JP2014151311A - 水性懸濁組成物 - Google Patents

水性懸濁組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2014151311A
JP2014151311A JP2013026041A JP2013026041A JP2014151311A JP 2014151311 A JP2014151311 A JP 2014151311A JP 2013026041 A JP2013026041 A JP 2013026041A JP 2013026041 A JP2013026041 A JP 2013026041A JP 2014151311 A JP2014151311 A JP 2014151311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zinc oxide
component
composition
mass
zinc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013026041A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Oriki
啓司 大力
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soda Co Ltd filed Critical Nippon Soda Co Ltd
Priority to JP2013026041A priority Critical patent/JP2014151311A/ja
Publication of JP2014151311A publication Critical patent/JP2014151311A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

【課題】酸化亜鉛および/または酸化亜鉛系複合体が凝集や沈殿などを起こさずに水に安定的に懸濁してなる組成物を提供する。
【解決手段】酸化亜鉛および酸化亜鉛系有機複合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの懸濁質成分(a)と、水とを混ぜ合わせ、得られた混合物を湿式粉砕し、湿式粉砕生成物に、クエン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの成分(b)を添加することを含む方法で、酸化亜鉛および酸化亜鉛系有機複合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの懸濁質成分(a)1質量%以上と、 クエン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの成分(b)と、 水とを含有し、 界面活性剤を10質量%以下含有することができ、 成分(b)の量が懸濁質成分(a)100質量部に対して0.1〜100質量部で、 pHが6.5以上で、且つ 懸濁質として成分(a)以外の無機化合物を含まない組成物を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性懸濁組成物に関する。より詳細に、本発明は、工業分野において広く用いられる酸化亜鉛および/または酸化亜鉛系有機複合体が凝集や沈殿などを起こさずに水に安定的に懸濁してなる組成物に関する。
酸化亜鉛を水に懸濁させてなる組成物は、化粧品、写真材料の紫外線遮断材、医薬品、抗菌剤、顔料、フィラー、セラミック若しくは各種亜鉛化合物の原料等として幅広く使用されている。
また、酸化亜鉛と他の化合物とを複合若しくは化合させたものを水に懸濁させてなる組成物も知られている。例えば、特許文献1には、酸化亜鉛からなる芯粒子に亜鉛ピリチオンが被膜された複合体粒子が開示されている。引用文献2〜4には、ピリチオン化合物と酸化亜鉛とからなる各種の複合体が記載されている。また特許文献5には、イソチアゾロン系化合物と酸化亜鉛との複合体が記載されている。さらに、フェリチンと酸化亜鉛との複合体が特許文献11に記載されている。
酸化亜鉛を水に懸濁させてなる組成物では、酸化亜鉛粒子の凝集によって、沈降、固化等を起こしやすく、撹拌による再分散や粉砕等の操作が困難となる。このような酸化亜鉛微粒子懸濁液の欠点を改善することが長年求められていた。
酸化亜鉛微粒子懸濁液を安定化する方法としては、従来主として、特定の界面活性剤を比較的多量に用いる方法が採られている(特許文献6および7参照)。特許文献8には、顔料としての酸化亜鉛と、水膨潤性スメクタイトと、分散剤とを含有する水分散液が記載されている。ここで、分散剤としてカルボン酸型分散剤とクエン酸等の有機酸またはその塩を併用すると、分散性および流動性が良好になるようである。特許文献9には、顕色剤として用いる亜鉛塩粒子の製造原料として、酸化亜鉛とクエン酸を含有する水分散液が記載されている。また特許文献10には、酸化亜鉛等の亜鉛化合物、脂肪族ポリカルボン酸またはその塩、および含水ケイ酸からなる脱臭剤成分を含有する脱臭剤分散体が開示されている。これには脂肪族ポリカルボン酸としてクエン酸が記載されている。
特表2002−521339号公報 WO2005/040122 特開2006−335757号公報 WO2009/144929 特開2007−332111号公報 特開平9−235156号公報 特開2010−30836号公報 特開2001−271007号公報 特開平6−135132号公報 特開平10−305086号公報 特開2009−190982号公報
本発明の課題は、工業分野において広く用いられる酸化亜鉛および/または酸化亜鉛系有機複合体が凝集や沈殿などを起こさずに水に安定的に懸濁してなる組成物を提供することである。
前記課題を解決するために鋭意検討したところ、懸濁質としての酸化亜鉛を懸濁媒としての水に混ぜ合わせ、これにクエン酸またはクエン酸の塩を添加することにより、酸化亜鉛の凝集を抑制し、懸濁安定性が顕著に改善された水性懸濁組成物が得られることを見出した。本発明者らはこの知見に基づきさらに検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
〔1〕 酸化亜鉛および酸化亜鉛系有機複合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの懸濁質成分(a)1質量%以上と、 クエン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの成分(b)と、 水とを含有し、
界面活性剤を10質量%以下含有することができ、
成分(b)の量が懸濁質成分(a)100質量部に対して0.1〜100質量部で、
pHが6.5以上で、且つ
懸濁質として成分(a)以外の無機化合物を含まない
組成物。
〔2〕 懸濁質成分(a)が亜鉛ピリチオンと酸化亜鉛とからなる酸化亜鉛系有機複合体である、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕 懸濁質成分(a)が酸化亜鉛であり、界面活性剤の含有量が0質量%である、〔1〕に記載の組成物。
〔4〕 酸化亜鉛および酸化亜鉛系有機複合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの懸濁質成分(a)と、水とを混ぜ合わせ、
得られた混合物を湿式粉砕し、
湿式粉砕生成物に、クエン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの成分(b)を添加することを含む、〔1〕〜〔3〕のいずれかひとつに記載の組成物の製造方法。
本発明の水性懸濁組成物は、酸化亜鉛粒子の凝集が抑制され、懸濁安定性が極めて良好であり、沈降、固化等が起き難い。長時間放置後においても本発明の水性懸濁組成物を撹拌することによって、酸化亜鉛粒子の再懸濁が容易であり、取り扱い性に優れている。
本発明の水性懸濁組成物(以下、「本発明組成物」ということがある。)は、 酸化亜鉛および酸化亜鉛系有機複合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの懸濁質成分(a)1質量%以上と、クエン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの成分(b)と、水と、必要に応じて界面活性剤とを含有し、懸濁質成分(a)が水に懸濁して成るものである。
本発明に用いられる懸濁質成分(a)は酸化亜鉛および酸化亜鉛系有機複合体からなる群から選ばれる少なくとも一つである。
酸化亜鉛は、白色顔料(絵具の材料)、化粧品、医薬品、電子部品(バリスタ、鉱石検波器)、半導体、透明電極、光触媒、避雷器、軽オフセット印刷、感光体、抗菌剤などに用いられるものとして従来から知られているものである。
本発明に用いられる酸化亜鉛系有機複合体は、酸化亜鉛と有機化合物とからなる複合体である。酸化亜鉛系有機複合体としては、例えば、特許文献1に記載されているような、酸化亜鉛からなる芯粒子に亜鉛ピリチオンが被膜された複合体、特許文献11に記載されているような、フェリチンのような空洞を有するタンパク質と、該空洞に充填された酸化亜鉛とからなる複合体、特許文献2などに記載されているような亜鉛ピリチオンと酸化亜鉛とからなる複合体、銅ピリチオンと酸化亜鉛とからなる複合体などが挙げられる。酸化亜鉛および酸化亜鉛系有機複合体はそれぞれ単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。複合体は、原料物質のそれぞれの元素組成を合せた組成と同じ元素組成を有しながら、分子構造が原料物質のそれぞれの構造と異なるものと、原料物質のそれぞれの構造を維持しているものとがあるが、本発明においては、分子構造が原料物質のそれぞれの構造と異なるものが好適に用いられる。例えば、特許文献2〜4に記載されるような、酸化亜鉛と亜鉛ピリチオンとからなる複合体は、X線回折や熱分析において、原料物質の酸化亜鉛や亜鉛ピリチオンとは異なる結果が得られ、光照射または鉄イオンによる着色が原料物質の亜鉛ピリチオンに比べて少ない。
本発明組成物にて水に懸濁される成分(a)の大きさは、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜5μmである。懸濁質成分(a)の大きさは、本発明組成物を調製した直後にレーザー回折散乱法粒度分布測定装置によって測定し、体積基準粒度分布における平均粒径として算出した値である。
本発明組成物にて水に懸濁される成分(a)の量は、本発明組成物全体に対して、1質量%以上、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは20〜50質量%である。
また、本発明組成物には懸濁質として成分(a)以外の無機化合物を含まない。当該無機化合物としては、亜鉛−インジウム複合酸化物、鉛−亜鉛複合酸化物、鉛−亜鉛−ニオブ複合酸化物、ビスマス−亜鉛−ニオブ複合酸化物、バリウム−亜鉛−タンタル複合酸化物、錫−亜鉛複合酸化物、リチウム添加酸化亜鉛、亜鉛添加フェライト(鉄−亜鉛複合酸化物)、チタン−亜鉛複合酸化物、珪素−亜鉛複合酸化物などの酸化亜鉛系無機複合体、クロム酸亜鉛、リン酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、硫化亜鉛;酸化チタン、シリカ、酸化鉄などの無機酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
一方、本発明組成物には懸濁質として成分(a)以外の有機化合物または有機金属化合物が含まれていてもよい。例えば、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
本発明に用いられる成分(b)はクエン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1つである。
クエン酸はカルボキシル基を3個有するヒドロキシ酸で、水溶液が弱酸性(pKa=2.87)を呈する。クエン酸の塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩; カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩; アンモニウム塩、2〜3級アルキルアミン塩、4級アンモニウム塩; 鉄、銅、マンガン、亜鉛、アルミニウム等の金属塩;などが挙げられる。また、クエン酸の塩としては、複数種の陽イオンを含有する複塩が挙げられる。これらのうち、水溶解度(20℃)が1質量%以上の水溶性塩、具体的には、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸水素二アンモニウム、およびクエン酸鉄(III)が好ましい。
本発明組成物に含まれる成分(b)の量は、懸濁質成分(a)100質量部に対して、0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1〜10質量部である。本発明組成物に含まれる成分(b)の量は、本発明組成物全体に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。
本発明組成物は、懸濁媒として少なくとも水を含有する。水の含有率は特に限定されないが、本発明組成物全体に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。本発明においては、懸濁媒として水のみを用いることが好ましいが、用途に応じて、極性有機溶剤などの他の懸濁媒を水と併用してもよい。極性有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等のグリコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、プロピレンカーボネート等のケトン系溶剤;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等が挙げられる。
本発明組成物は、界面活性剤をさらに含有することができる。懸濁質として酸化亜鉛系有機複合体を含む場合には、界面活性剤を添加することにより、懸濁安定性をさらに向上させることができる。ただし、懸濁質として酸化亜鉛のみを含有する場合には、界面活性剤を含有しなくても十分な懸濁安定性が得られるので、界面活性剤を含有させないことが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物等を挙げることができる。これらの界面活性剤は1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明組成物に含ませることができる界面活性剤の量は、本発明組成物全体に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。また、懸濁質として酸化亜鉛系有機複合体を含む場合には界面活性剤の下限量は、組成物全体に対して、好ましくは1質量%以上である。また、界面活性剤の好ましい量は、懸濁質成分(a)100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。さらに、界面活性剤の好ましい量は、成分(b)100質量部に対して、好ましくは500質量部以下である。
本発明組成物は、有機増粘剤をさらに含有すると、懸濁質成分(a)の懸濁安定性をさらに向上させることができる。
有機増粘剤としては、アルギン酸ソーダ、澱粉類、デキストリン、タラガム、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム等の増粘多糖類;メチルセルロース類、エチルセルロース類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース類、ヒドロキシプロピルエチルセルロース類、ヒドロキシセルロース類等のセルロース誘導体等が挙げられる。これらのうち、キサンタンガムが特に好ましい。
本発明組成物は、懸濁質成分(a)の懸濁安定性の観点から、調製直後のpHが6.5以上、好ましくは6.5以上9以下、より好ましくは7以上9以下である。pHが6.5未満の場合には、懸濁質成分(a)が溶解する恐れがある。また、本発明組成物の粘度が低いという観点から、54℃で14日間放置しておいた後の本発明組成物のpHは、7以上9以下であることが好ましい。
本発明組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、香料、消泡剤等を含有していてもよい。
本発明組成物は、その製造方法によって特に制限されない。例えば、懸濁質成分(a)、成分(b)、水、およびその他の成分とを混ぜ合わせ、強撹拌することによって; または、懸濁質成分(a)と水とを混ぜ合わせ、これに成分(b)およびその他の成分を添加して、強撹拌することによって、得ることができる。強撹拌は、ホモジナイザーなどの攪拌機、ボールミル、ビーズミル、ピンミルなどの湿式粉砕機を用いて行うことができる。
本発明組成物の製造方法としては、例えば、以下の方法が好ましい。(1)懸濁質成分(a)を水に懸濁させ、成分(b)を添加し混合することによって製造する方法;(2)懸濁質成分(a)と水とを混合し、湿式粉砕し、成分(b)を添加し混合することによって製造する方法;(3)懸濁質成分(a)と水とを混合し、湿式粉砕し、成分(b)の水溶液を添加し混合することによって製造する方法;(4)懸濁質成分(a)と、成分(b)と、水とを混合し、湿式粉砕することによって製造する方法が挙げられる。
なお、前記の各工程に、適宜、界面活性剤、有機増粘剤、有機溶剤、消泡剤等の成分を混合する工程を追加してもよい。以上の方法のうち、特に安定性のよい水性懸濁組成物が製造できるという観点から、懸濁質成分(a)を湿式粉砕する工程を含む方法、すなわち、(2)、(3)または(4)の方法が好ましく、(2)または(3)の方法がより好ましい。
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、「部」と記載したものは特段の断りが無い限り質量部である。
実施例1
酸化亜鉛30.0部、ニューカルゲンC−200(竹本油脂社製)1.5部、サーフィノール104(エアープロダクツ社製)0.1部、ロードポールG(ローディア日華社製)0.2部、および防腐剤0.6部を水道水50.2部に懸濁させた。これを、ダイノミル(MULTI LAB型)を用いて、下記の条件にて湿式粉砕した。
容器容量:300mL、スリット:0.2mm、供給速度:100g/min、
粉砕回数:1回、アジテーター:64mmウレタン製、角速度:12m/s、
ビーズ:φ0.5mmガラスビーズを260mL(充填率85%)。
湿式粉砕の生成物に水道水6.0部およびクエン酸(無水)0.5部を添加し、混合して、pH6.9の水性懸濁組成物を調製した。
(流動性試験)
調製直後の水性懸濁組成物10gを13.5mlのスクリュー管瓶(口内径14.5mm、胴径24mm、全長50mm)に入れ、蓋をした。スクリュー管瓶を水平に静置して、2秒以内に水性懸濁組成物の移動面の先端がスクリュー管瓶の蓋に達した場合を○「流動性優良」、2秒を超える時間を要した場合を×「流動性不良」と判断した。さらに、「流動性不良」と判断された調製直後の水性懸濁組成物を前記と同様にスクリュー管瓶に入れ、蓋をし、該スクリュー管瓶を水平にし、縦方向に毎秒2往復で30往復振り、該スクリュー管瓶の蓋を上にして10秒間静置した後、水平にして2秒以内に水性懸濁組成物の移動面の先端がスクリュー管瓶の蓋に達した場合を△「流動性良」と判断した。
次いで、室温で3日間放置しておいた水性懸濁組成物について、前記と同じ方法で流動性を評価した。さらに、54℃で14日間放置しておいた水性懸濁組成物について、前記と同じ方法で流動性を評価した。それらの結果を表1に示す。
(粒径測定)
調製直後の水性懸濁組成物および54℃で14日間放置しておいた水性懸濁組成物について、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製LS 13 320)を用いて、体積基準粒度分布における平均粒径を測定した。
実施例2〜4および比較例1〜7
クエン酸(無水)を表1に示す有機酸に変えた以外は実施例1と同じ方法で水性懸濁組成物を調製した。該水性懸濁組成物について実施例1と同じ方法で評価した。それらの結果を表1に示す。
Figure 2014151311
表1が示すとおり、クエン酸またはその塩を含有する水性懸濁組成物(実施例)は流動性が優良である。クエン酸以外の有機酸を含有する水性懸濁組成物(比較例)は長時間放置後の流動性が不良である。
実施例5
酸化亜鉛40.0部、クエン酸水素二ナトリウム1.5水和物0.5部、および防腐剤0.1部を水道水39.4部に懸濁させた。これを、ダイノミル(MULTI LAB型)を用いて、下記の条件にて湿式粉砕した。
容器容量:300mL、スリット:0.2mm、供給速度:100g/min、
粉砕回数:1回、アジテーター:64mmウレタン製、角速度:12m/s、
ビーズ:φ0.5mmガラスビーズを260mL(充填率85%)。
湿式粉砕の生成物に水道水19.8部およびロードポールG(ローディア日華社製)0.2部を混合して、水性懸濁組成物を調製した。
調製直後の水性懸濁組成物のpHは9.5であった。54℃で14日間放置しておいた水性懸濁組成物のpHは9.0であった。
調製直後の水性懸濁組成物および54℃で14日間放置しておいた水性懸濁組成物について、B型粘度計(東機産業社製、RB80形)を用い、25℃、30rpmで粘度を測定した。調製直後の水性懸濁組成物の粘度は427mPa・sであった。54℃で14日間放置しておいた水性懸濁組成物の粘度は355mPa・sであった。
調製直後の水性懸濁組成物および54℃で14日間放置しておいた水性懸濁組成物について、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製LS 13 320)を用いて、体積基準粒度分布における平均粒径を測定した。調製直後の水性懸濁組成物の平均粒径は0.35μmであった。54℃で14日間放置しておいた水性懸濁組成物の平均粒径は0.61μmであった。
(層分離率)
水性懸濁組成物を110mlのスクリュー管瓶に入れ、54℃で14日間静置した。次いで上澄み液の高さを測定した。スクリュー管瓶に入れた水性懸濁組成物の高さに対する上澄み液の高さの割合を層分離率(%)として算出した。層分離率は23%であった。
実施例6
HYBRICIDE−94S(亜鉛ピリチオン・酸化亜鉛複合体と酸化亜鉛とからなる組成物、KOLON LIFE SCIENCE社製)40.0部、ニューカルゲンC−200(竹本油脂社製)2部、サーフィノール104(エアープロダクツ社製)0.1部、ロードポールG(ローディア日華社製)0.25部、および防腐剤0.8部を水道水36.85部に懸濁させた。これを、ダイノミル(MULTI LAB型)を用いて、下記の条件にて湿式粉砕した。
容器容量:300mL、スリット:0.2mm、供給速度:100g/min、
粉砕回数:1回、アジテーター:64mmウレタン製、角速度:12m/s、
ビーズ:φ0.5mmガラスビーズを260mL(充填率85%)。
湿式粉砕の生成物に水道水15部を混合した。次いでクエン酸水素二ナトリウム1.5水和物0.5部と水道水4.5部とを添加し混合して、水性懸濁組成物を調製した。
層分離率、平均粒径および粘度を実施例5と同じ方法で算出した。その結果を表2に示す。
比較例8
クエン酸水素二ナトリウム1.5水和物を、酢酸ナトリウムに変えた以外は実施例6と同じ方法で水性懸濁組成物を調製した。層分離率、平均粒径および粘度を実施例5と同じ方法で算出した。その結果を表2に示す。
比較例9
クエン酸水素二ナトリウム1.5水和物0.5部と水道水4.5部とを、水道水5.0部に変えた以外は実施例6と同じ方法で水性懸濁組成物を調製した。層分離率、平均粒径および粘度を実施例5と同じ方法で算出した。その結果を表2に示す。
実施例7
クエン酸水素二ナトリウム1.5水和物を、クエン酸に変えた以外は実施例6と同じ方法で水性懸濁組成物を調製した。層分離率、平均粒径および粘度を実施例5と同じ方法で算出した。その結果を表2に示す。
Figure 2014151311
表2が示すとおり、クエン酸またはその塩を含有する水性懸濁組成物(実施例)は懸濁質の粒径が小さく、粘度が低い。クエン酸以外の有機酸を含有する水性懸濁組成物(比較例)は懸濁質の粒径が大きく、粘度が高い。

Claims (4)

  1. 酸化亜鉛および酸化亜鉛系有機複合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの懸濁質成分(a)1質量%以上と、 クエン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの成分(b)と、 水とを含有し、
    界面活性剤を10質量%以下含有することができ、
    成分(b)の量が懸濁質成分(a)100質量部に対して0.1〜100質量部で、
    pHが6.5以上で、且つ
    懸濁質として成分(a)以外の無機化合物を含まない
    組成物。
  2. 懸濁質成分(a)が亜鉛ピリチオンと酸化亜鉛とからなる酸化亜鉛系有機複合体である、請求項1に記載の組成物。
  3. 懸濁質成分(a)が酸化亜鉛であり、界面活性剤の含有量が0質量%である、請求項1に記載の組成物。
  4. 酸化亜鉛および酸化亜鉛系有機複合体からなる群から選ばれる少なくとも一つの懸濁質成分(a)と、水とを混ぜ合わせ、
    得られた混合物を湿式粉砕し、
    湿式粉砕生成物に、クエン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの成分(b)を添加することを含む、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の組成物の製造方法。
JP2013026041A 2013-02-13 2013-02-13 水性懸濁組成物 Pending JP2014151311A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013026041A JP2014151311A (ja) 2013-02-13 2013-02-13 水性懸濁組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013026041A JP2014151311A (ja) 2013-02-13 2013-02-13 水性懸濁組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014151311A true JP2014151311A (ja) 2014-08-25

Family

ID=51573719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013026041A Pending JP2014151311A (ja) 2013-02-13 2013-02-13 水性懸濁組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014151311A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11181300A (ja) * 1997-12-22 1999-07-06 Konica Corp 高分子微粒子分散液の製造方法及び高分子微粒子を用いた画像記録材料
JP2007525396A (ja) * 2004-01-24 2007-09-06 デグサ ゲーエムベーハー ナノスケールの酸化亜鉛を含有する、分散液及びコーティング組成物
JP2009148746A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 General Electric Co <Ge> 水性懸濁液中の粒子分散を制御する方法
WO2009144929A1 (ja) * 2008-05-30 2009-12-03 有限会社ワイエイチエス 新規結晶性ピリチオン・酸化亜鉛複合体およびそれを含有してなる生理・抗生物活性組成物
JP2012021036A (ja) * 2010-07-12 2012-02-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合多孔質粒子、組成物、波長変換層および光起電装置。
WO2012104860A1 (en) * 2011-02-04 2012-08-09 Tata Consultancy Services Limited Suspension of nanoparticles

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11181300A (ja) * 1997-12-22 1999-07-06 Konica Corp 高分子微粒子分散液の製造方法及び高分子微粒子を用いた画像記録材料
JP2007525396A (ja) * 2004-01-24 2007-09-06 デグサ ゲーエムベーハー ナノスケールの酸化亜鉛を含有する、分散液及びコーティング組成物
JP2009148746A (ja) * 2007-12-20 2009-07-09 General Electric Co <Ge> 水性懸濁液中の粒子分散を制御する方法
WO2009144929A1 (ja) * 2008-05-30 2009-12-03 有限会社ワイエイチエス 新規結晶性ピリチオン・酸化亜鉛複合体およびそれを含有してなる生理・抗生物活性組成物
JP2012021036A (ja) * 2010-07-12 2012-02-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合多孔質粒子、組成物、波長変換層および光起電装置。
WO2012104860A1 (en) * 2011-02-04 2012-08-09 Tata Consultancy Services Limited Suspension of nanoparticles

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105153830A (zh) 纳米负离子功能型内墙乳胶漆及其制备方法
JP4197945B2 (ja) セルロースエーテルの水性懸濁液、その製造方法、および乾燥混合物
DE2805907A1 (de) Verfahren zur herstellung einer stabilen celluloseaether-suspension und deren verwendung
HRP20191366T1 (hr) Injekcijski pripravak
JP6762407B1 (ja) 樹脂ビーズの製造方法、樹脂ビーズ、及び樹脂ビーズを用いた製品
JP6984122B2 (ja) 抗ウイルス性を有する分散液
BR112012008666A2 (pt) processo para a preparação de um pó, formulação, e, uso do pó preparado por um processo
US20170056851A1 (en) Inorganic nanoparticle dispersion liquid and method for producing same
JP2012520908A5 (ja)
JP2014151311A (ja) 水性懸濁組成物
Eraga et al. Evaluation of the suspending properties of the coprecipitate of Irvingia gabonesis gum and gelatin
JP2016504398A (ja) 仮根管シーラー分散体
BR112017021808B1 (pt) Composição adjuvante seca e método para a preparação de uma composição pesticida seca
JP6934724B2 (ja) 顔料組成物
WO2014052074A3 (en) Coatable composition, photocatalytic articles, and methods of making the same
JP4959186B2 (ja) 抗菌剤微粒子の製造方法
US20160330953A1 (en) Pymetrozine suspension concentrates and its preparation method
JP2009195198A (ja) クルクミン分散液
CN109288810B (zh) 一种头孢地尼胶囊及其制备方法
JP2017170386A (ja) 金属酸化物微粒子の水系分散剤、及びそれを含有する分散体
JPWO2011027729A1 (ja) ヒドロキシプロピルセルロース粒子
JP2015078329A (ja) イカ墨を含む可食性インクジェットインク組成物
CN109689015A (zh) 液态皮肤外用组合物
JP2004236895A (ja) カルシウム化合物とグリコサミノグリカンの複合粒子とその製造方法
JP2007268084A (ja) 水溶液状、水性ゲル状又はフィルム状消臭剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170228