JP2014141611A - 主鎖に環構造を有するグラフトポリマーおよびその製法 - Google Patents

主鎖に環構造を有するグラフトポリマーおよびその製法 Download PDF

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善知 中田
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Abstract

【課題】本発明は、主鎖に環構造を有するグラフトポリマーの製造方法並びにその製法で得られたグラフトポリマーに関する。主鎖に環構造を有する重合体とスチレン樹脂や(メタ)アクリル系樹脂等の汎用樹脂との相溶性を向上させることができる、光学特性に優れたグラフトポリマーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の製造方法は
式(II):
【化1】
Figure 2014141611

(式中、Rは水素原子、または炭素数が1〜30の有機基を表す。)で表わされる単量体を含む単量体成分を重合して得られた樹脂[A]と不飽和単量体[B]をラジカル発生剤[C]の存在下に重合することを特徴とするグラフトポリマーの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、主鎖に環構造を有するグラフトポリマーの製造方法並びにその製法で得られたグラフトポリマーに関する。
主鎖に環構造を有する重合体は、高い熱分解温度や透明性を有することから、様々な用途への使用が期待されており、近年では、優れた光学特性を有する光学部材を製造するための光学材料や、カラーフィルター用レジスト材料等として用いられることが検討されている(特許文献1、2)。そうした分野では、各種の特性を改良するために複数の樹脂材料をブレンドする手法がとられることがあるが、主鎖に環構造を有する重合体は、スチレン樹脂や(メタ)アクリル系樹脂等の汎用樹脂との相溶性に乏しいことがわかり、光学特性を活かした改良が難しいという課題があった。
特開2011−45862号公報 特開2010−37548号公報
主鎖に環構造を有する重合体とスチレン樹脂や(メタ)アクリル系樹脂等の汎用樹脂との相溶性を向上させ、光学特性に優れたグラフトポリマーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の製造方法は、式(II):
Figure 2014141611
(式中、Rは水素原子、または炭素数が1〜30の有機基を表す。)
で表わされる単量体(以下、単量体IIと表すことが有る)を含む単量体成分を重合して得られた樹脂[A]と不飽和単量体[B]をラジカル発生剤[C]の存在下に重合することを特徴とするグラフトポリマーの製造方法である。さらに、本発明は、上記の製造方法により得られたグラフトポリマーである。
本発明によれば、α−(アリルオキシメチル)アクリル酸エステル類を環化重合して得られるヘテロ脂環構造を主鎖に有する重合体のグラフトポリマーを得ることができる。該ポリマーは、相溶性、透明性等に優れることから、光学材料、電子材料、レジスト材料、印刷インキ、塗料、相溶化剤、高分子分散剤等として好適に使用することができる。
本発明は、下記式(I):
Figure 2014141611
(式中、Rは水素原子、または炭素数が1〜30の有機基を表す。)
で表わされる構造単位を主鎖中に含むグラフトポリマーの製造方法であって、更に詳しくは、式(II):
Figure 2014141611
(式中、Rは水素原子、または炭素数が1〜30の有機基を表す。)
で表される単量体を含む単量体成分を重合して得られた樹脂[A]と不飽和単量体[B]をラジカル発生剤[C]の存在下に重合することを特徴とするグラフトポリマーの製造方法である。
上記式(II)で表わされる単量体は、例えば、式:
Figure 2014141611
(式中、Rは前記と同じ。X・は開始ラジカルまたは生長ラジカルを示す)
で表わされるように、環化しながら重合して、両隣にメチレン基を配した5員環エーテル構造を繰り返し単位とする主鎖骨格を形成する。すなわち式(I)で表わされる構造単位を有するポリマーを形成する。両隣にメチレン基を配した5員環エーテル構造は、種々の基材に対する密着性に優れ、高いガラス転移温度および硬度を有しながら柔軟で追随性が高く、耐熱分解性が高い。そのため、プラスチックのみならず多くの種類の基材に密着することができ、変形への追随性、耐ブロッキング性に優れ、また各種耐久性にも優れることになる。
また、例えば、式:
Figure 2014141611
(式中、Rは前記と同じ。X・は開始ラジカルまたは生長ラジカルを示す)
で表わされるように、一部が環化せずに重合して、前記の両隣にメチレン基を配した5員環エーテル構造を繰り返し単位とする主鎖骨格の中に、側鎖にアリルエーテル基を有する単位が一部含まれるような主鎖骨格を形成することが可能である。このような、側鎖にアリルエーテル基を有する単位が生じる割合は、重合条件によって変化することが知られている。重合条件により異なるが、式(II)で表わされる単量体成分に対して、20mol%以下である。生じたアリルエーテル基はさらに反応して架橋の起点となり得るものである、特に100℃以上、好ましくは150℃以上の温度で効果的に熱硬化反応を起こして架橋する。結果として、前記の両隣にメチレン基を配した5員環エーテル構造を繰り返し単位とする強靭な主鎖骨格どうしが、耐加水分解性の高い結合であるエーテル結合を介して結合・架橋し、さらに耐久性が向上した構造を形成することができる。
<樹脂[A]>
本発明において樹脂[A]は、式(I)で表される構造単位を主鎖中に含む樹脂であり、構造単位のRは、水素原子、または炭素数が1〜30の有機基を表す。Rは、鎖状飽和炭化水素基、鎖状不飽和炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は、芳香族炭化水素基が挙げられ、その水素原子の一部又は全部をアルコキシ基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択される一つ又は二つ以上の置換基で置き換えた基であってもよい。
の具体例としては、例えば、水素原子;メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−アミル、s−アミル、t−アミル、n−ヘキシル、s−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、s−オクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、カプリル、ノニル、デシル、ウンデシル、ラウリル、トリデシル、ミリスチル、ペンタデシル、セチル、ヘプタデシル、ステアリル、ノナデシル、エイコシル、セリル、メリシルなどの鎖状飽和炭化水素基;メトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、3−メトキシブチル、エトキシエチル、エトキシエトキシエチル、フェノキシエチル、フェノキシエトキシエチルなどの鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をアルコキシ基で置き換えたアルコキシ置換鎖状飽和炭化水素基;ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルなどの鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をヒドロキシ基で置き換えたヒドロキシ置換鎖状飽和炭化水素基;フルオロエチル、ジフルオロエチル、クロロエチル、ジクロロエチル、ブロモエチル、ジブロモエチルなどの鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をハロゲンで置き換えたハロゲン置換鎖状飽和炭化水素基;ビニル、アリル、メタリル、クロチル、プロパギルなどの鎖状不飽和炭化水素基、及びその水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた鎖状不飽和炭化水素基;シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、ジシクロペンタジエニルなどの脂環式炭化水素基、及びその水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた脂環式炭化水素基;フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、ベンジル、ジフェニルメチル、ジフェニルエチル、トリフェニルメチル、シンナミル、ナフチル、アントラニルなどの芳香族炭化水素基、及びその水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた芳香族炭化水素基;グリシジル、β−メチルグリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、テトラヒドロフルフリル、3−メチル−3−オキセタニルメチル、3−エチル−3−オキセタニルメチルなどの環状エーテル基、及びその水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた環状エーテル基などが挙げられる。また、これら有機基にさらに置換基が結合していてもよい。置換基としてのアルコキシ基は、炭素数が1〜30であることが好ましく、上記したようなメトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。なお、本発明の重合体中には、式(I)で表される構造単位が繰り返し単位として複数存在することになるが、これら式(I)中のRは、同一であってもよく、異なる2種以上であってもよい。
樹脂[A]は、式(II)で表される単量体を含む単量体成分を重合して得られる樹脂であるが、式(II)で表される単量体を具体的に例示すると、α−アリルオキシメチルアクリル酸、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸i−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘプチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸カプリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸デシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ウンデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ラウリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ミリスチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ペンタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヘプタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノナデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エイコシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メリシルのような、上記式(II)におけるRが鎖状飽和炭化水素基であるもの;α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メトキシエトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3−メトキシブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エトキシエトキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸フェノキシエトキシエチルのような、Rが鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をアルコキシ基で置き換えたアルコキシ置換鎖状飽和炭化水素基であるもの;α−アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシプロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヒドロキシブチルのような、Rが鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をヒドロキシ基で置き換えたヒドロキシ置換鎖状飽和炭化水素基であるもの;α−アリルオキシメチルアクリル酸フルオロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフルオロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸クロロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジクロロエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ブロモエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジブロモエチルのような、式(II)におけるRが鎖状飽和炭化水素基の水素原子の一部をハロゲンで置き換えたハロゲン置換鎖状飽和炭化水素基であるもの;α−アリルオキシメチルアクリル酸ビニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メタリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸クロチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸プロパギルのような、Rが鎖状不飽和炭化水素基、及びその水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた鎖状不飽和炭化水素基であるもの;α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロペンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−メチルシクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリシクロデカニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸イソボルニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アダマンチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジシクロペンタジエニルのような、Rが脂環式炭化水素基、及びその水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた脂環式炭化水素基であるもの;α−アリルオキシメチルアクリル酸フェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジメチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリメチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸4−t−ブチルフェニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ベンジル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフェニルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ジフェニルエチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリフェニルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸シンナミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ナフチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸アントラニルのような、Rが芳香族炭化水素基、及びその水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた芳香族炭化水素基であるもの;α−アリルオキシメチルアクリル酸グリシジル、α−アリルオキシメチルアクリル酸β−メチルグリシジル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸テトラヒドロフルフリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3−メチル−3−オキセタニルメチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチルのような、Rが環状エーテル基、及びその水素原子の一部をアルコキシ基、ヒドロキシ基やハロゲンで置き換えた環状エーテル基であるもの;などが挙げられる。これら単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらのうち、α―アリルオキシメチルアクリル酸メチルが特に好ましい。
樹脂[A]は、上記単量体以外に、共重合可能な他の単量体を共重合しても良い。
共重合可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸類;コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等の不飽和基とカルボキシル基の間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和酸無水物類;スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,5−ジクロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン等の芳香族ビニル類;メチルマレイミド、エチルマレイミド、イソプロピルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、ナフチルマレイミドなどのN置換マレイミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;などが挙げられる。これらの共重合可能な他の単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらのうち、後述する理由で、スチレン、アクリロニトリルが特に好ましい。
上記共重合可能な他の単量体を樹脂[A]に共重合する割合は特に制限がないが、樹脂[A]を構成する全単量体成分に対し、1〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、20〜55質量%が更に好ましい。
上記、単量体成分の重合方法としては特に制限はなく、公知の方法で重合して樹脂[A]を得ることができる。重合方法としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の重合方法を用いることができ、溶液重合が工業的に有利で、分子量などの構造調整も容易であり好ましい。重合機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に基づいた重合方法を用いることができるが、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業的にも有利であるため好ましい。
樹脂[A]は、前記の通り、式(I)の繰り返し単位を有すると同時に、式(II)で表わされる単量体に由来するアリルエーテル基を有する。アリルエーテル基は、架橋点として働き、架橋反応を生じる。アリルエーテル基量は、反応溶媒により変化することが知られているが、共重合成分の種類と量によっても変化し、特に、スチレン、及び/またはアクリロニトリルと共重合することで、アリルエーテル基量を調整することができる。即ち、スチレン及び/またはアクリロニトリルの共重合量を増やすにつれ、環化率が低下し、アリルエーテル基量を多くすることができる。ただし、アリルエーテル基量は、式(II)で表わされる単量体の共重合量と、環化率によって決まるため、環化率が最小となる組成がアリルエーテル基量が最大となる組成と一致するとは限らない。本発明のグラフト重合は、上記アリルエーテル基を起点として重合が進行する。グラフト重合を有効に行なうための樹脂[A]に含まれるアリルエーテル基の含有量としては、0.1mmol/g以上が好ましく、0.2mmol/g以上がより好ましく、0.3mmol/g以上が更に好ましい。上限としては、1.0mmol/g以下が好ましく、0.9mmol/g以下がより好ましく、0.8mmol/g以下が更に好ましい。
スチレン、及び/またはアクリロニトリルと共重合する場合、その割合は重合体(A)を構成する単量体成分に対し1〜90モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、20〜70モル%が更に好ましい。このような範囲であるとアリルエーテル基を上記範囲にすることができる。なお、アリルエーテル基の定量は、NMRを用いることで求めることができる。
<グラフトポリマー>
本発明のグラフトポリマーは、樹脂[A]と不飽和単量体[B]をラジカル発生剤[C]の存在下に重合することにより得ることができる。
<不飽和単量体[B]>
ここで不飽和単量体[B]としては、(メタ)アクリル酸エステル単位、芳香族ビニル化合物単位、不飽和カルボン酸化合物単位、不飽和カルボン酸アミド化合物単位、シアン化ビニル化合物単位等のビニル化合物単位が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、α−ヒドロキシアクリル酸メチル、α−ヒドロキシアクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステルの重合により形成される構成単位が挙げられ、特に、メタクリル酸メチル単位、メタクリル酸シクロヘキシル単位、メタクリル酸イソボルニル単位、メタアクリル酸ベンジル単位が好ましい。
芳香族ビニル化合物単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,5−ジクロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物の重合により形成される構成単位が挙げられ、特に、スチレン単位が好ましい。
不飽和カルボン酸化合物単位としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの酸およびこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩の重合により形成される構成単位が挙げられる。
不飽和カルボン酸アミド化合物単位としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、N,N−ジ(n−プロピル)アクリルアミド、N−(n−ブチル)アクリルアミド、N−(n−ヘキシル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−オクチル)(メタ)アクリルアミド、N−(t−オクチル)アクリルアミド、N−(n−ドデシル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジグリシジル(メタ)アクリルアミド、N−(4−グリシドキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(5−グリシドキシペンチル)アクリルアミド、N−(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの化合物の重合により形成される構成単位が挙げられる。
シアン化ビニル化合物単位としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル単位が挙げられる。
その他のビニル化合物単位としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド;アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニルなどのジビニルエステル類;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド類;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;の重合により形成される構成単位が挙げられる。
不飽和単量体[B]と上記ビニル化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
不飽和単量体[B]の量としては特に制限はないが、樹脂[A]100質量部に対して不飽和単量体[B]を5質量部以上1000質量部以下が好ましく、10質量部以上、500質量部以下が更に好ましい。このような範囲であると、相溶性が優れるグラフトポリマーとなる。
<ラジカル発生剤[C]>
ラジカル発生剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシー2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ化合物;t−ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素などの過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、重合開始剤とともに遷移金属塩やアミン類等の還元剤を併用してもよい。
グラフトポリマーの重合方法としては、特に制限なく、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等の手法を用いる事ができる。グラフトポリマーの好ましい重合方法は溶液重合である。典型的には、樹脂[A]、不飽和単量体[B]、ラジカル発生[C]を溶剤に溶解した状態で、攪拌、加熱することによってグラフト重合を行なう。
好ましい重合方法のひとつは、樹脂[A]を溶液重合した反応液に不飽和単量体[B]と、ラジカル発生剤[C]を加えて、樹脂[A]の重合に引き続いてグラフト重合を行なうことである。その場合、樹脂[A]の重合において、単量体成分の重合率を十分に高くしておくことが必要となる。好ましくは重合率95%以上。更に好ましくは98%以上である。
上記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、水等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
さらにグラフト重合に際し、分子量の調節あるいは架橋等の副反応の抑制のために、メルカプタン類(たとえばn−ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン等)を使用してもよい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<アリルエーテル基の定量方法>
白色粉末状の試料30mgを重クロロホルム1gに溶解し、核磁気共鳴装置(200MHz、Varian社製)で重合体の1H−NMRを測定し、5.8ppmのアリル基のメチンプロトンと3.9ppm付近の酸素に隣接する炭素に結合するプロトンとの強度比から、残存アリル基の量(割合)を定量し求めた。
(合成例1)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応装置に、アリルオキシメチルアクリル酸メチル(AMA)20部と、重合溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)30部とを仕込み、これに窒素を通じつつ、75℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤として0.02部の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ二トリル)を10部のMEKに溶解した溶液(滴下液−1)を6時間かけて定量滴下し、同時にAMA20部をMEK30部を混合した溶液(滴下液−2)を4時間かけて定量滴下した。滴下中、還流状態を維持し、滴下開始から7時間、重合反応を行なった。ガスクロマトグラフィーにより求めたAMAの重合率は99%であった。得られた樹脂の重量平均分子量(Mw;GPC、標準ポリスチレン換算)は2.8万、1H−NMRにより評価したところ、樹脂あたりの側鎖アリルエーテル基は0.2mmol/gであった。
(合成例2)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応装置に、アリルオキシメチルアクリル酸メチル(AMA)20部と、スチレン20部、溶媒としてトルエン60部とを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤として0.1部のt−アミルパーオキシイソノナノエートを加えて重合を開始した。還流状態を維持しながら、2時間後、4時間後にそれぞれ、0.1部のt−アミルパーオキシイソノナノエートを添加し、重合開始から6時間まで反応を行なった。反応液を大量のメタノールにより再沈し、固体の樹脂を得た。得られた樹脂の重量平均分子量(Mw;GPC、標準ポリスチレン換算)は2.1万、1H−NMRにより評価したところ、側鎖アリルエーテル基は0.4mmol/gであった。
(実施例1)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応装置に、合成例1で得た樹脂の反応液100部と、スチレン40部を仕込み、これに窒素を通じつつ、80℃まで昇温させた。ラジカル発生剤としてt−ブチルパーオキシピバレートを0.25部添加し重合を開始した。2時間後、さらにt−ブチルパーオキシピバレートを0.25部加え、重合開始から5時間まで反応を行なった。反応液を大量のメタノールにより再沈し、グラフトポリマーを含んだ固体状の樹脂を得た。
上記で得られたグラフトポリマーを含んだ固体状の樹脂10部と、市販のポリスチレン(分子量20万)10部をメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、ガラス板上にアプリケーターを用いて薄く塗布した。100℃の熱風乾燥機で乾燥した後の塗膜は完全に透明であった。また、示差走査熱量測定(DSC)によりガラス転移温度を測定すると、85℃に一つのガラス転移温度が検出され、ポリスチレンがグラフトポリマーを含む固体状の樹脂と相溶している事が確認された。
(実施例2)
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応装置に、合成例2で得た固体の樹脂50部と、メタクリル酸メチル50部、溶媒としてMEK80部を仕込み、これに窒素を通じつつ、80℃まで昇温させた。固体の樹脂が完全に溶解したことを確認し、ラジカル発生剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.5部をMEK5部に溶解した液を添加し重合を開始した。2時間後、さらに、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.5部をMEK5部に溶解した液を添加し、重合開始から5時間まで反応を行なった。反応液を大量のメタノールにより再沈し、グラフトポリマーを含んだ固体状の樹脂を得た。
上記で得られたグラフトポリマーを含んだ固体状の樹脂10部と、市販のポリメチルメタクリレート(PMMA:分子量18万)10部をMEKに溶解し、ガラス板上にアプリケーターを用いて薄く塗布した。100℃の熱風乾燥機で乾燥した後の塗膜は完全に透明であった。また、DSCによりガラス転移温度を測定すると、95℃に一つのガラス転移温度が検出され、PMMAがグラフトポリマーを含んだ固体の樹脂と相溶している事が確認された。
(比較例1)合成例1で得られた樹脂10部と、市販のポリスチレン(分子量20万)10部をメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、ガラス板上にアプリケーターを用いて薄く塗布した。塗膜は濁りがあり、DSCによりガラス転移温度を測定すると、72℃と100℃の2つのガラス転移温度が検出された。
(比較例2)合成例2で得られた樹脂10部と、PMMA10部をMEKに溶解し、ガラス板上にアプリケーターを用いて薄く塗布した。塗膜は濁りがあり、DSCによりガラス転移温度を測定すると、78℃と112℃の2つのガラス転移温度が検出された。
本発明の製法で得られたグラフトポリマーは、相溶性、透明性に優れることがわかった。

Claims (4)

  1. 下記式(I):
    Figure 2014141611
    (式中、Rは水素原子、または炭素数が1〜30の有機基を表す。)
    で表わされる繰り返し単位を主鎖中に含むグラフトポリマーの製造方法であって、
    式(II):
    Figure 2014141611
    (式中、Rは水素原子、または炭素数が1〜30の有機基を表す。)
    で表わされる単量体を含む単量体成分を重合して得られた樹脂[A]と不飽和単量体[B]をラジカル発生剤[C]の存在下に重合することを特徴とするグラフトポリマーの製造方法。
  2. 前記樹脂[A]中に式(II)に由来するアリルエーテル基が0.1mmol/g以上存在することを特徴とする請求項1記載のグラフトポリマーの製造方法
  3. 前記樹脂[A]が式(II)で表わされる単量体とスチレンおよび/またはアクリルニトリルを含む単量体の共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載のグラフトポリマーの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの製造方法により得られたグラフトポリマー。
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