JP2014164036A - 露光マスク製造方法、露光マスクを用いた露光方法、露光マスクを製造するために用いられる基準マスク、および露光マスク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】露光マスクと同一の区画に露光光を照射することができ、規則的に配列された複数の開口部を有する基準マスクを用いて、基準被露光物に露光光を照射する。次に、基準マスクの開口部に対応して基準被露光物に実際に形成される露光点を、測定点として記録する。また、基準マスクの開口部を通った露光光が被露光面に形成する設計上の露光点を、設計点として算出する。その後、設計点と測定点との間の偏差に基づいて被露光面上で露光パターンを補正して露光パターンを生成する。次に、補正露光パターンで被露光面に露光光を照射するよう設計された露光マスクを作製する。
【選択図】図3
Description
上述のように、露光装置1は、露光装置本体10と、露光装置本体10へ向けて露光光を照射する照射光学系20と、を備えている。このうち、露光装置本体10は、基台11と、基台11に設置された露光ステージ12と、を有している。露光ステージ12は、被露光物17が積層された基板18を真空チャック方式で保持するチャックステージ13と、チャックステージ13を垂直方向及び水平面内で移動させることが可能な駆動ステージ14とを有している。なお、露光ステージ12(チャックステージ13)上に載置される基板18としてはガラス基板や樹脂基材などが用いられ得る。
次に、露光マスク30を製造する際に用いられる基準マスク40について、図1および図2を参照して説明する。基準マスク40は、露光マスク30に形成する補正マスクパターンを生成するために用いられるものである。補正マスクパターンとは、露光装置1の各構成部品の製造誤差や組立誤差などに起因して露光パターンが歪むことを考慮して、設計当初のマスクパターンに逆方向の歪を付与することによって得られるマスクパターンのことである。
図1は、基準マスク40を示す平面図である。基準マスク40は、上述のように、露光マスク30と同一の被露光面E上の区画に露光光を照射することができるよう構成されたものである。ここで「同一の被露光面E上の区画に露光光を照射する」とは、基準マスク40を介して被露光面Eに照射される露光光の範囲が、露光マスク30を介して被露光面Eに照射される露光光の範囲に一致していることを意味している。なお、後述する補正マスクパターンを得ることができる限りにおいて、被露光物17に照射される露光光の範囲が露光マスク30の場合と基準マスク40の場合とで完全に一致している必要はない。
はじめに、基準マスク40を露光装置1のマスクステージ15に設置する。また、基準被露光物の面が露光装置1の被露光面Eに一致するよう、基準被露光物を露光装置1の露光ステージ12に設置する。以下の説明において、被露光面Eは、基準被露光物の面を意味することもある。
その後、基準マスク40の各開口部41を介して基準被露光物に露光光を照射する基準露光工程を実施する。これによって、基準被露光物のうち露光光が照射された部分が感光する。その後、基準被露光物に対して現像処理を施す。なお、基準被露光物として光硬化型の感材が用いられる場合、現像処理によって、露光光が照射されていない部分が除去され、露光光が照射された部分が残る。一方、基準被露光物として光溶解化型の感材が用いられる場合、現像処理によって、露光光が照射された部分が除去され、露光光が照射されていない部分が残る。
次に、上述の基準露光工程において基準マスク40の各開口部41に対応して基準被露光物に実際に形成される露光点を、測定点として記録する。例えば、基準被露光物として光硬化型の感材が用いられる場合、基準被露光物のうち残っている部分の座標を測定点として記録する。また、基準被露光物として光溶解型の感材が用いられる場合、基準被露光物のうち除去されている部分の座標を測定点として記録する。なお開口部41が上述のように十字形状や円形状からなる場合、基準被露光物の残っている部分や除去されている部分の中心点を容易に認識することができる。このため、測定点の記録が容易になる。
また、基準マスク40の各開口部41を通った露光光が被露光面Eに形成する設計上の露光点を、設計点として算出する。例えば、基準マスク40を用いた露光処理が等倍露光である場合、マスク面M上における基準マスク40の各開口部41の座標が、被露光面E上における設計上の露光点の座標に一致する。また図示はしないが、基準マスク40を用いた露光処理において縮小投影光学系が用いられる場合、縮小投影光学系の倍率を考慮して、被露光面E上における設計上の露光点の座標を算出することができる。
その後、上記設計点と上記測定点との間の偏差に基づいて、被露光面E上で露光パターンを補正して補正露光パターンを生成する補正露光パターン生成工程を実施する。ここで「露光パターン」とは、露光マスク30を用いた露光方法において被露光面E上に生成されるべき、露光光の理想的な照射パターンのことである。例えばカラーフィルタの着色層をパターニングするために露光処理が実施される場合、「露光パターン」は、設計された着色層のパターンに対応している。
次に図4(b)に示すように、上記補正ベクトルに基づいて被露光面E上で仮想的に設計露光パターン3を補正する。具体的には、図4(b)に示すように、設計露光パターン3を、補正ベクトルの分だけ被露光面E上で変位させる。例えば、設計露光パターン3のうち設計点E0_Aに位置する部分については、対応する補正ベクトルである第1補正ベクトルV2_Aの分だけ変位させる。また、設計露光パターン3のうち設計点E0_Dに位置する部分については、対応する補正ベクトルである第4補正ベクトルV2_Dの分だけ変位させる。なお、設計露光パターン3のうち、各設計点E0_A、E0_B、E0_CおよびE0_Dから離れて位置する部分については、各設計点E0_A、E0_B、E0_CおよびE0_Dからの距離に応じて重みづけされた補正ベクトルV2_A、V2_B、V2_CおよびV2_Dに基づいて算出される補正ベクトルの分だけ変位される。例えば、設計露光パターン3のうち設計点E0_Aおよび設計点E0_Bの中間に位置する部分は、第1補正ベクトルV2_Aおよび第2補正ベクトルV2_Bを等しく重みづけすることにより算出される補正ベクトルの分だけ変位される。
このように補正ベクトルに基づいて設計露光パターン3を変位させることにより、すなわち設計露光パターン3を歪ませることにより、補正露光パターン5を生成することができる。図5(b)に示すように、補正露光パターン5は、補正ベクトルに基づいて設計露光パターン3の単位パターン3aを変位させることにより得られる複数の単位補正パターン5aを有している。
その後、上記補正露光パターン5で被露光面Eに露光光を照射するよう設計された露光マスク30を作製する。すなわち、上記補正露光パターン5に対応して予め歪んでいる開口部32を有する露光マスク30を作製する。
次に、補正マスクパターン7が設けられた露光マスク30を作製する工程を実施する。すなわち、生成された補正マスクパターン7に基づいて実際に露光マスク30を作製する。図5(a)は、補正マスクパターン7の各単位補正パターン7aに対応する複数の単位パターン31が設けられた露光マスク30を示す平面図である。図5(a)に示すように、露光マスク30の各単位パターン31は、設計当初の長方形状から歪められたものとなっている。
次に、得られた露光マスク30を用いて被露光物17を露光する方法について説明する。ここでは、露光マスク30を用いた露光方法を利用してカラーフィルタ60を製造する方法について説明する。はじめに図6(a)〜(c)を参照して、カラーフィルタ60について説明する。
まず、BM層61に対応した補正マスクパターン7が設けられた、BM層61用の露光マスク30を作製する。はじめに、BM層61が形成されるべき領域に対応して配置された複数の開口部41を有する基準マスク40を用いて、上述の補正ベクトルを生成する。次に、算出された補正ベクトルに基づいて、BM層61に対応する上述の補正露光パターン5および補正マスクパターン7を算出する。これによって、露光装置1の各構成部品の製造誤差や組立誤差を考慮して歪められた複数の開口部32を有する、BM層61用の露光マスク30を得ることができる。
次に、赤色着色層63aに対応した補正マスクパターン7が設けられた、赤色着色層63a用の露光マスク30を作製する。ここでは、BM層61用の露光マスク30の場合と同様に、赤色着色層63aが形成されるべき領域に対応して配置された複数の開口部41を有する基準マスク40を用いて、上述の補正ベクトルを生成する。なお、赤色着色層63aが形成されるべき領域と、BM層61が形成されるべき領域とがほぼ同一である場合、BM層61用の露光マスク30を作製する際に用いられた基準マスク40と同一の基準マスク40を用いてもよい。その後、算出された補正ベクトルに基づいて、赤色着色層63aに対応する上述の補正露光パターン5および補正マスクパターン7を算出する。これによって、露光装置1の各構成部品の製造誤差や組立誤差を考慮して歪められた複数の開口部32を有する、赤色着色層63a用の露光マスク30を得ることができる。その後、BM層61の場合と同様にして、基材65上に積層され、赤色顔料が分散された樹脂などの赤色着色層63a用の材料からなる被露光物17を、赤色着色層63a用の露光マスク30を用いて露光して現像する。これによって、露光装置1に起因するずれが補正された赤色着色層63aをBM層61の間に形成することができる。
その後、赤色着色層63aの場合と同様にして、BM層61の間に緑色着色層63bおよび青色着色層63cを形成する。これによって、露光装置1に起因するずれが補正されたBM層61、赤色着色層63a、緑色着色層63bおよび青色着色層63cを有するカラーフィルタ60を作製することができる。
上述の本実施の形態においては、基準マスク40の四隅近傍にそれぞれ開口部41が設けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、基準マスク40の開口部41の数や配列ピッチは、露光処理に求められる位置精度に応じて適宜設定され得る。例えば図7に示すように、基準マスク40は、格子状に二次元配列された多数の開口部41を有していてもよい。図7に示す例においては、横方向において、開口部41_00〜開口部41_m0のm+1個(mは自然数)の開口部41が並べられている。また縦方向において、開口部41_00〜開口部41_0nのn+1個(nは自然数)の開口部41が並べられている。隣接する開口部41の間の間隔は、露光処理に求められる位置精度に応じて適宜設定されるが、例えば50mmとなっている。
その後、上記設計点と上記測定点との間の偏差に基づいて、被露光面E上で露光パターンを補正して補正露光パターンを生成する補正露光パターン生成工程を実施する。
上述の本実施の形態においては、露光マスク30および基準マスク40を介した露光光が照射される被露光面E上の区画を単位区画とする場合、被露光面Eには1個の単位区画が包含されている例を示した。すなわち、1個の露光マスク30および基準マスク40を通った露光光が、被露光面Eのほぼ全域にわたって照射される例を示した。この場合、1回の露光工程で、被露光面Eのほぼ全域を露光することができる。しかしながら、これに限られることはなく、被露光面Eにはk個(kは2以上の整数)の単位区画が包含されていてもよい。この場合、露光マスク30および基準マスク40を用いて被露光面Eを露光するためには、被露光面Eに平行な面上で被露光面Eに対して露光マスク30および基準マスク40を相対的に移動させることにより、k回にわたって露光処理を実施する必要がある。以下、このように複数回の露光が実施される露光方法に対して、上述の本実施の形態における技術的思想を適用する例を説明する。
また上述の本実施の形態および各変形例において、露光方法を用いてカラーフィルタ60が製造される例を示した。しかしながら、露光方法によって製造されるものが特に限られることはない。例えば上述の本実施の形態および各変形例による露光方法を用いることにより、TFT基板やタッチパネルセンサなどを高い位置精度で作製することができる。
3 設計露光パターン
4 露光パターン
5 補正露光パターン
6 マスクパターン
7 補正マスクパターン
10 露光装置本体
12 露光ステージ
15 マスクステージ
17 被露光物
20 照射光学系
30 露光マスク
32 開口部
40 基準マスク
41 開口部
60 カラーフィルタ
70 多面付カラーフィルタ
E 被露光面
E0 設計点
E1 測定点
E2 補正点
M マスク面
V1 偏差ベクトル
V2 補正ベクトル
Claims (11)
- 所定の露光パターンで被露光物を露光する露光マスクを製造する方法であって、
規則的に配列された複数の開口部を有し、前記露光マスクと同一の区画に露光光を照射するよう構成された基準マスクを、露光装置のマスクステージに設置する工程と、
基準被露光物の面が前記露光装置の被露光面に一致するよう、前記基準被露光物を前記露光装置の露光ステージに設置する工程と、
前記基準マスクの各開口部を介して前記基準被露光物に露光光を照射する基準露光工程と、
前記基準露光工程において前記基準マスクの前記開口部に対応して前記基準被露光物に実際に形成される露光点を、測定点として記録する、測定点記録工程と、
前記基準マスクの前記開口部を通った露光光が被露光面に形成する設計上の露光点を、設計点として算出する、設計点算出工程と、
前記設計点と前記測定点との間の偏差に基づいて被露光面上で前記露光パターンを補正して補正露光パターンを生成する補正露光パターン生成工程と、
前記補正露光パターンで被露光面に露光光を照射するよう設計された露光マスクを作製する露光マスク作製工程と、を備える、露光マスク製造方法。 - 前記補正露光パターン生成工程は、
前記設計点と前記測定点との間の偏差を表す偏差ベクトルを算出する工程と、
前記設計点と前記測定点との間の偏差を補正する補正ベクトルを、前記偏差ベクトルに基づいて算出する工程と、
前記補正ベクトルに基づいて被露光面上で前記露光パターンを補正して補正露光パターンを生成する工程と、を有する、請求項1に記載の露光マスク製造方法。 - 前記補正ベクトルは、前記偏差ベクトルを反転することにより算出される、請求項2に記載の露光マスク製造方法。
- 前記露光マスクおよび前記基準マスクを介した露光光が照射される被露光面上の区画を単位区画とする場合、被露光面にはk個の前記単位区画が包含されており、
前記基準露光工程および前記測定点記録工程は、被露光面に平行な面上で被露光面に対して前記基準マスクを相対的に移動させることにより、被露光面のk個の前記単位区画の各々に関して実施され、
前記設計点算出工程は、被露光面に平行な面上で被露光面に対して前記基準マスクを仮想的に相対的に移動させることにより、被露光面のk個の前記単位区画の各々に関して実施され、
前記補正露光パターン生成工程は、
被露光面のk個の前記単位区画の各々に関して、前記設計点と前記測定点との間の偏差を表す偏差ベクトルを算出する工程と、
被露光面のk個の前記単位区画の各々に関して、前記設計点と前記測定点との間の偏差を補正する補正ベクトルを、前記偏差ベクトルに基づいて算出する工程と、
前記被露光面のk個の前記単位区画の各々に関して算出された前記補正ベクトルに基づいて被露光面上で前記露光パターンを補正して補正露光パターンを生成する工程と、を有する、請求項1に記載の露光マスク製造方法。 - 前記補正露光パターンは、被露光面のk個の前記単位区画の各々に関して算出された前記補正ベクトルの平均に基づいて被露光面上で前記露光パターンを補正することにより生成される、請求項4に記載の露光マスク製造方法。
- 前記露光マスク作製工程は、
被露光面上の前記補正露光パターンを、マスク面上の補正マスクパターンに変換する工程と、
前記補正マスクパターンが設けられた露光マスクを作製する工程と、を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の露光マスク製造方法。 - 所定の露光パターンで被露光物を露光する露光マスクを用いた露光方法であって、
規則的に配列された複数の開口部を有し、前記露光マスクと同一の区画に露光光を照射するよう構成された基準マスクを、露光装置のマスクステージに設置する工程と、
基準被露光物の面が前記露光装置の被露光面に一致するよう、前記基準被露光物を前記露光装置の露光ステージに設置する工程と、
前記基準マスクの各開口部を介して前記基準被露光物に露光光を照射する基準露光工程と、
前記基準露光工程において前記基準マスクの前記開口部に対応して前記基準被露光物に実際に形成される露光点を、測定点として記録する、測定点記録工程と、
前記基準マスクの前記開口部を通った露光光が被露光面に形成する設計上の露光点を、設計点として算出する、設計点算出工程と、
前記設計点と前記測定点との間の偏差に基づいて被露光面上で前記露光パターンを補正して補正露光パターンを生成する補正露光パターン生成工程と、
前記補正露光パターンで被露光面に露光光を照射するよう設計された露光マスクを作製する露光マスク作製工程と、
前記露光マスクを前記マスクステージに設置する工程と、
被露光物の面が前記露光装置の被露光面に一致するよう、被露光物を前記露光ステージに設置する工程と、
前記マスクステージに設置された前記露光マスクを介して、前記露光ステージに設置された前記被露光物に露光光を照射する露光工程と、を備える、露光方法。 - 露光マスクに形成されるマスクパターンの位置および形状を補正するために用いられる基準マスクであって、
規則的に配列された複数の開口部を有する、基準マスク。 - 前記開口部は十字形状からなる、請求項8に記載の基準マスク。
- 複数の前記開口部が格子状に配列されている、請求項8または9に記載の基準マスク。
- 所定の露光パターンで被露光物を露光する露光マスクであって、
光を変調して前記露光パターンを生成するよう設けられた複数の開口部を備え、
各開口部は、各開口部の形状の歪の程度が開口部の位置に応じて連続的に変化するよう構成されている、露光マスク。
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