JP2014164175A - 照明装置、及びプロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】スペックルを効果的に低減できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置(2b)は、光源装置(7)と、光源装置からの光が入射する重畳光学系(10)と、光源装置から射出された光の重畳光学系への入射位置を時間的に変化させる光路シフト装置(9)と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、照明装置、及びプロジェクターに関する。
従来から、表示装置の一つとしてプロジェクターが知られている(例えば、特許文献1参照)。プロジェクターは、例えば、照明装置からの光を光変調装置で変調することで画像を形成し、この画像を投写レンズなどでスクリーンに投写する。
照明装置の光源には、各種光源が用いられ、可干渉性を有する光(コヒーレント光)を発するコヒーレント光源が用いられることもある。コヒーレント光源は、レーザダイオード(LD)、スーパールミネッセンスダイオード(SLD)などを用いた固体光源、短アークのランプ光源などである。例えば、レーザー光源を用いたプロジェクターは、レーザー光源の波長域が狭いために色再現範囲を十分に広くすることができ、小型化や構成部品の削減も可能である。
ところで、コヒーレント光源を用いたプロジェクターにより表示を行うと、画像を観察する観察者に、いわゆるスペックルが認識されることがある。スペックルは、光の干渉により明点と暗点が縞模様あるいは斑模様に分布するパターンであり、観察者に対してぎらつき感を与え、画像鑑賞時に不快感を与えることがある。そのため、スペックルを認識されにくくする(以下、スペックルを「低減する」という)技術の案出が期待される。
スペックルを低減する技術の一つとして、特許文献1には、投写レンズの瞳面上に形成されるスポットを、この瞳面上で光軸周りに回転させる技術が提案されている。特許文献1の技術によれば、スクリーン上の各点に入射する光線の角度分布が時間的に変化し、スペックのパターンが時間的に変化することになる。結果として、観察者にはスペックルが時間的に重畳(積分)されて観察され、スペックルが低減される。
特開2009−216843号公報
上述の技術には、スペックルを効果的に低減する上で、改善の余地がある。例えば、瞳面上で瞳像を移動させる手法では、瞳像自体のパターンは変化しないのでスペックルを十分に低減できない。また、投写レンズの有効瞳(有効径)を大きくしなければならないため、投写レンズの大型化、高コスト化を招く。本発明は、スペックルを効果的に低減できる照明装置、及びプロジェクターを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様の照明装置は、光源装置と、光源装置からの光が入射する重畳光学系と、光源装置から射出された光の重畳光学系への入射位置を時間的に変化させる光路シフト装置と、を備える。
この照明装置は、被照明領域上の各点に入射する光の角度分布が時間的に変化する。そのため、スペックルのパターンが時間的に変化し、スペックルのパターンが視認されにくくなる。
第1の態様の照明装置において、光路シフト装置は、光源装置からの光を透過させ、重畳光学系の光軸の方向と交差する回転軸の周りに回転する第1プリズムを備えていてもよい。
この照明装置は、第1プリズムの回転に伴って光源装置と均一化光学系との間の光路が変化するので、スペックルのパターンが視認されにくくなる。
第1の態様の照明装置において、第1プリズムは、光源装置からの光が入射する第1面と、第1面に平行な第2面とを有していてもよい。
この照明装置は、第1面に入射する際の光の光路と第2面から射出される際の光の光路とがほぼ平行になる。
第1の態様の照明装置において、第1プリズムは、その回転軸に直交する断面形状が正方形であってもよい。
この照明装置において、第1プリズムの各面に入射する際の光の光路と各面から射出される際の光の光路とがほぼ平行になる。また、この照明装置は、第1プリズムの断面形状が正方形であるので、この正方形の中心を通る軸周りでプリズムを回転させることで、回転に伴う振動の発生を抑制できる。
第1の態様の照明装置において、第1プリズムは、その回転軸に直交する断面形状が長方形であってもよい。
この照明装置において、第1プリズムの各面に入射する際の光の光路と各面から射出される際の光の光路とがほぼ平行になる。また、この照明装置は、第1プリズムの断面形状の長方形の長辺を含む面に光が入射する状態と、短辺を含む面に光が入射する状態とで光路の変化が異なる。そのため、この照明装置は、被照明領域の各点に入射する際の光の角度分布のバリエーションを増やすことができ、スペックルを格段に低減できる。
第1の態様の照明装置において、第1プリズムの回転速度は、毎秒6回転以上であってもよい。
第1プリズムの断面形状が正方形または長方形である場合に、光源装置からの光は、第1プリズムが1回転する間に4つの面のいずれかに入射する。そのため、この照明装置は、被照明領域に入射する光の角度分布が1/24秒以下の期間に切り替わることになり、スペックルを格段に低減できる。
第1の態様の照明装置において、光路シフト装置は、第1プリズムからの光を透過させ、重畳光学系の光軸の方向と交差する回転軸の周りに回転する第2プリズムを備えていてもよい。
この照明装置において、光路シフト装置による光路のシフト量は、第1プリズムの回転角および第2プリズムの回転角に応じて変化する。そのため、この照明装置は、光路のバリエーションを増やすことができ、被照明領域の各点に入射する際の光の角度分布のバリエーションを増やすことができるので、スペックルを格段に低減できる。
第1の態様の照明装置において、第2プリズムの回転軸は、第1プリズムの回転軸の方向と交差していてもよい。
この照明装置は、第1プリズムの回転による光路のシフト方向と第2プリズムの回転による光路のシフト方向が異なるので、被照明領域の各点に入射する際の光の角度分布のバリエーションを増やすことができ、スペックルを格段に低減できる。
第1の態様の照明装置において、光源装置は、入射位置が変化する方向に対して交差する方向に配列された複数の光源を含んでいてもよい。
この照明装置において、光源装置から射出される光は、複数の光源の配列方向に分布することになる。この照明装置は、光源装置から射出される光が分布する方向と交差する方向に光路を変化させるので、被照明領域の各点に入射する際の光の角度分布の変化量を増すことができ、スペックルを格段に低減できる。
第1の態様の照明装置は、第1の期間において、複数の光源のうち第1の光源の発光量が複数の光源のうち他の光源の発光量と異なり、第2の期間において、複数の光源のうち第2の光源の発光量が第1の期間における第2の光源の発光量と異なるように、光源装置を制御する光源制御装置を備えていてもよい。
この照明装置は、光源装置から射出される光のパターンが第1の期間と第2の期間とで変化するので、被照明領域の各点に入射する際の光の角度分布のバリエーションを増すことができ、スペックルを格段に低減できる。
第1の態様の照明装置において、光源制御装置は、複数の光源のうち互いに隣り合う光源の発光量のそれぞれをともに減少または増加させてもよい。
この照明装置は、被照明領域の各点に入射する際の光の角度分布の変化量を増すことができ、スペックルを格段に低減できる。
第1の態様の照明装置において、光源制御装置は、複数の光源のうち互いに隣り合う光源の、一方の光源の発光量を減少させる際に、互いに隣り合う光源の他方の光源の発光量を増加させてもよい。
この照明装置は、スペックルを低減できるとともに、一方の光源の発光量の減少分を他方の光源の発光量の増加分で補うことができ、光源装置から射出される光の光量の変化を抑制できる。
第1の態様の照明装置において、重畳光学系は、光路シフト装置からの光が入射する複数のレンズ要素を含むレンズアレイと、複数のレンズ要素のそれぞれからの光を被照明領域上で互いに重畳させる重畳レンズと、を含んでいてもよい。
この照明装置は、光路シフト装置からの光をレンズアレイの複数のレンズ要素に空間的に振り分けるとともに、レンズ要素からの光を被照明領域にて重畳するので、被照明領域の照度分布を均一化できる。
第1の態様の照明装置において、重畳光学系は、光が入射する入射端面、及び該入射端面から入射した光が射出される射出端面を有する光学ロッドと、光学ロッドの射出端面と被照明領域とを光学的に共役にするリレー系と、を含んでいてもよい。
この照明装置は、光学ロッドの射出端面での照度分布が均一化され、この射出端面と被照明領域とが光学的に共役になるので、被照明領域での照度分布が均一化される。
本発明の第2の態様のプロジェクターは、第1の態様の照明装置の照明装置と、照明装置からの光により画像を形成する画像形成系と、画像形成系が形成した画像を投写する投写系と、を備える。
このプロジェクターは、画像の観察者にスペックルが視認されにくいので、画像を高品位で表現できる。
本発明の第2の態様のプロジェクターにおいて、画像形成系は、被照明領域に配列される複数の画素のそれぞれに設けられた第1のマイクロレンズと、第1のマイクロレンズとともにアフォーカル光学系を構成する第2のマイクロレンズとを含んでいてもよい。
このプロジェクターは、画像を示す光の角度分布が画像形成系で変化することが抑制されるので、画像が投写される投写面上の各点に入射する光の角度分布を高精度に制御でき、スペックルを効果的に低減できる。
第1実施形態のプロジェクターを示す図である。 照明装置、画像形成装置、色合成系、及び投写系を示す図である。 フレネル回折式中のパラメータの定義を説明するための図である。 開口関数を時間的に変化させる原理を説明するための図である。 光路シフト装置による光路の変化を説明するための図である。 第1変形例の光路シフト装置の第1プリズムを示す図である。 第1プリズムの回転に伴う光路の変化を示す図である。 第2変形例による照明装置を示す図である。 第3変形例による照明装置を示す図である。 第4変形例による照明装置を示す図である。 第5変形例による照明装置の光源装置を示す図である。 レーザー光源の制御の一例を示すタイミングチャートである。 点灯パターンと発光パターンの時間的な変化を説明するための図である。 複数のレーザー光源の一部を消灯したときの瞳像の変化を示す図である。 画像形成装置の一例を示す図である。 画像形成装置の他の例を示す図である。 画像形成装置の他の例を示す図である。 画像形成装置の他の例を示す図である。 第2実施形態の照明装置および画像形成系を示す図である。 光学ロッドを示す図である。 光学ロッドおよびリレー光学系を示す図である。 光学ロッドの入射端面に形成される光源像のパターンの一例を示す図である。 光源像のパターンに対応して形成される瞳像を示す図である。
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。ここでは、まず、本実施形態のプロジェクターの概略を説明し、次いで照明装置などのプロジェクターの各部の詳細について説明する。
図1は、第1実施形態のプロジェクター1を示す図である。プロジェクター1は、DVDプレイヤー、PCなどの信号源から供給される画像データに従って画像を形成し、形成した画像をスクリーンや壁などの投写面SC(表示画面)に投写する。
プロジェクター1は、照明系2と、照明系2からの照明光により画像を形成する画像形成系3と、画像形成系3が形成した画像を投写する投写系4と、プロジェクター1の各部を制御する制御系5とを備える。本実施形態のプロジェクター1は、いわゆる3板式のプロジェクターであり、赤緑青の各色の画像を個別に形成し、形成した3色の画像を色合成系6によって合成することで、フルカラーの画像を表現可能である。
照明系2は、赤色の照明光を射出する照明装置2aと、緑色の照明光を射出する照明装置2bと、青色の照明光を射出する照明装置2cとを含む。これら照明装置は、いずれも同様の構成であり、それぞれ光源装置7及び照明光学系8を含む。
画像形成系3は、赤色の画像を形成する画像形成装置3aと、緑色の画像を形成する画像形成装置3bと、青色の画像を形成する画像形成装置3cとを含む。照明系2の各色用の照明装置と画像形成装置とは、1対1で対応している。
各画像形成装置は、対応する各照明装置からの照明光により各色の画像を形成し、各色の画像に応じた画像光を射出する。例えば、赤色用の画像形成装置3aは、赤色用の照明装置2aからの照明光(赤色光)により、赤色の画像を形成する。画像形成装置3aは、画像に応じた光(画像光)を射出する。赤以外の色用の画像形成装置についても、赤色用の画像形成装置3aと同様に、形成した各色の画像に応じた各色の画像光を射出する。
画像形成系3から射出された各色の画像光は、色合成系6に入射する。色合成系6は、例えばダイクロイックプリズムであり、入射光の波長に応じて入射光を反射又は透過させる2つの波長分離膜を含む。1つの波長分離膜は、赤色光と緑色光とを透過させるとともに青色光を反射させる特性である。もう一つの波長分離膜は、緑色光と青色光とを透過させるとともに赤色光を反射させる特性である。
画像形成系3から色合成系6に入射した各色光は、波長分離膜での反射または透過により、進行方向が揃って色合成系6から出射する。色合成系6から出射した画像光は、投写系4に入射する。投写系4は、いわゆる投写レンズであり、画像形成系3が形成した画像を投写面SCに拡大投写する。
次に、プロジェクター1の各部について、より詳しく説明する。本実施形態において、各色用の照明装置はいずれも同様の構成であり、各色用の画像形成装置はいずれも同様の構成である。そのため、緑色の画像に対応するシステムの構成を代表的に説明し、他色の画像に対応するシステムの説明を簡略化あるいは省略することがある。
図2は、照明装置2b、画像形成装置3b、色合成系6、及び投写系4を示す図である。照明装置2bは、画像形成装置3bにおける複数の画素が配列された領域を、ケーラー照明法などによりほぼ均一な明るさで照明する。照明装置2bは、被照明領域IRの各点に入射する光の角度分布を時間的に変化させることで、スペックルが視認されることを抑制できる。
照明装置2bは、光源装置7、及び照明光学系8を備える。照明光学系8は、光源装置7からの光の照度分布を被照明領域IR(画像形成装置3b)において均一化しつつ、被照明領域IR上の各点に入射する光の角度分布を時間的に変化させる。
光源装置7は、例えば、レーザー光源を含み、可干渉性を有する光として緑色のレーザー光を発する。
照明光学系8は、光路シフト装置9および重畳光学系10を含む。本実施形態において、重畳光学系10は、フライアイレンズ13、フライアイレンズ14、及び重畳レンズ15を含む。光源装置7から射出された光は、光路シフト装置9を介して、重畳光学系10に含まれているフライアイレンズ13に入射する。光路シフト装置9は、光源装置7から射出された光のフライアイレンズ13への入射位置を時間的に変化させる。光路シフト装置9の詳細については、後述する。重畳光学系10は、光路シフト装置9を経由した光が入射する位置に配置され、被照明領域IRでの照度分布を均一化する。また、重畳光学系10は、重畳光学系10の互いに異なる位置に入射した光を、被照明領域IR上の各点で互いに重畳させる。
フライアイレンズ13は、所定面に二次元的に配列された複数のレンズ要素13aを含む。複数のレンズ要素13aが配列される所定面は、光源装置7において光が射出される光射出領域7aを含む面とほぼ平行である。複数のレンズ要素13aが配列される所定面の法線方向を重畳光学系10の光軸15aとする。
複数のレンズ要素13aのそれぞれは、光源装置7の光射出領域7aを含む面と光学的に共役な面(以下、第1共役面16という)を形成する。換言すると、レンズ要素13aのそれぞれは、第1共役面16上に光源像(二次光源)を形成する。
フライアイレンズ14は、二次元的に配列された複数のレンズ要素14aを含む。レンズ要素14aが配列される面は、フライアイレンズ13が形成する第1共役面16の位置またはその近傍に配置される。フライアイレンズ14のレンズ要素14aのそれぞれには光源像が形成され、フライアイレンズ14(第1共役面16)には複数の光源像を含む発光パターンが形成される。
重畳レンズ15は、フライアイレンズ14のレンズ要素14aのそれぞれから射出された光を、ほぼ同一の領域(被照明領域IR)に重畳する。重畳レンズ15は、例えば、球面レンズや非球面レンズのような所定軸周りで回転対称な1または2以上のレンズを含む。この所定軸は、重畳レンズ15の光軸(照明光学系8の光軸)に相当し、光源装置7の光射出領域7a、フライアイレンズ13が形成する第1共役面16に対してほぼ垂直である。
本実施形態においては、フライアイレンズ14と重畳レンズ15との間の光路に、偏光変換素子11が設けられている。この偏光変換素子11は、画像形成装置3bに入射する光の偏光状態がほぼ直線偏光になるように、フライアイレンズ14から入射した光の偏光状態を変換する。また、本実施形態においては、重畳レンズ15と被照明領域IRとの間の光路中には、フィールドレンズ19が設けられている。
以上のような構成の照明光学系8は、光源装置7から射出されて光路シフト装置9を経由した光を、フライアイレンズ13のレンズ要素13aごとに複数の部分光束に分割する。照明光学系8は、フライアイレンズ13によって分割された複数の部分光束を、重畳レンズ15によって被照明領域IR上にて重畳する。そのため、被照明領域IR上での照度分布が均一化される。
図2の画像形成装置3bは、例えば透過型の液晶ライトバルブであり、複数の画素を有する液晶パネル17と、液晶パネル17の入射側(光源装置7側)に配置された偏光板18aと、液晶パネル17の射出側(投写系4側)に配置された偏光板18bとを含む。偏光板18aの入射側における被照明領域IRの近傍には、フィールドレンズ19が配置されている。
入射側の偏光板18aは、液晶パネル17において複数の画素が配列される面(以下、画素配置面という)に平行な第1方向の直線偏光を通し、第1方向に直交する第2方向の直線偏光を遮光(吸収)する。液晶パネル17は、画像制御装置20によって制御され、各画素に入射した光の偏光状態を画素ごとに変化させる(変調する)。画像制御装置20は、例えば図1に示した制御系5の一部である。
射出側の偏光板18bは、例えば、その透過軸が入射側の偏光板18aの透過軸と直交するように配置される。画像制御装置20は、画像データに基づいて液晶パネル17を制御して、各画素を通った光の偏光状態を制御することにより、偏光板18aと液晶パネル17と偏光板18bの透過率を画素ごとに制御する。このようにして、画像形成装置3bは、画像データに規定された画像を形成する。
図1を参照して説明したように、画像形成装置3bから出射した画像光は、色合成系6を介して投写系4に入射する。投写系4は、画像形成装置3b(物体面)と光学的に共役な像面を形成し、この像面に配置される投写面SC上には、画像形成装置3bが形成した画像が投写される。
投写系4には、照明光の源になる光源像(フライアイレンズ14)と光学的に共役な第2共役面21が形成される。第2共役面21は、いわゆる瞳面であり、第2共役面21には、画像形成装置3bから射出された光の角度分布に応じたパターンのスポット(瞳像、角度像などとも呼ばれる)が形成される。
ところで、可干渉性を有する光を照明に用いて画像を形成する場合には、例えば投写面SCを経由した画像光の干渉により、明点と暗点が縞模様あるいは斑模様に分布するパターン(スペックル)が視認されることがある。スペックルが画像の観察者に視認されると、観察者にぎらつき感を与えることがあり、画像表示の品位が低下することがある。
スペックルを視認されにくくする方式の一つに、スクリーン上のスペックルのパターンを時間的に変化させる時間多重方式が挙げられる。この方式では、観察者が視認できないほどの周波数(例えば、24Hz以上)でスペックルのパターンを変化させることで、時間積分されたスペックルのコントラストが低下し、観察者には特定の明暗のパターンが視認されにくい。例えば、無相関のパターンが1/24秒以下の間にN回切り替わるとスペックルのコントラストは、1/√Nに低下する。
ここで、図3および下記の式(1)を参照しつつ、スペックルのパターンについて説明する。図3は、フレネル回折式(下記の式(1))中のパラメータの定義を説明するための図である。
Figure 2014164175
図3において、符号x、yは第2共役面21(投写系4の瞳面)上の座標を示し、符号x’、y’は投写面SC(スクリーン)上の座標を示す。ここでは、説明の便宜上、第2共役面21および投写面SCがXY平面(図2参照)と平行であるものとする。XY平面は光軸15aと直交する平面である。図3中の符号Rは、第2共役面21から投写面SCまでの距離を示す。
下記の式(1)は、いわゆるフレネル回折式であり、左辺のu(x’,y’)は投写面SC上の振幅分布、右辺のAは振幅、iは虚数単位、kは波数(伝播定数)、λは画像光の波長、f(x,y)は開口関数である。スペックルのパターンは、投写面SC上の振幅分布u(x’,y’)と対応関係があることから、開口関数f(x,y)に応じて変化すると類推される。本実施形態の照明装置は、第2共役面21上での明暗のパターンを示す開口関数f(x,y)を時間的に変化させることにより、スペックルのパターンを変化させ、スペックルを低減できる。
図4は、開口関数f(x,y)を時間的に変化させる原理を説明するための図である。図4において、符号13a1および符号13a2は、それぞれ、フライアイレンズ13の複数のレンズ要素13aから任意に選択される1つのレンズ要素を示す。同様に、符号14a1および符号14a2は、それぞれ、フライアイレンズ14の複数のレンズ要素14aから任意に選択される1つのレンズ要素を示す。
レンズ要素13a1から射出された光(以下、部分光束Laという)は、レンズ要素14a1を通って、被照明領域IRの全体に照射される。レンズ要素13a2から射出された光(以下、部分光束Lbという)は、レンズ要素14a2を通って、被照明領域IRの全体に照射される。
ここで、部分光束Laの光量と部分光束Lbの光量の和が一定である状態においては、部分光束Laの光量と部分光束Lbの光量が変化した場合であっても、被照明領域IRでの明るさが変化しない。一方で、被照明領域IR上の各点に入射する光の角度分布は、被照明領域IRに対するレンズ要素14a1の相対位置と、被照明領域IRに対するレンズ要素14a2の相対位置とが異なるので、部分光束Laと部分光束Lbの光量の変化に応じて変化する。
すなわち、フライアイレンズ13に入射する際の光のパターン(光強度の空間分布)が時間的に変化することで、フライアイレンズ14に形成される光源像のパターンが時間的に変化し、この光源像と光学的に共役な第2共役面21(投写系4の瞳面)上での瞳像のパターンすなわち開口関数f(x,y)が時間的に変化する。
本実施形態の照明系2(照明装置2b)は、光源装置7とフライアイレンズ13(重畳光学系10)との間の光路上に光路シフト装置9を備える。光路シフト装置9は、光源装置7から射出された光のフライアイレンズ13(重畳光学系10)への入射位置を時間的に変化させる。これにより、フライアイレンズ13に入射する光のパターンが時間的に変化し、結果として開口関数f(x,y)が時間的に変化する。
次に、光路シフト装置9について詳しく説明する。図2に示すように、光路シフト装置9は、重畳光学系10の光軸15aの方向と交差する回転軸50の周りに回転する第1プリズム51を備える。第1プリズム51は、光軸15aに垂直な回転軸50の周りで回転可能に設けられており、電動モーターなどの駆動部52から供給されるトルクによって回転する。
第1プリズム51は、光源装置7からの光が入射する位置に配置されており、光源装置7からの光を透過させる。第1プリズム51は、光源装置からの光が入射する第1面51aと、第1面に平行な第2面51bとを有する。本実施形態において、第1プリズム51は、回転軸50に直交する断面形状が正方形状であり、第1面51aに垂直な第3面51cおよび第4面51dを有する。第3面51cと第4面51dは、互いに平行である。回転軸50は、例えば、第1プリズム51の回転軸50に直交する断面(正方形)の中心(重心)を通る軸である。
図5は、光路シフト装置9による光路の変化を説明するための図である。図5において、第1プリズム51の回転角は、光源装置7からの光が第1面51aの法線方向から第1面51aに入射する回転位置を基準位置(0°)とした場合の、基準位置からの第1プリズム51の回転位置を示す。
図5において、回転角が0°の状態において第1面51aに入射した光は、第1プリズム51の内部を通って第2面51bから射出される。回転角が0度の状態においては、第1面51aへ入射する光が第1面51aおよび第2面51bで屈折しないので、第1面51aへの入射側の光路(以下、入射側光路Lx1という)と第2面51bからの射出側の光路(以下、射出側光路Lx2という)とは、同軸である。
光源装置7からの光は、回転角が所定の角度以下(例えば、15°)の状態において、そのほとんどが第1面51aに入射する。第1面51aに入射した光は、第1面51aと第2面51bとで屈折して、第2面51bから射出される。本実施形態において、第1面51aと第2面51bは互いに平行であるので、入射側光路Lx1と射出側光路Lx2は、互いに平行である。また光軸15a(Z軸方向)の方向と交差する方向(ここではX軸方向)の位置が互いにずれている。つまり、射出側光路Lx2は入射側光路Lx1からX軸方向にシフトしている。
入射側光路Lx1と射出側光路Lx2とのシフト量(以下、光路シフト量dという)は、第1プリズム51の屈折率と、第1面51aと第2面51bとの間隔と、第1プリズム51の回転角によって定まる。換言すると、光路シフト量は、第1プリズム51の回転角に応じて変化し、第1プリズム51の回転角が時間的に変化することで光路シフト量dも時間的に変化する。
回転角が所定の角度以上(例えば、30°)になると、光源装置7からの光は、第1面51aと第3面51cとに入射するようになる。光源装置7からの光のうち第1面51aに入射した光(以下、第1部分光Baという)は、第1面51aおよび第2面51bで屈折して、その射出側光路が第1部分光Baの入射側光路に対してX軸方向にシフトする。光源装置7からの光のうち第3面51cに入射した光(以下、第2部分光Bbという)は、第3面51cおよび第4面51dで屈折して、その射出側光路が第2部分光Bbの入射側光路に対してX軸方向にシフトする。第1部分光Baの射出側光路と第2部分光Bbの射出側光路は、X軸方向の位置が互いにずれており、ここでは互いに重複しない光路である。
回転角が所定の角度よりも大きくなるにつれて、第1面51aに入射する光の光量(光源装置7からの光に対する第1部分光Baの割合)が減少するとともに、第3面51cに入射する光の光量(光源装置7からの光に対する第2部分光Bbの割合)が増加する。ここでは、回転角が45°になると、光源装置7からの光の約半分が第1面51aに入射し、残りの約半分が第3面51cに入射する。回転角が約45°である状態において、第1部分光Baの射出側光路と第2部分光Bbの射出側光路は、第1プリズム51の回転軸50と光の進行方向を含む面に関して、対称的になる。
また、第1部分光Baの射出側光路と第2部分光Bbの射出側光路は、回転角が45°から90°まで変化する間に、回転角が0°から45°まで変化する間の光路の変化の態様とYZ面に関して対称的に変化する。例えば、回転角が60°(45°+15°)である状態の第1部分光Baの射出側光路は、30°(45°−15°)である状態の第1部分光Baの射出側光路に対し、YZ面に関して対称的になる。回転角が90°になると、光源装置7からの光が第3面51cに対して法線方向から入射するようになり、回転角が0°の状態と同じ状態になる。このようにして、光路シフト装置9は、光源装置7から射出された光のフライアイレンズ13(重畳光学系10)への入射位置を時間的に変化させる。
光路シフト装置9は、回転角が90°変化する間に、回転角が0°から90°まで変化するときと同様に光源装置7から射出された光のフライアイレンズ13(重畳光学系10)への入射位置を変化させる。第1プリズム51が1回転する間に4周期分の入射位置の変化を行う。そのため、第1プリズム51の回転速度を毎秒6回転以上にすると、入射位置が1秒間に24回以上(1周期が1/24秒以下)変化し、被照明領域IRの各点に入射する光の角度分布が1/24秒以下の周期で変化する。その結果、スペックルのパターンが、人間が識別できる速度以上(周期が1/24秒以下)で変化し、観察者に固定のパターンとして視認されにくくなる。
以上のような構成の本実施形態の照明装置2bは、光路シフト装置9により、重畳光学系10に入射する光の位置すなわち照射パターンを時間的に変化させるので、瞳像のパターン(開口関数f(x,y))を時間的に変化させることができ、スペックルを効果的に低減できる。また、この照明装置2bを備えるプロジェクター1は、画像の観察者にスペックルが視認されにくいので、画像の表示品質の低下を抑制できる。
また、プロジェクター1は、投写系4の外部の装置(照明装置2b)により瞳像のパターンを時間的に変化させるので、投写される光の角度分布を調整する装置を投写系4に設ける場合と比較して、投写系4の大型化、高コスト化などを避けることができる。また、プロジェクター1は、投写面SCの瞳面上で固定のパターンの瞳像を移動させる方式と比較して、投写系4の瞳面の有効径を広げる必要性が低いので、投写系4の大型化、高コスト化などを避けることができる。
次に、照明装置2bの変形例について説明する。
[第1変形例]
図6は、第1変形例の光路シフト装置9の第1プリズム51を示す図である。本変形例において、第1プリズム51は、その回転軸に直交する断面形状が長方形であり、断面形状の長辺の長さが短辺の長さと異なる。第1プリズム51は、断面形状の長方形のうちの長辺を含む第1面51aおよび第2面51bと、断面形状の長方形のうちの短辺を含む第3面51cおよび第4面51dとを有する。第1面51aと第2面51bとの間隔は、断面形状の短辺の長さに相当し、第3面51cと第4面51dとの間隔は、断面形状の長辺の長さに相当する。
第1プリズム51の入射側光路と射出側光路との光路シフト量は、第1プリズム51において光が入射してくる面と、この面に入射した光が第1プリズム51から射出される面との間隔に応じた量である。そのため、長辺を含む第1面51aに入射する光の光路シフト量d1は、短辺を含む第3面51cに入射する光の光路シフト量d2と異なる。
図7は、第1プリズム51の回転に伴う光路の変化を示す図である。図7(a)には、第1プリズム51の回転軸に直交する断面形状が正方形である場合の光路変化を示し、図7(b)には、第1プリズム51の回転軸に直交する断面形状が長方形である場合の光路変化を示した。
図7(a)に示すように、第1プリズム51の断面形状が正方形である場合の光路変化は、回転角が0°から45°まで変化する間の態様(第1態様)と、回転角が45°から90まで変化する間の態様(第2態様)を含み、第1態様と第2態様は、前述したようにYZ面に平行な面に関して対称的である。
図7(b)に示すように、第1プリズム51の断面形状が長方形である場合の光路変化は、回転角が0°から45°まで変化する間の態様と、回転角が45°から90まで変化する間の態様とが、YZ面に平行な面に関して非対称的である。そのため、断面形状が正方形である場合よりも光路変化のバリエーションが多様になり、被照明領域IRの各点に入射する光の角度分布の変化のバリエーションが多様になる。その結果、スペックルのパターンの変化のバリエーションが多様になり、スペックルを効果的に低減できる。
なお、第1プリズム51の回転軸50(図2参照)に直交する面における第1プリズム51の断面形状は、矩形でなくてもよい。第1プリズム51として互いに平行な面を有するものを用いる場合には、断面形状が矩形のプリズムの他に平行四辺形、ひし形、台形、六角形、八角形などの多角形のプリズム、また、多角形の角を丸めた形状のプリズムなどを用いることができる。また、第1プリズム51として互いに平行な面を有していなくてもよく、第1プリズム51の形状は、第1プリズム51からの光を重畳光学系10がのみこめるように適宜変更できる。
[第2変形例]
図8は、第2変形例による照明装置2bを示す図である。この照明装置2bにおいて、光路シフト装置9は、第1プリズム51からの光が入射する位置に配置された第2プリズム53を備える。
第2プリズム53は、光軸15aの方向と交差する回転軸54の周りで回転可能なように設けられている。第2プリズム53は、電動モータ等の駆動部から供給されるトルクによって、回転軸54の周りに回転する。本変形例において、第2プリズム53の回転軸54は、第1プリズム51の回転軸50とほぼ平行である。回転軸54は、例えば、回転軸54に直交する断面での第2プリズム53の形状の中心(重心)を通るように設定される。回転軸54に直交する面での第2プリズム53の断面形状は、本変形例においては正方形であるが、第1変形例で説明したような長方形でもよいし、矩形以外の形状でもよい。
第2プリズム53は、第1プリズム51からの光を透過させる。第2プリズム53は、第1プリズム51と同様の原理により、第1プリズム51と重畳光学系10との間の光路を時間的に変化させる。本変形例において、重畳光学系10に入射する光の入射位置が変化(シフト)する方向は、光軸15a(Z軸方向)に垂直、かつ第1プリズム51の回転軸50(Y軸方向)に垂直な方向(X軸方向)である。
本変形例において、第2プリズム53を介して重畳光学系10に入射する際の光の光路は、第1プリズム51の回転角および第2プリズム53の回転角に応じて変化する。そのため、本変形例の照明装置2bは、光路変化のバリエーションが多様になり、被照明領域IRの各点に入射する光の角度分布の変化のバリエーションが多様になる。結果として、スペックルのパターンの変化のバリエーションが多様になり、スペックルを効果的に低減できる。
なお、第2プリズム53の回転角は、重畳光学系10に入射する光の入射位置が時間的に変化するように、適宜設定される。例えば、第2プリズム53の回転角は、第1プリズム51の回転角と常に同じでもよい。例えば、第2プリズム53は、図5と同様の定義の回転角が第1プリズム51の回転角と同じ状態から、第1プリズム51と同じ回転速度で回転すると、第1プリズム51と回転角が常に同じになる。
また、第2プリズム53の回転角は、回転中の一部で第1プリズム51の回転角と異なっていてもよい。例えば、第2プリズム53は、回転角が第1プリズム51の回転角と同じ状態から、第1プリズム51と異なる回転速度で回転すると、回転中の一部で第1プリズム51と回転角が異なることになる。
また、第2プリズム53の回転角は、回転中に常に第1プリズム51の回転角と異なっていてもよい。例えば、第2プリズム53は、回転角が第1プリズム51の回転角と異なる状態から、第1プリズム51と同じ回転速度で回転すると、回転中に常に第1プリズム51と回転角が異なることになる。
[第3変形例]
図9は、第3変形例による照明装置2bを示す図である。この照明装置2bにおいて、光路シフト装置9の第2プリズム53の回転軸54が、重畳光学系10の光軸15aの方向と第1プリズム51の回転軸50の方向と交差する。
本変形例において、第1プリズム51の回転によって光路がシフトする方向はX軸方向であり、第2プリズム53の回転によって光路がシフトする方向はY軸方向である。すなわち、本変形例の照明装置2bは、重畳光学系10に入射する光の入射位置を2方向に変化させることができる。そのため、本変形例の照明装置2bは、光路変化のバリエーションが多様になり、被照明領域IRの各点に入射する光の角度分布の変化のバリエーションが多様になる。結果として、スペックルのパターンの変化のバリエーションが多様になり、スペックルを効果的に低減できる。
なお、上述の実施形態、変形例においては、光路シフト装置9のプリズムが回転軸周りの正方向と逆方向のうち一方の方向に回転する例を説明したが、光路シフト装置9のプリズムは、正方向と逆方向の双方に回転する態様でもよい。
[第4変形例]
図10は、第4変形例による照明装置2bを示す図である。この照明装置2bにおいて、光路シフト装置9は、光源装置7からの光が入射するミラー55と、ミラー55で反射した光を重畳光学系10に導くミラー56と、ミラー55を移動する移動部57とを備える。
ミラー55は、光源装置7の光の射出方向15bに対して、非垂直に傾いている。ミラー56は、光軸15aに対して、非垂直に傾いている。ミラー55とミラー56は、例えば、互いにほぼ平行になるように配置される。移動部57は、ミラー55を、ミラー55に垂直な面内の方向に沿って移動させる。例えば、移動部57によるミラー55の移動方向は、光源装置7の光の射出方向に垂直な方向である。
本変形例において、光源装置7からの光は、移動部57によるミラー55の移動に伴ってミラー55上の入射位置が時間的に変化し、ミラー56上での入射位置が時間的に変化する。そのため、このような光路シフト装置9によっても、重畳光学系10に入射する光の入射位置を光軸15aの方向と交差する方向に時間的に変化させることができる。
なお、ミラー55の移動方向は、光源装置7の光の射出方向と平行であってもよいし、交差していてもよい。また、光路シフト装置9は、ミラー55を移動させる代わりにミラー56を移動させる構成でもよいし、ミラー55およびミラー56を移動させる構成でもよい。ミラー55およびミラー56の双方を移動させる場合に、各ミラーの移動速度と、双方のミラーの相対位置は、重畳光学系10に入射する光の入射位置が変化するように適宜設定できる。また、ミラー55とミラー56は、互いに平行でなくてもよい。光路シフト装置9は、ミラー55とミラー56の一方または双方を回転させることで光路をシフトする構成でもよく、ミラーの回転および併進移動の双方により光路をシフトする構成でもよい。
[第5変形例]
図11は、第5変形例による照明装置2bの光源装置7を示す図である。光源装置7は、可干渉性の光を射出する複数の光射出領域を有し、光射出領域のそれぞれから射出される光の光量(以下、セル光量という)を調整可能である。光源装置7は、いわゆるレーザー光源アレイであり、複数のレーザー光源60を含む。光源装置7において、複数の光射出領域のそれぞれは、各レーザー光源60の光射出口に相当する。
光源装置7において、複数のレーザー光源60は、二次元的に配列されている。しかし、少なくとも、光路が変化する方向(X軸方向)に対して交差する方向(Y軸方向)に複数の光が並ぶように複数のレーザー光源60を配置すればよい。本変形例においては、複数のレーザー光源60は、少なくともY軸方向に配列されており、Y軸方向に並ぶ複数のレーザー光源60からの光線は、光路シフト装置9から射出される際にY軸方向に並んでいる。
レーザー光源60は、供給電力に応じた光量のレーザー光を発する固体光源である。そのため、光源装置7は、各レーザー光源60への供給電力を調整することで、各光射出領域から射出される光の光量(セル光量)を調整可能である。
なお、セル光量は0を含む概念であり、例えばレーザー光源60に電力が供給されずにレーザー光源が消灯している状態では、セル光量は0である。すなわち、セル光量は、レーザー光源60の点灯と消灯を切替えることで調整でき、またレーザー光源60を点灯させたまま発光量を減らすことでも調整できる。
光源装置7の各レーザー光源60への供給電力は、光源制御装置61によって制御される。光源制御装置61は、本変形例において照明装置2bの一部であり、例えば光源装置7の一部である。光源制御装置61は、各レーザー光源60への供給電力を制御することにより、各レーザー光源60(光射出領域)の発光量(すなわちセル光量)を制御する。例えば、光源制御装置61は、レーザー光源60への電力供給を開始させることで、このレーザー光源60を消灯から点灯に切り替える。また、光源制御装置61は、レーザー光源60への電力供給を停止させることで、レーザー光源60を点灯から消灯へ切り替える。
また、光源制御装置61は、レーザー光源60の点灯時に、レーザー光源60への供給電力を増減させることで、このレーザー光源60の発光量を増減させる。レーザー光源60がパルス駆動である場合に、供給電力を増減させる手法としては、レーザー光源60へ供給される電流値(パルス振幅)を増減させる手法(例えば振幅変調)と、レーザー光源60へ電流が供給される時間(パルス幅)を増減させる手法(パルス幅変調)の一方または双方を用いてもよい。
図12は、光源制御装置61によるレーザー光源60の制御の一例を示すタイミングチャートである。図12において、第1〜第3のレーザー光源は、それぞれ、複数のレーザー光源60から任意に選択され、例えばY軸方向に並ぶ3つのレーザー光源である。図12において、横軸はレーザー光源が駆動されている間の時刻、縦軸はレーザー光源に供給される電力(電流値)のレベルを示す。符号PHは供給電力のハイレベル、符号PLは供給電力のローレベルを示す。例えば、レベルPHは、レーザー光源が所定の光量を発光する供給電力であり、レベルPLはレーザー光源が発光しない供給電力(端的には0)である。レベルPLは、レベルPHよりも少ない光量をレーザー光源が発光する供給電力でもよい。
光源制御装置61は、時刻t0からt1までの期間T1(第1の期間)において、第1のレーザー光源への供給電力をレベルPLに維持することで、第1のレーザー光源を消灯状態に維持する。また、光源制御装置61は、期間T1において、第2のレーザー光源及び第3のレーザー光源への供給電力をレベルPHに維持することで、第2のレーザー光源及び第3のレーザー光源を点灯状態に維持する。
光源制御装置61は、時刻t1に、第1のレーザー光源への供給電力をレベルPHに切り替えることで第1のレーザー光源を点灯させ、かつ第2のレーザー光源への供給電力をレベルPLに切り替えることで第2のレーザー光源を消灯させる。光源制御装置61は、時刻t1からt2までの期間T2(第2の期間)において、第1のレーザー光源及び第3のレーザー光源を点灯状態に維持し、第2のレーザー光源を消灯状態に維持する。同様に、光源制御装置61は、時刻t2から時刻t3までの期間T3(第3の期間)において、第1のレーザー光源及び第2のレーザー光源を点灯状態に維持し、第3のレーザー光源を消灯状態に維持する。
以上のように、光源制御装置61は、複数のレーザー光源60のうち点灯状態にあるレーザー光源60の組み合わせ(以下、点灯パターンという)が期間T1と期間T2とで変わるように、レーザー光源60を制御する。換言すると、光源制御装置61は、光源装置7から射出される光の空間分布(発光パターン)が期間T1と期間T2とで変わるように、レーザー光源60を制御する。期間T1と期間T2のそれぞれの長さは、例えば、人間が画像の変化を知覚できる時間以下に設定され、1/24秒以下であってもよいし、1/30秒以下であってもよい。
図13は、光源装置7の点灯パターンと発光パターンの時間的な変化を説明するための図である。図13(b)は、レーザー光源アレイの発光パターンを模式的に表した図である。図13(a)に示す点灯パターンにおいて複数のレーザー光源60が全点灯しており、この状態に対応する図13(b)の発光パターンLP1は、明部LP2で占められている。図13(c)に示す点灯パターンにおいて、一部のレーザー光源(符号60aで示す)が消灯しているとともに残りのレーザー光源(符号60bで示す)が点灯しており、この状態に対応する図13(d)の発光パターンLP3は、全点灯時の発光パターンLP1と比較して、明部LP2よりも暗い暗部LP4を含むパターンになっている。このように、光源制御装置61は、光源装置7の点灯パターンを時間的に変化させる。
発光パターンが時間的に変化すると、光源装置7から射出された光の重畳光学系10への入射位置が時間的に変化し、フライアイレンズ14と光学的に共役な第2共役面21(投写系4の瞳面)における光の強度分布(瞳像)が時間的に変化する。
図14は、複数のレーザー光源60の一部を消灯したときの第2共役面21における明るさ分布(瞳像)の変化の一例を示す図である。図14(a)は複数のレーザー光源60をすべて点灯した状態に対応し、図14(b)は複数のレーザー光源60の一部を消灯した状態に対応する。第2共役面21(投写系4の瞳面)は、光源像(フライアイレンズ14)と光学的に共役であるので、第2共役面21における明るさ分布(スポットの分布)は、フライアイレンズ14における明るさの分布と対応関係がある。
複数のレーザー光源60をすべて点灯させた状態において、フライアイレンズ14のレンズ要素14aのそれぞれには、光源像が形成される。複数のレーザー光源60の一部を消灯させた状態においては、消灯させたレーザー光源60に由来する光源像が形成されないことになり、第2共役面21に暗部LP4ができる。このように、照明装置2bは、複数のレーザー光源60のうち少なくとも1つを選択して点灯と消灯とを切り替え、選択するレーザー光源60を時間経過とともに変えていくことで、瞳像を効果的に時間的に変化させることができる。
本変形例の照明装置2bは、光路シフト装置9により重畳光学系10へ入射する光の入射位置を時間的に変化させるだけでなく、光源制御装置61により光源装置7の発光パターンを時間的に変化させることによっても重畳光学系10へ入射する光の入射位置を時間的に変化させる。そのため、照明装置2bは、瞳像の変化のバリエーションを増やすことができ、スペックルを効果的に低減できる。
例えば、光路シフト装置9は、重畳光学系10へ入射する光の入射位置をX軸方向に時間的に変化させ、光源制御装置は、Y軸方向に並ぶレーザー光源60のうち点灯しているレーザー光源60の組み合わせを時間的に変化させる。これにより、瞳像のパターンは、X軸方向とY軸方向のそれぞれに変化することになるので、照明装置2bは、スペックルを効果的に低減できる。
なお、光源制御装置61は、複数のレーザー光源60のうち点灯状態にあるレーザー光源60の数が期間T1と期間T2とで同じになるように、光源装置7を制御する。これにより、光源装置7から射出される光量が期間T1と期間T2とでほぼ同じになり、照明装置2bは、被照明領域IR(画像形成系3)を期間T1と期間T2とでほぼ同じ明るさで照明する。
なお、光源装置7から光が射出される期間の各時刻に消灯状態に維持されるレーザー光源60の数は、1つでもよいし、2以上でもよい。また、点灯状態にあるレーザー光源60の数を期間T1と期間T2とで同じにする代わりに、光源装置7から射出される光の光量が期間T1と期間T2とでほぼ同じになるように、点灯させるレーザー光源60の発光量を調整してもよい。また、照明装置2bは、例えばダイナミックレンジを広げるために、光源装置7から射出される光の光量を期間T1と期間T2とで異ならせてもよい。
なお、複数のレーザー光源60のうち、各期間に点灯状態に維持されるレーザー光源60の組み合わせ(点灯パターン)は、適宜、変更できる。例えば、光源制御装置61は、互いに隣接する少なくとも2つのレーザー光源のそれぞれへの供給電力を、ともに減少または増加させてもよい。すなわち、光源制御装置61は、二次元的に配列された複数のレーザー光源60のうち、行方向に並ぶ2以上のレーザー光源60を一括して消灯状態にしてもよいし、列方向に並ぶ2以上のレーザー光源60を一括して消灯状態にしてもよい。これにより、瞳像のパターンの変化量を増すことができるので、照明装置2bは、スペックルを効果的に低減できる。
なお、光源制御装置61は、複数のレーザー光源60の少なくとも1部への供給電力を、複数のレーザー光源60のうちで相対的に小さくするとともに、供給電力が相対的に小さいレーザー光源60に隣接するレーザー光源60への供給電力を、複数のレーザー光源60のうちで相対的に大きくしてもよい。このような照明装置2bは、供給電力を減少させたレーザー光源60の発光量の減少分を、供給電力を増加させたレーザー光源60の発光量の増加分で補うことができる。また、供給電力を減少させたレーザー光源60は発熱量が減少し、このレーザー光源60に隣り合うレーザー光源60の供給電力を増加させるので、供給電力を増加させるレーザー光源60の放熱性を確保することができる。
なお、図12の例では、第1の期間(期間T1)と第2の期間(期間T2)は、重複していないが、第1の期間と第2の期間は、一部が重複し、かつ他の一部が重複しなくてもよい。この場合には、第1の期間のうち第2の期間に重複しない期間と、第1の期間のうち第2の期間に重複する期間と、第2の期間のうち第1の期間に重複しない期間とで、点灯パターンが異なることになり、第1の期間の開始から第2の期間の終了までの間に点灯パターンを3種類に変化させることができる。
[第6変形例]
上記の実施形態では、画像形成装置3bとして透過型の液晶ライトバルブを用いている。透過型の液晶ライトバルブでは、画素Pの周辺部を覆う遮光層(ブラックマトリクス)が設けられている。遮光層の開口部が画素Pに対応する。遮光層は照明光の一部を遮光するために、照明光の利用効率が低下する。そのため、透過型の液晶ライトバルブにおいては、画素ごとにマイクロレンズを設ける場合がある。しかし、マイクロレンズの屈折力が大きい場合、本発明によるスペックル低減効果が低減される場合がある。そこで、本変形例では、画像形成装置3bがアフォーカル光学系を備えることで、スペックル低減効果の低減を抑えている。
本変形例による画像形成装置3bの構成について説明する。図15は、画像形成装置3bの一例を示す図である。画像形成装置3bは、アフォーカル光学系30を備え、このアフォーカル光学系30は、第1のマイクロレンズ31aおよび第2のマイクロレンズ31bを含む。本例において、第1のマイクロレンズ31aと第2のマイクロレンズ31bは、同じ光学部材上に設けられたレンズアレイであり、この光学部材は、液晶層32の入射側に配置されている。
本例のアフォーカル光学系30は、いわゆるケプラー式であり、第1のマイクロレンズ31aおよび第2のマイクロレンズ31bは、それぞれ正のパワー(屈折力)を有する凸レンズである。第1のマイクロレンズ31aは、画素Pごとに、液晶層32に対する照明光の入射側に設けられている。第2のマイクロレンズ31bは、第1のマイクロレンズ31aの焦点位置と液晶層32との間に配置されている。
画像形成装置3bは、画素Pの周辺部を覆う遮光層33(ブラックマトリクス)を備え、アフォーカル光学系30は、各画素Pに入射してくる光束が遮光層33の開口部に収まるように、ビーム径を縮小する。そのため、画像形成装置3bでは、遮光層33での光のロスが少なくなり、光の利用効率が高くなる。
また、アフォーカル光学系30は、各画素Pへ入射する光束を平行光束にするので、画像形成装置3bを通る光の角度分布に及ぼす画像形成装置3bの影響を減らすことができる。そのため、照明装置2bが時間的に変化させる光の角度分布を、第2共役面21上での瞳像に反映させやすくなり、スペックルを視認されにくくする効果を高めることができる。
図16〜図18は、それぞれ、画像形成装置3bの他の例を示す図である。図16に示す画像形成装置3bにおいて、アフォーカル光学系30は、いわゆるガリレオ式であり、第1のマイクロレンズ31aが正のパワーを有する凸レンズであり、第2のマイクロレンズ31bが負のパワーを有する凹レンズである。ガリレオ式のアフォーカル光学系30は、ケプラー式よりも光路長を短くできる。
図17に示す画像形成装置3bにおいて、アフォーカル光学系30は、ケプラー式であり、第1のマイクロレンズ31aと第2のマイクロレンズ31bがいずれも正のパワーを有する凸レンズである。本例において、第1のマイクロレンズ31aと第2のマイクロレンズ31bは、それぞれ、別の光学部材に設けられたレンズアレイである。第1のマイクロレンズ31aは、液晶層32に対する入射側に配置されており、その焦点位置が例えば液晶層32の内部に配置される。第2のマイクロレンズ31bは、液晶層32に対する光の射出側に配置されている。
ケプラー式のアフォーカル光学系30を用いる場合に、本例のように、第1のマイクロレンズ31aと第2のマイクロレンズ31bとの間の光路を液晶層32の配置スペースに利用することで、例えば画像形成装置3bを薄型にできる。また、ケプラー式のアフォーカル光学系30は、ガリレオ式と比較して、遮光層33の開口を通る際の光のビーム径を絞りやすいので、遮光層33での光のロスを減らしやすい。
図18に示す画像形成装置3bにおいて、アフォーカル光学系30は、ガリレオ式であり、第1のマイクロレンズ31aが正のパワーを有する凸レンズ、第2のマイクロレンズ31bが負のパワーを有する凹レンズである。第1のマイクロレンズ31aは、液晶層32の入射側に配置されており、第2のマイクロレンズ31bは、液晶層32の射出側に配置されている。このような画像形成装置3bは、例えばケプラー式と比較して、格段に薄型にできる。
本変形例の照明装置2bは、重畳光学系10に入射する光の入射位置を光路シフト装置9により時間的に変化させるので、瞳像のパターンを時間的に変化させることができ、スペックルを効果的に低減できる。また、この照明装置2bを備えるプロジェクター1は、画像の観察者にスペックルが視認されにくいので、画像の表示品質の低下を抑制できる。
また、本変形例のプロジェクター1は、投写系4の外部の装置(照明装置2b)により瞳像のパターンを時間的に変化させるので、投写系4の大型化、高コスト化などを避けることができる。また、プロジェクター1は、投写面SCの瞳面上で固定のパターンの瞳像を移動させる方式と比較して、投写系4の瞳面の有効径を広げる必要性が低いので、投写系4の大型化、高コスト化などを避けることができる。
また、本変形例の画像形成装置3bはアフォーカル光学系30を備えているので、画像形成装置3bを通る光の角度分布に及ぼす画像形成装置3bの影響を減らすことができる。そのため、照明装置2bが時間的に変化させる光の角度分布を、第2共役面21上での瞳像に反映させやすくなり、スペックルを視認されにくくする効果をさらに高めることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。図19は、第2実施形態の照明装置2bおよび画像形成系3(画像形成装置3b)を示す図である。光路シフト装置9は、第1実施形態で説明した光路シフト装置と同じ構成を備えている。この照明装置2bは、重畳光学系10bの構成が第1実施形態と異なっている。本実施形態において、重畳光学系10は、インプットレンズ35と光学ロッド36、及びリレー光学系37を含む。
光路シフト装置9からの光はインプットレンズ35に入射する。インプットレンズ35は、光路シフト装置9からの光を、光学ロッド36の入射端面36aに収まるように集光する。インプットレンズ35は、例えば所定軸に関して軸対称なレンズを含む。
図20は、光学ロッド36を示す図である。光学ロッド36は、いわゆるロッドインテグレータ(ロッドレンズ)などである。光学ロッド36の中心軸を重畳光学系10の光軸8aとする。光学ロッド36は光軸8aに平行な方向に延びる四角柱状の光学部材である。光学ロッド36は、入射端面36a、内面36b、及び射出端面36cを有する。入射端面36aと射出端面36cは、互いにほぼ平行であり、それぞれ光軸8aとほぼ直交する。内面36bは、入射端面36aと射出端面36cとを結ぶ4つの側面の内面であり、光軸8aとほぼ平行である。
入射端面36aは、例えば、インプットレンズ35により光源像が形成される位置又はその近傍に配置される。入射端面36aには、光源装置7から射出された光がインプットレンズ35(図19参照)を介して入射する。入射端面36aに入射する際の光の角度分布は、光路シフト装置9により時間的に変化する光路に応じた分布になる。
例えば、光学ロッド36の入射端面36aに入射する光のうち相対的に広がり角が大きい成分(広角成分)は、光軸8aから相対的に遠い光路を通った光に相当する。また、光学ロッド36の入射端面36aに入射する光のうち相対的に広がり角が小さい成分(望遠成分)は、光軸8aから相対的に近い光路を通った光に相当する。
光学ロッド36の入射端面36aに入射した光は、内面36bでの多重反射により射出端面36cに導かれる。内面36bでの光の反射回数は、角度成分ごとに異なっており、広角成分の反射回数は望遠成分の反射回数よりも多い。光学ロッド36の射出端面36cには、内面36bでの反射回数が0回の光束と、図20に示すような反射回数が1回の光束Lb、反射回数が2回の光束Lcなどの反射回数が互いに異なる複数の光束が重畳され、これにより射出端面36cでの照度分布が均一化される。
図21は、光学ロッド36およびリレー光学系37を示す図である。リレー光学系37は、光学ロッド36の射出端面36cと光学的に共役な面(被照明領域IR)を形成する。光源装置7からの光の照度分布は、光学ロッド36の射出端面36cで均一化されるので、射出端面36cと共役な被照明領域IRにおいても均一化される。このように、重畳光学系10は、光源装置7の複数の光射出領域(レーザー光源60)からの光束を被照明領域IRで互いに重畳することで、被照明領域IRにおける照度分布を均一にする。
ところで、リレー光学系37には、インプットレンズ35により形成される光源像と共役な第3共役面38(いわゆる瞳面)が形成される。この第3共役面38は、図2に示した投写系4の第2共役面21とも光学的に共役である。照明装置2bは、重畳光学系10に入射する際の光路を光路シフト装置9により時間的に変化させることで、第3共役面38におけるスポットのパターンを時間的に変化させ、投写系4の第2共役面21における瞳像のパターンを時間的に変化させる。
図22は、光学ロッド36の入射端面36aに形成される光源像のパターンLP5の一例を示す図である。図23は、図22の光源像のパターンに対応して第3共役面38に形成されるスポットのパターンLP5(瞳像)を示す図である。図22において、符号40a〜40dは、それぞれ、光路シフト装置9を介して互いに異なる光路を通った光のスポットを示す。
図20に示したように、光学ロッド36の射出端面36cの各点には、内面36bでの反射回数が異なる複数の光束が入射する。そのため、光学ロッド36の射出側から観察すると、入射端面36aを含む面上に、光源像の実像Im1と複数の虚像Im2とが配列されているように見える。本例において、第3共役面38は、入射端面36aとほぼ共役な関係にあるので、第3共役面38上には、図23に示すような実像Im1に対応するパターン41aと虚像Im2に対応する複数のパターン41bとが配列される。パターン41aとパターン41bは、光学ロッド36の内面36bに相当する境界線42に関して線対称なパターン(鏡像、反転像)である。
ここで、第3共役面38上でスポット40aと共役な領域43aは、互いに交差する境界線42aおよび境界線42bの近傍に配置されるものとする。境界線42aに関して領域43aと対称な領域43b、境界線42bに関して領域43bと対称な領域43c、境界線42aに関して領域43cと対称な領域43dは、それぞれ、スポット40aと共役な領域である。また、境界線42cに関して領域43aと対称な領域43e、境界線42dに関して領域43eと対称な領域43f、境界線42cに関して領域43fと対称な43gも、それぞれ、光射出領域40aと共役な領域である。そのため、スポット40aの明るさが変化すると、多数の領域(図23の例では9個の領域)の明るさが一括して変化することになる。従って、第3共役面38上の光源像のパターンの変化が大きくなる。
本実施形態の照明装置2bは、光路シフト装置9により光路を時間的に変化させるので、インプットレンズ35(重畳光学系10)への光の入射位置が時間的に変化する。これにより、観察者にスペックルが視認されにくくなる。また、光路シフト装置9が時間的に変化させる光路の1つに対応する光源像(例えばスポット40a)は、第3共役面38上の複数の領域と対応関係になるので、光路シフト装置9による光路の変化に比べて、第3共役面38上の瞳像のパターンの変化を大きくすることができ、スペックルを効果的に低減できる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、上記の実施形態で説明した要件の少なくとも1つは、省略されることある。
なお、上述の実施形態においては、画像形成装置ごとに照明装置が設けられているが、複数の画像形成装置に対して1つの照明装置が設けられていてもよい。例えば、照明装置は、複数の色光を含む光(端的には白色光)から各色光を分離し、各色光を各色用の画像形成装置に導く構成でもよい。白色光を発生させる光源装置としては、例えば、赤色のレーザー光を発するレーザー光源と、緑色のレーザー光を発するレーザー光源と、青色のレーザー光を発するレーザー光源とを備え、各色のレーザー光をダイクロイックプリズムまたはダイクロイックミラーで合成する構成でよい。また、白色光を発生させる光源装置は、発光ダイオードなどの固体光源、メタルハライドランプなどの短アークのランプ光源などを含むものでものでもよい。
なお、重畳光学系10の少なくとも一部は、光源装置7の一部として設けられていてもよい。例えば、図2に示した照明装置2bにおいて、光源装置7は、フライアイレンズ13およびフライアイレンズ14を含む光学ユニットであってもよい。この場合に、光源装置7は、レーザー光源60の発光量を調整することにより、フライアイレンズ14のレンズ要素14aのそれぞれから射出される光の光量を調整可能である。そのため、この光源装置7は、フライアイレンズ14のレンズ要素14aのそれぞれが光射出領域に相当する。
なお、上記の実施形態において、プロジェクター1は、三板式の透過型液晶を備えたプロジェクターであるが、各色の画像を時間順次で投写し、各色の画像が時間的に積分されて観察されることでフルカラーの画像が表現される形態でもよい。プロジェクター1が表示する画像の色数に限定はなく、単色の画像を表示するものでもよいし、3色(3チャンネル)の色光でフルカラー画像を表現する代わりに2または4以上の色光で画像を表示するものでもよい。
なお、画像形成装置に用いられる光変調器は、透過型の液晶装置の他に、反射型の液晶装置、デジタルミラーデバイス等であってもよい。光変調器は、HTPS(High Temperature Poly−Silicon)技術、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)技術などによるライトバルブでもよく、図16〜図18に示したような遮光膜33(ブラックマトリックス)を備えていなくてもよい。光変調器として液晶装置以外の光変調器を使用する場合は、フィールドレンズ19を省略してもよい。
1 プロジェクター、2a〜2c 照明装置、3a〜3c 画像形成装置、4 投写系、7 光源装置、9 光路シフト装置、10 重畳光学系、13〜14 フライアイレンズ、15 重畳レンズ、36 光学ロッド、37 リレー光学系、50 回転軸、51 第1プリズム、53 第2プリズム、54 回転軸、IR 被照明領域、SC 投写面

Claims (16)

  1. 光源装置と、
    前記光源装置からの光が入射する重畳光学系と、
    前記光源装置から射出された光の前記重畳光学系への入射位置を時間的に変化させる光路シフト装置と、を備える照明装置。
  2. 前記光路シフト装置は、
    前記光源装置からの光を透過させ、前記重畳光学系の光軸の方向と交差する回転軸の周りに回転する第1プリズムを備える
    請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記第1プリズムは、前記光源装置からの光が入射する第1面と、前記第1面に平行な第2面とを有する
    請求項2記載の照明装置。
  4. 前記第1プリズムは、その回転軸に直交する断面形状が正方形である
    請求項3記載の照明装置。
  5. 前記第1プリズムは、その回転軸に直交する断面形状が長方形である
    請求項3記載の照明装置。
  6. 前記第1プリズムの回転速度は、毎秒6回転以上である
    請求項4または5記載の照明装置。
  7. 前記光路シフト装置は、
    前記第1プリズムからの光を透過させ、前記重畳光学系の光軸の方向と交差する回転軸の周りに回転する第2プリズムを備える
    請求項2〜6のいずれか一項記載の照明装置。
  8. 前記第2プリズムの回転軸は、前記第1プリズムの回転軸の方向と交差する
    請求項7記載の照明装置。
  9. 前記光源装置は、前記入射位置が変化する方向に対して交差する方向に配列された複数の光源を含む
    請求項1〜8のいずれか一項記載の照明装置。
  10. 第1の期間において、前記複数の光源のうち第1の光源の発光量が前記複数の光源のうち他の光源の発光量と異なり、第2の期間において、前記複数の光源のうち第2の光源の発光量が前記第1の期間における前記第2の光源の発光量と異なるように、前記光源装置を制御する光源制御装置を備える
    請求項9記載の照明装置。
  11. 前記光源制御装置は、前記複数の光源のうち互いに隣り合う光源の発光量のそれぞれをともに減少または増加させる
    請求項10記載の照明装置。
  12. 前記光源制御装置は、前記複数の光源のうち互いに隣り合う光源の、一方の光源の発光量を減少させる際に、前記互いに隣り合う光源の他方の光源の発光量を増加させる
    請求項10記載の照明装置。
  13. 前記重畳光学系は、
    前記光路シフト装置からの光が入射する複数のレンズ要素を含むレンズアレイと、
    前記複数のレンズ要素のそれぞれからの光を前記被照明領域上で互いに重畳させる重畳レンズと、を含む
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の照明装置。
  14. 前記重畳光学系は、
    光が入射する入射端面、及び該入射端面から入射した光が射出される射出端面を有する光学ロッドと、
    前記光学ロッドの射出端面と前記被照明領域とを光学的に共役にするリレー系と、を含む
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の照明装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の照明装置と、
    前記照明装置からの光により画像を形成する画像形成系と、
    前記画像形成系が形成した画像を投写する投写系と、を備えるプロジェクター。
  16. 前記画像形成系は、
    前記被照明領域に配列される複数の画素のそれぞれに設けられた第1のマイクロレンズと、
    前記第1のマイクロレンズとともにアフォーカル光学系を構成する第2のマイクロレンズとを含む
    請求項15に記載のプロジェクター。
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