JP2014141367A - 生体溶解性無機繊維及びその組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な生体溶解性無機繊維とその無機繊維を得るための組成物を提供する。
【解決手段】Al2O3及びCaOから選択される1成分又は2成分と、MgOを、主成分として含む無機繊維用組成物。
【選択図】なし
【解決手段】Al2O3及びCaOから選択される1成分又は2成分と、MgOを、主成分として含む無機繊維用組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、新規な生体溶解性無機繊維とその無機繊維を得るための組成物に関する。
アスベストは、軽量で扱いやすく且つ耐熱性に優れるため、例えば、耐熱性のシール材として使用されていた。しかしアスベストは人体に吸入されて肺に疾患を引き起こすため使用が禁止され、これに代わりにセラミック繊維等が使用されている。セラミック繊維等は、耐熱性がアスベストに匹敵する程高いが、生体溶解性が十分でないためやはり人体に吸入されて肺に侵入することによる問題が指摘されている。そこで、人体に吸入されても問題を起こさない又は起こしにくい生体溶解性無機繊維を目指して、様々な生体溶解性繊維が開発されている(例えば、特許文献1,2)。
従来の生体溶解性繊維の研究では、pH7.4の生理食塩水に対し溶解性の高い繊維を求めていた。しかしながら、繊維が吸入されるのは肺であり、肺のマクロファージのpHは4.5である。従って、pH4.5の生理食塩水に対する溶解性の高い繊維が、より効果的に肺内で溶解、分解されることが期待される。
また、従来の無機繊維は、アスベストと同様に、様々なバインダーや添加物とともに、定形物、不定形物に二次加工されて、熱処理装置、工業窯炉や焼却炉等の炉における目地材、耐火タイル、断熱レンガ、鉄皮、モルタル耐火物等の隙間を埋める目地材、シール材、パッキング材、断熱材等として用いられている。従って、使用の際は高温に晒されることが多く、耐熱性を有することが好ましい。また、炉においては壁面にアルミナが使用されていることが多く、二次加工品に含まれる繊維が、このアルミナと反応し二次加工品や壁面が付着したり溶融しないことが好ましい。
本発明の目的は、新規な生体溶解性無機繊維とその無機繊維を得るための組成物を提供することである。
本発明によれば、以下の無機繊維用組成物及び無機繊維等が提供される。
1.Al2O3及びCaOから選択される1成分又は2成分と、MgOを、主成分として含む無機繊維用組成物。
2.MgOを3.0質量%以上含む1記載の無機繊維用組成物。
3.以下の組成を有する1又は2記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 0.0〜97.0質量%
CaO 0.0〜97.0質量%
MgO 3.0〜94.0質量%
4.以下の組成を有する1〜3のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 6.0〜97.0質量%
CaO 0.0〜72.0質量%
MgO 3.0〜65.0質量%
5.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 16.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜62.0質量%
MgO 4.0〜55.0質量%
6.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 26.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜52.0質量%
MgO 4.0〜45.0質量%
7.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 31.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜47.0質量%
MgO 4.0〜40.0質量%
8.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 49.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜47.0質量%
MgO 4.0〜40.0質量%
9.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 64.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜36.0質量%
MgO 4.0〜28.0質量%
10.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 60.0〜84.0質量%
CaO 3.0〜36.0質量%
MgO 4.0〜20.0質量%
11.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 60.0〜81.0質量%
CaO 12.0〜33.0質量%
MgO 7.0〜20.0質量%
12.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 60.0〜78.0質量%
CaO 12.0〜30.0質量%
MgO 10.0質量%超20.0質量%以下
13.Al2O3、CaO及びMgOの合計は80.0質量%以上である1〜5のいずれか記載の無機繊維用組成物。
14.Al2O3、CaO及びMgOの合計は90.0質量%以上である1〜6のいずれか記載の無機繊維用組成物。
15.Al2O3、CaO及びMgOの合計は95.0質量%以上である1〜6のいずれか記載の無機繊維用組成物。
16.1〜15のいずれか記載の無機繊維用組成物から得られる無機繊維。
17.1200℃においてAl2O3と反応しない16記載の無機繊維。
18.溶融した1〜15のいずれか記載の無機繊維用組成物を繊維化する16記載の無機繊維の製造方法。
19.16記載の無機繊維を用いて得られる定形物又は不定形物。
1.Al2O3及びCaOから選択される1成分又は2成分と、MgOを、主成分として含む無機繊維用組成物。
2.MgOを3.0質量%以上含む1記載の無機繊維用組成物。
3.以下の組成を有する1又は2記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 0.0〜97.0質量%
CaO 0.0〜97.0質量%
MgO 3.0〜94.0質量%
4.以下の組成を有する1〜3のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 6.0〜97.0質量%
CaO 0.0〜72.0質量%
MgO 3.0〜65.0質量%
5.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 16.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜62.0質量%
MgO 4.0〜55.0質量%
6.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 26.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜52.0質量%
MgO 4.0〜45.0質量%
7.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 31.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜47.0質量%
MgO 4.0〜40.0質量%
8.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 49.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜47.0質量%
MgO 4.0〜40.0質量%
9.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 64.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜36.0質量%
MgO 4.0〜28.0質量%
10.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 60.0〜84.0質量%
CaO 3.0〜36.0質量%
MgO 4.0〜20.0質量%
11.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 60.0〜81.0質量%
CaO 12.0〜33.0質量%
MgO 7.0〜20.0質量%
12.以下の組成を有する1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 60.0〜78.0質量%
CaO 12.0〜30.0質量%
MgO 10.0質量%超20.0質量%以下
13.Al2O3、CaO及びMgOの合計は80.0質量%以上である1〜5のいずれか記載の無機繊維用組成物。
14.Al2O3、CaO及びMgOの合計は90.0質量%以上である1〜6のいずれか記載の無機繊維用組成物。
15.Al2O3、CaO及びMgOの合計は95.0質量%以上である1〜6のいずれか記載の無機繊維用組成物。
16.1〜15のいずれか記載の無機繊維用組成物から得られる無機繊維。
17.1200℃においてAl2O3と反応しない16記載の無機繊維。
18.溶融した1〜15のいずれか記載の無機繊維用組成物を繊維化する16記載の無機繊維の製造方法。
19.16記載の無機繊維を用いて得られる定形物又は不定形物。
本発明によれば、新規な生体溶解性無機繊維とその無機繊維を得るための組成物を提供することができる。尚、本発明における生体溶解性は、pH4.5の生理食塩水に対する溶解性を言う。
本発明の繊維用組成物は、Al2O3及びCaOから選択される1成分又は2成分と、MgOを、主成分として含む。
主成分とは、組成物が含む全ての成分のうち最も含有量(質量%)の高い2成分又は3成分が、Al2O3及びCaOから選択される1又は2と、MgOであることを意味する。
好ましくは、Al2O3、CaO及びMgOを、主成分として含む。
好ましくは、粘度調整剤としてMgOを3.0質量%以上含む。
主成分とは、組成物が含む全ての成分のうち最も含有量(質量%)の高い2成分又は3成分が、Al2O3及びCaOから選択される1又は2と、MgOであることを意味する。
好ましくは、Al2O3、CaO及びMgOを、主成分として含む。
好ましくは、粘度調整剤としてMgOを3.0質量%以上含む。
本発明の繊維用組成物は、生体溶解性と耐熱性の観点から、好ましくは以下の組成を有する。
Al2O3 0.0〜97.0質量%
CaO 0.0〜97.0質量%
MgO 3.0〜94.0質量%
Al2O3 0.0〜97.0質量%
CaO 0.0〜97.0質量%
MgO 3.0〜94.0質量%
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al2O3 6.0〜97.0質量%
CaO 0.0〜72.0質量%
MgO 3.0〜65.0質量%
Al2O3 6.0〜97.0質量%
CaO 0.0〜72.0質量%
MgO 3.0〜65.0質量%
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al2O3 16.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜62.0質量%
MgO 4.0〜55.0質量%
Al2O3 16.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜62.0質量%
MgO 4.0〜55.0質量%
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al2O3 26.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜52.0質量%
MgO 4.0〜45.0質量%
Al2O3 26.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜52.0質量%
MgO 4.0〜45.0質量%
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al2O3 31.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜47.0質量%
MgO 4.0〜40.0質量%
Al2O3 31.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜47.0質量%
MgO 4.0〜40.0質量%
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al2O3 49.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜47.0質量%
MgO 4.0〜40.0質量%
Al2O3 49.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜47.0質量%
MgO 4.0〜40.0質量%
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al2O3 64.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜36.0質量%
MgO 4.0〜28.0質量%
Al2O3 64.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜36.0質量%
MgO 4.0〜28.0質量%
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al2O3 60.0〜84.0質量%
CaO 3.0〜36.0質量%
MgO 4.0〜20.0質量%
Al2O3 60.0〜84.0質量%
CaO 3.0〜36.0質量%
MgO 4.0〜20.0質量%
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al2O3 60.0〜81.0質量%
CaO 12.0〜33.0質量%
MgO 7.0〜20.0質量%
Al2O3 60.0〜81.0質量%
CaO 12.0〜33.0質量%
MgO 7.0〜20.0質量%
上記の組成をさらに以下の組成とすることができる。
Al2O3 60.0〜78.0質量%
CaO 12.0〜30.0質量%
MgO 10.0質量%超20.0質量%以下
Al2O3 60.0〜78.0質量%
CaO 12.0〜30.0質量%
MgO 10.0質量%超20.0質量%以下
上記の組成の各成分の量を任意に組み合わせてもよい。
上記の各組成において、特定する成分の合計を、80.0質量%以上、90.0質量%以上、95.0質量%以上、97.0質量%以上、98.0質量%以上、99.0質量%以上又は100.0質量%としてもよい。
特定する成分以外の残りは他の元素の酸化物又は不純物等である。
上記の各組成において、特定する成分の合計を、80.0質量%以上、90.0質量%以上、95.0質量%以上、97.0質量%以上、98.0質量%以上、99.0質量%以上又は100.0質量%としてもよい。
特定する成分以外の残りは他の元素の酸化物又は不純物等である。
本発明の組成物は、Sc,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y又はこれらの混合物から選択されるそれぞれの酸化物を含んでも含まなくてもよい。これらの酸化物の量を、それぞれ20.0質量%以下、10.0質量%以下、5.0質量%以下、3.0質量%以下、2.0質量%以下、1.0質量%以下、0.5質量%以下、0.2質量%以下又は0.1質量%以下としてもよい。
アルカリ金属酸化物(K2O、Na2O、Li2O等)の各々は含まれても含まれなくてもよく、アルカリ金属酸化物はそれぞれ又は合計で20.0質量%以下、10.0質量%以下、5.0質量%以下、3.0質量%以下、2.0質量%以下、1.0質量%以下、0.5質量%以下、0.2質量%以下又は0.1質量%以下とすることができる。
ZrO2、ZnO、B2O3、P2O5、SrO、BaO、Cr2O3、SiO2、Fe2O3、TiO2の各々は含まれても含まれなくてもよく、それぞれ20.0質量%以下、10.0質量%以下、5.0質量%以下、3.0質量%以下、2.0質量%以下、1.0質量%以下、0.5質量%以下、0.2質量%以下又は0.1質量%以下とすることができる。
本発明の組成物は通常以下の物質を含まない、又は含んでもそれぞれ0.2質量%以下又は0.1質量%以下である。
フッ素、硫酸カルシウム、酸化ヒ素、酸化ゲルマニウム、酸化テルル、酸化バナジウム、酸化イオウ、フッ素分子、リン化合物、スズ、コバルト、酸化マンガン、フッ化物、酸化銅。
フッ素、硫酸カルシウム、酸化ヒ素、酸化ゲルマニウム、酸化テルル、酸化バナジウム、酸化イオウ、フッ素分子、リン化合物、スズ、コバルト、酸化マンガン、フッ化物、酸化銅。
本発明の組成物から無機繊維を得ることができる。
本発明の繊維は溶融法、ゾルゲル法等公知の方法で製造できるが、低コストのため溶融法が好ましい。溶融法では、通常の方法により、原料の溶融物を作製し、この溶融物を繊維化して製造する。例えば、高速回転しているホイール上に熔解した原料を流し当てることで繊維化するスピニング法及び熔解した原料に圧縮空気を当てることで繊維化するブロー法等により製造できる。
本発明の繊維は溶融法、ゾルゲル法等公知の方法で製造できるが、低コストのため溶融法が好ましい。溶融法では、通常の方法により、原料の溶融物を作製し、この溶融物を繊維化して製造する。例えば、高速回転しているホイール上に熔解した原料を流し当てることで繊維化するスピニング法及び熔解した原料に圧縮空気を当てることで繊維化するブロー法等により製造できる。
本発明の繊維は公知の被覆材により被覆されていてもいなくてもよい。被覆により保存や使用時の溶解性を調整できる。
本発明の繊維は、原料の組成物の組成と同じであり、上記の組成を有することにより、pH4.5の生理食塩水に対する溶解性(生体溶解性)を有する。
pH4.5の生理食塩水に対する溶解性は、実施例の測定方法で、好ましくは1.0mg/g以上、より好ましくは1.5mg/g以上、さらに好ましくは3.0mg/g以上である。
pH4.5の生理食塩水に対する溶解性は、実施例の測定方法で、好ましくは1.0mg/g以上、より好ましくは1.5mg/g以上、さらに好ましくは3.0mg/g以上である。
また、好ましくは、pH7.4の生理食塩水に対する溶解性(生体溶解性)を有する。
pH7.4の生理食塩水に対する溶解性は、実施例の測定方法で、好ましくは1.0mg/g以上、より好ましくは1.5mg/g以上、さらに好ましくは3.0mg/g以上である。
pH7.4の生理食塩水に対する溶解性は、実施例の測定方法で、好ましくは1.0mg/g以上、より好ましくは1.5mg/g以上、さらに好ましくは3.0mg/g以上である。
溶解速度定数は、実施例の測定方法で、好ましくは10ng/cm2・h以上、より好ましくは50ng/cm2・h以上、さらに好ましくは100ng/cm2・h以上、特に好ましくは200ng/cm2・h以上である。
本発明の繊維は、好ましくはアルミナ反応性が低い。アルミナ反応性は、実施例の測定方法で、好ましくは付着しないか、反応しない。
本発明の繊維は、好ましくは800℃以上、1000℃以上、1100℃以上、1200℃以上、1300℃以上、1400℃以上で耐熱性を有する。具体的には、実施例の測定方法で、体積収縮率(%)が、1400℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下である。1300℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは23%以下、最も好ましくは15%以下である。1200℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは23%以下、最も好ましくは15%以下である。1100℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは23%以下、最も好ましくは15%以下である。1000℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは23%以下、最も好ましくは15%以下である。800℃−8時間で40%以下、好ましくは30%以下、更に好ましくは23%以下、最も好ましくは15%以下である。
本発明の繊維は、好ましくは、実施例の測定方法で、線収縮率は、各温度(600℃、800℃、1000℃、1100℃、1200℃、1300℃、1400℃、1500℃、1600℃)において、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
繊維の加熱収縮率は、繊維からブランケットを製造して1100℃,1260℃で24時間焼成した前後で測定することができる。また、引張強度は万能試験機により測定できる。
さらに、本発明の繊維は、必須成分の種類を少なくできるので、配合過程の工数が減り、コスト減となる。また微妙な配合量を調整する成分の種類が少ないことは製造の困難性を低減する。
本発明の繊維から、バルク、ブランケット、ブロックや、水等の溶媒を使用し製造するボード、モールド、ペーパー、フェルト等の定形品が得られる。また、水等の溶媒を使用し製造する不定形材料(マスチック、キャスター、コーティング材等)も得られる。
実施例1〜18
表1に示す繊維組成について以下のように検討した。
まず、表1に示す組成となるように原料を混合し、プレス加工して成形体を得た。この成形体を加熱溶融し、急冷して得られた物を粉砕しサンプルを得た。このサンプルを用いて以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
表1に示す繊維組成について以下のように検討した。
まず、表1に示す組成となるように原料を混合し、プレス加工して成形体を得た。この成形体を加熱溶融し、急冷して得られた物を粉砕しサンプルを得た。このサンプルを用いて以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
(1)生体溶解性
サンプル1gを、pH4.5又はpH7.4の生理食塩水150mLが入った三角フラスコ(容積300mL)に入れた。このフラスコを、37℃のインキュベーター内に設置して、毎分120回転の水平振動を2.5時間継続した。その後、ろ過により得られた濾液に含有されている各元素の量(mg)をICP発光分析装置により測定し、その合計を溶出量とした(mg/サンプル1g)。
サンプル1gを、pH4.5又はpH7.4の生理食塩水150mLが入った三角フラスコ(容積300mL)に入れた。このフラスコを、37℃のインキュベーター内に設置して、毎分120回転の水平振動を2.5時間継続した。その後、ろ過により得られた濾液に含有されている各元素の量(mg)をICP発光分析装置により測定し、その合計を溶出量とした(mg/サンプル1g)。
(2)体積収縮率
サンプルを成形して、直径約7mm、高さ約15mmの円柱状サンプルを得た。この円柱状サンプルを1400℃8時間加熱して、体積収縮率(%)を求めた。
サンプルを成形して、直径約7mm、高さ約15mmの円柱状サンプルを得た。この円柱状サンプルを1400℃8時間加熱して、体積収縮率(%)を求めた。
(3)アルミナ耐反応性
サンプルを成形して、直径約7mm、厚み約5mmの円柱状サンプルを得た。この円柱状サンプルをアルミナ板に載せて、1400℃8時間加熱して、付着や溶融の有無を観察した。円柱状サンプルが溶融したときは4、付着したときは3、付着しないが痕が残ったときは2、付着もせず痕も残らないときは1とした。
サンプルを成形して、直径約7mm、厚み約5mmの円柱状サンプルを得た。この円柱状サンプルをアルミナ板に載せて、1400℃8時間加熱して、付着や溶融の有無を観察した。円柱状サンプルが溶融したときは4、付着したときは3、付着しないが痕が残ったときは2、付着もせず痕も残らないときは1とした。
比較例1
SiO2を47.2質量%、Al2O3を52.7質量%含むセラミック繊維(従来の耐熱性無機繊維)(比較例1)について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
SiO2を47.2質量%、Al2O3を52.7質量%含むセラミック繊維(従来の耐熱性無機繊維)(比較例1)について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例19〜31
表2に示す組成の繊維を溶融法で製造した。
得られた繊維を以下の方法で評価した。その結果を表2に示す。
表2に示す組成の繊維を溶融法で製造した。
得られた繊維を以下の方法で評価した。その結果を表2に示す。
(1)線収縮率
加熱収縮率は、繊維からフリース又はブランケットを製造して、1000℃、1400℃で、8時間焼成した前後で測定した。製造した各サンプル表面に白金ピンを2点以上打ち込み、その白金ピン間の距離を加熱前後で測定し、その寸法変化率を線収縮率(%)とした。
加熱収縮率は、繊維からフリース又はブランケットを製造して、1000℃、1400℃で、8時間焼成した前後で測定した。製造した各サンプル表面に白金ピンを2点以上打ち込み、その白金ピン間の距離を加熱前後で測定し、その寸法変化率を線収縮率(%)とした。
(2)アルミナ耐反応性
純度99%以上のアルミナ粉末約1gを、直径17mmの金型でプレス成形しペレットとした。このペレットを、繊維から製造したフリース状またはブランケット(縦横50mm、厚み5〜50mm)のサンプル上に置いて、この状態で1000℃〜1400℃で8時間加熱し、加熱後の反応性を確認した。ペレットと全く反応していない場合を○、サンプルと軽い付着(簡単に手でペレットがはがせ、外観でペレットとサンプルが溶融していない状態)を△、反応有り(ペレットとサンプルが溶融し付着している状態)を×とした。
純度99%以上のアルミナ粉末約1gを、直径17mmの金型でプレス成形しペレットとした。このペレットを、繊維から製造したフリース状またはブランケット(縦横50mm、厚み5〜50mm)のサンプル上に置いて、この状態で1000℃〜1400℃で8時間加熱し、加熱後の反応性を確認した。ペレットと全く反応していない場合を○、サンプルと軽い付着(簡単に手でペレットがはがせ、外観でペレットとサンプルが溶融していない状態)を△、反応有り(ペレットとサンプルが溶融し付着している状態)を×とした。
(3)溶解速度定数
繊維を、メンブレンフィルター上に置き、繊維上にマイクロポンプによりpH4.5又はpH7.4の生理食塩水を滴下させ、繊維、フィルターを通った濾液を容器内に貯めた。貯めた濾液を24時間経過後に取り出し、溶出成分をICP発光分析装置により定量した。測定元素は主要元素であるMg、Al、Caの3元素とした。繊維径を測定して単位表面積・単位時間当たりの溶出量である溶解速度定数k(単位:ng/cm2・h)に換算した。
繊維を、メンブレンフィルター上に置き、繊維上にマイクロポンプによりpH4.5又はpH7.4の生理食塩水を滴下させ、繊維、フィルターを通った濾液を容器内に貯めた。貯めた濾液を24時間経過後に取り出し、溶出成分をICP発光分析装置により定量した。測定元素は主要元素であるMg、Al、Caの3元素とした。繊維径を測定して単位表面積・単位時間当たりの溶出量である溶解速度定数k(単位:ng/cm2・h)に換算した。
本発明の無機繊維は、断熱材、またアスベストの代替品として、様々な用途に用いることができる。
Claims (19)
- Al2O3及びCaOから選択される1成分又は2成分と、MgOを、主成分として含む無機繊維用組成物。
- MgOを3.0質量%以上含む請求項1記載の無機繊維用組成物。
- 以下の組成を有する請求項1又は2記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 0.0〜97.0質量%
CaO 0.0〜97.0質量%
MgO 3.0〜94.0質量% - 以下の組成を有する請求項1〜3のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 6.0〜97.0質量%
CaO 0.0〜72.0質量%
MgO 3.0〜65.0質量% - 以下の組成を有する請求項1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 16.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜62.0質量%
MgO 4.0〜55.0質量% - 以下の組成を有する請求項1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 26.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜52.0質量%
MgO 4.0〜45.0質量% - 以下の組成を有する請求項1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 31.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜47.0質量%
MgO 4.0〜40.0質量% - 以下の組成を有する請求項1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 49.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜47.0質量%
MgO 4.0〜40.0質量% - 以下の組成を有する請求項1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 64.0〜93.0質量%
CaO 3.0〜36.0質量%
MgO 4.0〜28.0質量% - 以下の組成を有する請求項1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 60.0〜84.0質量%
CaO 3.0〜36.0質量%
MgO 4.0〜20.0質量% - 以下の組成を有する請求項1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 60.0〜81.0質量%
CaO 12.0〜33.0質量%
MgO 7.0〜20.0質量% - 以下の組成を有する請求項1〜4のいずれか記載の無機繊維用組成物。
Al2O3 60.0〜78.0質量%
CaO 12.0〜30.0質量%
MgO 10.0質量%超20.0質量%以下 - Al2O3、CaO及びMgOの合計は80.0質量%以上である請求項1〜5のいずれか記載の無機繊維用組成物。
- Al2O3、CaO及びMgOの合計は90.0質量%以上である請求項1〜6のいずれか記載の無機繊維用組成物。
- Al2O3、CaO及びMgOの合計は95.0質量%以上である請求項1〜6のいずれか記載の無機繊維用組成物。
- 請求項1〜15のいずれか記載の無機繊維用組成物から得られる無機繊維。
- 1200℃においてAl2O3と反応しない請求項16記載の無機繊維。
- 溶融した請求項1〜15のいずれか記載の無機繊維用組成物を繊維化する請求項16記載の無機繊維の製造方法。
- 請求項16記載の無機繊維を用いて得られる定形物又は不定形物。
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