40℃以下でチタナシクロペンタジエン誘導体と、ハロゲン化物とを混合する工程を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載のチオフェンモノマーの製造方法。
  5. ハロゲン化物は、塩化硫黄、塩化セレン、四塩化テルル、塩化チオニル、塩化水素、フェニルスルフェニルクロリド、フェニルクロロセレニド及びジクロロフェニルホスフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のチオフェンモノマーの製造方法。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載のチオフェンモノマーの製造方法によりチオフェンモノマーを得る工程と、
    前記チオフェンモノマーを重合することにより、下記一般式(5)又は(6)で表される単位構造を有するπ電子共役ポリマーを得る工程とを有する
    ことを特徴とするπ電子共役ポリマーの製造方法。
    (R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示し、nは整数を示す。)
    (環A及び環Aは、それぞれ独立に置換基を有してもよい5員環又は6員環の芳香族複素環又はシクロアルケン環を示し、Xは2価の、置換基を有してもよいチオフェン、置換基を有してもよいチオフェンオキシド、置換基を有してもよいセレノフェン、置換基を有してもよいテルロフェン、置換基を有してもよい炭素数4〜8の共役ジエン又は置換基を有してもよいホスホールを示し、nは整数を示す。)
  7. 請求項1、2、3、4又は5記載のチオフェンモノマーの製造方法によりチオフェンモノマーを得る工程において、チオフェンモノマーを電解重合法により重合することを特徴とする請求項6記載のπ電子共役ポリマーの製造方法。
  8. 請求項6又は7記載のπ電子共役ポリマーの製造方法により得られるπ電子共役ポリマーを含有することを特徴とするエレクトロクロミックシート。
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