JP2014161497A - 超低侵襲手術システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 開創部内で複数の手術用機器使用時に干渉し合う構造を排除し、単孔式腹腔鏡下手術の安全性、操作性に優れる超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイスを有する超低侵襲手術システムを提供する。
【解決手段】 本発明の超低侵襲手術システム1は、直交する3軸X、Y、Z軸において、手術先端器具50を主軸のX軸回りに回転させる手術先端器具回転機構40、40Aを回転伝動機構40aによりX軸とY軸方向にシフトして配設し、手術先端器具回転ハンドル45、洗浄口やその他の操作ボタンなどの突出物を手術先端器具操作部20,20Aの把持及び操作ハンドル21a又は21Aa、及び22の反対側のZ軸方向上面部から全て排除した構成の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10、10Aを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、腹部切開などの生体手術を省いて手術侵襲を極力少なくする外科手術システムに係り、より詳しくは、人体の切開あるいは開腹を必要とせずに、体腔内病変臓器の手術部位での手術処置を安全に行うことが可能で操作性に優れる超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイスを有する超低侵襲手術システムに関する。
内視鏡(胃腸)あるいは腹腔鏡(腹部)の小型化及び精度向上と医療技術の向上に伴い健康診断等の病巣の早期発見により、病巣が小さいうちに処置できる鏡視下手術のニーズが高まっている。鏡視下手術においては、従来の切開外科手術に比べて傷が小さく人体への負担も少ない低侵襲化が展開しつつある。
従来の腹部外科では、長径略20mm以上の開腹創を伴う侵襲的外科治療に代わり、直径略10mm×長さ略300mmのデバイスを腹壁に刺入し外科手術が施されてきた。ここ数年、長径略20mmの開腹創から通常4本以上の複数本の各種鉗子や腹腔鏡を挿入し手術を施行するReduced Port Surgery(RPS)が開発され実施されている。
また、群馬県済生会前橋病院などでは、皮膚を切開せずに刺入できる針型臓器把持器具ミニループレトラクターが開発され、一層低侵襲な2孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術が数多く実施されている。(例えば特許文献1参照)
これまでの腹腔鏡下手術では腹腔鏡と鉗子の挿入部として少なくとも3カ所の皮膚切開を必要としたが、最近では、1つの切開創から腹腔鏡と鉗子を挿入して手術を行う単孔式腹腔鏡下手術(TANKO)が広がりつつある
そして、本発明者らは、単孔式腹腔鏡下手術において簡単な構成で、鉗子等の手術器具が容易に挿入され、手術中及び手術器具の交換時や手術器具を挿入しない場合も、腹腔内の空気の漏洩を防止できる器具挿入口形成体を提案している。(例えば特許文献2参照)
特開2000−23989号公報 特開2012−170802号公報
しかし、従来のRPS、特許文献1に記載の2孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術、さらに特許文献2等に記載の単孔式腹腔鏡下手術においては、図14のイメージ写真に示すように、狭い開腹創から多数の鉗子などの手術用機器例えば単孔式内視鏡用手術デバイス110を挿入するためこれらの手術用機器の間から見える手術風景が狭小で単孔式内視鏡用手術デバイス110の特に回転ハンドル140や洗浄口あるいはその他の操作ボタンなどの突出物、例えば図13に示すような手術先端器具操作部120の固定ハンドル構造121の後端部Z軸方向上方である外表面上に斜め後ろ向きに30度前後の角度で設けられた電極取付け部170などが相互に当たり干渉し、視野不良及び前記手術用機器同士のぶつかり合いに伴う操作ミスによる事故が発生し易いだけでなく、把持していた組織に損傷を来す危険性があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来の操作性を損なうことなく狭い開創部内で複数の手術用機器を使用してもお互いに干渉し障害し合う構造を排除し、単孔式腹腔鏡下手術における体腔内病変臓器の手術部位での手術処置を安全に行うことが可能で操作性に優れ、低侵襲性を極限まで実現させた超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイスを有する超低侵襲手術システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る超低侵襲手術システムは、外径及び長さが設定自在で、主軸であるX軸、近位端すなわち後端及び遠位端すなわち先端を有し、生体内に挿入される細径挿入構造と、前記細径挿入構造の先端部に着脱可能に連結される手術先端器具と、前記細径挿入構造の後端部が挿通し支持される細径挿入構造支持ユニットと、前記細径挿入構造支持ユニットの後端部が前記X軸回りに回転可能に挿通されるとともに前記細径挿入構造支持ユニット内を経由しX軸方向に進退可能に挿通された細径挿入構造の後端部と連携して前記手術先端器具を作動させる把持及び操作ハンドルを有する手術先端器具操作部と、前記手術先端器具操作部の先端部の前記X軸に対して直交するY軸方向に沿って前記X軸の両サイドの何れか一方側に離隔するようにシフトし配設され、前記細径挿入構造支持ユニットをX軸回りに回転させる回転伝動機構を介して、前記細径挿入構造と共に前記手術先端器具をX軸回りに回転させる手術先端器具回転機構と、を備えた超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイスを有し、腹腔鏡によるモニタリング下で、生体の臍部に小切開を加えた単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔に留置された手術器具挿入口形成体の複数の各ポート内に前記長低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイスを体腔内の病変臓器の近傍まで挿入し、前記手術先端器具操作部によりそれぞれ前記手術先端器具を操作して単孔式腹腔鏡下手術を体腔内で全て実行することを特徴とする。
また、前記細径挿入構造は、高剛性及び高弾力性を有する医療適合性材料の外径略3mm以下の棒状又は線状体である1本のロッド部材で構成されることを特徴とする。
また、前記細径挿入構造は、いずれも剛性及び高弾力性を有する医療適合性材料の外径略3mm以下の棒状又は線状体である1本のロッド部材、及び前記ロッド部材がX軸方向に進退可能に内挿される外径略5mm以下の管状体がさらに付加されて構成することができる。
また、前記手術先端器具回転機構は、前記手術先端器具操作部の先端部内に挿通される前記細径挿入構造支持ユニットの後端部に外挿し固着される第1回転伝動手段、及び前記X軸に対して直交するY軸方向に沿って前記X軸の両サイドの何れか一方側に離隔するように選択的にシフトし配設され、前記第1回転伝動手段に係合する一段式又は多段式回転伝動手段からなる回転伝動機構と、前記回転伝動機構が設けられる前記手術先端器具操作部先端部の前記Y軸方向の一方側に開設された開口部に着脱自在に取付けられる開放端取付け面を有する中空形状に形成され、前記回転伝動機構を内部に封入し収容する回転伝動機構ケースと、前記回転伝動機構ケースのX軸方向前面外側又は後面外側に露出して選択的に配設され、前記回転伝動機構の最終段回転伝動手段の回転軸に連結されて前記回転伝動機構を介して前記手術先端器具を回動させる手術先端器具回転ハンドルと、を備えることを特徴とする。
また、前記手術先端器具回転機構の回転伝動機構は、相互に係合する平歯車、ウオームギヤ、傘歯車、ハイレシオハイポイドギヤ、はす歯ギヤ、内歯車すなわちリングギヤ、ラック・アンド・ピニオンギヤ、マイタギヤ、ねじ歯車、やまば歯車、フェースギヤ、タイミングギヤ、スプロケット・チエーン又はベルトを含むギヤ機構、ベルト駆動機構、クラッチサスペンション駆動機構、フリクションドライブ機構のいずれか単独又は組合せにより構成され、手動、モーター駆動又は油圧駆動方式のいずれかを選択的に適用するとともに、医療適合性材料の樹脂及びステンレス部材を併用して無給油潤滑による回転が可能とすることを特徴とすることを特徴とする。
また、前記細径挿入構造支持ユニット、手術先端器具回転機構及び手術先端器具操作部のX−Y平面に直交するZ軸方向に屈曲形成される把持及び操作ハンドルの反対側のZ軸方向表面上には、前記手術先端器具回転ハンドル、洗浄口やその他の操作ボタンを含む突出物を全て排除し、前記単孔式腹腔鏡下手術の際に用いられる前記超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス同士及びその他の手術処置具との当接による干渉を排除する構成とすることを特徴とする。
また、前記細径挿入構造のロッド部材は、形状記憶材料からなり、前記手術先端器具の動作に必要なX軸方向のスライド、回転、通電、あるいは前記ロッド部材及び管状部材にも通電、マイクロ波又は超音波放射線伝送を含む各種機能を選択的に有することを特徴とする。
また、前記細径挿入構造への通電用電極取付け部は、前記手術先端器具操作部の外表面上にX軸と平行状態で電極端子挿入口が後向きに配設されることを特徴とする。
さらに、前記回転伝動機構ケースの開放端取付け面と手術先端器具操作部先端部の開口部との間には、前記開口部の一方端に固着されZ軸方向に立設された第1固定ピン及び他方端にばね部材によりZ軸方向に付勢されスライド自在に立設された第2固定ピンと、前記開放端取付け面の両端に設けられ、前記第1固定ピン及び第2固定ピンにそれぞれ嵌合する一対の固定ピン孔と、からなるワンタッチ着脱機構を備え、前記第2固定ピンを前記ばね部材の付勢力に抗して前記固定ピン孔から抜き出すワンタッチ操作により、前記回転伝動機構ケースの前記開口部への着脱が可能となることを特徴とする。
以上のように本発明によれば、手術先端器具を主軸であるX軸回りに回転させる手術先端器具回転機構を回転伝動機構によりX軸に対して直交するY軸方向にシフトし配置するとともに手術先端器具回転ハンドル、洗浄口やその他の操作ボタンなどの突出物を全て排除した構成の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイスを用いて単孔式腹腔鏡下手術を体腔内で全て実行することから、従来の操作性を損なうことなく狭い開創部内で複数の手術用機器を使用してもお互いに干渉し障害し合う構造を排除し、単孔式腹腔鏡下手術における体腔内病変臓器の手術部位での手術処置を安全に行うことが可能で操作性に優れる低侵襲性を極限まで実現させた超低侵襲手術システムを提供できる効果がある。
また、手術先端器具回転機構をX軸に対して直交するY軸方向に沿って前記X軸の両サイドの何れか一方側に離隔するように、右勝手用は後方から見て右側に、左勝手用は後方から見て左側に、選択的にシフトし配置するとともに、術者の手指の大小に合せて手術先端器具回転ハンドルを回転伝動機構ケースのX軸方向前面外側又は後面外側に選択的に露出して配設することから、片手による使い勝手の操作性及び使用感が向上し低侵襲性を極限まで実現させるとともに設計の自由度を備えた超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイスを有する超低侵襲手術システムを選択的に提供される効果がある。
また、手術先端器具回転機構の回転伝動機構は、相互に歯合する各種ギヤ機構、ベルト駆動機構、定荷重にて力を逃がす機構等を含むクラッチサスペンション駆動機構、フリクションドライブ機構などのいずれか単独又は組合せにより構成され、手動、モーター駆動又は油圧駆動方式のいずれかを選択的に適用するとともに、医療適合性材料の樹脂及びステンレス部材を併用して無給油潤滑による回転が可能とすることから、手術先端器具回転機構の設計の自由度を有するとともに洗浄などのメンテナンスを容易化し、衛生性や作動及び構造の信頼性を向上させる効果がある。
また、細径挿入構造のロッド部材は、形状記憶材料とすることにより、先端部に手術先端器具を操作するロッド部材の永久的変形を防止する安定的な支持剛性及び強度を確保するとともに、ロッド部材を介しての手術先端器具の作動及び構造の信頼性を向上させる効果がある。特に、細径挿入構造を1本のロッド部材とする場合は、ニードル型手術デバイスとして細径挿入構造を簡潔化するとともに細径化及び軽量化することから、操作性や侵襲性をさらに一層高めることができる。
また、細径挿入構造のロッド部材は、形状記憶材料からなり、前記手術先端器具の動作に必要なX軸方向のスライド、回転、通電、あるいは前記ニードル部材又はロッド部材及び管状部材にも通電、マイクロ波又は超音波放射線伝送を含む各種機能を選択的に有することから、本発明に係る超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイスは、患者の状況に応じて各種の手術先端器具を選択的に適用でき、設計の自由度を一層向上させる効果がある。
また、細径挿入構造への通電用電極取付け部は、前記手術先端器具操作部の外表面上にX軸と平行状態で電極端子挿入口が後向きに配設されることから、通電用電極取付け部が手術先端器具操作部の把持及び操作ハンドルの反対側Z軸方向上方に突出しないため、狭い開創部内で複数の手術用機器使用時の相互に衝突し、干渉及び障害し合う危険性を排除し安全性が確保される効果がある。
さらに、手術先端器具操作部先端部の開口部に設けられた第1固定ピン及び第2固定ピンと回転伝動機構ケースの開放端取付け面に設けられた前記固定ピンに嵌合する一対の固定ピン孔とからなるワンタッチ着脱機構を備え、第2固定ピンを固定ピン孔から抜き出すワンタッチ操作により、回転伝動機構ケースの開口部への着脱が可能となることから、特に油圧駆動、ベルト駆動、クラッチ駆動時に発生する手術先端器具回転機構内の汚れ等の洗浄が容易でメンテナンス性が向上する効果がある。
本発明の目的、特徴、局面、及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
(a)は本発明に係る超低侵襲手術システム1を概念的に説明するための概念図で、(b)は(a)のOP部を後方から見た要部拡大イメージ図で、単孔式腹腔鏡下手術における右勝手用及び左勝手用の単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10、10Aの機器部品同士の衝突による相互干渉がなく、単孔式腹腔鏡下手術を安全に行うことが可能であることを示している。 本発明の実施の形態1による超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10の構成を概念的に示すコンピュータグラフィックによる全体組立概念図である。 図2の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10のA−A矢視図(後面図)である。 図2の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10のB−B矢視図(前面又は正面図)である。 図2の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10の手術先端器具操作部20側後半部の構造を示すコンピュータグラフィックによる要部縦断面鳥瞰図である。 図2の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10の手術先端器具操作部20側後半部の縦断面図である。 図6の回転伝動機構ケース46の構造を示す概念図で、(a)は回転伝動機構ケース46取付け状態を示すC−C矢視平面図、(b)は回転伝動機構ケース46のコンピュータグラフィック鳥瞰図である。 本発明の実施の形態2による超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10Aの構成を概念的に示す背面図である。 図7の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10Aの前面図(正面図)である。 右手HRには右勝手用の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10を、左手HLには左勝手用の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10Aをそれぞれ把持して接近状態で単孔式腹腔鏡下手術を行う状態の図1(b)に相当する要部模擬イメージ写真で、(a)は手術先端器具回転ハンドル45を回転伝動機構ケース46のX軸方向後面外側に配設する場合、(b)は回転伝動機構ケース46のX軸方向前面外側に配設する場合の2つの例を示す。 図1の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10の手術先端器具操作部20側後半部のコンピュータグラフィックによる鳥瞰図である。 左勝手用の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10Aの手術先端器具操作部20A側後半部のコンピュータグラフィックによる鳥瞰図で、回転伝動機構ケース46をX軸方向前面外側に配設する場合の外観を示す。 従来の単孔式内視鏡用手術デバイス110の手術先端器具操作部120側後半部のコンピュータグラフィックによる側面図である。 従来の単孔式腹腔鏡下手術における単孔式内視鏡用手術デバイスの相互干渉状態を示すための模擬イメージ写真である。
以下、本発明の超低侵襲手術システムを実施するための形態の具体例を、添付図面を参照して説明する。
本発明に係る超低侵襲手術システム1は、図1、2〜12に示すように、手術に耐える安定的な支持剛性及び強度を備える外径及び長さに設定自在で主軸であるX軸、近位端すなわち後端及び遠位端すなわち先端を有し、ロッド部材31が前記X軸方向に進退可能に内挿される管状部材32が付加されて構成され、生体M内に挿入される細径挿入構造30と、細径挿入構造30の先端部30aに着脱可能に連結される手術先端器具50と、細径挿入構造30の後端部30bが挿通し支持される挿入構造支持ユニット60と、細径挿入構造支持ユニット60の後端部61bが前記X軸回りに回転可能に挿通されるとともに細径挿入構造支持ユニット60の中空内61cを経由しX軸方向に進退可能に挿通されたロッド部材31の後端部31bと連携して手術先端器具50を作動させる把持及び操作ハンドル21a又は21Aa、22を有する手術先端器具操作部20又は20Aと、手術先端器具操作部20又は20Aの先端部の前記X軸に対して直交するY軸方向に沿って前記X軸の両サイドの何れか一方側に離隔するように選択的にシフトし配設され、細径挿入構造支持ユニット60をX軸回りに回転させる回転伝動機構40a又は40Aaを介して、細径挿入構造30と共に手術先端器具50をX軸回りに回転させる手術先端器具回転機構40又は40Aと、を備えた超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10又は10Aを有し、図示しない腹腔鏡によるモニタリング下で、生体Mの臍部に小切開を加えた単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔Mbに留置された手術器具挿入口形成体Sの複数の各ポートPを経由して1本又は複数の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10、10A及びその他所要の図示しない手術処置具を体腔内の病変臓器Tの近傍まで挿入し、手術先端器具操作部20又は20Aによりそれぞれ手術先端器具50を操作して単孔式腹腔鏡下手術を体腔内で全て実行する。
ここで、添付図2〜12における超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10、10Aを基準として、直交する3軸のX軸(細径挿入構造30の主軸、図示前後方向)、Y軸(図示水平方向)、Z軸(図示上下方向)を定義する。
(実施の形態 1)
本発明の実施の形態1による超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10を構成する各部材は、耐腐食性、耐薬品性を備えるとともに、加熱滅菌に耐え得る温度耐久性を備える医療適合性材料からなり、特に滅菌を容易にするためそれぞれが分解可能に形成されることが望ましく、ケースバイケースで部品単位又は全体を使い捨てとすることもできる。
実施の形態1による細径挿入構造30は、状況に応じて手術に耐える外径及び長さに設定自在で様々な長さに交換可能で、高剛性及び高弾力性を有する医療適合性材料の外径略5mm以下の棒状又は線状体もしくは管状体からなる。
なお、細径挿入構造30は、管状部材32を省いて1本のロッド部材又はニードル部材31のみで構成されるニードル型(本発明者等による特願2012‐085768等参照)とすることもでき、このニードル型のロッド部材又はニードル部材31の外径は略3mm以下の細い丸棒又は線状の医療適合性材料からなり、細径挿入構造30を簡潔化するとともに細径化及び軽量化することから、侵襲性をさらに一層高めることができる。
この実施の形態においては、ロッド部材31及び管状部材32が、それぞれ外径略3mm以下例えば2.5mmのTi系形状記憶合金材の棒状又は線状体、外径略5mmのSUS材などのパイプからなり、いずれも高剛性及び高弾力性を有する。
また、細径挿入構造30のロッド部材31は、各種手術先端器具60の動作に必要なX軸方向のスライド、回転、あるいはさらに管状部材32にも通電、マイクロ波又は超音波放射線伝送等々の各種の機能を選択的に持たせることができる。
細径挿入構造30への通電用電極取付け部70は、図5、6、11、12に示すように、手術先端器具操作部20外表面上の後端部近傍にX軸と平行状態で電極端子挿入口71が後向きに配設される。すなわち、手術先端器具操作部20の把持及び操作ハンドル21a、22の反対側Z軸方向上方に突出しないようになっており、これにより狭い開創部内で複数の手術用機器使用時に相互に衝突し、干渉及び障害し合う危険性を排除し安全性が確保される。すなわち、この形態では、従来の電気メスなどの単孔式内視鏡用手術デバイス110における、通電用電極取付け部170が斜め後ろ向きに30度前後の角度で手術先端器具操作部120Aの外表面上であるZ軸方向上方に突出していたため(図13参照)複数の手術用機器使用時に相互に衝突し、干渉及び障害し合う危険性を排除し改善するものである。
なお、この形態の通電用電極取付け部70に図示しない電極を挿入する場合、通電用電極取付け部70を従来のようにX軸に対して30度前後後ろ向きに傾斜しなくても、端部の電極端子挿入口71から電極挿入屈曲路72を経由してX軸上のロッド部材後端部31bに電極の先端部を容易に到達し接触させて取付けることができる。
熱を用いた腫瘍治療の分野に関し、生体組織の加熱又は組織切除が、細胞を死滅させて腫瘍を消滅させるのに利用されることは公知である(例えば特表2009−544347号公報参照)。したがって、ここでは詳細な説明は省略するが、血管を焼灼して止血するために熱を利用することもできる。このような熱は、RF電流、マイクロ波又は超音波放射線を用いて発生させることができる。熱エネルギーは、直接生体組織に適用可能であり、これらの熱エネルギーは、問題のある病変組織に細径挿入構造30を介して伝送することができる。
手術先端器具50は、生体臓器Tを把持、切断、穿刺、孔明する等々の各種の公知を含む手術先端器具を選択的に取り替えることができる。
手術先端器具50は、公知のものを適用できるので図示しないが、例えば、中空状のガイド支持部材内にX軸方向に沿ってロッド部材31の先端部と連携しスライド自在に内挿された駆動シャフトと、ガイド支持部材の先端部に固定ピンにより回動自在にピボット連結された第一顎部材及び第二顎部材を含む顎機構を開閉駆動する顎開閉駆動機構と、を備える。(本発明者等による特願2012‐42470等参照)
この顎開閉駆動機構は、前部駆動シャフトの先端部に設けられたガイドピンが、第一顎部材及び第二顎部材の後端部に延設され、X軸及び相互に交叉する方向にそれぞれ形成された長孔ガイドに共にスライド自在に嵌挿され係合するように構成される。
そこで、前部駆動シャフトがX軸方向に前進又は後進スライドすることにより、ガイドピンが長孔ガイドに沿ってスライドしガイドすることで第一顎部材及び第二顎部材が相互に回動され開閉する。すなわち、第一顎部材及び第二顎部材は、前部駆動シャフトが前進スライドするときに開き、後進スライドするときに閉じるようになっている。
手術先端器具50は、後端部に細径挿入構造30の先端部30aが挿脱自在に連結する図示しない手術先端器具連結機構を備える。
手術先端器具連結機構は、いずれも図示しないが、例えば先端部側に手術先端器具50のガイド支持部材の後端部を内挿して保持し、後端部側に細径挿入構造30の先端部30aが挿脱自在にそれぞれ挿入される開口端部にテーパーガイドが形成された挿入穴を備えた略円筒型の胴部と、胴部内の装入穴に隣接し設けられた径方向に弾性変形可能な自由端部に形成された挿入穴の内径方向にそれぞれ突出する小突起と、を有する。(本発明者等による特願2012‐42470等参照)
一方、細径挿入構造30の先端部30aの外周に沿って、小突起が嵌入し係合する凹溝が形成されている。
そして、細径挿入構造30を前方に押し込み、細径挿入構造30の先端部30aが手術先端器具連結機構の挿入穴に挿入され、小突起を挿入穴の径外方向に押し退けて自由端部を変形させながら挿入穴の穴底まで挿入されると同時に、小突起が凹溝にスプリングバックして嵌入し係合することにより、細径挿入構造30の先端部30aと手術先端器具連結機構50との連結がなされる。
その後、別の手術器具により手術先端器具50又は手術先端器具連結機構を保持した状態で、細径挿入構造30を後方に牽引すると、小突起が細径挿入構造30の外面に乗り上げられるように自由端部が変形することにより凹溝から離脱し、細径挿入構造30の先端部30aと手術先端器具連結機構50との連結が解除される。
手術先端器具操作部20は、図5、6に示すように、Z軸方向下端部に設けられた把持ハンドル21a及びZ軸方向上端部にX軸に沿って前方に延設される支持本体21bからなる固定ハンドル構造21と、固定ハンドル構造21の後端部に固定ピン25によりピボット連結され、ロッド部材31の後端部31bと連携して手術先端器具50を作動させる操作ハンドル22と、支持本体21bの先端部に膨出し設けられた中空膨出部41と支持本体21bにX軸に沿って穿設された大小径の多段状のガイド穴21cに嵌挿される細径挿入構造支持ユニット60の中空本体61の後述する中径部61dとの間に配設され、細径挿入構造支持ユニット60をX軸回りに回転させる回転伝動機構40aを介して細径挿入構造30及び手術先端器具50を共にX軸周りに回転させる手術先端器具回転機構40と、を備える。
操作ハンドル22は、固定ピン25に外挿され、一端が操作ハンドル22に固定されるとともに他端が固定ハンドル構造21に固定された捩りばね部材26により把持ハンドル21aに対して開き方向(図示破線矢印方向)に付勢されるとともに、ロッド部材31の後端部31bに形成された球状体31cを介して連携されており、この操作ハンドル22の操作に伴い、ロッド部材31を介して手術先端器具60の前記前部駆動シャフトをX軸方向にスライドさせることができる。先端器具操作部20の操作ハンドル22、固定ハンドル21の形状及び機構等はこの実施の形態に限定されるものではなく、公知の内視鏡外科手術用鉗子の操作部及び操作ハンドル、固定ハンドルの構成を適用することができる。
この実施の形態においては、ロッド部材31の後端部31bには、図6に示すように、先端器具操作部20の後端部に固定ピン25のZ軸方向上方に離隔しX軸に略直交し形成された凹溝22a内に滑動自在に嵌挿し係合する球状体31cが形成され、固定ハンドル構造21の支持本体21b内にX軸回りに回転自在に挿通された細径挿入構造支持ユニット60内にX軸に沿って開設されたガイド孔61c内をロッド部材31の後端部31aがスライド自在に挿通されている。
そして、図6に示すように、操作ハンドル22を固定ハンドル構造21の把持ハンドル21a方向(図示実線矢印方向)への閉操作又はこれと反対方向(図示破線矢印方向)への捩りばね部材26の付勢力による開操作に伴って、ロッド部材31を介して手術先端器具50の図示しない前部駆動シャフトをX軸方向にそれぞれ後進(後退)又は前進させ、手術先端器具50の図示しない顎機構をそれぞれ閉又は開駆動する。
手術先端器具回転機構40は、支持本体21bの先端部に設けられた中空膨出部41の中空内41aに配置され、細径挿入構造支持ユニット60の中空本体61の先端側大径部61aと後端側小径部61bとの連設部である中径部61dに外挿し固着される第1回転伝動手段(図示例では第1ギヤ)42、及びX軸に対して直交するY軸方向に沿ってX軸の両サイドの何れか一方側に離隔するように(右勝手用は後方から見て右側に、左勝手用は後方から見て左側に)選択的にシフトし配設され、第1回転伝動手段42に係合する一段式又は多段式の第2、第3回転伝動手段(図示例では第2、第3ギヤ)43、44からなる回転伝動機構40aと、中空膨出部41の前記Y軸方向の一方側に開設された開口部41bに着脱自在に取付けられ、回転伝動機構40aを内部に封入し収容する回転伝動機構ケース46と、一段式又は多段式回転伝動手段、この実施形態では第2回転伝動手段(第2ギヤ)43、第3回転伝動手段(第3ギヤ)44の最終段である第3回転伝動手段(第3ギヤ)44の回転軸44aに連結され、術者の手指の大小に合せて回転伝動機構ケース46のX軸方向前面外側又は後面外側に選択的に露出し配設され、人手で回転伝動機構40aを介して手術先端器具50を回転させる手術先端器具回転ハンドル45とからなる。
手術先端器具回転機構40の回転伝動機構40aは、相互に係合する平歯車、ウオームギヤ、傘歯車、ハイレシオハイポイドギヤ、ハス歯ギヤ、内歯車すなわちリングギヤ、ラック・アンド・ピニオンギヤ、マイタギヤ、ねじ歯車、やまば歯車、フェースギヤ、タイミングギヤ、スプロケット・チエーン又はベルトなどのギヤ機構、ベルト駆動機構、クラッチサスペンション駆動機構、フリクションドライブ機構などのいずれか単独又は組合せにより構成され、手動、モーター駆動又は油圧駆動方式のいずれかを選択的に適用するとともに、医療適合性材料の樹脂及びステンレス部材を併用して無給油潤滑による回転が可能とする。これにより、手術先端器具回転機構の設計の自由度を有するとともに洗浄などのメンテナンスを容易化し、衛生性や作動及び構造の信頼性を向上させる。なお、回転伝動機構40aのギヤ数や増・減速段数などは回転伝動手段のレイアウトにより変更されることは言うまでもない。
手術先端器具回転機構をX軸に対して直交するY軸方向に沿って右勝手用は後方から見て右側に、後述する左勝手用は後方から見て左側に、選択的にシフトし配置するとともに、術者の手指の大小に合せて手術先端器具回転ハンドルを回転伝動機構ケースのX軸方向前面外側又は後面外側に選択的に露出して配設することで、片手による使い勝手の操作性及び使用感が向上する。
回転伝動機構ケース46は、図5、6及び7に示すように、X軸方向すなわち前後方向及びZ軸方向すなわち上下方向で対称形に形成されており、術者の手指の大小に合せて操作し易いように、手術先端器具回転ハンドル45を回転伝動機構ケース46のX軸方向後面外側(図2において実線で図示)又は後述する図12に示すように、X軸方向前面外側に(図2においては2点鎖線で図示)それぞれ突出する第3回転伝動手段(図示第3ギヤ)の回転軸44aに選択的に配置し嵌着することができる。回転伝動機構ケース46のX軸方向後面及び前面には、それぞれ第2回転伝動手段(図示第2ギヤ)43、第3回転伝動手段(図示第3ギヤ)44の回転軸43a、44aが挿通する回転軸孔46a、46b、46c、46dが対称的に配置され開設されている。
なお、回転伝動機構ケース46は、図3、4、7〜9、11及び12に示すような略四角ボックス型形状に限定されるものではなく、図示しないが、回転伝動機構40aの駆動方式により回転伝動機構40aの回転軸のレイアウトが異なり、また単孔式腹腔鏡下手術の術式によっていずれも中空の外形が略球体、略楕円体、略四角柱体などに近似する形状や手術先端器具回転ハンドル45の取付け位置等を変えることができる。
回転伝動機構ケース46のY軸方向の中空膨出部41の開口部41bへの取付け面である開放端取付け面46gには、Z軸方向の上下2ヶ所に回転伝動機構ケース46を開口部41bに設けられる上部固定ピン49及び下部固定ピン47を介して開口部41bに固定するための一対の固定ピン孔46eが設けられるとともに、X軸方向の前後2ヶ所に細径挿入構造支持ユニット60のX軸回りの回転を許容するがX軸方向移動(スライド)を拘束するための一対のスライド防止爪46fがそれぞれ突設されている。
固定ピン孔46eは、図示しないZ軸方向外開きテーパ孔状に形成されるとともに、自由端側が一部カットされた小開口が形成されている。一方、上部固定ピン49は開口部41bの上方部に固着されているが、下部固定ピン47は上下にスライド自在に開口部41bの下方部に嵌装されるとともにばね部材48によりZ軸方向下方に付勢されて回転伝動機構ケース46の下方の固定ピン孔46eに下部固定ピン47の先端部に設けられた図示しない先開きテーパ外周面を有する鍔部48が嵌入し緊着される。
そこで、下部固定ピン47を人手で押上げると、回転伝動機構ケース46の下方の固定ピン孔46eから下部固定ピン47の鍔部48が離脱し、そこで回転伝動機構ケース46の下方部を開口部41bからY軸方向に引離すことにより回転伝動機構ケース46を傾動させながらZ軸方向上方に引上げることで開口部41bの上部固定ピン49から回転伝動機構ケース46の上方の固定ピン孔46eを離脱させ、回転伝動機構ケース46をワンタッチで開口部41bから取外すことができる。
一方、回転伝動機構ケース46を開口部41bに取付けるときは、上記取外しの手順と全く逆の手順により、ワンタッチで開口部41bに回転伝動機構ケース46を取付けることができる。固定ピン孔46eがZ軸方向外開きテーパ孔状に形成されるとともに、自由端側が一部カットされた小開口が形成されていることで、上部固定ピン49及び下部固定ピン47に対して回転伝動機構ケース46を着脱時に傾動させることができるようになっている。
スライド防止爪46eは、細径挿入構造支持ユニット60の中径部61dの外周面にはちまき状に形成される凹溝61eに嵌入するため自由端面が部分円周面状の凹溝が形成されている。
したがって、回転伝動機構ケース46を開口部41bに取付け又は取り外しを行うことにより、同時にスライド防止爪46fが細径挿入構造支持ユニット60の中径部61dの凹溝61eに嵌入又は離脱することで、細径挿入構造支持ユニット60のX軸回りの回転を許容しつつX軸方向移動(スライド)をワンタッチで拘束又は開放することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10Aは、実施の形態1の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10においては手術先端器具回転機構40が手術先端器具操作部20のX軸方向後方から見てY軸方向右サイドにシフトして配設される(図2〜5参照)右勝手用であるのに対し、図8、9及び12に示すように、手術先端器具回転機構40Aが手術先端器具操作部20AのX軸方向後方から見てY軸方向左サイドにシフトして配設される左勝手用である相異点を除いて、その他の構成は前記実施の形態1の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10と同様である。図12の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10Aは、手術先端器具回転ハンドル45が回転伝動機構40Aの回転伝動機構ケース46のX軸方向前面外側に配設されている。
なお、図1(b)及び図10(a)、(b)に左右両手HL、HRでそれぞれ左勝手用の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10A、右勝手用の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10を把持して接近状態で単孔式腹腔鏡下手術を行う状態の図1(a)のOP部を後方から見た要部拡大イメージ図及び模擬イメージ写真がそれぞれ示されており、機器部品同士の衝突による干渉がなく、単孔式腹腔鏡下手術を安全に行うことが可能であることを明示している。図10(a)、(b)における左勝手用の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10A、右勝手用の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10は、それぞれ術者の手指の大小に合せて手術先端器具回転ハンドル45を回転伝動機構40、40Aの回転伝動機構ケース46のX軸方向後面外側に配設する場合とX軸方向前面外側に配設する場合の2つの例を示している。
したがって、図8、9及び図12における前記実施の形態1と同じ機能・構成を有する部材には、説明を簡明化するため同一の符号を付し(あるいは実施の形態1と同一の符号にAを付記し)、手術先端器具操作部20A及び手術先端器具回転機構40Aとも前記実施の形態1の手術先端器具操作部20及び手術先端器具回転機構40と全く同様の機能・構成を有するので、以下詳細な説明は省略する。
以上のように本発明においては、手術先端器具50を主軸であるX軸回りに回転させる手術先端器具回転機構40、40Aを回転伝動機構40a、40AaによりX軸に対して直交するY軸方向にシフトし配設するとともに手術先端器具回転ハンドル45、洗浄口やその他の操作ボタンなどの突出物をZ軸方向上面部から全て排除した構成の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10,10Aを用いて単孔式腹腔鏡下手術を体腔内で全て実行することができる。
これにより、従来の操作性を損なうことなく狭い開創部内で超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10、10Aと他の複数の手術用機器を使用してもお互いに干渉し障害し合う危険性を排除し、単孔式腹腔鏡下手術における体腔内病変臓器の手術部位での手術処置を安全に行うことが可能で操作性に優れる単孔式腹腔鏡下手術の低侵襲性を極限まで実現させることできる。
本発明の特定の実施の形態についての上記説明は、例示を目的として提示したものである。それらは、網羅的であったり、記載した形態そのままに本発明を制限したりすることを意図したものではない。数多くの変形や変更が、上記の記載内容に照らして可能であることは当業者に自明である。
本発明の超低侵襲手術システム1は、手術先端器具50を主軸(X軸)回りに回転させる手術先端器具回転機構40、40Aを回転伝動機構40aによりX軸に対して直交するY軸方向にシフトし配置するとともに手術先端器具回転ハンドル45、洗浄口やその他の操作ボタンなどの突出物をZ軸方向上面部から全て排除した構成の超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス10、10Aを用いて単孔式腹腔鏡下手術を体腔内で全て実行することから、従来の操作性を損なうことなく狭い開創部内で複数の手術用機器使用時に相互干渉し障害し合う危険性を排除し、単孔式腹腔鏡下手術を安全に行うことが可能で設計の自由度を有し操作性に優れる低侵襲性を極限まで実現させた超低侵襲手術システムを提供できることから広範な医療業界に貢献できる。
1 超低侵襲手術システム
10、10A 超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス
20、20A 手術先端器具操作部
21、21A 固定ハンドル構造
21a、21Aa 把持ハンドル
21b、21Ab 支持本体
21c ガイド穴
22 操作ハンドル
22a、61e 凹溝
25 固定ピン
26 捩りばね部材
30 細径挿入構造
30a 先端部
30b、31b 後端部
31 ロッド部材(又はニードル部材)
31c 球状体
32 管状部材
40、40A 手術先端器具回転機構
40a 回転伝動機構
41 中空膨出部
41a 中空内
41b 開口部
42 第1回転伝動手段(第1ギヤ)
43 第2回転伝動手段(第2ギヤ)
44 第3回転伝動手段(第3ギヤ)
44a 回転軸
45 手術先端器具回転ハンドル
46 回転伝動機構ケース
46a、46b、46c、46d 回転軸孔
46e 固定ピン孔
46f スライド防止爪
46g 開放端取付け面
47 下部固定ピン
47a 鍔部
48 ばね部材
49 上部固定ピン
50 手術先端器具
60 細径挿入構造支持ユニット
61 ガイド支持部材
61a 先端側大径部
61b 後端側小径部
61c ガイド孔
61d 中径部
70 通電用電極取付け部
HL 左手
HR 右手
M 生体
Mb 単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔
P ポート
S 手術器具挿入口形成体
T 病変臓器

Claims (9)

  1. 外径及び長さが設定自在で、主軸であるX軸、近位端すなわち後端及び遠位端すなわち先端を有し、生体内に挿入される細径挿入構造と、
    前記細径挿入構造の先端部に着脱可能に連結される手術先端器具と、
    前記細径挿入構造の後端部が挿通し支持される細径挿入構造支持ユニットと、
    前記細径挿入構造支持ユニットの後端部が前記X軸回りに回転可能に挿通されるとともに前記細径挿入構造支持ユニット内を経由しX軸方向に進退可能に挿通された細径挿入構造の後端部と連携して前記手術先端器具を作動させる把持及び操作ハンドルを有する手術先端器具操作部と、
    前記手術先端器具操作部の先端部の前記X軸に対して直交するY軸方向に沿って前記X軸の両サイドの何れか一方側に離隔するようにシフトし配設され、前記細径挿入構造支持ユニットをX軸回りに回転させる回転伝動機構を介して、前記細径挿入構造と共に前記手術先端器具をX軸回りに回転させる手術先端器具回転機構と、を備えた超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイスを有し、
    腹腔鏡によるモニタリング下で、生体の臍部に小切開を加えた単孔式腹腔鏡下手術用腹腔孔に留置された手術器具挿入口形成体の複数の各ポート内に前記長低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイスを体腔内の病変臓器の近傍まで挿入し、前記手術先端器具操作部によりそれぞれ前記手術先端器具を操作して単孔式腹腔鏡下手術を体腔内で全て実行することを特徴とする超低侵襲手術システム。
  2. 前記細径挿入構造は、高剛性及び高弾力性を有する医療適合性材料の外径略3mm以下の棒状又は線状体である1本のロッド部材で構成されることを特徴とする請求項1記載の超低侵襲手術システム。
  3. 前記細径挿入構造は、いずれも剛性及び高弾力性を有する医療適合性材料の外径略3mm以下の棒状又は線状体である1本のロッド部材、及び前記ロッド部材がX軸方向に進退可能に内挿される外径略5mm以下の管状体がさらに付加されて構成されることを特徴とする請求項1記載の超低侵襲手術システム。
  4. 前記手術先端器具回転機構は、
    前記手術先端器具操作部の先端部内に挿通される前記細径挿入構造支持ユニットの後端部に外挿し固着される第1回転伝動手段、及び前記X軸に対して直交するY軸方向に沿って前記X軸の両サイドの何れか一方側に離隔するように選択的にシフトし配設され、前記第1回転伝動手段に係合する一段式又は多段式回転伝動手段からなる回転伝動機構と、
    前記回転伝動機構が設けられる前記手術先端器具操作部先端部の前記Y軸方向の一方側に開設された開口部に着脱自在に取付けられる開放端取付け面を有する中空形状に形成され、前記回転伝動機構を内部に封入し収容する回転伝動機構ケースと、
    前記回転伝動機構ケースのX軸方向前面外側又は後面外側に露出して選択的に配設され、前記回転伝動機構の最終段回転伝動手段の回転軸に連結されて前記回転伝動機構を介して前記手術先端器具を回転させる手術先端器具回転ハンドルと、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の超低侵襲手術システム。
  5. 前記手術先端器具回転機構の回転伝動機構は、相互に係合する平歯車、ウオームギヤ、傘歯車、ハイレシオハイポイドギヤ、ハス歯ギヤ、内歯車すなわちリングギヤ、ラック・アンド・ピニオンギヤ、マイタギヤ、ねじ歯車、やまば歯車、フェースギヤ、タイミングギヤ、スプロケット・チエーン又はベルトを含むギヤ機構、ベルト駆動機構、クラッチサスペンション駆動機構、フリクションドライブ機構のいずれか単独又は組合せにより構成され、手動、モーター駆動又は油圧駆動方式のいずれかを選択的に適用するとともに、医療適合性材料の樹脂及びステンレス部材を併用して無給油潤滑による回転が可能とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記記載の超低侵襲手術システム。
  6. 前記細径挿入構造支持ユニット、手術先端器具回転機構及び手術先端器具操作部のX−Y平面に直交するZ軸方向に屈曲形成される把持及び操作ハンドルの反対側のZ軸方向表面上には、前記手術先端器具回転ハンドル、洗浄口やその他の操作ボタンを含む突出物を全て排除し、前記単孔式腹腔鏡下手術の際に用いられる前記超低侵襲単孔式内視鏡用無干渉手術デバイス同士及びその他の手術処置具との当接による干渉を排除する構成とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の超低侵襲手術システム。
  7. 前記細径挿入構造は、形状記憶材料又は及びステンレス系材料からなり、前記手術先端器具の動作に必要なX軸方向のスライド、回転、通電、マイクロ波又は超音波放射線伝送を含む各種機能を選択的に有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の超低侵襲手術システム。
  8. 前記細径挿入構造への通電用電極取付け部は、前記手術先端器具操作部の外表面上にX軸と平行状態で電極端子挿入口が後向きに配設されることを特徴とする請求項6記載の超低侵襲手術システム。
  9. 前記回転伝動機構ケースの開放端取付け面と手術先端器具操作部先端部の開口部との間には、
    前記開口部の一方端に固着されZ軸方向に立設された第1固定ピン及び他方端にばね部材によりZ軸方向に付勢されスライド自在に立設された第2固定ピンと、
    前記開放端取付け面の両端に設けられ、前記第1固定ピン及び第2固定ピンにそれぞれ嵌合する一対の固定ピン孔と、からなるワンタッチ着脱機構を備え、
    前記第2固定ピンを前記ばね部材の付勢力に抗して前記固定ピン孔から抜き出すワンタッチ操作により、前記回転伝動機構ケースの前記開口部への着脱が可能となることを特徴とする請求項4記載の超低侵襲手術システム。

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