JP2014154507A - 有機エレクトロルミネッセンス発光装置、有機el表示装置及び有機el照明 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス発光装置、有機el表示装置及び有機el照明 Download PDF

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Abstract

【課題】封止構造を工夫することで、外部からの水分の透過と拡散を防止し、安定な発光特性を長期間維持することが可能な有機エレクトロルミネッセンス発光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】透光性基板上に、第1の電極、有機機能層及び第2の電極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の背面に、熱可塑性樹脂を含む封止層及び可撓性を有する保護層を設ける封止構造において、保護層に特定の機械的物性を有する金属箔を用いた有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」とも称する)発光装置、有機EL表示装置及び有機EL照明に関する。
有機EL発光装置は、例えば、ガラスやプラスチックなどの透光性基板、透明電極からなる陽極、有機薄膜からなる有機機能層、陰極を順次積層した有機エレクトロルミネッセンス素子を具備するものであり、数V程度の低電圧で高輝度の面発光を示すこと、発光物質の選択により任意の色調での発光が可能であることなどの理由により、近年実用化に向けて精力的に開発が行なわれている。
有機EL発光装置は、有機機能層や陰極を大気に晒された状態で放置すると、大気中の水分により有機機能層の発光領域があたかも収縮するように非発光領域が拡大する現象(シュリンク)が生じ、その結果有機エレクトロルミネッセンス素子が劣化することが知られている。そのため、水分を遮断する封止構造が必要となる。そこで、例えば、図7に示すように、有機エレクトロルミネッセンス素子の背面に、水分を遮断するガラス又は金属製の封止缶17を接着剤15で貼り合わせて中空構造とし、その封止缶17の内側に乾燥剤16を配置した中空封止が提案されている。
しかしながら、この中空封止の場合、封止外部から透過した水分を乾燥剤によって吸湿することにより劣化を防いでいるために、封止基材として乾燥剤を収容するための中央に凹部を設けたコストの高いガラスや金属などの部材を要する。また、中空空間があるために、発光により発生した熱が放熱され難く、有機エレクトロルミネッセンス素子の短寿命化が懸念される。更に、封止基材の周囲を接着する際に用いられる樹脂を塗布するタクトタイムが長く、ガラスフリットを使用する際にはレーザなどの高額な装置が必要となる。
そこで、低コスト、放熱性向上、薄型軽量化のために電極上に直接接着剤を積層し、その接着剤を介して封止基材である平板ガラスや金属箔を固定するベタ封止が提案されている。具体的には、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域の周囲にCa等のアルカリ土類金属からなる脱水剤を配置しエポキシ樹脂で封止して、その上をガラス板で固定したベタ封止(特許文献1)や、有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極よりも広い範囲を、結晶性ゼオライトを含有する紫外線硬化性樹脂で封止し、その上に封止基板を接着したベタ封止(特許文献2)などが挙げられる。
日本国特開2006−80094号公報 日本国特開2010−55861号公報
しかしながら、特許文献1に記載の封止構造では、Ca等のアルカリ土類金属を蒸着することによって薄い乾燥層を有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域の周囲に形成しているが、Ca等のアルカリ土類金属は非常に反応性が高いため危険性が高く、基板に蒸着する工程が増えるために装置コスト、製造時間ともに増大することになる。また、特許文献2に記載の封止構造は、接着剤に混合された吸湿剤が大気に面しているため、乾燥
剤の吸湿性能が外側から低下しやすいという問題があった。
したがって、本発明の課題は、封止部材が剥離することなく、外部からの水分の透過と拡散を防止し、安定な発光特性を長期間維持することが可能な有機EL発光装置を提供することにある。また、本発明の課題は、このような有機EL発光装置を、より簡便な工程で効率良く製造できる有機EL発光装置の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み検討した結果、有機エレクトロルミネッセンス素子の背面に、封止層及び保護層を設ける封止構造において、保護層に特定の物性の金属箔を用いることで、保護層が剥離することなく、外部から透過した水分による劣化を抑制しつつ、長期間にわたって安定な発光特性を維持することの可能な有機EL発光装置が得られることを見出した。
本発明の要旨は以下の通りである。
<1>透光性基板と、該透光性基板上に形成された第1の電極と、該第1の電極上に形成され、少なくとも発光層を有する有機機能層と、該有機機能層上に形成された第2の電極と、少なくとも前記第1の電極、前記第2の電極及び前記有機機能層の表面を覆うように形成された熱可塑性樹脂を含む封止層と、該封止層上に形成され、可撓性を有する保護層とを備え、該保護層が、下記式(8)を満たす金属箔であることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
0.2 < 200[N] (8)
(F0.2:20mm幅に断裁した該保護層金属箔の、引っ張り試験における永久伸びが0.2%であるときの引張力[N]。)
<2>前記保護層と前記封止層の間に、前記発光層の発光領域を囲むように形成された乾燥剤を含む吸湿層を備える、前記<1>に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
<3>前記吸湿層の端部が、水平方向に沿って前記発光領域の端部よりも0.4mm以上長く突出し、かつ前記封止層の端部よりも短い、前記<2>に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
<4>前記吸湿層が形成されていない領域の前記封止層の厚みの方が、前記発光領域の前記封止層の厚みよりも薄い、前記<1>又は<2>に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
<5>前記吸湿層の端部から前記封止層の端部までの水平方向における間隔が0.1mm以上である、前記<2>乃至<4>のいずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
<6>前記吸湿層がアルカリ土類金属、アルカリ金属及びそれらの酸化物、並びに無機多孔質材料から選ばれる少なくとも1種を含む、前記<2>乃至<5>のいずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
<7>前記吸湿層の厚みが0.1μm以上、500μm以下である、前記<2>乃至<6>のいずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
<8>前記発光領域上の前記保護層の厚みが、前記発光領域上の前記封止層の厚みの0.3倍以上である、前記<1>乃至<7>に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
<9>前記封止層の厚みが1μm以上、200μm以下である、前記<1>乃至<8>のいずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
<10>前記保護層の厚みが1μm以上、200μm以下である、前記<1>乃至<9>のいずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
<11>前記保護層金属箔が、アルミニウム箔であることを特徴とする、前記<1>乃至
<10>のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
<12>前記<1>乃至<11>のいずれか1に記載の有機エレクロルミネッセンス発光装置を用いた、有機EL表示装置。
<13>前記<1>乃至<11>のいずれか1に記載の有機エレクロルミネッセンス発光装置を用いた、有機EL照明。
本発明にかかる有機EL発光装置は、保護層が剥離することなく、外部からの水分の遮断性が良好であるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の劣化が抑制され、その結果長期間にわたって安定な発光特性を維持することができる。また、本発明の有機EL発光装置は、従来に比して軽量化、薄膜化が可能であり、基板をリサイクルすることもできる。
更に、本発明によれば、このような有機EL発光装置をより簡便な工程で効率良く製造することができる。
図1は本発明にかかる有機EL発光装置の一例を示す断面図である。 図2は本発明にかかる引っ張り力F0.2の求め方を説明する図面である。 図3は本発明にかかる有機EL発光装置の他の例を示す断面図である。 図4は本発明にかかる有機EL発光装置の製造工程の一例を示す断面図であり、図4(a)は透光性基板1の表面に第1の電極2を形成した状態、図4(b)は第1の電極2上に、発光層をする有機機能層3を形成した状態、図4(c)は有機機能層3上に第2の電極4を形成した状態を示す図である。 図5は本発明にかかる有機EL発光装置の製造工程の一例を示す平面図であり、図5(a)は保護層7となる可撓性シートを示し、図5(b)は保護層7の表面に吸湿層6を行列状に形成した状態を示し、図5(c)は保護層7を一片ずつ裁断した状態を示し、図5(d)は吸湿層6上に熱可塑性樹脂を含む封止層5を形成した状態を示す図である。 図6は本発明にかかる有機EL発光装置の製造工程の他の一例を示す平面図であり、図6(a)は保護層7となる可撓性シートを示し、図6(b)は保護層7の表面に吸湿層6を行列状に形成した状態を示し、図6(c)は保護層7を一片ずつ裁断した状態を示し、図6(d)は吸湿層6上に熱可塑性樹脂を含む封止層5を形成した状態を示す図である。 図7は従来の有機EL発光装置の一例を示す断面図である。 図8は吸湿層6の形状に合わせて保護層7を凹状に成型する方法を示す図であり、図8(a)は保護層7に吸湿層6を形成した状態を示し、図8(b)は吸湿層6を下面にした状態を示し、図8(c)は吸湿層6を設けていない保護層7の部分を加圧した状態を示し、図8(d)は保護層7と吸湿層6が略同一になった平坦面状に封止層5を形成した状態を示す図である。 図9は有機EL素子を背面部材にて封止する様子を示す図であり、図9(a)は有機EL素子に背面部材を重ね合わせた状態を示し、図9(b)は加熱プレス処理を示し、図9(c)は加熱プレス処理後の有機EL素子を示す図である。 図10は実施例の絶縁膜パターンを示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の有機EL発光装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
図1は、本発明の有機EL発光装置の好適な一実施形態を示す概略断面図である。
図1に示す有機EL発光装置10は、有機エレクトロルミネッセンス素子と、その背面に形成された背面部材とから構成されるものである。以下、有機エレクトロルミネッセンス素子及び背面部材について詳細に説明する。
〔有機エレクトロルミネッセンス素子〕
有機EL発光装置10の有機エレクトロルミネッセンス素子は、透光性基板1と、透光性基板1上に形成された第1の電極2と、第1の電極2上に形成された有機機能層3と、有機機能層3上に形成された第2の電極4を有するものである。有機エレクトロルミネッセンス素子の有機機能層3の発光層で発光された光は、透光性基板1を通して取り出されるものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子の構成及びその構成材料は、従来公知のものを採用することができるが、構成材料として、例えば、次のものを挙げることができる。
(基板)
透光性基板1は有機エレクトロルミネッセンス素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等を用いることができる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。
合成樹脂製基板を使用する場合には、ガスバリア性に留意する必要がある。透光性基板1のガスバリア性が小さすぎると、透光性基板1を透過した外気により有機エレクトロルミネッセンス素子が劣化することがある。このため、合成樹脂製基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
透光性基板1の厚みは、通常0.01〜10mm、好ましくは0.1〜1mmである。
(第1の電極)
第1の電極2は陽極であり、有機機能層3へ正孔注入の役割を果たすものである。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラックの他、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましい。この場合、陽極の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、その上限は通常1000nm、好ましくは500nmである。不透明でよい場合は陽極の厚みは任意であり、陽極は透光性基板1と同一でもよい。なお、第1の電極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
(有機機能層)
有機機能層3は、少なくとも発光層を有するものであれば、単層構造でも、多層構造でもよい。多層構造の例としては、正孔注入輸送層、発光層及び電子注入層からなる3層構造や、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層及び電子注入層からなる5層構造などが挙げられ、適宜選択することが可能である。
正孔輸送材料としては、例えば、ポルフィリン化合物、フタロシアニン化合物、キナクリドン化合物、インダンスレン化合物、芳香族アミン化合物などが挙げられる。中でも、芳香族アミン化合物が好ましく、下記式(1)で表される4,4’−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、下記式(2)で表わされ
る4,4’−ビス[N−(9−フェナントリル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(PPD)、下記式(3)で表わされるスピロ−(spiro−)NPB、下記式(4)で表わされるスピロ−(spiro−)TAD、下記式(5)で表わされる2−TNATAが、有機エレクトロルミネッセンス素子の耐熱性の観点から、特に好ましい。
Figure 2014154507
電子輸送材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フルオレノン誘導体、アントロン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機金属錯体、ピリジン誘導体、ピロロピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ナフチリジン誘導体、シロール誘導体などを挙げることができる。
電荷輸送材料は、本発明の目的を損なわない限り、前述の正孔輸送材料や電子輸送材料などを適宜選択して使用することが可能であり、もちろんそれ以外の材料も使用することができる。
発光材料としては、例えば、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等の低分子材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェンなどの高分子材料などを挙げることができる。
有機機能層3の厚みは、単層構造又は多層構造により一様ではないが、通常1000nm以下であり、薄型化の観点から、好ましくは50〜150nmである。
本発明の目的を損なわない限り、発光層の上に適宜材料を選択して、正孔阻止層、電子輸送層などを形成しても構わない。
(第2の電極)
第2の電極4は陰極であり、有機機能層3に電子を注入する役割を果たすものである。この陰極は、陽極に使用される材料と同様のものを用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極を挙げることができる。また、陰極の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
なお、陰極の厚みは、通常、陽極と同様である。
〔背面部材〕
一方、有機EL発光装置10の背面部材は、封止層5と、保護層7を具備するものである。封止層5は、有機エレクトロルミネッセンス素子の透光性基板1上の露出面を覆うように形成されるものであり、本実施形態に係る封止層5は、透光性基板1の主面の一部と、陽極2、有機機能層3乃至は陰極層4の表面に直接接触して被覆する状態で形成されている。また、封止層5上には、これを覆うように保護層7が形成されている。ここで、封止層5と保護層7の間には、保護層7に接触するように吸湿層6が形成されていることが好ましい。本実施形態に好ましく用いられる吸湿層6は、有機機能層3を構成する発光層
の発光領域を取り囲むように、発光領域の外周に沿って一定の間隔を保ちながら中空方形の形状に形成されていることが好ましく、発光領域全体を覆っていることがさらに好ましい。
また、吸湿層6が形成されている場合の背面部材は、吸湿層6の端部6aが、水平方向に沿って、有機機能層3を構成する発光層の発光領域端部3aよりも長く、かつ封止層5の端部5aよりも短いことが好ましい。すなわち、吸湿層6の端部6aは、有機機能層3の発光層の発光領域端部3aよりも水平方向に沿って突出しており、また封止層5の端部5aは、吸湿層6の端部6aよりも水平方向に沿って突出していることが好ましい。
ここで、本明細書において「端部」とは、水平方向に沿って有機エレクトロルミネッセンス発光装置の外側に最も突出した部分をいい、「水平方向」とは透光性基板1の主面に対して平行な方向をいう。また、本明細書において「発光層の発光領域」とは、電極間に電圧を印加したときに有機機能層3を構成する発光層の中で発光する領域をいい、第1の電極2、有機機能層3及び第2の電極4が重なり合った領域であって、素子から発光が外部に出射される領域である。「発光層の発光領域端部3a」とは、第1の電極2、有機機能層3及び第2の電極4が重なり合った領域における発光層の最外端部とする。
発光層の発光領域端部3aから吸湿層6の端部6aまでの水平方向における間隔xは、0.4mm以上が好ましく、更に好ましくは1mm以上である。その上限は、好ましくは50mm、更に好ましくは10mmである。
xが0.4mm以上であることによって、背面部材端部から侵入してくる水分を効率よく吸湿層で吸湿し、発光層の劣化を抑制することができるため好ましい。
本発明者らは、背面部材端部から侵入してきた封止層中の水分子を効率よく吸湿層に到達するための部材構成を考察した結果、封止層中の水分子の位置が、基板に対して水平方向の位置が吸湿層端部であり、基板に対して垂直方向の位置が任意の位置である場合、そこから距離xだけ移動する間に吸湿層に到達する確率は、封止層の膜厚がxと同等か薄い方が大きいという結論に達した。後述の通り、封止層の膜厚は通常200μm以下なので、この厚みの2倍以上あれば十分効果があると考えられる。従って、xは0.4mm以上であると推察される。
また、吸湿層6の端部6aから封止層5の端部5aまでの水平方向における間隔yは、0.1mm以上が好ましく、更に好ましくは1mm以上である。その上限は、10mmが好ましく、更に好ましくは5mmである。
このように、有機EL発光装置10の背面部材は、封止層5、好ましくは吸湿層6、及び保護層7を順次積層し、吸湿層6の端部6aが所定の位置に配置された封止を採用した場合は、外部からの水分を遮断できるだけでなく、発光層により発生した熱の放熱性にも優れる。そのため、有機エレクトロルミネッセンス素子の劣化が抑制され、長期間にわたって安定な発光特性を維持することが可能になる。
また、有機EL発光装置10は、保護層7が可撓性材料で構成されているため、従来に比して軽量化、薄膜化が可能になるとともに、低コスト化を実現することができる。更に、封止層5が熱可塑性樹脂を含むため、有機エレクトロルミネッセンス素子が劣化した場合に当該封止層の熱可塑性樹脂を溶融させて基板をリサイクルすることもできる。
(封止層)
封止層5に含まれる熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン、ポリエステル、ポリイソプレンなどを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。中でも、低透湿性の観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブチレンが好
ましい。また、熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、耐熱性の観点から、通常−80℃以上、好ましくは−20℃以上であり、上限は特に限定されない。
封止層5には、熱可塑性樹脂以外の成分を含有していてもよく、例えば、石油樹脂や環状オレフィン系重合体などが挙げられる。
石油樹脂としては、例えば「14906の化学商品」(化学工業日報社刊行)のp.1192に記載のC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9共重合石油樹脂等が挙げられる。
環状オレフィン系重合体は、具体的には、水添テルペン系樹脂(例えば、クリアロンP,M,Kシリーズ)、水添ロジン及び水添ロジンエステル系樹脂(例えば、Foral AX,Foral1105,ペンセルA,エステルガムH,スーパーエステルAシリーズ等)、不均化ロジン及び不均化ロジンエステル系樹脂(例えば、パインクリスタルシリーズ等)、石油ナフサの熱分解で生成するペンテン、イソプレン、ピペリン、1,3−ペンタジエン等のC5留分を共重合して得られるC5系石油樹脂の水添加樹脂である水添ジシクロペンタジエン系樹脂(例えば、エスコレッツ5300,5400シリーズ、Eastotac Hシリーズ等)、石油ナフサの熱分解で生成するインデン、ビニルトルエン、α又はβ−メチルスチレンなどのC9留分を共重合して得られるC9系石油樹脂を水添した樹脂(例えば、アルコンP又はMシリーズ)、上記したC5留分とC9留分の共重合石油樹脂を水添した樹脂(例えば、アイマーブシリーズ)等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂には、さらにその粘着物性等を阻害しない範囲で、例えば、充填剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、樹脂安定剤などが適宜添加されていてもよい。
封止層5の厚みは、その下限値が通常1μm以上、好ましくは10μm以上、その上限値は、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下である。
なお、後述の吸湿層6を形成しない場合は、封止層5に乾燥剤を含有させることが好ましい。
(吸湿層)
本発明に好ましく用いられる吸湿層6には乾燥剤が含まれるが、乾燥剤としては吸湿性の高いものであれば特に限定されるものではない。例えば、アルカリ土類金属、アルカリ金属若しくはそれらの酸化物、又は無機多孔質材料などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、吸湿性と取り扱いの安全性の観点から、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の酸化物、無機多孔質材料が好ましく、酸化カルシウム、ゼオライトが特に好ましい。
吸湿層6は、乾燥剤以外の成分を含有していてもよく、例えば、高熱伝導性のSi,AlN,Cからなる粒子、ロッドなどを挙げることができる。
吸湿層6の形状としては、図1は中空方形であるが、外部から透過した水分を吸収可能であれば特に限定されず、発光層の発光領域の配置に応じて、方形、矩形、円形、楕円形などを適宜選択することが可能である。また、外部からの水分を遮断できる構造であれば、中空構造でも、平面構造であってもよい。
吸湿層6の厚みは、その下限値は、通常0.1μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上である。またその上限値は、通常500μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。
(保護層)
保護層7は、外部からの水分や酸素を遮断するとともに、背面部材を製造する際の支持体としても機能するものである。また、保護層7は、可撓性を有する金属箔であり、例え
ば、アルミニウムや、銅などが挙げられる。
保護層7は、加工やコスト低減の観点および、外部からの水分や酸素の遮断性に優れ、必要に応じて屈曲加工しやすく、加熱されたり応力がかかった際にピンホールやクラックなどの欠陥が生じにくいことから、アルミニウム箔が好ましい。
保護層7に用いる金属箔は、下記式(8)を満たす材質である。
0.2 < 200[N] (8)
(F0.2:20mm幅に断裁した該保護層金属箔の、引っ張り試験における永久伸びが0.2%であるときの引っ張り力[N]。)
ここで、本発明における、引っ張り試験における永久伸びが0.2%である場合の引っ張り力F0.2は、次のようにして求めることができる。幅20mm×長さ120mmの試験片を作製し、引っ張り試験機にかけ、長手方向の両端部20mm×20mmを挟んで長手方向に引っ張る。このときの伸び率((L(F)−Lo)/Lo×100)[%]を横軸に、引っ張り力F[N]を縦軸にプロットし、横軸である伸び率軸上の0.2%の点から試験初期の直線部分に平行線を引き、この平行線とプロットした線図との交点の示す引っ張り力F0.2[N]として求められる。図2に引っ張り力F0.2の求め方を示す。
保護層7である金属箔が式(8)を満たすと、金属箔が適度な可塑性を有するため、透光性基板や封止層との熱膨張の差によるひずみを緩和することができる。また、基板上に微小な異物が存在したり、表示装置の場合は画素を区画する隔壁が存在したり、大面積基板の場合は補助電極および/または補助電極を覆う絶縁膜が存在する場合、これらは突起物であるため平坦性が低下するが、金属箔が適度な可塑性を有するために封止部材の密着性が良好で剥がれにくい。
金属箔のF0.2の値は、金属の材質や後処理方法を変更することで調整可能である。例えばアルミニウム箔の場合、比較的純度の高い純アルミニウムの方が、F0.2の値が低くなりやすく、また、焼きなましを行い、加工硬化は行わない方がF0.2の値が低くなりやすい。適当な材質と後処理方法を選択することによって、200N未満のF0.2の値を有する金属箔を製造可能である。
保護層7の厚みは、その下限値は、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは40μm以上である。またその上限値は、通常500μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。
発光領域における保護層7と封止層5の厚みの関係は、保護層7の厚みαが封止層5の厚みβの0.3倍以上であることが好ましい。保護層7の厚みの方が封止層5の厚みの0.3倍以上であることによって、有機エレクトロルミネッセンス素子で発生した熱を、封止層5を介して効率よく保護層7に伝え、保護層7から効率よく放熱することができると考えられる。
この理由は次のように考えられる。有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動劣化の原因の一つに、駆動時の発熱による劣化が上げられる。発熱の影響を抑えるためには、有機エレクトロルミネッセンス素子で発生した熱を効率よく放熱する必要がある。放熱するためには、背面部材の最外層である保護層7に効率よく熱を伝え、保護層7で熱を受け取りやすくすることが考えられる。有機エレクトロルミネッセンス素子からの熱を効率よく移動させるためには、封止層5の「単位面積当たりの熱抵抗」を下げる必要がある。保護層7で熱を受け取りやすくするためには、保護層7の「単位面積当たりの熱容量」を大きくする必要がある。封止層5の「単位面積当たりの熱抵抗」は封止層5の厚みに比例し、保護層7の「単位面積当たりの熱容量」は保護層7の厚みに比例する。封止層5の「単位面積当たりの熱抵抗」は小さいほど熱伝導性が高く、保護層7の「単位面積当たりの熱容量
」は大きいほど熱をためやすいため、有機エレクトロルミネッセンス素子で発生した熱を効率よく保護層7へ移動して保護層7に熱を溜めやすく、有機エレクトロルミネッセンス素子の温度上昇を抑制し、駆動時の素子劣化を抑制する、と考えられる。
本発明における吸湿層6を形成する場合の保護層7の形状は、基板と対向する面から素子を封止した際に外側になる面の方向に突出するように凹部を有し、該凹部に吸湿層6を収容可能であり、吸湿層6を収容した状態で保護層7の基板と対向する面であって凹部となっていない平坦な面および吸湿層6の保護層7と接していない面が略平面となることが好ましい。このような形状とすることによって、封止層5を介して基板に対して密着性良好に背面部材を貼り合せることができる。
有機EL発光装置10の厚みは、通常0.1〜5mm、好ましくは0.5〜3mm、より好ましくは1〜2mmである。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、本実施形態では、透光性基板1上に、陽極2、有機機能層3及び陰極4が順次積層された有機エレクトロルミネッセンス素子について説明したが、透光性基板1上に、陰極4、有機機能層3及び陽極2が順次積層された有機エレクトロルミネッセンス素子とすることもできる。また、図1の実施形態では、中空方形の形状をした吸湿層6について説明したが、図3に示すように、発光層の発光領域の外周に沿って一定の間隔(例えば、間隔x)を保ちつつ、発光層の発光領域を全て覆う平面形状とすることもできる。なお、図3に示す有機EL発光装置の構成は、吸湿層6の形状を除き、図1に示す有機EL発光装置の構成と同様である。
次に、本発明の有機EL発光装置の製造方法について説明する。
本発明の有機EL発光装置の製造方法は、素子形成工程と、背面部材形成工程と、熱処理工程を含むものである。以下、各工程について説明する。
(素子形成工程)
素子形成工程は有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程であり、公知の方法を採用することが可能であるが、例えば、次の方法により行うことができる。図4(a)〜(c)は、有機EL発光装置の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造工程を示す概略断面図である。図4(a)〜(c)を参照しながら、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法について説明する。
先ず、透光性基板1を準備する。次に、図4(a)に示すように、透光性基板1の表面に第1の電極2を形成する。
第1の電極2の形成は、通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行うことができる。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて第1の電極2を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、透光性基板1上に塗布することにより第1の電極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接透光性基板1上に薄膜を形成したり、透光性基板1上に導電性高分子を塗布して第1の電極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
次に、図4(b)に示すように、第1の電極2上に、少なくとも発光層をする有機機能層3を形成する。
有機機能層3の形成方法としては、材料に応じて適宜選択することが可能であるが、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インク
ジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法などを用いることができる。
次に、図4(c)に示すように、有機機能層3上に第2の電極4を形成する。
第2の電極4の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法などを用いることができる。
(背面部材形成工程)
図5(a)〜(d)は、有機EL発光装置の背面部材の製造工程を示す概略断面図である。図5(a)〜(d)を参照しながら、吸湿層6を有する場合の背面部材の製造方法について説明する。
先ず、図5(a)に示すような保護層7となる可撓性シートを準備する。
次に、図5(b)に示すように、保護層7の表面に吸湿層6を、発光層の発光領域を取り囲むように、発光領域の外周に沿って一定の間隔を保ちながら中空方形の形状に形成する。
吸湿層6の形成方法としては、材料に応じて適宜選択することが可能であるが、例えば、真空蒸着法などの乾式成膜法、シート状の吸湿シートの挿入、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサによる塗布法などの湿式成膜法などを用いることができる。中でも、工程の簡便さという観点からはシート状の吸湿シートの挿入が好ましい。また、印刷パターンの自由度とコスト低減の観点からは、湿式成膜法が好ましく、ダイコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサによる塗布法などの印刷法が更に好ましく、スクリーン印刷、ディスペンサ塗布が特に好ましく採用される。
次に、図5(b)に示すように吸湿層6が行列状に形成された保護層7を、図5(c)に示すように、吸湿層6の外周に沿って一定の間隔を保ちながら一片ずつ裁断する。なお、この裁断は、次の封止層を形成する工程の後に行なってもよい。
次に、図5(d)に示すように、吸湿層6上に熱可塑性樹脂を含む封止層5を形成する。この場合、吸湿層6の表面を封止層5で全て覆い、かつ封止層5の端部5aが吸湿層6の端部6aよりも突出するように封止層5を形成する。
封止層5の形成方法としては、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷法、スプレーコートなどのコーティング法、印刷法等の方法を用いてもよいが、作業性の観点から、シート状の熱可塑性粘着剤を貼付する方法が好ましく採用される。
また、有機EL発光装置の背面部材の製造は、図5に示す方法の代わりに、図6に示す方法により製造することも可能である。図6(a)〜(d)は、有機EL発光装置の背面部材の他の製造工程を示す概略断面図である。図6(a)〜(d)を参照しながら、背面部材の製造方法について説明する。
図6(a)に示すような保護層7となる可撓性シートを準備し、図6(b)に示すように、保護層7となる可撓性シートの表面に吸湿層6を、発光層の発光領域の外周に沿って一定の間隔を保ちつつ、発光層の発光領域を全て覆う平面形状に形成する。なお、吸湿層6の形成方法は、前記において説明したとおりである。
次に、図6(c)に示すように、保護層7を吸湿層6の外周に沿って一定の間隔を保ちながら一片ずつ裁断した後、図6(d)に示すように、吸湿層6上に熱可塑性樹脂を含む封止層5を形成する。なお、この裁断は、次の封止層5を形成する工程の後に行なってもよい。また、あらかじめ所定の大きさに断裁した保護層7となる可撓性シートに吸湿層6を形成する、枚葉工程としてもよい。次に、図6(d)に示すように、吸湿層6上に熱可
塑性樹脂を含む封止層5を形成する。この封止層5の形成方法は、前記図5(d)と同様に行う。
保護層7となる可撓性シートは、吸湿層6を形成する領域をあらかじめ凹状に成型加工しておくか、または、吸湿層6を形成した後、吸湿層6の形状に合わせて保護層7を凹状に形成することが好ましい。凹部の深さは、吸湿層6の厚みと略同等であることが好ましい。その理由は、封止層5を形成する面が吸湿層6の面と保護層7となる可撓性シートの面とが一致して平面となるため、封止層5を均一に形成することができ、そのため、背面部材で素子を封止する際、封止層5と素子との密着性が良好で外部からの水分や酸素の浸入を防ぐからである。
吸湿層6は図6で示したような、発光層の発光領域の外周に沿って一定の間隔を保ちつつ、発光層の発光領域を全て覆う平面形状に形成されていることが好ましい。その理由は、発光領域上の保護層7に何らかの理由で微小な欠陥が生じた場合においても、吸湿層によって水分が遮断され、素子の劣化を防止するからである。また、保護層7となる可撓性シートを、吸湿層6を形成する領域をあらかじめ凹状に成型加工しておくか、あるいは吸湿層6を形成した後、吸湿層6の形状に合わせて保護層7を凹状に形成しておく場合、成型する形状が複雑でないため保護層7となる可撓性シートに無理な応力がかからず、ピンホールやクラックなどの欠陥が生じにくく好ましい。
吸湿層6を形成した後、吸湿層6の形状に合わせて保護層7を凹状に成型する方法の一例について、図8にて説明する。図8(a)は、保護層7に吸湿層6を形成した状態である。これを図8(b)のように吸湿層6を下面にする。図8(c)における31はステージであり、表面が平坦で剛性のあるものを用いることができる。たとえば、ガラス、ステンレスなどの金属、セラミックス等を用いることができる。図8(c)における32はローラであり、吸湿層6を設けていない保護層7の部分をローラ32で加圧することにより、ステージ31の平坦表面に合わせて吸湿層6と保護像7の面を一致させる。その結果、図8(d)に示すように、保護層7と吸湿層6が略同一面になった平坦面上に、封止層5を形成することができる。平坦面上に封止層5を形成することにより、気泡が入りにくくなること、変形して密着性が低下する箇所が無くなることなどの理由のため好ましい。
(熱処理工程)
次に、上記工程により得られた有機エレクトロルミネッセンス素子と、背面部材とを用いて、有機エレクトロルミネッセンス素子の電極形成面側と、背面部材の封止層形成面側とを、吸湿層の端部が水平方向に沿って発光層の発光領域端部よりも0.4mm以上突出するように重ね合わせて貼合する。
熱処理工程は、重ね合わせて貼合した有機エレクトロルミネッセンス素子と背面部材とを、常圧、減圧、あるいは高圧雰囲気下で、有機エレクトロルミネッセンス素子側と背面部材側から加圧しながら加熱処理することによって行われる。加熱は熱ラミネータやオーブン、ホットプレートなどを用いることができる。加熱温度は、通常、200℃以下、好ましくは170℃以下である。加圧は、ラミネーター、加圧ローラやプレス機などの加圧手段、あるいは高圧雰囲気等によって加圧することができる。減圧下での貼合は、有機エレクトロルミネッセンス素子と背面部材との間に気泡が入らないため、水分の透過性を低減し、かつ剥がれにくくなり好ましい。
(加熱プレス処理)
熱処理工程は、発光層の発光領域端部より外側であって吸湿剤6が存在しない保護層7の領域を加熱しながら加圧する処理(加熱プレス処理)を含むことが、特に好ましい。加熱プレス処理とは、有機エレクトロルミネッセンス素子の背面部材を重ね合わせていない
面と、背面部材の保護層7の表面とを挟むようにして加熱および加圧することである。この処理を有することにより、発光層の発光領域端部より外側の領域の封止層5の厚みが薄くなり、封止層5の層内を透過する外部からの水分や酸素が低減され好ましい。また、発光領域の封止層5の厚みの方が、発光層の発光領域端部より外側の領域の封止層5の厚みより厚いため、外部から封止層5を透過してきた水分や酸素が発光領域の封止層5内で拡散されるため水分が吸湿層に到達する確率が高くなり、水分や酸素が発光層に到達して発光層を劣化させる確率を低減することができ好ましい。
図9には、有機エレクトロルミネッセンス素子を背面部材にて封止する一例を示す。図9(a)は、透光性基板1上に、第1の電極2と、第1の電極2上に形成された有機機能層3と、有機機能層3上に形成された第2の電極4とを形成した有機エレクトロルミネッセンス素子に、保護層7、吸湿剤6、封止層5からなる背面部材を重ね合わせた状態の図である。この状態では背面部材は剥がれない程度には密着しているが、長時間の使用や、高温多湿環境下では剥がれやすくなる恐れがある。
そのため、熱処理工程は、図9(b)に示す、加熱プレス処理を含むことが好ましい。図9(b)における33は加熱プレス部材であり、プレス装置の部材の一部である。図示していないが、透光性基板はステージ上に配置されている。加熱はステージを加熱してもよいし、加圧部材33を加熱してもよいし、高温環境下で加熱プレス処理を行ってもよい。加熱プレス部材33によって、発光領域端部より外側の領域のみを加熱プレスすることによって、密着性に優れ、長期間の使用や、高温多湿下でも背面部材が剥がれず、非発光領域が広がりにくい、耐久性の良好な有機EL発光装置を得ることができる。
加熱プレス時の加熱温度は、通常50℃以上、好ましくは60℃以上、通常200℃以下、好ましくは170℃以下である。この温度範囲で加熱プレスすることにより、有機機能層3が熱劣化せず、かつ、封止層5が透光性基板1との密着性を高めることができる。また、加熱プレスにより、保護層7および封止層5が変形し、封止層5は当初厚みよりも薄くなる。図9(c)において、βは封止層5の当初厚みであり、γは加熱プレス後の封止層5の厚みである。β>γであることから、端部から侵入して封止層5を透過する水分は、封止層5の発光領域上に到達すると断面積が大きくなるため水分濃度が低下し、有機機能層3を劣化させにくく好ましい。なお、図9(c)において、発光領域上の有機エレクトロルミネッセンス素子の厚み(2、3、4の合計)は封止層5の厚みに比べて十分薄いため、発光領域上の封止層5の厚みと、発光領域端部から吸湿層6が突出している領域の厚みβとはほぼ同じ厚みと見なされる。
また、封止層5の加熱プレスによる変形量((1−γ/β)×100(%))は、通常、封止層5の厚みの10%以上、好ましくは20%以上であり、通常90%以下、好ましくは80%以下である。この範囲であると、封止層5が十分透光性基板1に密着して水分の透過性を低減し、かつ剥がれにくくなり、また、破断することなく、好ましい。また、保護層7に亀裂やピンホールが発生しにくく好ましい。
このようにして、本発明の有機EL発光装置を製造することができるが、本発明の有機EL発光装置は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、及びタッチパネルを備えた機器などの表示部として適用することができる。
〔有機EL表示装置〕
本発明の有機EL表示装置は、上述の本発明の有機エレクトロルミネッセンス発光装置
を用いた表示装置である。本発明の有機EL表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機エレクトロルミネッセンス発光装置を用いて常法に従って組み立てることができる。例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、2004年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の有機EL表示装置を作製することができる。
〔有機EL照明〕
本発明の有機EL照明は、上述の本発明の有機エレクトロルミネッセンス発光装置を用いた照明である。本発明の有機EL照明の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機エレクトロルミネッセンス発光装置を用いて常法に従って作製することができる。
以下、実施例を示して本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明はその要旨を逸脱しない限り、任意に変更して実施できる。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス発光装置において、有機機能層と第2の電極を省略した構造のモデルサンプルを作製し、保護層の付着強度について測定することで、式(8)を満たす金属箔を保護層に用いることの効果を検証した。保護層の付着強度に対して、有機機能層や第2の電極の構成が及ぼす影響はほとんどないものと考えられる。
<実施例1のモデルサンプルの作製と付着強度の評価>
<<ITO基板の作製>>
透光性基板として100mm角のガラス板上に、膜厚70nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を第1の電極として形成したもの(以下、ITO基板と記載)を用いた。このITO基板上に、絶縁膜をスクリーン印刷法にて、図10に示すパターンで形成した。絶縁膜の形状は、外径が縦77mm、横76.25mmの長方形であり、幅2.5mmの絶縁膜にて外周が囲われた口の字形状を基本とし、かつ、口の字形状の中に、縦72mm、横17.25mmの開口部が、幅0.75mmの絶縁膜を挟んで4つ並んだ形状とした。絶縁膜の高さは30nmとした。
<<背面部材の作製>>
保護層として、純度99.30%以上のアルミニウムを完全に焼鈍して最も軟らかい状態とした材料からなる、F0.2の値が27Nであるアルミニウム箔を、幅84mm×長さ82mmに裁断し、外周から2mm内側の幅80mm、長さ78mmの四角領域を、深さ80μmの凹部となるように金型でプレス成型した。このアルミニウム箔の凹部に収まるように、乾燥空気雰囲気下で、吸湿層として、幅80mm×長さ78mmに裁断した乾燥剤シート(共同印刷株式会社製モイストキャッチCCA:厚さ80μm)を、120℃で熱圧着しアルミニウム箔に貼り合わせた。アルミニウム箔の外周部から2mmの領域の面と乾燥剤の面とが略同一平面となるようにし、この上に、封止層として、厚さ40μmの粘着材を貼り合わせ、背面部材を形成した。
<<背面部材とITO基板の貼合>>
貼合機を用いて背面部材をITO基板の中央に貼り合わせた。
貼り合せは、背面部材の粘着材がITO基板上に形成した絶縁膜を完全に覆い、背面部材が絶縁膜の外周部から縦方向に約2mm、長さ方向に約4mm突出した配置とし、圧着して貼り合わせた。その後、背面部材の外周から内側の2mm幅の領域全体に、加熱プレス部材を配置し、プレス機にて、150℃、10MPaにて加熱プレスし、実施例1のモデルサンプルを作製した。
<<高温高湿保存試験>>
60℃90%RHの恒温恒湿槽に実施例1のモデルサンプルを入れ、500時間保存後に取り出し、外周から内側の2mm幅の領域を観察し、アルミニウム箔とITO基板の付着状態を観察したところ、アルミニウム箔とITO基板は全く剥離していなかった。
<実施例2〜5、比較例1〜4のモデルサンプルの作製と付着強度の評価>
実施例2〜5及び比較例1〜4において、保護層に用いたアルミニウム箔の材質及び加工処理を変更したこと以外は、実施例1と同様にモデルサンプルを作製し、付着強度を評価した。(比較例1には、アルミニウム箔ではなくステンレス箔を用いた。)各実施例及び比較例に用いたアルミニウム箔の材質、後処理方法、厚さ及びF0.2の値と、付着強度の評価結果を表1にまとめた。F0.2の値については、前述の通りの試験方法により評価した。
Figure 2014154507
表1におけるアルミニウム箔の材質及び後処理の記号の意味は以下の通りである。
1N30:純度99.30%以上の純アルミニウム
1050:純度99.50%以上の純アルミニウム
8021:鉄を添加したアルミニウム合金
3004:マンガン及びマグネシウムを添加したアルミニウム合金
1100:銅を添加したアルミニウム合金
SUS:ステンレス合金
O:完全に焼きなまして最も軟らかい状態としたもの
H:加工硬化したもの
H22、H24:加工硬化後適度に焼きなまし処理を行ったもの(H22よりH24の方が、引っ張り強さが強くなるように処理されたものを示す。)
表1における付着強度の評価結果については、60℃90%RHの恒温恒湿槽に500時間保存後、外周から内側の2mm幅の領域を観察し、アルミニウム箔とITO基板が、前記領域の半分以上剥離している場合を×、それ以外を○として記載した。
アルミニウム箔の材質及び後処理を変更することにより、F0.2の値を27N〜260Nの範囲で変更することが出来ており、F0.2の値を200N以下とすることにより、付着強度の優れた有機エレクトロルミネッセンス発光装置を実現できることが判る。
(実施例6)
図1に示す有機EL発光装置を以下の方法により製造した。
先ず、図4に示す手順にて2mm角の発光領域を持つ有機エレクトロルミネッセンス素子を製造した。
<ITO基板への正孔注入層の形成>
ITO基板として、縦3.75cm、横2.5cm、厚み0.7mmのガラス基板上に、膜厚70nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜(陽極2)が形成されたものを用いた。
次いで、下記式(6)に示す繰り返し構造を有する高分子化合物(PB−1、重量平均分子量:52000、数平均分子量:32500)と、4−イソプロピル−4′−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートとを重量比100対20で混合し、混合物の濃度が2.0重量%となるように安息香酸エチルに溶解させた組成物を調製した。この組成物を、大気雰囲気中で、前記ITO基板上に、スピナ回転数500rpmで2秒、更に1500rpmで30秒の2段階でスピンコートした。その後、230℃で15分間加熱することで、膜厚30nmの正孔注入層を形成した。
Figure 2014154507
<正孔輸送層の形成>
次いで、正孔輸送層として、下記式(7)に示す4,4’−ビス[N−(9−フェナントリル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニルを膜厚40nmとなるように真空蒸着法により製膜した。
Figure 2014154507
<発光層の形成>
次いで、発光層としてトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)を膜厚60nmとなるように真空蒸着法により製膜した。
<電子注入層>
次いで、発光層上にフッ化リチウム(LiF)を膜厚0.5nmとなるように真空蒸着法によって蒸着し電子注入層を形成した。正孔注入層から電子注入層までを有機機能層3とした。
<陰極の形成>
次いで、アルミニウムを膜厚80nmとなるように真空蒸着法によって蒸着し、陰極4
を形成した。
次に、図5に示す手順にて背面部材を製造した。
<吸湿層の形成>
保護層となる金属箔として厚さ40μmのアルミニウム箔を100mm角に裁断した。乾燥剤として酸化カルシウムを主剤としたDryPaste−S1(SaesGetters製)を用い、裁断したアルミニウム箔上に、大気雰囲気中で、スクリーン印刷機により、厚さ60μm、幅3mm、一辺16mmの中空方形の吸湿層を形成した。印刷後、直ちに窒素雰囲気下に移動し、ホットプレート上で200℃30分ベークした。中空方形の吸湿層が中央になるようにアルミニウム箔を23mm角に裁断した。
このとき用いたアルミニウム箔を、幅20mm、長さ120mmに断裁し、引張試験機で長手方向両端部をそれぞれ20mm挟み、F0.2、すなわち、引っ張り試験における永久伸びが0.2%であるときの引っ張り力[N]を測定したところ、34[N]であった。
<封止層の形成>
2枚のPETフィルムに挟みこまれた厚さ25μmの熱可塑性シート状粘着剤(JTY−0806、3M製)を23mm角に裁断後、片側のPETフィルムを剥離し、吸湿層の全面を被覆し、かつ封止層の端部が水平方向に沿って吸湿層の端部から3.5mm突出するように、熱可塑性シート状粘着剤3枚(75μm)を重ねてアルミニウム箔に貼り付け、封止層を形成した。アルミニウム箔及び吸湿層と、封止層との間に空気が入らないように密着させるために、100℃のホットプレート上で、シート状粘着剤をPETフィルムの上からローラ圧着した。
<有機エレクトロルミネッセンス素子と背面部材との貼り合わせ>
封止層の先にPETフィルムを剥離した反対側のPETフィルムを剥離し、封止層の粘着面が有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層を覆い、かつ吸湿層の端部が水平方向に沿って発光層の発光領域端部から4mm突出するように貼り付けた。有機エレクトロルミネッセンス素子のガラス側を100℃のホットプレートに載せ、背面部材のアルミニウム箔をローラで圧着し、次いで、背面部材の発光領域より外側であって吸湿層が形成されていない領域を、さらにローラで加圧し、図1に示す有機EL発光装置を得た。この有機EL発光装置は、発光層の発光領域の外周に沿って一定の間隔を保ちながら中空方形の吸湿層で囲まれている。
(試験結果)
実施例6で得られた有機EL発光装置について、85℃、85%RHの恒温恒湿槽で2500時間の保存試験を行い、実施例1と同様に付着強度の評価を行ったところ、結果は「○」であり、保存試験後の発光時にも、発光面に異常は見られなかった。
1 透光性基板
2 第1の電極
2a 第2の電極の取り出し電極
3 有機機能層
3a 有機機能層3を構成する発光層の発光領域端部
4 第2の電極
5 封止層
5a 封止層5の端部
6 吸湿層
6a 吸湿層6の端部
7 保護層9
10 有機EL発光装置
15 接着剤
16 乾燥剤
17 封止缶
20 有機EL発光装置
30 有機EL発光装置
31 ステージ
32 ローラ
33 加熱プレス部材
x 発光層の発光領域端部3aから吸湿層6の端部6aまでの水平方向における間隔
y 吸湿層6の端部6aから封止層5の端部5aまでの水平方向における間隔
α 保護層7の厚み
β 封止層5の当初厚み
γ 周辺部加熱加圧処理後の封止層5の厚み

Claims (13)

  1. 透光性基板と、
    該透光性基板上に形成された第1の電極と、
    該第1の電極上に形成され、少なくとも発光層を有する有機機能層と、
    該有機機能層上に形成された第2の電極と、
    少なくとも前記第1の電極、前記第2の電極及び前記有機機能層の表面を覆うように形成された熱可塑性樹脂を含む封止層と、
    該封止層上に形成され、可撓性を有する保護層とを備え、
    該保護層が、下記式(8)を満たす金属箔であることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
    0.2 < 200[N] (8)
    (F0.2:20mm幅に断裁した該保護層金属箔の、引っ張り試験における永久伸びが0.2%であるときの引張力[N]。)
  2. 前記保護層と前記封止層の間に、前記発光層の発光領域を囲むように形成された乾燥剤を含む吸湿層を備える、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  3. 前記吸湿層の端部が、水平方向に沿って前記発光領域の端部よりも0.4mm以上長く突出し、かつ前記封止層の端部よりも短い、請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  4. 前記吸湿層が形成されていない領域の前記封止層の厚みの方が、前記発光領域の前記封止層の厚みよりも薄い、請求項2又は3に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  5. 前記吸湿層の端部から前記封止層の端部までの水平方向における間隔が0.1mm以上である、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  6. 前記吸湿層がアルカリ土類金属、アルカリ金属及びそれらの酸化物、並びに無機多孔質材料から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  7. 前記吸湿層の厚みが0.1μm以上、500μm以下である、請求項2乃至6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  8. 前記発光領域上の前記保護層の厚みが、前記発光領域上の前記封止層の厚みの0.3倍以上である、請求項1乃至7に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  9. 前記封止層の厚みが1μm以上、200μm以下である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  10. 前記保護層の厚みが1μm以上、200μm以下である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  11. 前記保護層金属箔が、アルミニウム箔であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の有機エレクロルミネッセンス発光装置を用い
    た、有機EL表示装置。
  13. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の有機エレクロルミネッセンス発光装置を用いた、有機EL照明。
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