JP2014133704A - 硫化水素測定用蛍光プローブ - Google Patents

硫化水素測定用蛍光プローブ Download PDF

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Abstract

【課題】高感度かつ特異的に硫化水素を測定することができる蛍光プローブを提供する。
【解決手段】式(I)(R1は式(A)で表される基;R2は水素原子又は一価の置換基;R3及びR4は素原子又はハロゲン原子;R5及びR6は水素原子又はアルキルカルボニル基など;R7は水素原子、アルキル基など;R8及びR9は水素原子、ハロゲン原子、又は-(CH2)x-N(R14)(R15)(式中、xは1ないし4の整数を示す)で表される化合物又はその塩。

【選択図】なし

Description

本発明は硫化水素測定用の蛍光プローブに関する。
硫化水素(H2S)の毒性については300年前から知られており、今までに数多くの毒性に関する報告がなされてきた。一方、近年、H2Sが生理的シグナル伝達物質として機能していることが明らかとなってきており、一酸化窒素(NO)や一酸化炭素(CO)に次ぐ第三のガス性シグナル伝達物質として注目されている。
H2Sが果たす役割はH2SドナーであるNaHSやNa2Sを用いて種々検討されているが、最もよく研究されている役割は平滑筋の弛緩に関する作用である。H2Sは血管平滑筋及び腸管平滑筋などの弛緩をもたらし、個体レベルでは頭痛や血圧低下などの症状を引き起こす。一方、神経細胞においてはH2Sが記憶形成に関与することが報告されており、さらに頸動脈小体におけるO2 sensingやインスリンの分泌制御にH2Sが関与しているという報告もある。
このように、H2Sが細胞内シグナル伝達に寄与していることが示唆されているが、生理的なH2Sが本当に存在しているかについてもまだ疑いの余地がある。また、H2Sのターゲットとなる分子の同定も進んでおらず、具体的な細胞内のシグナル伝達機構には未解決の点が多い。このような背景から、生体内のH2Sを可視化する手段の開発が切望されている。
蛍光プローブを用いて生体内のH2Sを特異的に可視化して高感度な測定を行うためには、水中でH2Sを測定することができること、他のアニオン種との間に選択性を有すること、及び還元型グルタチオン(GSH)との間で選択性を有することなどの条件が必須となる。従来、H2Sを可視化して測定するための蛍光プローブとしてp-位にアミノ基を有する吸収変化型プローブである2,4,6-トリアリールピリリウムカチオン(Journal of the American Chemical Society, 125, 9000, 2003)が提案されているが、GSHとの反応の競合を避けられないという問題がある。また、蛍光増大型プローブとして2,4-ジニトロベンゼンスルホニルフルオレセインを用いる方法も提案されているが(Analytica Chimica Acta, 631, 91, 2009)、経時的にスルホン酸エステルが加水分解して蛍光強度が変化するという問題を有している。
また、別の蛍光増大型プローブとして、二価銅イオン(Cu2+)を配位させた2,2'-ジピコリルアミン部分を有するアミノフルオレセイン化合物(DPA-4-AF)が提案されている(Chem. Commun., pp.7390-7392, 2009)。この化合物では、Cu2+の配位によって蛍光が消光されているが、スルフィドイオン(HS-)が作用するとCu2+がCuSとなって不溶化し、消光が解除されて強蛍光を発する。この蛍光プローブは水中においてスルフィドイオンを検出することができ、種々のアニオン(ハロゲンイオン、硫酸イオン、酢酸イオン、硝酸イオン、次亜塩素酸イオンなど)の存在下においても特異的かつ高感度にH2Sを測定できるという特徴がある。しかしながら、本発明者らの追試によれば、この化合物は還元型グルタチオンとの間で選択性が低く、生体内に大量に存在するグルタチオンによりイン・ビボにおいて細胞内などに存在するH2Sを特異的かつ高感度に測定することができないという問題がある。なお、環状ポリアミンを亜鉛イオンの捕捉基として用いた化合物が知られているが(ダンシルアミノエチルサイクレン: J. Am. Chem. Soc., 118, 12696, 1996)、この捕捉基に銅イオンを配位させた化合物は知られておらず、H2Sとの反応性についても全く報告がない。また、環状ポリアミンをカドミウムイオンの捕捉基として用いた化合物も知られているが、この化合物とH2Sとの反応性についても知られていない(J. Am. Chem. Soc., 124, pp.3920-3925, 2002)。
Journal of the American Chemical Society, 125, 9000, 2003 Analytica Chimica Acta, 631, 91, 2009 Chem. Commun., pp.7390-7392, 2009 J. Am. Chem. Soc., 118, 12696, 1996 J. Am. Chem. Soc., 124, pp.3920-3925, 2002
本発明の課題は、生体内の硫化水素を特異的に可視化して高感度な測定を行うことができる蛍光プローブを提供することにある。特に、生体内に大量に存在する還元型グルタチオンの影響を受けることなく高感度かつ特異的に硫化水素を測定することができる蛍光プローブを提供することが本発明の課題である。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、下記の一般式(I)で表される化合物を硫化水素測定用の蛍光プローブとして用いると、還元型グルタチオンの存在下においても極めて高感度かつ特異的に硫化水素を測定することができることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明により、下記の一般式(IA)又は(IB):
〔式中、R1は下記式(A):
(式中、p、q、r、及びsはそれぞれ独立に2又は3の整数を示し、tは0又は1を示し、R11、R12、及びR13はそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示す)で表される基を示し;R2は水素原子又はベンゼン環上に置換する1個ないし3個の一価の置換基を示し;R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を示し;R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、アルキルカルボニル基、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を示し;R7は水素原子、アルキル基、又はアルコキシアルキル基を示し;R8及びR9はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は-(CH2)x-N(R14)(R15)(式中、xは1ないし4の整数を示し、R14及びR15はそれぞれ独立に-(CH2)y-COOR16(式中、yは1ないし4の整数を示し、R16は水素原子、アルキルカルボニル基、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を示す)で表される基を示す)で表される基を示す〕で表される化合物又はその塩が提供される。
上記発明の好ましい態様によれば、p、q、r、及びsが2であり、tが1であり、かつR11、R12、及びR13が水素原子である上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩;p、q、r、及びsが2であり、tが1であり、R11、R12、及びR13が水素原子であり、かつR2が水素原子である上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩;並びに、ベンゼン環上に存在するR1がキサンテン環の結合部位に対してパラ位に結合しており、p、q、r、及びsが2であり、tが1であり、R11、R12、及びR13が水素原子であり、かつR2が水素原子である上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩が提供される。
さらに好ましい態様によれば、R3及びR4が水素原子である上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩;R5及びR6がそれぞれ独立に水素原子、アセチル基、又はアセチルオキシメチル基である上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩;R7が水素原子、アルキル基、又はメトキシメチル基である上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩;並びにR8及びR9がともに水素原子である上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩が提供される。
また、本発明により、下記の一般式(IIA)又は(IIB):
〔式中、R21は下記式(B):
(式中、d、e、f、及びgはそれぞれ独立に2又は3の整数を示し、hは0又は1を示し、R31、R32、及びR33はそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示す)で表される基を示し;R22は水素原子又はベンゼン環上に置換する1個ないし3個の一価の置換基を示し;R23及びR24はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を示し;R25及びR26はそれぞれ独立に水素原子、アルキルカルボニル基、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を示し;R27は水素原子、アルキル基、又はアルコキシアルキル基を示し;R28及びR29はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は-(CH2)m-N(R34)(R35)(式中、mは1ないし4の整数を示し、R34及びR35はそれぞれ独立に-(CH2)n-COOR36(式中、nは1ないし4の整数を示し、R36は水素原子、アルキルカルボニル基、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を示す)で表される基を示す)で表される基を示す〕で表される化合物又はその塩が提供される。
上記発明の好ましい態様によれば、d、e、f、及びgが2であり、hが1であり、かつR31、R32、及びR33が水素原子である上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩;d、e、f、及びgが2であり、hが1であり、R31、R32、及びR33が水素原子であり、かつR22が水素原子である上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩;並びに、ベンゼン環上に存在するR21がキサンテン環の結合部位に対してパラ位に結合しており、d、e、f、及びgが2であり、hが1であり、R31、R32、及びR33が水素原子であり、かつR22が水素原子である上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩が提供される。
さらに好ましい態様によれば、R23及びR24が水素原子である上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩;R25及びR26がそれぞれ独立に水素原子、アセチル基、又はアセチルオキシメチル基である上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩;R27が水素原子、アルキル基、又はメトキシメチル基である上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩;並びにR28及びR29がともに水素原子である上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩が提供される。
別の観点からは、本発明により、上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を含む硫化水素測定用蛍光プローブ、及び上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を含む硫化水素測定用試薬が提供される。また、硫化水素測定用蛍光プローブ又は硫化水素測定用試薬の製造のための上記上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩の使用も本発明により提供される。
また、本発明により、上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩を含む硫化水素測定用蛍光プローブ、及び上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩を含む硫化水素測定用試薬が提供される。また、硫化水素測定用蛍光プローブ又は硫化水素測定用試薬の製造のための上記上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩の使用も本発明により提供される。この蛍光プローブ及び試薬は、測定系内において二価銅イオンと反応させて上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を測定系内において生成させるin situ型の硫化水素測定用蛍光プローブ又は試薬として有用である。
さらに別の観点からは、本発明により、硫化水素の測定方法であって、下記の工程:(a)上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を硫化水素と接触させる工程;及び(b)上記工程(a)で生成した上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩の蛍光を測定する工程を含む方法が提供される。
また、本発明により、硫化水素の測定方法であって、下記の工程:(a)上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩と二価銅イオンとを反応させて上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を生成させる工程;(b)上記工程(a)で生成した上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩と硫化水素とを接触させる工程;及び(c)上記工程(b)で生成した上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩の蛍光を測定する工程を含む方法が提供される。
本発明により提供される一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩は硫化水素に対して高い反応性を有しており、硫化水素の存在下において強蛍光性の一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩を生成する性質を有している。また、一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩は還元型グルタチオンに対しては実質的に反応性を有しないことから、還元型グルタチオンの存在下においても高感度に硫化水素を測定することができる。さらに、一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩は種々のアニオン(ハロゲンイオン、硫酸イオン、酢酸イオン、硝酸イオン、次亜塩素酸イオンなど)の存在下においても特異的かつ高感度に硫化水素と反応することができる。従って、一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を含む硫化水素測定用蛍光プローブは、生体内に存在する微量の硫化水素を高感度かつ高精度に測定するための蛍光プローブとして有用であり、イン・ビボ環境下において細胞内や組織内における硫化水素をイメージングするための試薬として極めて有用である。
Cyclne-4-AF-Cu(左側)及びCyclen-4-AF(右側)の吸光及び蛍光スペクトルを測定した結果を示した図である。 TACN-4-AF(左側)及びCyclam-4-AF(右側)の吸光及び蛍光スペクトルを測定した結果を示した図である。 TMCyclen-4-AF(左側)及びTMCyclen-4-AF-Cu(右側)の吸光及び蛍光スペクトルを測定した結果を示した図である。 Cyclen-4-AF-Cuの反応性の評価を行った結果を示した図である。10 μM Na2S (赤)、10 μM Na2Sと10 mM GSH (緑)、又は 10 mM GSH (黄)を添加した結果、及び無添加のネガティブコントロール(青)の結果を示した。 Cyclen-4-AF-CuをHeLa細胞内にマイクロインジェクションにより導入して硫化水素を測定した結果を示した図である。上段はNa2S添加前(0 sec)、中段はNa2S添加後(360 sec)、及び下段は蛍光強度の経時変化を示し、領域5及び6はマイクロインジェクションをしていない領域を示す。 Cyclen-4-AF-Cu diacetateを用いてHeLa細胞への取り込みによる硫化水素の測定を行った結果を示した図である。上段はNa2S添加前(0 sec)、中段はNa2S添加後(240 sec)、及び下段は蛍光強度の経時変化を示す。 TACN-4-AF単独、及び2当量のCu2+を加えたTACN-4-AFの吸収スペクトル(上段左)と蛍光スペクトル(上段右)を測定した結果、及びTACN-4-AFにCuSO4を加えて100 μM Na2S (赤)、10 μM Na2S (緑)、又は10 mM GSH (黄)を添加し、無添加の実験をネガティブコントロール (青) として反応性を調べた結果(下段)を示した図である。 Cyclam-4-AF単独、及び2当量のCu2+を加えたCyclam-4-AFの吸収スペクトル(左)と蛍光スペクトル(右)を測定した結果を示した図である。 Cyclam-4-AF(上段)にCuSO4を加え、又はTMCyclen-4-AF-Cu(下段)に 100 μM Na2S (赤)、10 μM Na2S (緑)、又は10 mM GSH (黄)を添加し、無添加の実験をネガティブコントロール (青) として反応性を調べた結果を示した図である。
一般式(IA)又は(IB)においてR1は式(A)で表される基を示す。式(A)で表される基において、p、q、r、及びsはそれぞれ独立に2又は3の整数を示すが、好ましくはp、q、r、及びsがいずれも2の場合である。tは0又は1を示すが、1であることが好ましい。R11、R12、及びR13はそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示すが、R11、R12、及びR13のうちいずれか又は全部が水素原子であることが好ましく、R11、R12、及びR13が全て水素原子であることが好ましい。式(A)で表される基はベンゼン環上の任意の位置に結合することができるが、好ましくはR1とキサンテン環が結合するベンゼン環において、R1とキサンテン環との結合位置がパラ位になることが好ましい。
本明細書において、アルキル基の用語は直鎖状、分枝鎖状、環状、及びそれらの組み合わせからなるアルキル基を包含する。アルキル部分を有する他の置換基(例えばアルキルカルボニル基やアルコキシアルキル基)のアルキル部分についても同様である。
R2は水素原子又はベンゼン環上に置換する1個ないし3個の一価の置換基を示し、好ましくは水素原子又はベンゼン環上に置換する1個又は2個の一価の置換基を示し、さらに好ましくは水素原子又はベンゼン環上に置換する1個の一価の置換基を示す。R2が一価の置換基である場合、置換基としては、例えば、ハロゲン原子(本明細書においてハロゲン原子の用語はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を包含する)、水酸基、オキソ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基などが挙げられるが、これらに限定されることはない。これらの置換基はさらに別の置換基で置換されていてもよい。このような例として、例えば、フルオロアルキル基、フルオロアセチル基、メトキシベンジル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。R2は水素原子であることが特に好ましい。
R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を示すが、R3及びR4がともに水素原子であることが好ましい。
R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、アルキルカルボニル基、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を示す。アルキルカルボニル基としては、炭素数2〜7個程度のアルキルカルボニル基が好ましく、例えば、アセチル基などを好ましく用いることができる。アルキルカルボニルオキシアルキル基としては、例えば、炭素数2〜7個程度のアルキルカルボニルオキシ基が炭素数1〜6個程度のアルキル基に置換したアルキルカルボニルオキシアルキル基が好ましいが、例えば、アセトキシメチル基などを好ましく用いることができる。
R7は水素原子、アルキル基、又はアルコキシアルキル基を示す。アルコキシアルキル基としては、炭素数1〜6個程度のアルコキシ基が炭素数1〜6程度のアルキル基に置換したアルコキシアルキル基が好ましいが、例えば、メトキシメチル基やエトキシメチル基などを好ましく用いることができる。
R8及びR9はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は-(CH2)x-N(R14)(R15)で表される基を示す。xは1ないし4の整数を示すが、xは1又は2であることが好ましく、xが1であることが特に好ましい。R14及びR15はそれぞれ独立に-(CH2)y-COOR16で表される基を示す。yは1ないし4の整数を示すが、yは1又は2であることが好ましく、yが1であることが特に好ましい。R16は水素原子、アルキルカルボニル基、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を示すが、アルキルカルボニル基及びアルキルカルボニルオキシアルキル基は上記R5について説明したものと同様である。好ましくはR16として水素原子又はアセトキシメチル基などを用いることができる。
一般式(IIA)又は(IIB)における式(B)で表される基、d、e、f、g、h、R31、R32、R33、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、m、R34、R35、n、R36は、それぞれ、一般式(IA)又は(IB)において対応する式(A)で表される基、p、q、r、s、t、R11、R12、R13、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、x、R14、R15、n、及びR16と同様である。
一般式(IA)又は(IB)、あるいは一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物は酸付加塩又は塩基付加塩を形成する場合がある。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩などの有機酸塩などを用いることができるが、これらに限定されることはない。塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、若しくはカルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩若しくはエタノールアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。これらの塩のうち、生理学的に許容される塩は本発明の化合物を生体内や細胞又は組織内の硫化水素測定用試薬として用いる場合に好ましい。
また、一般式(IA)又は(IB)、あるいは一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物は、置換基の種類に応じて1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、これらの不斉炭素に基づく任意の光学異性体、光学異性体の任意の混合物、ラセミ体、2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の任意の混合物などは、いずれも本発明の範囲に包含される。遊離化合物又は塩の形態の化合物の任意の水和物又は溶媒和物も本発明の範囲に包含される。また、R7が水素原子の場合にはカルボキシ基がラクトンを形成する場合もあるが、本発明の範囲にはこのような構造異性体も包含される。一般式(IA)においてR5が水素原子である化合物と一般式(IB)においてR7が水素原子である化合物は互変異性体に相当しているが、このような互変異性体の存在は当業者に容易に理解されることであり、いずれの互変異性体も本発明の範囲に包含される。
本発明の化合物の代表的化合物の製造方法を本明細書の実施例に詳細かつ具体的に示した。当業者は、本実施例の説明を基にして反応原料、反応条件、及び反応試薬などを適宜選択し、必要に応じてこれらの方法に修飾や改変を加えることによって、上記一般式で表される本発明の化合物をいずれも製造することができる。なお、原料化合物として用いることができる4-アミノフルオレセインなどのフルオレセイン誘導体は、例えば、亀谷哲治著、有機合成化学IX、南江堂、215頁(1977年)等に記載の方法に準じて製造できる。また、環状ポリアミン部分構造に関してはJ. Am. Chem. Soc., 118, 12696, 1996に開示された亜鉛プローブの部分構造の合成を参照することができる。
本明細書において用いられる「測定」という用語は、定量、定性、又は診断などの目的で行われる測定、検査、検出などを含めて、最も広義に解釈しなければならない。本発明による硫化水素の測定方法は、一般的には、(a)一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩と硫化水素とを反応させる工程、及び(b)上記工程(a)で生成した一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩に由来する蛍光を測定する工程を含んでいる。上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物は二価銅イオンの配位により消光されており、それ自体は無蛍光性又は弱蛍光性であるが、硫化水素と接触すると二価銅イオンが硫化水素と反応して不溶性のCuSとなり環状ポリアミン部分から脱落し、強蛍光性の一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩を生成する。
硫化水素測定用の試薬としては、二価銅イオンが配位した状態の一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を水などの適宜の水性媒体に溶解して使用することができるが、測定系内で一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩と二価銅イオンとを反応させてin situに一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を測定系内で生成させ、その一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩と硫化水素とを反応させてもよい。このような測定方法も本発明の範囲に包含されることは言うまでもない。
本発明の硫化水素測定用試薬を用いた蛍光測定手段は特に限定されないが、イン・ビトロで蛍光スペクトルを測定する方法や、バイオイメージングの手法を用いてイン・ビボで蛍光スペクトルを測定する方法などを採用することができる。例えば、定量を行う場合には、常法に従って予め検量線を作成しておくことが望ましい。本発明の試薬をマイクロインジェクション法等により細胞内に取り込ませれば、個々の細胞内に局在する硫化水素をバイオイメージング手法により高感度にリアルタイムで測定することができるほか、細胞培養液又は組織切片等の培養液又は灌流液中に用いることで細胞や生体組織が放出する硫化水素を測定できる。従って、本発明の硫化水素測定用試薬を用いることにより、細胞又は生体組織での硫化水素の挙動をリアルタイムに測定することが可能であり、硫化水素によるシグナル伝達のメカニズムの解明のほか、疾患病態の原因究明や治療薬の開発などに好適に利用することができる。
また、例えば、R5、R6、R7、R8、又はR9のいずれか又は2箇所以上にエステラーゼなどにより加水分解可能なエステル基を導入しておくと、分子全体が脂溶性になって細胞膜を容易に透過して細胞質内に到達するが、細胞質内においてエステラーゼにより加水分解を受けて親水性のカルボキシル基が生成すると細胞膜を容易に透過できなくなる。従って、このようなエステル導入型の化合物(例えばエステルとしてアセトキシメチルエステルやメトキシメチルエステルなどを導入した化合物)は、細胞質内における硫化水素の濃度を測定するための試薬として極めて有用である。
本発明の試薬は、必要に応じて試薬の調製に通常用いられる添加剤を配合して組成物として用いてもよい。例えば、生理的環境で試薬を用いるための添加剤として、溶解補助剤、pH調節剤、緩衝剤、等張化剤などの添加剤を用いることができ、これらの配合量は当業者に適宜選択可能である。これらの組成物は、粉末形態の混合物、凍結乾燥物、顆粒剤、錠剤、液剤など適宜の形態の組成物として提供される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1
下記合成スキームによりCyclen-4-AF及びCyclen-4-AF-Cuを合成した。
(a)クロロアセチルアミド-4-AF
4-アミノフルオレセイン (948.5 mg, 2.73 mmol) を脱水テトラヒドロフラン(THF) 30 mLに溶解し、NaHCO3 (761.5 mg, 9.06 mmol) を加えた。脱水THF 40 mLに溶解したClCH2COCl (436.8 mg, 3.87 mmol) を攪拌しながら10分以上かけて滴下した。その後、室温にてアルゴン下で一晩攪拌し、濾過後に溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー (silica gel、酢酸エチル/ヘキサン = 6/4) で精製して目的物 (756.9 mg, 1.79 mmol, y. 65%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD): δ 8.34 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 7.86 (dd, 1H, J = 8.1, 1.5 Hz), 7.16 (d, 1H, J = 8.1 Hz), 6.67 (d, 2H, J = 2.9 Hz), 6.61 (d, 2H, J = 8.8 Hz), 6.52 (dd, 2H, J = 8.8, 2.9 Hz), 4.24 (s, 2H)
13C NMR (75 MHz, CD3OD): δ 171.1, 167.8, 161.4, 154.1, 149.5, 141.2, 130.2, 129.1, 128.3, 125.9, 116.4, 113.6, 111.3, 103.5, 44.0
HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 424.0588, Found, 424.0578 (-1.0 mmu)
(b)Cyclen-4-AF
クロロアセチルアミド-4-アミノフルオレセイン (106.6 mg, 251.5 μmol) を脱水アセトニトリル 30 mLに溶解し、cyclen (368.0 mg, 2.14 mmol) とジイソプロピルエチルアミン(DIEA, 300 μL, 1.72 mmol) を加え、アルゴン下において70℃で8時間攪拌した。溶媒を除去した後、HPLCにて精製してCyclen-4-AF (TFA塩) (103.3 mg, 109.0 μmol, y. 43%) を得た。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ 8.34 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 7.83 (dd, 1H, J = 8.1, 2.2 Hz), 7.28 (d, 2H, J = 8.8 Hza), 7.23 (d, 1H, J = 8.1 Hz), 6.92 (dd, 2H, J = 8.8, 2.2 H), 6.86 (d, 2H, J = 2.2 Hz), 3.69 (s, 2H), 3.05-3.16 (m, 16H)
13C NMR (100 MHz, D2O): δ 170.9, 167.5, 165.9, 155.8, 137.8, 131.7, 130.5, 129.2, 128.1, 124.1, 120.2, 116.8, 116.3, 113.7, 113.4, 100.9, 54.5, 48.3, 42.9, 41.2, 40.7
HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 560.2509, Found, 560.2506 (-0.3 mmu)
(c)Cyclen-4-AF-Cu
CuSO4五水和物を30 mM HEPES緩衝液 (pH 7.4) に溶解し、1M CuSO4水溶液を調製した。Cyclen-4-AF (73.8 mg, 77.9 μmol) をCuSO4水溶液 (7792 μL, 7.79 mmol) に溶解し、室温にて一晩攪拌し、HPLCで精製してCyclen-4-AF-Cu (65.2 mg, quant yield) を得た。
HRMS (ESI+): Calcd for [M-H]+, 621.1649, Found, 621.1690 (4.1 mmu)
(d)Cyclen-4-AF-Cu diacetate
Cyclen-4-AF-Cu (5.60 μmol) を脱水アセトニトリル 4 mLに溶解し、ピリジン (4.14 mmol)と無水酢酸 (41.9 mmol)を加え、アルゴン下、60℃で6時間攪拌した。溶媒を除去後、HPLCで精製してCyclen-4-AF-Cu diacetate (3.6 mg, 5.1 μmol, y. 91%) を得た。
HRMS (ESI+): Calcd for [M-H]+, 705.1860, Found, 705.1843 (-1.7 mmu)
例2
TACN-4-AFを以下のスキームで合成した。
クロロアセチルアミド-4-アミノフルオレセイン (53.8 mg, 126.9 μmol) を脱水アセトニトリル 8 mLに溶解し、1,4,7-トリアザシクロノナン (TACN, 101.4 mg, 784.8 μmol)、ヨウ化カリウム (6.8 mg, 41.0 μmol) 及び、K2CO3 (111.0 mg, 803.1 μmol) を加え、アルゴン下において室温で一晩攪拌した。溶媒を除去後、HPLCで精製し、TACN-4-AF (TFA塩) (47.4 mg, 55.2 μmol, y. 44%) を得た。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ 8.35 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 7.84 (dd, 1H, J = 8.4, 2.2 Hz), 7.27-7.30 (m, 3H), 6.98 (d, 2H, J = 1.5 Hz), 6.93 (dd, 2H, J = 9.2, 1.5 Hz), 3.80 (s, 2H), 3.71 (s, 4H), 3.36 (t, 4H, J = 5.5 Hz), 3.15 (t, 4H, J = 5.5 Hz)
13C NMR (100 MHz, D2O): δ 171.4, 168.1, 165.4, 155.6, 137.5, 132.6, 130.2, 129.6, 127.8, 123.9, 119.6, 116.3, 116.2, 113.3, 113.3, 100.9, 55.1, 47.6, 42.8, 41.5
HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 517.2087, Found, 517.2106 (1.9 mmu)
例3
Cyclam-4-AFを以下のスキームで合成した。
クロロアセチルアミド-4-アミノフルオレセイン (51.5 mg, 121.5 μmol) を脱水アセトニトリル 8 mLに溶解し、1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン (cyclam, 191.2 mg, 954.5 μmol)、ヨウ化カリウム (8.7 mg, 52.4 μmol) 及び、K2CO3 (136.7 mg, 989.1 μmol) を加え、アルゴン下において室温で一晩攪拌した。溶媒を除去後、HPLCで精製し、Cyclam-4-AF (TFA塩) (22.5 mg, 21.6 μmol, y. 18%) を得た。
1H NMR (300 MHz, D2O): δ 8.53 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 7.89 (dd, 1H, J = 8.8, 2.2 Hz), 7.49 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.37 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.18 (d, 2H, J = 2.2 Hz), 7.09 (dd, 2H, J = 8.4, 2.2 Hz), 3.56 (s, 2H), 3.13-3.25 (m, 12H), 2.86-2.91 (m, 4H), 1.94-1.98 (m, 4H)
13C NMR (100 MHz, D2O): δ171.1, 167.2, 166.7, 156.4, 138.1, 130.7, 130.5, 128.6, 123.6, 120.4, 117.3, 116.3, 114.3, 113.4, 100.9, 54.4, 53.6, 52.7, 46.5, 46.0, 45.7, 44.8, 43.6, 42.0, 22.7, 21.4
HRMS (ESI+): Calcd for [M+M]+, 588.2822, Found, 588.2794 (-2.8 mmu).
例4
TMCyclen-4-AF及びTMCyclen-4-AF-Cuを以下のスキームで合成した。
(a)1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン (cyclen, 614.6 mg, 3.57 mmol) を脱水ジクロロメタン 15 mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン (1.86 g, 14.35 mmol) を加え、0℃にて攪拌した。そして、脱水ジクロロメタン 10 mLに溶解したp-トルエンスルホン酸クロリド (699.2 mg, 3.67 mmol) を10分以上かけて滴下した。その後室温にて、アルゴン下で16時間攪拌し、2 N NaOH水溶液で液性を塩基性にし、ジクロロメタンで抽出後に脱水し、溶媒を除去した。99%ギ酸 (1.83 g) に溶解し、37% ホルムアルデヒド水溶液 (3.10 mL, 41.6 mmol) を加え、110℃において8.5時間攪拌した。塩酸を加え、50℃で3.5時間攪拌した後、液性を塩基性にし、ジクロロメタンで抽出後脱水し、溶媒を除去した。さらに、HPLCで精製して、液性を塩基性にした後、ジクロロメタンで抽出後に脱水し、溶媒を除去して目的物 (669.7 mg, 1.82 mmol, y. 51%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 7.53 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 7.14 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 3.10 (t, 4H, J = 6.2 Hz), 2.65 (t, 4H, J = 6.2 Hz), 2.32-2.36 (m, 8H), 2.26 (s, 3H), 2.11 (s, 6H), 2.07 (s, 3H)
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 142.8, 135.8, 129.4, 126.9, 56.0, 55.3, 55.1, 47.5, 43.5, 43.0, 21.2
HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 369.2324, Found, 369.2298 (-2.6 mmu)
(b)上記工程(a)で得られた化合物 (669.7 mg, 1.82 mmol) を濃硫酸 5 mLに溶解し、アルゴン下において110℃で11時間攪拌した。水で希釈後、2 N NaOH溶液で液性を塩基性にしてジクロロメタンで抽出し、脱水後、溶媒を除去して目的物 (348.7 mg, 1.63 mmol, y. 89%) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: 2.80 (t, 4H, J = 5.0 Hz), 2.61 (t, 4H, J = 5.0 Hz), 2.45-2.48 (m, 8H), 2.36 (s, 6H), 2.20 (s, 3H)
13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ: 55.6, 53.6, 53.3, 47.0, 45.2, 21.4
LRMS (ESI+): [M+H]+, 215
(c)TMCyclen-4-AF
クロロアセチルアミド-4-アミノフルオレセイン (73.2 mg, 172.7 μmol) を脱水ジメチルホルムアミド 40 mLに溶解し、工程(b)で得られた化合物 (117.4 mg, 547.7 μmol) とジイソプロピルエチルアミン (371 mg, 2.87 mmol) を加え、アルゴン下で加熱還流下に1晩攪拌した。溶媒を除去後、HPLCで精製してTMCyclen-4-AF (TFA塩) (42.2 mg, 42.6 μmol, y. 25%) を得た。
1H NMR (300MHz, D2O) δ: 8.41 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 7.85 (dd, 1H, J = 8.8, 2.2 Hz), 7.27 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.19 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.90 (dd, 2H, J = 8.4, 2.2 Hz), 6.85 (d, 2H, J = 2.2 Hz), 3.75 (s, 2H), 2.90 (s, 6H), 2.62-3.67 (m, 16H), 2.41 (s, 3H)
13C NMR (75 MHz, D2O) δ: 171.8, 167.4, 166.4, 156.4, 137.6, 131.4, 130.7, 129.4, 128.6, 124.1, 120.6, 117.1, 116.8, 114.1, 112.9, 101.0, 55.6, 52.3, 52.0, 49.0, 48.2, 40.5, 40.4
HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 602.2979, Found, 602.2939 (-4.0 mmu)
(d)TMCyclen-4-AF-Cu
CuSO4五水和物を30 mM HEPES緩衝液 (pH 7.4) に溶解し、1 M CuSO4水溶液を調製した。TMCyclen-4-AF (12.1 mg, 12.2 μmol) をCuSO4水溶液 (1220 μL, 1.22 mmol) に溶解し、室温にて4時間攪拌し、HPLCにて精製してTMCyclen-4-AF-Cu (9.52 mg, y. quant) を得た。
HRMS (ESI+): Calcd for [M-H]+, 663.2118, Found, 663.2106 (-1.2 mmu)
例5
Cyclne-4-AF-Cuの吸光及び蛍光スペクトルを測定した。吸収及び蛍光スペクトルは30 mM HEPES緩衝液 (pH 7.4) 中で測定した。蛍光スペクトルの測定ではCyclen-4-AF-Cuを491 nmで励起した。蛍光量子収率測定では0.1N NaOH溶液中でフルオレセイン(Φfl = 0.85) を蛍光標準として用いた。結果を図1(左側)及び表1に示す。Cyclen-4-AF-Cuの蛍光量子収率は低下していることが示された。同様にしてCyclen-4-AF(図1、右側)、TACN-4-AF(図2左側)、Cyclam-4-AF(図2、右側)、TMCyclen-4-AF(図3、左側)、及びTMCyclen-4-AF-Cu(図3、右側)の吸光及び蛍光スペクトルを測定した。
例6
Cyclen-4-AF-Cuの反応性の評価を行った。1 μM Cyclen-4-AF-Cuに、300秒後に10 μM Na2S (赤), 10 μM Na2Sと10 mM GSH (緑), 10 mM GSH (黄)を添加し、また、無添加の実験をネガティブコントロール (青) として反応性を調べた。30 mM HEPES緩衝液 (pH 7.4) 中において491 nmで励起し、516 nmの蛍光強度を測定した。結果を図4に示す。Cyclen-4-AF-CuはNa2Sと反応後に蛍光上昇を示し、GSHと比較して選択性を有することが示された。また、Cyclen-4-AF-Cuは10 mM GSH共存下中においても10 μM Na2S添加によって蛍光強度が上昇することが明らかとなった。
例7
Cyclen-4-AF-Cuを用いて生体内の硫化水素の測定が可能であるか否かを評価した。HeLa細胞を37℃、5% CO2混合空気中にてダルペッコ改変イーグル培地(DMEM)に10% ウシ胎児血清(FBS)、1% ペニシリン、及び1% ストレプトマイシンを添加した培地中で培養した。ハンクス平衡塩溶液(HBSS)にて2回洗浄した。HBSS中のHeLa細胞に対して100 μM Cyclen-4-AF-Cuを含むHBSS (0.1% DMSO) をマイクロインジェクション(領域1-4)した。蛍光顕微鏡にて470-490 nmで励起し、515-550 nmの蛍光強度を測定した。測定開始5分後に細胞外液に10 mM Na2Sを添加した。この結果、マイクロインジェクションしたHeLa細胞内の領域1-4で蛍光強度の増大が観察された。図5の上段はNa2S添加前(0 sec)、中段はNa2S添加後(360 sec)、及び下段は蛍光強度の経時変化を示し、領域5及び6はマイクロインジェクションをしていない領域を示す。
同様に、Cyclen-4-AF-Cu diacetateを用いてHeLa細胞への取り込みによる硫化水素の測定を行った結果を図6に示す。上記と同様にして培養したHela細胞を100 μM Cyclen-4-AF-Cu diacetateを含むHBSSで37℃、2時間インキュベーションした。蛍光顕微鏡にて470-490 nmで励起し、515-550 nmの蛍光強度を測定した。測定開始210秒後に細胞外液に10 mM Na2Sを添加した。HeLa細胞内外で蛍光強度の増大が観察された。図6の上段はNa2S添加前(0 sec)、中段はNa2S添加後(240 sec)、及び下段は蛍光強度の経時変化を示す。
例8
TACN-4-AF単独、及び2当量のCu2+を加えたTACN-4-AFの吸収スペクトルと蛍光スペクトルを測定した。測定は30 mM HEPESバッファー (pH 7.4) 中で行い、蛍光スペクトルの測定では491 nmで励起した。Cu2+の添加により蛍光強度は著しく減少した(図7、上段左側:吸収スペクトル、上段右側:蛍光スペクトル)。また、1 μM TACN-4-AFに2 μM CuSO4を加え、300秒後に100 μM Na2S (赤)、10 μM Na2S (緑)、又は10 mM GSH (黄)を添加し、無添加の実験をネガティブコントロール (青) として反応性を調べた。30 mM HEPES緩衝液 (pH 7.4) 中において491 nmで励起し、516 nmの蛍光強度を測定した。この結果、TACN-4-AF+Cu2+はNa2Sと反応後、大きな蛍光上昇を示し、GSHと比較して硫化水素に対して高い選択性を有することが示された(図7、下段)。
例9
Cyclam-4-AF単独、及び2当量のCu2+を加えたCyclam-4-AFの吸収スペクトルと蛍光スペクトルを測定した。測定は30 mM HEPESバッファー (pH 7.4) 中で行い、蛍光スペクトルの測定では491 nmで励起した。Cu2+の添加により蛍光強度は著しく減少した(図8)。
例10
1 μM Cyclam-4-AFに2 μM CuSO4を加え、300秒後に100 μM Na2S (赤)、10 μM Na2S (緑)、又は10 mM GSH (黄)を添加し、無添加の実験をネガティブコントロール (青) として反応性を調べた。30 mM HEPES緩衝液 (pH 7.4) 中において491 nmで励起し、516 nmの蛍光強度を測定した。この結果、Cyclam-4-AF+Cu2+はNa2Sと反応後、蛍光上昇を示し、GSHと比較して選択性を有することが示された(図9上段)。同様にして、1 μM TMCyclen-4-AF-Cuに対して、300秒後に100 μM Na2S (赤)、10 μM Na2S (緑)、又は10 mM GSH (黄)を添加し、無添加の実験をネガティブコントロール (青) として反応性を調べたところ、TMCyclen-4-AF-CuもNa2Sと反応後に蛍光上昇を示し、GSHと比較して選択性を有することが示された(図9下段)。

Claims (10)

  1. 下記の一般式(IA)又は(IB):
    〔式中、R1は下記式(A):
    (式中、p、q、r、及びsはそれぞれ独立に2又は3の整数を示し、tは0又は1を示し、R11、R12、及びR13はそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示す)で表される基を示し;R2は水素原子又はベンゼン環上に置換する1個ないし3個の一価の置換基を示し;R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を示し;R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、アルキルカルボニル基、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を示し;R7は水素原子、アルキル基、又はアルコキシアルキル基を示し;R8及びR9はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は-(CH2)x-N(R14)(R15)(式中、xは1ないし4の整数を示し、R14及びR15はそれぞれ独立に-(CH2)y-COOR16(式中、yは1ないし4の整数を示し、R16は水素原子、アルキルカルボニル基、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を示す)で表される基を示す)で表される基を示す〕で表される化合物又はその塩。
  2. ベンゼン環上に存在するR1がキサンテン環の結合部位に対してパラ位に結合しており、p、q、r、及びsが2であり、tが1であり、R11、R12、及びR13が水素原子であり、かつR2が水素原子である請求項1に記載の一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩。
  3. R3及びR4が水素原子であり、R5及びR6がそれぞれ独立に水素原子、アセチル基、又はアセチルオキシメチル基であり、R7が水素原子、アルキル基、又はメトキシメチル基であり、R8及びR9がともに水素原子である請求項1又は2に記載の一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩。
  4. 下記の一般式(IIA)又は(IIB):
    〔式中、R21は下記式(B):
    (式中、d、e、f、及びgはそれぞれ独立に2又は3の整数を示し、hは0又は1を示し、R31、R32、及びR33はそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示す)で表される基を示し;R22は水素原子又はベンゼン環上に置換する1個ないし3個の一価の置換基を示し;R23及びR24はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子を示し;R25及びR26はそれぞれ独立に水素原子、アルキルカルボニル基、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を示し;R27は水素原子、アルキル基、又はアルコキシアルキル基を示し;R28及びR29はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は-(CH2)m-N(R34)(R35)(式中、mは1ないし4の整数を示し、R34及びR35はそれぞれ独立に-(CH2)n-COOR36(式中、nは1ないし4の整数を示し、R36は水素原子、アルキルカルボニル基、又はアルキルカルボニルオキシアルキル基を示す)で表される基を示す)で表される基を示す〕で表される化合物又はその塩。
  5. ベンゼン環上に存在するR21がキサンテン環の結合部位に対してパラ位に結合しており、d、e、f、及びgが2であり、hが1であり、R31、R32、及びR33が水素原子であり、かつR22が水素原子である請求項4に記載の一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩。
  6. R23及びR24が水素原子であり、R25及びR26がそれぞれ独立に水素原子、アセチル基、又はアセチルオキシメチル基であり、R27が水素原子、アルキル基、又はメトキシメチル基であり、R28及びR29がともに水素原子である請求項4又は5に記載の一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩。
  7. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を含む硫化水素測定用蛍光プローブ。
  8. 請求項4ないし6のいずれか1項に記載の一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩を含む硫化水素測定用蛍光プローブ。
  9. 硫化水素の測定方法であって、下記の工程:
    (a)請求項1ないし3のいずれか1項に記載の一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を硫化水素と接触させる工程;及び
    (b)上記工程(a)で生成した上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩の蛍光を測定する工程
    を含む方法。
  10. 硫化水素の測定方法であって、下記の工程:
    (a)請求項4ないし6のいずれか1項に記載の一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩と二価銅イオンとを反応させて上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩を生成させる工程;
    (b)上記工程(a)で生成した上記一般式(IA)又は(IB)で表される化合物又はその塩と硫化水素とを接触させる工程;及び
    (c)上記工程(b)で生成した上記一般式(IIA)又は(IIB)で表される化合物又はその塩の蛍光を測定する工程
    を含む方法。
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