JP2014164961A - 電線接続構造体 - Google Patents

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Kengo Mitose
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Abstract

【課題】負圧を減ずることで水の浸入を抑制し、芯線腐食を防止可能な電線接続構造体を提供する。
【解決手段】管状端子11の圧着結合時に該管状端子11の長手方向に形成されるパーティングライン36b上であって、電線13の絶縁部15が剥がされて露出した芯線14と絶縁部15との境界又はこの境界より絶縁部15側に対応する管状端子11の部位に通気孔39を設けることで、充填材等の密封止水手段を用いることなく管状端子11内に生じる負圧を減じて毛細管現象による長手方向の水移動を抑制することが可能になる。
【選択図】図4

Description

本発明は、電気導通を担う部品に関し、より詳しくは、電線と、この電線の端部に接続される管状端子とから構成された電線接続構造体に関する。
従来、芯線を絶縁体で被覆して形成された電線は、絶縁体を剥離して露出させた芯線端部に金属端子が圧着接続される。従来の電線と端子の接続構造では、絶縁体が剥離された芯線端部の表面は剥き出しになっているため、車両等の用途に適用すると、電線が雨水等に晒された場合や高温や高湿の環境下で長時間走行した場合などに、芯線が腐食し易いという問題があった。
例えば、自動車等に使用されるワイヤハーネスでは、近年、自動車の燃費向上を目的として軽量化を図るために、芯線の材料がこれまでの銅系材料からアルミニウムあるいはアルミニウム合金等のアルミ系材料へ置き換えられてきている。
アルミ系材料の芯線を電線に用いて、圧着部の金属端子に銅系材料を用いた場合、電線を構成する金属(アルミ系材料)と金属端子を構成する金属(銅系材料)において電位差が生じる。このとき、電線と端子の接続部に水分等が付着した場合、電線の導体(芯線)は露出しているため、異種金属間腐食が発生し、いずれかの金属の腐食が進行してしまう。アルミ系材料と銅系材料の異種金属間腐食においては、アルミ系材料が腐食により減肉してしまう。そのため電線接続部において、接触不良が生じてしまう恐れがあった。
このような水への対策が施された電線接続構造体として、端子のスリーブ部分の内部に長手方向に水が移動するのを防止する止水手段としてのコンパウンドや防水リングを設けたもの(例えば、特許文献1参照)や、電線の絶縁部の端部を止水剤で塞ぐものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−23367号公報 特開2008−282673号公報
上記の特許文献1、特許文献2のように、電線と端子との間を密封し、外部からの水を遮断したとしても、電線の端子から離れた部分に、例えば、車両のエンジンルーム等の温度上昇部位があると、電線やこの電線の周囲をシールするシール部に膨張が起こり、上記端子側には負圧が生じることがある。負圧が生じると、電線の上記端子とは反対側の他端から上記端子側に、絶縁部、端子間、芯線を構成する複数の素線間、芯線、絶縁部間のわずかな隙間を毛細管現象によって水が伝ってくることがあり、その水が芯線の端子接続部を腐食させるおそれがある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、負圧を減ずることで水の浸入を抑制し、芯線腐食を防止可能な電線接続構造体を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、電線と管状端子とを圧着結合した電線接続構造体において、前記管状端子の圧着結合時に該管状端子の長手方向に形成されるパーティングライン上であって、前記電線の電線絶縁部が剥がされて露出した電線導体と電線絶縁部との境界又はこの境界より前記電線絶縁部側に対応する前記管状端子の部位に、前記管状端子内の負圧を減ずる通気孔を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、管状端子のパーティングライン上に通気孔を設けることで、充填材等の密封止水手段を用いることなく管状端子内に生じる負圧を減じて、管状端子内への毛細管現象によるパーティングラインに沿う水移動を抑制することができ、芯線腐食を防止することができる。
上記構成において、前記管状端子に、内側にエア溜りを有する膨出部を設け、この膨出部に前記通気孔を設けても良い。この構成によれば、エア溜りを設けることで、水をエア溜りに臨ませて蒸発させやすくすることができ、水蒸気として通気孔からの排出を促すことができる。
また、上記構成において、前記管状端子は、板条が筒状に成形され、合わせ目が溶接によって密封構造とされた端子を用いても良い。この構成によれば、密封構造の管状端子であってもその内部に通気孔により負圧を発生しにくくすることができる。
また、上記構成において、前記電線導体は、アルミニウム又はアルミニウム合金製であっても良い。この構成によれば、管状端子が銅などの異種金属であっても、アルミニウム又はアルミニウム合金製の電線導体の腐食を防止しつつ電線接続構造体の軽量化を図ることができる。
また、上記構成において、前記通気孔を覆うように通気性防水材を付加するようにしても良い。この構成によれば、外部から通気孔への水の浸入を防止することができ、芯線腐食をより一層防止することができる。
また、上記構成において、前記通気性防水材は、粘性充填材、粘着テープ状、粘着シート状又は粘着フィルム状であっても良い。この構成によれば、これらの通気性防水材を管状端子に簡単に設けることができる。
また、上記構成において、前記通気性防水材は、PTFE多孔質膜であっても良い。この構成によれば、PTFE多孔質膜は、通気性と共に撥水性も備えるため、外部から通気孔への水の浸入を効果的に防止することができ、芯線腐食をより一層防止することができる。
本発明は、充填材等の密封止水手段を用いることなく管状端子内に生じる負圧を減じて毛細管現象によるパーティングラインに沿う水移動を抑制することができ、芯線腐食を防止することができる。
第1実施形態の電線接続構造体を示す斜視図である。 電線接続構造体の長手方向の要部断面図である。 圧着接合する前の管状端子と電線とを示す斜視図である。 図1のIV−IV線断面図である。 一対のパーティングラインを通る電線接続構造体の長手方向の要部断面図である。 第2実施形態の電線接続構造体の圧着結合部における長手方向の要部断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の電線接続構造体10を示す斜視図である。
図1に示すように、電線接続構造体10は、管状端子11と、この管状端子11に圧着結合された電線13と、管状端子11の環状かしめ部30の端部に巻かれた通気性防水フィルム16とを備える。管状端子11は、雌型端子のボックス部20と管状かしめ部30とを有し、これらの橋渡しとしてトランジション部40を有する。
管状端子11は、導電性と強度を確保するために基本的に金属材料(本実施形態では、銅または銅合金)の基材で製造されている。なお、管状端子11の基材は、銅または銅合金に限るものではなく、アルミニウムや鋼、またはこれらを主成分とする合金等を用いることもできる。
また、管状端子11は、端子としての種々の特性を担保するために、例えば管状端子11の一部あるいは全部にスズ、ニッケル、銀めっきまたは金等のめっき処理が施されていても良い。また、めっきのみならず、スズ等のリフロー処理を施しても良い。
管状端子11のボックス部20は、例えば雄型端子等の挿入タブの挿入を許容する雌型端子のボックス部である。本発明において、このボックス部20の細部の形状は特に限定されない。すなわち、管状端子11は、少なくともトランジション部40を介して管状かしめ部30を備えていれば良く、例えばボックス部を有さなくても良いし、例えばボックス部が雄型端子の挿入タブであっても良い。また、管状かしめ部30に他の形態に係る端子端部が接続された形状であっても良い。本明細書では、本発明の管状端子を説明するために便宜的に雌型ボックスを備えた例を示している。
図2は、電線接続構造体10の長手方向の要部断面図である。
電線13は、例えば、金属または合金からなる素線14aを束ねた芯線14を、絶縁樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル)で構成する絶縁部15で被覆して構成される。芯線14は、所定の断面積となるように、素線14aを撚って構成しているが、この形態に限定されるものではなく単線で構成しても良い。
なお、芯線を構成する金属材料は、高い導電性を有する金属であればよく、アルミニウムまたはアルミニウム合金の他に、銅または銅合金を用いても良い。
管状かしめ部30は、管状端子11と電線13とを圧着接合する部位である。管状かしめ部30の一端は、電線13を挿入することができる電線挿入口31を有し、他端はトランジション部40に接続されている。管状かしめ部30のトランジション部40側は、溶接等の手段によって閉口しており、トランジション部40側から水分等が浸入しないように形成されている。
管状端子11の金属基材(銅または銅合金)と芯線14(アルミニウムまたはアルミニウム合金)との接合部に水分が付着すると、両金属の起電力(イオン化傾向)の差から芯線14が腐食する。また、管状端子11と芯線14とがアルミニウム同士であっても微妙な合金組成の違いによって、それらの接合部は腐食しやすい。
本構成では、管状かしめ部30は、有底の管状に形成されることにより、外部より水分等の浸入が抑制され、管状端子11と電線13との接合部の腐食を抑えることができる。なお、管状かしめ部30は、管状であれば腐食に対して一定の効果を得られるため、必ずしも長手方向に対して円筒である必要はなく、場合によっては楕円や矩形の管であっても良い。また、径が一定である必要はなく、長手方向で半径が変化していても良い。
管状かしめ部30は、例えば、銅または銅合金からなる条材を平面展開した形状に打ち抜き、曲げ加工によって形成される。この場合、ボックス部を一体に設けても良い。
平面状態からの曲げ加工した際に、かしめ部に相当する部位はC字型断面となっているので、開放された両端部を突き合わせて溶接等によって接合することで、管状かしめ部30が形成される。管状かしめ部30の接合は、レーザ溶接が好ましいが、電子ビーム溶接、超音波溶接、抵抗溶接等の溶接法でもかまわない。また、はんだ、ろう等、接続媒体を使っての接合でも良い。また、管状かしめ部30は、上記したC字型断面の両端部を接合する方法に限らず、深絞り工法で形成されても良い。さらに、連続管を切断するとともに一端側を閉塞して、管状かしめ部30を形成しても良い。
管状かしめ部30では、管状かしめ部30を構成する金属基材と電線13とが機械的な圧着接合されることにより、同時に電気的な接合を確保する。かしめ接合は、基材や電線(芯線)の塑性変形によって接合が行われる。従って、管状かしめ部30は、かしめ接合をすることができるように肉厚を設計される必要があるが、人力加工や機械加工等で接合を自由に行うことができるので、特に限定されるものではない。
管状かしめ部30では、芯線14を強圧縮して導通を維持する機能と、絶縁部15を圧縮してシール性を維持する機能とが要求される。被覆圧着縮径部36では、その断面を略正円にかしめ、絶縁部15の全周に渡ってほぼ同等の圧力を与えることにより、全周に渡って均一な弾性反発力を発生させて、シール性を得ることが好ましい。
芯線にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いる場合は、銅及び銅合金を用いる場合と比較すると接触抵抗が高いため、接続に不安がある。このため、管状かしめ部30の内壁面には、電線挿入口31から挿入された芯線14と接触する位置に、電線13の周方向に延びる電線係止溝(不図示)を設け、電線13との接触圧を保つ構成としても良い。
管状端子11と電線13とは管状かしめ部30によって圧着接合されている。本実施形態では、管状かしめ部30は、導体圧着縮径部35および被覆圧着縮径部36を備える。
通常、圧着接合すると、導体圧着縮径部35および被覆圧着縮径部36がそれぞれ塑性変形を起こして、元の径よりも縮径されることで、電線13の芯線先端部14bおよび被覆先端部(圧着部)15aと圧着接合される。
被覆圧着縮径部36は、管状かしめ部30内を外部に連通させる複数の通気孔39(図では一つの通気孔39のみ図示)が形成された部分であり、管状かしめ部30内に発生する負圧を通気孔39により減じることで管状かしめ部30内への水の浸入を抑制するとともに、管状かしめ部30内の水を通気孔39を通じて排出する(蒸発させる)役目をする。
通気孔39は、芯線14の芯線先端部14bと絶縁部15との境界17(一点鎖線で示した部分であり、絶縁部15の端部と一致する。)又は境界17より絶縁部15側に対応する管状端子11の部位に設けられている。
通気性防水フィルム16は、被覆圧着縮径部36の周方向全体に巻かれ、被覆圧着縮径部36に開けられた通気孔39(図3参照)の開口を覆うように貼り付けられている。通気孔39は小径であるため、外部から内側に水が入りにくい構造となっているが、外部から通気孔39への浸水阻止を確実にするために通気性防水フィルム16が設けられている。通気性防水フィルム16としては、粘性充填材、粘着テープ状、粘着シート状又は粘着フィルム状、あるいはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)多孔質膜が好適である。
図3は、圧着接合する前の管状端子11Aと電線13とを示す斜視図である。
圧着接合する前の管状端子11Aは、雌型端子のボックス部20と管状部25とを有し、これらの橋渡しとしてトランジション部40を有する。管状部25は、トランジション部40から次第に大径となる拡径部26と、この拡径部26の縁部から筒状に延びる筒部27とからなる。
拡径部26には、導体圧着縮径部35(図1参照)が形成され、筒部27には、被覆圧着縮径部36(図1参照)が形成される。また、筒部27の側面には通気孔39が開けられている。
管状端子11Aは、一部または全部にスズめっき等の処理が施されている。
電線13の絶縁部15を構成する樹脂材としては、ポリ塩化ビニルであり、このポリ塩化ビニル以外にも、例えば、架橋ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム等を主成分とするハロゲン系樹脂や、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、エチレンプロビレンゴム、珪素ゴム、ポリエステル等を主成分とするハロゲンフリー樹脂が用いられ、これらに可塑剤や難燃剤等の添加剤を含んでいても良い。
図4は、図1のIV−IV線断面図である。
管状端子11と電線13とを圧着する圧着工程では、固定側のアンビル53上にセットした管状端子11に、適切な長さの絶縁部15をストリップした芯線先端部14b(図2参照)を挿入し、上方から可動側のクリンパ54を下降させ、圧力を加えて、管状端子11と電線13とを、かしめる(圧着する)工法が取られる。
アンビル53は上面に凹状の湾曲面53aが形成され、クリンパ54は下面に凹状の湾曲面54aが形成されてアンビル53の全体に上方から嵌るように下降して圧着動作が行われる。圧着後には、被覆圧着縮径部36の内周面36aに一対のパーティングライン36b,36bが出来、これらのパーティングライン36b,36bの近傍では、内周面36aと絶縁部15との間に隙間56,56が出来ることがある。通気孔39は、パーティングライン36b,36b上を通り、外部に開放するように形成される。通気性防水フィルム16は、通気孔39を塞ぐように被覆圧着縮径部36の外周面の周方向全体に貼り付けられる。
図5は、一対のパーティングライン36b,36bを通る電線接続構造体の長手方向の要部断面図である。図5(A)はパーティングライン36b、36bを説明する断面図、図5(B)は通気孔39の作用を示す断面図である。
図5(A)に示すように、被覆圧着縮径部36と絶縁部15の間に形成されたパーティングライン36b,36bは管状端子11の長手方向に沿って延びている。管状端子11と芯線14との間には、端子内空間45が出来ている。
パーティングライン36b,36b上にはそれぞれ通気孔39が設けられているため、管状端子11の被覆圧着縮径部36の内周面36aと電線13の絶縁部15の被覆先端部15aとの隙間や、端子内空間45は、通気孔39,39を介して外部に連通しているので、上記の隙間や端子内空間45内の圧力は、外部とほぼ同じ大気圧に保たれる。従って、通気孔39を設けない場合のような負圧が発生しにくくなり、上記の隙間や端子内空間45に水が引き込まれるのを防止することができる。
更に、図5(B)において、例えば、管状端子11の圧着部、詳しくは、管状端子11の被覆圧着縮径部36の内周面36aのパーティングライン36bと電線13の絶縁部15の被覆先端部15aとの隙間へ矢印A,Aで示すように毛細管現象により浸入した水、あるいは端子内空間45に結露等により生じて矢印B,Bで示すように管状端子11の被覆圧着縮径部36と電線13の被覆先端部15aとの隙間へ浸入した水は、次第に通気孔39を通って、矢印C,Cに示すように外部に蒸発等によって排出される。
このように、管状端子11と電線13との圧着接合部を特別に密封構造にすることなく、管状端子11のパーティングライン36b上に外部に連通する通気孔39を設けることで、管状端子11の内部と外部との温度差や、管状端子11及び電線13に作用する振動等により、管状端子11の内部と外部とに小さな圧力差が発生したり、あるいは、管状端子11及び電線13の温度上昇が作用することがあり、これによって、管状端子11内の空間に存在する水を通気孔39から外部に蒸発等により排出することができる。従って、電線13への水の付着が抑制され、芯線腐食を防止することができる。また、通気孔39は、通気性防水フィルム16で覆われているので、外部から通気孔39に水が入り込みにくくなり、芯線14における水の影響をより一層回避することができる。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態の電線接続構造体60の圧着結合部における長手方向の要部断面図であり、一対のパーティングライン36b,36bを通る断面を示している。第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
電線接続構造体60は、圧着端子61の管状かしめ部30の被覆圧着縮径部36に、半径方向外側に膨出する環状の膨出部37と、この膨出部37の内側に形成された周方向に連通する環状のエア溜り部38と、このエア溜り部38を外部に連通させる複数の通気孔39とを備え、これらの通気孔39を塞ぐように膨出部37及び被覆圧着縮径部36の外周面に通気性防水フィルム63が貼り付けられている。
通気孔39を設けることにより、管状端子11内に発生する負圧を減じることで管状端子11内への水の浸入、特にパーティングライン36bに沿う水の浸入を抑制するとともに、管状端子11内の水分を通気孔39を通じて外部に排出する役目をする。従って、特に止水手段を設けることなく、管状端子11と共に芯線14への水の接触を抑制して、芯線14の腐食を防止することができる。環状のエア溜り部38を設けることで、パーティングライン36b上だけでなく、周方向の各部から水を集めることができ、水を外部に排出しやすくすることができる。
通気孔39は、小径であるため、外部から内側に水が入りにくい構造となっているが、外部から通気孔39への浸水阻止を確実にするために、通気孔39を塞ぐように膨出部37及び被覆圧着縮径部36の外周面に通気性防水フィルム16を貼り付けている。この通気性防水フィルム16により、通気孔39からの水分の蒸発を許容しながら、外部から通気孔39内への水分の浸入を防ぐ。通気性防水フィルム16は粘着フィルム状であるが、この他に通気性防水材としては、粘性充填材、粘着テープ状、又は粘着シート状、あるいはPTFE多孔質膜が好適である。
以上の図1〜図4に示したように、電線13と管状端子11とを圧着結合した電線接続構造体10において、管状端子11の圧着結合時に該管状端子11の長手方向に形成されるパーティングライン36b上であって、電線13の絶縁部15(電線絶縁部)が剥がされて露出した芯線14(電線導体)と絶縁部15との境界17又はこの境界17より絶縁部15側に対応する管状端子11の部位に、管状端子11内の負圧を減ずる通気孔39を設けた。
この構成によれば、管状端子11に通気孔39を設けることで、充填材等の密封止水手段を用いることなく管状端子11内に生じる負圧を減じて、管状端子11内への毛細管現象によるパーティングライン36bに沿う水移動を抑制することができ、芯線腐食を防止することができる。
また、管状端子11に、内側にエア溜りとしてのエア溜り部38を有する膨出部37を設け、この膨出部37に通気孔39を設けたので、水をエア溜り部38に溜めて蒸発させやすくすることができ、水蒸気として通気孔39からの排出を促すことができる。
また、管状端子11は、板条を筒状に成形し、合わせ目を溶接により密封構造とした端子を用いたので、密封構造の管状端子11であってもその内部に通気孔39により負圧を発生しにくくすることができる。
また、管状端子11に挿入・圧着される芯線14は、アルミニウム又はアルミニウム合金製である場合、管状端子11が銅などの異種金属であっても、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯線14の腐食を防止しつつ電線13、ひいては電線接続構造体10の軽量化を図ることができ、更には電線接続構造体10を備える車両の軽量化を図ることができる。
また、通気孔39を覆うように通気性防水材としての通気性防水フィルム16を付加するので、通気性防水フィルム16によって、外部から通気孔39への水の浸入を防止することができ、芯線腐食をより一層防止することができる。
また、通気性防水材は、粘性充填材、粘着テープ状、粘着シート状又は粘着フィルム状であるので、粘性充填剤を管状端子11の通気孔39内に充填したり、粘着テープ状、粘着シート状又は粘着フィルム状の通気性防水材を管状端子11の外周面に貼り付けたりするのを簡単に行うことができ、作業性を向上させることができる。
また、通気性防水材は、PTFE多孔質膜であるので、通気性と共に撥水性も備えるPTFE多孔質膜によって、外部から通気孔39への水の浸入を効果的に防止することができ、芯線腐食をより一層防止することができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態において、図4に示したように、パーティングライン36b上に通気孔39を設けたが、管状端子11の被覆圧着縮径部36に外方に膨出する膨出部を設け、この膨出部の内側にパーティングライン36bに臨むエア溜りを形成し、このエア溜りと外部とを連通するように被覆圧着縮径部36に通気孔を設けても良い。これにより、管状端子11内において、エア溜りに移動した水を通気孔を通じて外部に蒸発等により排出することができる。
本発明は、自動車のワイヤハーネスに適用可能であるが、これに限らず、他の車両の配線や、車両以外の装置等の配線に適用しても良い。
10,60 電線接続構造体
11,11A,61 管状端子
17 境界
13 電線
14 芯線(電線導体)
15 絶縁部(電線絶縁部)
16,63 通気性防水フィルム(通気性防水材)
17 境界
36b パーティングライン
37 膨出部
38 エア溜り部(エア溜り)
39 通気孔

Claims (7)

  1. 電線と管状端子とを圧着結合した電線接続構造体において、
    前記管状端子の圧着結合時に該管状端子の長手方向に形成されるパーティングライン上であって、前記電線の電線絶縁部が剥がされて露出した電線導体と電線絶縁部との境界又はこの境界より前記電線絶縁部側に対応する前記管状端子の部位に、前記管状端子内の負圧を減ずる通気孔を設けたことを特徴とする電線接続構造体。
  2. 前記管状端子に、内側にエア溜まりを有する膨出部を設け、この膨出部に前記通気孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電線接続構造体。
  3. 前記管状端子は、板条が筒状に成形され、合わせ目が溶接によって密封構造とされた端子を用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電線接続構造体。
  4. 前記電線導体は、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電線接続構造体。
  5. 前記通気孔を覆うように通気性防水材を付加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電線接続構造体。
  6. 前記通気性防水材は、粘性充填材、粘着テープ状、粘着シート状又は粘着フィルム状であることを特徴とする請求項5に記載の電線接続構造体。
  7. 前記通気性防水材は、PTFE多孔質膜であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電線接続構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017022048A (ja) * 2015-07-14 2017-01-26 古河電気工業株式会社 端子付き電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネス
JP2017062951A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 矢崎総業株式会社 電池配索用電線及びワイヤーハーネス
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JP2020108333A (ja) * 2020-01-20 2020-07-09 住友電装株式会社 グロメット及びワイヤハーネス
CN115116684A (zh) * 2022-08-31 2022-09-27 国网山西省电力公司长治供电公司 一种底座具有散潮功能的避雷器

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