JP2014155913A - メディア式分散機及びトナー製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散工程での処理時間の延長を抑制しつつ、メディア粒子分離部材の目詰りを解消できるメディア式分散機及びこれを用いたトナー製造方法を提供する。
【解決手段】円筒状のステーター15と、回転可能な円筒状のローター14とを備え、被分散液とともに攪拌されることで、被分散液の分散を促すメディア粒子を分散室内に収容し、被分散液が分散室に流入する第一流入口101及び第二流入口102と、分散室から被分散液を排出する第一排出口201及び第二排出口202と、メディア粒子の通過を妨げ、第一排出口201または第二排出口202に向かう被分散液からメディア粒子を分離させるセパレーター17とを備えるメディア式分散機1で、第一排出口201及び第二排出口202の二つの排出口を備え、被分散液を排出させる排出口を切り替える不図示の制御部等の排出口切替手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被分散液中の粒状成分を分散するメディア式分散機及びにこのメディア式分散機を用いたトナー製造方法に関するものである。
近年の電子写真用トナーの開発は、小粒径化による更なる高画質化が求められており、トナー粒子中に内包される様々な機能性材料も小径化する技術が必要となっている。同時に環境負荷低減を狙った低エネルギーでも良好な定着性を発現する樹脂材料の開発も盛んであるが低分子量化や低Tg(ガラス転移点)化に伴う耐熱保存性の低下が避けられず、電子写真用トナーとしての高い機能性を発揮するのは困難である。これらの要求を満足できる樹脂材料として、結晶性ポリエステル樹脂が着目されているが一般的に、ポリエステル樹脂のように縮重合により合成される熱可塑性樹脂は塊状に重合されることからトナー粒子中に内包できるサイズを得るためには結晶性ポリエステル樹脂を粉砕・分散する工程を経る必要がある。このような粉砕・分散工程ではメディア式分散機を用いた機械的粉砕が一般的に用いられていることが既に知られている。
メディア式分散機は、トナー材料等の分散対象である被分散液を収容して分散を行う分散室内に、被分散液中の粒状成分よりも十分に大きなメディア粒子を分散室に充填している。そして、メディア粒子を被分散液と共に分散室内で攪拌することで、メディア粒子が被分散液中の粒状成分に衝突し、被分散液中の粒状成分を粉砕して粒径を小さくし、粒状成分を被分散液中に分散させる。
メディア式分散機としては、円筒状のステーターと、このステーターの内部にステーターに対して中心軸が重なるように配置され中心軸周りに回転可能円筒状のローターとを備えたものがある(特許文献1の図8等)。このメディア式分散機では、ステーターの円筒状の内部が分散室となっており、ステーターの内壁とローターの外壁との間の空間に、タンクから供給される被分散液を流入させる流入口を備える。そして、ローターが回転することで分散室内に充填されたメディア粒子が被分散液と共に攪拌される。
円筒状のローターは、中心軸の軸方向の一端が開口部となっており、ステーターの内壁とローターの外壁との間の空間を通過した被分散液がローターの内部に流入する構成となっている。ローターは、その内側と外側とを連通し、メディア粒子が通過可能な開口幅の連通口を備える。さらに、ローター内部の中心軸近傍の位置には、分散室から被分散液を排出する排出口を備え、この排出口に向かう流路にはメディア粒子が通過できない開口幅の孔(スリット)を備え、通過する被分散液からメディア粒子を分離させるメディア粒子分離部材を備える。
被分散液タンクから供給された被分散液は、ステーターの内壁とローターの外壁との間の空間を通過する際に、メディア粒子と共に攪拌されることで分散が行われる。この空間を通過した被分散液はローターの軸方向の一端に設けられた開口部からローターの内側に流入する。ローターの内側に流入した被分散液は、ローターの回転によってローターの内部で螺旋状の流れを形成しつつ、メディア粒子分離部材を通過して排出口から排出される。排出された被分散液は被分散液タンクに戻される。被分散液は、被分散液タンクとメディア分散機との間の循環を繰り返すことで分散が行われる。
被分散液とともにローターの内側に流入したメディア粒子のほとんどは被分散液の螺旋状の流れによって生じる遠心力によってローターの内壁面近傍に到達し、ローターに設けられた連通口を通ってステーターの内壁とローターの外壁との間の空間に戻される。一方、ローターの内側に流入したメディア粒子の一部は被分散液と共に排出口に向かうが、メディア粒子分離部材によって排出口を通過することができず、分散室内に留まる。これにより、メディア粒子がメディア分散機の分散室の外部に排出されることを防止しつつ、被分散液を循環させることができる。
このようなメディア粒子分離部材によってメディア粒子の排出を防止する構成では、経時において、メディア粒子分離部材に付着した状態となるメディア粒子が増加し、メディア粒子分離部材が目詰りの状態となり、被分散液が排出口から排出され難くなる。目詰りを解消できる方法として、特許文献1には、メディア式分散機の分散動作を停止して、排出口から流入口に向けて一定時間圧力をかける方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1のように、排出口から流入口に向けて圧力をかける方法では、この圧力をかけている間は、分散動作を停止させているため、分散工程での処理時間の延長に繋がる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、分散工程での処理時間の延長を抑制しつつ、メディア粒子分離部材の目詰りを解消できるメディア式分散機及びこれを用いたトナー製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、内部に被分散液が通過する分散室を形成する円筒状のステーターと、該ステーターの内部に該ステーターに対して中心軸が重なるように配置され該中心軸を中心に回転可能な円筒状のローターとを備え、該ローターの回転によって被分散液とともに攪拌されることで、被分散液の分散を促すメディア粒子を該分散室内に収容し、被分散液が該分散室に流入する流入口と、該分散室から被分散液を排出する排出口と、該排出口に向かう該メディア粒子の通過を妨げ、該排出口に向かう被分散液から該メディア粒子を分離させるメディア粒子分離部材とを備えるメディア式分散機において、上記排出口を複数備え、被分散液を排出させる該排出口を切り替える排出口切替手段を備えることを特徴とするものである。
メディア粒子分離部材によってメディア粒子の排出を防止する構成では、メディア粒子分離部材によって排出が阻止されたメディア粒子は、排出口に向かう分散液の流れによってメディア粒子分離部材に押し付けられた状態となる。このため、特許文献1に記載のメディア式分散機では、分離動作を行っている間は、メディア粒子分離部材に付着したメディア粒子を離間させることができず、メディア粒子分離部材の目詰りを解消することができなかった。
本発明においては、排出口切替手段が被分散液を排出させる排出口を切り替えることで、それまで被分散液を排出していた排出口に向かう被分散液がメディア粒子をメディア粒子分離部材に押し付けていた力が無くなる。これにより、分散室内での被分散液の流れの変化やローターの回転によって生じる遠心力などによって、メディア粒子分離部材に付着したメディア粒子を容易に離間させることができ、目詰りを解消することができる。このとき、他の排出口で被分散液の排出を行うことができるため、分散動作を行いながら、メディア粒子分離部材の目詰りを解消することができる。一つの排出口で排出していたときに発生したメディア粒子分離部材の目詰りを解消している間は、他の排出口から被分散液を排出させるため、分散工程での処理時間の延長を抑制しつつ、メディア粒子分離部材の目詰りを解消できる。
本発明によれば、分散工程での処理時間の延長を抑制しつつ、メディア粒子分離部材の目詰りを解消できるという優れた効果がある。
メディア式分散機の長手方向に沿う断面の断面説明図、(a)は、第一排出口を用いるときの説明図、(b)は、第二排出口を用いるときの説明図。 本実施形態の分散機構の模式図。 図1中のA−A断面における、ローターとセパレーターとの断面説明図。 分散工程のフローチャート。 蓋状のセパレーターを備えるメディア式分散機の長手方向に沿う断面の断面説明図、(a)は、第一排出口を用いるときの説明図、(b)は、第二排出口を用いるときの説明図。 従来例の分散機構の模式図。
以下、本発明を適用したメディア式分散機を用いた分散工程の実施形態について説明する。
図2は、本実施形態の分散工程に用いる分散機構500の模式図である。
分散機構500は、メディア式分散機1、タンク4、熱交換器2、循環ポンプ3等を備える。
分散機構500は、トナー製造工程での結晶性ポリエステルの粉砕・分散工程で用いることができ、反応装置のためバッチ式による装置構成となっている。
タンク4は被分散液を溜めるものであり、タンク本体内を或る一定温度に保持ためにタンクジャケットが具備されている。図2中の矢印Wは冷却水の流れを示しており、タンクジャケット内を冷却水が通過する構成となっている。タンクジャケットは冷却を行うのみでは無く取扱う液によっては加温することも可能であり特に限定されるものでは無い。
タンク4内には、タンク内攪拌部材5が配置されており、タンク内攪拌モータ51から回転駆動が伝達されることにより、タンク内攪拌部材5が回転駆動する。タンク内攪拌部材5が回転駆動することで、タンク4内での被分散液を攪拌して沈降を防止する。また、被分散液を攪拌することで、タンクジャケットから受ける熱を効率的に被分散液に伝えたり、タンクジャケットによって被分散液を効率的に冷却したりすることができる。さらに、タンク内攪拌部材5が被分散液を攪拌することで、タンク4の入口から出口への被分散液のショートパスを防止し、被分散液中の粒状成分の粉砕・分散のバラツキを抑えることができる。
タンク内攪拌部材5としては、パドル型、アンカー型、プロペラ型等が挙げられ、充分な撹拌能力を持っているものを被分散液の液質により選定する。
図2のタンク4内にて粉粒体である結晶性ポリエステルを極性有機溶媒中で加熱溶解した後に冷却して被分散液を得る。タンク4は、タンクジャケットを備えているため、このタンクジャケットに熱水を流せば加熱でき、冷水を流せば冷却ができる。
タンク4内にある被分散液はタンク底弁12が開することにより通液される。タンク底弁12としては、ゲート式、グローブ式、バタフライ式、ニードル式、ストップ式等が挙げられる。
メディア式分散機1は、被分散液中の粒状成分よりも十分に大きなメディア粒子を分散室内に充填したものである、そして、メディア粒子を被分散液と共に分散室内で攪拌することで、メディア粒子が被分散液中の粒状成分に衝突し、被分散液中の粒状成分を粉砕して粒径を小さくし、被分散液中に分散させることができる。
図1は、メディア式分散機1の長手方向に沿う断面の断面説明図である。図1中の矢印Qは、メディア式分散機1内での被分散液の流れの概略を示している。図1(a)と図1(b)とは、詳細は後述するように、メディア式分散機1内での被分散液の流れる方向を切り替えたそれぞれの状態の説明図である。詳しくは、図1(a)は、第一排出口201から被分散液を排出する流路を形成する状態のメディア式分散機1の断面説明図であり、図1(b)は、第二排出口202から被分散液を排出する流路を形成する状態のメディア式分散機1の断面説明図である。
図1のメディア式分散機1は、円筒状のステーター15の内部に、ステーター15と同軸に配置され、不図示の駆動軸を介して駆動源であるローター回転モータ52から回転駆動が伝達されることにより、回転する円筒状のローター14が設けられている。また、円筒状のローター14の内部には、メディア粒子と被分散液とを分離するためのメディア粒子分離セパレーターであるセパレーター17が設けられている。
ステーター15の円筒状の内部に形成される円柱状の空間がメディア粒子を用いて被分散液中の粒状成分の分散を行う分散室となる。
メディア式分散機1では、ステーター15の円筒状の内部が分散室であり、ステーター15の内周面とローター14の外周面との間の空間である粉砕室16に、タンク4から供給される被分散液を流入させる流入口(101及び102)を備える。そして、ローター14が回転することで分散室内に充填されたメディア粒子が被分散液と共に攪拌される。
セパレーター17は、ローター14と同軸に配置された円筒状の部材であり、外周面側から内周面側へのメディア粒子の通過を防止する開口幅の開口部を備え、この開口部を被分散液が通過することで、メディア粒子と被分散液とを分離する。また、本実施形態では、セパレーター17を固定として、その周りをローター14が回転する構成であるが、セパレーター17をローター14と共に回転駆動する構成としてもよい。
セパレーター17としては、図5に示すように、その開口部を設けた面が排出口(201及び202)での被分散液の流れの方向に直交するように、セパレーター17(17a及び17b)が排出口(201及び202)の蓋となるように配置する構成が考えられる。しかし、排出口の蓋となるように配置したセパレーターでは、セパレーター17でせき止められたメディア粒子が排出口に向かう被分散液の流れによって蓋状のセパレーター17に押し付けられた状態となる。このとき、被分散液の流れに直交するセパレーター17の面に沿う方向へメディア粒子が移動し難く、メディア粒子はせき止められた位置でそのまま滞留してしまい、滞留したメディア粒子はセパレーター17から分離出来なくなる。また、蓋状のセパレーター17の開口部を設けた面が排出口の開口幅の範囲であって、面積が狭く、滞留したメディア粒子によって短時間で目詰りが生じてしまう。
一方、図1に示すメディア式分散機1のセパレーター17は、円筒状のものを用い、その中心軸方向の端部に排出口(201及び202)を設けた構成である。このような構成では、排出口(201及び202)に向かう被分散液の流れの方向と、セパレーター17の開口部を設けた面とが直交する関係にはなっていない。このため、セパレーター17にせき止められたメディア粒子が被分散液の流れによってセパレーター17に押し付けられても、セパレーター17の面に沿う方向へのメディア粒子は移動することができ、せき止められた位置で滞留し難い。滞留することなく移動するため、せき止められたメディア粒子のセパレーター17に対する付着力は弱く、遠心力や被分散液の流れによってセパレーター17から分離することが可能で、図5に示す蓋状のセパレーター17よりも目詰りが生じ難い。また、円筒状のセパレーター17の開口部を設けた面は円筒状の周面全体であり、面積が広く、せき止めたメディア粒子によって開口部を設けた面の全体が覆われ難く、目詰りが生じ難い。
図3は、図1中のA−A断面における、ローター14とセパレーター17との断面説明図である。図3中の矢印Bがローター14の回転方向であり、図3中の矢印Qが、被分散液の流れの概略を示している。
ステーター15の内周面には、内側に向けて突き出したステーターピン15aが設置されており、ローター14の外周面には、外側に向けて突き出したローターピン14aが設置されている。ステーターピン15aとローターピン14aとは、ローター14の回転によって互いに衝突しない位置に配置されている。
メディア式分散機1内に充填されたメディア粒子は、ステーター15及び回転するローター14に設置されたステーターピン15a及びローターピン14aにより効率良く撹拌される。被分散液は、ステーター15の内周面とローター14の外周面との隙間によって形成される粉砕室16を通過することで、含有する粒状成分が粉砕されつつ、粒状成分の分散が行われる。
粉砕室16を通過した被分散液は、ローター14の内側に進入し、セパレーター17を通過し、排出口(201または202)より排出される。
この際、被分散液の流れと共にセパレーター17付近に流れてきたメディア粒子は、ローター14の回転によって生じる遠心力により、ローター14の内周面に向けて移動する。ローター14には図3に示すように、内周面側と外周面側とを連通するスリット18が形成されており、ローター14の内周面に到達したメディア粒子は、上述した遠心力によってスリット18を通過することで、粉砕室16へと戻される。
また、本実施形態のローター14の内部には、より効率的にメディア粒子を粉砕室16へ戻すための加工として、その内周面のスリット18を形成する部分の回転方向上流側が突き出すように突き出し加工19が施されている。この遠心力を利用した被分散液からのメディア粒子の分離作用によって被分散液中の粒状成分の効率的な分散が可能となる。
次に、本実施形態のメディア式分散機1の特徴部について説明する。
図1に示すように、メディア式分散機1は、第一排出口201と第二排出口202という二つの排出口を備え、被分散液を排出させる該排出口を切り替えるための後述する排出口切替手段を備える。
特許文献1等の従来のメディア式分散機は排出口が一つだけであった。
従来の、メディア式分散機では円筒状の粉砕室内に充填されているメディア粒子(粒径0.1〜0.5[mm])によって排出口が詰まってしまう現象が生じていた。これは、メディア粒子の充填率と、回転によってメディア粒子に作用する遠心力のエネルギーと、被分散液の流入量との関係よっては、円筒状のローター内の中心軸方向の排出口側にメディア粒子が偏ってしまうことに起因する。
特許文献1に記載のメディア式分散機は、メディア粒子と被分散液とを分離するセパレーターとして、図1に示すメディア式分散機1と同様に円筒状のセパレーターを用いている。このように、円筒状のセパレーターを備える構成では、蓋状のセパレーターよりも目詰りが生じ難いが、円筒状のセパレーターの表面に沿って移動したメディア粒子が経時で軸方向の排出口側に偏った状態となる。メディア粒子が排出口側に偏ると、円筒状のセパレーターの表面が排出口側の端部から除々にメディア粒子によって覆われて、目詰りが生じる。
また、メディア粒子がセパレーター17に付着して目詰りとなると、被分散液の流れによってメディア粒子がセパレーター17に押し付けられ、セパレーター17との間に摩擦力が生じる。これにより、メディア粒子がセパレーター17上で動き難くなり、メディア粒子に遠心力がさようしても遠心力によって外側に向かう作用が小さくなり、粉砕室16に移動し難くなる。
セパレーターに目詰りが発生すると、分散工程を停止し、復旧を行うという作業が発生し、「工程時間が延びる」という問題があった。
特許文献1には、稼動中にセパレーターのスリット間やワイヤ間にメディア粒子が詰ることを防止するために次のような方法が記載されている。すなわち、メディア式分散機へ被分散液を送液するポンプを停止させた状態で排出口より一定圧力の窒素またはエアーを加えることによりセパレーターの詰まりを改善する方法が開示されている。この方法は、セパレーターの詰りを改善させることが出来るが、工程を停止させることにより工程時間が延びてしまうという問題は解消できていない。
また、特許文献2には、稼動中の粉砕機において、粉砕機内への固着物による詰り防止の目的で、流路を任意に変更或いは切り替え、粉砕機を一旦停止した後にローターを逆転させ、その後順回転することにより粉砕機内の詰まりを改善する方法が開示されている。このようにローターを逆転させることで、稼動中の粉砕機の詰りを改善させる方法も考えられるが、工程を停止させることにより工程時間が延びてしまうという問題は解消できていない。
一方、図1に示すメディア式分散機1では、複数の排出口(201及び202)を備えており、被分散液を排出させる排出口を切り替えることで、円筒状のメディア式分散機1内でのメディア粒子の偏りを解消することができる。これにより、メディア粒子の偏りに起因するセパレーター17の目で埋まりを解消することができる。
また、被分散液を排出させる排出口を切り替えることで、それまで被分散液を排出していた排出口に向かう被分散液がメディア粒子をセパレーター17に押し付けていた力が無くなる。これにより、セパレーター17の周りで変化した被分散液の流れやローターの回転によって生じる遠心力などによって、セパレーター17に付着したメディア粒子を容易に離間させることができ、目詰りを解消することができる。
このとき、切り替え後の排出口で被分散液の排出を行うことができるため、分散動作を行いながら、セパレーター17の目詰りを解消することができる。すなわち、一つの排出口(第一排出口201)で排出していたときに発生したセパレーター17の目詰りを解消している間は、他の排出口(第二排出口202)から被分散液を排出させる。このため、分散工程での処理時間の延長を抑制しつつ、セパレーター17の目詰りを解消できる。
このように、図1に示すメディア式分散機1では、メディア粒子の偏りによる排出口の詰まりを防止し、工程を停止しての復旧作業が発生すること無く工程時間に影響を与えること無く、分級工程を安定稼動することができる。
以下、図1に示すメディア式分散機1の構成についてより具体的に説明する。
メディア式分散機1は、セパレーター17にメディア粒子が偏って付着することによる排出口の詰りを防止するため、流入口(101及び102)から流入させる被分散液が通過する配管の圧力を圧力計10によって監視する。
図1(a)に示す流路で、メディア式分散機1を使用する場合には、第二流入弁8と第二排出弁9とを閉鎖した状態で、第一流入弁6と第一排出弁7とを開放させる。その後、タンク4内にある被分散液をメディア式分散機1へ送液するための循環ポンプ3を起動する。循環ポンプ3としてはモーノ式、スクリュー式、ロータリー式等が挙げられ、被移送液体により選定されるものであり、特に限定されるものではない。
循環ポンプ3を起動し一定時間経過後、メディア式分散機1を起動させて粉砕・分散工程をスタートさせる。粉砕・分散工程をスタートさせると、時間が経過するに伴い、セパレーター17の外周面近傍の軸方向の第一排出口201側(図1中の右側)にメディア粒子が偏り始める。このようにメディア粒子が偏るとセパレーター17の外周面が第一排出口201側から除々にメディア粒子で覆われ、セパレーター17の開口部がメディア粒子に塞がれて、目詰りとなる。このように目詰りとなった範囲が広がるにつれて、セパレーター17の開口部で被分散液が通過できる箇所が減少する。これにより、メディア式分散機1での圧力が上昇し、圧力計10を設けた配管における圧力も上昇する。
このようにセパレーター17に目詰りが生じ始めると圧力計10で測定される圧力の値が上昇するため、この圧力計10の測定値を監視することで、セパレーター17の目詰りの状態を把握することができる。第一流入弁6と第一排出弁7とを開放させて、循環ポンプ3及びメディア式分散機1を起動させた後、圧力計10が設定値以上となったら、不図示の制御部がこれを検出し、第二排出弁9を開放して、第一排出弁7を閉鎖する。その後、第二流入弁8を開放して、第一流入弁6を閉鎖する。これにより、メディア式分散機1内の被分散液の流路が図1(b)に示す状態となり、図1(a)に示す流路の状態で第一排出口201側にメディア粒子が偏ることに起因するセパレーター17の目詰りを解消することが出来る。
また、第二流入弁8と第二排出弁9とを開放させた状態で、圧力計10が設定値以上となったら、不図示の制御部がこれを検出し、流路が図1(a)の状態となるように、排出弁と流入弁とを切り替え、流路を切り替える。
本実施形態のメディア式分散機1では、圧力計10でメディア式分散機1内の圧力を監視し、圧力が所定の値以上となったことを検知したことをトリガーとして、被分散液を排出する排出口を切り替える構成である。排出口を切り替えるトリガーとしては、メディア式分散機1内の圧力上昇に限らない。例えば、セパレーター17の目詰りが悪化しない程度の所定の期間が経過する毎に被分散液を排出する排出口を切り替える構成としてもよい。
また、本実施形態のメディア式分散機1は、流入口を複数備え、被分散液を排出する排出口を切り替えるとともに、被分散液を流入させる流入口も切り替える構成となっている。本発明の特徴部を備える構成としては、流入口を一つとして、流入口を切り替えない構成としてもよい。しかし、本実施形態のメディア式分散機1のように、排出口の切り替えと共に、流入口の切り替えも行うことで、排出口のみを切り替えるよりもメディア式分散機1内での被分散液の流れの変化が大きくなる。流れの変化が大きくなることで、セパレーター17に付着したメディア粒子がさらに離間し易くなり、より効率的に目詰りを解消することができる。
上述のように、記流路の切り替えを繰り返しながら被分散液中の結晶粒径が0.2〜0.7[μm]以下になるまで、タンク4とメディア式分散機1との間で被分散液を循環させる動作を継続し、被分散液中の粒状成分の粉砕・分散を行う。
メディア式分散機1にて粉砕・分散される工程では、被分散液中の粒状成分とメディア粒子との衝突による粉砕が行われるため発熱する。この発熱に起因する被分散液の昇温をキャンセルするために、タンク4はタンクジャケットが具備されていることが望ましい。
また、タンクジャケットには、加熱流体または冷却流体が通液されることとなるが、いずれの場合でも入口側と出口側との間におけるショートパスを防止するための流路が形成されていることが望ましい。
また、タンク4とメディア式分散機1との間を循環する被分散液の流路には、冷却に必要な熱交換器2を設置することが望ましい。熱交換器2としては、シェルアンドチューブ式、パネル式等が挙げられる。
熱交換器2は、メディア式分散機1の上流側または下流側のどちらに設置してもよく、特に限定されない。
メディア式分散機1の円筒状のローター14の周速(表面移動速度)は、6〜20[m/s]の範囲内であることが好ましい。この範囲を逸脱した場合のうち、周速が6[m/s]以下となると、メディア粒子と被分散液中の粒状成分との衝突確率が低下するとともにメディア粒子が被分散液の流れに押され、早い段階にて排出口付近に偏ってしまい分散効率が悪化する。
また、上記範囲を逸脱した場合のうち、周速が20[m/s]を超える場合は、メディア粒子同士の磨耗及びメディア粒子と装置の磨耗が激しくなり発熱も大きくなってしまう。メディア粒子同士の磨耗及びメディア粒子と装置の磨耗が激しくなると、装置寿命の低下に繋がる。また、発熱が大きくなると、液温に制限がある場合などでは温度制御が出来ず狙いの分散効果が得られないこととなってしまい好ましくない。
図4は、分散機構500における分散工程のフローチャートである。
タンク4に貯蔵された被分散液はタンク4内にてタンク内攪拌部材5により撹拌されている。
メディア式分散機1における被分散液の流路は、第一流入弁6及び第一排出弁7を開放する第一の流路と、第二流入弁8及び第二排出弁9を開放する第二の流路との計2つ流路が形成可能であり、第一の流路を先に使用する。
先ず、タンク底弁12が開となり第一流入弁6までの配管に被分散液が満たされる。その後、第一流入弁6及び第一排出弁7が開放状態となり、メディア式分散機1まで被分散液が満たされた状態となり、第一の流路が形成される(ステップS1)。
その後、循環ポンプ3を起動し、タンク4に被分散液が戻ることを確認することで、装置全体の配管に被分散液が満たされた状態となったことを確認できる。このとき、タンク4の内側の温度をタンク温度計11で計測し、温度上昇をキャンセルするためにタンクジャケットに冷却水を通水することによりタンク4内の温度を一定に保つことが出来る(ステップS2)。
次に、メディア式分散機1を起動し分散動作をスタートさせる。それと同時に分散時間の計測をスタートさせるとともに、圧力計10での圧力監視をスタートさせる。また、被分散液中の粒状成分が粉砕・分散される工程においては、メディア式分散機1内部に充填されているメディア粒子と被分散液中の粒状成分との衝突による粉砕が行われるため、この衝突による発熱によって被分散液が昇温する。この昇温をキャンセルするために、熱交換器2に冷却水を通水しメディア式分散機1の排出口温度を狙いの温度となるように制御が行われる。また、タンク4内温度を一定に保つためのステップS2にて行っているタンク4のジャケットへの冷却水の通水も継続して行われる(ステップS3)。
分散時間が予め設定された規定の分散時間よりも前に(ステップS4で「No」)、メディア式分散機1の入口の圧力が設定値以上となったら(ステップS5で「Yes」)、流路の切り替えを行う(ステップS6)。第一の流路から第二の流路に切り替える場合は、第二排出弁9を開放し、第一排出弁7を閉鎖した後、第二流入弁8を開放し、第一流入弁6を閉鎖する。これにより、第一の流路を形成した状態から第二の流路を形成した状態に変更することができ、第一排出口201の付近に偏っていたメディア粒子による目詰りを解消させることが出来る。これにより、粉砕・分散を継続することができる。流路の切り替えを行う閾値となる設定圧力については、循環ポンプ3やメディア式分散機1の機械的特性や被分散液の特性によるが、0.2[MPa]〜0.4[MPa]であることが望ましい。
予め設定された規定の分散時間が経過すると(ステップS4で「No」)、分散機構500が備えるサンプル口20より、被分散液のサンプルを採取し粒径を測定して、狙いの粉砕・分散がなされていることを確認する(ステップS5)。
第一の流路を使用する場合、第一流入弁6を開放することでメディア式分散機1に流入する被分散液は、図1(a)中の矢印Qで示すように、第一流入口101から粉砕室16に流入する。粉砕室16には、メディア粒子が充填されており、第一流入口101から流入した被分散液は、粉砕室16を通過するときに、粉砕室16内のメディア粒子と充分な衝突を繰返すことにより、被分散液中の粒状成分の粉砕・分散が行われる。粉砕室16を通過した被分散液がセパレーター17を通過することにより、メディア粒子と被分散液とが分離されることになる。
被分散液は図2に示す循環ポンプ3により、メディア式分散機1の第一流入口101に流入される。このため、メディア式分散機1内のメディア粒子には、ローター14の回転によるエネルギーで円周方向の力と流入される被分散液に押される力とが加わることとなる。被分散液の流れと共にセパレーター17付近に流動したメディア粒子は、ローター14の回転により生じる遠心力によって、ローター14に設けられたスリット18(図3参照)を通過することで粉砕室16へと戻される。上述したように、ローター14の内部には、より効率的にメディア粒子を粉砕室16へ戻すために突き出し加工19がスリット18を形成する部分に施されている。
このように、効率的にメディア粒子を粉砕室16へ戻す加工が成されていても、長時間のメディア式分散機1の稼動によってメディア粒子が徐々に第一排出口201付近に偏ってしまう。このまま第一排出口201からの被分散液の排出を継続すると、セパレーター17に目詰りが生じ、さらに目詰りが悪化する。このような問題に対して、本実施形態では、第一流入弁6を介して第一排出口201に接続された配管に設けられた圧力計10の測定値が予め設定された圧力を超えた場合には、流路を第二の流路に自動で変更する。すなわち、図1(a)に示す状態から図2(b)に示す状態に変更する。これにより、メディア式分散機1内の被分散液は第二排出口202に向かって流れるため、第一排出口201の付近に偏ったメディア粒子をメディア式分散機1内に散らすことが可能となる。
また、第二の流路を使用する状態で圧力計10の測定値が予め設定された圧力を超えた場合には、流路を第一の流路に自動で変更する。このように流路を変更する動作を繰り返すことにより、安定した運転状態による効率的な結晶性ポリエステル樹脂の粉砕・分散が可能となる。
本実施形態で使用するメディア粒子としては、その粒子径が0.10[mm]以上、0.50[mm]以下であることが望ましい。また、メディア粒子の材質としては、ガラス、鉄、ジルコニア及びチタンが望ましく、特に摩耗性の点からジルコニアを用いることが望ましい。
また、粉砕室16に充填されるメディア粒子の充填率は60[%]以上、90[%]以下であることが望ましい。ここでメディア粒子の充填率とは、ステーター15の内周面とローター14の外周面との隙間によって形成される粉砕室16の体積に対するメディア式分散機1内のメディア粒子全体の体積の総和の割合である。
メディア粒子の充填率が60[%]未満では結晶性ポリエステルの粉砕効率が悪く、被分散液中の粒状成分の粒径が目標粒径到達に長い時間を要する。一方で、メディア粒子の充填率が90[%]を超えると、メディア粒子が被分散液の排出を行っている排出口(201または202)側に偏り易くなり、流路の切り替えを行う回数が多くなりすぎてしまう。そして、結果的に目標粒径到達に長い時間を要してしまうことになる。
ローター14及びステーター15と、撹拌効率を上げるために設置されているローターピン14a及びステーターピン15aとの材料としては、ステンレス鋼、超硬合金、炭素鋼、セラミック、ジルコニアや樹脂等を上げることができる。特に、耐磨耗の観点からは超硬合金が望ましいが、超硬合金は加工が難しいことと高価になってしまうため加工性、経済性の観点ではステンレス鋼を用いることが望ましい。
本実施形態のメディア式分散機1が備えるセパレーター17としては、その開口部の開口幅が、使用するメディア粒子の粒径の三分の一以上、使用するメディア粒子の粒径の二分の一以下、の範囲であることが望ましい。また、セパレーター17の材質についてはステンレス鋼が望ましい。
また、本実施形態の分散機構500では、流入口(101及び102)に圧力検出手段である圧力計10を有し、圧力計10の検出結果に基づいて、流路の切り替えを自動で行っている。自動で流路の切り替えを行うことで、手動で流路の切り替え作業を行うことなく、分散工程を継続することができる。
なお、本実施形態のメディア式分散機1のように、複数の排出口を備え、被分散液を排出する排出口を切り替える構成は、セパレーター17の形状が円筒状の構成に限らず、図5に示すように、蓋状のセパレーター17を備える構成にも適用可能である。図5(a)は、蓋状のセパレーター17を備える構成で、第一排出口201から被分散液を排出する流路を形成する状態のメディア式分散機1の断面説明図である。また、図5(b)は、蓋状のセパレーター17を備える構成で、第二排出口202から被分散液を排出する流路を形成する状態のメディア式分散機1の断面説明図である。
図5に示すメディア式分散機1のように蓋状のセパレーター17を備える構成では、短時間で目詰りが生じ易い。しかし、図5に示すように排出口を複数備える構成であれば、セパレーター17で目詰りが進行し、内部の圧力が上昇したときに、圧力計10の検知結果に基づいて排出する排出口を切り替えることで発生した目詰りを解消することができる。
第一排出口201から被分散液を排出している状態を継続すると、第一セパレーター17aに目詰りが生じ、第一セパレーター17aを被分散液が通過し難くなり、メディア式分散機1内の圧力が上昇する。そして、圧力計10の圧力が予め設定された圧力を超えた場合には、第二セパレーター17bが配置された第二排出口202から被分散液を排出するように流路を切り替える。これにより、第一セパレーター17aから離れる方向に向かう被分散液の流れが生じ、第一セパレーター17aに付着し目詰りを生じさせていたメディア粒子がメディア式分散機1内に散らばり、第一セパレーター17aの目詰りが解消される。このように、本発明の特徴部を備える構成であれば、蓋状のセパレーター17を備えるメディア式分散機1であっても分級工程を安定稼動することができる。
本実施形態の分散機構500に図5に示すメディア式分散機1を用いた場合、セパレーター17に目詰りが生じ易く、流路の切り替えが頻繁になるため、図1に示すメディア式分散機1よりも流路の切り替えを行う回数が多くなってしまう。この結果、結果的に目標粒径到達に長い時間を要してしまうことになるため、セパレーター17の形状としては図1に示すメディア式分散機1のセパレーター17のように円筒状である方が望ましい。
〔従来例〕
以下、従来例として、排出口を一つしか備えないメディア式分散機1を備え、被分散液中の粒状成分の粉砕・分散工程を行う分散機構500について説明する。
図6は、従来例の分散機構500の模式図である。
結晶性ポリエステルの粉砕・分散機構成としては、反応装置のためバッチ式による装置構成となる。また、タンク4は被分散液を溜めるものであり、或る一定温度保持のためにタンクジャケットが具備されている。タンクジャケットは冷却を行うのみでは無く取扱う液により加温することも可能であり特に限定されるものでは無い。またタンク内攪拌部材5はタンク4内における被分散液の沈降防止やジタンクャケットから受ける熱を効率的に被分散液に伝える要素の他、タンク入口と出口のショートパスを防止し、被分散液中の粒状成分の粉砕・分散のバラツキを抑える目的を持っている。タンク内攪拌部材5としては、パドル型、アンカー型、プロペラ型等が挙げられ充分な撹拌能力を持っているものを液質により選定する。図5のタンク4内にて粉粒体である結晶性ポリエステルを極性有機溶媒中で加熱溶解した後に冷却して被分散液を得る。
タンク4内にある被分散液はタンク底弁12を開放することにより通液される。タンク底弁12としては、ゲート式、グローブ式、バタフライ式、ニードル式、ストップ式等が挙げられる。
従来例のメディア式分散機1は、実施形態のメディア式分散機1と同様に、円筒状のステーター15の内部に、ステーター15と同軸に配置され、駆動軸により回転する円筒状のローター14が設けられている。さらに、メディア粒子と被分散液を分離するためのセパレーター17とを備えている。図1及び図2に示す実施形態の分散機構500が備えるメディア式分散機1は、排出口を二つ備え、被分散液を排出する排出口を切り替え、流路の切り替えが出来る構成である。一方、従来例のメディア式分散機1は排出口は一つであり、流路の切り替えが出来ない点で両者は異なる。
従来例のメディア式分散機1内に充填されたメディア粒子は、ステーター15及び回転するローター14に設置されたステーターピン15a及びローターピン14aにより効率良く撹拌される。被分散液は、粉砕室16を通過することで、被分散液中の粒状成分の粉砕と分散とが行われる。粉砕室16を通過した被分散液は、セパレーター17を通過し、排出口より排出される。この際、被分散液の流れと共にセパレーター17付近に流動したメディア粒子は、ローター14の回転により生じる遠心力により、ローター14に設けられたスリット18を通過することで、粉砕室16へと戻される。この際、ローター14の内部にはより効率よくメディア粒子を粉砕室16へ戻すための突き出し加工19がスリット18が形成されたローター14の内周面に施されている。ローター14の回転によって生じる遠心力を用いてメディア粒子の分離を行うことにより、被分散液中の粒状成分の効率的な分散が可能となる。
図5に示す従来例の分散機構500においても、セパレーター17へのメディア粒子の偏りによる排出口の詰りをメディア式分散機1の入口の圧力を圧力計10により監視する。先ず流入弁6aと排出弁7aとを開放状態とした後、タンク4内にある被分散液をメディア式分散機1へ送液するための循環ポンプ3を起動する。循環ポンプ3としてはモーノ式、スクリュー式、ロータリー式等が挙げられ、被移送液体により選定されるものであり、特に限定されるものではない。
循環ポンプ3を起動し一定時間経過後、メディア式分散機1を起動させて粉砕・分散工程をスタートさせる。
従来例の分散機構500では、圧力計10が設定値以上圧力となったら機器破損防止のための保安回路によりメディア式分散機1及び循環ポンプ3が自動停止する。その後、メディア式分散機1のみを低回転で運転し、セパレーター17と排出口付近に偏ったメディア粒子を粉砕室16に戻すための運転を行う。圧力計10の測定値が復旧したらメディア式分散機1を停止する。その後、循環ポンプ3を起動し一定時間経過後、メディア式分散機1を起動させて粉砕・分散工程を再スタートさせる。
従来例では、このような粉砕・分散工程の起動・停止を繰り返しながら結晶粒径が0.1〜0.7[μm]の範囲内になるまで、被分散液の循環を継続し粉砕・分散を行う。
従来例のメディア式分散機1でも、粉砕・分散される工程においては被分散液中の粒状成分とメディア粒子との衝突による粉砕が行われることで発熱し、被分散液が昇温する。この昇温をキャンセルするためにタンク4はタンクジャケット付きとすることが望ましい。タンクジャケットには加熱流体または冷却流体が通液されることとなるが、いずれの場合でも入口と出口との間におけるショートパスを防止するための流路が形成されていることが望ましい。
また、従来例の分散機構500でも、被分散液の流路には冷却に必要な熱交換器2を設置することが望ましい。熱交換器2は、シェルアンドチューブ式、パネル式等が挙げられる。熱交換器2は、メディア式分散機1の前後どちらに設置してもよく特に限定されない。メディア式分散機1の円筒状のローター14の周速は、6〜20[m/s]の範囲内であることが好ましい。この範囲を逸脱した場合のうち、周速が6[m/s]以下の場合は、メディア粒子と被分散液との衝突確率が低下するとともにメディア粒子が被分散液の流れに押され、早い段階にて排出口付近に偏ってしまい分散効率が悪化する。また、20[m/s]を超える場合、メディア粒子同士の磨耗及びメディア粒子と装置の磨耗が激しくなり、発熱も大きくなってしまい液温に制限がある場合などでは温度制御が出来ず狙いの分散効果が得られないこととなってしまい好ましくない。
次に、図1及び図2等を用いて説明した本実施形態のメディア式分散機1を用いたトナーの製造方法の実施例を説明する。
<結晶性ポリエステル>
結晶性ポリエステルとしては、アルコール成分として炭素数2〜6のジオール化合物、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体を80[mol%]以上、好ましくは85〜100[mol%]含有したものと、少なくとも酸性分としてフマル酸もしくは、二重結合(C=C結合)を有するカルボン酸、およびこれらの誘導体を用いて合成される下記一般式(1)で表される講造を有する結晶性ポリエステルが好ましい。
[−O−CO−(CR1=CR2)l−CO−O−(CH2)n−]m ・・・(1)
(ここでn、mは繰り返し単位の数である。Lは1〜3の整数である。R1、R2は水素原子もしくは炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
また、結晶性ポリエステルの結晶性および軟化点を制御する方法としては、以下の方法が挙げられる。すなわち、ポリエステル合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステルなどを設計、使用するなどの方法が挙げられる。
結晶性ポリエステルの分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。しかし、簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10[cm−1]もしくは990±10[cm−1]にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを例としてあげることができる。
分子量については、上記の分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れるという観点から、鋭意検討した結果、以下の範囲であること好ましい。すなわち、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、横軸をlog(M)、縦軸を「重量%」で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であり、重量平均分子量(Mw)で1000〜30000、数平均分子量(Mn)で500〜6000、Mw/Mnが2〜8であることが好ましい。
融解温度および1/2流出温度(F1/2温度)については耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが望ましく、好ましくはDSC吸熱ピーク温度が50〜150[℃]である。融解温度およびF1/2温度が50[℃]以下の場合は耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなる。また、130[℃]以上の場合には定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られ無くなる。
結晶性ポリエステルの酸価は、紙と樹脂との親和性の観点から、目的とする低温定着性を達成するためにはその酸価が5[mgKOH/g]以上、より好ましくは10[mgKOH/g]以上であることが好ましい。一方、ホットオフセット性を向上させるには45[mgKOH/g]以下のものであることが好ましい。更に、結晶性高分子の水酸基価については、所定の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには0〜50[mgKOH/g]、より好ましくは5〜50[mgKOH/g]のものが好ましい。
<結晶性ポリエステルの効果>
本実施形態の分散機構500を用いて製造するトナー中の結晶性ポリエステルは、結晶性をもつがゆえに定着開始温度付近において、急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。つまり、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性が良く、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし、定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性を兼ね備えたトナーを設計することが出来る。また、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)についても、良好な結果を示すことが判った。
<未変性ポリエステル>
本実施形態の分散機構500を用いて製造するトナーには、未変性ポリエステルをトナーバインダー成分として含有させる。未変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。
また水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。酸価は通常1〜30、好ましくは3〜25である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。また、酸価及び水酸基価がそれぞれこの範囲を越えるものは高温高湿度下、低温低湿度下の環境下において、環境の影響を受けやすく、画像の劣化を招きやすい。
<有機溶媒>
有機溶媒としては、高温で結晶性ポリエステルを完全に溶解して透明な均一溶液を形成し、その反面、低温に冷却すると結晶性ポリエステルと相分離し、不透明な不均一溶液を形成するものが使用される。詳しくは、結晶性ポリエステルの溶融温度(Tm)を基準として、「溶融温度(Tm)−40[℃]未満の温度では非溶媒の特性を示し、それ以上の温度では良溶媒の特性を示すものであればよい。具体例としてトルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
<結晶性ポリエステルの固形分濃度と冷却速度>
冷却過程で析出する結晶性ポリエステルの分散粒径は溶解液の濃度及び冷却速度によって決まる。この溶液濃度が濃いほど粒径が大きくなるが、次工程での機械的粉砕の効率が悪くなる。また、溶液濃度が薄いほど粒径は小さくなり機械的粉砕での効率は良くなるが、得られる分散液の濃度が低くなることから全体の生産効率は悪くなる。鋭意検討した結果、有機溶媒に結晶性ポリエステルを好ましくは1〜50[重量%]、より好ましくは5〜40[重量%]、一層好ましくは10〜30[重量%]添加することがよい。そして、この混合物を用いる有機溶媒の常圧沸点以下で、約30[分]間撹拌して透明な均一溶解液とする。その後、外部熱交換器を用い循環しながら冷却し、20[℃]以下になれば、析出反応は終了し粗分散液が得られる。ジャケット冷却では、析出する結晶性ポリエステルの粒径が大きくなりやすく後工程での粉砕で効率が悪くなるため、好ましくない。また、結晶性ポリエステルと共に離型剤または未変性ポリエステルを溶解すると、両者が相溶し結晶性ポリエステルとしての機能が失われ、定着下限温度および耐熱保存性が悪化するため、好ましくない。
結晶性ポリエステル単独の分散液は、チクソトロピー性が強く、分散粒径が小さくなるとともに粘度上昇も著しく高くなることから、体積平均粒径が0.2〜2[μm]の小粒径分散液を作製するのが困難である。得られた結晶性ポリエステルの粗分散液にバインダー樹脂溶解液を加えて、均一なスラリーにしてから粉砕した場合、結晶性ポリエステル単独の分散液と比較すると、粘度上昇は緩和され生産性が向上する。また、バインダー樹脂溶解液は、離型剤を含んでいても良い。
バインダー樹脂溶解液には結晶性ポリエステルと同じ有機溶媒を用い、バインダー樹脂は結晶性ポリエステルに対し、固形分で重量比1〜3倍添加するのが望ましい。1倍未満では、次工程で粉砕したときに粘度が著しく上昇し、或いは3倍以上では粉砕にかかる時間が長くなるため、適していない。
結晶性ポリエステルの粗分散液を上述した本発明の特徴部を備えたメディア式分散機を用いて、粉砕・分散を行うことにより、稼動中のメディア粒子の偏りによる排出口詰りで、工程を停止しての復旧作業を発生すること無く、工程時間に影響を与えることは無い。
<活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体>
活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体としては、イソシアネートやエポキシなどにより変性されたポリエステルプレポリマーを挙げることができる。これは、活性水素基を持つ化合物(アミン類など)と伸長反応し、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)の向上に効果をおよぼす。このポリエステルプレポリマーの合成方法としては、ベースとなるポリエステルに、従来公知のイソシアネート化剤やエポキシ化剤などを反応させることで容易に合成することが出来る。
イソシアネート化剤としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
また、エポキシ化剤としては、エピクロロヒドリンなどをその代表例としてあげることが出来る。
イソシアネート化剤の比率は、イソシアネート基[NCO]と、ベースとなるポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、このポリエステルプレポリマーのウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
このポリエステルプレポリマー中のイソシアネート化剤の含有量は、通常0.5〜40[重量%]、好ましくは1〜30[重量%]、さらに好ましくは2〜20[重量%]である。0.5[重量%]未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40[重量%]を超えると低温定着性が悪化する。
また、このポリエステルプレポリマー中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、伸長反応後のウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。前記未変性ポリエステルだけで無く、これと共にポリエステルプレポリマーをトナーバインダー成分として含有させることもできる。ポリエステルプレポリマーと前記未変性ポリエステルは少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、ポリエステルプレポリマーのポリエステル成分と未変性ポリエステルは類似の組成が好ましい。
<活性水素基を有する化合物>
活性水素基を有する化合物の代表として、アミン類をあげることができる。
アミン類としては、ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール化合物、アミノメルカプタン化合物、アミノ酸化合物、および、これらのアミノ基をブロックした化合物などが挙げられる。
ジアミン化合物としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール化合物としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン化合物としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸化合物としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
これらのアミノ基をブロックした化合物としては、前記アミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類のうち好ましいものは、ジアミン化合物およびジアミン化合物と少量のポリアミン化合物の混合物である。
<着色剤>
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15[重量%]、好ましくは3〜10[重量%]である。
また、着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステルの他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も好ましく用いられる。この方法では、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要が無く、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
<離型剤>
離型剤としてのワックスには、公知のものが使用できるが、中でも、結晶ポリエステルとの親和性がよいことから、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素系ワックス(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが好ましく挙げられる。これらのうちより好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。
カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
ワックスの融点は、通常40〜160[℃]であり、好ましくは50〜120[℃]、さらに好ましくは60〜90[℃]である。融点が40[℃]未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160[℃]を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。
また、ワックスの溶融粘度は、融点より20[℃]高い温度での測定値として、5〜1000[cps]が好ましく、さらに好ましくは10〜100[cps]である。1000[cps]を超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。
トナー中のワックスの含有量は通常0〜40[重量%]であり、好ましくは3〜30[重量%]である。なお、ワックスは、樹脂分散液中に含有される他、トナーの処方に合わせて、トナー作製工程中にも、加えることができる。この場合、使用するワックスは、上記ワックスに限らず、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等であってもよい。
<帯電制御剤>
トナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
耐電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではない。しかし、好ましくは、バインダー樹脂100[重量部]に対して、0.1〜10[重量部]の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5[重量部]の範囲がよい。10[重量部]を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えても良いし、トナー表面にトナー粒子作成後固定化させてもよい。
<外添剤>
トナーは、流動性や現像性、帯電性を補助するために外添剤を含有してもよい。外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5[mμ]〜2[μm]であることが好ましく、特に5[mμ]〜500[mμ]であることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500[m/g]であることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5[重量%]であることが好ましく、特に0.01〜2.0[重量%]であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。また、感光体や一次転写媒体に残存する転写後のトナーを除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1[μm]のものが好ましい。
<一成分現像剤、二成分現像剤>
トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100[重量部]に対してトナー1〜10[重量部]が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200[μm]程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。また、ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また、必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1[μm]以下のものが好ましい。平均粒子径が1[μm]よりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。また、トナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
〔実施例1〕
<結晶性ポリエステル粗分散液の作製>
結晶性ポリエステルを19[重量%]で極性有機溶媒中に混合し、55[℃]で1[時間]溶解させた。その後、7[℃]の冷却水を用いた外部熱交換器を使用して20[℃]以下になるまで冷却し結晶性ポリエステルを析出させて粗分散液を得た。ここで得た結晶性ポリエステルの粗分散液を、図1に示すメディア式分散機1を備えた図2に示す分散機構500を用いて粒径0.2〜0.7[μm]となるまで下記条件にて粉砕・分散を行い、結晶性ポリエステル分散液を得た。このとき、結晶性ポリエステル分散液を得るまでに掛かった時間、流路の切り替え回数及び切り替え作業に要した時間を計測した。
<分散条件>
実施例1の分散条件を以下に示す。
・メディア粒子径:0.5[mm]
・メディア粒子充填率:85[%]
・メディア式分散機のローター周速:8.0[m/sec]
・粗分散液循環量:30[kg/min]
・流路の切り替えタイミングの圧力設定値:0.3[MPa]
・流路の切り替え:手動にて実施した。
<結果>
実施例1の構成で分散を行った結果を以下に示す。
・工程停止回数:0[回]
・工程停止時間:0[min]
・流路の切り替え回数:25[回]
・流路の切り替え作業時間:25[min]
・工程時間:1025[min]
〔実施例2〕
実施例1と同様の操作を実施し結晶性ポリエステル粗分散液を得た。ここで得た結晶性ポリエステルの粗分散液を、図1に示すメディア式分散機1を備えた図2に示す分散機構500を用いて粒径0.2〜0.7[μm]となるまで下記条件にて粉砕・分散を行い、結晶性ポリエステル分散液を得た。このとき、結晶性ポリエステル分散液を得るまでに掛かった時間、流路の切り替え回数を計測した。
<分散条件>
実施例2の分散条件を以下に示す。
・メディア粒子径:0.5[mm]
・メディア粒子充填率:85[%]
・メディア式分散機のローター周速:8.0[m/sec]
・粗分散液循環量:30[kg/min]
・流路の切り替えタイミングの圧力設定値:0.3[MPa]
・流路の切り替え:メディア式分散機入口に設けた圧力計により圧力を自動判定し自動にて流路の切り替えを行った。
<結果>
実施例2の構成で分散を行った結果を以下に示す。
・工程停止回数:0[回]
・工程停止時間:0[min]
・流路の切り替え回数:24[回]
・流路の切り替え作業時間:0[min]
・工程時間:1018[min]
〔比較例1〕
実施例1と同様の操作を実施し結晶性ポリエステル粗分散液を得た。ここで得た結晶性ポリエステルの粗分散液を、図5の従来例の分散機構500を用いて粒径0.2〜0.7[μm]となるまで下記条件にて粉砕・分散を行い、結晶性ポリエステル分散液を得た。このとき、結晶性ポリエステル分散液を得るまでに掛かった時間、工程停止回数及び停止時間を計測した。
<分散条件>
比較例1の分散条件を以下に示す。
・メディア粒子径:0.5[mm]
・メディア粒子充填率:85[%]
・メディア式分散機のローター周速:8.0[m/sec]
・粗分散液循環量:30[kg/min]
・機器破損防止のための保安回路作動タイミングの圧力設定値:0.3[MPa]
・粉砕・分散を再スタートすることができる圧力設定値:0.15[MPa]
<結果>
比較例1の構成で分散を行った結果を以下に示す。
・工程停止回数:25[回]
・工程停止時間:175[min]
・工程時間:1,200[min]
実施例1、実施例2及び比較例1の分散条件と分散を行った結果とを表1に示す。
Figure 2014155913
表1に示すように、本発明の特徴部を備えた実施例1及び実施例2は比較例1に対して工程時間の工程停止時間が無く工程時間の短縮ができている。また、実施例1では流路の切り替えを手動で実施しているため、工程の停止は発生していないものの、切り替えタイミングにて作業時間が発生している。
上述した実施形態では、トナー製造工程でトナーに内包される機能性材料を小粒径化するメディア式分散機1について説明した。本実施形態の特徴部を備えたメディア式分散機としては、トナー製造方法に用いられるものに限らず、樹脂、化粧品、染料、化学薬品、薬品等のメディア式分散機を用いた製造方法に応用することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
内部に被分散液が通過する分散室を形成する円筒状のステーター15等のステーターと、ステーターの内部にステーターに対して中心軸が重なるように配置され中心軸を中心に回転可能な円筒状のローター14等のローターとを備え、ローターの回転によって被分散液とともに攪拌されることで、被分散液の分散を促すメディア粒子を分散室内に収容し、被分散液が分散室に流入する第一流入口101及び第二流入口102等の流入口と、分散室から被分散液を排出する第一排出口201及び第二排出口202等の排出口と、排出口に向かうメディア粒子の通過を妨げ、排出口に向かう被分散液からメディア粒子を分離させるセパレーター17等のメディア粒子分離部材とを備えるメディア式分散機1等のメディア式分散機において、排出口を複数備え、被分散液を排出させる該排出口を切り替える不図示の制御部、第一排出弁7及び第二排出弁9等の排出口切替手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、分散工程での処理時間の延長を抑制しつつ、メディア粒子分離部材の目詰りを解消できる。
(態様B)
態様1において、不図示の制御部、第一排出弁7及び第二排出弁9等の排出口切替手段は、被分散液を排出させる排出口を自動で切り替える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、自動で流路の切り替えを行うことで、手動で流路の切り替え作業を行うことなく、分散工程を継続することができる。
(態様C)
請求項1または2のメディア式分散機において、流入口を複数備え、被分散液を流入させる流入口を切り替える不図示の制御部、第一流入弁6及び第二流入弁8等の流入口切替手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、排出口のみを切り替えるよりもメディア式分散機内での被分散液の流れの変化が大きくなり、セパレーター17等のメディア粒子分離部材に付着したメディア粒子がさらに離間し易くなる。このため、より効率的に目詰りを解消することができる。
(態様D)
態様Cにおいて、不図示の制御部、第一流入弁6及び第二流入弁8等の流入口切替手段は被分散液を流入させる入出口を自動で切り替える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、自動で流路の切り替えを行うことで、手動で流路の切り替え作業を行うことなく、分散工程を継続することができる。
(態様E)
結晶性ポリエステル等の電子写真用トナーの材料を分散させる分散工程を備えるトナー製造方法において、分散工程で態様A乃至Dの何れかに記載のメディア式分散機を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、分散工程での処理時間の延長を抑制しつつ、メディア粒子分離部材の目詰りを解消できるため、分散工程時間の短縮を図りつつ、分級工程を安定稼動することができる。よって、トナー製造工程全体についても製造時間の短縮を図りつつ、品質が安定したトナー製造を行うことができる。
1 メディア式分散機
2 熱交換器
3 循環ポンプ
4 タンク
5 タンク内攪拌部材
6 第一流入弁
6a 流入弁
7 第一排出弁
7a 排出弁
8 第二流入弁
9 第二排出弁
10 圧力計
11 タンク温度計
12 タンク底弁
14 ローター
14a ローターピン
15 ステーター
15a ステーターピン
16 粉砕室
17 セパレーター
17a 第一セパレーター
17b 第二セパレーター
18 スリット
19 突き出し加工
20 サンプル口
51 タンク内攪拌モータ
52 ローター回転モータ
101 第一流入口
102 第二流入口
201 第一排出口
202 第二排出口
500 分散機構
特開2011−81220号公報 特許第4870885号

Claims (5)

  1. 内部に被分散液が通過する分散室を形成する円筒状のステーターと、
    該ステーターの内部に該ステーターに対して中心軸が重なるように配置され該中心軸を中心に回転可能な円筒状のローターとを備え、
    該ローターの回転によって被分散液とともに攪拌されることで、被分散液の分散を促すメディア粒子を該分散室内に収容し、
    被分散液が該分散室に流入する流入口と、該分散室から被分散液を排出する排出口と、
    該排出口に向かう該メディア粒子の通過を妨げ、該排出口に向かう被分散液から該メディア粒子を分離させるメディア粒子分離部材とを備えるメディア式分散機において、
    上記排出口を複数備え、被分散液を排出させる該排出口を切り替える排出口切替手段を備えることを特徴とするメディア式分散機。
  2. 請求項1のメディア式分散機において、
    上記排出口切替手段は被分散液を排出させる上記排出口を自動で切り替えることを特徴とするメディア式分散機。
  3. 請求項1または2のメディア式分散機において、
    上記流入口を複数備え、被分散液を流入させる該流入口を切り替える流入口切替手段を備えることを特徴とするメディア式分散機。
  4. 請求項3のメディア式分散機において、
    上記流入口切替手段は被分散液を流入させる上記入出口を自動で切り替えることを特徴とするメディア式分散機。
  5. 電子写真用トナーの材料を分散させる分散工程を備えるトナー製造方法において、
    上記分散工程で請求項1乃至4の何れかに記載のメディア式分散機を用いることを特徴とするトナー製造方法。
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