JP2014163869A - 光学素子、分析装置、分析方法、および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度が大きい光学素子を提供する。
【解決手段】本発明に係る光学素子100は、第1方向を厚さ方向とする金属層10と、金属層10から第1方向に離間して設けられた金属粒子30と、金属層10と金属粒子30を離間する透光層20と、を含み、金属粒子30は、第1方向と直交する第2方向、並びに第1方向および第2方向と直交する第3方向に格子状配置として、前記第2方向の間隔と前記第3方向の間隔とがともに間隔Sで配置され、Sは、6nm<S<40nmの関係を満たす。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る光学素子100は、第1方向を厚さ方向とする金属層10と、金属層10から第1方向に離間して設けられた金属粒子30と、金属層10と金属粒子30を離間する透光層20と、を含み、金属粒子30は、第1方向と直交する第2方向、並びに第1方向および第2方向と直交する第3方向に格子状配置として、前記第2方向の間隔と前記第3方向の間隔とがともに間隔Sで配置され、Sは、6nm<S<40nmの関係を満たす。
【選択図】図1
Description
本発明は、光学素子、分析装置、分析方法、および電子機器に関する。
医療・健康分野をはじめ、環境、食品、公安等の分野において、微量の物質を高感度、高精度、迅速かつ簡便に検知するセンシング技術が求められている。センシングの対象となる微量の物質は非常に多岐にわたっており、例えば、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、各種抗原・抗体などの生体関連物質や、無機分子、有機分子、高分子を含む各種の化合物がセンシングの対象となる。従来、微量物質の検知は、サンプリング、分析、解析を経て行われているが、専用の装置が必要で、検査作業者の熟練を要するため、その場での分析は困難な場合が多かった。そのため、検査結果を得るまでに長期間(数日以上)を要している。センシング技術において、迅速かつ簡便であることの要求は非常に強く、その要求に応えることのできるセンサーの開発が望まれている。
例えば、集積化が比較的容易で、検査・測定環境に影響を受けにくいとの期待から、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)を利用するセンサーや、表面増強ラマン散乱(SERS:Surface−Enhanced Raman Scattering)を利用したセンサーの関心が高まっている。
このようなセンサーとして、特許文献1には、基板上に形成された高反射層と、高反射層上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成され、金属微粒子を有する増強電磁場形成層と、を備えたGSPP(Gap type Surface Plasmon Polariton)構造を有するセンサーが開示されている。このようなセンサーは、光照射により励起される表面プラズモン(SP:Surface Plasmon)に基づく光の増強度が大きいことが望ましい。
上記特許文献1では、金属微粒子が、例えば2次元的にランダムに配置され、その断面粒径が30〜400nm、厚さが5〜70nm、および誘電体層の厚さが60〜90nmであることが記載されている。
しかしながら、上記のような粒子等を備えた特許文献1のセンサーでは、光照射により励起される表面プラズモンに基づいて、光の増強度を大きくする効果は、必ずしも十分であるとはいえない。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、そのいくつかの態様に係る目的の1つは、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度が大きい光学素子および分析方法を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記光学素子を含む分析装置および電子機器を提供することにある。
本発明に係る光学素子は、
第1方向を厚さ方向とする金属層と、
前記金属層から前記第1方向に離間して設けられた金属粒子と、
前記金属層と前記金属粒子を離間する透光層と、
を含み、
前記金属粒子は、前記第1方向と直交する第2方向、並びに前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に格子状配置として、前記第2方向の間隔と前記第3方向の間隔とがともに間隔Sで配置され、
前記Sは、6nm<S<40nmの関係を満たす。
第1方向を厚さ方向とする金属層と、
前記金属層から前記第1方向に離間して設けられた金属粒子と、
前記金属層と前記金属粒子を離間する透光層と、
を含み、
前記金属粒子は、前記第1方向と直交する第2方向、並びに前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に格子状配置として、前記第2方向の間隔と前記第3方向の間隔とがともに間隔Sで配置され、
前記Sは、6nm<S<40nmの関係を満たす。
このような光学素子によれば、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度が大きい。
本発明に係る光学素子において、
前記Sは、10nm≦S≦20nmの関係を満たしてもよい。
前記Sは、10nm≦S≦20nmの関係を満たしてもよい。
このような光学素子によれば、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度を、よりいっそう大きくすることができる。
本発明に係る光学素子において、
前記透光層は、酸化珪素を含み、
前記透光層の前記第1方向の厚さGは、20nm≦G≦60nmの関係を満たしてもよい。
前記透光層は、酸化珪素を含み、
前記透光層の前記第1方向の厚さGは、20nm≦G≦60nmの関係を満たしてもよい。
このような光学素子によれば、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度を、よりいっそう大きくすることができる。
本発明に係る光学素子において、
前記透光層は、酸化珪素を含み、
前記Sは、10nm≦S≦14nmの関係を満たし、
前記透光層の前記第1方向の厚さGは、220nm≦G≦280nmの関係を満たしてもよい。
前記透光層は、酸化珪素を含み、
前記Sは、10nm≦S≦14nmの関係を満たし、
前記透光層の前記第1方向の厚さGは、220nm≦G≦280nmの関係を満たしてもよい。
このような光学素子によれば、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度を、よりいっそう大きくすることができる。
本発明に係る光学素子において、
前記透光層は、正の誘電率を有する誘電体であって、
前記Sは、10nm≦S≦14nmの関係を満たし、
2次ピーク増強度SQRTは、1次ピーク増強度SQRTよりも大きい、または、同等であり、
前記透光層の前記第1方向の厚さGは、前記2次ピークの増強度SQRTでの厚さとしてもよい。
前記透光層は、正の誘電率を有する誘電体であって、
前記Sは、10nm≦S≦14nmの関係を満たし、
2次ピーク増強度SQRTは、1次ピーク増強度SQRTよりも大きい、または、同等であり、
前記透光層の前記第1方向の厚さGは、前記2次ピークの増強度SQRTでの厚さとしてもよい。
このような光学素子によれば、透光層の厚さを、屈折率が安定した厚さである2次ピークの増強度SQRTでの厚さにすることによって、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度を、より確実に大きくすることができる。
本発明に係る光学素子において、
前記金属粒子の前記第2方向の大きさDは、
30nm≦D<54nmの関係を満たしてもよい。
前記金属粒子の前記第2方向の大きさDは、
30nm≦D<54nmの関係を満たしてもよい。
このような光学素子によれば、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度を、よりいっそう大きくすることができる。
本発明に係る光学素子において、
前記金属粒子の前記第1方向の大きさTは、
4nm≦T<20nmの関係を満たしてもよい。
前記金属粒子の前記第1方向の大きさTは、
4nm≦T<20nmの関係を満たしてもよい。
このような光学素子によれば、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度を、よりいっそう大きくすることができる。
本発明に係る光学素子において、
前記金属粒子の前記第1方向の大きさおよび前記第2方向の大きさよりも、大きい波長を有する光が照射されると、ラマン散乱光を増強してもよい。
前記金属粒子の前記第1方向の大きさおよび前記第2方向の大きさよりも、大きい波長を有する光が照射されると、ラマン散乱光を増強してもよい。
このような光学素子によれば、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度が大きい。
本発明に係る分析装置は、
本発明に係る光学素子と、
前記光学素子に光を照射する光源と、
前記光源からの光の照射による前記光学素子からの光を検出する検出器と、
を含む。
本発明に係る光学素子と、
前記光学素子に光を照射する光源と、
前記光源からの光の照射による前記光学素子からの光を検出する検出器と、
を含む。
このような分析装置によれば、本発明に係る分析装置を含むため、微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
本発明に係る分析装置において、
前記検出器は、前記光学素子によって増強されたラマン散乱光を検出してもよい。
前記検出器は、前記光学素子によって増強されたラマン散乱光を検出してもよい。
このような分析装置によれば、微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
本発明に係る分析装置において、
前記光源は、前記光学素子に、前記金属粒子の前記第1方向の大きさおよび前記第2方向の大きさよりも、大きい波長を有する光を照射してもよい。
前記光源は、前記光学素子に、前記金属粒子の前記第1方向の大きさおよび前記第2方向の大きさよりも、大きい波長を有する光を照射してもよい。
このような分析装置によれば、微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
本発明に係る分析方法は、
光学素子の検出領域に分析対象物を含む物質を導入し、前記光学素子に光を照射し、前記光の照射による前記光学素子からの光を検出して分析する分析方法であって、
前記光学素子は、
第1方向を厚さ方向とする金属層と、
前記金属層から前記第1方向に離間して設けられた金属粒子と、
前記金属層と前記金属粒子を離間する透光層と、
を含み、
前記金属粒子は、前記第1方向と直交する第2方向、並びに前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に格子状配置として、前記第2方向の間隔と前記第3方向との間隔がともに間隔Sで配置され、
前記Sは、6nm<S<40nmの関係を満たす。
光学素子の検出領域に分析対象物を含む物質を導入し、前記光学素子に光を照射し、前記光の照射による前記光学素子からの光を検出して分析する分析方法であって、
前記光学素子は、
第1方向を厚さ方向とする金属層と、
前記金属層から前記第1方向に離間して設けられた金属粒子と、
前記金属層と前記金属粒子を離間する透光層と、
を含み、
前記金属粒子は、前記第1方向と直交する第2方向、並びに前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に格子状配置として、前記第2方向の間隔と前記第3方向との間隔がともに間隔Sで配置され、
前記Sは、6nm<S<40nmの関係を満たす。
このような分析方法によれば、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度を大きくすることができ、微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
本発明に係る電子機器は、
本発明に係る分析装置と、
前記検出器からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部と、
前記健康医療情報を記憶する記憶部と、
前記健康医療情報を表示する表示部と、
を含む。
本発明に係る分析装置と、
前記検出器からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部と、
前記健康医療情報を記憶する記憶部と、
前記健康医療情報を表示する表示部と、
を含む。
このような電子機器によれば、本発明に係る分析装置を含むため、微量物質の検出を容易に行うことができ、高精度な健康医療情報を提供することができる。
本発明に係る電子機器において、
前記健康医療情報は、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、および抗原・抗体からなる群より選択される少なくとも1種の生体関連物質、または、無機分子および有機分子から選択される少なくとも1種の化合物の、有無若しくは量に関する情報を含んでもよい。
前記健康医療情報は、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、および抗原・抗体からなる群より選択される少なくとも1種の生体関連物質、または、無機分子および有機分子から選択される少なくとも1種の化合物の、有無若しくは量に関する情報を含んでもよい。
このような電子機器によれば、有用な健康医療情報を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 光学素子
まず、本実施形態に係る光学素子について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る光学素子100を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る光学素子100を模式的に示す平面図である。図3は、本実施形態に係る光学素子100を模式的に示す図2のIII−III線断面図である。図4は、本実施形態に係る光学素子100を模式的に示す図2のIV−IV線断面図である。
まず、本実施形態に係る光学素子について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る光学素子100を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る光学素子100を模式的に示す平面図である。図3は、本実施形態に係る光学素子100を模式的に示す図2のIII−III線断面図である。図4は、本実施形態に係る光学素子100を模式的に示す図2のIV−IV線断面図である。
なお、図1〜4および以下に示す図8では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。また、以下では、X軸に平行な方向をX軸方向(第2方向)、Y軸に平行な方向をY軸方向(第3方向)、Z軸に平行な方向をZ軸方向(第1方向)という。
光学素子100は、図1〜図4に示すように、金属層10と、金属粒子30と、を含む。さらに、光学素子100は、基板1と、透光層20と、を含むことができる。
1.1. 金属層
金属層10は、光を透過しない金属の表面を提供するものであれば、特に限定されず、例えば、厚板状であってもよいし、フィルム、層または膜の形状を有してもよい。金属層10は、例えば基板1の上に設けられてもよい。基板1としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、樹脂基板などが挙げられる。基板1の金属層10が設けられる面の形状は、特に限定されない。基板1は、金属層10の表面に規則構造を形成する場合にはその規則構造に対応する表面を有してもよいし、金属層10の表面を平面とする場合には平坦な表面(平面)を有していてもよい。図示の例では、基板1の表面(平面)の上に金属層10が設けられている。
金属層10は、光を透過しない金属の表面を提供するものであれば、特に限定されず、例えば、厚板状であってもよいし、フィルム、層または膜の形状を有してもよい。金属層10は、例えば基板1の上に設けられてもよい。基板1としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、樹脂基板などが挙げられる。基板1の金属層10が設けられる面の形状は、特に限定されない。基板1は、金属層10の表面に規則構造を形成する場合にはその規則構造に対応する表面を有してもよいし、金属層10の表面を平面とする場合には平坦な表面(平面)を有していてもよい。図示の例では、基板1の表面(平面)の上に金属層10が設けられている。
ここで、平面との表現を用いているが、係る表現は、表面が、わずかの凹凸もなく平坦(スムース)な数学的に厳密な平面を指すものではない。例えば、表面には、構成する原子に起因する凹凸や、構成する物質の二次的な構造(結晶、粒塊、粒界等)に起因する凹凸などが存在する場合が有り、微視的にみれば厳密な平面ではない場合がある。しかし、そのような場合でも、より巨視的な視点でみれば、これらの凹凸は目立たなくなり、表面を平面と称しても差し支えない程度に観測される。したがって、本明細書では、このようなより巨視的な視点でみた場合に平面と認識できれば、これを平面と称することとする。
また、本明細書では、金属層10の厚さ方向をZ軸方向(第1方向)と定義する。例えば、金属層10が基板1の表面に設けられる場合には、基板1の表面の法線方向がZ軸方向である。
金属層10は、例えば、蒸着、スパッタ、鋳造、機械加工等の手法により形成することができる。金属層10は、基板1の表面の全面に設けられてもよいし、基板1の表面の一部に設けられてもよい。金属層10の厚さは、例えば、10nm以上1mm以下、好ましくは20nm以上100μm以下、より好ましくは30nm以上1μm以下とすることができる。
金属層10は、入射光により与えられる電場と、その電場によって誘起される分極とが逆位相で振動するような電場が存在する金属、すなわち、特定の電場が与えられた場合に、誘電関数の実数部が負の値を有し(負の誘電率を有し)、虚数部の誘電率が実数部の誘電率の絶対値よりも小さい誘電率を有することのできる金属によって構成される。可視光領域におけるこのような誘電率を有しうる金属の例としては、金、銀、アルミニウム、銅、およびそれらの合金等を挙げることができる。また、金属層10の表面(第1方向の端面)は、特定の結晶面であってもなくてもよい。金属層10中にナノ粒子が疑似的に形成され、該ナノ粒子と金属粒子30との間で、局在型プラズモンを励起させることができる。
1.2. 透光層
透光層20は、金属層10上に設けられ、金属層10と金属粒子30との間に設けられている。透光層20は、金属層10と金属粒子30とを離間している。透光層20は、フィルム、層または膜の形状を有することができる。透光層20は、金属層10と金属粒子
30とを隔てることができる。透光層20は、金属層10からZ軸方向に金属粒子30を離間する厚さGを有している。
透光層20は、金属層10上に設けられ、金属層10と金属粒子30との間に設けられている。透光層20は、金属層10と金属粒子30とを離間している。透光層20は、フィルム、層または膜の形状を有することができる。透光層20は、金属層10と金属粒子
30とを隔てることができる。透光層20は、金属層10からZ軸方向に金属粒子30を離間する厚さGを有している。
透光層20は、例えば、蒸着、スパッタ、CVD(Chemical Vapor Deposition)、各種コーティング等の手法により形成することができる。透光層20は、金属層10の表面の全面に設けられていてもよいし、金属層10の表面の一部に設けられていてもよい。透光層20は、Z軸方向を厚さ方向としている。
透光層20の厚さGは、20nm≦G≦60nm、または、220nm≦G≦280nmの関係を満たすことができる。これにより、光学素子100は、光の増強度を大きくすることができる(詳細は後述する実験例参照)。
また、2次ピークの増強度SQRTは、1次ピークの増強度SQRTよりも大きい、または、同等であり、透光層20の厚さGは、2次ピークの増強度SQRTでの厚さとしてもよい。すなわち、透光層20の厚さGを、2次ピークの増強度SQRTを有するときの厚さとしてもよい。なお、1次ピークおよび2次ピークについての定義等は、後述する。
透光層20は、酸化珪素(SiO2)を含む。透光層20は、正の誘電率を持てばよく、材質は、SiO2であってもよいし、Al2O3、TiO2、Ta2O5、Si3N4、MgF、ITO、高分子でもよい。さらに、透光層20は、材質の互いに異なる複数の層から構成されていてもよいし複合膜でもよい。
1.3. 金属粒子
金属粒子30は、金属層10からZ軸方向に離間して設けられる。図示の例では、金属層10の上に透光層20が設けられ、その上に金属粒子30が形成されることにより、金属層10と金属粒子30とがZ軸方向で離間して配置されている。
金属粒子30は、金属層10からZ軸方向に離間して設けられる。図示の例では、金属層10の上に透光層20が設けられ、その上に金属粒子30が形成されることにより、金属層10と金属粒子30とがZ軸方向で離間して配置されている。
金属粒子30の形状は、特に限定されず、Z軸方向に投影した場合に(Z軸方向からの平面視において)、円形、楕円形、多角形、不定形、またはそれらを組み合わせた形であることができる。図示の例では、金属粒子30は、Z軸方向に中心軸を有する円柱状の形状であり、金属粒子30の平面形状(Z軸方向から見た形状)は、円形である。
金属粒子30のX軸方向の大きさDxは、X軸に垂直な平面によって金属粒子30を切ることができる区間の長さを指し、30nm≦Dx<54nmの関係を満たす。さらに、Dxは、46nm≦Dx≦50nmの関係を満たすことができる。金属粒子30のY軸方向の大きさDyは、Y軸に垂直な平面によって金属粒子30を切ることができる区間の長さを指し、30nm≦Dy<54nmの関係を満たす。さらに、Dxは、46nm≦Dy≦50nmの関係を満たすことができる。
図示の例では、DxとDyとは、同じ大きさDであり、金属粒子30の直径(円柱状の金属粒子30の底面の直径)である。すなわち、直径Dは、30nm≦D<54nmの関係を満たし、より好ましくは、46nm≦D≦50nmの関係を満たすことができる。これにより、光学素子100は、光の増強度を大きくすることができる(詳細は後述する実験例参照)。
金属粒子30のZ軸方向の大きさTは、4nm≦T<20nmの関係を満たし、より好ましくは、4nm≦T≦12nmの関係を満たすことができる。これにより、光学素子100は、光の増強度を大きくすることができる(詳細は後述する実験例参照)。図示の例では、Tは、金属粒子30の厚さ(高さ)である。
金属粒子30は、複数設けられている。金属粒子30は、X軸方向にピッチPxで配置され、Y軸方向にピッチPyで配置されている。図示の例では、PxおよびPyは、同じ大きさPである。すなわち、金属粒子30は、X軸方向およびY軸方向に等ピッチPを有して格子状に(行列状に)配置されている。Pは、40nm≦P<70nmの関係を満たすことができる。
なお、「ピッチPx」とは、X軸方向において隣り合う金属粒子30の重心間の距離である。同様に、「ピッチPy」とは、Y軸方向において隣り合う金属粒子30の重心間の距離である。
金属粒子30は、X軸方向に間隔Sxで配置され、Y軸方向に間隔Syで配置されている。図示の例では、SxおよびSyは、同じ大きさSである。すなわち、金属粒子30は、X軸方向およびY軸方向に等間隔Sを有して格子状に(行列状に)配置されている。言い換えると、金属粒子30は、X軸方向およびY軸方向に格子状配置として、X軸方向の間隔とY軸方向の間隔とがともに間隔Sで配置されている。Sは、6nm<S<40nmの関係を満たし、より好ましくは、10nm≦S≦20nmの関係を満たし、さらにより好ましくは、10nm≦S≦14nmの関係を満たす。これにより、光学素子100は、光の増強度を大きくすることができる(詳細は後述する実験例参照)。
なお、「間隔Sx」とは、X軸方向において隣り合う金属粒子30間の最短距離である。同様に、「間隔Sy」とは、Y軸方向において隣り合う金属粒子30間の最短距離である。
金属粒子30は、金属層10と同様に、負の誘電率を有し、虚数部の誘電率が実数部の誘電率の絶対値よりも小さい誘電率を有することのできる金属によって構成される。さらに、虚数部の誘電率がゼロに近いほどよく、電子がプラズマ振動する際のエネルギーロスがなくなり増強効果は増大する。より具体的には、金属粒子30の材質としては、例えば、金、銀、アルミニウム、銅、白金、およびそれらの合金あるいは多層構造等を挙げることができる。
金属粒子30は、例えば、スパッタ、蒸着等によって薄膜を形成した後にパターニングを行う方法、マイクロコンタクトプリント法、ナノインプリント法などによって形成することができる。また、金属粒子30は、コロイド化学的手法によって形成することができ、これを適宜の手法によって金属層10から離間した位置に配置してもよい。
金属粒子30は、局在型プラズモン(LSP:Localized Surface Plasmon)を発生させる機能を有している。金属粒子30に、所定の条件で入射光を照射することにより、金属粒子30の周辺に局在型プラズモンを発生させることができる。
1.4. 局在型プラズモン
金属粒子30に光が照射されたとき、金属粒子30内の自由電子は、集団的に振動し電気分極を生じるが、それに伴う表面電荷により反分極電場が発生する。反分極電場とは、外部電場が金属粒子30に印加された場合に、金属粒子30内に発生する外部電場とは逆方向の電場のことである。反分極電場は、自由電子に影響を及ぼし、自由電子の振動の様子は、変化する。これにより、金属粒子30特有の振動が励起される。この金属粒子30特有の振動が、局在型プラズモンである。
金属粒子30に光が照射されたとき、金属粒子30内の自由電子は、集団的に振動し電気分極を生じるが、それに伴う表面電荷により反分極電場が発生する。反分極電場とは、外部電場が金属粒子30に印加された場合に、金属粒子30内に発生する外部電場とは逆方向の電場のことである。反分極電場は、自由電子に影響を及ぼし、自由電子の振動の様子は、変化する。これにより、金属粒子30特有の振動が励起される。この金属粒子30特有の振動が、局在型プラズモンである。
局在型プラズモンは、金属粒子30の近傍領域に局在化したプラズモンであるため強度が大きい。特に、金属粒子30が複数存在し、隣り合う金属粒子30の間隔が所定の値を
満たすと、隣り合う金属粒子30間に、特に強いプラズモンが励起される。その結果、光のエネルギーが金属粒子30表面のプラズモンとなって非常に狭い領域(ホットスポット)に強く集約される。このプラズモンの存在する領域では、光と分子の相互作用が強力に増幅され、ラマン散乱光を強力に増幅するSERSを生み出すことになる。
満たすと、隣り合う金属粒子30間に、特に強いプラズモンが励起される。その結果、光のエネルギーが金属粒子30表面のプラズモンとなって非常に狭い領域(ホットスポット)に強く集約される。このプラズモンの存在する領域では、光と分子の相互作用が強力に増幅され、ラマン散乱光を強力に増幅するSERSを生み出すことになる。
ホットスポットは、金属粒子30において、入射光の偏光方向に発生する。すなわち、入射光がX軸方向に偏光する成分を有している場合には、ホットスポットは、金属粒子30のX軸方向に発生する。ここで、入射光がX軸方向に偏光する成分を有している場合において、入射光の波長が、金属粒子30の厚さおよびX軸方向の大きさDxよりも大きいと、局在型プラズモンが励起される。すなわち、金属粒子30の厚さおよびX軸方向の大きさDxよりも、大きい波長を有する光が照射されると局在型プラズモンが励起される。さらに、X軸方向において隣り合う金属粒子30のピッチPxが入射光の波長以下であれば、局在型プラズモンの強度は、いっそう大きくなる。
なお、本明細書において、「プラズモンの強度」とは、光照射により励起される表面プラズモン(局在型プラズモンが主体である。)に基づく光の増強度であり、具体的には、ホットスポットの電場強度のことである。
表面プラズモンは、金属粒子30を構成する金属の誘電関数(誘電率)の実数部が負の値をとるような光の波長で存在する。ここで、「誘電関数(誘電率)の実数部が負の値」とは、金属粒子30内に発生する外部電場と、該外部電場によって誘起される分極が逆位相で振動することに対応しており、ある波長で、誘電率の虚数部ε2が誘電率の実数部ε1の絶対値よりも小さい金属であれば、表面プラズモンは励起される。さらに、誘電率の虚数部ε2がゼロに近づくと電子のプラズマ振動のロスが無くなり、増強度は無限大となる。すなわち、プラズモンが起きる物質は、誘電率の実数部ε1が負で大きく、虚数部ε2がゼロに近いほど大きなプラズモン強度を得ることができる。
より具体的には、金属粒子30に局在型プラズモンを生じさせる条件は、誘電率の実数部により、
Real[ε(ω)]=−2ε
で与えられる。周辺の屈折率nを1とすると誘電率の実数部ε1=n2−κ2=1なので、Real[ε(ω)]=−2となる。ここで、ωは、金属粒子30に入射される入射光の角振動数、ε(ω)は、金属粒子30を構成する金属の誘電率、εは、周辺の誘電率である。なお、誘電率の虚数部ε2は、ε2=2nκで与えられる。
Real[ε(ω)]=−2ε
で与えられる。周辺の屈折率nを1とすると誘電率の実数部ε1=n2−κ2=1なので、Real[ε(ω)]=−2となる。ここで、ωは、金属粒子30に入射される入射光の角振動数、ε(ω)は、金属粒子30を構成する金属の誘電率、εは、周辺の誘電率である。なお、誘電率の虚数部ε2は、ε2=2nκで与えられる。
図5に、Ag、Au、およびCu金属の誘電率の波長特性を示した。また、図6に、AlおよびPt金属の誘電率の波長特性を示した。上記のプラズモン励起条件を満足する金属および波長は、Agは350nm以上の波長、Auは500nm以上の波長、Cuは550nm以上の波長、Alは420nm以下であり、これらの波長を有する金属の各々でプラズモンが励起される。Agの虚数部ε2が最もゼロに近い。一方、Ptは、虚数部ε2の値が大きく、紫外から赤外の波長帯ではプラズモンが励起しないことが導かれる。図5に示すように、少なくとも350nm以上の波長において、ε2の絶対値は、ε1の絶対値よりも小さい。すなわち、金属粒子30の材質が銀である場合に、局在型プラズモンを励起させる場合には、金属粒子30に350nm以上の波長の光を照射する必要がある。
なお、AgがReal[ε(ω)]=−2を満足する波長は、図5より、370nm近傍であるが、上記のように、複数の金属粒子30(Ag粒子)がナノオーダーで近づく場合や、金属粒子30と金属層10(Au膜等)が透光層20によって隔てられて配置された場合には、そのギャップの影響により、局在型プラズモンの励起ピーク波長は、レッド
シフト(長波長側へシフト)する。このシフト量は、金属粒子30の径Dx,Dy、金属粒子30の厚さT、金属粒子30のピッチPx,Py、透光層20の厚さG等のディメンジョンに依るが、例えば、500nm〜1200nmに局在型プラズモンがピークとなる波長特性を示すことになる。
シフト(長波長側へシフト)する。このシフト量は、金属粒子30の径Dx,Dy、金属粒子30の厚さT、金属粒子30のピッチPx,Py、透光層20の厚さG等のディメンジョンに依るが、例えば、500nm〜1200nmに局在型プラズモンがピークとなる波長特性を示すことになる。
1.5. 被覆層
光学素子100は、必要に応じて被覆層を有してもよい。図示しないが、被覆層は、金属粒子30を覆うように形成されることができる。また、被覆層は、金属粒子30を露出させて、その他の構成を被覆するように形成されてもよい。
光学素子100は、必要に応じて被覆層を有してもよい。図示しないが、被覆層は、金属粒子30を覆うように形成されることができる。また、被覆層は、金属粒子30を露出させて、その他の構成を被覆するように形成されてもよい。
被覆層は、例えば、金属粒子30やその他の構成を環境から、機械的、化学的に保護する機能を有する。さらに、被覆層は、センシングの対象となる微量の物質を固着する機能を有することもある。被覆層は、例えば、蒸着、スパッタ、CVD、各種コーティング等の手法により形成することができる。被覆層の材質は、特に制限はなく、例えば、SiO2、Al2O3、TiO2、Ta2O5、Si3N4等絶縁体だけでなく、ITO等透明導電膜やCu、Alなどの金属、及び高分子、などで形成することができるが、厚さは数ナノ以下と薄いことが好ましい。
光学素子100は、例えば、以下の特徴を有する。
光学素子100では、金属粒子30は、X軸方向およびY軸方向に間隔Sを有して格子ス状に配置され、間隔Sは、6nm<S<40nmの関係を満たす。そのため、光学素子100では、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度が大きい(詳細は後述の実験例参照)。これにより、光学素子100は、高い増強度を有するため、例えば、医療・健康、環境、食品、公安等の分野において、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、各種抗原・抗体などの生体関連物質や、無機分子、有機分子、高分子を含む各種の化合物を高感度、高精度、迅速かつ簡便に検知するためのセンサーに用いることができる。例えば、光学素子100の金属粒子30に抗体を結合してこのときの増強度を求めておき、該抗体に抗原が結合した場合の増強度の変化に基づいて抗原の有無や量を調べることができる。また、光学素子100の光の増強度を利用して、微量物質のラマン散乱光の増強に用いることができる。
光学素子100では、金属粒子30の間隔Sは、10nm≦S≦20nmの関係を満たし、透光層20の厚さGは、20nm≦G≦60nmの関係を満たすことができる。さらに、10nm≦S≦14nm、かつ220nm≦G≦280nmの関係を満たすことができる。さらに、透光層20が酸化珪素層の場合に、金属粒子30の大きさDは、30nm≦D<54nmの関係を満たし、金属粒子30の厚さTは、4nm≦T<20nmの関係を満たすことができる。そのため、光学素子100では、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度を、よりいっそう大きくすることができる(詳細は後述の実験例参照)。
2. 分析装置
次に、本実施形態に係る分析装置1000について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係る分析装置1000の要部を模式的に示す図である。分析装置1000は、本発明に係る光学素子を含むことができる。以下では、本発明に係る光学素子として上記の光学素子100を含む分析装置1000について説明する。
次に、本実施形態に係る分析装置1000について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態に係る分析装置1000の要部を模式的に示す図である。分析装置1000は、本発明に係る光学素子を含むことができる。以下では、本発明に係る光学素子として上記の光学素子100を含む分析装置1000について説明する。
分析装置1000は、図7に示すように、光学素子100と、入射光を照射する光源200と、光学素子100から放射される光を検出する検出器300と、を含む。分析装置1000は、図示せぬその他の適宜な構成を含んでいてもよい。
光学素子100は、分析装置1000において、光を増強する作用、およびセンサーとしての作用を担う。光学素子100は、分析装置1000の分析の対象となる試料に接触させて用いられる。分析装置1000における光学素子100の配置は、特に制限されず、設置角度等の調節可能なステージ等に設置されてもよい。
光源200は、光学素子100に対して入射光を照射する。光源200は、光学素子100に、金属粒子30の厚さT、および金属粒子30の大きさDx,Dyよりも大きい波長を入射する。光源200から照射される入射光の入射角θは、光学素子100の表面プラズモンの励起条件に応じて適宜変化させることができるようにしてもよい。光源200は、ゴニオメーター等に設置されてもよい。
光源200が照射する光は、光学素子100の表面プラズモンを励起することができれば、特に限定されず、紫外光、可視光、赤外光を含む、電磁波とすることができる。光源200が照射する光は、金属粒子30の大きさが30nm以上50nm未満となる方向に、偏光する成分を有することができる。より具体的には、光源200が照射する光は、X軸方向に偏光する成分を有している。さらに、光源200が照射する光は、Y軸方向に偏光する成分を有していてもよい。また、光源200が照射する光は、コヒーレントな光であってもなくてもよい。具体的には、光源200としては、半導体レーザー、気体レーザー、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、キセノンランプなどを例示することができる。
光源200からの光が入射光となって、光学素子100から増強された光が放射される。これにより、試料のラマン散乱光の増幅や、光学素子100と相互作用した物質の検出を行うことができる。
検出器300は、光源200からの光の照射に応じて、光学素子100から放射された光を検出する。具体的には、検出器300は、光学素子100によって増強されたラマン散乱光を検出することができる。検出器300としては、例えば、CCD(Charge
Coupled Device)、光電子増倍管、フォトダイオード、イメージングプレートなどを用いることができる。
Coupled Device)、光電子増倍管、フォトダイオード、イメージングプレートなどを用いることができる。
検出器300は、光学素子100から放射される光を検出できる位置に設けられればよく、光源200との位置関係も特に制限はない。また、検出器300は、ゴニオメーター等に設置されてもよい。
分析装置1000では、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度が大きい光学素子100を含む。そのため、分析装置1000は、微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
3.分析方法
次に、本実施形態に係る分析方法について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る分析方法は、本発明に係る分析装置を用いることができる。以下では、本発明に係る分析装置として上記の分析装置1000を用いる分析方法について説明する。
次に、本実施形態に係る分析方法について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る分析方法は、本発明に係る分析装置を用いることができる。以下では、本発明に係る分析装置として上記の分析装置1000を用いる分析方法について説明する。
本実施形態に係る分析方法は、図7に示すように、光学素子100の検出領域に分析対象物を含む物質を導入し、光学素子100に入射光を照射し、該入射光の照射に応じて光学素子100から放射される光を検出して、光学素子100表面に付着させた対象物を分析する分析方法である。
本実施形態に係る分析方法では、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の
増強度が大きい光学素子100を用いる。そのため、微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
増強度が大きい光学素子100を用いる。そのため、微量物質の検出、測定を容易に行うことができる。
4. 電子機器
次に、本実施形態に係る電子機器2000について、図面を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る電子機器2000を模式的に示す図である。電子機器2000は、本発明に係る分析装置を含むことができる。以下では、本発明に係る分析装置として上記の分析装置1000を含む電子機器2000について説明する。
次に、本実施形態に係る電子機器2000について、図面を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る電子機器2000を模式的に示す図である。電子機器2000は、本発明に係る分析装置を含むことができる。以下では、本発明に係る分析装置として上記の分析装置1000を含む電子機器2000について説明する。
電子機器2000は、図8に示すように、分析装置1000と、検出器300からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部2010と、健康医療情報を記憶する記憶部2020と、健康医療情報を表示する表示部2030と、を含む。
演算部2010は、例えば、パーソナルコンピューター、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistance)であり、検出器300から送出される検出情報(信号等)を受取り、これに基づく演算を行う。また、演算部2010は、分析装置1000の制御を行ってもよい。例えば、演算部2010は、分析装置1000の光源200の出力、位置等の制御や、検出器400の位置の制御などを行ってもよい。演算部2010は、検出器300からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算することができる。そして、演算部2010によって演算された健康医療情報は、記憶部2020に記憶される。
記憶部2020は、例えば、半導体メモリー、ハードディスクドライブ等であり、演算部2010と一体的に構成されてもよい。記憶部2020に記憶された健康医療情報は、表示部2030に送出される。
表示部2030は、例えば、表示板(液晶モニター等)、プリンター、発光体、スピーカー等により構成される。表示部2030は、演算部2010によって演算された健康医療情報等に基づいて、ユーザーがその内容を認識できるように、表示または発報する。
健康医療情報としては、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、および抗原・抗体からなる群より選択される少なくとも1種の生体関連物質、または無機分子および有機分子から選択される少なくとも1種の化合物の有無若しくは量に関する情報を含むことができる。
電子機器2000では、光照射により励起される表面プラズモンに基づく光の増強度が大きい光学素子100を含む。そのため、電子機器2000は、微量物質の検出を容易に行うことができ、高精度な健康医療情報を提供することができる。さらに、電子機器2000は、有用な健康医療情報を提供することができる。
5. 実験例
以下に実験例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。以下の例は、計算機によるシミュレーションである。
以下に実験例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。以下の例は、計算機によるシミュレーションである。
5.1. 計算モデル
図9は、シミュレーションに用いるモデルMの基本構造を模式的に示す断面図である。実験例の計算に用いたモデルMは、図9に示すように、光が透過しない程度に十分厚いAu層(金属層)上にSiO2層(透光層)を形成し、SiO2層上にAg粒子(金属粒子)を形成したものである。Ag粒子の形状は、Z軸方向を中心軸とする円柱とし、複数のAg粒子を、等間隔SでX軸方向およびY軸方向に格子状に配置した。
図9は、シミュレーションに用いるモデルMの基本構造を模式的に示す断面図である。実験例の計算に用いたモデルMは、図9に示すように、光が透過しない程度に十分厚いAu層(金属層)上にSiO2層(透光層)を形成し、SiO2層上にAg粒子(金属粒子)を形成したものである。Ag粒子の形状は、Z軸方向を中心軸とする円柱とし、複数のAg粒子を、等間隔SでX軸方向およびY軸方向に格子状に配置した。
本実験例において、計算は、サイバネットシステム株式会社のFDTD soft Fullwaveを用いた。また、用いたメッシュの条件は、1nm最小メッシュとし、計算時間cTは10μmとした。また、周辺屈折率を1とし、入射光は、Z軸方向からの垂直入射で、X軸方向に直線偏光とした。
本実験例では、上記のようなモデルMにおいて、Ag粒子の厚さ(Z軸方向の大きさ)T、Ag粒子の直径(底面の直径、X軸方向の大きさおよびY軸方向の大きさ)D、Ag粒子のピッチP、Ag粒子の間隔S、およびSiO2層の厚さ(Z軸方向の大きさ)Gを変化させて、増強度を計算した。
なお、本実験例において「増強度」とは、モデルMに入射する光の強度に対する、モデルMから放射される光の強度の割合であり、SQRT(Ex2+Ez2)で表すこととする。これは、モデルMにおいて近接場(Ner field)特性を計算したところ、ホットスポット(最大増強位置)がYeeCellの位置が最低メッシュサイズの半分ずれるだけで、電場ベクトルの向きが大きく変化するケースがあることがわかった。そこで電場をスカラーで表記するとYeeCellの位置の影響が少なくなることが判明したためである。ここで、Exは、X軸方向の電場強度を示し、Ezは、Z軸方向の電場強度を示す。なお、この場合には、Y軸方向の電場強度は小さいので考慮していない。
5.2. 実験例1
Ag粒子のピッチPを60nm、Ag粒子の厚さTを12nm、および励起波長(プラズモンを励起させる光の波長、モデルMに入射する光の波長)を633nmに固定した。そして、Ag粒子の直径Dを、40nm、46nm、50nm、54nmとして、SiO2層の厚さGと増強度との関係を調べた。その結果を図10に示す。
Ag粒子のピッチPを60nm、Ag粒子の厚さTを12nm、および励起波長(プラズモンを励起させる光の波長、モデルMに入射する光の波長)を633nmに固定した。そして、Ag粒子の直径Dを、40nm、46nm、50nm、54nmとして、SiO2層の厚さGと増強度との関係を調べた。その結果を図10に示す。
図10に示すように、D=40nm、46nm、50nmのモデルにおいて、増強度は、20nm≦G≦60nmの範囲で1つ目のピーク(1次ピーク)を有し、220nm≦G≦280nmの範囲で2つ目のピーク(2次ピーク)を有した。さらに、1次ピークおよび2次ピークの値は、いずれも30より大きかった。一方、D=54nmのモデルにおいては、他のモデルのように明確な1次ピークおよび2次ピークを有さず、増強度は30程度と小さかった。P=60nmであるため、D=40nm、46nm、50nm、54nmのモデルのAg粒子間隔Sは、それぞれ、S=20nm、14nm、10nm、6nmである。
したがって、図10より、増強度は、6nm<S≦20nm(40nm≦D<54nm)の範囲で大きくなり、さらに、10nm≦S≦20nm(40nm≦D≦50nm)の範囲でより大きくなり、さらに、10nm≦S≦14nmの範囲で、よりいっそう大きくなることが判明した。
なお、1次ピークは、Ag粒子とAu金属層ギャップ間の局在型プラズモンに基づくピークであり、2次ピークは、干渉効果に基づくピークであると考えられる。1次ピークは、透光層の厚さGが小さい側に出現する増強度のピークであり、2次ピークは、透光層の厚さGが大きい側に出現する増強度のピークである。ここで、「干渉効果」とは、SiO2層の上面(SiO2層のAg粒子との接触面)で反射した光と、SiO2層の下面(SiO2層のAu層との接触面)で反射した光とが、互いに干渉を起こし、光の位相が一致すると強度が強まり、ずれると強度が弱まるという現象のことである。
図10により、透光層の主な材質がSiO2の場合、20nm≦G≦80nm、または、200nm≦G≦300nmの範囲で、増強度は大きくなることを例示する。
干渉効果を利用した透光層の厚さGに対する増強度SQRTの増強度が高くなる条件は透光層の厚さGと屈折率nと波長λが、G≒m・λ/(2・n) m=±1、±2、・・・である。m=1の場合、G=λ/(2・n)としてλ=633nm、n=1.45を代入するとGd=218nmとなる。これは、D=50nmのときにピークを示す透光層の厚さGに、ほぼ一致している。D=46nmのときは、240nmで2ndピークを取っている。実効屈折率は、neff=633/(2×240)=1.32となる。実効屈折率は、開口面積が広がる(P=60nm,D=50nmからP=60nm,D=46nmとなる)と低下するからであると考えられる。
以上のことから、透光層がSiO2の屈折率=1.45より大きなAl2O3=1.76やTiO2=2.52とした場合は、透光層の屈折率の大きさに反比例し透光層の厚さGに対する増強度ピークは、透光層の厚さGが薄い側へシフトする。しかし、透光層の厚さの1st peak(1次ピーク)、2nd peak(2次ピーク)による効果は同じである。つまり、1st peak SQRT(Ex2+Ez2)≦2nd peak SQRT(Ex2+Ez2)が成り立っていることを新たに発見した。すなわち、透光層は、正の誘電率を有する誘電体であって、2次ピークの増強度SQRTは、1次ピーク増強度SQRTよりも大きい、または、同等である。
D=54nm(S=6nm)のモデルのように、間隔Sを6nm以下にすると、入射光がAu層に届きにくくなり、SiO2層の効果を利用することができないため、増強度が小さくなると考えられる。
5.3. 実験例2
Ag粒子の直径Dを30nm、Ag粒子の厚さTを4nm、SiO2層の厚さGを10nm〜50nmに振った。そして、Ag粒子のピッチPを、40nm、50nm、60nm、70nm、80nmとして(すなわち、Ag粒子の間隔Sを10nm、20nm、30nm、40nm、50nmとして)、Ag粒子の間隔Sと最も反射率が低いGにおける反射率(Reflectance)との関係を調べた。その結果を図11および表1に示す。
Ag粒子の直径Dを30nm、Ag粒子の厚さTを4nm、SiO2層の厚さGを10nm〜50nmに振った。そして、Ag粒子のピッチPを、40nm、50nm、60nm、70nm、80nmとして(すなわち、Ag粒子の間隔Sを10nm、20nm、30nm、40nm、50nmとして)、Ag粒子の間隔Sと最も反射率が低いGにおける反射率(Reflectance)との関係を調べた。その結果を図11および表1に示す。
なお、図11および表1に示す「反射率」とは、モデルに光を入射し、該モデルから反射された光の反射率であり、図11および表1では、反射率の波長特性(Far field特性)において、反射率が落ち込んだときの値(反射率の最小値)をプロットしたものである。近接場(Near field)において光が増強して閉じ込められた場合は、Far field特性の反射率が落ち込む。すなわち、Far field特性において反射率が落ち込むということは、表面プラズモンにより光が増強されていることを示している。
図11および表1に示すように、S=50nmのモデルでは、反射率は、急激に増加した。図11および表1より、反射率は、10nm≦S<40nmの範囲で、0.01程度
と小さく、該範囲で増強度は、大きくなることが判明した。すなわち、実験例1の図10および本実験例2の図11,表1より、増強度は、6nm<S<40nmの範囲で大きくなることが判明した。
と小さく、該範囲で増強度は、大きくなることが判明した。すなわち、実験例1の図10および本実験例2の図11,表1より、増強度は、6nm<S<40nmの範囲で大きくなることが判明した。
5.4. 実験例3
Ag粒子のピッチPを60nmまたは120nm、および励起波長を633nmに固定した(ただし、D=80nmのモデルは、励起波長680nm)。そして、Ag粒子の直径Dを、30nm、40nm、46nm、50nm、54nm、80nmとし(すなわち、Ag粒子の間隔Sをそれぞれ、30nm、20nm、14nm、10nm、6nm、40nmとし)、Ag粒子の厚さTをそれぞれ、4nm、6nm、12nm、12nm、12nm、20nmとして、SiO2層の厚さGと増強度との関係を調べ、各モデルにおける1次ピーク値および2次ピーク値(実験例1参照)をプロットした。その結果を、図12および表2に示す。
Ag粒子のピッチPを60nmまたは120nm、および励起波長を633nmに固定した(ただし、D=80nmのモデルは、励起波長680nm)。そして、Ag粒子の直径Dを、30nm、40nm、46nm、50nm、54nm、80nmとし(すなわち、Ag粒子の間隔Sをそれぞれ、30nm、20nm、14nm、10nm、6nm、40nmとし)、Ag粒子の厚さTをそれぞれ、4nm、6nm、12nm、12nm、12nm、20nmとして、SiO2層の厚さGと増強度との関係を調べ、各モデルにおける1次ピーク値および2次ピーク値(実験例1参照)をプロットした。その結果を、図12および表2に示す。
図12および表2に示すように、S=6nm(D=54nm)およびS=40nm(D=120nm)のモデルは、増強度が30程度であり、S=10nm〜30nm(D=30nm〜50nm)のモデルに比べて、増強度が小さかった。したがって、図12および表2により、実験例2と同様に、6nm<S<40nmの範囲で、増強度は、40以上と大きくなることが判明した。より具体的には、図12および表2に示すように、10nm≦S≦30nm(30nm≦D≦50nm)の範囲で、増強度は大きくなった。
さらに、図12および表2より、S=10nm〜30nm(D=30nm〜50nm)のモデルでは、Ag粒子の厚さTは、小さくなるほど増強度は大きくなることが判明した。D=50nmかつT=12nmのモデルにおいても、増強度は40以上と大きく、4nm≦T≦12nmの範囲で、増強度は大きくなるといえる。
なお、図12および表2に示すように、T=20nmのモデルの増強度は、30程度であり、上記のように、Tは、小さくなるほど増強度は大きくなることから、Tが20nmより小さくなると、増強度は、30より大きくなるといえる。したがって、4nm≦T≦20nmの範囲でも、増強度は十分に大きいといえる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することが
できる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
できる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…基板、10…金属層、20…透光層、30…金属粒子、100…光学素子、200…光源、300…検出器、1000…分析装置、2000…電子機器、2010…演算部、2020…記憶部、2030…表示部
Claims (14)
- 第1方向を厚さ方向とする金属層と、
前記金属層から前記第1方向に離間して設けられた金属粒子と、
前記金属層と前記金属粒子を離間する透光層と、
を含み、
前記金属粒子は、前記第1方向と直交する第2方向、並びに前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に格子状配置として、前記第2方向の間隔と前記第3方向の間隔とがともに間隔Sで配置され、
前記Sは、6nm<S<40nmの関係を満たす、光学素子。 - 請求項1において、
前記Sは、10nm≦S≦20nmの関係を満たす、光学素子。 - 請求項1または請求項2において、
前記透光層は、酸化珪素を含み、
前記透光層の前記第1方向の厚さGは、20nm≦G≦60nmの関係を満たす、光学素子。 - 請求項1または請求項2において、
前記透光層は、酸化珪素を含み、
前記Sは、10nm≦S≦14nmの関係を満たし、
前記透光層の前記第1方向の厚さGは、220nm≦G≦280nmの関係を満たす、光学素子。 - 請求項1または請求項2において、
前記透光層は、正の誘電率を有する誘電体であって、
前記Sは、10nm≦S≦14nmの関係を満たし、
2次ピーク増強度SQRTは、1次ピーク増強度SQRTよりも大きい、または、同等であり、
前記透光層の前記第1方向の厚さGは、前記2次ピークの増強度SQRTでの厚さとした、光学素子。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
前記金属粒子の前記第2方向の大きさDは、
30nm≦D<54nmの関係を満たす、光学素子。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
前記金属粒子の前記第1方向の大きさTは、
4nm≦T<20nmの関係を満たす、光学素子。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記金属粒子の前記第1方向の大きさおよび前記第2方向の大きさよりも、大きい波長を有する光が照射されると、ラマン散乱光を増強する、光学素子。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の光学素子と、
前記光学素子に光を照射する光源と、
前記光源からの光の照射による前記光学素子からの光を検出する検出器と、
を含む、分析装置。 - 請求項9において、
前記検出器は、前記光学素子によって増強されたラマン散乱光を検出する、分析装置。 - 請求項9または請求項10において、
前記光源は、前記光学素子に、前記金属粒子の前記第1方向の大きさおよび前記第2方向の大きさよりも、大きい波長を有する光を照射する、分析装置。 - 光学素子の検出領域に分析対象物を含む物質を導入し、前記光学素子に光を照射し、前記光の照射による前記光学素子からの光を検出して分析する分析方法であって、
前記光学素子は、
第1方向を厚さ方向とする金属層と、
前記金属層から前記第1方向に離間して設けられた金属粒子と、
前記金属層と前記金属粒子を離間する透光層と、
を含み、
前記金属粒子は、前記第1方向と直交する第2方向、並びに前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に格子状配置として、前記第2方向の間隔と前記第3方向との間隔がともに間隔Sで配置され、
前記Sは、6nm<S<40nmの関係を満たす、分析方法。 - 請求項9ないし請求項11のいずれか1項に記載の分析装置と、
前記検出器からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部と、
前記健康医療情報を記憶する記憶部と、
前記健康医療情報を表示する表示部と、
を含む、電子機器。 - 請求項13において、
前記健康医療情報は、細菌、ウィルス、タンパク質、核酸、および抗原・抗体からなる群より選択される少なくとも1種の生体関連物質、または、無機分子および有機分子から選択される少なくとも1種の化合物の、有無若しくは量に関する情報を含む、電子機器。
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