JP2014180615A - 固体分離装置及び固体分離方法 - Google Patents

固体分離装置及び固体分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工場や施設から排出される液体、一般の下水などに含まれている固形物を液体から分離する固体分離装置と固体分離方法を提供する。
【解決手段】液体に含まれている固形物を分離する装置1において、垂直方向に延長する板状の濾過体16で互いに仕切られた流入室2と流出室3、およびその流出室3に連通する排出室31とを備え、流入室2には液体の供給部9が設けられ、流出室3には濾過体16の液体排出側16bに連通する液体の下降通路32が設けられ、下降通路32の下部で且つ前記濾過体の下端より下方に気泡供給部36が設けられ、流出室3の上部に気体排出部25aが設けられ、排出室31には液体の上昇通路33が設けられ、該上昇通路33の上部に液体の排出部26が設けられ、気泡供給部より低い下降通路32の下部と上昇通路33の下部が互いに連通している。
【選択図】 図1

Description

本発明は各分野の工場や施設から排出される液体、または一般の下水などに含まれている固形物(以下、固体と称する)を液体から分離する固体分離装置に関し、特に濾過体の液体処理能力を高めた高効率な固体分離装置と固体分離方法に関する。
都市部に敷設される下水道に流入する雨水などの排水は、その一部が雨水貯留浸透設備などにより地中に貯留若しくは排出され、残りは河川に放流される。下水道を流通する雨水中には土砂、種々のゴミ類、紙類、落ち葉、等の固体が混入しており、それら固体が雨水貯留設備に流入すると、設備のメンテナンスを頻繁に行う必要があり、コスト的にも不利になる。また浸水対策のための雨水貯留設備等において、固体を除去せずに一時的に地下に貯留した雨水は、晴天時にポンプアップして河川に放流されることになり、河川の水質汚濁や環境汚染問題を発生する。
一方、工場などの廃水処理設備等に流入する廃水中には、製造過程で発生する微細な切削粉や木片、ゴミ類などの固体が混入していることが多く、下水道と同様な問題が生じる。そこで、このような水質汚濁や環境汚染を回避する手段として、下水道管路や廃水管路または処理設備の上流側に固体を予め分離する分離装置を設けている。
さらに、下水道や工場排水には固体のほかに食用油や潤滑油などの油分が含まれていることも多く、これら油分も固形物と一緒に分離除去することが望ましい。
特許文献1には、下水道などの管路に設ける固体の分離装置が開示されている。特許文献1の分離装置は分離槽と、分離槽の内部を流入室と流出室に仕切る仕切板と、仕切板に設けた濾過体(スクリーン)と、流入室に形成された流入部と、流出室に形成された排出部とを備えている。そして、流入室には流入部から流入する液体を反転させて該流入室内に上下方向の旋回流を形成するための誘導部が流入室の上下に設けられている。
特許文献1の分離装置は、流入室に設けた誘導部により供給される液体流が上下方向の旋回流に変化され、形成される旋回流の外周面と直交する方向の両側(旋回流の両側面)に2枚の濾過体が互いに平行に対向配置されている。流入室内の液体は濾過体で固体を分離されて流出室側に流出し、流出室に流出した液体はそこに設けた排出部から分離装置の外部に排出される。
特許第4395190号公報
通常、液体に含まれている固体には種々の大きさのものが存在する。固体分離をする濾過体は、取り除くべき固体の最小寸法に応じてその開口寸法(例えばスクリーンの場合はスクリーンの孔径や間隙寸法、またはメッシュ値などの通過可能な固体の最小寸法や最小直径に対応する開口値)が選択される。
そのため取り除かなければならない固体の最小寸法が小さくなるほど、濾過体の開口寸法もそれに応じて小さくする必要がある。しかし濾過体の単位面積当たりの液体処理能力は、その開口寸法の大きさに反比例するので、液体処理能力も開口寸法の大きさに反比例して低下する。特に、ごく微細な固体も下流側に流出させないようにする場合は、処理液体量に適合するように分離装置の濾過体の処理面積をかなり大きくする必要があり、分離装置のコストアップとなり必要な設置面積も大きくなるという問題がある。また濾過体の開口寸法が小さいほど目詰まりしやすくなるので、洗浄などのメンテナンスの間隔も短くなり、メンテナンスコストも上昇する。
前記課題を解決するために本発明者らが種々調査した結果、一般的な排水中に含まれているごく微細な固体、例えば数ミクロン〜数ミリ程度の固体の割合は、液体中に含まれている固体の全体量に比べて極めて低いことが分かった。しかし、そのような少量の微細な固体が液体中に含まれている場合であっても、それを下流側に出来るだけ流出させないよう要求される場合が多いことも現実問題として存在する。
また近年、雨水や排水の高度処理による循環利用に膜処理が利用されるようになっているが、効率よく処理するには固体による目詰まりの低減が必要で、それには膜処理工程の前で出来るだけ多くの固体(微細な固体も含めて)を除去することが重要になる。
本発明の固体分離装置および固体分離方法は、従来方式とは異なる新しい「二段分離方式」を採用することによって、前記種々の問題を解決したものである。
すなわち本発明の固体分離装置は、液体に含まれている固形物を分離する装置において、垂直方向に延長する板状の濾過体で互いに仕切られた流入室と流出室、およびその流出室に連通する排出室とを備え、流入室には液体の供給部が設けられ、流出室には濾過体の液体排出側に連通する液体の下降通路が設けられ、下降通路の下部で且つ前記濾過体の下端より下方に気泡供給部が設けられ、流出室の上部に気体排出部が設けられ、排出室には液体の上昇通路が設けられ、該上昇通路の上部に液体の排出部が設けられ、気泡供給部より低い下降通路の下部と前記上昇通路の下部が互いに連通していることを特徴とする固体分離装置である(請求項1)。
上記分離装置において、流入室として平断面が方形に形成されたものを使用し、流入室の対向する2つの垂直な側部に濾過体をそれぞれ形成し、流出室を流入室の縦方向周囲の外側を囲むように設け、気泡供給部は、そこから供給する気泡が前記2つの濾過体の液体排出側をそれぞれ上昇するように構成することができる(請求項2)。
上記いずれかの分離装置において、液体の供給部を濾過体の液体流入側の面に沿って平行に液体流が供給できるように形成し、さらに流入室内には前記供給された液体流を濾過体の液体流入側の面に沿って方向転換して上下方向の旋回流を形成させる誘導部を設け、供給部から流入室内に供給された液体は、誘導部により流入室内を旋回して上下方向の旋回流を形成し、前記濾過体はその面が該旋回流の回転中心軸に直交する面と平行するように配置することができる(請求項3)。
また本発明の液体に含まれる固体を分離装置で分離する方法は、分離装置に設けた濾過体に液体を通過させて固体を分離し、濾過体を通過した液体を下降通路で下降させた後、更に上昇通路で上昇させて分離装置の外部に排出し、一方、気泡を前記下降通路の下部に供給し、下降通路を下降する液体に含まれる比較的比重の小さい固体を上昇する気泡で捕捉して下降通路の上部に滞留させ、分離装置の外部に排出しないようにしたことを特徴とする(請求項4)。
また上記固体分離方法において、液体にさらに油分が含まれ、その油分が濾過体から流出室に通過し、液体と共に下降通路に下降した際には、前記上昇する気泡で下降する油分を捕捉し、下降通路の上部に滞留させることができる(請求項5)。
本発明の固体分離装置は、垂直方向に延長する板状の濾過体で互いに仕切られた流入室と流出室、及びその流出室に連通する排出室とを備え、流入室に液体の供給部が設けられ、流出室には濾過体の液体排出側に連通する液体の下降通路が設けられ、下降通路の下部で且つ前記濾過体の下端より下方に空気などの細かい気泡を多数供給する気泡供給部が設けられ、流出室の上部に気体排出部が設けられ、排出室には液体の上昇通路が設けられ、該上昇通路の上部に液体の排出部が設けられ、気泡供給部より低い下降通路の下部と前記上昇通路の下部が互いに連通していることを特徴とする。
この構成によれば、流入室に供給された液体は濾過体を通過する際に、濾過体の開口寸法より大きい固体が分離され(1段目分離)、それより小さい固体は液体と共に流出室に流出する。その際、流出室側の液流は大きな面積を有する部分である濾過体により減速されると共に均一化(整流化)される。そして流出室に流出した液体は下降通路を下降し、次いで排出室に入り、その上昇通路を上昇して排出部から外部に排出する。
液体が下降通路を下降する際に、その下方に設けられた気泡供給部から供給されて下降通路を上昇する多数の細かい気泡と液体が上下方向で互いに交錯する。気泡の一部は上昇しながら液体に含まれている固体に付着してそれを捕捉し、その浮遊力(上昇力)により、液体の下降力に逆らって捕捉した固体を伴い上昇し、下降通路の上部に固体を滞留させる(2段目分離)。そのため、濾過体を通過した微細な固体は排出部から外部に排出されることはない。一方、下降通路の液面領域(上部空間に接する領域)に到達した気泡の一部は空気中に放出され、分離装置の上部に設けた気体排出部から外部に排出する。
上記のように作用する本発明の分離装置によれば、例え微細な固形物であっても下流側に排出できないような場合も、濾過体の開口寸法を極端に小さくする必要はなく、適度の開口寸法に設定することが可能となる。したがって従来のように分離装置の濾過体面積を増加する必要はなく、装置設置面積も小さくなり、洗浄などのメンテナンス間隔も長くなり、コスト面でも有利になる。
さらに上記本発明において、流体に固体ほかに油分が含まれている場合は、通常油分は濾過体を通過し易いので微細な固体と共に流出室に流出する。しかしこのような油分も前記と同様に下降通路において上昇する気泡に捕捉され、下降通路の上部に滞留する。その結果、油分も効率よく分離されて分、離装置の下流側に油分が排出することはない。
上記分離装置において、流入室として平断面が方形に形成されたものを使用し、流入室の対向する2つの垂直な側部に濾過体をそれぞれ形成し、流出室を前記流入室の縦方向周囲の外側を囲むように設け、気泡供給部は、そこから供給する気泡が前記2つの濾過体の液体排出側をそれぞれ上昇するように構成することができる。
この構成によれば、濾過体の合計面積を大きくできるので、液体処理能力が更に向上する。また、流出室における液体の流速もそれに応じて低下するので、気泡による固形物捕捉効率もさらに向上する。
上記いずれかの分離装置において、液体の供給部を濾過体の液体流入側の面に沿って平行に液体流が供給できるように形成し、さらに流入室内には前記供給された液体流を濾過体の液体流入側の面に沿って方向転換して上下方向の旋回流を形成させる誘導部を設け、供給部から流入室内に供給された液体は、誘導部により流入室内を旋回して上下方向の旋回流を形成し、前記濾過体はその面が該旋回流の回転中心軸に直交する面と平行するように配置することができる。
この構成によれば、流入室側では液体が比較的高速の上下方向旋回流となり、濾過体で分離された固体は濾過体の液体流入側の面に平行に旋回しながら、その重力で流入室底部に蓄積していく。流入室に流入する液体による濾過体面への固体押し付け作用も極めて小さいので、濾過体が固体で目詰まりすることを抑制できる。また、流入室側で液体が比較的高速で旋回しても、液体が濾過体を通過する際にはその流速が大幅に減速し、ほぼ均一化した整流状態で流出室側に流出するので、流出室における前記気泡による固体捕捉作用を妨げることはない。
また本発明の液体に含まれる固体を分離装置で分離する方法は、分離装置に設けた濾過体に液体を通過させて固体を分離し、濾過体を通過した液体を下降通路で下降させた後、更に上昇通路で上昇させて分離装置の外部に排出し、一方、気泡を前記下降通路の下部に供給し、下降通路を下降する液体に含まれる比較的比重の小さい固体を上昇する気泡で捕捉して下降通路の上部に滞留させ、分離装置の外部に排出しないようにしたことを特徴とする。
このように構成した固体分離方法によれば、濾過体を通過し下降通路を下降する固体は、そこで上昇する気泡に捕捉され、気泡の上昇力により液体の下降力に逆らって上昇し、下降通路の上部に滞留される。そのため極端に開口寸法が小さな濾過体を使用しなくても、かなり微細な固体まで分離装置内で捕捉することができ、濾過体の単位面積当たりの液体処理能力を向上させることができる。また濾過体の目詰まり等による必要なメンテナンスの間隔も長くでき、それによってメンテナンスコストも抑制できる。
上記固体分離方法において、液体にさらに油分が含まれ、その油分が濾過体から流出室に通過し、液体と共に下降通路に下降した際には、前記上昇する気泡で下降する油分を捕捉し、下降通路の上部に滞留させることができる。
このように構成した固体分離方法によれば、下降通路を下降する液体に含まれている油分は、上昇する気泡に捕捉され、気泡の上昇力により液体の下降力に逆らって上昇し、下降通路の上部に滞留されるので、油分が分離装置の下流側に排出されることはない。
本発明に係る固体分離装置の実施例を示す図である。
次に図面により本発明の実施例を説明する。図1は本発明の固体分離装置の実施態様の1例を示すもので、図1における(a)は(b)のB−B矢視の平断面図、(b)は(a)のA−A矢視の側断面図である。
分離装置1は流入室2と、その流入室2の縦方向に垂直な周囲の外側を囲むように設けられた流出室3を有する分離槽を備えている。流入室2は平坦な底部4と該底部4から上方に垂直に延長する前後左右の4つの側部、すなわち、それぞれが平板状の前側部5、後側部6、右側部(前側部5から見て右側)7、左側部(前側部5から見て左側)8を有し、各側部は底部4から垂直上方に延長し、図1(a)に示すように、平断面が長辺と短辺からなる平断面方形な形状になっている。
なお、図示の分離装置では流入室2の上端部が開口され、下水道の増水などの非常時に、流入室2から流出室3に液体はオーバフロー可能になっているが、流入室2の上端部に図示しない蓋を着脱自在に密着固定して流入室2内の液体を加圧状体にして運転することもできる。
流入室2の前側部5の上方に液体の供給部9が形成される。供給部9は流出室3及び流入室2の前側部5を水平方向に貫通する管で構成され、処理すべき液体を流入室2内にその上方から後側部6に向けて水平に、且つ、後側部6の面に対して垂直に噴出するようになっている。このように液体を供給すると、流入室2内の液体は、後述する濾過体16の液体流入側16aの面に沿ってそれに平行な液流になる。
流入室2の後側部6の上方であって供給部9と対向する位置(具体的には、供給部9から水平に噴出する液体流が、そのまま水平移動したときに突き当たる位置)に第1誘導部10が設けられている。第1誘導部10は平板からなり、前側部5の方向に向かって図示のように傾斜した状態で後側部6に固定され、その状態における第1誘導部10の傾斜した平坦な下面が液流の誘導面11を形成する。
第1誘導部10より下方の後側部6、すなわち底部4に近い位置に、第2誘導部12が設けられている。第2誘導部12は第1誘導部10と同様な形状を有し、前側部5の方向に向かって図示のように傾斜した状態で後側部6に固定され、その状体における第2誘導部12の傾斜した平坦な上面が液流の誘導面13を形成する。なお、場合によっては第2誘導部12を省略することもできる。さらに、前側部5の下方に第2誘導部12と対向して上方に傾斜面を有する第3誘導部を設けることもできる。
流入室2の右側部7と左側部8の各面にそれぞれ平板状の方形な濾過体16が互いに平行になるように対向して装着される。濾過体16は流入室2側の液体をその液体流入側の面16aから液体流出側の面16bに通過して流出室3側に流出させ、液体に含まれる固体のうち、濾過体の開口寸法以上の固体の通過を阻止する。
図1の例では、濾過体16は流入室2の右側部7と左側部8の各面にそれと平行し、且つ、平板状の方形な濾過体16が互いに平行になるように対向して装着されている。なお濾過体16を流入室2の右側部7と左側部8のいずれか一方だけに装着することもできる。
本発明に使用する濾過体16には、直線状に連通空隙を有するものとして、網状のスクリーン、パンチングプレート型のスクリーン、ウェッジワイヤ型のスクリーンなどがあり、同一形状ではなく複雑に三次元的に連通している空隙を有するものとして、複数の金属メッシュを積層した板状の濾過体、非金属性の濾材を金属メッシュでサンドイッチした濾過体、フエルト状濾過体、三次元状の微細な連通孔を有するポーラスコンクリート板からなる濾過体などがある。
例えばウェッジワイヤ型のスクリーンを使用する場合は、そのウェッジワイヤの軸が上下方向になるように装着することが望ましい。ウェッジワイヤ型のスクリーンを装着する場合、右側部7と左側部8にそれぞれ方形な開口部を形成し、開口部の垂直な両側部にそれぞれスライドガイドを形成し、平板状の方形なウェッジワイヤ型のスクリーンを上方から滑らせて装着する方法を採用することができる。
図1には図示されていないが、流入室2の下方領域、例えば流入室2の上下方向の下から五分の一〜十分の一程度の高さに、底部4と平行に仕切板を設け、その仕切板の一部に開口部を設けることもできる。開口部の位置は旋回流が図1において時計方向に旋回するように構成されている場合は前側部5に近い領域に、反時計方向に旋回するように構成されている場合は後側部6に近い領域とすることが好ましい。また開口部の大きさは仕切板の面積の十分の一〜二十分の一程度でよい。そして仕切板の下方に形成される室(第2流入室)を濾過体で分離した固体の集積室とする。集積室には集積した固体を外部に取り出すための開閉式の扉や吸引管などを設ける。
流出室3は平坦な上面を有する底部20と、該底部20から上方に延長する前後左右の4つの側部、すなわちそれぞれが平板状の前側部21、後側部22、右側部23および左側24を有し、各側部は底部20から上方に垂直に延長する。本実施形態の流出室は、平断面が長辺と短辺からなる方形であって、流入室2の平断面と相似形になっており、各側部の上縁部には上方から蓋体25が着脱自在に装着されている。なお本実施例では流出室3の底部20と流入室2の底部4が共通に連続しているが、流入室2と流出室3はそれぞれ独立した底部を有してもよい。
図1に示すように、流出室3には後側部22と平行に方形な仕切板30が設けられている。仕切板30の垂直方向の両端部は流出室3の右側部23と左側部24に固定され、その下端は底部20から所定距離だけ上方に位置している。
本実施例では、この仕切板30により流出室の一部が分割されて排出室31を形成している。なお、排出室31を流出室3とは別に設け、流出室3と排出室31を図1のように連続させることもできる。
図1における仕切板30の左側領域は流出室3における液体の下降通路32を形成し、仕切板30の右側領域は排出室31及びそこにおける液体の上昇通路33を形成する。そして下降通路32と上昇通路33はそれぞれの下部で連通路34により互いに連通しており、流出室3の液体はその連通部34を通って下降通路32から上昇通路33に流出し、排出室31の上部(具体的には流入室2に形成した液体の供給部9と同じ高さ位置)に形成した排出部26から外部に排出される。
本実施例では、排出室31の底部20と後側部22が接続される下方隅部に傾斜したガイド板35が設けられている。このガイド板35は液体を連通部から上昇通路にスムーズに且つ平滑に通過させるために設けるものであるが,場合によっては省略することもできる。
図示の例では下降通路32は、2つの濾過体16の液体流出側16b付近の2つの領域、それら2つの領域から連続している仕切板30に近い領域、の3つの領域を含み、それら三者は互いに連通している。下降通路32における2つの濾過体16より下部の領域にそれぞれ気泡供給部36が設けられる。各気泡供給部36は細長い管と、その軸線方向に沿って形成された多数の小さな気泡孔を有し、外部から管内に供給される加圧空気等の気体が多数の気泡孔を通して液中に噴出し、細かい気泡となって下降通路32を上昇するようになっている。なお、各気泡供給部36の気泡供給高さ、具体的にはそれぞれの気泡供給部36の軸線上に位置する気泡の噴出位置は、仕切板30の下端部より上方(連通路34より上方)であるが、濾過体16の下端部より下方になっている。
気泡供給部36から下降通路32内に供給された気泡は、その下降通路32を通ってその上方に上昇するが、気泡の少なくとも一部は流出室3内における上部空間に放出される。その放出された気泡が上部空間の気体(空気)と混合すると流出室3内の気体量が増加し、内気圧が外気圧より幾分上昇するので、その上昇分は蓋体25に形成した貫通孔からなる気泡排出部25aを通して外部に排出される。なお、蓋体25と分離槽1の間に隙間が存在する場合は、その隙間が気泡排出部25aを形成し、あるいは蓋体25を設けない場合は、分離槽1の上部の解放空間が気泡排出部25aを形成する。
次に図1の固体分離装置を使用して液体に含まれている固体を分離する方法について説明する。
処理すべき液体を供給部9から流入室2の上部に水平方向に供給すると、液体は2つの濾過体16の液体流入側16aの面に沿って平行に流れ、次いでその液体流は第1誘導部10の誘導面11により下方に方向変化する。下方に方向変化した液体流は第2誘導部12の誘導面13により、更に前側部5に向かう水平な液体流に変化され、次いでその液体流は前側部5に沿って上昇し、供給部9から新たに噴出する液体流と合流して、再び第1誘導部10に向かう水平方向の液体流となる。このようにして流入室2内には図1(b)に点線で示すように、回転中心軸Sを有する上下方向の旋回流(図1(b)の正面から見て時計周り)が持続的に形成される。
上記のように形成された上下方向の旋回流は、一対の濾過体16の間を各濾過体16の液体流入側16aの面に沿って平行に旋回する。旋回する液体の一部は、図1(a)に矢印で示すように2枚の濾過体16を通過してその液体流出側16bの面から連続的に流出室3に流出する。
一方、液体に含まれている固体のうち、濾過体16の開口寸法以上のものは各濾過体16で阻止される。各濾過体16で阻止された固体は流入室2内を液体の旋回流に乗って旋回するが、液体より比重の大きい固体は、その比重差および重力により次第に流入室2内を下降し、底部20に堆積して分離される。
上記のように、液体と共に流入室2内に流入し分離されて旋回する固体は、濾過体16の液体流入側16aの面に対してそれと平行して移動するだけなので、衝撃力を有した状態で濾過体16の液体流入側16aの面に向かって直接衝突することはない。そのため濾過体16の摩耗や目詰まりを起こす可能性は極めて低い。
図1の例では、液体の供給部9が流入室2の前側部5の上方に形成されているが、供給部9を図1の例における前側部5と上下方向に対照的な位置の前側部5の下方、または該下方に近い底部4に形成することもできる。その場合に形成される旋回流は、図1の例と同様に時計回りになる。そして第1誘導部10または第2誘導部12の配置及びその作用は図1の例と同様になる。
さらに、供給部9を後側部6の下方またはその下方の延長上に近い底部4に形成することもできる。その場合に形成される旋回流は図1の例とは逆に反時計回りになる。第1誘導部10は図1と同様な位置に設けられ、第2誘導部12は前側部5の上方に設けられる。
前記のように、流入室2の下方領域に開口部を有する仕切板が設けられ、その仕切板の下方に固体の集積室を設ける場合、流入室2内を旋回して次第に重力下降する固体は、その開口部を通して集積室内に徐々に移動し、そこに集積していく。そのため流入室2内を旋回する固体の量を常に低い状態に維持することができる。流入室2内を旋回する固体量が低いと、濾過体16に接近する固体量も常時少なくなるので、固体が濾過体16の液体流入面16aに対し、ときたま平行方向に接触する可能性もさらに低下する。
一方、流出室3側に流出した液体は、濾過体16の液体流出側16bの面に連通する下降通路32内を下降し、下方の連通路34を通って排出室31内の上昇通路33を上昇し、排出部26から外部に排出する。下降通路32の下方に設けた気泡供給部36の各気泡孔からは多数の細かい気泡が噴出され、その気泡が下降通路32内を上昇する際に、その上昇力により固体を伴って下降通路32内を上昇し、その上部、すなわち下降通路32内における液体表面領域に滞留する。
固体を捕捉した多数の気泡が前記のように液体表面領域に滞留してくると、気泡どうしが互いに引き合って集積する。集積した気泡の一部は空気中に放出されるが、下方から次々と上昇してくる気泡に再付着またはその下方からの押し上げ作用により、液面付近に集積した微細な固体の大部分は、該領域にほとんど滞留し続ける。そしてその領域にある程度の固体が滞留した時点で、流出室3の上方から吸引または汲み取り等の方法により、滞留した固体を外部に取り出す。
本実施例のように、流入室2内で上下旋回流を形成させる場合は、流入室2内の液流はかなりの高速で旋回する。しかし濾過体16を通して流出室3に流出した液体は、濾過体16による比較的大きな流動抵抗と、液体に対する整流化作用を受け、緩やかな整流となって下降通路32内を均一に下降する。
一方、下降通路32内を上昇する細かい気泡群による上昇力は、単位容積当たりの気泡供給量に比例することが実験により確かめられている。下降通路32内を液体中に分散して下降する微細な固体群と、そこを上昇する細かい気泡群は逆方向に対流するが、気泡群による総合的な上昇力が微細な固体を含む液体の下降力より大きければ、液体の下降力に逆らって固体を捕捉した気泡群は容易に上昇することができる。
したがって実験等により、下降通路32内に供給する気泡量を調整することにより、その総合的な上昇力を液体の下降力より大きく設定することが望ましい。
濾過体16を通過した微細な固体の中に、比較的比重の大きい金属粉が含まれているような場合は、そのような比重の大きい微細な固体の一部が気泡の捕捉から逃れて下降する場合もある。下降通路32内を下降したそのような比重の大きい固体は、下降通路32の底部領域に滞留して次第に集積する。量は少ないがそのような場合も、その領域にある程度の固体が滞留した時点で、流出室3の上方から吸引または汲み取り等の方法により、滞留したその固体を外部に取り出せばよい。
なお、処理すべき液体に油分が含まれているときは、その油分が流出室3に流出した場合は、前記のように油分は下降通路32で上昇する気泡により捕捉され、下降通路32の上部に滞留した状態で分離される。
本発明の固体分離装置は、下水路や工場排水路などに含まれている固体や油分を分離する装置および方法として利用できる。
1 分離装置
2 流入室
3 流出室
4 底部
5 前側部
6 後側部
7 右側部
8 左側部
9 供給部
10 第1誘導部
11 誘導面
12 第2誘導部
13 誘導面
16 濾過体
16a 液体流入側
16b 面
20 底部
21 前側部
22 後側部
23 右側部
24 左側
25 蓋体
25a 気泡排出部
26 排出部
30 仕切板
31 排出室
32 下降通路
33 上昇通路
34 連通路
35 ガイド板
36 気泡供給部

Claims (5)

  1. 液体に含まれている固形物を分離する装置において、垂直方向に延長する板状の濾過体で互いに仕切られた流入室と流出室、及びその流出室に連通する排出室とを備え、
    流入室には液体の供給部が設けられ、流出室には濾過体の液体排出側に連通する液体の下降通路が設けられ、液体の下降通路の下部で且つ前記濾過体の下端より下方に気泡供給部が設けられ、流出室の上部に気体排出部が設けられ、排出室には液体の上昇通路が設けられ、該上昇通路の上部に液体の排出部が設けられ、前記気泡供給部より低い下降通路の下部と上昇通路の下部が互いに連通していることを特徴とする固体分離装置。
  2. 請求項1において、流入室は平断面が方形に形成され、流入室の対向する2つの垂直な側部に濾過体がそれぞれ形成され、流出室は流入室の縦方向周囲の外側を囲むように設けられ、気泡供給部は、そこから供給する気泡が前記2つの濾過体の液体排出側をそれぞれ上昇するように構成されていることを特徴とする固体分離装置。
  3. 前記1または請求項2において、液体の供給部は濾過体の液体流入側の面に沿って平行に液体流を供給するように形成され、さらに流入室内には前記供給された液体流を濾過体の液体流入側の面に沿って方向転換して上下方向の旋回流を形成させる誘導部が設けられ、供給部から流入室内に供給された液体は、誘導部により流入室内を旋回して上下方向の旋回流を形成し、前記濾過体はその面が該旋回流の回転中心軸に直交する面と平行するように配置されていることを特徴とする固体分離装置。
  4. 液体に含まれる固体を分離装置で分離する方法において、分離装置に設けた濾過体に液体を通過させて固体を分離し、濾過体を通過した液体を下降通路で下降させた後、上昇通路で上昇させて分離装置の外部に排出し、一方、気泡を前記下降通路の下部に供給し、下降通路を下降する液体に含まれる比較的比重の小さい固体を上昇する気泡で捕捉して下降通路の上部に滞留させ、分離装置の外部に排出しないようにしたことを特徴とする固体分離方法。
  5. 請求項4において、液体にさらに油分が含まれ、その油分が濾過体から流出室に通過し、液体と共に下降通路に下降した際には、前記上昇する気泡で下降する油分を捕捉し、下降通路の上部に滞留させることを特徴とする固体分離方法。
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