JP2014148130A - 記録装置及びそのクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラテンのインク吸収体上へのインクの堆積を抑制するために、インク吸収体に堆積物を溶解するインクを吐出する際に、堆積を抑制する効果の高い一部のインクの使用量の偏りを抑えることができる記録装置を提供する。
【解決手段】インク吸収体上のインク堆積物を溶解するために使用するインクの量を、インクタンク内のインク残量に応じて溶解インク毎に決定する。また、インク残量が所定の量未満となった場合には、クリーニングを抑制し、後でクリーニングを行う。
【選択図】図6

Description

本発明に記録装置及びそのクリーニング方法に関し、特に、例えば、記録用紙にインクジェット記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置及びそのクリーニング方法に関する。
従来より、複数種類のインクを使用し、記録ヘッドを搭載したキャリッジを移動させながら、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置が(以下、記録装置)広く知られている。
このような記録装置が、記録媒体に対して、所謂「縁なし記録」を行う場合に、吐出したインクの一部はその記録媒体からはみ出して、記録位置周囲の記録装置を構成する部材に着弾することがある。また、記録媒体に向けてインクを吐出する際に極小のインク液滴は浮遊し、記録媒体には着弾せずに、記録装置を構成する部材に着弾することもある。
このようにして記録媒体以外に着弾したインクは、記録装置を使用する温度や湿度などの環境やインク種類によって、着弾した場所にある、例えば、多孔質の部材に目詰まりを生じさせたり、部材の反射率を元の値から大きく変えてしまったりすることがある。その部材が光学センサである場合は、そのことがセンサが誤動作する原因ともなる。また、部材にインクが堆積すると、その部材が、記録ヘッドと対向する位置のキャップやプラテンだった場合には、記録ヘッドそのものに堆積インクが付着し、その後の記録時に記録媒体を汚すなどの問題が生じる。特に、プラテンは、記録媒体を支持するために用いられるため、プラテン上に堆積したインクで直接記録媒体が汚れるなどの問題が生じる。
以上のような不具合を解決するために、プラテン上やキャップ内に吐出された堆積し易いインクに対して堆積を抑制するインクを吐出して、その堆積を抑制する記録装置も提案されている。しかし、このような記録装置では、通常の記録装置に比べて、記録媒体への記録以外に使用するインクの消費量が多いので、必要以上にインクを消費しないような記録装置も提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2008−062609号公報
さて、堆積しやすいインクに対して、その堆積を抑制するインクを吐出して堆積を抑制する効果は、用いるインクにより差があり、抑制効果の高い一部のインクを多用してしまう。そのため、記録媒体への記録動作以外に使われるインク消費量は、堆積抑制効果の高いインクで多くなる傾向にあった。
また、インクタンクの特定の種類のインクがなくなり、記録ヘッドからその特定の種類のインクが吐出がされなくなっても、残量のある他のインクでの記録動作が可能な場合がある。このため、インク残量がなくなった警告をユーザに発行後も、インク切れとなったインクタンクを装着したまま記録動作が可能にしている記録装置も多くある。
そのような記録装置の場合、インクの堆積抑制に用いるインクがなくなった後も、堆積抑制動作を実行するが、実際は記録ヘッドからはインクは吐出されず、その状態での使用が継続されれば、インク堆積が生じ、装置に不具合を生じさせるという問題があった。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、効果的にインクの堆積を抑制することが可能な記録装置及びクリーニング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、次のような構成からなる。
即ち、本発明を1つの側面から見れば、記録媒体に対して記録ヘッドを走査しながら複数の種類のインクを吐出して縁なし記録を行う記録装置であって、前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された記録媒体に対して前記記録ヘッドにより記録を行う記録位置に前記記録ヘッドに対向して設けられたプラテンのインク吸収体と、接続されたホスト装置から画像データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された画像データに基づいて、前記インク吸収体に堆積するインクの堆積物の量を予測する予測手段と、前記インクの堆積物を溶解するために、前記複数の種類のインクのうち前記インクの堆積物を溶解する溶解インクを前記インク吸収体に対して吐出するように制御する制御手段とを有し、前記記録ヘッドは、前記溶解インクを少なくとも2つの種類、吐出が可能であり、前記制御手段は、予測された前記インクの堆積物の量と各溶解インクのインクタンクの残量とに基づいて、前記インク吸収体に対して吐出する各溶解インクの吐出量を決定することを特徴とする。
また、本発明を別の側面から見れば、予め定められた方向に走査しながらインクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された記録媒体に対して前記記録ヘッドにより記録を行う記録位置に前記記録ヘッドに対向して設けられたプラテンのインク吸収体とを備え、前記記録媒体に対して前記記録ヘッドより複数の種類のインクを吐出して縁なし記録を行う記録装置におけるクリーニング方法であって、接続されたホスト装置から画像データを受信する受信工程と、前記受信工程において受信された画像データに基づいて、前記インク吸収体に堆積するインクの堆積物の量を予測する予測工程と、前記インクの堆積物を溶解するために、前記複数の種類のインクのうち前記インクの堆積物を溶解する溶解インクを前記インク吸収体に対して吐出するように制御する制御工程とを有し、前記記録ヘッドは、前記溶解インクを少なくとも2つの種類、吐出が可能であり、前記制御工程では、予測された前記インクの堆積物の量と各溶解インクのインクタンクの残量とに基づいて、前記インク吸収体に対して吐出する各溶解インクの吐出量を決定することを特徴とするクリーニング方法を備える。
従って本発明によれば、インクタンクのインク残量に応じてクリーニングに用いるインクの吐出量を変えるので、一部のインクが偏ってインク消費が早くなることを抑制することができるという効果がある。さらに、インク残量が所定の量未満となった場合には、クリーニングを抑止し、後でクリーニングを行うなどの柔軟性のあるクリーニングを行うこともできる。また、例えば、残量の多い、堆積抑制効果のあるインクを優先して用いることで、その吐出する量が不足で堆積抑制効果が減ってしまうことも軽減できる。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の外観斜視図である。 ヘッドカートリッジの構成を説明するための斜視図である。 記録ヘッドに構成されるノズル列を説明するための模式図である。 記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。 プラテンに吐出する堆積抑制インク量の決定処理を示すフローチャートである。 堆積抑制インクの吐出量算出処理を示すフローチャートである。 インク残量とインク残量ステータスの関係を示す図である。 インク残量ステータスと染料係数の組み合わせの複数のケースを示す図である。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
以下に用いる記録ヘッド用基板(ヘッド基板)とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた構成を差し示すものである。
さらに、基板上とは、単に素子基板の上を指し示すだけでなく、素子基板の表面、表面近傍の素子基板内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み(built-in)」とは、別体の各素子を単に基体表面上に別体として配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって素子板上に一体的に形成、製造することを示すものである。
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を用いて記録を行う記録装置の外観斜視図である。この図では、その外装部を取り外して内部機構を露出させた状態で示している。この記録装置本体は、給紙部、用紙搬送部、排紙部、キャリッジ部、クリーニング部、プラテン部および外装部などを有している。
給紙部は圧板2010上に積載された、カット紙のような記録媒体を1枚ずつ分離してプラテン3040側へと給紙する機構を有する。用紙搬送部は、給紙された記録媒体を記録ヘッドによる記録領域に向けて挟持搬送する搬送ローラ3060とこれに対向して設けられたピンチローラ3070とからなるローラ対、搬送ローラ3060の駆動源となる搬送モータ1102などを有する。排紙部は、記録媒体を記録領域から排紙させるための排紙ローラ3110およびこれと協働する複数の拍車ローラ等を有する。
キャリッジ部は、記録ヘッドを取り付けるためのキャリッジ4000を有しており、キャリッジ4000は、ガイドシャフト4020およびガイドレール1011によって支持される。ガイドシャフト4020は、記録媒体の搬送方向(Y方向)に対して直角方向にキャリッジ4000を往復走査させるように案内支持している。キャリッジ4000は、シャーシ1010に取り付けられたキャリッジモータ1101によりタイミングベルト4041を介して駆動される。
上記構成において記録媒体に画像を形成する場合、その画像のY方向への記録位置は、搬送ローラ3060とピンチローラ3070からなるローラ対が、記録媒体を搬送することによって位置決めする。また、画像のX方向への位置に対しては、キャリッジモータ1101によりキャリッジ4000を上記搬送方向と垂直なX方向に移動させて、記録ヘッドを目的の記録位置に位置付けさせる。
位置決めされた記録ヘッドは、後述するコントローラからの信号に従って、記録媒体に対してインクを吐出する。記録ヘッドについての詳細な構成は後述する。この実施例の記録配置では、記録ヘッドにより記録を行いながらキャリッジ4000がX方向に移動する主走査と、搬送ローラ3060により記録媒体がY方向に搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成する。記録媒体の縁まで画像を形成する縁なし記録に際しては記録媒体に余白を生じさせないために、この実施例では記録媒体の縁から3mmはみだしてインクを吐出し、プラテン3040のインク吸収体によりはみ出して吐出されたインクを吸収している。このようなインク吸収体は、キャリッジの走査方向(主走査方向)に関し、記録媒体の長さよりもやや長いサイズを持ち、記録媒体の搬送方向(副走査方向)に所定の幅をもっている。
さて、記録ヘッドのクリーニングのために、ヘッドカートリッジ1000のインク吐出部であるノズルに対向する位置に、ノズル群を覆うサイズのキャップ(不図示)を設け、キャップにチューブで接続されたポンプ5000により吸引動作を行う。この動作により、ヘッドカートリッジ1000内をクリーニングできる。クリーニングにより、インクがヘッドカートリッジ1000から排出された場合も、その排出インク重量を、インクタンク1900のインク残量から減算し、インク残量を更新する。インクタンク1900内のインク残量は各タンクごとに行う。
図2はヘッドカートリッジ1000の構成を説明するための斜視図である。
ヘッドカートリッジ1000は、記録ヘッド1001、インクタンク1900を搭載する機構、およびインクタンク1900から記録ヘッド1001にインクを供給するための機構を有しており、キャリッジ4000に着脱可能に搭載される。図2では、ヘッドカートリッジ1000に対し、8種類のインクタンク1900を装着する様子を示している。この記録装置は、8種類のインクによって画像を記録するものであり、各々独立した8個のインクタンク1900が用意されている。これらインクタンクは、ヘッドカートリッジ1000に対してそれぞれ着脱自在となっている。インクタンク1900の着脱は、キャリッジ4000にヘッドカートリッジ1000が搭載された状態で行えるようになっている。
インクタンク1900は、未使用の段階では初期の使用可能インク重量が記憶されている。インクタンク1900がヘッドカートリッジ1000に装着され、使用を開始すると、記録ヘッドから吐出したインク液滴数をカウントし、その数に1液滴あたりの吐出重量をかけ、消費重量を計算する。その消費重量を、初期の重量から減算し、現在のインクタンク1900に収容されているインク残量が求められる。
図3は記録ヘッド1001に構成されるノズル列を説明するための模式図である。
記録ヘッド1001には、それぞれ5列ずつのノズル列が形成された2枚のヘッド基板1302、1303が図のように並列して設けられている。ヘッド基板1302には、フルカラー画像を減法混色で高速に記録する際に用いる顔料インクを吐出するノズル列が備えられている。図3において、1312は顔料ブラックインクを吐出するノズル列、1304は顔料イエロインクを吐出するノズル列、1305は顔料マゼンタインクを吐出するノズル列、1306は顔料シアンインクを吐出するノズル列をそれぞれ示している。個々のノズル列は、Y方向に1200dpi(dot/inch)の間隔で並ぶ768個のノズルによって構成され、各ノズルは約2ピコリットルのインク滴を吐出する。なお、図3から分かるように、一色のインクにつきノズル列を2列有している。また、これら2列のノズル列間では、ノズルは1/2ピッチだけ搬送方向にずらして配置される。また、図3において吐出部1312の左側に示されているノズル列は、この実施例では非使用のノズル列となっている。
一方、ヘッド基板1303には、フルカラー画像を減法混色で高画質に記録する際、階調性を高めるために用いる染料インクを吐出するノズル列が配備されている。図3において、1307は染料ライトシアンインクを吐出するノズル列、1308は染料ブラックインクを吐出するノズル列、1309は染料ライトマゼンタインクを吐出するノズル列とする。また、1310は染料グレーインクを吐出するノズル列、1311は染料レッドインクを吐出するノズル列をそれぞれ示している。
これらライトシアンインクとライトマゼンタインクとを用いることで出力画像の階調性を高め、これらグレーインクとブラックインクとを用いることで出力画像のコントラストを高める。さらに、特色インクとしてレッドインクを用いることでシアン、マゼンタ、イエロの色材の3原色だけでは再現できない色域を再現可能としている。
なお、ヘッド基板1303においても、各色インク用のノズル列1307〜1311それぞれについても、ヘッド基板1302と同様、2列のノズル列で構成されている。
図4は記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。
図4において、200は、装置内の各機構からの情報を取得したりコマンドを送信したりすることによって、装置全体の制御を司るコントローラ(制御部)である。コントローラ200にはCPU201の他、各種プログラムを格納するROM203や、CPU201の作業領域として使用されるRAM205が備えられている。ROM203には、上記プログラムのほか、記録制御や固定データ、後述する抑制インク付与走査に必要なテーブルなどが格納されている。
記録装置の外部に接続された、画像データの供給源としての役割を果たすホスト装置210は、記録に係る画像データの生成、画像処理等を行うコンピュータの他、画像読取用のリーダや、デジタルカメラなどの形態であってもよい。画像データ、コマンド、ステータス信号等は、インタフェース(I/F)212を介してコントローラ200との間で送受信される。この実施例の記録装置において、ホスト装置210からコントローラ200へ送信される画像データは600ppi(ピクセル/インチ)の多値信号であり、記録ヘッド1001が記録媒体に記録する記録データは、1200dpiの2値信号である。即ち、コントローラ200は、記録を実行する際、解像度600ppiの多値信号を8色分の解像度1200dpiの2値信号に変換する。
ヘッドドライバ240は、2値の記録信号に応じて記録ヘッド1001のインク滴を吐出するための熱エネルギーを発生する電気熱変換素子(ヒータ)25を駆動するためのドライバである。キャリッジモータドライバ250は、キャリッジ4000を移動させるキャリッジモータ1101を駆動するためのドライバであり、搬送モータドライバ270は、記録媒体を搬送方向に搬送する搬送モータ1102を駆動するためのドライバである。
次に、以上説明した構成の記録装置を用いたクリーニング方法の実施例について説明する。
・プラテン上のインク堆積量
プラテン3040のインク吸収体へのインクの堆積とは、インク吸収体の表面から高さ0.1mm以上のインクの凝集物が生じることを意味する。そしてこの実施例では、複数の種類のインクのうち、顔料シアンインク、顔料マゼンタインク、顔料イエロインク、顔料ブラックインクは、インク凝集物が堆積しやすいインクであることが分かっている。すなわち、このような顔料インクがインク吸収体に吐出されると、インクの堆積物が発生することになる。
また、複数の堆積し易いインクを比べると種類によって堆積のし易さ(堆積特性)に違いがあることが実験により示されている。
例えば、この実施例で用いた4種類の堆積し易いインクである顔料シアンインク、顔料マゼンタインク、顔料イエロインク、顔料ブラックインクを比較すると、同じ量のインクをインク吸収体に吐出した時の堆積量には次の関係がある。即ち、
顔料ブラックインク>顔料シアンインク>顔料マゼンタインク>顔料イエロインク
となる。つまり同じ量のインク量を吐出しても顔料ブラックインクの堆積量は顔料の堆積量よりも多くなる。
この実施例では吐出量に対して顔料ブラックインクに“2”、顔料シアンインクに“0.5”、顔料マゼンタインクに“0.2”、顔料イエロインクに“0.1”の規定値を乗じて重み付けする。このようにして堆積し易いインク毎に堆積量を求め、そして合計することによりプラテン上の堆積物の量を見積もることができる。
一方、染料ブラックインクや染料グレイインクは、堆積を抑制するインクであり、インクの堆積物に向けて吐出するとインクの堆積物が溶解させることができることが分かっている。このようなインクは溶解インクと呼ばれることもある。つまり、プラテン上のインクの堆積物に染料ブラックインクや染料グレイインクを吐出することにより、インクの堆積物の発生を抑制することができる。また、染料ブラックインクや染料グレイインクはインクの堆積を抑制することもできる。このため、記録動作後に発生するプラテン上のインクの堆積物は、画像記録中に吐出される染料ブラックインクや染料グレイインクの吐出量によって、見積もられたプラテン上の堆積物の量より少なくなる。
このような画像記録後にプラテンのインク吸収体に生じる堆積物の算出動作および堆積物の除去動作のシーケンスについて図5に示すフローチャートを参照して説明する。
記録動作を開始すると、まず、ステップS1では形成しようとする画像に「縁なし記録」の指示があるか否かの情報を取得し、その情報に基づいて、ステップS2では、その指示が「縁なし記録」であるかどうかを調べる。ここで、「縁なし記録」を行わないと判断された場合には、記録動作後の堆積抑制インクの吐出は行わずに終了する。これに対して、「縁なし記録」を行うと判断された場合、処理はステップS4に進み、記録媒体の種類の情報を取得した後、ステップS5において、プラテンのインク吸収体に吐出されるインクの堆積量を算出する。
即ち、ステップS5では、画像記録時に各インクのプラテンのインク吸収体全体への吐出液滴のドット数をカウントする。インク液滴1ドットあたりの吐出量が定められているので、吐出液滴のドット数から各インクのプラテンのインク吸収体への吐出量が計算される(第1の算出)。
続いて、ステップS6では、画像記録時に吐出された堆積し易いインクの堆積量を算出する(第2の算出)。この実施例では、堆積し易いインクとは、顔料シアンインク、顔料マゼンタインク、顔料イエロインク、顔料ブラックインクの4種類である。従って、プラテンのインク吸収体に吐出された堆積し易い4種類のインクそれぞれに対して定めれた規定値を乗じ、4種類の堆積し易いインク各々による堆積量を計算する。
次に、ステップS7では、画像記録時に吐出された堆積抑制インクの吐出総量を求める(第3の算出)。
ステップS8では、ステップS6で計算した堆積量とステップS7で求めた堆積抑制インクの吐出総量から、実際の堆積し易い4種類のインクによってプラテン上に堆積していると考えられるインクの堆積物を算出する。上述のように画像記録中は染料インクも吐出されていることから、実際にプラテン上に堆積していると予測される堆積量は、ステップS6で算出された堆積量よりも少ない堆積量となる。その後、処理はステップS3の画像記録へと進む。
例えば、上述した4種類堆積し易いインクのみがそれぞれ10ピコリットルずつプラテンのインク吸収体に吐出されたとすると、堆積量は以下のように求めることができる。即ち、
顔料シアンインクに対して10×0.5 =5ピコリットル、
顔料マゼンタインクに対して10×0.2=2ピコリットル、
顔料イエロインクに対して10×0.1 =1ピコリットル、
顔料ブラックインクに対して10×2 =20ピコリットル
と算出される。つまり合計28ピコリットル分の堆積物がプラテンのインク吸収体に発生することになる。
一方、画像記録時に堆積抑制インクもプラテンのインク吸収体に吐出されている場合には、28ピコリットル分の堆積物よりも少ない量の堆積物が発生することになる。ここでは、堆積抑制インクとして染料ブラックインクと染料グレイインク量を5ピコリットルずつ吐出された場合を示す。
ここで、堆積抑制インクが抑制抑制インクの吐出量と同等量の堆積物の発生を抑制できると仮定すると、画像記録後にプラテン吸収体に堆積すると予測される堆積物の量は次のようになる。即ち、
(5+2+1+20)−(5+5)= 18ピコリットルと
算出され、この量の堆積物がプラテン上に堆積すると算出できる。
続いて、ステップS8で算出されたインクの堆積物を除去するために、記録動作後に吐出する必要のある堆積抑制インク夫々の吐出量の算出処理についてフローチャートを参照して説明する。
図6は堆積抑制インクの吐出量算出処理を示すフローチャートである。
ステップS11でクリーニング吐出実行命令が発行されると、ステップS12ではその時点での堆積抑制のためのクリーニング吐出に用いる染料ブラックインクと染料グレイインクのインクタンク1900のインク残量に応じたインク残量ステータスを決定する。
図7はインク残量とインク残量ステータスとの関係を示す図である。
ステップS12では、図7に示す関係に従って、インク残量から、High、Low、なし、不明の4段階から、インク残量ステータスを決定する。なお、この実施例では、インクタンク未使用時の初期のインクタンク1900のインク残量は15.0g±0.5gとする。
続いて、ステップS13では、染料ブラックインクと染料グレイインクの決定されたインク残量ステータスに基づいて、図8に示すような9つのケース(Case1〜Case9)の内のいずれかを選択する。さらに、ステップS14では、その選択されたケースが9つの内のいずれであるのかを調べる。ここで、そのケースがCase1〜Case8のいずれかであった場合には処理はステップS15に進み、Case9(2つのインクとも所定の残量未満、即ち、1.0g未満)であった場合には処理はステップS18に進む。
ステップS15では、染料グレイインクと染料ブラックインクそれぞれの画像記録後に吐出するインク吐出量を決定する。ここで、図6と図8に示したA(Gray)とA(Black)は、染料グレーインクと染料ブラックインクそれぞれの係数で、記録装置のメモリなどに記憶されている図8に示すようなテーブルを参照してCase毎にその値が決定される。ステップS8で算出された堆積量にそれぞれの係数を乗じることで堆積抑制インクの画像記録後に吐出するインク吐出量が決定する。
図8のテーブルは、染料グレイインクと染料ブラックインクのうち残量が多いインクの方が多く使用されるように係数が定められている。なお、染料グレイインクと染料ブラックインクとで、堆積物を溶解しやすい性質に差がある場合には、このような性質も加味して係数が定めることが好ましい。この実施例では、染料グレイインクの方が染料ブラックインクに比べて堆積物を溶解しやすい性質があるため図8のCase4とCase7を比較してもわかるように、染料グレイインクが少なくなるように係数が定められている。
画像記録後に吐出するインク吐出量が決定されると、処理はステップS16において、クリーニング吐出実行の決定が行われる。なお、実際のクリーニング吐出は、画像記録後に実行され、ここでは、そのための実行指示がなされるのみである。
一方、ステップS14でCase9が選択されたと判断された場合、つまり、染料グレイインクも染料ブラックインクもインク残量ステータスが“なし”と判断された場合、ユーザにインクタンクの交換を指示し、その交換後、処理はステップS12に戻る。
このような処理に従えば、インク残量が多い堆積抑制インクを優先して、プラテンのインク吸収体全体に吐出を行うことで、堆積抑制のためのクリーニング吐出に用いられることになる。
以上説明した実施例に従えば、残量の少ないインクをクリーニング吐出のために使用する量を減らすことができ、クリーニング吐出のために一部のインクが頻繁になくならないようにできる。また、インクなしの場合にクリーニング吐出を実行せず、クリーニング吐出をするのに十分なインクがある場合にのみクリーニング吐出を実行することができる。

Claims (10)

  1. 記録媒体に対して記録ヘッドを走査しながら複数の種類のインクを吐出して縁なし記録を行う記録装置であって、
    前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送された記録媒体に対して前記記録ヘッドにより記録を行う記録位置に前記記録ヘッドに対向して設けられたプラテンのインク吸収体と、
    接続されたホスト装置から画像データを受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された画像データに基づいて、前記インク吸収体に堆積するインクの堆積物の量を予測する予測手段と、
    前記インクの堆積物を溶解するために、前記複数の種類のインクのうち前記インクの堆積物を溶解する溶解インクを前記インク吸収体に対して吐出するように制御する制御手段とを有し、
    前記記録ヘッドは、前記溶解インクを少なくとも2つの種類、吐出が可能であり、
    前記制御手段は、予測された前記インクの堆積物の量と各溶解インクのインクタンクの残量とに基づいて、前記インク吸収体に対して吐出する各溶解インクの吐出量を決定することを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、複数の前記溶解インクのうち、インクタンクの残量が多い溶解インクのインク吐出量が、インクタンクの残量が少ない溶解インクのインク吐出量よりも多くなるように決定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御手段は、複数の前記溶解インクすべてのインクタンクの残量が、予め定められた残量未満である場合には、前記溶解インクを前記インク吸収体に対して吐出しないように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
  4. 前記複数の種類のインクはそれぞれを収容する、着脱自在の複数のインクタンクをさらに備え、
    前記制御手段は、複数の前記溶解インクすべてのインク残量が、予め定められた残量未満である場合には、前記溶解インクを収容する新しいインクタンクを装着した後に、各溶解インクの吐出量を決定し、前記溶解インクを前記インク吸収体に対して吐出することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記予測手段は、
    前記受信手段により受信された画像データに基づいて、各インクの前記プラテンのインク吸収体への吐出量を計算する第1の算出手段と、
    前記第1の算出手段により算出された前記各インクの前記プラテンのインク吸収体への吐出量と前記各インクの堆積特性とに基づいて、前記複数の種類のインクのうち、前記プラテンのインク吸収体に堆積し易いインクの堆積物の量を計算する第2の算出手段と、
    前記受信手段により受信された画像データに基づいて、前記複数の種類のインクのうち、前記インクの堆積物を溶解する溶解インクの吐出量を計算する第3の算出手段とを有し、
    前記第2の算出手段で計算されたインクの堆積物の量と前記第3の算出手段で計算された前記インクの堆積物を溶解する溶解インクの吐出量とに基づいて、前記インク吸収体に堆積するインクの堆積物の量を予測することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記第1の算出手段は、前記縁なし記録による各インクのプラテンのインク吸収体全体への吐出液滴のドット数をカウントし、該カウントと予め定められているインク液滴1ドットあたりの吐出量とに基づいて、前記各インクの前記プラテンのインク吸収体への吐出量を計算することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記複数の種類のインクは複数の顔料インクと複数の染料インクであり、
    前記インクの堆積物を溶解する溶解インクは、前記複数の染料インクであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記複数の染料インクは、染料グレイインクと染料ブラックインクとを含むことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 予め定められた方向に走査しながらインクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された記録媒体に対して前記記録ヘッドにより記録を行う記録位置に前記記録ヘッドに対向して設けられたプラテンのインク吸収体とを備え、前記記録媒体に対して前記記録ヘッドより複数の種類のインクを吐出して縁なし記録を行う記録装置におけるクリーニング方法であって、
    接続されたホスト装置から画像データを受信する受信工程と、
    前記受信工程において受信された画像データに基づいて、前記インク吸収体に堆積するインクの堆積物の量を予測する予測工程と、
    前記インクの堆積物を溶解するために、前記複数の種類のインクのうち前記インクの堆積物を溶解する溶解インクを前記インク吸収体に対して吐出するように制御する制御工程とを有し、
    前記記録ヘッドは、前記溶解インクを少なくとも2つの種類、吐出が可能であり、
    前記制御工程では、予測された前記インクの堆積物の量と各溶解インクのインクタンクの残量とに基づいて、前記インク吸収体に対して吐出する各溶解インクの吐出量を決定することを特徴とするクリーニング方法。
  10. 前記制御工程は、複数の前記溶解インクのうち、残量が多い溶解インクのインク吐出量が、残量が少ない溶解インクのインク吐出量よりも多くなるように決定することを特徴とする請求項9に記載のクリーニング方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019048440A (ja) * 2017-09-12 2019-03-28 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置

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