JP2014157326A - 反射防止膜及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ化物を用いることなく、様々な形状のレンズに対して低コストにレンズ面内の反射率を低減でき、設計が容易な反射防止膜及び光学素子を提供する。
【解決手段】反射防止膜100は、基板200上に、基板200の表面側から順に、SiOを主成分とする低屈折率層Lと、金属酸化物及び金属窒化物のうち少なくとも一方を主成分とする高屈折率層Hと、が交互に積層されて7層に形成される。そして、0.0866×λ≦n×d≦0.0892×λ、0.0395×λ≦n×d≦0.0407×λ、0.19×λ≦n×d≦0.32×λ、0.0428×λ≦n×d≦0.0441×λ、0.1004×λ≦n×d≦0.1035×λ、0.4593×λ≦n×d≦0.4733×λ、0.2204×λ≦n×d≦0.2272×λの関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止膜及び反射防止膜を備えた光学素子に関する。
従来、カメラや放送機器などの電子機器に用いられる光学素子の表面に、透明誘電体多層膜を積層することにより、その干渉効果を利用して可視域で反射防止効果を得ていた。近年では、デジタルカメラの広角化と低価格化が進み、デジタルカメラにおいては、湾曲の大きな凹面とする高屈折率硝材で構成されたレンズが用いられるようになってきている。
このような状況で様々なレンズに成膜する際、レンズ表面内の膜ムラに対応して、反射を低減しなければならない。そのため、レンズの形状及びその形状による膜ムラに合わせた、反射防止膜の必要最小限の波長帯域の膜設計が、コスト及び性能の満足のために適用されるようになってきている。反射防止帯域や反射率などの分光特性は、積層に用いる誘電体の材料及び厚さの組み合わせに依存している。例えば低屈折率材料としてフッ化マグネシウムを用いることによって、低反射率かつ反射防止帯域の大きな多層反射防止膜を形成することが可能となっている。例えば低屈折率材料としてフッ化マグネシウムを、高屈折率材料としてLaTi7−x(x=0.3〜0.7)を用いて多層反射防止膜を形成し、可視域の広い波長域で反射防止効果を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
特許第4406980号公報
しかしながら、上記フッ化物を用いた従来の多層反射防止膜では、新たなレンズ形状や曲率の種類に応じて設計を変更して反射防止帯域の幅などを変更する際に、試行的に成膜した多層膜の光学特性から膜厚の面内分布を予測する必要がある。そして、その結果得られた面内分布と要求される反射防止特性とを加味して、再設計と再成膜、そして特性確認を行う作業を繰り返す必要がある。
その特性確認においては、新たに全層の膜構成を変更し再設計した場合、全層の膜厚と屈折率の膜厚方向のプロファイルを、試作した多層膜の光学特性から計算により予測し試作するといった最適化の作業を繰り返す必要があった。したがって、所望の光学特性が得られるまでの試行回数が増加してしまう問題があった。
更に、フッ化物による薄膜を蒸着により成膜した場合には、曲率半径が小さく凹凸の大きなレンズにおいては、膜厚ムラが大きく、反射防止波長帯域の広い設計を適用したとしても、レンズ面内の反射率が低下してしまう問題があった。
またスパッタを用いて成膜した場合には、フッ化物誘電体薄膜を作成する際に必要なフッ素は毒性が強いため、環境への負荷が大きく、材料費や供給装置、処理装置等のコストが高く、デジタルカメラやビデオ等のレンズに適用できない問題があった。
そこで、本発明は、フッ化物を用いることなく、様々な形状のレンズに対して低コストにレンズ面内の反射率を低減でき、設計が容易な反射防止膜及び光学素子を提供する。
本発明の反射防止膜は、屈折率が1.791以上、かつ1.868以下である透明な基板上に、前記基板の表面側から順に、SiOを主成分とする低屈折率層と、金属酸化物及び金属窒化物のうち少なくとも一方を主成分とする高屈折率層と、が交互に積層されて7層に形成され、設計中心波長λの光に対する前記低屈折率層及び前記高屈折率層の屈折率をそれぞれn及びnとしたとき、1.437≦n≦1.466、2.164≦n≦2.208、の関係を満たし、かつ、各層の幾何学的膜厚を、前記基板の表面側から数えて第1層から第7層まで順にd、d、d、d、d、d、dとしたとき、0.0866×λ≦n×d≦0.0892×λ、0.0395×λ≦n×d≦0.0407×λ、0.19×λ≦n×d≦0.32×λ、0.0428×λ≦n×d≦0.0441×λ、0.1004×λ≦n×d≦0.1035×λ、0.4593×λ≦n×d≦0.4733×λ、0.2204×λ≦n×d≦0.2272×λ、の関係を満たすように成膜されていることを特徴とする。
また、本発明の反射防止膜は、屈折率が1.706以上、かつ1.791未満である透明な基板上に、前記基板の表面側から順に、SiOを主成分とする低屈折率層と、金属酸化物及び金属窒化物のうち少なくとも一方を主成分とする高屈折率層と、が交互に積層されて7層に形成され、設計中心波長λの光に対する前記低屈折率層及び前記高屈折率層の屈折率をそれぞれn及びnとしたとき、1.437≦n≦1.466、2.164≦n≦2.208、の関係を満たし、かつ、各層の幾何学的膜厚を、前記基板の表面側から数えて第1層から第7層まで順にd、d、d、d、d、d、dとしたとき、0.0873×λ≦n×d≦0.090×λ、0.0329×λ≦n×d≦0.0339×λ、0.19×λ≦n×d≦0.32×λ、0.0478×λ≦n×d≦0.0492×λ、0.1075×λ≦n×d≦0.1107×λ、0.4697×λ≦n×d≦0.4840×λ、0.2234×λ≦n×d≦0.2302×λ、の関係を満たすように成膜されていることを特徴とする。
本発明によれば、反射防止膜の各層がフッ化物を用いることなく成膜されるので、膜厚ムラが小さく、各膜厚が関係式の範囲内に設定されることで、可視域の広い波長域において反射防止効果を得ることができる。また、第1層から第7層のうちいずれか一層の幾何光学的膜厚を、関係式の範囲内で変更するだけで、基板の形状や曲率の種類に対応した反射防止帯域に変えることが可能である。したがって、基板の形状や曲率に拘らず、反射防止膜の反射率を、少ない試作回数で容易に低減することが可能である。また、フッ素ガスの材料費、フッ素ガスの供給、排ガス処理設備費等のコストが不要となり、生産性を大幅に向上させることが可能となる。
本発明の実施形態に係る反射防止膜を備えた光学素子の概略構成を示す模式図である。 実施例による光学薄膜の成膜方法に用いる成膜装置を示す模式図である。 実施例による光学素子の構成を示す図である。 実施例1による反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 実施例2による反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 実施例3による反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 実施例4による反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 実施例5による反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 実施例6による反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 比較例1による反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 比較例2による反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 比較例3による反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 比較例4による反射防止膜の分光特性を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る光学素子の概略構成を示す模式図である。レンズ等の光学素子300は、透明の基板200と、基板上に形成された多層の反射防止膜100と、を備えている。反射防止膜100は、基板200の表面側から数えて、第1層101、第2層102、第3層103、第4層104、第5層105、第6層106及び第7層107の誘電体層が積層された7層構造の反射防止膜である。なお、基板200と反射防止膜100との間には、基板200直上の密着性、環境耐久性等を改善するための基板屈折率とマッチングする光学特性に影響を与えない調整層(不図示)があってもよい。調整層は、Al酸化物、窒化物、若しくはそれら混合物、又はSi酸化物、窒化物若しくはそれらの混合物からなる。この調整層は、基板200と反射防止膜100との密着性や耐環境性に問題が生じる場合に、その改善のために挿入するものである。
本実施形態では、基板200は、屈折率が1.791以上、かつ1.868以下の透明の光学ガラスである。反射防止膜100は、基板200の表面200a側から順に、屈折率1.437〜1.466の低屈折率層Lと、屈折率2.164〜2.208の高屈折率層Hとが、交互に積層されて形成されている。低屈折率層Lは、SiOを主成分とする。高屈折率層Hは、金属酸化物(例えばNb及びTaのうち少なくとも一方)を主成分とする。即ち、第1層101、第3層103、第5層105及び第7層107が低屈折率層L、第2層102、第4層104及び第6層106が高屈折率層Hである。そして、設計中心波長λ(nm)の光に対する低屈折率層Lの屈折率をn、設計中心波長λ(nm)の光に対する高屈折率層Hの屈折率をnとしたとき、1.437≦n≦1.466、2.164≦n≦2.208の関係を満たす。なお、高屈折率層Hは、金属酸化物を主成分としたが、金属窒化物が主成分であってもよく、また、金属酸化物及び金属窒化物の混合物を主成分とするものであってもよい。
ここで、各層101〜107の幾何学的膜厚を、基板200の表面200a側から数えて第1層101から第7層107まで順に、d、d、d、d、d、d、d(nm)とする。このとき、反射防止膜100は、以下の関係式を満たすように成膜されている。
0.0866×λ≦n×d≦0.0892×λ
0.0395×λ≦n×d≦0.0407×λ
0.19×λ≦n×d≦0.32×λ
0.0428×λ≦n×d≦0.0441×λ
0.1004×λ≦n×d≦0.1035×λ
0.4593×λ≦n×d≦0.4733×λ
0.2204×λ≦n×d≦0.2272×λ
この膜厚範囲において、光の波長410(nm)〜700(nm)で1.2%以下の反射率を達成できる。
また、別の実施形態として、基板200は、屈折率が1.706以上、かつ1.791未満の透明の光学ガラスである。反射防止膜100は、基板200の表面200a側から順に、屈折率1.437〜1.466の低屈折率層Lと、屈折率2.164〜2.208の高屈折率層Hとが、交互に積層されて形成されている。低屈折率層Lは、SiOを主成分とする。高屈折率層Hは、金属酸化物(例えばNb及びTaのうち少なくとも一方)を主成分とする。即ち、第1層101、第3層103、第5層105及び第7層107が低屈折率層L、第2層102、第4層104及び第6層106が高屈折率層Hである。そして、設計中心波長λ(nm)の光に対する低屈折率層Lの屈折率をn、設計中心波長λ(nm)の光に対する高屈折率層Hの屈折率をnとしたとき、1.437≦n≦1.466、2.164≦n≦2.208の関係を満たす。なお、高屈折率層Hは、金属酸化物を主成分としたが、金属窒化物が主成分であってもよく、また、金属酸化物及び金属窒化物の混合物を主成分とするものであってもよい。
ここで、各層101〜107の幾何学的膜厚を、基板200の表面200a側から数えて第1層101から第7層107まで順に、d、d、d、d、d、d、d(nm)とする。このとき、反射防止膜100は、以下の関係式を満たすように成膜されている。
0.0873×λ≦n×d≦0.090×λ
0.0329×λ≦n×d≦0.0339×λ
0.19×λ≦n×d≦0.32×λ
0.0478×λ≦n×d≦0.0492×λ
0.1075×λ≦n×d≦0.1107×λ
0.4697×λ≦n×d≦0.4840×λ
0.2234×λ≦n×d≦0.2302×λ
この膜厚範囲において、光の波長410(nm)〜700(nm)で1.2%以下の反射率を達成できる。
これら実施形態の反射防止膜100を基板200と蒸発源が正対しない配置で基板ホルダを回転させながら成膜するスパッタ法により成膜するのがよい。
以上、反射防止膜100の各層101〜107がフッ化物を用いることなく成膜されるので、膜厚ムラが小さく、各膜厚が上記関係式の範囲内に設定されることで、可視域の広い波長域において反射防止効果を得ることができる。また、第1層101から第7層107のうちいずれか一層の幾何光学的膜厚を、上記関係式の範囲内で変更するだけで、基板200の形状や曲率の種類に対応した反射防止帯域に変えることが可能である。したがって、基板200の形状や曲率に拘らず、反射防止膜100の反射率を、少ない試作回数で容易に低減することが可能である。また、フッ素ガスの材料費、フッ素ガスの供給、排ガス処理設備費等のコストが不要となり、生産性を大幅に向上させることが可能となる。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図2は、実施例による光学薄膜の成膜方法に用いる成膜装置を示す模式図である。成膜装置500は、スパッタ法により成膜するスパッタ装置である。この成膜装置500は、不図示の真空ポンプによって排気される真空槽である減圧チャンバ1と、減圧チャンバ1の内部に配設された、軸10を中心として回転可能な基板ホルダ2と、を備えている。また、成膜装置500は、軸10の延びる方向に対して垂直方向の軸を中心として回転可能な一対のターゲット3を備えている。また、成膜装置500は、減圧チャンバ1内にスパッタリングガスであるArガスを導入するAr導入ライン4と、減圧チャンバ1内に反応性ガスであるOガスを導入するO導入ライン5と、を備えている。また、成膜装置500は、ターゲット3に直流電圧を印加する不図示の直流電源を備えている。直流電源の直流電圧はローパスフィルタを経てターゲット3に印加される。
次に、基板ホルダ2とターゲット3との位置関係について説明する。基板ホルダ2は、減圧チャンバ1の下部に設置され、軸10を回転中心として回転する。さらに配置の自由度を得るために、ターゲット3は、減圧チャンバ1の底面1aに対して角度θを変更することが可能となっている。
回転可能な一対のターゲット3は、基板−ターゲット間距離L1、オフセット距離L2、及び基板ホルダ2に対するターゲット3の傾斜角度θによって規定される位置に、成膜に用いるターゲット3の中心が位置するように配置される。
図2中、2枚のターゲット3の中心を結ぶ線9を波線で記載している。基板−ターゲット間距離L1は、減圧チャンバ1の底面1aに基板ホルダ2を固定する軸10の伸縮によって変更可能である。なお、本実施例においてはターゲット材料としてSiおよびNbを用い、その形状は直径8インチの円形で厚さは6(mm)である。電力を印可するターゲット3は、成膜する膜材料に応じて切り替えられる。
本実施例においては、SiOを成膜する場合にはSiターゲット面が基板ホルダ2に向かい合う位置に設置され、Nbを成膜する場合にはNbターゲット面が基板ホルダ2に向かい合う位置に設置されるように回転して固定しておく。
次に、基板200上に酸化物薄膜を成膜する工程を説明する。まず、基板ホルダ2上に基板200を保持させ、必要に応じて蓋等で固定した後、減圧チャンバ1を所定の真空度に減圧したうえでAr、O導入ライン4,5からArガスとOガスを導入する。そして、ターゲット3に直流電源の直流電圧を印加して、いわゆるマグネトロンスパッタ放電によるプラズマを発生させる。
基板レンズ側に面したターゲット3は、主として正イオンによってスパッタされ、ターゲット3の表面近傍の酸化活性種によって一部酸化された状態で基板200に向かって放出される。このようにして基板200に到達したスパッタリング粒子は、プラズマ中や基板200の表面近傍の酸化活性種によって酸化され、酸化物薄膜が基板200の表面200aに形成される。
本実施例では、反射防止膜100は、第1層101、第3層103、第5層105、第7層107の奇数層が成膜材料としてSiOを主成分とする低屈折率層Lである。また、第2層102、第4層104、第6層106の偶数層が成膜材料としてNbを主成分とする高屈折率層Hである。波長550(nm)の光に対する低屈折率層Lの屈折率nが約1.46であり、波長550(nm)の光に対する高屈折率層Hの屈折率nが約2.20である。
次に基板200の形状について説明する。図3に示すように、基板200は、比較的曲率の小さい凹面と、その反対側に比較的曲率の大きな凸面を有する形状を有しており、主として半開角度θr、直径D、表面200aである有効成膜面Lr、及び曲率半径rによって特徴づけられる。
[実施例1]
(実施例1−1)
次に実施例1−1について具体的な数値を用いて説明する。実施例1−1において用いたガラス基板200はL−LAH83で、設計中心波長550(nm)における屈折率は1.868である。次に各層の成膜材料と膜厚を表1に記載する。
Figure 2014157326
表1に示した多層薄膜は、スパッタ装置である成膜装置500によって形成される。装置構成を決定する各種設定値はL1=81.5(mm)、L2=101.4(mm)、θ=51.5(°)である。また、成膜対象となる凹レンズの基板200の形状は、半開角度θr=50(°)、直径D=10.6(mm)、有効成膜面Lr=10.1(mm)、曲率半径r=6.59(mm)である。
図2で示した成膜装置500を用いて、表1の構成で上記凹レンズの基板200上に多層の反射防止膜100を形成した。この反射防止膜100の分光特性をオリンパス製顕微分光光度計(USPM−RU)によって基板凹面の中心及びその有効半径端で測定した結果を図4(a)に示す。
図4(a)からレンズ凹面の中心及びその有効半径端の何れにおいても、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において、反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られている。
(実施例1−2)
次にレンズとなる基板200の形状を、半開角度θr=20(°)の凹面に、曲率半径rを14.8(mm)に変更した場合について記す。その際の各層の成膜材料と膜厚を表2に記載し、同様の方法によって測定された分光特性を図4(b)に示す。
Figure 2014157326
図4(b)からレンズ凹面の中心及びその有効半径端の何れにおいても、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られている。
ここで注目すべきは表1と表2とを比較して明確であるが、第3層の膜厚のみを121.3(nm)から72(nm)に変更することによって、上記反射防止特性が実現できる点である。
これは、一種類のレンズ形状に対して光学特性(反射率−波長特性)を複数回の試行により調整し終えておくことで、その他のレンズ形状に適用する際、第3層の膜厚調整のみ行うことで所望の特性が新たな形状のレンズに対して得られることを示している。つまり所望の光学特性を得るための作業として、最初に既に特性の得られている異なるレンズの成膜条件で試行成膜を行い、その結果得られた多層膜の反射率−波長特性を測定し、膜厚分布に関する情報を得る。その後得られた膜厚分布から第3層の膜厚のみを変えて所望の反射防止波長帯域が得られるように特性計算を行い第3層の膜厚を決定し、再び成膜を行って特性を確認するという工程のみで新たな形状に対する特性調整を完了させることができる。
このように特定の一層における膜厚のみを変更することによって特性調整の施行回数を最小限に抑えつつ異なるレンズ形状に対応した光学特性を実現することが可能となり、さらに形状に合わせた無駄の無い膜厚に調整できることによって生産性も向上する。
[実施例2]
(実施例2−1)
次に、実施例2−1について具体的な数値を用いて説明する。成膜するための装置構成、基板構成及び反射防止膜の各層の概略構成は、上記実施例1と共通である。
本実施例2−1において用いたレンズの基板200はS−LAH64で、設計中心波長550(nm)における屈折率は1.791である。次に各層の成膜材料と膜厚を表3に記載する。
Figure 2014157326
表3に示した多層薄膜は、スパッタ装置である成膜装置500によって形成される。装置構成を決定する各種設定値はL1=81.5(mm)、L2=101.4(mm)、θ=51.5(°)である。また、成膜対象となる凹レンズの基板200の形状は、半開角度θr=50(°)、直径D=10.6(mm)、有効成膜面Lr=10.1(mm)、曲率半径=6.59(mm)である。
図2で示した成膜装置500を用いて、表3の構成で上記凹レンズの基板200上に多層の反射防止膜100を形成した。この反射防止膜100の分光特性をオリンパス製顕微分光光度計(USPM−RU)によってレンズ凹面の中心及びその有効半径端で測定した結果を図5(a)に示す。
図5(a)からレンズ凹面の中心及びその有効半径端の何れにおいても、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において、反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られている。
次にレンズとなる基板200の形状を、半開角度θr=20(°)の凹面に、曲率半径rを14.8(mm)に変更した場合について記す。その際の各層の成膜材料と膜厚を表4に記載し、同様の方法によって測定された分光特性を図5(b)に示す。
Figure 2014157326
図5(b)からレンズ凹面の中心及びその有効半径端の何れにおいても、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られている。
以上、本実施例2の屈折率のレンズにおいても、表3と表4とを比較して明確であるように、第3層の膜厚のみを121.3(nm)から72(nm)に変更することによって、上記反射防止特性が実現できている。
[実施例3]
(実施例3−1)
次に、実施例3−1について具体的な数値を用いて説明する。成膜するための装置構成、基板構成及び反射防止膜の各層の概略構成は、上記実施例1と共通である。
本実施例3−1において用いたレンズの基板200はS−LAH64で、設計中心波長550(nm)における屈折率は1.791である。次に各層の成膜材料と膜厚を表5に記載する。
Figure 2014157326
表5に示した多層薄膜は、スパッタ装置である成膜装置500によって形成される。装置構成を決定する各種設定値はL1=81.5(mm)、L2=101.4(mm)、θ=51.5(°)である。また、成膜対象となる凹レンズの基板200の形状は、半開角度θr=50(°)、直径D=10.6(mm)、有効成膜面Lr=10.1(mm)、曲率半径r=6.59(mm)である。
図2で示した成膜装置500を用いて、表5の構成で上記凹レンズの基板200上に多層の反射防止膜100を形成した。この反射防止膜100の分光特性をオリンパス製顕微分光光度計(USPM−RU)によってレンズ凹面の中心及びその有効半径端で測定した結果を図6(a)に示す。
図6(a)からレンズ凹面の中心及びその有効半径端の何れにおいても、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において、反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られている。
(実施例3−2)
次にレンズとなる基板200の形状を、半開角度θr=20(°)の凹面に、曲率半径rを14.8(mm)に変更した場合について記す。その際の各層の成膜材料と膜厚を表6に記載し、同様の方法によって測定された分光特性を図6(b)に示す。
Figure 2014157326
図6(b)からレンズ凹面の中心及びその有効半径端の何れにおいても、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られている。
以上、本実施例3の屈折率のレンズにおいても、表5と表6とを比較して明確であるように、第3層の膜厚のみを121.3(nm)から72(nm)に変更することによって、上記反射防止特性が実現できている。
[実施例4]
(実施例4−1)
次に、実施例4−1について具体的な数値を用いて説明する。成膜するための装置構成、基板構成及び反射防止膜の各層の概略構成は、上記実施例1と共通である。
本実施例4−1において用いたレンズの基板200はS−BAH27で、設計中心波長550(nm)における屈折率は1.706である。次に各層の成膜材料と膜厚を表7に記載する。
Figure 2014157326
表7に示した多層薄膜は、スパッタ装置である成膜装置500によって形成される。装置構成を決定する各種設定値はL1=81.5(mm)、L2=101.4(mm)、θ=51.5(°)である。また、成膜対象となる凹レンズの基板200の形状は、半開角度θr=50(°)、直径D=10.6(mm)、有効成膜面Lr=10.1(mm)、曲率半径r=6.59(mm)である。
図2で示した成膜装置500を用いて、表7の構成で上記凹レンズの基板200上に多層の反射防止膜100を形成した。この反射防止膜100の分光特性をオリンパス製顕微分光光度計(USPM−RU)によってレンズ凹面の中心及びその有効半径端で測定した結果を図7(a)に示す。
図7(a)からレンズ凹面の中心及びその有効半径端の何れにおいても、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において、反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られている。
(実施例4−2)
次にレンズとなる基板200の形状を、半開角度θr=20(°)の凹面に、曲率半径rを14.8(mm)に変更した場合について記す。その際の各層の成膜材料と膜厚を表8に記載し、同様の方法によって測定された分光特性を図7(b)に示す。
Figure 2014157326
図7(b)からレンズ凹面の中心及びその有効半径端の何れにおいても、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られている。
以上、本実施例4の屈折率のレンズにおいても、表7と表8とを比較して明確であるように、第3層の膜厚のみを121.3(nm)から72(nm)に変更することによって、上記反射防止特性が実現できている。
[実施例5]
(実施例5−1)
実施例5−1では、設計中心波長550(nm)において屈折率が1.868であるレンズの基板200として、L−LAH83を用いた。この場合にランダムに膜厚及び屈折率を組み合わせた場合にとり得る反射率の範囲を400(nm)から750(nm)の波長範囲で計算した。成膜するための装置構成、基板構成及び反射防止膜の各層の概略構成は、上記実施例1と同様である。各層の成膜材料と膜厚及び屈折率の範囲を表9に記載する。
Figure 2014157326
表9の構成で形成した反射防止膜の反射率−波長特性の計算結果を図8に示す。図8から各層の膜厚及び屈折率を表9に示す範囲でランダムに組合せた場合でも、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において反射率が1.2%以下となっており、反射防止効果が得られている。
(実施例5−2)
次に設計中心波長550(nm)において屈折率が1.791である基板200として、S−LAH64を用いた。この場合にランダムに膜厚及び屈折率を組み合わせた場合にとり得る反射率の範囲を400(nm)から750(nm)の波長範囲で計算した。各層の成膜材料と膜厚及び屈折率の範囲を表10に記載する。
Figure 2014157326
表10の構成で形成した多層薄膜の分光特性の計算結果を図8に示す。図8から各層の膜厚及び屈折率を表10に示す範囲でランダムに組合せた場合でも、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において反射率が1.2%以下となっており、反射防止効果が得られている。
[実施例6]
(実施例6−1)
実施例6−1では、設計中心波長550(nm)において屈折率が1.791であるレンズの基板200として、S−LAH64を用いた。この場合にランダムに膜厚を変更した場合にとり得る反射率の範囲を400(nm)から750(nm)の波長範囲で計算した。成膜するための装置構成、基板構成及び反射防止膜の膜構成概略図は実施例1と同様である。各層の成膜材料と膜厚及び屈折率の範囲を表11に記載する。
Figure 2014157326
表11の構成で形成した反射防止膜の分光特性の計算結果を図9に示す。図9から各層の膜厚を表11に示す範囲でランダムに変更した場合でも、410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において反射率が1.2%以下となっており、反射防止効果が得られている。
(実施例6−2)
次に設計中心波長550(nm)において屈折率が1.706である基板200として、S−BAH27を用いた。この場合にランダムに膜厚を変更した場合にとり得る反射率の範囲を400(nm)から750(nm)の波長範囲で計算した。成膜するための装置構成、基板構成及び反射防止膜の概略構成は、上記実施例1と共通である。各層の成膜材料と膜厚及び屈折率の範囲を表12に記載する。
Figure 2014157326
表12の構成で形成した多層薄膜の分光特性の計算結果を図9に示す。図9から第3層の膜厚を表12に示す範囲内で変更した場合でも410(nm)以上かつ700(nm)以下の波長域において反射率が1.2%以下となっており、反射防止効果が得られている。
[比較例]
(比較例1)
本発明に対する比較例1として、蒸着装置を用いて成膜した場合を示す。蒸着装置は一般にスパッタ成膜装置に比べてフッ化物を形成することが技術的に容易であり、より広い波長範囲で低い反射率を実現可能である。
ここでは蒸着装置としてシンクロン製CES−2Mを用いて実施例1−1と同一の形状と材質を有するレンズ基板を用いた場合に関して示す。
表13に各層の成膜材料と膜厚を示す。ここで膜材料として記載されているH3およびM1はメルク製の市販蒸着材料である。
Figure 2014157326
表13の構成で上記凹レンズに形成した多層の反射防止膜の分光特性をオリンパス製顕微分光光度計(USPM−RU)によって基板凹面の中心及びその有効半径端で測定した図を図10に示す。なお、比較のため実施例1−1に記載したスパッタ法で作成した反射防止膜100の分光特性も重ねて示す。
図10から明らかなようにレンズ基板中心部においては可視の波長全域で反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られている。
一方、有効径端においては550(nm)より大きい波長域で反射率が1%を超えており、十分な反射防止効果が得られていない。このとき、得られた反射率−波長特性を用いて各材料の膜厚をフィッティングにより解析すると、レンズの中心部に対する有効径端での膜厚比はH3約で−39%、M1で約−41%、MgFで約−41%となっていた。
実施例1で示したスパッタ法で作成した反射防止膜100では、同様の解析を行うとSiOが約−5.5%、Nbが約−6.1%とレンズ中心部に対する膜厚が大幅に小さくなっていた。
これは一般に面積が小さく点源と見なせる蒸着源から、スパッタで成膜した場合に比べて遠い位置に設置された基板に成膜する場合には、曲率半径が小さい基板表面に形成される膜が不均一になり易い。また、図2に示す成膜装置500が面源と見なせる成膜源を有するだけでなく、上記曲率半径が小さい基板で均一な膜厚となるようレンズホルダとターゲット面の位置関係を最適した結果、実施例1の反射防止膜100が得られたものである。
このように蒸着法で薄膜を形成した場合には、曲率半径の小さい基板の凹面内での膜厚分布が大きくなる傾向にあり、充分な反射防止効果が得られないことが分かる。のみならず、たとえば製品用途に応じて曲率半径が変更された場合には、多層膜全層の構成自体の再設計が必要であり、その際に必要となる特性調整の工程は、実施例1−1のスパッタ法による膜構成で成膜する場合に比較し大幅に増大する。具体的には試行成膜後の特性確認、その結果に基づく膜の再設計、再成膜と特性確認が最低限必要になるが、膜の再設計は実施例1−1に記載したような1層の変更だけではなく、すべての層についてその層数や材料も含めた再検討が必要になる。また、再設計が順調に終わり、再成膜した結果得られた膜がレンズ中心で十分な反射防止効果を有していたとしても有効径端での膜厚は極端に薄く、フッ化物を膜材料に用い反射防止波長帯域を広げてもレンズ面内全域で十分な反射防止効果を得ることは困難である。
(比較例2)
本発明に対する比較例2として蒸着装置を用いて成膜した場合を示す。蒸着装置は一般にスパッタ成膜装置に比べてフッ化物を形成することが技術的に容易であり、より広い波長範囲で低い反射率を実現可能である。
ここでは蒸着装置としてシンクロン製CES−2Mを用いて実施例2−1と同一の形状と材質を有するレンズ基板を用いた場合に関して示す。
表14に各層の成膜材料と膜厚を示す。ここで膜材料として記載されているH3およびM1はメルク製の市販蒸着材料である。
Figure 2014157326
表14の構成で上記凹レンズに形成した多層の反射防止膜の分光特性をオリンパス製顕微分光光度計(USPM−RU)によって基板凹面の中心及びその有効半径端で測定した結果を図11に示す。なお、比較のため実施例2−1に記載したスパッタ法で作成した反射防止膜100の分光特性も重ねて示す。
図11から明らかなようにレンズ基板中心部においては可視の波長全域で反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られた。しかし、比較例1と同様、有効径端においては550(nm)より大きい波長域で反射率が1%を超えており、反射防止効果を得ることができなかった。
(比較例3)
本発明に対する比較例3として蒸着装置を用いて成膜した場合を示す。蒸着装置は一般にスパッタ成膜装置に比べてフッ化物を形成することが技術的に容易であり、より広い波長範囲で低い反射率を実現可能である。
ここでは蒸着装置としてシンクロン製CES−2Mを用いて実施例3−1と同一の形状と材質を有するレンズ基板を用いた場合に関して示す。
表15に各層の成膜材料と膜厚を示す。ここで膜材料として記載されているH3およびM1はメルク製の市販蒸着材料である。
Figure 2014157326
表15の構成で上記凹レンズに形成した多層の反射防止膜の分光特性をオリンパス製顕微分光光度計(USPM−RU)によって基板凹面の中心及びその有効半径端で測定した図を図12に示す。なお、比較のため実施例3−1に記載したスパッタ法で作成した多層膜の分光特性も重ねて示す。
図12から明らかなようにレンズ基板中心部においては可視の波長全域で反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られた。しかし、比較例1と同様、有効径端においては550(nm)より大きい波長域で反射率が1%を超えており、反射防止効果を得ることができなかった。
(比較例4)
本発明に対する比較例4として蒸着装置を用いて成膜した場合を示す。蒸着装置は一般にスパッタ成膜装置に比べてフッ化物を形成することが技術的に容易であり、より広い波長範囲で低い反射率を実現可能である。
ここでは蒸着装置としてシンクロン製CES−2Mを用いて実施例4−1と同一の形状と材質を有するレンズ基板を用いた場合に関して示す。
表16に各層の成膜材料と膜厚を示す。ここで膜材料として記載されているH3およびM1はメルク製の市販蒸着材料である。
Figure 2014157326
表16の構成で上記凹レンズに形成した多層の反射防止膜の分光特性をオリンパス製顕微分光光度計(USPM−RU)によって基板凹面の中心及びその有効半径端で測定した結果を図13に示す。なお、比較のため実施例4−1に記載したスパッタ法で作成した多層の反射防止膜100の分光特性も重ねて示す。
図13から明らかなようにレンズ基板中心部においては可視の波長全域で反射率が1%以下となっており、反射防止効果が得られた。しかし、比較例1と同様、有効径端においては550(nm)より大きい波長域で反射率が1%を超えており、反射防止効果を得ることができなかった。
以上、本実施例のスパッタ法による多層の反射防止膜を用いることで、カメラや放送機器など光学素子の形状や曲率が異なる場合でも、要求される光学特性に応じた反射特性を少ない試作回数で容易に実現することが可能となる。また、フッ素ガス材料費及びその供給、排ガス処理設備費等のコストが不要で、且つ非常に良好な反射防止性能を曲率の大きいレンズの面内全域で実現できるため、性能改善、成膜コスト低減、生産性の向上の全てに有効である。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
100…反射防止膜、101…第1層、102…第2層、103…第3層、104…第4層、105…第5層、106…第6層、107…第7層、200…基板、300…光学素子

Claims (8)

  1. 屈折率が1.791以上、かつ1.868以下である透明な基板上に、前記基板の表面側から順に、SiOを主成分とする低屈折率層と、金属酸化物及び金属窒化物のうち少なくとも一方を主成分とする高屈折率層と、が交互に積層されて7層に形成され、
    設計中心波長λの光に対する前記低屈折率層及び前記高屈折率層の屈折率をそれぞれn及びnとしたとき、
    1.437≦n≦1.466
    2.164≦n≦2.208
    の関係を満たし、
    かつ、各層の幾何学的膜厚を、前記基板の表面側から数えて第1層から第7層まで順にd、d、d、d、d、d、dとしたとき、
    0.0866×λ≦n×d≦0.0892×λ
    0.0395×λ≦n×d≦0.0407×λ
    0.19×λ≦n×d≦0.32×λ
    0.0428×λ≦n×d≦0.0441×λ
    0.1004×λ≦n×d≦0.1035×λ
    0.4593×λ≦n×d≦0.4733×λ
    0.2204×λ≦n×d≦0.2272×λ
    の関係を満たすように成膜されていることを特徴とする反射防止膜。
  2. 屈折率が1.706以上、かつ1.791未満である透明な基板上に、前記基板の表面側から順に、SiOを主成分とする低屈折率層と、金属酸化物及び金属窒化物のうち少なくとも一方を主成分とする高屈折率層と、が交互に積層されて7層に形成され、
    設計中心波長λの光に対する前記低屈折率層及び前記高屈折率層の屈折率をそれぞれn及びnとしたとき、
    1.437≦n≦1.466
    2.164≦n≦2.208
    の関係を満たし、
    かつ、各層の幾何学的膜厚を、前記基板の表面側から数えて第1層から第7層まで順にd、d、d、d、d、d、dとしたとき、
    0.0873×λ≦n×d≦0.090×λ
    0.0329×λ≦n×d≦0.0339×λ
    0.19×λ≦n×d≦0.32×λ
    0.0478×λ≦n×d≦0.0492×λ
    0.1075×λ≦n×d≦0.1107×λ
    0.4697×λ≦n×d≦0.4840×λ
    0.2234×λ≦n×d≦0.2302×λ
    の関係を満たすように成膜されていることを特徴とする反射防止膜。
  3. 前記高屈折率層が、Nbを主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止膜。
  4. 前記第1層から前記第7層までの各層が、スパッタ法により成膜されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  5. 屈折率が1.791以上、かつ1.868以下である透明な基板と、
    前記基板の表面に、前記基板の表面側から順に、SiOを主成分とする低屈折率層と、金属酸化物及び金属窒化物のうち少なくとも一方を主成分とする高屈折率層と、が交互に積層されて7層に形成された反射防止膜と、を備え、
    前記反射防止膜は、
    設計中心波長λの光に対する前記低屈折率層及び前記高屈折率層の屈折率をそれぞれn及びnとしたとき、
    1.437≦n≦1.466
    2.164≦n≦2.208
    の関係を満たし、
    かつ、各層の幾何学的膜厚を、前記基板の表面側から数えて第1層から第7層まで順にd、d、d、d、d、d、dとしたとき、
    0.0866×λ≦n×d≦0.0892×λ
    0.0395×λ≦n×d≦0.0407×λ
    0.19×λ≦n×d≦0.32×λ
    0.0428×λ≦n×d≦0.0441×λ
    0.1004×λ≦n×d≦0.1035×λ
    0.4593×λ≦n×d≦0.4733×λ
    0.2204×λ≦n×d≦0.2272×λ
    の関係を満たすように成膜されていることを特徴とする光学素子。
  6. 屈折率が1.706以上、かつ1.791未満である透明な基板と、
    前記基板の表面に、前記基板の表面側から順に、SiOを主成分とする低屈折率層と、金属酸化物及び金属窒化物のうち少なくとも一方を主成分とする高屈折率層と、が交互に積層されて7層に形成された反射防止膜と、を備え、
    前記反射防止膜は、
    設計中心波長λの光に対する前記低屈折率層及び前記高屈折率層の屈折率をそれぞれn及びnとしたとき、
    1.437≦n≦1.466
    2.164≦n≦2.208
    の関係を満たし、
    かつ、各層の幾何学的膜厚を、前記基板の表面側から数えて第1層から第7層まで順にd、d、d、d、d、d、dとしたとき、
    0.0873×λ≦n×d≦0.090×λ
    0.0329×λ≦n×d≦0.0339×λ
    0.19×λ≦n×d≦0.32×λ
    0.0478×λ≦n×d≦0.0492×λ
    0.1075×λ≦n×d≦0.1107×λ
    0.4697×λ≦n×d≦0.4840×λ
    0.2234×λ≦n×d≦0.2302×λ
    の関係を満たすように成膜されていることを特徴とする光学素子。
  7. 前記高屈折率層が、Nbを主成分とすることを特徴とする請求項5又は6に記載の光学素子。
  8. 前記第1層から前記第7層までの各層が、スパッタ法により成膜されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の光学素子。
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CN106940456A (zh) * 2017-04-25 2017-07-11 舜宇光学(中山)有限公司 一种大张角玻璃镜片的减反膜及其制作工艺
CN112095082A (zh) * 2020-09-10 2020-12-18 天津津航技术物理研究所 一种变折射率氧化物薄膜的制备方法
WO2022052268A1 (zh) * 2020-09-14 2022-03-17 诚瑞光学(深圳)有限公司 镜片以及镜头组件

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