JP2014169878A - 基板検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板からの反射画像を利用して、効率的にマイクロクラックの検査を行うことが可能な基板検査装置を提供する。
【解決手段】 搬送機構1により搬送される太陽電池セル用基板100の上方に配設された積分球14と、この積分球14の内部に光を照射する光源部2と、光源部2から照射され、積分球14および太陽電池セル用基板100で反射された光の像を撮影するためのCCD素子と光学系とを備えるCCDカメラ15とを備える。光源部2は、太陽電池セル用基板100に対する透過性が高い第1波長の赤外光を照射する第1光源21と、基板に対する透過性が異なる第1波長より波長の短い第2波長の赤外光を照射する第2光源22と、可視光を照射する第3光源23とから構成される。
【選択図】 図12

Description

この発明は、基板検査装置に関し、例えば、電極形成前の基板状態の太陽電池セル用基板、または、この基板に対して電極を形成した後の太陽電池セルを検査対象とした基板検査装置に関する。
太陽電池セルの製造工程における電極形成工程の前工程、たとえば、受け入れ検査工程や反射防止膜の成膜工程前または成膜工程後の太陽電池セル用基板に対して、割れや欠けを検査する形状の検査、基板の上に乗ったパーティクル、反射防止膜のピンホール、反射防止膜の膜厚むら等を検査する表面状態の検査、および、太陽電池セルの内部に生じたマイクロクラックを検査する内部検査が実行される。このうち太陽電池セル用基板の内部に生じたマイクロクラックを検査する内部検査を行う場合には、基板の裏面側から赤外光を照射して基板を透過した赤外光を撮影している。
特許文献1には、赤外光源から半導体ウエハに対して赤外線を照射するとともに、半導体ウエハを透過した赤外線を赤外線カメラにより撮像する赤外線検査装置が開示されている。この赤外線検査装置においては、クラック等の異常部分と多結晶シリコン基板部分とで赤外線の透過状態が異なることを利用して、半導体ウエハ内部の微小クラックを検出する構成となっている。また、特許文献2および特許文献3には、透過画像と反射画像の両方を利用して、マイクロクラックを検出する方法が開示されている。
特開2006−351669号公報 特開2007−218638号公報 特開2010−34133号公報
電極を形成する前の太陽電池セル用基板におけるマイクロクラックを検査する場合においては、上述したように、基板の裏面側から赤外光を照射して基板を透過した赤外光を撮影する構成を採用することができる。しかしながら、太陽電池セル用基板を搬送ベルト等の搬送機構により搬送しながらその検査を実行する場合においては、搬送ベルト等が検査の障害となり、太陽電池セル用基板の全域を検査することが困難となる等の、実用上の不都合が生ずる場合がある。
また、電極形成後の太陽電池セル用基板におけるマイクロクラックを検査する場合においては、通常太陽電池セル用基板の裏面側に形成されるアルミ電極が不透明であることから、基板を透過した赤外光を得ることはできない。このため、太陽電池セル用基板に対して実際に電流を流し、太陽電池セル用基板における内部発光像を撮影することにより、太陽電池セル用基板に生じたマイクロクラックを認識することも可能ではあるが、このような構成を採用する場合には、実際に電極に対して電気的な接続を行う必要があり、太陽電池セルを非接触で検査する場合と比較して、工程が増加し、検査効率が悪いという問題が生ずる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、基板からの反射画像を利用して、効率的にマイクロクラックの検査を行うことが可能な基板検査装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板の内部に生じたマイクロクラックを検査する基板検査装置であって、前記基板の表面に対して、基板に対する透過性が高い第1波長の赤外光を照射する第1光源と、前記基板の表面に対して、前記第1波長より波長が短く、前記第1の波長とは透過性が異なる第2波長の赤外光を照射する第2光源と、前記基板において反射した第1波長の赤外光の反射像および第2波長の赤外光の反射像を測定するカメラと、前記カメラにより測定した第1波長の赤外光の反射像と第2波長の赤外光の反射像とを波長間演算することにより、マイクロクラック像を抽出する画像処理部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記波長間演算は、重みづけ差演算である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記第1波長は、950nm以上の波長であり、前記第2波長は700nm以上1000nm以下の波長である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1波長は1000nm以上1100nm以下の波長であり、前記第2波長は700nm以上1000nm以下の波長である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記基板の表面に対して可視光を照射する第3光源をさらに備え、前記画像処理部は、前記カメラにより測定した第2波長の赤外光の反射像と、前記カメラにより測定した可視光の反射像とに基づいて、基板における粒界画像除去処理を行う。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明において、前記基板は、太陽電池セル用基板、または、太陽電池セルである。
請求項1から請求項6に記載の発明によれば、基板に対する透過性が高い第1波長および第1波長とは透過性が異なる第2波長の赤外光による基板からの反射画像を利用することにより、基板の全域に対して効率的にマイクロクラックの検査を行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、第1波長の赤外光と第2波長の赤外光の特性の差異に基づいてマイクロクラックをより効果的に検査することができるとともに、安価なシリコン素子等のカメラを利用してマイクロクラック像を抽出することが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、可視光による反射画像を利用することにより、基板における粒界画像を効率的に除去することが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、太陽電池セル用基板または太陽電池セルの内部に生ずるマイクロクラックを効果的に検査することが可能となる。
太陽電池セル用シリコンの吸収係数から求めた750nmから1200nmのシリコン基板透過率の参考図である。 太陽電池セル用のシリコンの吸収係数から求めた、侵入距離の波長依存性を示す参考図である。 シリコン製の太陽電池セル用基板の表面に500nmから1600nmの波長の光を順次照射したときの分光反射率を示すグラフである。 波長の異なる光がマイクロクラックを含むシリコン製の太陽電池セル用基板100において反射・散乱・吸収消失される様子を模式的に示す説明図である。 太陽電池セル用基板100の表面に波長が1070nmの赤外光を照射してその反射光をカメラにより撮影した画像を示す写真である。 太陽電池セル用基板100の表面に波長が970nmの赤外光を照射してその反射光をカメラにより撮影した画像を示す写真である。 太陽電池セル用基板100の表面に波長が450nmの可視光を照射してその反射光をカメラにより撮影した画像を示す写真である。 図5に示す太陽電池セル用基板100の表面に波長が1070nmの赤外光を照射した反射画像と図6に示す太陽電池セル用基板100の表面に波長が970nmの赤外光を照射した反射画像とを波長間演算した結果を示す図である。 太陽電池セル用基板100を、透過方式で撮影した透過画像である。 図5、図6、図8において白線で示す210列の領域の光の強度を表す強度プロファイルを示すグラフである。 図5において破線で示した領域に対する、5つの波長の反射強度プロファイルである。 この発明の第1実施形態に係る基板検査装置の概要図である。 光源部2の斜視図である。 この発明に係る基板検査装置の主要な制御系を示すブロック図である。 この発明に係る基板検査装置による太陽電池セル用基板100の検査工程を示すフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係る基板検査装置の概要図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。最初に、この発明の基本的な考え方について説明する。
この発明に係る基板検査装置においては、太陽電池セル用基板等の基板の表面に対して、基板に対する透過性が高い第1波長の赤外光の反射像と、第1波長より波長の短い第2波長の赤外光の反射像とを波長間演算することにより、マイクロクラック像を抽出する構成を採用している。そして、第2波長の赤外光の反射像と、可視光の反射像とに基づいて、基板における粒界画像除去処理を行うことにより、さらに、マイクロクラックの検査精度を向上させている。以下の説明においては、基板としてシリコン製の太陽電池セル用基板を使用した場合について説明する。
まず、シリコン基板の一般的分光透過特性について説明する。図1は、太陽電池セル用シリコンの吸収係数から求めた750nmから1200nmのシリコン基板透過率の参考図である。なお、図1における破線は、厚さ0.2mmのシリコン基板の透過率を示し、実線は厚さ0.3mmのシリコン基板の透過率を示し、一点鎖線は0.4mmのシリコン基板の透過率を示している。
厚さ0.2mm、0.3mm 、0.4 mmを想定したシリコン基板の分光透過率を、シリコンの吸収係数と屈折率を用いて計算すると図1のようになり、波長900nm(nm/ナノメータ)から950nm以上で透過率が急激に立ち上がり、吸収の無い1200nm以上で一定の50%程度となる。1200nm以上で透過率が100%にならないのは、シリコンの屈折率が3.5程度と空気の屈折率である1.0と比べて大きいため、シリコン基板表面と裏面の空気界面で生じるフレネル反射によって、表面と裏面それぞれ約25%ずつ反射損失があるためである。典型的な太陽電池セル用シリコン基板の厚さは0.2mm程度であるので、一方向の透過率はこの図の厚さ0.2mmの曲線(破線)に相当するが、本発明の目的とする基板の反射撮影において重要な役割を果たす、基板の表・裏を往復する光の成分に対しては、往復分0.4mmの曲線(一点鎖線)に相当し、その曲線は950nmを越えた波長で急激に上昇している知見が重要である。
一般的に、光がシリコン製の太陽電池セル用基板の表面から内部に向かって距離xだけ進むときの光の強度Iの減衰は、入射時の強度をIとし、吸収係数をαとした場合、次の式により表される。
I=Iexp(−αx)
この式において光の強度が入射時の強度の1/eとなる距離を侵入距離と定義した場合には、この侵入距離は吸収係数の逆数である1/αとなる。これは、シリコン基板の内部で光がこの侵入距離(単位μm)進む毎に強度が1/eになることを表す。侵入距離の波長依存性をグラフで表したものが図2である。シリコンに対する侵入距離は、可視域400nm〜700nmでは小さく0.01μmから1μmであるが、例えば950nmで10μm、更に1070nmで100μmなど、波長が大きくなると、内部で吸収が減るために侵入距離が増え、良く通る性質がある。
図3は、シリコン製の太陽電池セル用基板の表面に波長の異なる光を照射したときの分光反射率を発明者らが実測したスペクトルである。
このグラフにおいて、横軸は、太陽電池セル用基板に照射した光の波長を示している。また、このグラフにおいて縦軸は、積分球付きの分光光度計を用いて測定した分光拡散反射率を示している。ここで、分光拡散反射率とは、太陽電池セル用基板の表面に光を照射したときに、半空間に反射される光を全ての方向に積算した反射率である。そして、図3において、符号Nで示す線は、表面をアルカリテキスチャ処理した後、反射防止膜を形成した典型的はシリコン製の太陽電池セル用基板に対する拡散反射率を示し、符号Mで示す線は、同じ基板の裏面側に白紙を重ねて測定したものに対する拡散反射率を示している。また、符号Lで示す線は、900nmから950nmの部分の接線を長波長側に伸ばしたもので、後述するように、950nm以上での基板表面だけの反射成分を表す想像線である。
このグラフに示すように、N、Mとも波長が950nmを越える部分で、反射率が急激に上昇している。更に太陽電池セル用基板だけ(グラフN)の場合と比較して、裏面に白紙を追加して測定した時(グラフM)のデータはさらに反射率が高くなっている。基板だけの時と白紙追加の時の差分は、一旦基板を透過して裏に出た光が白紙で反射されて、もう一度基板に入り表面に戻る光の寄与によるものである。
一方、その波長が950nmより小さい光では、典型的なシリコン製の太陽電池セル用基板だけの場合と裏面に白紙を重ねて測定した場合とで分光拡散反射率に差はない。従って、シリコン製の太陽電池セル用基板の表面から侵入し、裏面側において白紙で反射して、再度表面から出射する光の分光拡散反射率への寄与、即ち基板を往復する光の寄与はないと考えられることから、この範囲の波長の光は、シリコン製の太陽電池セル用基板の表面で反射した成分であると考えられる。
符号Lで表される線は表面だけの反射成分を950nm以上に延長した想像線であり、
符号Nで表される曲線から符号Lで表される線を差し引いた部分が、基板を裏表往復した反射光成分に相当する。この基板往復成分の950nm以上の増え方が、前述した図2に示した分光透過率の厚さ0.4mmの曲線にきわめて近いことも、厚さ0.2mmのシリコン基板の往復距離0.4mmだけの距離を進む時の光の減衰から説明出来る。
符号Nで表される曲線の基板表裏往復分は、シリコン製の太陽電池セル用基板の裏面でシリコンと空気の屈折率差のために反射(いわゆるフレネル反射)して表側に戻る成分であるが、符号Mで表される曲線の基板表裏往復分は、一旦基板を透過したものが、基板の裏に重ねた白い紙の反射で戻って来た成分である。
以上をまとめると、図3に示す950nm以上の成分は、表面反射(L)、基板表裏往復分(NとLの差分)、基板透過後白紙で戻された成分(MとN)の差分、の3つの成分から構成されていることが判る。基板透過後白紙で戻された成分は、基板表裏往復分とほぼ同程度であることも読み取ることが出来る。なお、図3に示すグラフにおいては、630nm付近で反射率が極小となっているが、これはシリコン製基板の表面に形成された反射防止膜の作用によるものと考えられる。
以上の実測データ図3のように、その波長が950nm以上の赤外光とそれ以外の波長の光とでは、シリコン製の基板に対する光の侵入と反射の性質が大きく異なること、そして、その波長が950nm以上の赤外光においても、波長が異なるとその侵入と反射の性質に波長による差異があることが、この発明の発明者によって見出された。なお、発明者らは電極を形成した太陽電地セルについても分光反射率の測定をした結果、反射率が950nm以上で急上昇する図3と同様な結果を得ている。すなわち、950nm以上で太陽電地セルの表裏の往復光が増えることを示しており、以降の説明は電極形成前の基板だけでなく、電極形成後の太陽電地セルにも同様に該当する。
図3はシリコン製の太陽電池セル用基板中にマイクロクラックが存在しない場合を示したものであるが、もし、基板中にマイクロクラックが存在するとどうなるのかを考察した図が図4である。
図4は、波長の異なる光が一部にマイクロクラックを含むシリコン製の太陽電池セル用基板100において反射・散乱・吸収消失される様子を模式的に示す説明図である。この図においては、符号Aはその波長が1070nmの赤外光を、符号Bはその波長が970nmの赤外光を、符号Cはその波長が450nmの可視光を示している。
図4において符号Cで示す波長が450nmの可視光は、シリコン製の太陽電池セル用基板100に対する侵入距離は、最大でも0.05μm程度であり、太陽電池セル用基板100内には侵入せず、図4において符号C1、C2で示すように太陽電池セル用基板100の表面で反射する。後述するように太陽電池セル用基板100の表面をカメラで撮影した場合には、カメラに入射する光は、太陽電池セル用基板100の表面での反射光となる。
図4において符号Bで示す波長が970nmの赤外光は、シリコン製の太陽電池セル用基板100に対して10μm程度の距離なら侵入することができる。このため、マイクロクラック101が太陽電池セル用基板100の表面から数μm程度の深さに存在した場合には、符号B3で示すように、マイクロクラック101で散乱される。ここで太陽電池セル用基板100中のマイクロクラックでは、マイクロクラック101における割れ目中の空気とシリコンの屈折率差によるフレネル反射が、いろいろな方向の乱反射となるので、平面の反射とは異なり手前に戻って来るとは限らず、いろいろの方向に進む。そこで、マイクロクラック101での反射は、以降は「散乱」と記述している。散乱方向が横方向とか裏に向かう方向ならシリコン中で吸収消失してしまうが、元に戻る方向なら太陽電池セル用基板100の表面から射出することがある。このときには、太陽電池セル用基板100の表面をカメラで撮影した場合には、この領域は明るい白色の画像となる。また、このような散乱がない光は、符号B1および符号B2で示すように、太陽電池セル用基板100内部で吸収され消失する。このように図の光線が途中で無くなっているものは吸収消失されることを示す。さらに、図4においては図示を省略しているが、可視光と同様、太陽電池セル用基板100の表面で反射する光もある。
図4において符号Aで示す波長1070nmの赤外光は、マイクロクラック101が存在しない領域においては、符号A1および符号A2で示すように、太陽電池セル用基板100の裏面に達し、そこで一部は裏側に透過するが、残りは裏面で反射して反対方向に進み表面から射出する。また、波長が1070nmの赤外光は、符号A3で示すように、途中にあるマイクロクラック101で散乱され、太陽電池セル用基板100の表面まで戻って射出することがある。このときには、太陽電池セル用基板100の表面をカメラで撮影した場合には、この領域は明るい白色の画像となる。さらに、符号A4および符号A5で示すように、マイクロクラック101が無ければ太陽電池セル用基板100を往復出来るはずの波長1070nmの赤外光が太陽電池セル用基板100の内部にあるマイクロクラック101の散乱により遮られることがある。このときには、太陽電池セル用基板100の表面をカメラで撮影した場合には、この領域は、周囲に比べ散乱で遮られる量だけ光が減るため、暗い黒色の画像となる。
以上まとめると、Aで表した波長の性質は、太陽電池セル用基板100の表裏を往復する能力のある光で、途中にマイクロクラック101があると影響されて、その情報を捕まえている波長であり、本発明で第1波長として採用している。Bで表した波長の性質は、太陽電池セル用基板100の表裏を往復する能力はないが、太陽電池セル用基板100途中まで侵入出来る光で、本発明で第2波長として採用している。Cで表した波長の性質は、太陽電池セル用基板100に全く侵入できず、反射光は表面のフレネル反射だけからなる光で、本発明で第3波長として採用している。上記の性質を利用し赤外領域の侵入距離の相違を反映した複数の波長を選択して反射画像を取得し、それらの画像演算を実行することで、シリコンの太陽電池セル用基板100内のマイクロクラック101の画像を取得することが可能となる。
図5は、太陽電池セル用基板100の表面に波長が1070nmの赤外光を照射してその反射光をカメラにより撮影した画像を示す写真である。また、図6は、太陽電池セル用基板100の表面に波長が970nmの赤外光を照射してその反射光をカメラにより撮影した画像を示す写真である。さらに、図7は、太陽電池セル用基板100の表面に波長が450nmの可視光を照射してその反射光をカメラにより撮影した画像を示す写真である。これらの図において、縦軸と横軸は画像の各画素の位置(画素の番号)を示している。なお、画像の右側に表示されているのは、画像の明るさを示すカラーバーであり、黒い方が信号が小さく、白い方が信号が大きい。
図5に示す、太陽電池セル用基板100の表面に波長が1070nmの赤外光を照射した反射画像においては、画像の中央左側付近に白線と黒線とが連続した画像が見受けられる。この白線に相当する部分は、図4において符号A3で示すように、マイクロクラック101で散乱され、太陽電池セル用基板100の表面まで戻って射出した赤外光によるものと考えられる。また、黒線に相当する部分は、図4において符号A4で示すように、太陽電池セル用基板100の内部において、マイクロクラック101により遮られた赤外光によるものと考えられる。
同じマイクロクラック101が、白線に見えたり、黒線に見えたりする現象は、上記の効果のどちらが強いかで最終的に決まる。すなわち、マイクロクラック101が無いとき、カメラに到達すべき光がマイクロクラック101による散乱で遮られて減少する効果(符号A4のような減光効果)と、逆にマイクロクラック101が無いとき本来は光が来ない領域に、マイクロクラック101の散乱光が追加され明るくなる効果(符号A3のような増光効果)の両方が存在し、該当マイクロクラック101に於いて増光効果が減光効果を上回るとき白線に、増光効果が減光効果を下回る時、黒線に見える。この理由で、同じ連続したマイクロクラック101でも、場所によって白く見えたり、黒く見えたりすることが説明出来る。
一方、図6に示す太陽電池セル用基板100の表面に波長が970nmの赤外光を照射した反射画像においては、白線のみが見受けられる。この白線は、図4において符号B3で示すように、マイクロクラック101の表面で反射して太陽電池セル用基板100の表面から射出した赤外光によるものと考えられる。すなわち、波長が970nmの赤外光は1070nmの赤外光と異なり、侵入距離が10μm程度で、厚さ200μm程度の太陽電池セル用基板100の裏面にまで到達してそこで反射されることがないことから、1070nmに見られる減光効果が存在せず、増光効果だけになる。そのため図6においては黒線は見受けられない。
さらに、図7に示す太陽電池セル用基板100の表面に波長が450nmの可視光を照射した反射画像においては、マイクロクラック101を示す黒線および白線は、全く見受けられない。これは、450nmの可視光は、太陽電池セル用基板100の表面でのみ反射し、太陽電池セル用基板100内にはほとんど侵入しないためであると考えられる。即ち、450nmの可視光は、マイクロクラック101に全く届くことが出来ないため、マイクロクラック101に影響されない表面情報だけが撮影される。
図8は、図5に示す太陽電池セル用基板100の表面に波長が1070nmの赤外光を照射した反射画像と図6に示す太陽電池セル用基板100の表面に波長が970nmの赤外光を照射した反射画像とを波長間演算した結果を示す図である。
この波長間演算は、重みづけ差演算である。より具体的には、図6に示す太陽電池セル用基板100の表面に波長が970nmの赤外光を照射した反射画像に対して重みづけ計数として0.4を乗算し、この乗算結果を図5に示す太陽電池セル用基板100の表面に波長が1070nmの赤外光を照射した反射画像から減算している。すなわち、波長が970nmの赤外光の反射画像の各画素値に0.4を乗算し、この乗算結果を波長が1070nmの赤外光の反射画像の画素値から減算している。
図8においては、図5において白線となっていたマイクロクラック101の像が黒線となっている。これは、図5および図6において白線となっているマイクロクラック101に対応する領域において、波長が1070nmの赤外光の反射画像の光の強度が波長が970nmの赤外光の反射画像の光の強度より弱いことから、上述した重みづけ差演算時に減算の効果により、この領域の白線部分が黒線なる。
図9は、図6および図7の画像の対象となった太陽電池セル用基板100を、透過方式で撮影した透過画像である。
図8と図9とを比較した場合、図8に示す波長間演算後の画像は、図9に示す透過画像と同程度まで、マイクロクラック101の画像を認識していることが理解できる。
図10は、図5、図6、図8において白線で示す210列の領域の光の強度を示す強度プロファイルを表すグラフである。ここで、図10(a)は、図5に示す波長が1070nmの赤外光の反射画像のプロファイルを、図10(b)は、図6に示す波長が970nmの赤外光の反射画像のプロファイルを、また、図10(c)は、図8に示す波長間演算後の画像のプロファイルを、各々、表している。
図10(a)および図10(c)に共通して見られる、横方向目盛りが約150と160の位置にある窪みと、横方向目盛り約360の位置にある窪みが、マイクロクラック101であって、対応する画像図5と図8で210列の白線上の、それぞれ約150行、160行、360行の黒いマイクロクラック101の画像に対応する。一方、上記の窪みとは別に、図10(a)および図10(b)の全域にお いて、細かいノイズ状の凹凸が存在するが、これはノイズではなく、太陽電池セル用基板100をアルカリテキスチャ処理したときの表面の微小な凹凸による反射率の変動である。このノイズ状の変動を図10(a)および図10(b)で比較して見ると、凸凹が同じ位相で変動していることが判る。そこで、両者の波長間演算を行うとその変動が相殺されて、図10(c)に示すように変動が3分の1ぐらいに圧縮され小さなものとなっている。一方、先に述べたマイクロクラック101による信号の窪み(図10(a)に示す150目盛、160目盛、360目盛付近に存在する)は、波長間演算後の図10(c)においても、大きさが減ることなくそのまま残存している。変動が減り、信号の大きさが変わらない事でマイクロクラック101を検出する場合のS/N比が3倍程度向上しハッキリ見えることが示されている。これが図5と図8の前述のマイクロクラック101の黒線を比較するときに、波長間演算後の図8の方が遙かにハッキリ見えていることに対応している。
図11は、前述した太陽電池セル用基板100内のマイクロクラック(白線と黒線)101と表面の凹凸に基づくノイズ状の変動とが波長に依存して変わる様子をさらに詳しく説明するために、波長数を5波長に増やしたときの反射強度プロファイルである。
波長1070nm、1050nm、970nm、850nm、450nmを用いて、図5と同じ太陽電池セル用基板100の反射像を撮影した後、各波長の画像に対し、図5中の破線部(175列にある縦の線で、高さ100目盛りから250目盛りまでに渡る部分)の反射強度のプロファイルである。図11の横軸は、100目盛りから250目盛りを示し、縦軸は反射強度を自然対数に変換するとともに、線が重ならないように縦方向に少しずつシフトしてある。対数に変換表示した理由は、異なる波長の光源の強度の違いで生じる画像の明るさの違いを規格化するためである。対数の底がe(自然対数)であるから、反射強度のグラフ上の変化がたとえは単位1増えると強度がe倍(2.72倍)に増えていることを意味する。本図のAの一点鎖線で囲んだ部分のプロファイルの窪みは字図5におけるマイクロクラック101の黒線に相当し、波長1070nm、1050nmだけに現れている。この黒線は、太陽電池セル用基板100中を往復出来る波長成分だけに特徴的なものであり、第1波長の性格として太陽電池セル用基板100中での透過性が良いことを示している。逆にCの一点鎖線で囲った部分のプロファイルは、波長1070nm、1050nm、970nm、850nmで上向きの大きなピークとなっていて、図5においてマイクロクラック101が白線で現れていることに対応している。ピークの強さは、太陽電池セル用基板100に対する往復波長の1070nm、1050nm、よりも太陽電池セル用基板100に対する往復能力の無い970nm、850nmの方がむしろ大きいので、白線は太陽電池セル用基板100に対する往復光ではなく太陽電池セル用基板100に少しだけ入ったところからのマイクロクラック101の散乱に起因する事を示している。第2波長の特徴は、太陽電池セル用基板100に対して往復が来なくても、少しだけ入る事の出来る能力を持つ波長であることである。450nmの波長では侵入深さ0.05μmであるのでこの能力はなく、図2に示す侵入深さ1μ相当の700nmあたりまでこの能力を持つと考えられる。
従って第2波長の選択基準は、700nm以上であると共に、太陽電池セル用基板100に対する表裏往復能力が第1波長よりある程度小さく、太陽電池セル用基板100に対する表裏往復能力に両者で差があることである。実施例のように第1波長1070nm、第2波長970nmが好ましい波長であるほか、第2波長は850nmでもよい。また第1波長を1200nmに取れは、太陽電池セル用基板100に対する往復能力が非常に高いので、第2波長に1070nm(その太陽電池セル用基板100に対する往復能力は、図3からみて1200nmの半分程度)を使うことも出来る。即ち、1070nmであっても、透過性のもっと良い第1波長と組み合わせれば、第2波長にも使える相対性がある。
一方、図11のBの一点鎖線で囲った部分のプロファイルは、太陽電池セル用基板100の表面の凸凹に基づく信号であり、5つの波長すべてで同じ相関を示す。ただし、太陽電池セル用基板100に対する表裏往復能力のある1070nmと1050nmの変動の絶対量は、他の3波長の変動の半分ぐらいに小さくなっていて、太陽電池セル用基板100に対する表裏往復光のために変動が押さえられていることを示している。
また、この発明に係る基板検査装置においては、波長が970nmの赤外光の反射画像と、波長が450nmの可視光の反射画像とに基づいて、太陽電池セル用基板100における粒界画像を除去する粒界画像除去処理を実行している。これにより、シリコン製の太陽電池セル用基板100特有の粒界画像を除去することで、マイクロクラック101の検査精度を向上させるとともに、太陽電池セル用基板100の表面にゴミ等が付着していた場合にも、これに対応できるようにしている。
次に、この発明に係る基板検査装置の具体的な構成について説明する。図12は、この発明の第1実施形態に係る基板検査装置の概要図である。
この基板検査装置は、太陽電池セル用基板100の内部に生じたマイクロクラック101を検査するためのものであり、一対のローラ11および無端ベルト12より成る太陽電池セル用基板100の搬送機構1と、この搬送機構1により搬送される太陽電池セル用基板100の上方に配設された積分球14と、この積分球14の内部に光を照射する光源部2と、光源部2から照射され、積分球14および太陽電池セル用基板100で反射された光の像を撮影するためのCCD素子と光学系とを備えるCCDカメラ15とを備える。太陽電池セル用基板100は、搬送機構1により搬送され、光源部2および積分球14の作用によりその表面に照射された光の反射画像を、CCDカメラ15により測定される構成となっている。
図13は、光源部2の斜視図である。
この光源部2は、太陽電池セル用基板100に対する透過性が高い第1波長の赤外光を照射する第1光源21と、第1波長より波長の短いことで太陽電池セル用基板100に対する透過性が異なる第2波長の赤外光を照射する第2光源22と、可視光を照射する第3光源23とが、各々、複数個配設された構成を有する。
第1波長、第2波長、第3波長として選択されるべき範囲は、上述した実験結果に基づいて決定される。ここで、第1波長は、950nm以上であることが好ましい。そして、第2波長は、第1波長より短い波長であるとともに、太陽電池セル用基板100に少なくとも僅かは侵入できる赤外域の波長から選択される。さらに第1波長の反射画像と第2波長の反射画像との差異を大きくするためには、第1波長は1000nm以上で十分長波長であり、第2波長は第1波長の太陽電池セル用基板100に対する往復能力に比べ十分小さい波長であることが望ましい。上述したCCDカメラ15としては、例えば、シリコンCCDを使用することができる。しかしながら、CCDでなくても、シリコンのCMOS検出器でもよい。あるいは、高価格ではあるが、シリコン基板への侵入距離が更に大きい1100nm以上の波長に感度を有するインジウム・ガリウム・ヒ素(InGaAs)検出器を用いることも出来る。一方、シリコンCCDやシリコンCMOS検出器など、シリコンを素材とする検出器は1100nm以上の感度を持たない制約がある。そこで、1100nm以下しか感度を持たない安価なシリコン素材のカメラを利用してマイクロクラック101像を抽出することが可能となるように、1100nm以下の波長だけで十分マイクロクラックが検出出来る第1波長および第2波長の組み合わせが実現できれば価格的に好都合である。以上の点で、第1波長1100nm以下で1000nm以上、第2波長1000nm以下700nm以上の組み合わせが好ましい。
また、第3波長は、好適な反射画像を得るために、例えば、400nm以上600nm以下の波長であることが好ましい。この実施形態においては、先に述べた条件と同様、第1波長としてその波長が1070nmの赤外光を、第2波長としてその波長が970nmの赤外光を、第3波長としてその波長が450nmの可視光を使用しているので、シリコン検出器(CCDまたはCMOS)を用いることができる。
図14は、この発明に係る基板検査装置の主要な制御系を示すブロック図である。
この発明に係る基板検査装置は、装置全体を制御するための制御部40を備える。この制御部40は、上述した第1光源21、第2光源22、第3光源23、CCDカメラ15および太陽電池セル用基板100の搬送機構1と接続されている。また、この制御部40は、後述する波長間演算および画像処理を実行する画像処理部41を備えている。
次に、この基板検査装置により太陽電池セル用基板100の内部に生じたマイクロクラック101を検査する検査工程について説明する。図15は、この発明に係る基板検査装置による太陽電池セル用基板100の検査工程を示すフローチャートである。
検査を実行するときには、最初に、太陽電池セル用基板100を搬入する(ステップS1)。この場合には、図12に示す一対のローラ11および無端ベルト12より成る太陽電池セル用基板100の搬送機構1により、太陽電池セル用基板100を積分球14の開口部の下方の位置に搬送する。
次に、第1光源21を点灯して、太陽電池セル用基板100の表面に波長が1070nmの赤外光を照射する(ステップS2)。そして、太陽電池セル用基板100の表面で反射した赤外光の反射画像をCCDカメラ15により撮影する(ステップS3)。また、第2光源22を点灯して、太陽電池セル用基板100の表面に波長が970nmの赤外光を照射する(ステップS4)。そして、太陽電池セル用基板100の表面で反射した赤外光の反射画像をCCDカメラ15により撮影する(ステップS5)。さらに、第3光源23を点灯して、太陽電池セル用基板100の表面に波長が450nmの可視光を照射する(ステップS6)。そして、太陽電池セル用基板100の表面で反射した可視光の反射画像をCCDカメラ15により撮影する(ステップS7)。
CCDカメラ15により撮影された1070nmの赤外光の反射画像は、画像処理部41にいて前処理される(ステップS8)。また、CCDカメラ15により撮影された970nmの赤外光の反射画像も、画像処理部41において前処理される(ステップS9)。この前処理には、光源照度の相違による反射画像のムラの補正や規格化等を含む。そして、同じ画像処理部41において、1070nmの赤外光の反射画像と970nmの赤外光の反射画像とが波長間演算される(ステップS13)。この波長間演算は、上述したように、970nmの赤外光の反射画像に対して重みづけ計数として0.4を乗算し、この乗算結果を1070nmの赤外光の反射画像から減算する重みづけ差演算である。すなわち、画像処理部41は、画素毎に、波長が970nmの赤外光の反射画像の各画素値に0.4を乗算し、この乗算結果を波長が1070nmの赤外光の反射画像の画素値から減算している。
なお、ここで用いる重みづけ計数が一般的に0.5程度が良いことを、上述した図3を用いて説明する。
図3において、表面反射の想像線として書いた符号Lの線と、基板裏表往復光を含む符号Nの線とを比較した場合、第1波長である1070nmの赤外光では、Nの高さがLの高さの2倍程度であるので、第1波長による画像は、50%程度の表面反射光と50%程度の裏表往復光(NとLの差)で構成されると考えられる(言い換えれば、第1波長では裏表往復光の存在で表面の情報が薄められている)。一方、第2波長である970nmの赤外光においてはNとLとは重なっているから、第2波長による画像は(マイクロクラック等の異物を除けは)100%表面反射だけである。太陽電池セル用基板100表面のノイズ状の凸凹は表面反射光によるから、第1波長の変動と第2波長は相関するが、第1波長は表面情報が全体の50%なので表面の凸凹の変動も50%に押さえられている。従って、第2波長の画像の50%を第1波長から引くことで、表面の凸凹の変動をキャンセル出来ると考えられる。
実際には、符号Lの線は実測できるわけではなく、950nmの接戦から予想した想像線なので、符号Lの線の高さは、もっと小さいかもしれないしもっと大きいかもしれない。当然、第1波長がもっと長いと往復分が増えるから、表面信号寄与は小さくなるはずで、波長の選び方でも変わる。したがって、この重みづけ計数は、0.5前後の値の中で、選択した波長や太陽電池セル用基板100の種類や厚さ等に応じて、実験的、経験的に求められる。
再度図15を参照して、波長間演算後の画像は、画像処理部41において、二次微分後二値化等の画像処理がなされて、太陽電池セル用基板100内に存在するマイクロクラック101の画像の候補を示す画像が作成される(ステップS14)。
ステップS9において画像処理部41により前処理された970nmの赤外光の反射画像から、画像処理部41により太陽電池セル用基板100における粒界を示す粒界情報が抽出される(ステップS10)。この粒界情報は、970nmの赤外光の反射画像における太陽電池セル用基板100の表面の情報から抽出される。一方、CCDカメラ15により撮影された450nmの可視光の反射画像も、画像処理部41にいて前処理される(ステップS11)。そして、前処理後の450nmの可視光の反射画像から、画像処理部41により太陽電池セル用基板100における粒界を示す粒界情報が抽出される(ステップS12)。この粒界情報も、450nmの可視光の反射画像における太陽電池セル用基板100の表面の情報から抽出される。
そして、ステップS10で抽出した粒界情報と、ステップS12で抽出した粒界情報とに基づいて、真の粒界画像を認識し、この粒界画像をステップS14で求めたマイクロクラック101の画像の候補を示す画像から除去する粒界情報除去処理が実行される(ステップS15)。これにより、ステップS14で求めた太陽電池セル用基板100内に存在するマイクロクラック101の画像の候補を示す画像から粒界画像が除去され、マイクロクラック101を示す画像のみが抽出される。なお、このときには、太陽電池セル用基板100の表面に存在するパーティクル等の画像も、マイクロクラック101の画像の候補を示す画像から除去される。
次に、画像処理部41において孤立点除去処理を実行する(ステップS16)。これにより、粒界情報除去処理工程(ステップS15)等において除去できない孤立点をノイズとして除去することができる。そして、孤立点除去処理後の画像を、マイクロクラック101像として認識し(ステップS17)、この画像を記憶および表示することにより処理を終了する。
次に、この発明の他の実施形態について説明する。図16は、この発明の第2実施形態に係る基板検査装置の概要図である。
上述した第1実施形態に係る基板検査装置おいては検出器として2次元検出器を用いている。即ち、第1波長の赤外光と、第2波長の赤外光と、第3波長の可視光との反射画像を利用してマイクロクラック101を2次元検出器を検出している。これに対して、この第2実施形態に係る基板検査装置においては、1次元アレー検出器、即ちリニアーセンサを用いて、第1波長の赤外光と、第2波長の赤外光とを利用してマイクロクラック101を検出する構成を採用している。なお、この第2実施形態においても、第1実施形態に係る基板検査装置と同様、第1波長の赤外光としては、例えば、その波長が1070nmの赤外光を使用することができ、また、第2波長の赤外光としては、例えば、その波長が970nmの赤外光を使用することができる。
この第2実施形態に係る基板検査装置は、一対のローラ11および無端ベルト12より成る第1実施形態と同様の太陽電池セル用基板100の搬送機構1を備え、この搬送機構1による太陽電池セル用基板100の搬送と同期しながら、1次元の各列の反射信号を取得し、2次元画像に変換後マイクロクラック101の検査を実行するものである。
この基板検査装置は、搬送機構1により搬送される太陽電池セル用基板100の上方に配設された円筒状の反射板32と、この反射板32の内部に第1波長の赤外光および第2波長の赤外光を照射する光源部3と、光源部3の光が反射板で拡散照射された太陽電池セル用基板100の反射光の像を、マスク31に形成されたスリットを介して撮影するためのラインセンサと光学系とを備える一対のラインカメラ36、37と、マスク31により形成されたスリットと一対のCCDカメラ36、37との間の光路中に配設されたダイクロイックフィルタ33とを備える。ラインカメラ36の入射面には第1波長選択フィルタ34が配設されており、ラインカメラ37の入射面には第2波長選択フィルタ35が配設されている。
この第2実施形態に係る基板検査装置においては、光源部3から照射されたその波長が1070nmである第1波長の赤外光と、光源部3から照射されたその波長が970nmである第2波長の赤外光とが、一対のマスク31により形成されたスリットを介して、搬送機構1により搬送される太陽電池セル用基板100の表面に2波長を同時に照射される。太陽電池セル用基板100で反射した第1波長の赤外光と第2波長の赤外光とは、マスク31により形成されたスリットおよび反射板32に形成されたスリットを介してダイクロイックフィルタ33に入射する。
第1波長の赤外光はダイクロイックフィルタ33を通過して第1波長選択フィルタ34に入射し、第1波長選択フィルタ34により第1波長の赤外光のみが選択されてCCDカメラ36に入射する。一方、第2波長の赤外光は、ダイクロイックフィルタ33により反射されて第2波長選択フィルタ35に入射し、第2波長選択フィルタ35により第2波長の赤外光のみが選択されてラインカメラ37に入射する。
第1実施形態では太陽電池セル用基板100を静止した状態で画像が取得されるが、第2実施形態では、ラインカメラ36、37による、1ライン毎のデータを太陽電池セル用基板100をラインと直角方向に移動(走査)させながら順次取得し、最終的に太陽電池セル用基板100の走査が終わった時点で、第1波長と第2波長全体の反射画像が得られる。そのあとはラインカメラ36により撮影された第1波長の赤外光の反射画像と、ラインカメラ37により撮影された第2波長の赤外光の反射画像とを、上述した第1実施形態と同様の方法により波長間演算することにより、マイクロクラック101の検査を実行することができる。
なお、この第2実施形態に係る基板検査装置においては、第1波長の赤外光と、第2波長の赤外光とを利用してマイクロクラック101を検出する構成を採用した例を説明している。しかしながら、第1実施形態に係る基板検査装置と同様、第1波長の赤外光と、第2波長の赤外光と、第3波長の可視光との反射画像を利用してマイクロクラック101を検出することも可能である。この場合においては、ダイクロイックフィルタ33とマスク31により形成されたスリットとの間の光路中に、赤外光は透過し可視光は反射するダイクロイックフィルタを追加配設し、このダイクロイックフィルタで反射した可視光の像を、さらに別のラインカメラで観察するようにすればよい。一般に画素数の多い2次元カメラは高価であるのに対し、太陽電池セル用基板100を動かしながら順次ラインデータを取得する手間はいるけれども、ラインカメラの方が安価であるので、高精細画像を目指すときは第2実施形態が有利となる。また、シリコンカメラでなくInGaAsカメラを使う時にも、InGaAs2次元カメラが非常に高価なため、InGaAsラインカメラを利用する第2実施形態が価格的に有利になる。
上述した実施形態においては、いずれも、太陽電池セル用基板100の反射画像のみを利用してマイクロクラック101の検査を実行している。これにより、太陽電池セル用基板100の全域に対して効率的にマイクロクラック101の検査を行うことが可能となる。またこの発明の第1波長、第2波長の反射画像を用いる構成に加えて、太陽電池セル用基板100の裏面側から赤外光を照射した透過赤外光を撮影する従来同様の構成を採用し、第1波長、第2波長の反射画像に透過画像を加えて、マイクロクラック101の検査をより高精度に実行するようにしてもよい。
1 搬送機構
2 光源部
3 光源部
11 ローラ
12 無端ベルト
14 積分球
15 CCDカメラ
21 第1光源
22 第2光源
23 第3光源
31 マスク
32 反射板
33 ダイクロイックフィルタ
34 第1波長選択フィルタ
35 第2波長選択フィルタ
36 ラインカメラ
37 ラインカメラ
40 制御部
41 画像処理部
100 太陽電池セル用基板

Claims (6)

  1. 基板の内部に生じたマイクロクラックを検査する基板検査装置であって、
    前記基板の表面に対して、基板に対する透過性が高い第1波長の赤外光を照射する第1光源と、
    前記基板の表面に対して、前記第1波長より波長が短く、前記第1波長とは透過性が異なる第2波長の赤外光を照射する第2光源と、
    前記基板において反射した第1波長の赤外光の反射像および第2波長の赤外光の反射像を測定するカメラと、
    前記カメラにより測定した第1波長の赤外光の反射像と第2波長の赤外光の反射像とを波長間演算することにより、マイクロクラック像を抽出する画像処理部と、
    を備えたことを特徴とする基板検査装置。
  2. 請求項1に記載の基板検査装置において、
    前記波長間演算は、重みづけ差演算である基板検査装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の基板検査装置において、
    前記第1波長は950nm以上の波長であり、前記第2波長は700nm以上1000nm以下の波長である基板検査装置。
  4. 請求項3に記載の基板検査装置において、
    前記第1波長は1000nm以上1100nm以下の波長であり、前記第2波長は700nm以上1000nm以下である基板検査装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板検査装置において、
    前記基板の表面に対して可視光を照射する第3光源をさらに備え、
    前記画像処理部は、前記カメラにより測定した第2波長の赤外光の反射像と、前記カメラにより測定した可視光の反射像とに基づいて、基板における粒界画像除去処理を行う基板検査装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の基板検査装置において、
    前記基板は、太陽電池セル用基板または太陽電池セルである基板検査装置。
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