JP2014136675A - 金属イオン蛍光プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】金属イオン測定用蛍光プローブとして有用な化合物を提供する。
【解決手段】下記式(I):
Figure 2014136675

[式中、R1及びR2は、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]で表される化合物又はその塩(ただし、1,4−ビス(キノリン−2−イルメチル)−1,4−ジアザシクロヘプタンを除く。)。]
【選択図】なし

Description

本発明は、金属イオン、特に、鉄イオン、水銀イオン又はカドミウムイオンの蛍光プローブとして有用な化合物に関する。本発明はまた、上記化合物を用いる金属イオン濃度の測定方法に関する。
従来、試料中に微量に含まれる金属の測定には、原子吸光分析装置や誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)発光分析装置が汎用されてきたが、これらはいずれも大型且つ非常に高価な装置であり、また、これら装置の操作には一定の熟練した技能が要求されるものであった。
更に、キャピラリー電気泳動により複数の金属を分離して、紫外吸収を測定すること等により試料中に含まれていた複数の金属を同時に測定する方法が知られている。この方法は高価な装置を使用せずに測定を行える方法であるが、試料中の多くの共存化学物質もまた紫外光を吸収するため、それにより測定が妨害される場合がある。
一方、蛍光光度法は、上記吸光検出法と比較して感度が高く、装置が安価で前処理等を含め取扱いも容易であるという利点を有する。また、蛍光顕微鏡、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡を初めとした測定機器の飛躍的な進歩もあり、微量金属の定量や生体内の金属イオンの動的挙動を追跡できる手法の一つとして、現在広く汎用されている(非特許文献1)。
金属、特に水銀、カドミウム等に代表される重金属類は、電気・熱伝導性、発色特性等の多くの優位性のため古くから工業的、産業的応用が広く行われてきた。これら重金属類は、イオンとして生体内に取り込まれた場合、生体内に蓄積して蛋白質機能を阻害、暴走させ、消化器系、神経系の臓器障害の原因となることが確認されており、現在では厳しい使用管理制限が設けられている。しかし、使用規制や環境管理が制定される以前の水源や土壌への流出物が、現在もなお健康被害を引き起こす要因となり得る上、これらの重金属類は、本来自然界にも一定量存在しており、環境及び健康管理の観点から、有害重金属イオンの簡便かつ迅速な検出を可能にする分析法の確立が急務となっている。
また、生体内には、生理活性物質の代謝や合成など生体機能の維持に関与している多数の金属が存在するが、中でも鉄は最も含量の多い必須金属元素である。それ故、鉄イオンの検出及び定量は、血液及び尿の分析等の医学分野に応用可能であるため極めて重要である。これまで、ヘキサシアノ鉄イオンを用いた呈色反応や1,10−フェナントロリンを用いた2価の鉄イオンの比色分析は良く知られているが、いずれも検出感度は高いものではなかった。
最近、上記重金属類、鉄等の金属イオンを定量するための蛍光プローブ(「金属イオン蛍光センサー」と称されることもある。)がいくつか報告されている(非特許文献2、3)。
一方、本発明者らは、安価に製造可能なN,N,N’,N’−テトラキス(2−キノリルメチル)エチレンジアミン(TQEN)等が金属イオン蛍光センサーとして有用であることを報告したが、これらは亜鉛イオンを特異的に検出する蛍光センサーである(特許文献1)。
特開2005−194244号公報
釜谷美則, ぶんせき, 2008, 4, 158-162. Jeong, Y. and Yoon, Inorganica Chimica Acta, 2012, 381, 2-14. Hyman, L. M. and Franz, K. J., Coordination Chemistry Reviews, 2012, 256, 2333-2356.
これまでに報告されている金属イオン蛍光プローブ(特に、鉄イオン、水銀イオン又はカドミウムイオン測定のための蛍光プローブ)の多くは、いずれも複雑な化学構造を有し、その合成には多段階を要するものであり、実用面で問題が残されていた。
本発明の目的は、安価且つ簡便に合成可能で、また高価な装置を使用することなく、重金属類、鉄等の金属イオンを、簡便、正確且つ高感度に測定できるようにするための金属イオン測定用蛍光プローブを提供することにある。
本発明者は、かかる状況下、鋭意検討を重ねた結果、下記の式(I):
Figure 2014136675
[式中、
及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
で表される化合物又はその塩(以下、化合物(I)と称する場合がある。)が、水系溶媒中で特定の金属イオン(特に、3価の鉄イオン、水銀イオン又はカドミウムイオン)と選択的な錯形成能を示すこと、並びに該化合物が3価の鉄イオン、水銀イオン又はカドミウムイオンに対して選択的且つ高感度な蛍光プローブとなることを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]式(I):
Figure 2014136675
[式中、
及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
で表される化合物又はその塩(ただし、1,4−ビス(キノリン−2−イルメチル)−1,4−ジアザシクロヘプタンを除く。)、
[2]R及びRが、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基である、上記[1]記載の化合物又はその塩、
[3]R及びRが、独立してそれぞれ、C1−6アルコキシ基により置換されていてもよい2−キノリル基であり、並びに
m及びnが、独立してそれぞれ、1又は2であり、且つm+n=2又は3である、上記[1]記載の化合物又はその塩、
[4]式(I):
Figure 2014136675
[式中、
及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
で表される化合物又はその塩を含有する金属イオン測定用蛍光プローブ、
[5]R及びRが、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基である、上記[4]記載の蛍光プローブ、
[6]R及びRが、独立してそれぞれ、C1−6アルコキシ基により置換されていてもよい2−キノリル基であり、並びに
m及びnが、独立してそれぞれ、1又は2であり、且つm+n=2又は3である、上記[4]記載の蛍光プローブ、
[7]金属イオンが、鉄イオン、水銀イオン又はカドミウムイオンである、上記[4]〜[6]のいずれかに記載の蛍光プローブ、
[8]式(I):
Figure 2014136675
[式中、
及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
で表される化合物又はその塩と金属イオンとから形成される金属錯体(ただし、1,4−ビス(キノリン−2−イルメチル)−1,4−ジアザシクロヘプタンと鉄イオン若しくはマンガンイオンとから形成される錯体を除く。)、
[9]R及びRが、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基である、上記[8]記載の金属錯体、
[10]R及びRが、独立してそれぞれ、C1−6アルコキシ基により置換されていてもよい2−キノリル基であり、並びに
m及びnが、独立してそれぞれ、1又は2であり、且つm+n=2又は3である、上記[8]記載の金属錯体、
[11]金属イオンが、鉄イオン、水銀イオン又はカドミウムイオンである、上記[8]〜[10]のいずれかに記載の金属錯体、
[12]以下の工程を含む、金属イオンの測定方法:
(1)式(I):
Figure 2014136675
[式中、
及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
で表される化合物又はその塩と、金属イオンとを反応させる工程、及び
(2)上記工程で形成される金属錯体の蛍光強度を測定する工程、
[13]R及びRが、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基である、上記[12]記載の方法、
[14]R及びRが、独立してそれぞれ、C1−6アルコキシ基により置換されていてもよい2−キノリル基であり、並びに
m及びnが、独立してそれぞれ、1又は2であり、且つm+n=2又は3である、上記[12]記載の方法、
[15]金属イオンが、鉄イオン、水銀イオン又はカドミウムイオンである、上記[12]〜[14]のいずれかに記載の方法、
等に関する。
本発明によれば、特定の金属イオン、特に3価の鉄イオン、水銀イオン、カドミウムイオンと選択的な錯形成能を有し、安価且つ簡便に合成可能な金属測定用蛍光プローブを提供することができる。また、本発明に係る蛍光プローブは、官能基変換を容易に行え、且つ該官能基変換により検出可能な金属イオンの種類や検出感度を容易に調節することができる。さらに本発明によれば、該蛍光プローブを用いる金属イオンの高感度な測定方法も提供することができる。
各種の金属イオン(2当量)存在下での化合物(I−1a)の蛍光応答を示した図である。 各種の金属イオン(2当量)存在下での化合物(I−1b)の蛍光応答を示した図である。 各種の金属イオン(2当量)存在下での化合物(I−1d)の蛍光応答を示した図である。 アセトニトリル中で化合物(I−1a)を水銀イオンで滴定し、その変化を紫外可視吸収スペクトルによって追跡した結果を示した図である。 アセトニトリル中で化合物(I−1a)を水銀イオンで滴定し、水銀イオンの添加量における波長408nmでの蛍光強度の変化を示した図である。 アセトニトリル中で化合物(I−1a)を3価の鉄イオンで滴定し、その変化を紫外可視吸収スペクトルによって追跡した結果を示した図である。 アセトニトリル中で化合物(I−1a)を3価の鉄イオンで滴定し、3価の鉄イオンの添加量における波長411nmでの蛍光強度の変化を示した図である。 アセトニトリル中で化合物(I−1d)をカドミウムイオンで滴定し、その変化を紫外可視吸収スペクトルによって追跡した結果を示した図である。 アセトニトリル中で化合物(I−1d)をカドミウムイオンで滴定し、カドミウムイオンの添加量における波長405nmでの蛍光強度の変化を示した図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
(定義)
本明細書中、「測定」とは、定量と検出の両者を包含する。
本明細書中、金属測定用蛍光プローブを用いて測定を行う金属は、試料中における存在の有無又はその濃度を測定しようとする金属である。
金属としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属又はその他の金属を挙げることができる。
より具体的には、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム又はフランシウムを挙げることができる。
また、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム又はラジウムを挙げることができる。
そして、遷移金属としては、例えば、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルビジウム、ラドン、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金又は金等を挙げることができる。
更に、その他の金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、水銀、タリウム、鉛、ビスマス又はポロニウム等を挙げることができる。
本発明の金属測定用蛍光プローブを用いて測定を行うのに特に好ましい金属は、鉄、水銀又はカドミウムである。
本発明の金属測定用蛍光プローブを用いて金属の測定を行う試料としては、前記の金属を含む可能性がある試料であって、これを測定しようとするものである。
金属は単体、イオン及び化合物等の種々の形態を取り、また遊離又はキャリアー(担体)に結合した状態等で存在し、そして様々な物に含まれて存在しているが、本発明の金属測定用蛍光プローブを用いて測定を行う試料中の金属は特に限定されるものではなく、直接又は処理を行うことにより測定することが可能なものであれば対象となる。
本発明の金属測定用蛍光プローブは、金属を簡便、正確、かつ高感度に測定できることを特徴とするものであるので、生体試料、食肉、野菜、穀物、果物、水産物、加工食品、飲料、飲料水、井戸水、河川水、湖沼水、海水、土壌、空気、又は医薬品等の微量の金属が含まれる可能性がある試料に含まれる金属の測定に特に有効である。
例えば、生体試料としては、ヒト又は動物の血液、血清、血漿、尿、大便、髄液、唾液、汗、涙、腹水、羊水、脳等の臓器、毛髪や皮膚や爪や筋肉若しくは神経等の組織及び細胞等を挙げることができる。
本発明の金属測定用蛍光プローブを用いて行う試料中の金属の測定においては、金属測定用蛍光プローブと混合し、接触させる試料は液体であることが好ましい。一方、金属を含む試料が液体でない場合には、抽出処理又は可溶化処理等の前処理を公知の方法に従って行ない、金属を液体中に含有させるようにしてもよい。
本明細書中、金属測定用蛍光プローブとは、測定しようとする試料中の金属と接触することにより、この金属と配位結合し、錯体を形成することができるものである。金属測定用蛍光プローブは、具体的には、式(I):
Figure 2014136675
[式中、
及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
で表される化合物又はその塩である。
本明細書中、「置換されていてもよい」とは、特に規定する場合を除き、1個以上の置換基を有していてもよいことを意味し、該「置換基」としては、(1)ハロゲン原子、(2)アルコキシ基、(3)アルコキシアルコキシ基、(4)アルキレンジオキシ基、(5)ニトロ基、(6)シアノ基、(7)ヒドロキシ基、(8)アミノ基、(9)メルカプト基、(10)カルバモイル基、(11)アルキル基、(12)カルボキシ基、(13)シクロアルキル基、(14)シクロアルケニル基、(15)アルケニル基、(16)アルキニル基、(17)アリール基、(18)アリールオキシ基、(19)アラルキル基、(20)アラルキルオキシ基、(21)アルコキシ−カルボニル基、(22)アラルキルオキシ−カルボニル基、(23)アルキル−カルボニル基、(24)アリール−カルボニル基、(25)スクシミジルオキシカルボニル基、(26)アルキル−カルボニルオキシ基、(27)アリール−カルボニルオキシ基、(28)アリールオキシ−カルボニル基、(29)アルコキシ−カルボニル−アルコキシ基、(30)アリールオキシ−カルボニル−アルキルオキシ基、(31)スルホ基又はそのエステル、(32)ホスホノ基又はそのエステル、(33)アルキルスルホニル基、(34)アリールスルホニル基、(35)ホルミル基、(36)アジド基、(37)アルキルチオ基、(38)アリールチオ基、(39)アルキルスルホニロキシ基、(40)アリールスルホニロキシ基、(41)アルキルスルホナート、(42)アリールスルホナート、(43)モノ若しくはジ−C1−6アルキルアミノ−カルボニル基、(44)複素環基、(45)トリ置換シリル基、(46)保護されたアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、メチレンジオキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−カルボニル、ベンジルオキシカルボニル、カルボキシ、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、カルバモイル、ベンジル、フェニル、フェノキシ、ナフチル、ピペリジル、ピロリジニル、チエニル、フリル、ピリジル、ピロリル、インドリル、キノリル、アジド、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジ−C1−6アルキルアミノ、モノ−C1−6アルキルアミノ、アセチルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノが好ましい。また、複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記置換基は、さらに上記置換基で置換されていてもよい。置換基の数は、置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1乃至5個、より好ましくは1乃至3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。当該置換基はまたさらにC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−14アラルキル基、複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、オキソ基等で置換されていてもよい。置換基の数は、置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1乃至5個、より好ましくは1乃至3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
本明細書中、「アルキル基」としては、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1以上の1価のアルキル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、通常、C1−12アルキル基であり、好ましくは、C1−8アルキル基であり、より好ましくは、C1−6アルキル基である。また、アルキル部分を有する他の置換基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキル−カルボニル基、アルキルスルホニロキシ基、アルキルスルホナート基等)のアルキル部分についても同様である。
本明細書中、「アルケニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2以上の1価のアルケニル基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C2−6アルケニル基である。
本明細書中、「C2−6アルケニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜6のアルケニル基を意味し、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル等が挙げられる。中でも、特にC2−4アルケニル基が好ましい。
本明細書中、「アルキニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2以上の1価のアルキニル基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C2−6アルキニル基である。
本明細書中、「C2−6アルキニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数2〜6のアルキニル基を意味し、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等が挙げられる。中でも、C2−4アルキニル基が好ましい。
本明細書中、「シクロアルキル基」としては、炭素原子数3〜8の環状アルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。中でも、C3−6シクロアルキル基が好ましい。
本明細書中、「アリール基」は、芳香族性を示す単環式あるいは多環式(縮合)の炭化水素基を意味し、具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、ターフェニル、ジフェニルナフチル、2−アンスリル、フェナントリル等のC6−22アリール基を示す。中でも、C6−14アリール基が好ましく、C6−10アリール基が特に好ましい。また、アリール部分を有する他の置換基(例えば、アリールオキシ基、アリール−カルボニル基、アリール−カルボニルオキシ基、アリールスルホニル基、アリールチオ基、アリールスルホニロキシ基、アリールスルホナート基等)のアリール部分についても同様である。
本明細書中、「C6−10アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルが挙げられ、フェニルが特に好ましい。
本明細書中の「複素環(基)」としては、芳香族複素環基又は非芳香族複素環基が挙げられる。
本明細書中、「芳香族複素環基」とは、環構成原子として炭素原子に加えて、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1乃至4個含有する、芳香族性を示す単環式又は多環式(縮合)複素環基を意味する。
本明細書中、「単環式芳香族複素環基」としては、例えば、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル)、トリアゾリル(1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル)、テトラゾリル、トリアジニル等が挙げられる。中でも、5又は6員の単環式芳香族複素環基が好ましく、ピリジルが特に好ましい。
本明細書中、「多環式(縮合)芳香族複素環基」とは、上記単環式芳香族複素環基が、単環式芳香族環(好ましくは、ベンゼン環又は単環式芳香族複素環)と縮合した基を意味し、例えば、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、インダゾリル、ピロロピリジル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル、チエノピリジル、ピロロピラジニル、ピラゾロピラジニル、イミダゾピラジニル、チエノピラジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロチエニル等が挙げられる。
本明細書中の「非芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1乃至4個含有する4乃至7員(好ましくは5又は6員)の単環式非芳香族複素環基又は縮合非芳香族複素環基が挙げられる。該縮合非芳香族複素環基としては、例えば、これら4乃至7員の単環式非芳香族複素環基に対応する環と、1又は2個の窒素原子を含む5又は6員の芳香族複素環(例、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリジン、ピリミジン)、1個の硫黄原子を含む5員の芳香族複素環(例、チオフェン)及びベンゼン環から選ばれる1又は2個の環が縮合した環から誘導される基、ならびに該基の部分飽和により得られる基等が挙げられる。
非芳香族複素環基の好適な例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ヘキサメチレンイミニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、イミダゾリニル、ジオキソリル、ジオキソラニル、ジヒドロオキサジアゾリル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロトリアゾリル、テトラヒドロトリアゾリル等の単環式非芳香族複素環基、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロベンゾジオキセピニル、テトラヒドロベンゾフラニル、クロメニル、ジヒドロクロメニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロフタラジニル等の縮合非芳香族複素環基等が挙げられる。
本明細書中、「アラルキル」とは、「アルキル基」に「アリール基」が置換した基を意味し、好ましくは、「C7−14アラルキル」である。また、アラルキル部分を有する他の置換基(例えば、アラルキルオキシ基等)のアラルキル部分についても同様である。
本明細書中、「C7−14アラルキル」とは、「C1−4アルキル基」に「C6−10アリール基」が置換した基を意味し、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(ナフチル−1−イル)メチル、(ナフチル−2−イル)メチル、1−(ナフチル−1−イル)エチル、1−(ナフチル−2−イル)エチル、2−(ナフチル−1−イル)エチル、2−(ナフチル−2−イル)エチル、ビフェニリルメチル等が挙げられる。
本明細書中、「モノ若しくはジ−C1−6アルキルアミノ−カルボニル基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6のアルキル基によりモノ若しくはジ−置換されたアミノ基にカルボニルが結合した基を意味し、例えば、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、イソプロピルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、ジイソプロピルアミノカルボニル基等が挙げられる。
本明細書中、「トリ置換シリル基」とは、同一又は異なる3個の置換基(例、C1−6アルキル基、C6−10アリール基)により置換されたシリル基を意味し、当該基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が好ましい。
本明細書中、「保護されたアミノ基」は、同一又は異なる1個又は2個の「保護基」により保護されたアミノ基を意味する。当該「保護基」としては、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons刊(1980)に記載のアミノ基の保護基を使用し得、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C6−10アリール基、C7−14アラルキル基、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、C2−6アルケニルオキシ−カルボニル基、C6−10アリール−カルボニル基、C7−14アラルキル−カルボニル基、C6−10アリールオキシ−カルボニル基、C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基、C6−10アリールスルホニル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、トリC1−6アルキルシリル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、フタロイル基等の保護基が挙げられる。上記の保護基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基又はニトロ基でそれぞれ置換されていてもよい。当該アミノ基の保護基の具体例としては、アセチル、トリフルオロアセチル、ピバロイル、tert−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、ベンズヒドリル、トリチル、フタロイル、アリルオキシカルボニル、p−トルエンスルホニル、o−ニトロベンゼンスルホニル、トリメチルシリルエトキシカルボニル等が挙げられる。
(本発明の化合物)
本発明の化合物は、下記式(I):
Figure 2014136675
[式中、
及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
で表される化合物又はその塩(化合物(I))である。
以下、本発明の化合物(I)の各基について説明する。
及びRは、独立してそれぞれ、前述した置換基により置換されていてもよい2−又は8−キノリル基を表し、複数の置換基を有する場合、それらは、同一でも異なっていてもよい。R及びR上の置換基の選択により、本発明の化合物(I)の励起及び蛍光波長、金属イオン選択性、蛍光強度等を制御することが可能である。
及びR上の置換基は、好ましくは、水素原子、アルコキシ基(例、C1−6アルコキシ基)、保護されていてもよいアミノ基(例、アミノ基、ジ−C1−6アルキルアミノ基)、環状アミノ基(例、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジル基等)、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基等である。中でも水素原子又はC1−6アルコキシ基(例、メトキシ基)が特に好ましい。
及びRは、合成の容易さという観点から同一の基であることが好ましい。化合物(I)としては、以下の化合物が好適である。
[化合物(IA)]
及びRがいずれも2−キノリル基又は8−キノリル基であり;及び
mが1であり、且つnが2である、化合物(I)又はその塩。
[化合物(IB)]
及びRがいずれも2−キノリル基又は8−キノリル基であり;及び
m及びnが共に1である、化合物(I)又はその塩。
[化合物(IC)]
及びRがいずれもC1−6アルコキシ基により置換された2−キノリル基又はC1−6アルコキシ基により置換された8−キノリル基であり;及び
mが1であり、且つnが2である、化合物(I)又はその塩。
[化合物(ID)]
及びRがいずれもC1−6アルコキシ基により置換された2−キノリル基又はC1−6アルコキシ基により置換された8−キノリル基であり;及び
m及びnが共に1である、化合物(I)又はその塩。
特に好適な化合物は、具体的には以下の化合物である。
Figure 2014136675
本発明の化合物(I)は、酸付加塩として存在することができ、置換基の種類によっては塩基付加塩として存在することもできる。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、又はメタンスルホン酸塩、p −トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩などを挙げることができる。塩基付加塩は、例えばカルボキシル基などの置換基を有する場合に形成され、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができる。これらのほか、グリシンなどのアミノ酸との塩を形成する場合もある。本発明の化合物又はその塩は水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質はいずれも本発明の化合物(I)に包含される。化合物(I)はまた、同位元素(例、H、14C等)などで標識されていてもよい。さらに、化合物(I)は、重水素変換体であってもよい。
(本発明の化合物(I)の合成)
本発明の化合物(I)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下のような反応を経て合成することができる。
原料化合物は、特に述べない限り、市販品として容易に入手できるか、あるいは、自体公知の方法に従って製造することができる。
[製造法1]
本発明の化合物(I)(具体的には、化合物(I−1))は、例えば、以下に示すように市販品又は文献公知の原料化合物から1工程で製造することができる。
Figure 2014136675
[式中、Rは、前記有していてもよい置換基を示し、Xは、脱離基(例、ハロゲン原子、アルキルスルホニロキシ基(例、トリフルオロメタンスルホニロキシ基、メタンスルホニロキシ基等)、アリールスルホニロキシ基(例、トルエンスルホニロキシ基、ベンゼンスルホニロキシ基等)を示し、その他の各記号は、前記と同義である。]
当該工程は、化合物(1)の環を構成する2個のアミノ基を化合物(2)と反応させることによりキノリルメチル化して、化合物(I−1)を製造する反応である。化合物(1)として、その酸付加塩(例えば、塩酸塩等)を使用することもできる。
当該工程は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、塩基の存在下で行われる。
塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、テトラメチルグアニジン等の有機塩基類等が挙げられ、中でも炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が好ましい。
該塩基の使用量は、化合物(1)1当量に対して、通常2〜8当量である。
また、本工程は、ヨウ化カリウムの存在下で行うことにより、反応を促進させることもできる。
ヨウ化カリウムの使用量は、化合物(1)1当量に対して、通常2〜8当量である。
溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコール−ジメチルエーテル(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム(diglyme))等のエーテル類;ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類;ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類が挙げられ、中でもアセトニトリルが特に好ましい。
反応温度は、通常−78℃〜120℃、好ましくは室温〜110℃である。
反応時間は、通常0.5〜96時間である。
本発明の化合物(I)は、金属イオン、特に、3価の鉄イオン、水銀イオン、カドミウムイオン等、の蛍光プローブとして有用である。すなわち、化合物(I)は、それ自体は強い蛍光を発する性質を有していないが、特定の金属イオンを捕捉して金属錯体を形成すると、強い蛍光を発するようになる。化合物(I)は、特に、3価の鉄イオン、水銀イオン及びカドミウムイオンを特異的に捕捉することができ、極めて錯体形成が速やかであるという特徴を有している。また、化合物(I)は、バックグラウンド蛍光が殆どなく、しかも形成された金属錯体は中性領域(pHが6〜8の領域)でpHの影響を受けにくく安定した強い蛍光を発するという特徴を有している。従って、化合物(I)は、生細胞や生組織中の金属イオンを生理条件下で測定するための蛍光プローブとして極めて有用である。
本発明の金属イオン測定用蛍光プローブの使用方法は特に限定されず、従来公知の蛍光プローブと同様に用いることが可能である。通常は、生理食塩水や緩衝液などの水性媒体、又はエタノール、アセトン、アセトニトリル、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の水混合性の有機溶媒と水性媒体との混合物等に、化合物(I)を溶解し、細胞や組織を含む適切な緩衝液中にこの溶液を添加して、蛍光スペクトルを測定すればよい。また、本発明の蛍光プローブを適切な添加物と組み合わせて組成物の形態で用いてもよい。例えば、緩衝剤、溶解補助剤、pH調節剤などの添加物と組み合わせることができる。
以下に実施例及び試験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
反応は、Merck 60 F254 シリカゲルプレート(厚さ0.25mm)を用いて、薄層クロマトグラフィーによりモニターした。
H及び13C−NMRスペクトルは、Varian Gemini2000を用い、重クロロホルム又は重メタノールを溶媒として測定した。H−NMRについてのデータは、化学シフト(δppm)、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、quint=クインテット、m=マルチプレット、dd=ダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット、brs=ブロードシングレット)、カップリング定数(Hz)、積分及び割当てとして示す。
元素分析は、J−Science Micro Corder JM10を用いて実行した。
調製した本発明の化合物(I)と金属イオンとの錯体の蛍光光度測定には、Jasco FP−6300を用いた。
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃乃至約30℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
以下の実施例において、化合物(1)として使用したピペラジン又はホモピペラジンは、市販品(和光純薬工業株式会社製)をそのまま使用した。また、化合物(2)として使用した2−クロロメチルキノリン塩酸塩又は6−メトキシ−2−クロロメチルキノリンは、市販品(東京化成工業株式会社製)、又は自体公知の方法(Tetrahedron 2004, 60, 11057-11065)若しくはこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
(実施例1)
1,4−ビス(キノリン−2−イルメチル)ピペラジン(化合物(I−1a))の合成
Figure 2014136675
2−クロロメチルキノリン・塩酸塩(993mg,4.64mmol)のアセトニトリル(CaSOで乾燥させたもの)(70mL)溶液に、ピペラジン(200mg,2.32mmol)、炭酸カリウム(2.60g,18.8mmol)及びヨウ化カリウム(385mg,2.32mmol)を加えた。反応液を110℃で2日間加熱還流した。溶媒を留去した後、アセトニトリルを加え、ろ過し、さらに溶媒を留去した後、クロロホルムを加え、さらにろ過し、溶媒を留去し、黄色固体と斜方状の無色結晶(774mg(2.10mmol):収率91%)を得た。
H NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm) 8.12(d,J=8.9Hz,2H),8.06(d,J=8.9Hz,2H),7.79(d,J=8.2Hz,2H),7.68−7.63(m,4H),7.51(d,J=7.6Hz2H),3.86(s,4H),2.63(s,8H).
13C NMR(CDCl3,75.5MHz):δ(ppm)159.8,147.8,136.6,129.6,129.3,127.8,127.6,126.4,121.4,65.7,54.0.
(実施例2)
1,4−ビス(キノリン−2−イルメチル)−1,4−ジアザシクロヘプタン(化合物(I−1b))の合成
Figure 2014136675
2−クロロメチルキノリン・塩酸塩(3.81g,17.8mmol)のアセトニトリル(CaSOで乾燥させたもの)(70mL)溶液に、ホモピペラジン(1.00g,10.0mmol)、炭酸カリウム(12.0g,86.8mmol)及びヨウ化カリウム(3.42g,20.6mmol)を加えた。反応液を100℃で2日間加熱還流した。溶媒を留去した後、アセトニトリルを加え、ろ過し、さらに溶媒を留去した後、クロロホルムを加え、さらにろ過し、溶媒を留去し、黒色油状物(3.31g(8.65mmol):収率87%)を得た。
H NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm) 8.24(d,J=8.2Hz,2H),8.19(d,J=8.2Hz,2H),7.77−7.92(m,6H),7.62(dd,J=7.0,7.0Hz,2H),4.13(s,4H),3.00(t,J=6.0Hz,4H),2.94(s,4H),1.99(quint.,J=6.0Hz,2H).
13C NMR(CDCl3,75.5MHz):δ(ppm)160.5,147.2,136.0,129.0,128.7,127.2,127.1,125.8,120.87,65.0,55.7,54.7,28.0.
(実施例3)
1,4−ビス(6−メトキシキノリン−2−イルメチル)ピペラジン(化合物(I−1c))の合成
Figure 2014136675
6−メトキシ−2−クロロメチルキノリン(968mg,4.66mmol)のアセトニトリル(CaSOで乾燥させたもの)(70mL)溶液に、ピペラジン(200mg,2.32mmol)、炭酸カリウム(1.84g,13.3mmol)及びヨウ化カリウム(802mg,4.83mmol)を加えた。反応液を100℃で2日間加熱還流した。溶媒を留去した後、アセトニトリルを加え、ろ過し、さらに溶媒を留去した後、クロロホルムを加え、さらにろ過し、溶媒を留去し、黄色固体を得た。さらにアセトニトリルを用いて洗浄することにより、淡黄色粉末(716mg(1.67mmol):収率72%)を得た。
H NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm) 8.01(d,J=8.9Hz,2H),7.95(d,J=8.9Hz,2H),7.58(d,J=8.5Hz,2H),7.33(dd,J=2.7,9.0Hz,2H),7.06(d,J=2.7Hz,2H),3.92(s,6H),3.81(s,4H),2.61(s,8H).
13C NMR(CDCl3,75.5MHz):δ(ppm)157.6,157.1,143.9,135.4,130.7,128.5,122.1,121.8,105.5,65.57,56.0,53.9.
(実施例4)
1,4−ビス(6−メトキシキノリン−2−イルメチル)−1,4−ジアザシクロヘプタン(化合物(I−1d))の合成
Figure 2014136675
6−メトキシ−2−クロロメチルキノリン(839mg,4.04mmol)のアセトニトリル(CaSOで乾燥させたもの)(70mL)溶液に、ホモピペラジン(200mg,2.00mmol)、炭酸カリウム(1.71g,12.4mmol)及びヨウ化カリウム(689mg,4.15mmol)を加えた。反応液を110℃で4日間加熱還流した。溶媒を留去した後、アセトニトリルを加え、ろ過し、さらに溶媒を留去した後、クロロホルムを加え、さらにろ過し、溶媒を留去し、褐色油状物を得た。該油状物をアセトニトリルで洗浄することにより、淡黄色粉末(495mg(1.21mmol):収率60%)を得た。
H NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm) 8.00(d,J=8.4Hz,2H),7.94(d,J=9.2Hz,2H),7.64(d,J=8.4Hz,2H),7.31(dd,J=2.8,9.2Hz,2H),7.05(d,J=2.8Hz,2H),3.94(s,4H),3.91(s,6H),2.84(dd,J=5.8,5.8Hz,4H),2.79(s,4H),1.85(quint,J=5.8Hz,2H).
13C NMR(CDCl3,75.5MHz):δ(ppm)157.9,157.0,143.2,134.9,130.1,128.0,121.5,121.2,105.0,64.9,55.6,55.5,54.7,28.0.
(試験例1)
化合物(I−1a)をアセトニトリル中で波長317nmの光を照射したところ、ほとんど蛍光を発しなかった。
各種の金属イオン(2当量)存在下、アセトニトリル中での化合物(I−1a)の蛍光応答を調べた。
その結果、化合物(I−1a)は、3価の鉄イオンの存在下及び水銀イオン存在下で強い蛍光を発したが、他の金属イオンは、化合物(I−1a)の蛍光にほとんど影響を及ぼさなかった(図1)。
図1によれば、化合物(I−1a)は、3価の鉄イオン及び水銀イオンが存在するときのみ蛍光を発し、他の金属イオンとは錯形成しないか、錯形成しても蛍光を発しないことが分かった。
(試験例2)
化合物(I−1b)をアセトニトリル中で波長317nmの光を照射したところ、ほとんど蛍光を発しなかった。
各種の金属イオン(2当量)存在下、アセトニトリル中での化合物(I−1b)の蛍光応答を調べた。
その結果、化合物(I−1b)は、3価の鉄イオンの存在下及び水銀イオン存在下で強い蛍光を発し、また、クロムイオン、銅イオン又は鉛イオン存在下でも弱い蛍光を発したが、他の金属イオンは、化合物(I−1b)の蛍光にほとんど影響を及ぼさなかった(図2)。
図2によれば、化合物(I−1b)は、3価の鉄イオン及び水銀イオンが存在するときのみ蛍光を発し、他の金属イオンとは錯形成しないか、錯形成しても蛍光を発しないことが分かった。
(試験例3)
化合物(I−1d)をアセトニトリル中で波長338nmの光を照射したところ、ほとんど蛍光を発しなかった。
各種の金属イオン(2当量)存在下、アセトニトリル中での化合物(I−1d)の蛍光応答を調べた。
その結果、化合物(I−1d)は、カドミウムイオン存在下で強い蛍光を発した。また、3価の鉄イオン、水銀イオン又はカルシウムイオン存在下でも弱い蛍光を発したが、他の金属イオンは、化合物(I−1d)の蛍光にほとんど影響を及ぼさなかった(図3)。
図3によれば、化合物(I−1d)は、カドミウムイオンが存在するときのみ蛍光を発し、他の金属イオンとは錯形成しないか、錯形成しても蛍光を発しないことが分かった。
(試験例4)
化合物(I−1a)を水銀イオンで滴定し、その変化を蛍光スペクトルによって追跡した(図4)。また、波長408nmでの水銀イオンの添加量に対する蛍光強度の変化についても追跡した(図5)。その結果、水銀イオン1当量までは蛍光を持たないが、1当量を超えると蛍光を発し、その変化は1.5当量付近で最大となった。すなわち、最初に形成される水銀イオン:化合物(I−1a)=1:1の錯体は蛍光性を示さず、水銀が過剰の状態で生成する錯体が蛍光性を有することが分かった。
(試験例5)
化合物(I−1a)を3価の鉄イオンで滴定し、その変化を蛍光スペクトルによって追跡した(図6)。また、波長411nmでの3価の鉄イオンの添加量に対する蛍光強度の変化についても追跡した(図7)。その結果、3価の鉄イオン0.5当量までは蛍光を持たないが、0.5当量を超えると蛍光を発し、その変化は1当量付近で屈曲点を示し、1.5当量付近で最大となった。すなわち、最初に形成される3価の鉄イオン:化合物(I−1a)=0.5:1の錯体は蛍光性を示さず、3価の鉄イオン:化合物(I−1a)=1:1の錯体は中程度の蛍光性を示し、3価の鉄イオンが過剰の状態で生成する錯体がさらに高い蛍光性を有することが分かった。
(試験例6)
化合物(I−1d)をカドミウムイオンで滴定し、その変化を蛍光スペクトルによって追跡した(図8)。励起には338nmの光を用いた。また、波長405nmでのカドミウムイオンの添加量に対する蛍光強度の変化についても追跡した(図9)。その結果、R及びRのキノリル基の6位にメトキシ基を導入するだけで、3価の鉄イオンや水銀イオンよりもカドミウムイオンに対する錯形成能が向上することが分かった。また、カドミウムイオン:化合物(I−1d)=1:1の錯体が蛍光性を示すことが分かった。
本発明によれば、特定の金属イオン、特に3価の鉄イオン、水銀イオン、カドミウムイオンと錯形成し、選択的な認識能を有する金属測定用蛍光プローブを提供することができる。本発明に係る蛍光プローブは、安価な原料から簡便に合成することができるので、官能基変換を容易に行え、且つ該官能基変換により検出可能な金属イオンの種類や検出感度を容易に調節することができるという利点も有している。さらに本発明によれば、該蛍光プローブを用いる金属イオンの高感度な測定方法も提供することができる。

Claims (15)

  1. 式(I):
    Figure 2014136675
    [式中、
    及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
    m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
    で表される化合物又はその塩(ただし、1,4−ビス(キノリン−2−イルメチル)−1,4−ジアザシクロヘプタンを除く。)。
  2. 及びRが、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基である、請求項1記載の化合物又はその塩。
  3. 及びRが、独立してそれぞれ、C1−6アルコキシ基により置換されていてもよい2−キノリル基であり、並びに
    m及びnが、独立してそれぞれ、1又は2であり、且つm+n=2又は3である、請求項1記載の化合物又はその塩。
  4. 式(I):
    Figure 2014136675
    [式中、
    及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
    m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
    で表される化合物又はその塩を含有する金属イオン測定用蛍光プローブ。
  5. 及びRが、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基である、請求項4記載の蛍光プローブ。
  6. 及びRが、独立してそれぞれ、C1−6アルコキシ基により置換されていてもよい2−キノリル基であり、並びに
    m及びnが、独立してそれぞれ、1又は2であり、且つm+n=2又は3である、請求項4記載の蛍光プローブ。
  7. 金属イオンが、鉄イオン、水銀イオン又はカドミウムイオンである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の蛍光プローブ。
  8. 式(I):
    Figure 2014136675
    [式中、
    及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
    m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
    で表される化合物又はその塩と金属イオンとから形成される金属錯体(ただし、1,4−ビス(キノリン−2−イルメチル)−1,4−ジアザシクロヘプタンと鉄イオン若しくはマンガンイオンとから形成される錯体を除く。)。
  9. 及びRが、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基である、請求項8記載の金属錯体。
  10. 及びRが、独立してそれぞれ、C1−6アルコキシ基により置換されていてもよい2−キノリル基であり、並びに
    m及びnが、独立してそれぞれ、1又は2であり、且つm+n=2又は3である、請求項8記載の金属錯体。
  11. 金属イオンが、鉄イオン、水銀イオン又はカドミウムイオンである、請求項8〜10のいずれか1項に記載の金属錯体。
  12. 以下の工程を含む、金属イオンの測定方法:
    (1)式(I):
    Figure 2014136675
    [式中、
    及びRは、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基又は置換されていてもよい8−キノリル基を示し、
    m及びnは、独立してそれぞれ、0、1又は2を示し、且つm+n=1、2、3又は4を示す。]
    で表される化合物又はその塩と、金属イオンとを反応させる工程、及び
    (2)上記工程で形成される金属錯体の蛍光強度を測定する工程。
  13. 及びRが、独立してそれぞれ、置換されていてもよい2−キノリル基である、請求項12記載の方法。
  14. 及びRが、独立してそれぞれ、C1−6アルコキシ基により置換されていてもよい2−キノリル基であり、並びに
    m及びnが、独立してそれぞれ、1又は2であり、且つm+n=2又は3である、請求項12記載の方法。
  15. 金属イオンが、鉄イオン、水銀イオン又はカドミウムイオンである、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
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