JP2014149977A - 遮水ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブルコア１、遮水テープ２ａを縦添え巻きした遮水層２、樹脂シース３を有する遮水ケーブルにおいて、遮水テープ２ａのシワが発生しにくい、遮水機能を向上させた遮水ケーブルを提供する。
【解決手段】遮水層２を、１枚の遮水テープ２ａを縦添え巻きで２周に巻くことにより形成する。遮水テープ２ａを２周に巻くことにより、遮水テープが実質的に全周にわたって重なるので、遮水層の周方向の不均一性が解消され、ケーブルに曲げが加えられても遮水テープのシワが発生しにくくなる。したがって遮水テープの亀裂や破れが発生しにくくなり、遮水ケーブルの遮水機能を向上させることができる。
【選択図】図１
【解決手段】遮水層２を、１枚の遮水テープ２ａを縦添え巻きで２周に巻くことにより形成する。遮水テープ２ａを２周に巻くことにより、遮水テープが実質的に全周にわたって重なるので、遮水層の周方向の不均一性が解消され、ケーブルに曲げが加えられても遮水テープのシワが発生しにくくなる。したがって遮水テープの亀裂や破れが発生しにくくなり、遮水ケーブルの遮水機能を向上させることができる。
【選択図】図１
Description
本発明は、樹脂シースの内側に遮水層を有する電力ケーブル、制御ケーブル又は通信ケーブル等の遮水ケーブルに関するものである。
遮水ケーブルは、図２に示すように、ケーブルコア１の外周に遮水層２を設け、遮水層２の外周に樹脂シース３を設けたものである。遮水層２は、金属箔層とホットメルト接着層を有する遮水テープ２ａを、ホットメルト接着層を外側にしてケーブルコア上に縦添え巻きする（テープの両側縁がケーブルコア長手方向に向くように巻く）ことにより形成されている。遮水テープ２ａは樹脂シース３を被覆するときの熱で樹脂シース３の内面に接着している（特許文献１〜３参照）。
ケーブル布設時などに遮水ケーブルに曲げを加えると、その曲げの程度によっては遮水テープの金属箔層にシワが発生する。一方、布設されたケーブルは、導体通電や気温変動等によりヒートサイクルが加えられ、膨張・収縮が発生する。遮水テープにシワが発生した状態でケーブルに膨張・収縮が加わると、遮水テープのシワの部分に亀裂や破れが発生し、遮水機能が著しく損なわれる。
本発明の目的は、遮水テープのシワが発生しにくい、遮水機能を向上させた遮水ケーブルを提供することにある。
本発明者等は、遮水ケーブルの遮水テープにシワが発生する原因を究明した。その結果、従来の遮水ケーブルは、図２に示すように、遮水層２が、１枚の遮水テープ２ａを、両側縁の重なり部Ｌができるように縦添え巻きすることにより形成されているため、つまり、遮水テープ２ａの重なりが周方向の一部分であるため、ケーブルに曲げが加えられたときに、遮水テープの重なり部Ｌ付近の、重なりのない部分でシワの発生が顕著であることが判明した。
そこで本発明は、樹脂シースの内側に遮水層を有する遮水ケーブルにおいて、前記遮水層が、１枚の遮水テープを縦添え巻きで２周に巻くことにより形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、遮水テープを２周に巻いたことにより、遮水テープが実質的に全周にわたって重なるので、遮水層の周方向の不均一性が解消され、ケーブルに曲げが加えられても遮水テープのシワが発生しにくくなる。したがって遮水テープの亀裂や破れが発生しにくくなり、遮水ケーブルの遮水機能を向上させることができる。
図１は本発明に係る遮水ケーブルの一実施例を示す。図において、１はケーブルコア、２は遮水層、２ａは金属箔層とホットメルト接着層を有する遮水テープ、３は樹脂シースである。この遮水ケーブルの特徴は、遮水層２が、１枚の遮水テープ２ａを縦添え巻きで２周に巻くことにより形成されていることである。このようにすると、遮水テープ２ａの重なりが全周にわたってほぼ均一になるので、ケーブルに曲げが加えられても遮水テープ２ａにシワが発生しにくくなる。
次に、本発明に係る遮水ケーブルと従来の遮水ケーブルの試作・試験結果を説明する。
（ａ）直径2.6mmの軟銅線を同心円状に撚り合わせて撚線とし、これを直径12.0mmに圧縮成形してケーブル導体を製造した。
（ｂ）このケーブル導体上に、内部半導電層（厚さ約1.0mm）、架橋ポリエチレン絶縁層（内部導電層を含め厚さ4.0mm）、及び外部半導電層（厚さ約0.7mm）を同心円状に３層同時押出により被覆した。次いで外部半導電層の上に、厚さ約0.1mmの軟銅テープを約1/6重ねにて、らせん状に重ね巻きした。さらにこの軟銅テープ巻き層の上に半導電性テープをらせん状に重ね巻きした。これがケーブルコアである。
（ｃ）次に、このケーブルコア上に、遮水テープを縦添え巻きで２周巻きになるように、ケーブルコアと遮水テープ間に空隙がないように、かつ、遮水テープの両側端の間隔ができるだけ小さくなるようにフォーミングした。この上にポリ塩化ビニルシース（厚さ約2.1mm）を同心円状に押出被覆して、遮水電力ケーブルを製造した。このケーブルを本発明品という。
（ｄ）一方、上記と同じケーブルコア上に、遮水テープを両側縁の重なり部Ｌ（図２参照）が約20mmとなるように縦添え巻きし、その上に上記と同様にポリ塩化ビニルシースを押出被覆して、遮水電力ケーブルを試作した。このケーブルを従来品という。
（ｅ）本発明品と従来品について、自己径に対する曲げ径の倍率が８倍、６倍、５倍の曲げを加えた後、ケーブルを解体して遮水テープに目視で確認できるシワが発生しているか否かを観察した。その結果を表１に示す。
（ａ）直径2.6mmの軟銅線を同心円状に撚り合わせて撚線とし、これを直径12.0mmに圧縮成形してケーブル導体を製造した。
（ｂ）このケーブル導体上に、内部半導電層（厚さ約1.0mm）、架橋ポリエチレン絶縁層（内部導電層を含め厚さ4.0mm）、及び外部半導電層（厚さ約0.7mm）を同心円状に３層同時押出により被覆した。次いで外部半導電層の上に、厚さ約0.1mmの軟銅テープを約1/6重ねにて、らせん状に重ね巻きした。さらにこの軟銅テープ巻き層の上に半導電性テープをらせん状に重ね巻きした。これがケーブルコアである。
（ｃ）次に、このケーブルコア上に、遮水テープを縦添え巻きで２周巻きになるように、ケーブルコアと遮水テープ間に空隙がないように、かつ、遮水テープの両側端の間隔ができるだけ小さくなるようにフォーミングした。この上にポリ塩化ビニルシース（厚さ約2.1mm）を同心円状に押出被覆して、遮水電力ケーブルを製造した。このケーブルを本発明品という。
（ｄ）一方、上記と同じケーブルコア上に、遮水テープを両側縁の重なり部Ｌ（図２参照）が約20mmとなるように縦添え巻きし、その上に上記と同様にポリ塩化ビニルシースを押出被覆して、遮水電力ケーブルを試作した。このケーブルを従来品という。
（ｅ）本発明品と従来品について、自己径に対する曲げ径の倍率が８倍、６倍、５倍の曲げを加えた後、ケーブルを解体して遮水テープに目視で確認できるシワが発生しているか否かを観察した。その結果を表１に示す。
この結果によれば、本発明品は従来品よりも曲げが加えられたときに遮水テープにシワが発生しにくいことが分かる。これは、本発明品は従来品よりも遮水テープに亀裂や破れが発生しにくく、遮水機能が向上していることを意味する。
１：ケーブルコア
２：遮水層
２ａ：遮水テープ
３：樹脂シース
Ｌ：重なり部
２：遮水層
２ａ：遮水テープ
３：樹脂シース
Ｌ：重なり部
Claims (1)
- 樹脂シースの内側に遮水層を有する遮水ケーブルにおいて、前記遮水層が、１枚の遮水テープを縦添え巻きで２周に巻くことにより形成されていることを特徴とする遮水ケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013018287A JP2014149977A (ja) | 2013-02-01 | 2013-02-01 | 遮水ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013018287A JP2014149977A (ja) | 2013-02-01 | 2013-02-01 | 遮水ケーブル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014149977A true JP2014149977A (ja) | 2014-08-21 |
Family
ID=51572793
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2013018287A Pending JP2014149977A (ja) | 2013-02-01 | 2013-02-01 | 遮水ケーブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2014149977A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016072131A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 矢崎総業株式会社 | シールド電線、ワイヤハーネス及びシールド電線の製造方法 |
| JP2016072130A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 矢崎総業株式会社 | シールド電線及びワイヤハーネス |
| CN106571186A (zh) * | 2016-11-09 | 2017-04-19 | 成都聚立汇信科技有限公司 | 防水防火电缆结构 |
| US11335477B2 (en) * | 2018-05-25 | 2022-05-17 | Prysmian S.P.A. | High voltage power cable with fatigue-resistant water barrier |
-
2013
- 2013-02-01 JP JP2013018287A patent/JP2014149977A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016072131A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 矢崎総業株式会社 | シールド電線、ワイヤハーネス及びシールド電線の製造方法 |
| JP2016072130A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 矢崎総業株式会社 | シールド電線及びワイヤハーネス |
| CN106571186A (zh) * | 2016-11-09 | 2017-04-19 | 成都聚立汇信科技有限公司 | 防水防火电缆结构 |
| US11335477B2 (en) * | 2018-05-25 | 2022-05-17 | Prysmian S.P.A. | High voltage power cable with fatigue-resistant water barrier |
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