JP2014139154A - トランスグルタミナーゼ活性化剤 - Google Patents
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Abstract
Description
このようにセラミドには種々の効能が期待できることもあり、セラミドの産出を促進しうる物質の探求が望まれている。
また、本発明は、セラミドの産生を促進し、皮膚のバリア機能や保湿機能の維持又は改善、肌荒れの予防又は改善などに有用な、セラミド産生促進剤の提供を課題とする。
さらに、本発明は、インボルクリンの発現を促進し、皮膚のバリア機能や保湿機能の維持又は改善、肌荒れの予防又は改善、並びに毛髪のくせ毛化、縮毛、ウェーブ化に有用な、インボルクリン発現促進剤の提供を課題とする。
また、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、インボルクリン発現促進剤に関する。
また、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、表皮角化改善剤に関する。
また、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、皮膚保湿機能改善剤に関する。
また、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、皮膚バリア機能改善剤に関する。
また、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、肌荒れ予防又は改善剤に関する。
さらに、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、くせ毛化剤に関する。
本発明のセラミド産生促進剤は、セラミドの産生を促進し、皮膚のバリア機能や保湿機能の維持又は改善、肌荒れの予防又は改善などに有用である。
本発明のインボルクリン発現促進剤は、インボルクリンの発現を促進し、皮膚のバリア機能維持又は改善、肌荒れの予防又は改善や毛髪のくせ毛化、縮毛、ウェーブ化に有用である。
また、本明細書において、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処置行為を含まない概念である。
また、本明細書において、「予防」とは、個体における疾患若しくは症状の発症の防止又は遅延、あるいは個体の疾患若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。
さらに、本明細書において、「肌荒れ」とは、皮膚の保湿力が低下して皮膚の水分が奪われ、皮膚表面に落屑や皮膚のひび割れが認められる状態又は皮膚表面粗さが大きくなるような状態をいう。このような状態の皮膚を「あれ肌」又は「ドライスキン」ともいう。
また、本発明の表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、及び肌荒れ予防又は改善剤も、一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする。前述のように、トランスグルタミナーゼの活性化、セラミドの産生促進、インボルクリンの発現促進は、表皮の角化改善や皮膚の保湿機能の改善、皮膚のバリア機能維持及び肌荒れの予防又は改善に非常に重要である。したがって、トランスグルタミナーゼ活性化効果、セラミドの産生促進効果、及びインボルクリン発現促進効果を有する一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を、表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、及び肌荒れ予防又は改善剤の有効成分とすることができる。
また、前述のように、セラミドは細胞の増殖、分化、アポトーシス等の制御に関係する。そのため、セラミドの産生を促進する一般式(1)で表される化合物は、動物細胞の増殖抑制、分化誘導、アポトーシスの誘導等により、炎症性疾患、悪性腫瘍など、細胞の増殖あるいは分化の異常に起因する疾患を予防又は治療するための医薬品、医薬部外品等に有用である。また、一般式(1)で表される化合物は、骨粗鬆症、骨折、腰痛、リウマチなどの骨関節疾患の予防又は改善、歯周病の予防又は改善のための医薬品、医薬部外品等にも使用しうる。さらに、一般式(1)で表される化合物は、毛髪にハリ・コシを付与したり毛髪の感触を改善するための医薬部外品、化粧品等の用途にも有用である。
さらに、前述のように、インボルクリン遺伝子の発現量を増加させる物質がくせ毛や縮毛の促進剤又はウェーブ化促進剤となりうる。したがって、インボルクリン発現促進効果を有する一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を、くせ毛化剤の有効成分とすることができる。なお、本明細書において「くせ毛化」とは、毛髪のくせ毛や縮毛の促進、ウェーブ化の促進を包含するものである。
R1及びR2で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、sec-ブトキシ基及びiso-ブトキシ基が挙げられる。
R1及びR2は、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1若しくは2のアルコキシ基(メトキシ基若しくはエトキシ基)であることがより好ましく、水素原子又はメトキシ基であることがさらに好ましい。
R6で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、iso-ブトキシ基及びペンチルオキシ基が挙げられる。このうち、炭素数1又は2のアルコキシ基(メトキシ基又はエトキシ基)が好ましい。
R6で表されるアシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。このうち、アセトキシ基及びプロピオニルオキシ基が好ましく、アセトキシ基がより好ましい。
なお、R4及びR5が水素原子である場合、R6は水素原子であることが好ましい。
R11及びR12で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、sec-ブトキシ基及びiso-ブトキシ基が挙げられる。
R11及びR12は、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1又は2のアルコキシ基(メトキシ基若しくはエトキシ基)であることがより好ましく、メトキシ基であることがさらに好ましい。
R21及びR22で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、sec-ブトキシ基及びiso-ブトキシ基が挙げられる。
R21及びR22は、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1又は2のアルコキシ基(メトキシ基若しくはエトキシ基)であることがより好ましく、メトキシ基であることがさらに好ましい。
例示化合物(12):ジャスチシジンB(6,7-ジメトキシ-9-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ナフト[2,3-c]フラン-1(3H)-オン)
例示化合物(13):ジフィリン(4-ヒドロキシ-6,7-ジメトキシ-9-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ナフト[2,3-c]フラン-1(3H)-オン)
例示化合物(14):ジャスチシジンA(4,6,7-トリメトキシ-9-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ナフト[2,3-c]フラン-1(3H)-オン)
例示化合物(15):4-エトキシ-6,7-ジメトキシ-9-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ナフト[2,3-c]フラン-1(3H)-オン
例示化合物(16):4-アセトキシ-6,7-ジメトキシ-9-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ナフト[2,3-c]フラン-1(3H)-オン
例示化合物(17):ツベルクラチン((-)-4-[(D-アピオ-β-D-フラノシル)オキシ]-9-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-6,7-ジメトキシ-1H-ナフト[2,3-c]フラン-3-オン)
例示化合物(18):ツベルクラチン-5''-アセテート
例示化合物(19):ジャスティルマリン(フロ[3',4',6,7]ナフト[1,2-d]-1,3-ジオキソール-9(7H)-オン)
下記に、一般式(1)で表される化合物の合成例を示す。
2-ブロモ-5,6-ジメトキシベンズアルデヒドとエチレングリコールとの反応から得られたアセタール化合物を、塩基性条件下で3,4-(メチレンジオキシ)ベンズアルデヒドと反応させ、さらにDEADC(ジエチルアセチレンカルボキシレート)の存在下、加温条件下で反応を行ない、最後にNaBH4による還元を行なうことで例示化合物(13)を合成することができる。
2-ブロモ-5,6-ジメトキシベンズアルデヒドとエチレングリコールの反応から得られたアセタール化合物を、塩基性条件下で3,4-(メチレンジオキシ)ベンズアルデヒドと反応させ、無水マレイン酸の存在下、酸性条件下で加熱し、最後にNaBH4による還元を行なうことで例示化合物(12)を得ることができる。
例示化合物(13)に対して、塩基性条件下ヨウ化メチルを作用させることで例示化合物(14)を得ることができる。
塩基性条件下で例示化合物(13)にブロモアルカンを添加することによって、例示化合物(15)を得ることができる。
例示化合物(13)を出発物質として、例示化合物(13)の水酸基を一般的なアシル化方法によりアシル化することで例示化合物(16)を得ることができる。
抽出物の製造には、前記植物の任意の部分が使用可能であり、全草、根、塊根、根茎、幹、枝、茎、葉(葉身、葉柄等)、樹皮、樹液、樹脂、花(花弁、子房等)、果実(成熟果実、未熟果実等)、種子等を用いることができる。また、これらの部位を複数組み合わせて用いてもよい。
前記抽出物は、植物抽出等に用いられる通常の抽出方法により得ることができる。抽出方法は適宜設定することができ、上記植物を常温又は加温下にて抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ることが好ましい。
前記抽出物の調製には、前記植物をそのまま又は乾燥粉砕して用いることができる。また、前記植物の水蒸気蒸留物又は圧搾物を用いることもでき、これらは精油等より精製したものを用いることもでき、また市販品を利用することもできる。前記植物、又はその水蒸気蒸留物若しくは圧搾物は、いずれかを単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Haplophyllum patavinum、Cleistanthus Collinusの抽出物からの一般式(1)で表される化合物の単離は、Chem.Pharm.Bull.,2002,vol.50,p.844-846、Tetrahedron,1969,vol.25,p.2815-2821などに記載の方法に従って行えばよく、これらの植物の抽出物から単離される一般式(1)で表される化合物として例示化合物(12)、例示化合物(13)などが挙げられる。
上記手順に従い得られたハグロソウ又はキツネノマゴの抽出物、又は必要に応じて上記添加溶媒によるさらなる抽出若しくは液液分配にかけられた抽出物は、シリカゲルカラム等によるカラムクロマトグラフィーにかけられる。カラムクロマトグラフィーでは、例えば、ヘキサン−酢酸エチルで酢酸エチル比率0%から100%まで60分間でグラジエントをかけ、その後酢酸エチル−メタノールでメタノール比率0%から10%まで30分間でグラジエントかけた後、100%メタノールで30分間溶出を行ない、この際ヘキサン/酢酸エチル=1/9比率付近から100%メタノールで溶出されてくる画分を取得すればよい。それらの画分はメタノールに不溶であるものと可溶であるものに分離することができ、メタノールに不溶であるものは0.1%ギ酸水溶液−アセトニトリルの2層系で逆相HPLCにかけられ、20分間の50%アセトニトリルによる溶出でおよそ10分から15分付近に溶出されてくる画分を取得すればよい。一方メタノール可溶であるものは、0.1%ギ酸水溶液−アセトニトリルの2層系で逆相HPLCにかけられ、16分間の35%アセトニトリルによる溶出でおよそ12分から15分付近に溶出されてくる画分を取得すればよい。
必要に応じて、得られた画分のトランスグルタミナーゼ活性を測定することによって、一般式(1)で表される化合物を含む画分であることを確認することができる。トランスグルタミナーゼ活性の測定方法は、例えば後述の実施例に記載されるような方法に準じて行えばよい。
その他の化粧料組成物に配合可能な成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、美白剤(例えば、アスコルビン酸及びその誘導体、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等)、各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等)、血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等)、抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等)、抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)及び殺菌剤(例えば、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、チモール類、塩化ベンザルコニウム等)等が挙げられる。
皮膚外用組成物の形態で使用する場合、一般式(1)で表される化合物の他に、通常の皮膚外用組成物に用いられる成分、例えば界面活性剤、油性物質、高分子化合物、防腐剤、各種の薬効成分、紛体、紫外線吸収剤、色素、香料、乳化安定剤、pH調整剤等を適宜配合できる。薬効成分としては、表皮角化改善剤や皮膚保湿機能改善剤の場合は、例えば、ビタミンD3、スフィンゴシン誘導体、オレアノール酸、クロフィブリン酸、オレイエタノールアミドが挙げられる。
本発明に用いる前記一般式(1)で表される化合物、並びに本発明のトランスグルタミナーゼ活性化剤、セラミド産生促進剤、インボルクリン発現促進剤、表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、肌荒れ予防若しくは改善剤、又はくせ毛化剤は、表皮の角化不全の予防若しくは治療、皮膚の保湿、皮膚バリア機能の改善、肌荒れの予防若しくは改善、又は毛髪のくせ毛化を所望する対象者に適用することができる。前記化合物又は剤は、必要な条件下(好ましくは、湿度が低く乾燥した条件下)で適用するのが好ましい。また、前記化合物又は剤は、皮膚、頭皮又は毛髪に適用するのが好ましい。
<2>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、セラミド産生促進剤。
<3>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、インボルクリン発現促進剤。
<4>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、表皮角化改善剤。
<5>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、皮膚保湿機能改善剤。
<6>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、皮膚バリア機能改善剤。
<7>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、肌荒れ予防又は改善剤。
<8>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、くせ毛化剤。
<10>一般式(1)において、R1が水素原子であり、R2及びR3が互いに結合してメチレンジオキシ基を形成する、前記<1>〜<8>項のいずれか1項記載のトランスグルタミナーゼ活性化剤、セラミド産生促進剤、インボルクリン発現促進剤、表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、肌荒れ予防若しくは改善剤、又はくせ毛化剤。
<11>一般式(1)において、R4及びR5が互いに結合してメチレンジオキシ基を形成する、前記<1>〜<10>項のいずれか1項記載のトランスグルタミナーゼ活性化剤、セラミド産生促進剤、インボルクリン発現促進剤、表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、肌荒れ予防若しくは改善剤、又はくせ毛化剤。
<12>一般式(1)において、R4、R5及びR6が水素原子である、前記<1>〜<10>項のいずれか1項記載のトランスグルタミナーゼ活性化剤、セラミド産生促進剤、インボルクリン発現促進剤、表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、肌荒れ予防若しくは改善剤、又はくせ毛化剤。
<17>トランスグルタミナーゼ活性化剤、セラミド産生促進剤又はインボルクリン発現促進剤の製造のための、一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種の使用。
<18>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を、トランスグルタミナーゼ活性化剤、セラミド産生促進剤又はインボルクリン発現促進剤として使用する方法。
<19>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を用いる、トランスグルタミナーゼ活性化方法、セラミド産生促進方法又はインボルクリン発現促進方法。
<20>前記化合物を表皮の角化不全の予防若しくは治療、皮膚の保湿、皮膚バリア機能の改善、肌荒れの予防若しくは改善、又は毛髪のくせ毛化を所望する対象者に適用する、前記<19>項記載の方法。
<21>前記化合物の適用が必要な条件下(好ましくは、湿度が低く乾燥した条件下)で前記抽出物を適用する、前記<19>又は<20>項記載の方法。
<22>前記化合物を皮膚、頭皮又は毛髪に適用する、前記<19>〜<21>のいずれか1項記載の方法。
<23>一般式(1)において、R1及びR2が水素原子又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基(好ましくは水素原子又は炭素数1若しくは2のアルコキシ基、より好ましくは水素原子又はメトキシ基)であり、R3が水素原子である、前記<16>〜<22>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<24>一般式(1)において、R1が水素原子であり、R2及びR3が互いに結合してメチレンジオキシ基を形成する、前記<16>〜<22>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<25>一般式(1)において、R4及びR5が互いに結合してメチレンジオキシ基を形成する、前記<16>〜<24>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<26>一般式(1)において、R4、R5及びR6が水素原子である、前記<16>〜<24>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<27>一般式(1)で表される化合物が式(11)で表される化合物、又は一般式(2)〜(4)のいずれかで表される化合物である、前記<16>〜<26>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<28>一般式(1)で表される化合物が式(11)〜(19)の化合物群より選ばれる、前記<16>〜<27>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<29>トランスグルタミナーゼ活性化剤、セラミド産生促進剤又はインボルクリン発現促進剤における一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種の含有量が、1.0×10-10質量%以上(好ましくは1.0×10-9質量%以上、より好ましくは1.0×10-8質量%以上)0.01質量%以下(好ましくは0.005質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、さらに好ましくは1.0×10-4質量%以下)である、前記<16>〜<28>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<31>表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、肌荒れ予防若しくは改善剤、又はくせ毛化剤の製造のための、一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種の使用。
<32>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を、表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、肌荒れ予防若しくは改善剤、又はくせ毛化剤として使用する方法。
<33>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を適用する、表皮角化改善方法、皮膚保湿機能改善方法、皮膚バリア機能改善方法、肌荒れ予防若しくは改善方法、又はくせ毛化方法。
<34>前記化合物を表皮の角化不全の予防若しくは治療、皮膚の保湿、皮膚バリア機能の改善、肌荒れの予防若しくは改善、又は毛髪のくせ毛化を所望する対象者に適用する、前記<32>又は<33>項記載の方法。
<35>前記化合物の適用が必要な条件下(好ましくは、湿度が低く乾燥した条件下)で前記抽出物を適用する、前記<32>〜<34>のいずれか1項記載の方法。
<36>前記化合物を皮膚、頭皮又は毛髪に適用する、前記<32>〜<35>のいずれか1項記載の方法。
<37>皮膚の表皮角化不全の予防若しくは治療方法、皮膚保湿機能改善方法、皮膚バリア機能改善方法、肌荒れ予防若しくは改善方法、又はくせ毛化方法のために用いる、一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種。
<38>皮膚の表皮角化不全の予防若しくは治療薬、皮膚保湿機能改善薬、皮膚バリア機能改善薬、肌荒れ予防若しくは改善薬、又はくせ毛化薬の製造のための、一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種の使用。
<39>皮膚の表皮角化不全、皮膚保湿機能、皮膚バリア機能、肌荒れ、又はくせ毛化の非治療的な処置方法のために用いる、一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種の使用。
<40>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を医薬組成物又は化粧料組成物の形態で適用する、前記<39>項記載の使用。
<41>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を外用組成物の形態で適用する、前記<40>項記載の使用。
<42>一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を食品又は飲料の形態で適用する、前記<39>項記載の使用。
<43>一般式(1)において、R1及びR2が水素原子又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基(好ましくは水素原子又は炭素数1若しくは2のアルコキシ基、より好ましくは水素原子又はメトキシ基)であり、R3が水素原子である、前記<30>〜<42>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<44>一般式(1)において、R1が水素原子であり、R2及びR3が互いに結合してメチレンジオキシ基を形成する、前記<30>〜<42>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<45>一般式(1)において、R4及びR5が互いに結合してメチレンジオキシ基を形成する、前記<30>〜<44>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<46>一般式(1)において、R4、R5及びR6が水素原子である、前記<30>〜<44>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<47>一般式(1)で表される化合物が式(11)で表される化合物、又は一般式(2)〜(4)のいずれかで表される化合物である、前記<30>〜<46>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<48>一般式(1)で表される化合物が式(11)〜(19)の化合物群より選ばれる、前記<30>〜<47>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
<49>前記表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、肌荒れ予防若しくは改善剤、又はくせ毛化剤における、一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種の含有量が、1.0×10-10質量%以上(好ましくは1.0×10-9質量%以上、より好ましくは1.0×10-8質量%以上)0.01質量%以下(好ましくは0.005質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、さらに好ましくは1.0×10-4質量%以下)である、前記<30>〜<48>項のいずれか1項記載の使用又は方法。
キツネノマゴ(新和物産社製)500gを50体積%エタノール5Lで抽出し、溶媒を濃縮して、抽出固形分44gを得た。得られた抽出固形分を、水と酢酸エチルを用いて液液分配を行い、酢酸エチル層4.7g(収率11%)を得た。
酢酸エチル層をさらにシリカゲルカラムにより分画した。シリカゲルカラムとしてHi-Flushカラム(4L、山善製)を用いた。まずヘキサン100%で10分間流した後、ヘキサン−酢酸エチルで酢酸エチル比率0%から100%まで60分間グラジエントをかけ、その後酢酸エチル−メタノールでメタノール比率0%から10%まで30分間でグラジエントをかけた後、最後に100%メタノールで30分間溶出した。流速30mL/分で流して2分ごとに分画を行なった後、各フラクションのTLC分析より、Rf値の近いものをそれぞれまとめることで7画分を得た。
キツネノマゴ(新和物産社製)500gを99.5体積%エタノール5Lで抽出し、溶媒を濃縮した。抽出固形分を、水と酢酸エチルを用いて液液分配を行い、酢酸エチル層3.8g(収率75.4%)を得た。
酢酸エチル層2.5gをさらにシリカゲルカラムにより分画した。シリカゲルカラムとしてHi-Flushカラム(2L、山善製)を用いた。まずヘキサン100%で10分間流した後、ヘキサン−酢酸エチルで酢酸エチル比率0%から100%まで60分間グラジエントをかけ、その後酢酸エチル−メタノールでメタノール比率0%から10%まで30分間でグラジエントをかけた後、最後に100%メタノールで30分間溶出した。流速6mL/分で流して2分ごとに分画を行なった後、各フラクションのTLC分析より、Rf値の近いものをそれぞれまとめることで画分(13)、画分(14)、画分(15)を得た。
特許第4167733号明細書の記載に準じて、アスナロ(Thujopsis dolabrata)抽出物から比較化合物(1)及び(2)を調製した。
12穴プレートにヒト表皮角化細胞株HEKn(KURABO社製)を4×104個/ウェルにて播種し、培養した。培地には、市販のクラボウ社製EpiLife-KG2を用いた。37℃、5%CO2条件下で一日培養後、増殖因子(BPE、EGF)を含まない培地に交換し、各種化合物のDMSO溶液を最終濃度が表4に示す値となるように、それぞれ添加した。また、各種化合物に代えて、コントロールとしてDMSOを最終濃度0.1%(v/v)で、ポジティブ・コントロールとしてCaCl2を最終濃度1.5mMで、それぞれ添加した。なお、CaCl2には角化を促す作用が知られており、ポジティブ・コントロールとして用いた。これらはいずれも更に37℃で3日間培養した。
培養終了後、培養液を除去し、PBS(−)で2回洗浄し、150μLの抽出緩衝液(0.5mM EDTA、1%TritonX-100、Protease inhibitorsを含む10mM Tris-HCl buffer、PH7.4)でセルスクレーパーを用い細胞を回収し、超音波処理による細胞破砕液を得た。遠心分離操作(15,000rpm、10分)によって得られた上清をライセートとして評価に用いた。Transglutaminase Colorimetric Microassay Kit(商品名)によりメーカーの使用説明書に従って、酵素活性を測定した。タンパク質濃度はBCA Protein Assay Kit(商品名、Thermo Scientific社製)を用いてメーカーの使用説明書に従って、定量した。
さらに、トランスグルタミナーゼ活性は皮膚のバリア機能維持、保湿機能の維持又は改善、及び肌荒れの予防又は改善に関係し、トランスグルタミナーゼを活性化することで、表皮の角化不全の防止や皮膚の保湿機能の改善、及び肌荒れの予防又は改善などが可能となる。したがって、トランスグルタミナーゼ活性化効果を有する一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、及び肌荒れ予防又は改善剤の有効成分とすることができる。
培養プレートを用い、培養液(商品名:EpiLife-KG2、KURABO社製)中にて、正常ヒト表皮角化細胞(商品名:NHEK(F)、KURABO社製)を37℃、5%CO2で培養した。
その後、培養液を上皮成長因子などの増殖因子を除いたEpiLife-KG2に換え、例示化合物(12)を濃度が0.1μMとなるように添加した。また、例示化合物(12)のかわりに、コントロールとして50体積%エタノールを0.01%添加した。
3日間培養した後、各々の細胞を1wellごと回収した。
また、脂質を抽出した後の細胞に0.1N NaOH、1%SDS水溶液を加え、60℃で2時間加熱することにより、タンパク質を可溶化し、室温まで冷却した後2N HClを加えて中和し、タンパク量をBCA法により定量した。
結果を表6に示す。
さらに、セラミドは皮膚のバリア機能維持、保湿機能の維持又は改善、及び肌荒れの予防又は改善に関係し、セラミドの産生を促進することで、表皮の角化不全の防止や皮膚の保湿機能の改善、及び肌荒れの予防又は改善などが可能となる。したがって、セラミドの産生促進効果を有する一般式(1)で表される化合物を表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、及び肌荒れ予防又は改善剤の有効成分とすることができる。
(1)細胞培養
ヒト表皮角化細胞株HaCaTは、DMEM(ギブコ社製)に、非働化した10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン−ストレプトマイシン(ギブコ社製)を添加した培地で37℃、5%CO2条件下で培養した。
1次スクリーニングにはInvolucrin ELISA Assay Kit BT-650(商品名、BTI製)を一部プロトコルを改変して使用した。詳細なプロトコルを以下に示す。
6穴プレートにHaCaT細胞を5×104個/ウェルにて播種し、培養した。翌日、例示化合物(18)を表7に示す最終濃度含む培地に交換して更に24時間培養した。また、例示化合物(18)のかわりに、コントロールとして溶媒であるDMSOを最終濃度0.1%v/v含む培地に交換してさらに24時間培養したものを用いた。例示化合物(18)の添加から24時間後、細胞をPBS(−)で2回洗浄し、RNeasy(登録商標)Mini Kit(QIAGEN社製)を用いてtotal RNAを抽出した。total RNAの濃度を測定し、一定量のtotal RNAを鋳型とし、High capacity RNA-to-cDNA Kit(商品名、Applied Biosystems社製)を用いて逆転写反応を行った。
得られたcDNAから、Real-time RT-PCRにより、IVL遺伝子発現の定量を行った。20μLの反応系にて、増幅条件は95℃、15秒の変性反応、60℃、1分のアニーリング、伸長反応にて行った。それぞれの遺伝子発現量はRPLP0発現量により補正し、DMSOを添加したときのIVL遺伝子の発現量を1とした場合の相対値として示した。
結果を表7に示す。
さらに、インボルクリンの発現は皮膚のバリア機能維持、保湿機能の維持又は改善、及び肌荒れの予防又は改善に関係し、インボルクリンの発現を促進することで、表皮の角化不全の防止や皮膚の保湿機能の改善、及び肌荒れの予防又は改善などが可能となる。また、インボルクリン遺伝子の発現量を増加させる物質がくせ毛や縮毛の促進剤又はウェーブ化促進剤となりうる。したがって、インボルクリン発現促進効果を有する一般式(1)で表される化合物を表皮角化改善剤、皮膚保湿機能改善剤、皮膚バリア機能改善剤、肌荒れ予防又は改善剤、及びくせ毛化剤の有効成分とすることができる。
Claims (16)
- 一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、トランスグルタミナーゼ活性化剤。
- 一般式(1)で表される化合物が式(11)で表される化合物、又は一般式(2)〜(4)のいずれか1つで表される化合物である、請求項1記載のトランスグルタミナーゼ活性化剤。
- 一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、セラミド産生促進剤。
- 一般式(1)で表される化合物が式(11)で表される化合物、又は一般式(2)〜(4)のいずれか1つで表される化合物である、請求項3記載のセラミド産生促進剤。
- 一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、インボルクリン発現促進剤。
- 一般式(1)で表される化合物が式(11)で表される化合物、又は一般式(2)〜(4)のいずれか1つで表される化合物である、請求項5記載のインボルクリン発現促進剤。
- 一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、表皮角化改善剤。
- 一般式(1)で表される化合物が式(11)で表される化合物、又は一般式(2)〜(4)のいずれか1つで表される化合物である、請求項7記載の表皮角化改善剤。
- 一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、皮膚保湿機能改善剤。
- 一般式(1)で表される化合物が式(11)で表される化合物、又は一般式(2)〜(4)のいずれか1つで表される化合物である、請求項9記載の皮膚保湿機能改善剤。
- 一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、皮膚バリア機能改善剤。
- 一般式(1)で表される化合物が式(11)で表される化合物、又は一般式(2)〜(4)のいずれか1つで表される化合物である、請求項11記載の皮膚バリア機能改善剤。
- 一般式(1)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を有効成分とする、肌荒れ予防又は改善剤。
- 一般式(1)で表される化合物が式(11)で表される化合物、又は一般式(2)〜(4)のいずれか1つで表される化合物である、請求項13記載の肌荒れ予防又は改善剤。
- 一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を有効成分とする、くせ毛化剤。
- 一般式(1)で表される化合物が式(11)で表される化合物、又は一般式(2)〜(4)のいずれか1つで表される化合物である、請求項15記載のくせ毛化剤。
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