JP2014133544A - 車両のサスペンション - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の旋回時の車輪側からの外力に対しサスペンションの各アームが強固に対抗できるようにし、かつ、このようにした場合でも、サスペンションを小型、かつ、軽量にできるようにすると共に、生産コストを安価にできるようにする。
【解決手段】車両のサスペンションは、車体2の前後方向に延び、各後端部が車輪4,5を支持して上下に揺動可能となるよう各前端部がそれぞれ枢支具13により車体2に枢支される左右一対のサスペンションアーム10,11と、左右アーム10,11に架設されて両アーム10,11を結合するクロスメンバ14とを備える。車体の平面視で、クロスメンバ14をX字形状となるよう形成し、クロスメンバ14の左右各側部における前、後端部を、これに対応するアーム10,11の前、後端部側に結合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、左右一対のサスペンションアームと、これら左右アームに架設され、車両の旋回時に主にスタビライザとして働くクロスメンバとを備えた車両のサスペンションに関するものである。
上記車両のサスペンションには、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車両のサスペンションは、車体の前後方向に延び、その各後端部が車輪を支持して上下に揺動可能となるよう各前端部がそれぞれ枢支具により車体に枢支される左右一対のサスペンションアームと、これら左右アームに架設されてこれら両アームを結合するクロスメンバとを有している。
そして、車両の旋回時に、上記クロスメンバが弾性的に捩り変形して、このクロスメンバに捩り応力(剪断応力)が生じる場合には、このクロスメンバは主にスタビライザとして働くことにより、車両に安定した旋回が得られて、車両の操安性が向上させられるようになっている。
特開2006−182141号公報
ところで、車両の旋回時には、上記各アームには、車輪側から車体の幅方向に向かう外力による大きい曲げモーメントが与えられるおそれがある。そして、この場合には、これらアームの剛性が不足しがちとなってこのアームが変形し、操安性が阻害されるおそれを生じる。
そこで、車両の旋回時に、上記各アームに与えられる曲げモーメントに強固に対抗できるよう、これら各アームやクロスメンバの横断面積を大きくしたり、剛性の大きい材質のものを適用したりすることが考えられる。しかし、これでは、サスペンションが大型化すると共に質量が大きくなり、また、生産コストが高価になるおそれがあって、好ましくない。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車両の旋回時の車輪側からの外力に対しサスペンションの各アームが強固に対抗できるようにし、かつ、このようにした場合でも、サスペンションを小型、かつ、軽量にできるようにすると共に、生産コストを安価にできるようにすることである。
請求項1の発明は、全図に例示するように、車体2の前後方向に延び、その各後端部が車輪4,5を支持して上下に揺動可能となるよう各前端部がそれぞれ枢支具13により車体2に枢支される左右一対のサスペンションアーム10,11と、これら左右アーム10,11に架設されてこれら両アーム10,11を結合するクロスメンバ14とを備えた車両のサスペンションにおいて、
車体の平面視(図1,4,6)で、上記クロスメンバ14をX字形状となるよう形成し、このクロスメンバ14の左右各側部における前、後端部を、これに対応する上記アーム10,11の前、後端部側に結合したことを特徴とする車両のサスペンションである。
請求項2の発明は、図1〜3に例示するように、上記クロスメンバ14が、上記左右アーム10,11の各前端部側に架設され、その長手方向の中途部が車体2の後方に向かって凸となるよう屈曲する前メンバ35と、上記左右アーム10,11の各後端部側に架設され、その長手方向の中途部が車体2の前方に向かって凸となるよう屈曲する後メンバ36と、これら前、後メンバ35,36の各屈曲による頂部同士を回動可能に連結する連結体37とを有したことを特徴とする請求項1に記載の車両のサスペンションである。
請求項3の発明は、図1〜3に例示するように、車体2の前後方向に向かう視線で見て(図2)、上記前、後メンバ35,36の各端部をそれぞれ結ぶ仮想線で囲まれた空間46よりも上方に上記連結体37を位置させたことを特徴とする請求項2に記載の車両のサスペンションである。
請求項4の発明は、図1〜3に例示するように、上記前、後メンバ35,36のうち、いずれか一方のメンバを棒材もしくはパイプ材である剛性長尺材により形成したことを特徴とする請求項2、もしくは3に記載の車両のサスペンションである。
請求項5の発明は、図4〜6に例示するように、上記連結体37をボールジョイント式の自在継手とし、上記前メンバ35の長手方向の各部断面を前方に向かって開口するU字形状もしくはコの字形状とし、上記前メンバ35の各側部がわの断面視(図6)回りでの捩りモーメントT1による各捩り中心線49が、それぞれ上記枢支具13の中心48と上記連結体37のボール43のボール中心43aとの各近傍を通過するようにしたことを特徴とする請求項2から4のうちいずれか1つに記載の車両のサスペンションである。
請求項6の発明は、図4〜6に例示するように、上記連結体37をボールジョイント式の自在継手とし、上記後メンバ36が、前、後に並設されてそれぞれ上記左右アーム10,11の各後端部側に架設される前、後ビーム52,53を有し、上記後メンバ36の長手方向の中途部における上記前、後ビーム52,53の各断面を前、後方に向かって開口するコの字形状にし、上記後メンバ36の長手方向の中央部における上記前、後ビーム52,53の各底面板52a,53aを重ね合わせて結合し、これら各底面板52a,53a同士の結合面55を上記連結体37のボール43のボール中心43aの近傍に位置させたことを特徴とする請求項2から4のうちいずれか1つに記載の車両のサスペンションである。
請求項7の発明は、図4〜6に例示するように、上記連結体37をボールジョイント式の自在継手とし、上記前メンバ35の長手方向の各部断面を前方に向かって開口するU字形状もしくはコの字形状とし、上記前メンバ35の各側部がわの断面視(図6)回りでの捩りモーメントT1による各捩り中心線49が、それぞれ上記枢支具13の中心48と上記連結体37のボール43のボール中心43aとの各近傍を通過するようにし、
上記後メンバ36が、前、後に並設されてそれぞれ上記左右アーム10,11の各後端部側に架設される前、後ビーム52,53を有し、上記後メンバ36の長手方向の中途部における上記前、後ビーム52,53の各断面を前、後方に向かって開口するコの字形状にし、上記後メンバ36の長手方向の中央部における上記前、後ビーム52,53の各底面板52a,53aを重ね合わせて結合し、これら各底面板52a,53a同士の結合面55を上記連結体37のボール43のボール中心43aの近傍に位置させたことを特徴とする請求項2、もしくは3に記載の車両のサスペンションである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、車体の前後方向に延び、その各後端部が車輪を支持して上下に揺動可能となるよう各前端部がそれぞれ枢支具により車体に枢支される左右一対のサスペンションアームと、これら左右アームに架設されてこれら両アームを結合するクロスメンバとを有するサスペンションフレームを備えた車両のサスペンションにおいて、
車体の平面視で、上記クロスメンバをX字形状となるよう形成し、このクロスメンバの左右各側部における前、後端部を、これに対応する上記アームの前、後端部側に結合している。
ここで、車両の旋回時には、上記各アームには、車輪側から車体の幅方向に向かう外力による大きい曲げモーメントが与えられるおそれがある。しかし、本発明によれば、上記外力は、X字形状とされたクロスメンバの上記車輪側である左右各後端部から左右各前端部に対し、主に軸方向力として伝達された後、車体により支持される。よって、前記した従来の技術のように、車輪側からの外力が各アームに対し曲げモーメントとして作用することに比べ、これら各アームは上記外力に対し十分の剛性で強固に対抗する。
また、上記したように、車輪側から各アームに与えられる外力に対しこれら各アームが強固に対抗することは、上記クロスメンバを単純なX字形状に形成したことにより達成できるのであって、上記各アームやクロスメンバの横断面積を大きくしたり、剛性の大きい材質のものを適用したりしないで足りる。よって、車両の旋回時に、車輪側から各アームに与えられる外力に対しこれら各アームが強固に対抗できるようにした場合でも、サスペンションを小型、かつ、軽量にできると共に、生産コストを安価にすることができる。
請求項2の発明は、上記クロスメンバが、上記左右アームの各前端部側に架設され、その長手方向の中途部が車体の後方に向かって凸となるよう屈曲する前メンバと、上記左右アームの各後端部側に架設され、その長手方向の中途部が車体の前方に向かって凸となるよう屈曲する後メンバと、これら前、後メンバの各屈曲による頂部同士を回動可能に連結する連結体とを有している。
ここで、車両の旋回時に、上記クロスメンバの前、後メンバがそれぞれ弾性的に捩り変形し、これら前、後メンバにそれぞれ捩り応力が生じるときには、これら作用によって、車両の操安性が向上させられるが、このように、クロスメンバが捩り変形する場合には、車体の平面視で、X字形状をなすクロスメンバの交差部には応力集中が生じがちとなる。
しかし、上記発明によれば、X字形状の交差部に相当する上記前、後メンバの各屈曲による頂部同士は、これらを回動可能にする連結体により連結されている。このため、上記前、後メンバの頂部同士の間に応力集中が生じることは防止される。よって、上記したように、車両の操安性の向上が図られたものでありながら、サスペンションの寿命の向上が達成される。
請求項3の発明は、車体の前後方向に向かう視線で見て、上記前、後メンバの各端部をそれぞれ結ぶ仮想線で囲まれた空間よりも上方に上記連結体を位置させており、次の効果が生じる。
即ち、車両が、例えば、左旋回するとき、この車両の車体の重心は、その遠心力により旋回中心から離れるよう右方に移動するため、車体の前後方向に向かう視線で見て、この車体は走行路面に対し右傾する。この際、上記車体に対し枢支具により枢支されている上記各アームの前端部は上記車体と共に右傾するが、上記各車輪は走行路面に接地したままの状態のため、上記各車輪と、これら車輪を支持している上記各アームの後端部側およびクロスメンバの後部側とは、これら各アームやクロスメンバの弾性変形により上記連結体を中心としてこの連結体の下側で車体に対し右方に回動する。
そして、上記連結体を中心とした各車輪の右方への回動を、車体の平面視で見れば、上記各車輪が上記各枢支具を中心として右方に回動することに他ならない。よって、上記左右車輪のうち、左車輪がリバンド側でトーアウトとなり、右車輪がバンプ側でトーインになるというロールステアが得られて、アンダステアリングが強められる。この結果、車両の操安性が、簡単な構成で、より確実に向上させられる。
なお、上記車両が右旋回したときも、上記と同様の効果が生じる。
請求項4の発明は、上記前、後メンバのうち、いずれか一方のメンバを棒材もしくはパイプ材である剛性長尺材により形成している。
このため、上記したように、車両の旋回時に、クロスメンバの前、後メンバがそれぞれ捩り変形するとき、捩り剛性が大きい上記剛性長尺材により、より大きい捩り応力が生じる。よって、この剛性長尺材は、特にスタビライザとして効果的に働き、その分、車両の操安性が、より向上させられる。
また、上記した棒材やパイプ材は、構造が単純で、その形成は容易にできるものである。よって、上記剛性長尺材には、大きい捩り剛性を安価に確保できることから、その分、上記サスペンションの生産コストを安価にできる。
請求項5の発明は、上記連結体をボールジョイント式の自在継手とし、上記前メンバの長手方向の各部断面を前方に向かって開口するU字形状もしくはコの字形状とし、上記前メンバの各側部がわの断面視回りでの捩りモーメントによる各捩り中心線が、それぞれ上記枢支具の中心と上記連結体のボールのボール中心との各近傍を通過するようにしており、次の効果が生じる。
即ち、車両の旋回時には、サスペンションのクロスメンバにおける前、後メンバがそれぞれ弾性的に捩り変形し、この際、上記クロスメンバに生じる捩り応力によって車両の操安性が向上させられる一方、上記クロスメンバの捩り変形により、X字形状をなすクロスメンバの交差部には応力集中が生じがちとなる。
しかし、上記した枢支具の中心は車体に対するサスペンションの枢支中心であると共に、上記連結体のボールのボール中心は上記サスペンションのクロスメンバにおける前、後メンバ同士の回動中心であり、この場合において、上記したように、前メンバの各側部がわの各捩り中心線は、上記した枢支具の中心と連結体のボールのボール中心との各近傍を通過している。
このため、上記前メンバの各側部がわは、上記クロスメンバの捩り変形に伴い上記捩り中心線回りに無理なく捩り変形して、上記クロスメンバの交差部に応力集中が生じることは、より確実に防止される。よって、車両の操安性の向上が図られたものでありながら、サスペンションの寿命の向上が、より確実に達成される。
請求項6の発明は、上記連結体をボールジョイント式の自在継手とし、上記後メンバが、前、後に並設されてそれぞれ上記左右アームの各後端部側に架設される前、後ビームを有し、上記後メンバの長手方向の中途部における上記前、後ビームの各断面を前、後方に向かって開口するコの字形状にし、上記後メンバの長手方向の中央部における上記前、後ビームの各底面板を重ね合わせて結合し、これら各底面板同士の結合面を上記連結体のボールのボール中心の近傍に位置させており、次の効果が生じる。
即ち、車両の旋回時には、サスペンションのクロスメンバにおける前、後メンバがそれぞれ弾性的に捩り変形し、この際、上記クロスメンバに生じる捩り応力によって車両の操安性が向上させられる一方、上記クロスメンバの捩り変形により、X字形状をなすクロスメンバの交差部には応力集中が生じがちとなる。
しかし、上記した後メンバの捩り中心線は、この後メンバにおける前、後ビームの各底面板同士の結合面上に位置しがちである。そして、上記したように、この結合面は、サスペンションのクロスメンバにおける前、後メンバ同士の回動中心である上記連結体のボールのボール中心の近傍に位置させられている。
このため、上記後メンバは、上記クロスメンバの捩り変形に伴い上記捩り中心線回りに無理なく捩り変形して、上記クロスメンバの交差部に応力集中が生じることは、より確実に防止される。よって、車両の操安性の向上が図られたものでありながら、サスペンションの寿命の向上が、より確実に達成される。
請求項7の発明は、上記請求項5と請求項6とから生じる各効果を奏する。
実施例1を示し、平面図である。 実施例1を示し、背面図である。 実施例1を示し、図1,2に示したものの斜視図である。 実施例2を示し、図1に相当する図である。 実施例2を示し、図4のV−V線矢視拡大断面図である。 実施例2を示し、図4のVI−VI線矢視拡大断面図である。 実施例3を示し、図1に相当する図である。 実施例3を示し、図7に示したものの斜視図である。 実施例4を示し、図1に相当する図である。
本発明の車両のサスペンションに関し、車両の旋回時の車輪側からの外力に対しサスペンションの各アームが強固に対抗できるようにし、かつ、このようにした場合でも、サスペンションを小型、かつ、軽量にできるようにすると共に、生産コストを安価にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、車両のサスペンションは、車体の前後方向に延び、その各後端部が車輪を支持して上下に揺動可能となるよう各前端部がそれぞれ枢支具により車体に枢支される左右一対のサスペンションアームと、これら左右アームに架設されてこれら両アームを結合するクロスメンバとを備える。車体の平面視で、上記クロスメンバはX字形状となるよう形成され、このクロスメンバの左右各側部における前、後端部は、これに対応する上記アームの前、後端部側に結合される。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1〜3に従って説明する。
図1〜3において、図中符号1は、自動車で例示される車両であり、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。また、下記する左右とは、上記前方に向かっての車両1の車体2の幅方向をいうものとする。また、下記する結合とは、特記なき場合は、溶接による結合を意味するものとする。
上記車両1は、その車体2の後部にサスペンション3により懸架される左右一対の後車輪4,5を備え、これらサスペンション3、各後車輪4,5、および不図示の左右一対の前車輪によって車体2は走行路面6上に支持される。上記車体2、サスペンション3、および左右車輪4,5は、車体2の幅方向の中央を通る車体中心線7を基準として左右対称形とされる。
上記サスペンション3は、金属製のサスペンションフレーム9を備えている。このサスペンションフレーム9は、車体2の幅方向で互いに離れて、それぞれ車体2の前後方向に長く延びる左右一対のサスペンションアーム10,11と、これら各アーム10,11の後端部にそれぞれ締結され、上記各車輪4,5を回転可能に支持する車輪支持体12と、上記各アーム10,11の後端部が上記車輪支持体12により各車輪4,5を支持して上下に揺動可能となるよう上記各アーム10,11の前端部を車体2に枢支させる枢支具13と、上記左右アーム10,11に架設されてこれら両アーム10,11を結合するクロスメンバ14とを有している。
また、上記サスペンション3は、車体2とサスペンションフレーム9との間に介設され、軸心が上下方向に延びる衝撃吸収体であるコイルばね15、および緩衝器16を備えている。
上記各アーム10,11は、それぞれその長手方向の各部断面が縦方向に長い矩形の帯形状板(フラットバー)18により形成される。これら各アーム10,11は、その各断面が互いに同形同大とされ、また、互いに同材質とされて、ある程度の弾性を有する金属(型鋼)製とされる。上記車輪支持体12は、クロスメンバ14に締結などで結合される台座部と、この台座部から突出し、各車輪4,5を回転可能に支持する車軸部とを有している。
上記各枢支具13は、上記各アーム10,11の前端部に結合され、軸心が上下方向に延びる筒状体20と、上記筒状体20の軸心上に位置してこの筒状体20を貫通し、車体2に固着されるパイプ形状の枢支軸21と、上記筒状体20と枢支軸21との間に介設され、これら20,21に加硫接着されてこれら20,21を互いに弾性的に連結するゴムブッシュ22とを有している。なお、上記筒状体20と枢支軸21との軸方向は、車体2の前後、左右、上下、傾斜方向のいずれであってもよい。
上記クロスメンバ14は、車体2の幅方向に延びて上記左右アーム10,11の各前端部に架設され、その長手方向の中途部が車体2の後方に向かって凸となるよう屈曲する前メンバ35と、車体2の幅方向に延びて上記左右アーム10,11の各後端部に架設され、その長手方向の中途部が車体2の前方に向かって凸となるよう屈曲する後メンバ36と、これら前、後メンバ35,36の各屈曲による頂部同士を回動可能に連結する連結体37とを有している。この場合、上記した前、後メンバ35,36の各頂部は、これら前、後メンバ35,36のそれぞれ長手方向の中央部に相当し、車体2の平面視(図1)で、上記車体中心線7上に位置している。そして、上記クロスメンバ14は、上記前、後メンバ35,36と連結体37とにより、車体2の平面視(図1)で、全体としてX字形状となるよう形成される。
上記前メンバ35は、断面円形のパイプ材である剛性長尺材により形成される。なお、この前メンバ35は、上記パイプ材を、一旦、平坦形状となるようプレス加工した後、その断面がC字形状やL字形状となるよう屈曲形成したものであってもよく、また、断面円形、断面多角形、もしくは断面三角形の棒材である剛性長尺材により形成してもよい。また、上記前メンバ35は上記各枢支具13を介して上記左右アーム10,11の各前端部に間接的に結合させてもよく、上記後メンバ36は上記各車輪支持体12を介して上記左右アーム10,11の各後端部に間接的に結合させてもよい。
上記後メンバ36は、その長手方向の各部断面が縦方向に長い矩形の前後一対の帯形状板18,18と、これら両帯形状板18,18の長手方向の各端部の間に配置されて、これら両端部を互いに結合させる高剛性のバルクヘッド40とを有している。上記両帯形状板18,18は、車体2の前後方向(各帯形状板18の厚さ方向)で互いに少し離れて対面し、その離間寸法は、この後メンバ36の長手方向の各端部側から中央部に向かい漸減することとされる。
上記左右アーム10,11の各前端部は、上記前メンバ35の長手方向の各端部を介し枢支具13の筒状体20と結合される。また、左右アーム10,11の各後端部は、上記後メンバ36のバルクヘッド40と結合される。この後メンバ36の長手方向の各端部における前、後帯形状板18,18の間の内部空間に上記緩衝器16の一端部である下端部が配置され、この緩衝器16の下端部は上記前、後帯形状板18,18に跨るように枢支されて支持される。一方、上記緩衝器16の他端部である上端部は車体2側に連結される。
なお、上記アーム10,11の各帯形状板18の断面形状は、上記後メンバ36の各帯形状板18のそれよりも大きくされるが、互いに同形同大であってもよく、また、上記各帯形状板18は、その長手方向の一方向に向かうに従い断面形状が大きく(もしくは小さく)なるようにしてもよい。また、上記クロスメンバ14の前、後メンバ35,36のうち、前メンバ35を上記した前後一対の帯形状板18,18、もしくは一本の帯形状板18で構成し、後メンバ36を剛性長尺材で形成してもよい。また、上記前、後帯形状板18,18は三本以上でもよく、互いに面接触させて結合させてもよい。
上記連結体37はボールジョイント式の自在継手である。この連結体37は、上記前メンバ35の長手方向の中央部に締結具42により固着されるボール43と、上記後メンバ36の長手方向の中央部における前、後帯形状板18の間に挟まれると共にこれら帯形状板18,18に締結具により固着されて、上記ボール43をそのボール中心43a回りに三次元的に回動自在に内有するソケット44とを有している。
そして、車両1の走行時に、走行路面6の凹凸部から車輪4,5およびサスペンションフレーム9を介し車体2側に衝撃力が与えられようとする場合には、上記車輪4,5は、上記サスペンションフレーム9と共に上下に揺動し、これに連動するコイルばね15や緩衝器16の衝撃吸収体により、上記衝撃力に基づくエネルギが吸収されて、この衝撃力が緩和され、もって、車両1の操安性が良好に維持される。
また、車両1の旋回時に、上記サスペンションフレーム9の左右アーム10,11が上下方向で相対変位し、これら左右アーム10,11に架設された上記クロスメンバ14が弾性的に捩り変形して、このクロスメンバ14に捩り応力が生じる場合には、このクロスメンバ14は主にスタビライザとして働くと共にトーションバーとしても働き、車両1に安定した旋回が得られて、車両1の操安性が向上させられる。
また、上記車両1の旋回時には、上記各アーム10,11には、車輪4,5側から車体2の幅方向に向かう外力による大きい曲げモーメントが与えられるおそれがあるが、上記外力は、前記したように、X字形状とされたクロスメンバ14の上記車輪4,5側である左右各後端部から左右各前端部に対し、主に軸方向力として伝達された後、車体2により支持される。よって、前記した従来の技術のように、車輪4,5側からの外力が各アーム10,11に対し曲げモーメントとして作用することに比べ、これら各アーム10,11は上記外力に対し十分の剛性で強固に対抗する。
また、上記したように、車輪4,5側から各アーム10,11に与えられる外力に対しこれら各アーム10,11が強固に対抗することは、上記クロスメンバ14を単純なX字形状に形成したことにより達成できるのであって、上記各アーム10,11やクロスメンバ14の各部の横断面積を大きくしたり、剛性の大きい材質のものを適用したりしないで足りる。よって、車両1の旋回時に、車輪4,5側から各アーム10,11に与えられる外力に対しこれら各アーム10,11が強固に対抗できるようにした場合でも、サスペンション3を小型、かつ、軽量にできると共に、生産コストを安価にすることができる。
また、前記したように、クロスメンバ14が、上記左右アーム10,11の各前端部側に架設され、その長手方向の中途部が車体2の後方に向かって凸となるよう屈曲する前メンバ35と、上記左右アーム10,11の各後端部側に架設され、その長手方向の中途部が車体2の前方に向かって凸となるよう屈曲する後メンバ36と、これら前、後メンバ35,36の各屈曲による頂部同士を回動可能に連結する連結体37とを有している。
ここで、車両1の旋回時に、上記サスペンションフレーム9の左右アーム10,11が上下方向で相対変位する場合には、これら左右アーム10,11に架設された上記クロスメンバ14の前、後メンバ35,36がそれぞれ弾性的に捩り変形して、これら前、後メンバ35,36にそれぞれ捩り応力が生じる。そして、このようなクロスメンバ14に生じる捩り応力により、このクロスメンバ14が主にスタビライザとして働き、車両1に安定した旋回が得られて、車両1の操安性が向上させられる。
また、上記したように、左右アーム10,11が上下方向で相対変位してクロスメンバ14が捩り変形する場合には、車体2の平面視(図1)で、X字形状をなすクロスメンバ14の交差部には応力集中が生じがちとなる。
しかし、上記構成によれば、X字形状の交差部に相当する上記前、後メンバ35,36の各屈曲による頂部同士は、これらを回動可能にする連結体37により連結されている。このため、上記前、後メンバ35,36の頂部同士の間に応力集中が生じることは防止される。よって、上記したように、車両1の操安性の向上が図られたものでありながら、サスペンション3の寿命の向上が達成される。
図2において、この図2中実線と二点鎖線とで示す車体2を、その前後方向に向かう視線で見て、上記前、後メンバ35,36の各端部をそれぞれ結ぶ三点鎖線の仮想線で囲まれた空間46よりも上方に、上記連結体37のボール43の中心点が位置させられる。
上記構成によれば、車両1が、例えば、左旋回するとき、この車両1の車体2の重心は、その遠心力により旋回中心から離れるよう右方に移動するため、車体2の前後方向に向かう視線で見て、この車体2は走行路面6に対し右傾する(図2中一点鎖線)。この際、上記車体2に対し枢支具13により枢支されている上記サスペンションフレーム9の各アーム10,11の前端部は上記車体2と共に右傾するが、上記各車輪4,5は走行路面6に接地したままの状態のため、上記各車輪4,5と、これら車輪4,5を支持している上記各アーム10,11の後端部側およびクロスメンバ14の後部側とは、サスペンションフレーム9の各アーム10,11やクロスメンバ14の弾性変形により上記連結体37を中心としてこの連結体37の下側で車体2に対し右方に回動する(図2中一点鎖線)。
そして、上記連結体37を中心とした各車輪4,5の右方への回動を、図1の車体2の平面視で見れば、この図中一点鎖線で示すように、上記各車輪4,5が上記各枢支具13を中心として右方に回動することに他ならない。よって、上記左右車輪4,5のうち、左車輪4がリバンド側でトーアウトとなり、右車輪5がバンプ側でトーインになるというロールステアが得られて、アンダステアリングが強められる。この結果、車両1の操安性が、簡単な構成で、より確実に向上させられる。
なお、上記車両1が右旋回したときも、上記と同様の効果が生じる。
また、前記したように、前、後メンバ35,36のうち、いずれか一方のメンバを棒材もしくはパイプ材である剛性長尺材により形成している。
このため、上記したように、車両1の旋回時に、左右アーム10,11が上下方向で相対変位してクロスメンバ14の前、後メンバ35,36がそれぞれ捩り変形するとき、捩り剛性が大きい上記剛性長尺材により、より大きい捩り応力が生じる。よって、この剛性長尺材は、特にスタビライザとして効果的に働き、その分、車両1の操安性が、より向上させられる。
また、上記した棒材やパイプ材は、構造が単純で、その形成は容易にできるものである。よって、上記剛性長尺材には、大きい捩り剛性を安価に確保できることから、その分、上記サスペンション3の生産コストを安価にできる。
以下の図4〜9は、実施例2〜4を示している。これら各実施例2〜4は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図4〜6に従って説明する。
図4〜6において、上記枢支具13は、前記したように筒状体20、枢支軸21、およびゴムブッシュ22を有し、上記枢支軸21の軸心上でこの枢支軸21の軸方向の中央部が枢支具13の中心48とされる。一方、上記連結体37は、前記したようにボールジョイント式の自在継手とされ、締結具42、ボール43、およびソケット44を有している。上記ボール43は締結具42による締結により上記前メンバ35の長手方向の中央部に結合され、上記ソケット44は上記後メンバ36の長手方向の中央部に溶接により結合される。
上記前メンバ35は、その長手方向の各部断面が前方に向かって開口するU字形状とされる。なお、この前メンバ35の断面は、コの字形状であってもよく、厳密にU字、コの字に限定されるものではなく、これらの中間的な形状であってもよい。
上記前メンバ35の左右各側部がわの断面視(図6)におけるその図心回りでの捩りモーメントT1による各捩り中心線49は、それぞれ上記枢支具13の中心48と上記連結体37のボール43のボール中心43aとの各近傍を通過することとされる。
上記後メンバ36は、前、後に並設されてそれぞれ上記左右アーム10,11の各後端部にバルクヘッド40を介し架設される前、後ビーム52,53を有している。これら前、後ビーム52,53は、それぞれその長手方向の中途部が車体2の前方に向かって凸となるよう屈曲して、車体2の平面視(図4)で山形状とされている。
上記後メンバ36の長手方向の中途部における上記前ビーム52の長手方向の各部断面は前方に向かって開口するコの字形状とされる。また、上記後メンバ36の長手方向の中途部における上記後ビーム53の長手方向の各部断面は後方に向かって開口するコの字形状とされる。上記前、後ビーム52,53の上記各部断面は前後方向で逆向きであるが、互いに同形同大とされる。上記前、後ビーム52,53は、それぞれその長手方向のほぼ全体にわたりその各部断面がコの字形状とされるが、長手方向の中央部がわのみを断面コの字形状としてもよい。
上記後メンバ36の長手方向の中央部における上記前、後ビーム52,53のそれぞれ幅方向の中途部を構成する各底面板52a,53aは、互いに重ね合わされて溶接により結合される。つまり、上記後メンバ36の長手方向の中央部における上記前、後ビーム52,53は互いに背中合わせ状に結合される。そして、上記各底面板52a,53a同士の互いの結合面55は、上記連結体37のボール43のボール中心43aの近傍に位置させられる。
上記後メンバ36の左右各側部がわの断面視(図6)におけるその図心回りでの他の捩りモーメントT2による各他の捩り中心線58は、上記後メンバ36の各側部がわの前、後ビーム52,53の間の中央部、上記連結体37のボール43のボール中心43a、および上記結合面55の各近傍を通過することとされる。この場合、前、後ビーム52,53の間の中央部は、上記後メンバ36の各側部がわの長手方向各部断面の図心とほぼ一致している。
上記構成によれば、上記連結体37をボールジョイント式の自在継手とし、上記前メンバ35の長手方向の各部断面を前方に向かって開口するU字形状もしくはコの字形状とし、上記前メンバ35の各側部がわの断面視(図6)回りでの捩りモーメントT1による各捩り中心線49が、それぞれ上記枢支具13の中心48と上記連結体37のボール43のボール中心43aとの各近傍を通過するようにしており、次の効果が生じる。
即ち、車両1の旋回時には、サスペンション3のサスペンションフレーム9の左右アーム10,11が上下方向で相対変位して、クロスメンバ14における前、後メンバ35,36がそれぞれ弾性的に捩り変形し、この際、上記クロスメンバ14に生じる捩り応力によってこのクロスメンバ14がスタビライザとして働き、車両1の操安性が向上させられる一方、上記クロスメンバ14の捩り変形により、X字形状をなすクロスメンバ14の交差部には応力集中が生じがちとなる。
しかし、上記した枢支具13の中心48は車体2に対するサスペンション3のサスペンションフレーム9の枢支中心であると共に、上記連結体37のボール43のボール中心43aは上記サスペンションフレーム9のクロスメンバ14における前、後メンバ35,36同士の回動中心であり、この場合において、上記したように、前メンバ35の各側部がわの各捩り中心線49は、上記した枢支具13の中心48と連結体37のボール43のボール中心43aとの各近傍を通過している。
このため、上記前メンバ35の各側部がわは、上記クロスメンバ14の捩り変形に伴い上記捩り中心線49回りに無理なく捩り変形して、上記クロスメンバ14の交差部に応力集中が生じることは、より確実に防止される。よって、車両1の操安性の向上が図られたものでありながら、サスペンション3の寿命の向上が、より確実に達成される。
また、前記したようように、連結体37をボールジョイント式の自在継手とし、上記後メンバ36が、前、後に並設されてそれぞれ上記左右アーム10,11の各後端部側に架設される前、後ビーム52,53を有し、上記後メンバ36の長手方向の中途部における上記前、後ビーム52,53の各断面を前、後方に向かって開口するコの字形状にし、上記後メンバ36の長手方向の中央部における上記前、後ビーム52,53の各底面板52a,53aを重ね合わせて結合し、これら各底面板52a,53a同士の結合面55を上記連結体37のボール43のボール中心43aの近傍に位置させており、次の効果が生じる。
即ち、前記内容の繰り返しではあるが、車両1の旋回時には、サスペンション3のサスペンションフレーム9の左右アーム10,11が上下方向で相対変位して、クロスメンバ14における前、後メンバ35,36がそれぞれ弾性的に捩り変形し、この際、上記クロスメンバ14に生じる捩り応力によってこのクロスメンバ14がスタビライザとして働き、車両1の操安性が向上させられる一方、上記クロスメンバ14の捩り変形により、X字形状をなすクロスメンバ14の交差部には応力集中が生じがちとなる。
しかし、上記した後メンバ36の他の捩り中心線58は、この後メンバ36における前、後ビーム52,53の各底面板52a,53a同士の結合面55上に位置しがちである。そして、上記したように、この結合面55は、サスペンションフレーム9のクロスメンバ14における前、後メンバ35,36同士の回動中心である上記連結体37のボール43のボール中心43aの近傍に位置させられている。
このため、上記後メンバ36は、上記クロスメンバ14の捩り変形に伴い上記他の捩り中心線58回りに無理なく捩り変形して、上記クロスメンバ14の交差部に応力集中が生じることは、より確実に防止される。よって、車両1の操安性の向上が図られたものでありながら、サスペンション3の寿命の向上が、より確実に達成される。
また、上記したように、クロスメンバ14の交差部に応力集中が生じることが防止されることから、その分、上記後メンバ36の長手方向の中央部における上記前、後ビーム52,53同士の結合部における溶接剥れの発生が防止される。よって、この点でも、サスペンション3の寿命の向上が達成される。
上記の場合、サスペンションフレーム9の左右側部のうち、一側部における上記捩り中心線49と他側部における上記他の捩り中心線58とを一本の直線上に位置させ、他側部における上記捩り中心線49と一側部における上記他の捩り中心線58とを一本の他の直線上に位置させるようにし、かつ、これら両直線の互いの交差部を上記連結体37のボール43のボール中心43aの近傍に位置させることが好ましい。
上記のようにすれば、クロスメンバ14における前、後メンバ35,36は、車両1の旋回時の上記クロスメンバ14の捩り変形に伴い、それぞれ上記各直線回りに無理なく捩り変形して、上記クロスメンバ14の交差部に応力集中が生じることは更に確実に防止される。よって、車両1の操安性の向上が図られたものでありながら、サスペンション3の寿命の向上が更に確実に達成される。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例3を添付の図7,8に従って説明する。
図7,8において、上記クロスメンバ14は、車体2の平面視(図7)で、X字形状となるよう交差する第1、第2メンバ25,26と、これら第1、第2メンバ25,26の交差部を外方から覆うと共にこの交差部に結合されて、この交差部を補強する上下一対の補強板27,27とを有している。なお、これら補強板27,27は、上下のいずれか一方のみを設けてもよい。
上記第1、第2メンバ25,26は、それぞれ直線的に延び、その長手方向の各部断面が縦方向に長い矩形の帯形状板18により形成される。これら第1、第2メンバ25,26は、その各断面が互いに同形同大とされ、また、互いに同材質とされて、ある程度の弾性を有する金属(型鋼)製とされる。また、これら第1、第2メンバ25,26は、前記各アーム10,11とも、その各断面が互いに同形同大とされ、また、互いに同材質とされる。
図8中二点鎖線で示すように、上記第1、第2メンバ25,26の交差部において、第1メンバ25の下部に切り欠き30が形成され、第2メンバ26の上部に他の切り欠き31が形成される。そして、これら両切り欠き30,31が互いに嵌合することにより、上記第1、第2メンバ25,26が互いに交差させられる。そして、これら第1、第2メンバ25,26は、その交差部の上、下面がそれぞれ面一とされ、互いに結合される。また、上記上下一対の補強板27,27は、上記第1、第2メンバ25,26の交差部を上下から挟んで互いに強固に結合される。上記補強板27に上記コイルばね15の下端部が支持される。
上記クロスメンバ14の左右各側部において、その各前端部に相当する上記第1、第2メンバ25,26の各前端部は、これに対応する上記各アーム10,11の前端部側である枢支具13の筒状体20に結合される。一方、上記クロスメンバ14の左右各側部において、その各後端部に相当する上記第1、第2メンバ25,26の各後端部は、これに対応する上記各アーム10,11の後端部に一体的に形成されて、これら各アーム10,11の後端部に結合される。
つまり、左側のアーム10とクロスメンバ14の第2メンバ26とは一本の帯形状板18を屈曲することにより、一体的に形成される。また、右側のアーム11とクロスメンバ14の第1メンバ25とは一本の帯形状板18を屈曲することにより、一体的に形成される。上記各アーム10,11と第1、第2メンバ25,26との帯形状板18による一体的な結合部は、車体2の平面視で、それぞれ車体2の内側方に向かって開くコの字形状とされる。この帯形状板18による結合部の外側面に上記車輪支持体12が固着される。また、上記帯形状板18による結合部の内部空間に上記緩衝器16の一端部である下端部が配置され、この緩衝器16の下端部は、上記結合部において互いに対面する帯形状板18の両部分に跨るよう枢支されて支持される。一方、上記緩衝器16の他端部である上端部は車体2側に連結される。
なお、上記第1、第2メンバ25,26の各前端部は、これに対応する上記各アーム10,11の各前端部に枢支具13を介することなく直接結合させてもよい。また、上記各アーム10,11と第1、第2メンバ25,26とを互いに別体として、これら第1、第2メンバ25,26の各後端部を、これに対応する上記各アーム10,11の各後端部に直接に、もしくは車輪支持体12を介し間接的に結合してもよい。また、上記緩衝器16に代え、もしくはこの緩衝器16と共にコイルばね15の一端部である下端部を上記前、後帯形状板18,18に跨るように支持させ、上記コイルばね15の他端部である上端部を車体2側に連結させてもよい。
また、上記クロスメンバ14の第1、第2メンバ25,26がそれぞれ前後一対の帯形状板18,18を有することとし、これら帯形状板18,18が車体2の前後方向で互いに少し離れて対面し、互いに平行に延びるようにしてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例4を添付の図9に従って説明する。
図9において、前記実施例3におけるサスペンションフレーム9の左右アーム10,11と、第1、第2メンバ25,26とのうち、左アーム10と、第1、第2メンバ25,26の各左側部とが帯形状板18により一体的に形成され、右アーム11と、第1、第2メンバ25,26の各右側部とが帯形状板18により一体的に形成されている。そして、上記第1、第2メンバ25,26の左、右側部の各対向端部が交互に重ね合わされて結合されている。
また、上記第1メンバ25の左側部と第2メンバ26の右側部とは、全体的に車体2の後方に向かって円弧凸形状となるよう屈曲し、上記第1メンバ25の右側部と第2メンバ26の左側部とは、全体的に車体2の前方に向かって円弧凸形状となるよう屈曲している。
上記構成によれば、サスペンションフレーム9の各部材を一体的に形成した分、このサスペンションフレーム9の部品点数を減少させて、その構成を簡単にでき、よって、サスペンション3の生産コストを安価にできる。
1 車両
2 車体
3 サスペンション
4 車輪
5 車輪
6 走行路面
7 車体中心線
9 サスペンションフレーム
10 アーム
11 アーム
12 車輪支持体
13 枢支具
14 クロスメンバ
15 コイルばね
16 緩衝器
18 帯形状板
20 筒状体
21 枢支軸
22 ゴムブッシュ
25 第1メンバ
26 第2メンバ
27 補強板
35 前メンバ
36 後メンバ
37 連結体
40 バルクヘッド
42 締結具
43 ボール
43a ボール中心
44 ソケット
46 空間
48 中心
49 捩り中心線
52 前ビーム
52a 底面板
53 後ビーム
53a 底面板
55 結合面
58 他の捩り中心線
T1 捩りモーメント
T2 他の捩りモーメント

Claims (7)

  1. 車体の前後方向に延び、その各後端部が車輪を支持して上下に揺動可能となるよう各前端部がそれぞれ枢支具により車体に枢支される左右一対のサスペンションアームと、これら左右アームに架設されてこれら両アームを結合するクロスメンバとを有するサスペンションフレームを備えた車両のサスペンションにおいて、
    車体の平面視で、上記クロスメンバをX字形状となるよう形成し、このクロスメンバの左右各側部における前、後端部を、これに対応する上記アームの前、後端部側に結合したことを特徴とする車両のサスペンション。
  2. 上記クロスメンバが、上記左右アームの各前端部側に架設され、その長手方向の中途部が車体の後方に向かって凸となるよう屈曲する前メンバと、上記左右アームの各後端部側に架設され、その長手方向の中途部が車体の前方に向かって凸となるよう屈曲する後メンバと、これら前、後メンバの各屈曲による頂部同士を回動可能に連結する連結体とを有したことを特徴とする請求項1に記載の車両のサスペンション。
  3. 車体の前後方向に向かう視線で見て、上記前、後メンバの各端部をそれぞれ結ぶ仮想線で囲まれた空間よりも上方に上記連結体を位置させたことを特徴とする請求項2に記載の車両のサスペンション。
  4. 上記前、後メンバのうち、いずれか一方のメンバを棒材もしくはパイプ材である剛性長尺材により形成したことを特徴とする請求項2、もしくは3に記載の車両のサスペンション。
  5. 上記連結体をボールジョイント式の自在継手とし、上記前メンバの長手方向の各部断面を前方に向かって開口するU字形状もしくはコの字形状とし、上記前メンバの各側部がわの断面視回りでの捩りモーメントによる各捩り中心線が、それぞれ上記枢支具の中心と上記連結体のボールのボール中心との各近傍を通過するようにしたことを特徴とする請求項2から4のうちいずれか1つに記載の車両のサスペンション。
  6. 上記連結体をボールジョイント式の自在継手とし、上記後メンバが、前、後に並設されてそれぞれ上記左右アームの各後端部側に架設される前、後ビームを有し、上記後メンバの長手方向の中途部における上記前、後ビームの各断面を前、後方に向かって開口するコの字形状にし、上記後メンバの長手方向の中央部における上記前、後ビームの各底面板を重ね合わせて結合し、これら各底面板同士の結合面を上記連結体のボールのボール中心の近傍に位置させたことを特徴とする請求項2から4のうちいずれか1つに記載の車両のサスペンション。
  7. 上記連結体をボールジョイント式の自在継手とし、上記前メンバの長手方向の各部断面を前方に向かって開口するU字形状もしくはコの字形状とし、上記前メンバの各側部がわの断面視回りでの捩りモーメントによる各捩り中心線が、それぞれ上記枢支具の中心と上記連結体のボールのボール中心との各近傍を通過するようにし、
    上記後メンバが、前、後に並設されてそれぞれ上記左右アームの各後端部側に架設される前、後ビームを有し、上記後メンバの長手方向の中途部における上記前、後ビームの各断面を前、後方に向かって開口するコの字形状にし、上記後メンバの長手方向の中央部における上記前、後ビームの各底面板を重ね合わせて結合し、これら各底面板同士の結合面を上記連結体のボールのボール中心の近傍に位置させたことを特徴とする請求項2、もしくは3に記載の車両のサスペンション。
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