JP2014163779A - 耐環境試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高度加速寿命試験は温度を上昇する過程で、圧力容器内の空気を排出するため加湿水を100℃の沸点で数分間沸騰させて水蒸気を多量に発生せて、圧力容器内の空気を排出する工程が必要であるという課題及び、水蒸気が一時的に多量に発生するため、試験室内の試料体や内槽を結露させないように加湿水温度より十分に高い温度に温度差をつけて加熱しておく必要があるという課題がある。
【解決手段】圧力容器の内部に試料体を設置可能な試験室を備えて、気体の温度と湿度を制御する環境試験装置で、大気圧下で行われる高温高湿の環境で安定しているとき密閉し、摂氏100度以上の水蒸気と空気の混合状態で行われる温度と湿度を制御する環境で、試料体の信頼性評価試験及び耐環境試験をする環境試験方法を解決課題とする。
【選択図】図1
【解決手段】圧力容器の内部に試料体を設置可能な試験室を備えて、気体の温度と湿度を制御する環境試験装置で、大気圧下で行われる高温高湿の環境で安定しているとき密閉し、摂氏100度以上の水蒸気と空気の混合状態で行われる温度と湿度を制御する環境で、試料体の信頼性評価試験及び耐環境試験をする環境試験方法を解決課題とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気部品、電子部品等の信頼性評価試験及び耐環境試験で用いる蒸気加圧式の環境試験装置に関する。
電気部品、電子部品やこれらの部品で組み立てられた製品の信頼性評価試験及び耐環境試験を行うために、温度と湿度が過酷な環境下に前記部品等を晒して、動作確認を実施したり寿命を推測する目的で、各種の環境試験装置が使用されている。この種の環境試験装置として、例えば、高度加速寿命試験装置(通称HAST装置)や、例えば、85℃85%RHなどの高温高湿の環境ができる環境試験装置がある。
この高度加速寿命試験装置では、温度と湿度で制御された大気圧以上の試験環境を試験槽内に形成することが多い。この場合、空気は排出され試験室内は水蒸気のみとなる。このときの湿度の定義は加湿水温度と試験室内温度のそれぞれの飽和蒸気圧の比としている。
相対湿度%=(加湿水温度の飽和水蒸気圧)/(試験室内温度の飽和水蒸気圧)×100 ・・・(1)
この高度加速寿命試験装置には一槽式と二槽式の2タイプが知られている。一槽式は、一つの圧力容器内に水蒸気を発生する加湿水部と試験室があり、加湿水部からの水蒸気を加熱ヒータで再加熱し送風機により攪拌されるタイプである。二槽式は、一槽式の加湿水部と試験室を分離して、水蒸気を発生する加湿水槽と試験室槽が独立して接続されており、加湿水槽で発生した水蒸気を試験室槽に導入し加熱ヒータで再加熱するタイプである。
通常、高度加速寿命試験装置は、25℃前後の室温雰囲気に置かれ、圧力容器内は水の沸点以上つまり100℃以上で使用されるため、この温度差による圧力容器の外壁からの伝熱による自然放熱を利用して放冷するのが一般的で、冷却器等の冷却装置を具備していない。
この高度加速寿命試験装置では、圧力容器内の空気を排出し水蒸気で充満したのち気密にし、加湿水温度を上昇して加湿水温度に対応した飽和水蒸気圧となるよう圧力容器内の圧力を上げるとともに、試験室内の飽和水蒸気を加熱器で加熱することで、前記(1)式に示した相対湿度%の環境を作り出す。
一方、通常の大気圧環境下で利用され高温高湿の環境ができる環境試験装置は、試験室内が空気と水蒸気で混合されている。このときの湿度の定義は、試験室内に配置されている乾球温度と布等で覆われ水で湿らせた湿球温度の計測値から、よく知られているペルンターの式やスプルングの式などの関係補正式で相対湿度を求めて、試験室内の湿度を制御することが知られている。
相対湿度%=(補正式で求める水蒸気圧)/(試験室内温度の飽和水蒸気圧)×100 ・・・(2)
この大気圧環境下で利用される環境試験装置の試験室の概略構造は図示しないが、加湿器、冷却器、加熱器、送風機で構成されていることが知られている。この環境試験装置は、冷却器による気体の冷却と水蒸気の除湿により低温と低湿状態を作りながら、加熱器による気体の再加熱と加湿器による加湿をするとともに、試験室の気体を送風機で循環しながら温湿度制御をすることが知られている。
また、室温より十分に高い、例えば、85℃85%RHなどの高温高湿で使用する環境試験装置では、低温と低湿状態を作る冷却器を搭載しなくても、環境試験装置が常温常湿の大気圧下の雰囲気内に設置されておれば、外壁からの伝熱による自然放熱を利用して放冷し試験室内を温湿度制御することや、試験室内の高温高湿気体を部分的に排出し、常温常湿の気体を順次取り入れることで、試験室内を温湿度制御することが知られている。
この高度加速寿命試験装置では、温度と湿度で制御された大気圧以上の試験環境を試験槽内に形成することが多い。この場合、空気は排出され試験室内は水蒸気のみとなる。このときの湿度の定義は加湿水温度と試験室内温度のそれぞれの飽和蒸気圧の比としている。
相対湿度%=(加湿水温度の飽和水蒸気圧)/(試験室内温度の飽和水蒸気圧)×100 ・・・(1)
この高度加速寿命試験装置には一槽式と二槽式の2タイプが知られている。一槽式は、一つの圧力容器内に水蒸気を発生する加湿水部と試験室があり、加湿水部からの水蒸気を加熱ヒータで再加熱し送風機により攪拌されるタイプである。二槽式は、一槽式の加湿水部と試験室を分離して、水蒸気を発生する加湿水槽と試験室槽が独立して接続されており、加湿水槽で発生した水蒸気を試験室槽に導入し加熱ヒータで再加熱するタイプである。
通常、高度加速寿命試験装置は、25℃前後の室温雰囲気に置かれ、圧力容器内は水の沸点以上つまり100℃以上で使用されるため、この温度差による圧力容器の外壁からの伝熱による自然放熱を利用して放冷するのが一般的で、冷却器等の冷却装置を具備していない。
この高度加速寿命試験装置では、圧力容器内の空気を排出し水蒸気で充満したのち気密にし、加湿水温度を上昇して加湿水温度に対応した飽和水蒸気圧となるよう圧力容器内の圧力を上げるとともに、試験室内の飽和水蒸気を加熱器で加熱することで、前記(1)式に示した相対湿度%の環境を作り出す。
一方、通常の大気圧環境下で利用され高温高湿の環境ができる環境試験装置は、試験室内が空気と水蒸気で混合されている。このときの湿度の定義は、試験室内に配置されている乾球温度と布等で覆われ水で湿らせた湿球温度の計測値から、よく知られているペルンターの式やスプルングの式などの関係補正式で相対湿度を求めて、試験室内の湿度を制御することが知られている。
相対湿度%=(補正式で求める水蒸気圧)/(試験室内温度の飽和水蒸気圧)×100 ・・・(2)
この大気圧環境下で利用される環境試験装置の試験室の概略構造は図示しないが、加湿器、冷却器、加熱器、送風機で構成されていることが知られている。この環境試験装置は、冷却器による気体の冷却と水蒸気の除湿により低温と低湿状態を作りながら、加熱器による気体の再加熱と加湿器による加湿をするとともに、試験室の気体を送風機で循環しながら温湿度制御をすることが知られている。
また、室温より十分に高い、例えば、85℃85%RHなどの高温高湿で使用する環境試験装置では、低温と低湿状態を作る冷却器を搭載しなくても、環境試験装置が常温常湿の大気圧下の雰囲気内に設置されておれば、外壁からの伝熱による自然放熱を利用して放冷し試験室内を温湿度制御することや、試験室内の高温高湿気体を部分的に排出し、常温常湿の気体を順次取り入れることで、試験室内を温湿度制御することが知られている。
JPCA規格番号 JPCA−ET04−2007
JPCA規格番号 JPCA−ET08−2007
普通、電気部品、電子部品等が使用される環境の空気には、窒素、酸素などの気体のほか、水蒸気を含んでいる。試料体として電気部品、電子部品等の信頼性評価試験及び耐環境試験をするとき、85℃85%RHなどの高温高湿用環境試験装置や高度加速寿命試験装置を利用するが、大気圧環境で試験する高温高湿用環境試験装置の試験室内の気体は水蒸気と空気の混合状態であるのに対して、大気圧以上の環境で試験する高度加速寿命試験装置の試験室内の気体は加熱された水蒸気のみであり、これらの試験結果に空気の存在の有無の違いを考慮する必要があるという問題があった。
本発明が解決しようとする次の課題は、高度加速寿命試験は温度を上昇する過程で、圧力容器内の空気を排出するため加湿水を100℃の沸点で数分間沸騰させて水蒸気を多量に発生せて、圧力容器内の空気を排出する工程が必要であるという問題と、水蒸気が一時的に多量に発生するため、試験室内の試料体や内槽を結露させないように加湿水温度より十分に高い温度に温度差をつけて加熱しておく必要があるという問題があった。
本発明が解決しようとする次の課題は、不飽和加圧水蒸気試験をする高度加速寿命試験装置を用いて100℃以上の温度で湿度100%の環境に試料体を晒して信頼性評価試験及び耐環境試験をする場合、加湿水の沸点と飽和水蒸気圧が等しいため、試験室内が飽和水蒸気状態になり試験室内の試料体が結露してしまうことがあるという問題があった。
本発明が解決しようとする次の課題は、高度加速寿命試験は温度を上昇する過程で、圧力容器内の空気を排出するため加湿水を100℃の沸点で数分間沸騰させて水蒸気を多量に発生せて、圧力容器内の空気を排出する工程が必要であるという問題と、水蒸気が一時的に多量に発生するため、試験室内の試料体や内槽を結露させないように加湿水温度より十分に高い温度に温度差をつけて加熱しておく必要があるという問題があった。
本発明が解決しようとする次の課題は、不飽和加圧水蒸気試験をする高度加速寿命試験装置を用いて100℃以上の温度で湿度100%の環境に試料体を晒して信頼性評価試験及び耐環境試験をする場合、加湿水の沸点と飽和水蒸気圧が等しいため、試験室内が飽和水蒸気状態になり試験室内の試料体が結露してしまうことがあるという問題があった。
本発明の第1の課題を解決するための解決手段は、空気を排除して大気圧以上の水蒸気のみで行われる高度加速寿命試験装置(通称HAST装置)とは異なり、水蒸気と空気の混合状態で試験をするために、内部に加湿水を貯留するとともに試料体を設置可能な試験室を備えた密閉可能な圧力容器で構成されている環境試験装置において、この圧力容器内には気体の温度を計測する乾球温度センサと加湿水温度センサあるいは湿球温度センサか、乾球温度センサと加湿水温度センサと湿球温度センサ両方が備えられていて、気体を加熱制御する為の加熱ヒータ、加湿水を加熱制御する為の加湿水加熱ヒータを具備して、試験室内の気体の温度と湿度を制御して試料体を晒し試験するとき、試験室内の気体が空気と加湿水から蒸発する水蒸気の混合状態で、温湿度制御されているときに圧力容器を密閉し、加湿水を沸騰することなく、100℃以上の温度の環境で前記試験室内の湿度を制御する制御方法で、100℃以上の混合気体に晒した試料体の信頼性評価試験及び耐環境試験をする環境試験方法を提供することにある。
請求項2の本発明は、請求項1に記載の環境試験方法であって、試験室内の気体が空気と加湿水から蒸発する水蒸気の混合状態である温度85℃湿度85%のときに圧力容器を密閉し、気体と加湿水を加温して、温度100℃湿度85%、温度110℃湿度85%、温度120℃湿度85%、温度130℃湿度85%、温度140℃湿度85%、温度150℃湿度85%、温度160℃湿度85%のどれか1つ環境か、複数を組み合わせた環境で試料体を晒した後、温度85℃湿度85%に降下し圧力容器を開放して大気圧に戻し、信頼性評価試験及び耐環境試験を目的とする高温高湿試験と高温高湿加速寿命試験を関連させた環境試験方法を提供することにある。
請求項3の本発明を解決するための解決手段は、請求項1に記載の環境試験方法であって、試験室内の気体が空気と加湿水から蒸発する水蒸気の混合状態である温度85℃湿度85%のときに圧力容器を密閉し、気体と加湿水を沸騰することなく加温して、100℃以上の温度で湿度100%の環境で試料体を晒した不飽和加圧水蒸気による高温高湿加速寿命試験をする環境試験方法を提供することにある。
請求項2の本発明は、請求項1に記載の環境試験方法であって、試験室内の気体が空気と加湿水から蒸発する水蒸気の混合状態である温度85℃湿度85%のときに圧力容器を密閉し、気体と加湿水を加温して、温度100℃湿度85%、温度110℃湿度85%、温度120℃湿度85%、温度130℃湿度85%、温度140℃湿度85%、温度150℃湿度85%、温度160℃湿度85%のどれか1つ環境か、複数を組み合わせた環境で試料体を晒した後、温度85℃湿度85%に降下し圧力容器を開放して大気圧に戻し、信頼性評価試験及び耐環境試験を目的とする高温高湿試験と高温高湿加速寿命試験を関連させた環境試験方法を提供することにある。
請求項3の本発明を解決するための解決手段は、請求項1に記載の環境試験方法であって、試験室内の気体が空気と加湿水から蒸発する水蒸気の混合状態である温度85℃湿度85%のときに圧力容器を密閉し、気体と加湿水を沸騰することなく加温して、100℃以上の温度で湿度100%の環境で試料体を晒した不飽和加圧水蒸気による高温高湿加速寿命試験をする環境試験方法を提供することにある。
従来の高度加速寿命試験(通称HAST装置)は、加湿水を沸点の100℃で数分間沸騰させて圧力容器内を水蒸気で充満させ、圧力容器内の空気を排出する工程を必要とした。しかし、本発明は、試験室内の気体を加湿水沸点前の水蒸気と空気の混合状態で、温湿度制御されているときに圧力容器を密閉することで、圧力容器内の気体の圧力は空気圧と水蒸気圧の合計した圧力となる。密閉された圧力容器内の圧力は常に加湿水の飽和水蒸気圧より空気圧だけ高くなるため、加湿水は沸騰しない。従って、本発明は圧力容器内の空気を排出するための加湿水を数分間沸騰する工程を不要とし、その工程で消費する気化熱量を削減する利点がある。
従来の大気圧環境で試験する高温高湿用環境試験装置と同様に、本発明は、試験室内の気体を水蒸気と空気の混合状態で温湿度制御する。従って、本発明は、大気圧以上の、空気のある湿度制御試験の試験結果として扱うことができる。
本発明は、前記のように、密閉された圧力容器内の試験室内は水蒸気と空気の混合状態の気体である。100℃以上の温度で湿度100%の湿度制御をするときも、試験室内は飽加圧和水蒸気状態にならず、空気と水蒸気を加温制御するために不飽和加圧水蒸気状態となる。従って、本発明は、試験室内の試料体が結露することなく湿度制御できる。
本発明を実施した環境試験装置は、1台の同じ環境試験装置で高温高湿試験と高温高湿加速寿命試験ができる利点がある。
従来の大気圧環境で試験する高温高湿用環境試験装置と同様に、本発明は、試験室内の気体を水蒸気と空気の混合状態で温湿度制御する。従って、本発明は、大気圧以上の、空気のある湿度制御試験の試験結果として扱うことができる。
本発明は、前記のように、密閉された圧力容器内の試験室内は水蒸気と空気の混合状態の気体である。100℃以上の温度で湿度100%の湿度制御をするときも、試験室内は飽加圧和水蒸気状態にならず、空気と水蒸気を加温制御するために不飽和加圧水蒸気状態となる。従って、本発明は、試験室内の試料体が結露することなく湿度制御できる。
本発明を実施した環境試験装置は、1台の同じ環境試験装置で高温高湿試験と高温高湿加速寿命試験ができる利点がある。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の環境試験方法を実施して高温高湿試験と高温高湿加速寿命試験をする環境試験装置の簡略断面図及び簡略構成図である。
図1に示す簡略断面図及び簡略構成図の高温高湿試験と高温高湿加速寿命試験をする環境試験装置1は、一端を開口した圧力容器2と開口部を開閉できる開閉蓋3を備えている。
圧力容器2の内部には圧力容器2の開口側と同一側が開放された内槽4が設置され、この内槽4の内側に試験室5が構成されている。この試験室5には図示しないが棚を設置して試料体13を載置できるよう構成されている。圧力容器2の内部の内槽4の外側の下部には加湿水9が貯留されている。この加湿水9に浸漬されるように加湿水9を加熱する加湿水加熱ヒータ7と加湿水9の温度を計測する加湿水温度センサ12が設けられている。
前記圧力容器2内の試験室5には気体の温度と湿度を計測するために乾球温度センサ10と湿球温度センサ11が設けられている。湿球温度センサ11の球部には加湿水9を毛細管現象により吸い上げることができる繊維体、例えばガーゼが被せられており、この繊維体の下端は加湿水9に浸漬するよう構成されている。また、前記内槽4の開口側の反対側には貫通口が形成されており、内槽4と圧力容器2の間に設置された加熱ヒータ6で気体を加熱するよう構成されている。気体は攪拌器8で循環させることができるようになっている。
更に、圧力容器2には圧力容器2内を気密にする制御弁14が備えられている。また、この図1の環境試験装置1には図示しないが、温度湿度時間を設定し制御するための制御装置が備えられており、この制御装置で環境試験装置1を制御する。
湿度制御は湿球温度センサ11の計測温度に基づく湿度制御と、加湿水温度センサ12の計測温度に基づく湿度制御を選択して制御する。湿球温度センサ11の計測温度に基づく湿度制御は従来の恒温恒湿槽で使用され、加湿水温度センサ12の計測温度に基づく湿度制御は高度加速寿命試験装置で使用されている。試験開始前に基準となる湿球温度センサを湿球温度センサ11か加湿水温度センサ12かを選択する。
以上の構成において、制御弁14を開いた状態で、試料体13を載置して制御を開始する。実施例1として、請求項2の設定温度85℃→130℃、設定湿度85%を実施する。
設定温度85℃、設定湿度85%まで昇温する。設定温度85℃、設定湿度85%の高温高湿域に到達し安定するよう温湿度制御する。湿度制御するための湿球温度センサは加湿水温度センサ12を選択して実施する。
試験室5内の気体の温度に対応する乾球温度センサ10の温度は85℃、加湿水温度に対応する加湿水温度センサ12の温度は約80.9℃(飽和水蒸気圧0.049133MPa換算値、日本機械学会蒸気表より)である。また、湿球温度センサ11の温度は約81.1℃(弱風のペルンター式関係補正式による)である。大気圧を0.101325MPaとしたとき、試験室5の空気圧は0.052192MPaであり、水蒸気圧と空気圧はほぼ同じ割合で存在し、空気圧は大気圧の半分で約52%ある。高温高湿域での湿球温度センサ11の温度と加湿水温度センサ12の温度の温度差は僅かである。
次に、制御弁14を閉じて圧力容器2を気密したのち、湿度85%を保持しながら加温して試験室5の環境を設定温度130℃、設定湿度85%に到達し安定するように制御する。気密してから加温するので加湿水は沸騰することなく上昇するので省エネを図ることができる。
試験室内温度に対応する乾球温度センサ10の温度は130℃、加湿水温度に対応する加湿水温度センサ12の温度は約124.65℃(飽和水蒸気圧0.229613MPa換算値、日本機械学会蒸気表より)である。また、湿球温度センサ11の温度は約125.8℃であった。
圧力容器2内の空気分圧は0.058749MPaで、水蒸気圧と空気圧の合計は0.288362MPaである。空気圧は全圧力の約20%で残りは水蒸気圧である。
所定の時間経過して試料体13を晒したあと、湿度85%を保持しながら降下して試験室5の環境を設定温度85℃、設定湿度85%に到達するように制御する。
設定温度85℃、設定湿度85%に到達し圧力容器2内の圧力が、図示しない圧力検知器が大気圧値と同じになったら、制御弁14を開いて大気と同圧にする。その後、試料体13が結露しないように制御して取り出し可能な温度まで降下する。
図1に示す簡略断面図及び簡略構成図の高温高湿試験と高温高湿加速寿命試験をする環境試験装置1は、一端を開口した圧力容器2と開口部を開閉できる開閉蓋3を備えている。
圧力容器2の内部には圧力容器2の開口側と同一側が開放された内槽4が設置され、この内槽4の内側に試験室5が構成されている。この試験室5には図示しないが棚を設置して試料体13を載置できるよう構成されている。圧力容器2の内部の内槽4の外側の下部には加湿水9が貯留されている。この加湿水9に浸漬されるように加湿水9を加熱する加湿水加熱ヒータ7と加湿水9の温度を計測する加湿水温度センサ12が設けられている。
前記圧力容器2内の試験室5には気体の温度と湿度を計測するために乾球温度センサ10と湿球温度センサ11が設けられている。湿球温度センサ11の球部には加湿水9を毛細管現象により吸い上げることができる繊維体、例えばガーゼが被せられており、この繊維体の下端は加湿水9に浸漬するよう構成されている。また、前記内槽4の開口側の反対側には貫通口が形成されており、内槽4と圧力容器2の間に設置された加熱ヒータ6で気体を加熱するよう構成されている。気体は攪拌器8で循環させることができるようになっている。
更に、圧力容器2には圧力容器2内を気密にする制御弁14が備えられている。また、この図1の環境試験装置1には図示しないが、温度湿度時間を設定し制御するための制御装置が備えられており、この制御装置で環境試験装置1を制御する。
湿度制御は湿球温度センサ11の計測温度に基づく湿度制御と、加湿水温度センサ12の計測温度に基づく湿度制御を選択して制御する。湿球温度センサ11の計測温度に基づく湿度制御は従来の恒温恒湿槽で使用され、加湿水温度センサ12の計測温度に基づく湿度制御は高度加速寿命試験装置で使用されている。試験開始前に基準となる湿球温度センサを湿球温度センサ11か加湿水温度センサ12かを選択する。
以上の構成において、制御弁14を開いた状態で、試料体13を載置して制御を開始する。実施例1として、請求項2の設定温度85℃→130℃、設定湿度85%を実施する。
設定温度85℃、設定湿度85%まで昇温する。設定温度85℃、設定湿度85%の高温高湿域に到達し安定するよう温湿度制御する。湿度制御するための湿球温度センサは加湿水温度センサ12を選択して実施する。
試験室5内の気体の温度に対応する乾球温度センサ10の温度は85℃、加湿水温度に対応する加湿水温度センサ12の温度は約80.9℃(飽和水蒸気圧0.049133MPa換算値、日本機械学会蒸気表より)である。また、湿球温度センサ11の温度は約81.1℃(弱風のペルンター式関係補正式による)である。大気圧を0.101325MPaとしたとき、試験室5の空気圧は0.052192MPaであり、水蒸気圧と空気圧はほぼ同じ割合で存在し、空気圧は大気圧の半分で約52%ある。高温高湿域での湿球温度センサ11の温度と加湿水温度センサ12の温度の温度差は僅かである。
次に、制御弁14を閉じて圧力容器2を気密したのち、湿度85%を保持しながら加温して試験室5の環境を設定温度130℃、設定湿度85%に到達し安定するように制御する。気密してから加温するので加湿水は沸騰することなく上昇するので省エネを図ることができる。
試験室内温度に対応する乾球温度センサ10の温度は130℃、加湿水温度に対応する加湿水温度センサ12の温度は約124.65℃(飽和水蒸気圧0.229613MPa換算値、日本機械学会蒸気表より)である。また、湿球温度センサ11の温度は約125.8℃であった。
圧力容器2内の空気分圧は0.058749MPaで、水蒸気圧と空気圧の合計は0.288362MPaである。空気圧は全圧力の約20%で残りは水蒸気圧である。
所定の時間経過して試料体13を晒したあと、湿度85%を保持しながら降下して試験室5の環境を設定温度85℃、設定湿度85%に到達するように制御する。
設定温度85℃、設定湿度85%に到達し圧力容器2内の圧力が、図示しない圧力検知器が大気圧値と同じになったら、制御弁14を開いて大気と同圧にする。その後、試料体13が結露しないように制御して取り出し可能な温度まで降下する。
実施例2として、請求項3の設定温度85℃→130℃、設定湿度85%→100%を実施する。
実施例1と同様に、設定温度85℃、設定湿度85%まで昇温する。次に、制御弁14を閉じて圧力容器2を気密したのち、加温して試験室5の環境を設定温度130℃、設定湿度100%に到達し安定するように制御する。気密してから加温するので加湿水は沸騰することなく上昇するので省エネを図ることができる。
試験室内温度に対応する乾球温度センサ10の温度は130℃、加湿水温度に対応する加湿水温度センサ12の温度は130℃(飽和水蒸気圧0.270133MPa換算値、日本機械学会蒸気表より)である。また、湿球温度センサ11の温度は約130℃であった。圧力容器2内の空気分圧は0.058749MPaで、水蒸気圧と空気圧の合計は0.328882MPaである。空気圧は全圧力の約18%で残りは水蒸気圧である。乾球温度センサ10の温度が加湿水温度センサ12の温度より等しいか高いように温度制御することで、試験室内の気体は飽加圧和水蒸気状態にならず、空気と水蒸気の混合状態で不飽和加圧水蒸気状態となる。
実施例1と同様に、設定温度85℃、設定湿度85%まで昇温する。次に、制御弁14を閉じて圧力容器2を気密したのち、加温して試験室5の環境を設定温度130℃、設定湿度100%に到達し安定するように制御する。気密してから加温するので加湿水は沸騰することなく上昇するので省エネを図ることができる。
試験室内温度に対応する乾球温度センサ10の温度は130℃、加湿水温度に対応する加湿水温度センサ12の温度は130℃(飽和水蒸気圧0.270133MPa換算値、日本機械学会蒸気表より)である。また、湿球温度センサ11の温度は約130℃であった。圧力容器2内の空気分圧は0.058749MPaで、水蒸気圧と空気圧の合計は0.328882MPaである。空気圧は全圧力の約18%で残りは水蒸気圧である。乾球温度センサ10の温度が加湿水温度センサ12の温度より等しいか高いように温度制御することで、試験室内の気体は飽加圧和水蒸気状態にならず、空気と水蒸気の混合状態で不飽和加圧水蒸気状態となる。
本発明の環境試験方法の高温高湿加速寿命試験は、従来の空気を除外して水蒸気のみの高度加速寿命試験と異なり、水蒸気と空気の混合状態の温度と湿度が過酷な試験環境を実現できる。このことは、通常酸素を含んだ空気の雰囲気内で使用する部品の耐環境試験として、現在利用されている高温高湿試験をより過酷にした高温高湿加速寿命試験ができる。
また、本発明の環境試験方法を可能にした環境試験装置は、1台の同じ環境試験装置で従来の85℃85%の高温高湿試験と高温高湿加速寿命試験ができる利点があり、電気部品、電子部品等の信頼性評価試験及び耐環境試験をする産業上で有利に利用することができる。
また、本発明の環境試験方法を可能にした環境試験装置は、1台の同じ環境試験装置で従来の85℃85%の高温高湿試験と高温高湿加速寿命試験ができる利点があり、電気部品、電子部品等の信頼性評価試験及び耐環境試験をする産業上で有利に利用することができる。
1 環境試験装置
2 圧力容器
3 蓋
4 内槽
5 試験室
6 加熱ヒータ
7 加湿水加熱ヒータ
8 攪拌器
9 加湿水
10 乾球温度センサ
11 湿球温度センサ
12 加湿水温度センサ
13 試料体
14 制御弁
2 圧力容器
3 蓋
4 内槽
5 試験室
6 加熱ヒータ
7 加湿水加熱ヒータ
8 攪拌器
9 加湿水
10 乾球温度センサ
11 湿球温度センサ
12 加湿水温度センサ
13 試料体
14 制御弁
Claims (3)
- 内部に加湿水を貯留するとともに試料体を設置可能な試験室を備えた密閉可能な圧力容器で構成されている環境試験装置において、この圧力容器内には気体の温度を計測する乾球センサと加湿水温度センサあるいは湿球センサか、乾球センサと加湿水温度センサと湿球センサ両方が備えられていて、気体を加熱制御する為の加熱ヒータ、加湿水を加熱制御する為の加湿水加熱ヒータを具備して、試験室内の気体の温度と湿度を制御して試料体を晒し試験するとき、試験室内の気体が空気と加湿水から蒸発する水蒸気の混合状態であるときに圧力容器を密閉し、加湿水を沸騰することなく、100℃以上の温度の環境で前記試験室内の湿度を制御する制御方法で、100℃以上の混合気体に晒した試料体の信頼性評価試験及び耐環境試験をする環境試験方法。
- 請求項1に記載の環境試験方法であって、試験室内の気体が空気と加湿水から蒸発する水蒸気の混合状態である温度85℃湿度85%のときに圧力容器を密閉し、気体と加湿水を加温して、温度100℃湿度85%、温度110℃湿度85%、温度120℃湿度85%、温度130℃湿度85%、温度140℃湿度85%、温度150℃湿度85%、温度160℃湿度85%のどれか1つ環境か、複数を組み合わせた環境で試料体を晒した後、温度85℃湿度85%に降下し圧力容器を開放して大気圧に戻し、信頼性評価試験及び耐環境試験を目的とする高温高湿試験と高温高湿加速寿命試験を関連させた環境試験方法。
- 請求項1に記載の環境試験方法であって、試験室内の気体が空気と加湿水から蒸発する水蒸気の混合状態である温度85℃湿度85%のときに圧力容器を密閉し、気体と加湿水を沸騰することなく加温して、100℃以上の温度で湿度100%の環境に試料体を晒した不飽和加圧水蒸気による高温高湿加速寿命試験をする環境試験方法。
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JP2013034550A JP2014163779A (ja) | 2013-02-25 | 2013-02-25 | 耐環境試験方法 |
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- 2013-02-25 JP JP2013034550A patent/JP2014163779A/ja active Pending
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