JP2014171954A - 船舶のバラスト水処理システム - Google Patents

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祐一 柳田
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Abstract

【課題】バラスト水が海水、淡水、汽水のいずれの場合にも使用することができるとともに、少ないオゾン量で微生物及び細菌類の処理機能を向上させることのできる船舶のバラスト水処理システムを提供する。
【解決手段】この船舶のバラスト水処理システム1では、船舶の寄港地において取水された水から微生物及び細菌類を除去することによりバラスト水を作るものであって、前記寄港地において取水された水を濾過することにより該水から比較的大きい微生物を除去可能なフィルタ6と、前記フィルタ6で濾過した水にオゾンを微細気泡の形で注入することにより該水から比較的小さい微生物及び細菌類を除去可能なオゾン注入装置7とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶のバラスト水処理システムに関し、詳しくは船舶の寄港地において取水された水から微生物及び細菌類を除去することによりバラスト水を作る船舶のバラスト水処理システムに係るものである。
バラスト水とは、船舶が積荷のない状況で航行する場合や、港で積荷を陸揚げした際などに、喫水を保ち安定させるために、船舶内のバラストタンクに海水、淡水、汽水(以下、海水等という。)を取り入れ(バラスティング時)、荷物を積み込むときには排出する(デバラスティング時)海水等をいう。このバラスト水として積載された海水等の中に存在する動植物プランクトンや細菌類が船舶とともに他の領域に移動することによって、本来の生態系を破壊等するおそれがあった。
このような背景の中、IMO(国際海事機関)の国際会議において、船舶のバラスト水管理条約が採択され、2009年以降、順次、バラスト水の処理が義務付けられることとなった。IMOが制定するバラスト水の排出基準は、表1に示すとおりである。
バラスト水の処理技術としては、現在各種の手法が研究・開発されている。例えば特許文献1には、未処理の海水中の微生物を除去して清浄な処理海水に転換するバラスト水の無害化処理方法において、前記海水をフィルタを用いたろ過法により該海水中の比較的大きな前記微生物を除去する微生物分離処理とし、次に、前記海水から塩素含有物質を生成して該海水中に注入し前記微生物を殺滅又は殺菌する塩素処理または前記海水に酸化作用を有する物質(オゾン等)を添加する酸化物質添加処理のいずれか一方の処理とを施し、処理海水をバラストタンクに収容することを特徴とするバラスト水の無害化処理方法が開示されている。
そして、ろ過法による微生物分離処理と、該処理後のバラスト水に塩素処理または海水に酸化作用を有する物質を添加する酸化物質添加処理のいずれか一方の処理とを併せて施すことにより、微生物の処理機能が向上する。また、フィルタのメッシュを微生物除去の最適メッシュに選定することにより、比較的大きな広範囲の微生物を確実に捕獲し除去できて、逆洗等により捕獲後の処理も簡単にできると記載されている。
しかしながら、上記特許文献1では、前記ろ過法による微生物分離処理後のバラスト水に塩素処理または海水に酸化作用を有する物質を添加する酸化物質添加処理のいずれか一方の処理を施しているが、塩素処理は淡水や汽水には明らかに使用できない。また、酸化物質添加処理としてのオゾンは淡水や汽水には使用できるものの、オゾンをそのまま水中に注入したのでは、ほとんどが水中にとどまることなく汽水分離してしまうので、膨大なオゾン量が必要となる。その一方、バラスト水中に含有されるオゾンが不足すると微生物及び細菌類の処理機能が低下するものと推察される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、バラスト水が海水、淡水、汽水のいずれの場合にも使用することができるとともに、少ないオゾン量で微生物及び細菌類の処理機能を向上させることのできる船舶のバラスト水処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、船舶の寄港地において取水された水から微生物及び細菌類を除去することによりバラスト水を作る船舶のバラスト水処理システムであって、前記船舶の寄港地において取水された水を濾過することにより該水から比較的大きい微生物を除去可能なフィルタと、前記フィルタで濾過した水にオゾンを微細気泡の形で注入することにより該水から比較的小さい微生物及び細菌類を除去可能なオゾン注入装置とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、前記船舶の寄港地において取水された水を濾過することにより該水から比較的大きい微生物を除去可能なフィルタと、前記フィルタで濾過した水にオゾンを微細気泡の形で注入することにより該水から比較的小さい微生物及び細菌類を除去可能なオゾン注入装置とを備えたので、前記船舶の寄港地において取水された水がフィルタで濾過されることにより該水から比較的大きい微生物(Lサイズ生物)が完全に取り除かれ、前記フィルタで濾過された水にオゾンがオゾン注入装置によって微細気泡の形で注入されることにより該水から比較的小さい微生物(Sサイズ生物)及び細菌類が殺滅される。
また、オゾンは海水のみならず淡水や汽水を含めたあらゆる水に対して対応可能であり、しかも船内にて空気を原料に製造可能で分解性が高いので、残留のリスクが少ない。また、海水を使用する場合には、オゾンとその海水とが反応して生成するオキシダントにより、バラストタンク内での生物の繁殖を防止することができる。
また、オゾンをマイクロバブル(微細気泡)化して溶解度を高め、効率化を図るとともに、オゾン使用量を低減することができる。
このようにして、フィルタの性能向上と、オゾンバブルの微細化とにより、IMOの基準を満たすのみならず、今後予想される、より厳しい基準の制定にも対応できるシステムを構築することができた。
また、前記オゾン注入装置は、オゾンを前記フィルタで濾過した水に注入するエジェクタと、エジェクタでオゾンが注入された水を吸引するポンプとを備えることが好ましい。
この場合、オゾンがエジェクタで微細気泡となって前記フィルタで濾過した水に効率よく注入され、エジェクタでオゾンが注入された水中の微細気泡がポンプで吸引される際に攪拌されて、さらに微細となるので、より安定した微細気泡を発生させることができる。
また、前記ポンプで吸引した水の少なくとも一部を前記フィルタに注入することが好ましい。
この場合、前記ポンプで吸引された水の少なくとも一部が前記フィルタに注入されるので、フィルタにスケール付着やバイオフィルムの形成が防止される。
また、前記フィルタで濾過した水に窒素を微細気泡の形でさらに注入することが好ましい。
この場合、前記フィルタで濾過した水に窒素が微細気泡の形でさらに注入されるので、溶存酸素の割合の上昇が抑制される。これにより、バラストタンク内溶存酸素を減じることで生物の繁殖を抑制することができる。
また、前記オゾンを注入した水から該水に溶解しなかったオゾンを分解して酸素を回収する酸素回収装置を備え、前記酸素回収装置で回収した酸素を前記オゾン注入装置で注入するオゾンの原料として再利用することが好ましい。
この場合、前記オゾンを注入した水から該水に溶解しなかったオゾンが分解されて酸素が回収する酸素回収装置が備えられたので、この前記酸素回収装置で回収された酸素が前記オゾン注入装置で注入するオゾンの原料として再利用される。これにより、オゾン発生に必要とされる装置のコンパクト化と電力消費量の削減とを図ることができる。
本発明によれば、港湾内の水を濾過することにより該水から比較的大きい微生物を除去可能なフィルタと、前記フィルタで濾過した水にオゾンを微細気泡の形で注入することにより該水から比較的小さい微生物及び細菌類を除去可能なオゾン注入装置とを備えたので、港湾内の水がフィルタで濾過されることにより該水から比較的大きい微生物(Lサイズ生物)が完全に取り除かれ、前記フィルタで濾過された水にオゾンがオゾン注入装置によって微細気泡の形で注入されることにより該水から比較的小さい微生物(Sサイズ生物)及び細菌類が殺滅される。
また、オゾンは海水のみならず淡水や汽水を含めたあらゆる水に対して対応可能であり、しかも船内にて空気を原料に製造可能で分解性が高いので、残留のリスクが少ない。また、海水を使用する場合には、オゾンとその海水とが反応して生成するオキシダントにより、バラストタンク内での生物の繁殖を防止することができる。
また、オゾンをマイクロバブル化して溶解度を高め、効率化を図るとともに、オゾン使用量を低減することができる。
このようにして、フィルタの性能向上と、オゾンバブルの微細化とにより、IMOの基準を満たすのみならず、今後予想される、より厳しい基準の制定にも対応できるシステムを構築することができた。
本発明の実施形態1に係る船舶のバラスト水処理システムの全体構成を示す説明図である。 本発明の実施形態2に係る船舶のバラスト水処理システムの全体構成を示す説明図である。 船舶の断面を示す説明図である。 Lサイズ生物の処理前後の様子を示す説明図である。 Sサイズ生物の処理前後の様子を示す説明図である。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る船舶のバラスト水処理システム1の全体構成を示す説明図、図3は船舶10の断面を示す説明図である。ここでは、港湾内の海水からバラスト水を作る場合を例示する。
図3に示すように、本実施形態に係る船舶10では、その海水吸入箱2からバラストポンプ4で吸引したバラスト水を、バラスト水処理システム1で処理した上でバラストタンク3に貯留し、あるいは、このバラストタンク3に貯留したバラスト水を海水排出口5から排出するようになっている。そして、バラスト水処理システム1は、例えば図1に示すように、フィルタ6、オゾン注入装置7、薬注ポンプ8、メインライン、サブライン、計装・制御機器類などを備えている。
フィルタ6は、メインラインに設けられ、バラストポンプ4で吸引した海水中からLサイズの生物をすべて除去するものである。ここでは回転軸まわりに円周状に複数のフィルタ素子が配置された、いわゆるディスク式のフィルタが使用され、そのフィルタ素子の少なくとも1つずつを前記回転まわりに順次に回転していくことにより運転中の自動逆先が可能であり、スケール付着やバイオフィルム形成防止のため、間欠的にオゾンバブル水(オゾンを微小気泡の形で注入した水:詳細後述。)を注入するようになっている。
オゾン注入装置7は、筐体71に組み込まれた酸素/窒素発生装置72、オゾン発生装置73及び窒素タンク74と、筐体71外のオゾンエジェクタ75、オゾン注入ポンプ76、窒素エジェクタ77及び窒素注入ポンプ78とを備えている。
酸素/窒素発生装置72は、例えば吸着剤を利用して、空気からオゾンの原料となる酸素を生成するものであり、同時に窒素を供給するものである。オゾン発生装置73は、例えば無声放電を利用して、酸素/窒素発生装置72で得られた酸素からオゾンを生成するものである。
オゾンエジェクタ75は、オゾンをマイクロバブル化するものであり、オゾン注入ポンプ76は、オゾンエジェクタ75でマイクロバブル化したオゾンを攪拌することによりそのバブル径をさらに小さくしてメインラインに注入するものである。これにより、オゾンを安定供給することができるとともに、このオゾンによりフィルタ6を通過する海水中のSサイズの生物と細菌類とを効果的に殺滅することができる。
窒素エジェクタ77は、窒素をマイクロバブル化するものであり、窒素注入ポンプ78は、窒素エジェクタ77でマイクロバブル化した窒素を攪拌することによりそのバブル径をさらに小さくしてメインラインに注入するものである。この窒素により溶存酸素(DO)濃度の上昇を防止し、生物の繁殖を抑制するようになっている。
薬注ポンプ8は、必要に応じて、残留オゾン及び残留オキシダント(TRO)を分解するために、中和剤であるチオ硫酸ナトリウムを注入するものである。この残留オゾン及び残留オキシダントの濃度を監視し、中和剤の注入量を決定するとともに、バラスト排水中の残留オゾン及び残留オキシダントの分解を確認するためにメインラインの適宜箇所にTROセンサが配備されている。
以下、このバラスト水処理システム1の概略動作を説明する。なお、一連の動作においては、図示しない制御盤が、スイッチやセンサなどからの信号を受けて機器類の発停や弁類の開閉などをそれぞれ行うようになっている。
バラスティング時には、まずバラストポンプ4で海水吸入箱2から取水した水をフィルタ6により濾過し、Lサイズの生物をすべて除去する。ついで、酸素/窒素発生装置72によって空気から酸素と窒素とを生成する。オゾン発生装置73は、この酸素を原料としてオゾンを生成する。窒素は窒素タンク74に貯留しておく。
オゾン発生装置73で生成したオゾンをオゾンエジェクタ75でマイクロバブル(微細気泡)化する。このマイクロバブル化したオゾンをオゾン注入ポンプ76で攪拌することによりそのバブル径をさらに小さくして,メインラインより分岐した濾過後の水中に注入する。
窒素タンク74に貯留しておいた窒素を窒素エジェクタ77でマイクロバブル化する。このマイクロバブル化した窒素を窒素注入ポンプ78で攪拌することによりそのバブル径をさらに小さくして,メインラインより分岐した濾過後の水中に注入する。
バラストタンク3に、この処理水を貯留する。バブルオゾン水の一部はフィルタ6の例えば上流側に循環させ、同フィルタ6へのスケール付着やバイオフィルム形成の防止を図る。特にバイオフィルムは一旦形成されると、逆洗程度ではとれないので厄介である。したがって、このオゾンバブル水の循環は、バラスティング終了後の長期航海中においても、間欠的に行うことが好ましい。
一方、デバラスティング時には、バラストポンプ4及びグラビティにより排水される水中の残留オキシダントをTROセンサで監視する。そして、必要に応じて、中和剤であるチオ硫酸ナトリウムをその注入量を制御しながら添加する。最終的に、排水中の残留オキシダントを監視して排出可能であることを確認する。その主な理由は以下のとおりである。
すなわち、オゾンだけでなく、オゾンと海水との反応で生成される残留オキシダントの殺菌作用によっても、バラスト水中の水生生物等を殺滅するのである。このうち、オゾンの半減期は短く、すぐに分解してしまうので、環境への影響が少ないのであるが、残留オキシダントは分解しにくいので、そのままバラストタンクから排出することには問題がある。
そこで、本発明者らは、上記船舶のバラスト水処理システム1の性能評価、活性物質の動態調査、最適パラメータの決定を目的として実証試験システムを製作して試験を行った。この実証試験システムの構成は、図1の海水吸入箱2とバラストタンク3とをそれぞれタンク二基に置き換えたものに相当する。この実証試験システムにおいて、バラストタンクを模擬したタンク内のオゾン濃度変化を計測した結果を表2に示す。なお、表2では、それぞれ設定した酸素量、窒素量及びオゾン濃度(理論値)についての残留オキシダント濃度の時間変化を計測した値を示している。
表2中の太い実線で囲んだ数値は、溶存オゾン濃度が0.02mg/l以上確認された場合である。また、表2中の太い破線で囲んだ数値は、気相オゾン濃度が検出されているものであって、前記太い実線で囲んだ数値を含む。この表2に示すように、残留オキシダント濃度(計測値)は、元海水で0.00mg/lであったものが、その処理直後には、1.12〜2.18mg/lとなり、120分を過ぎると大きく減少していることがわかる。
ついで、タンク内に溶解している酸素の濃度変化を計測した結果を表3に示す。なお、表3では、それぞれ設定した酸素量、窒素量及びオゾン濃度(理論値)についての溶存酸素濃度の時間変化を計測した値を示している。
表3中の太い破線で囲んだ数値は、元海水温度より3.0℃以上の増加があった場合である。この表3に示すように、溶存酸素濃度(計測値)は、元海水で9.81〜12.12mg/lであったものが、その処理直後には10.80〜23.74mg/lとなり、その後の海水温度の上昇を考慮すると、4日を過ぎてもほとんど減少していないことがわかる。
ところで、バラスト水中の溶存酸素濃度が大きくなると、バラストタンク内で生物が繁殖し、新たな問題となるおそれがある。そこで、本発明者は、この実証試験システムにおいて、さらに窒素を注入することにより、溶存酸素濃度をコントロールできるか否かについての実証試験をしている。
窒素注入によってコントロールした溶存酸素濃度を計測した結果を表4に示す。なお、表4では、それぞれ設定した酸素量、窒素量についての元海水温度と、元海水及びサンプルの溶存酸素濃度と、サンプル温度とをそれぞれ計測した値を示している。
この表4に示すように、窒素を注入していない場合では溶存酸素の割合の上昇が大きいが、窒素を注入した場合では溶存酸素の割合の上昇が抑制されていることがわかる。
ついで、フィルタ6とオゾン注入装置7とで処理した海水を顕微鏡で観察し、生物の殺滅効果を検証した。図4はLサイズの生物の処理前後、図5はSサイズの生物の処理前後を示す。図4,5より、いずれのサイズの生物においても優れた殺滅効果が得られることが検証できた。
以上説明したように、本バラスト水処理システム1によれば、船舶10の寄港地において取水された水がフィルタ6で濾過されることにより該水から比較的大きい微生物(Lサイズ生物)が完全に取り除かれ、前記フィルタ6で濾過された水にオゾンがオゾン注入装置7によって微細気泡の形で注入されることにより該水から比較的小さい微生物(Sサイズ生物)及び細菌類が殺滅される。
また、オゾンは海水のみならず淡水や汽水を含めたあらゆる水に対して対応可能であり、しかも船内にて空気を原料に製造可能で分解性が高いので、残留のリスクが少ない。また、海水を使用する場合には、オゾンとその海水とが反応して生成するオキシダントにより、バラストタンク内での生物の繁殖を防止することができる。
また、オゾンをマイクロバブル化して溶解度を高め、効率化を図るとともに、オゾン使用量を低減することができる。
このようにして、フィルタ6の性能向上と、オゾン注入装置7でのオゾンバブルの微細化とにより、IMOの基準を満たすのみならず、今後予想される、より厳しい基準の制定にも対応できるシステムを構築することができた。
また、前記オゾン注入装置7では、酸素/窒素発生装置72で生成されたオゾンが、オゾンエジェクタ75でマイクロバブルとなって前記フィルタ6で濾過した水に効率よく注入され、オゾンエジェクタ75でオゾンが注入された水中のマイクロバブルが、オゾン注入ポンプ76で吸引される際に攪拌されて、さらに微細となるので、安定したマイクロバブルを発生させることができる。
また、前記オゾン注入ポンプ76で吸引した水を前記フィルタ6に注入するので、フィルタ6へのバイオフィルムの形成を予防し、かつ、スケール付着による目詰まりをも少なくすることができる。また、前記オゾンに加えて窒素を微細気泡の形で注入するので、溶存酸素の割合の上昇を抑制することができる。
(実施形態2)
ところで、上記実施形態1では、オゾン発生装置73で空気から酸素と窒素とに分離し、その酸素を原料としてオゾンを発生させている。しかし、バラスト水が多量である場合には、オゾンの使用量も膨大なものとなるので、その装置が大型化し、電力消費量も膨大なものとなるため、特に既存の船舶への搭載が困難となる。
一方、オゾン注入装置7で水中に注入されたオゾンはすべてが溶解するわけではなく、その不溶解分を回収して使用することが経済的である。しかし、回収したオゾンをそのまま使用したのでは、オゾン発生装置73で発生されるオゾンに対して濃度差や湿度差等が生じて不具合である。
そこで本発明者らは、さらに工夫を重ねて、本実施形態2に係るバラスト水処理システム1aを構築した。図2は本発明の実施形態2に係る船舶のバラスト水処理システム1aの全体構成図である。なお、上記実施形態1と共通する要素には、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態2に係る船舶10では、その海水吸入箱2からバラストポンプ4で吸引したバラスト水を、バラスト水処理システム1aで処理した上でバラストタンク3に貯留し、あるいは、このバラストタンク3に貯留したバラスト水を海水排出口5から排出するようになっている。そして、バラスト水処理システム1aは、例えば図2に示すように、フィルタ6と、オゾン注入装置7と、薬注ポンプ8と、酸素回収装置9、メインライン、サブライン、計装・制御機器類などを備えている。
酸素回収装置9は、オゾン脱気タンク91と、コンプレッサ92と、オゾン分解装置93とを備えている。オゾン脱気タンク91は、溶解せずに気相に存在するオゾン含有気体を回収するものであり、コンプレッサ92は、回収したオゾン含有気体をオゾン分解装置93に供給するものであり、オゾン分解装置93は、例えば二酸化マンガン系の触媒を用いて前記供給されたオゾン含有気体中のオゾンを分解して酸素を生成するものである。オゾン分解装置93で生成した酸素をオゾン発生装置73に供給して、この酸素からもオゾンを生成するようになっている。
以下、このバラスト水処理システム1aの概略動作を説明する。なお、一連の動作においては、図示しない制御盤が、スイッチやセンサなどからの信号を受けて機器類の発停や弁類の開閉などをそれぞれ行うようになっている。
バラスティング時には、まずバラストポンプ4で海水吸入箱2から取水した水をフィルタ6により濾過し、Lサイズの生物をすべて除去する。ついで、酸素/窒素発生装置72によって空気から酸素と窒素とを生成する。オゾン発生装置73は、この酸素を原料としてオゾンを生成する。窒素は窒素タンク74に貯留しておく。
オゾン発生装置73で生成したオゾンをオゾンエジェクタ75でマイクロバブル(微細気泡)化する。このマイクロバブル化したオゾンをオゾン注入ポンプ76で攪拌することによりそのバブル径をさらに小さくして,メインラインより分岐した濾過後の水中に注入する。気相のオゾン含有体をオゾン脱気タンク91により回収する。
窒素タンク74に貯留しておいた窒素を窒素エジェクタ77でマイクロバブル化する。このマイクロバブル化した窒素を窒素注入ポンプ78で攪拌することによりそのバブル径をさらに小さくして,メインラインより分岐した濾過後の水中に注入する。
バラストタンク3に、この処理水を貯留する。バブルオゾン水の一部はフィルタ6の例えば上流側に循環させ、同フィルタ6のスケール付着やバイオフィルム形成の防止を図る。脱気タンクにより回収したオゾン含有気体を処理してオゾンを分解して酸素を得る。この酸素をオゾン発生装置73に送る。
一方、デバラスティング時には、バラストポンプ4及びグラビティにより排水される水中の残留オキシダントをTROセンサで監視する。そして、必要に応じて、中和剤であるチオ硫酸ナトリウムをその注入量を制御しながら添加する。最終的に、排水中の残留オキシダントを監視して排出可能であることを確認する。その主な理由は前述のとおりである。
以上説明したように、本バラスト水処理システム1aによれば、上記実施形態1のバラスト水処理システム1による作用効果に加え、オゾンを注入した水から該水に溶解しなかった酸素を回収する酸素回収装置9を備え、酸素回収装置9で回収した酸素をオゾン注入装置7のオゾン発生装置73に戻すようにしたので、システムのコンパクト化と電力消費量の削減とを図ることができる。
なお、上記実施形態1,2では、いずれも海水を処理することによりバラスト水を作っているが、淡水や汽水等を処理することによりバラスト水処理を作るようにしてもよい。
また、上記実施形態1,2では、改造船にも適用可能となるように、既設のバラストラインを上記メインラインとして利用しているが、新造船の場合には、そのような限定がないことはいうまでもない。
また、上記実施形態1,2では、船舶10のバラストタンク3をそれぞれ1個ずつ図示しているが、実際にはそれぞれ複数個のバラストタンク3が備わっていることはいうまでもない。
また、上記実施形態1,2では、フィルタ6をそれぞれ1個ずつ図示しているが、複数個のフィルタ6を備え、それらの切り替え使用を可能とすることとしてもよい。
1,1a 船舶のバラスト水処理システム
10 船舶
2 海水吸入箱
3 バラストタンク
4 バラストポンプ
5 海水排出口
6 フィルタ
7 オゾン注入装置
71 筐体
72 酸素/窒素発生装置
73 オゾン発生装置
74 窒素タンク
75 オゾンエジェクタ
76 オゾン注入ポンプ
77 窒素エジェクタ
78 窒素注入ポンプ
8 薬注ポンプ
9 酸素回収装置
91 オゾン脱気タンク
92 コンプレッサ
93 オゾン分解装置
特開2010−42331号公報

Claims (5)

  1. 船舶の寄港地において取水された水から微生物及び細菌類を除去することによりバラスト水を作る船舶のバラスト水処理システムであって、
    前記船舶の寄港地において取水された水を濾過することにより該水から比較的大きい微生物を除去可能なフィルタと、
    前記フィルタで濾過した水にオゾンを微細気泡の形で注入することにより該水から比較的小さい微生物及び細菌類を除去可能なオゾン注入装置と
    を備えたことを特徴とする船舶のバラスト水処理システム。
  2. 前記オゾン注入装置は、オゾンを前記フィルタ装置のフィルタ素子で濾過した水に注入するエジェクタと、エジェクタでオゾンが注入された水を吸引するポンプとを備えたことを特徴とする請求項1記載の船舶のバラスト水処理システム。
  3. 前記ポンプで吸引した水の少なくとも一部で前記フィルタを逆洗するように構成したことを特徴とする請求項2記載の船舶のバラスト水処理システム。
  4. 前記フィルタで濾過した水に窒素を微細気泡の形でさらに注入することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶のバラスト水処理システム。
  5. 前記オゾンを注入した水から該水に溶解しなかったオゾンを分解して酸素を回収する酸素回収装置を備え、前記酸素回収装置で回収した酸素を前記オゾン注入装置で注入するオゾンの原料として再利用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の船舶のバラスト水処理システム。
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