JP2014127438A - 電極の製造方法及び乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗膜と集電箔との密着性を確保しつつ乾燥が完了するまでの時間を短縮し得る電極の製造方法を提供する。
【解決手段】活物質と結着剤と溶剤を含むスラリーを集電箔(4)に塗布して塗膜(6、8)を形成する塗工工程(#1)と、前記溶剤が完全に乾燥する前の定率乾燥期間のとき、前記塗膜(6、8)を有する集電箔(4)を溶剤の沸点未満で加熱する第1加熱工程(#3)と、前記定率乾燥期間の終了のタイミングで前記塗膜(6、8)を有する集電箔(4)を前記溶剤の沸点以上で加熱する第2加熱工程(#4)とを含む。
【選択図】図2A

Description

この発明は電極の製造方法及び乾燥装置、特に加熱による乾燥方法に関する。
溶剤を水とする活物質スラリーを集電箔に塗布して塗膜を形成する。この塗膜を乾燥させるに当たり、塗膜の表面温度が100℃を超えた場合に、塗膜の表層からの水分の蒸発速度が速くなり、水分移動及びこれに伴う結着剤の塗膜表層への移動を抑制することができない。結着剤が塗膜表面に多く偏在すると、集電箔に隣接する塗膜内部は塗膜表面に比べて結着剤の量が少ないために塗膜内部と集電箔との接着力が低下し、塗膜が集電箔から剥離し易くなるのである。このため、塗膜の表面温度を水の沸点である100℃以下に保持し、塗膜表面からの水分蒸発速度を抑制することで、結着剤が塗膜全体に略均一に分布するようにし、これによって塗膜が集電箔から剥離することを抑制するものがある(特許文献1参照)。
特開2005−346946号公報
ところで、特許文献1に記載の技術では、塗膜が集電箔から剥離することを抑制することは可能であるが、塗膜表面からの水分蒸発速度を抑えて乾燥させることから、塗膜の全体が乾燥を完了するまでの時間が長引いて生産効率が悪いという問題がある。
そこで本発明は、塗膜と集電箔との密着性を確保しつつ乾燥が完了するまでの時間を短縮し得る電極の製造方法等を提供することを目的とする。
本発明の電極の製造方法は、活物質と結着剤と溶剤を含むスラリーを集電箔に塗布して塗膜を形成する塗工工程を含む。さらに本発明の電極の製造方法は、加熱工程に前記溶剤が完全に乾燥する前の定率乾燥期間のとき、前記塗膜を有する集電箔を溶剤の沸点未満で加熱する第1加熱工程と、前記定率乾燥期間の終了のタイミングで前記塗膜を有する集電箔を前記溶剤の沸点以上で加熱する第2加熱工程とを含んでいる。
本発明では、活物質と結着剤と溶剤を含むスラリーを集電箔に塗布して塗膜を形成する塗工工程と、前記溶剤が完全に乾燥する前の定率乾燥期間のとき、前記塗膜を有する集電箔を溶剤の沸点未満で加熱する第1加熱工程と、前記定率乾燥期間の終了のタイミングで前記塗膜を有する集電箔を前記溶剤の沸点以上で加熱する第2加熱工程とを含んでいる。定率乾燥期間が終了した後には塗膜内部の溶剤が比較的少ないことから、結着剤の塗膜表面への移動が抑制される。この状態で塗膜に溶剤の沸点以上の温度を作用させることで、溶剤の分子運動が加速され溶剤の蒸発率が増大し塗膜が早期に乾燥する。これによって塗膜と集電箔との密着性を確保しながら、塗膜を溶剤の沸点以下に保って乾燥させる場合よりも塗膜が乾燥するまでの時間を短縮することができる。
本発明の第1実施形態の塗工・乾燥装置の概略構成図である。 熱風と赤外線を併用する乾燥炉の概略断面図である。 熱風と赤外線を併用する乾燥炉の概略断面図である。 塗膜の乾燥特性図である。 前半加熱部の加熱温度制御装置の概略システム図である。 前半加熱部での加熱温度制御を説明するためのフロートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態の塗工・乾燥装置1の概略構成図である。ここで、図1の上段は集電箔4の片面4aに活物質層7を形成する行程を、図1の下段は集電箔4のもう一つの片面4bに活物質9を形成する行程を示す。図1を参照しつつ、塗工・乾燥装置1を用いて、電極の製造行程のうちの一工程である塗工・乾燥工程を説明する。
始めに、一般的な塗工・乾燥工程について説明する。集電箔リール3には薄い帯状の集電箔4が予め巻回されているので、この集電箔リール3を図1上段で左端にある巻き出し部2aに取り付け、他方の端(図1上段で右端)にある巻き取り部2bに巻き取りリール5を取り付ける。集電箔リール3から集電箔4の一端を取り出して巻き取りリール5に巻き付けた後、巻き取りリール5を図1上段で時計方向に回転させることによって、集電箔4を集電箔リール3から巻き取りリール5へと搬送する。
集電箔リール3と巻き取りリール5の間には、集電箔リール3側に塗工装置11を、巻き取りリール5の側に乾燥炉21(乾燥装置)を配置している。塗工装置11は、活物質スラリーの供給を受けて、集電箔4の搬送中にこの活物質スラリー6を押し出して集電箔上にフィルム状に塗布し塗膜6を形成するものである。
この塗工装置11による塗工行程#1を終了した後には、塗膜6を有する集電箔4が乾燥炉21を移動する。乾燥炉21によって塗膜6を加熱すると、塗膜6内の溶剤が蒸発して塗膜6が乾燥する。塗膜6から溶剤が蒸発したものが活物質層7であり、これによって集電箔4の片面4aに活物質層7を形成する。この乾燥炉21による乾燥工程#2を終了した後には、片面4aに活物質層7の形成された集電箔4を巻き取りリール5に全て巻き取る。これによって、集電箔4の片面4aへの活物質層7の形成を終了する。
次に、集電箔4のもう一つの片面4bにも活物質層9を形成する。この活物質層9の形成方法は、集電箔4の片面4aに活物質層7を形成した上記の方法と同様である。まず、図1下段に示したように、巻き取りリール5と集電箔リール3を取り外し、場所を入れ換えて取り付ける。すなわち、巻き取りリール5を巻き出し部2aに、集電箔リール3を巻き取り部2bに取り付ける。このとき、巻き取りリール5は、活物質層7が形成されていない面4bが上面となるように巻き出し部2aに取り付ける。
次に、集電箔リール3を図1下段で時計方向に回転させることによって、集電箔4を巻き取りリール5から集電箔リール3へと搬送する。
この搬送に合わせて塗工装置11より活物質スラリーを押し出して集電箔の片面4bにフィルム状に塗布し塗膜8を形成する。この塗工装置11による塗工行程#1を終了した後には、塗膜8を有する集電箔4が乾燥炉21を移動する。乾燥炉21によって塗膜8を加熱すると、塗膜8内の溶剤が蒸発して塗膜8が乾燥する。塗膜8から溶剤が蒸発したものが活物質層9であり、これによって、集電箔4のもう一つの片面4bに活物質層9を形成する。この乾燥炉21による乾燥工程#2を終了した後には、もう一つ片面4bにも活物質層9の形成された集電箔4を集電箔リール3に全て巻き取る。これによって、両面4a、4bに活物質層7、9の形成された集電箔4、つまり電極10の製造を終了する。
ここで、上記塗膜6、8の内容物である活物質スラリーは、活物質、バインダ、導電助剤、溶剤を所定の割合で混合させたものである。いずれの物質を活物質、バインダ、導電助剤、溶剤として用いるか否かについては特に制限されることはない。たとえば、集電箔の両面とも正極活物質層または負極活物質層を形成する場合と、片面に正極活物質層を、もう一つの片面に負極活物質層を形成する場合とのいずれの場合も含む。例としてリチウムイオン二次電池を挙げると、正極活物質しては、例えばニッケル酸リチウムLiNiO2、負極活物質としては天然黒鉛が代表的である。また、導電助剤としてはアセチレンブラック、バインダとしてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)、溶剤としてはN−メチルピロリドン(NMP)が代表的である。
乾燥炉21を構成する加熱装置には熱風ノズルや赤外線ヒータがあり、両方を併せてもよい。両方を併用する場合を図2Aを用いて説明すると、図2Aは、熱風と赤外線を併用する乾燥炉21の概略断面図である。ただし、ここでは、図1上段に対応させて記載している。
乾燥炉21は、集電箔4及び塗膜6より少し離れた上方に配置する3つの熱風ノズル22、23、24及び2つの赤外線ヒータ25、26と、集電箔4の下方に配置する2つの熱風ノズル27、28から構成される。ここで、熱風ノズルは、先端の開放端から加熱対象物に熱風を供給することによって対象物を加熱するものである。赤外線ヒータは、対象物に向けて赤外線(IR:infrared)を照射することによって対象物を加熱するものである。
さて、電極10を製造するには、通常、平均粒経が数μmから数十μmの活物質と結着材の混合スラリーを調整する。このスラリーを帯状の金属集電箔上に塗布することにより集電箔の面に塗膜を形成し、この塗膜を加熱によって乾燥する(乾燥工程)ことで活物質層を形成する。このようにして両面に活物質層を形成した集電箔をプレスした(プレス行程)後に、所定の幅に切断し(スリット工程)、さらに所定の長さに切断して電極を製造する。
乾燥工程#2においては、スラリー状態の塗膜を高温で乾燥させた場合、塗膜が集電箔から剥離してしまうという問題がある。特に、塗膜の表層では、溶剤が蒸気になって活物質層の外に容易に揮発できるので、塗膜の表層のみが優先的に乾燥してしまう。このようにして、先駆けて乾燥した表層の塗膜は、さらなる乾燥を阻害する蓋の役割を果たし、表層の塗膜と集電箔との間に存在する塗膜(内部塗膜)の乾燥を阻害し、この内部塗膜から十分に溶剤量を減らすことができず、スラリーの性能低下が起きてしまう。
また、乾燥のため外部から加えられる熱は、内部塗膜に伝わりにくいので、表層の塗膜と内部塗膜の間で溶剤の蒸発速度にますます差が生じ、表層の塗膜と内部塗膜の間の層間に機械的ひずみが生じる。また、表層の塗膜が先に乾燥すると、その下の層を形成する内部塗膜に含まれる溶剤は、表層の塗膜に形成された孔から、活物質層の外に飛散することになるので、結着剤が溶剤に引っ張られて、塗膜の表面付近に移動する。これによって、塗膜の内部に結着剤の偏在化が生じる。つまり、塗膜表層に比べて塗膜内部の結着剤が少なくなる。集電箔に隣接する塗膜内部の結着剤の量が少ないと、集電箔に隣接する塗膜と集電箔との密着性が低下し塗膜が集電箔から剥離し易くなる。
集電箔から塗膜が剥離したときには、集電箔から剥離した塗膜と集電箔との間で電荷の授受がほとんど起こらなくなる。それに伴い、リチウムイオン二次電池では集電箔から剥離した塗膜と電解液の間でリチウムイオンの授受がほとんど起こらなくなり、電池性能が著しく低下する。
このため、たとえば水を溶剤としている場合に、塗膜の表面温度を水の沸点である100℃以下に保持し、塗膜表面からの水分蒸発速度を抑制することで、結着剤が塗膜全体に略均一に分布するようにし、これによって塗膜が集電箔から剥離することを抑制する従来装置がある。
しかしながら、この従来装置では、塗膜表面からの水分蒸発速度を抑えて乾燥させることから、塗膜の全体が乾燥を完了するまでの時間が長引いて生産効率に劣るという問題がある。
そこで本発明の第1実施形態は、乾燥工程#2を溶剤が完全に乾燥する前の定率乾燥期間のとき、塗膜6、8を有する集電箔4を溶剤の沸点未満で加熱する第1加熱工程#3と、定率乾燥期間の終了のタイミングで塗膜6、8を有する集電箔4を溶剤の沸点以上で加熱する第2加熱工程#4とで構成する。これによって、塗膜6、8と集電箔4との密着性を確保しつつ塗膜6、8の全体が乾燥を完了するまでの時間を短縮する。以下詳述する。
図3は横軸を乾燥開始(あるいは加熱開始)からの経過時間としたときの塗膜の乾燥特性、具体的には溶剤の蒸発率[%]、塗膜表面温度[℃]の変化を重ねて表す特性図である。図3に示したように、乾燥の過程は、余熱期間、定率乾燥期間、減率乾燥期間の3つから構成される。ここで、予熱期間とは、電極を製造する場所の室温から塗膜表面温度が急激に上昇する期間のことである。定率乾燥期間とは、溶剤の蒸発率(単位時間当たりの溶剤の蒸発量)が一定(図3では傾きが一定)で推移し、塗膜表面温度が平衡状態になる期間のことである。そして、減率乾燥期間とは溶剤の蒸発率が定率乾燥期間より減少する(図3では傾きが定率乾燥期間より小さくなる)期間のことである。
以下では、予熱期間は省略する。集電箔3が乾燥炉21内を搬送しなければ、塗膜は同じ位置で、定率乾燥期間、減率乾燥期間の順に迎えるのであるが、集電箔3は実際には乾燥炉21内を移動する。このため、塗膜が定率乾燥期間にあるときの炉内の位置と、塗膜が減率乾燥期間にあるときの炉内での位置が相違する。具体的には、乾燥炉21に入った位置で定率乾燥期間が始まるとすると、乾燥炉21に入った位置より乾燥炉21内を所定の距離を進むまでは定率乾燥期間にあり、それを超してから乾燥炉を出るまでが減率乾燥期間にあることとなる。
そこで、第1実施形態では、図2Aに示したように赤外線ヒータと熱風ノズルとで構成される乾燥炉21を集電箔4の移動方向(図2Aで右方向)に予め2つに分割する。この分割により乾燥炉21の入口側を前半加熱部31(第1の加熱装置)、乾燥炉21の出口側を後半加熱部32(第2の加熱装置)とする。前半加熱部31に含まれる赤外線ヒータ25と熱風ノズル22、23、27の温度を塗膜表面温度が溶剤の沸点未満となるように調整する。かつ、後半加熱部32に含まれる赤外線ヒータ26と熱風ノズル24、28の温度を、塗膜表面温度が溶剤の沸点以上となるように調整する。言い換えると、乾燥工程#2を、溶剤が完全に乾燥する前の定率乾燥期間で塗膜を溶剤の沸点未満で加熱する第1加熱工程#3と、定率乾燥期間に続く減速乾燥期間で塗膜を溶剤の沸点以上で加熱する第2加熱工程#4とで構成する。図2Aに示したように前半加熱部31で第1加熱工程#3を、後半加熱部32で第2加熱工程#4を行うのである。
図1上段に対応させた図2Aでは、集電箔4の片面4aに形成される塗膜6について説明したが、もう一つの片面4bに形成される塗膜8についても図2Bに示したように同様である。ここで、図2Bは図1下段に対応する熱風と赤外線を併用する乾燥炉21の概略断面図である。
ここで、定率乾燥期間で塗膜表面温度が溶剤の沸点未満となるようにする理由は次の通りである。すなわち、溶剤の蒸発が低い率(低速)で進む定率乾燥期間で液体の塗膜内部が溶剤の沸点以上になると、溶剤分子の分子運動が激しくなり、気化が始まる。はじめは、激しい溶剤分子の分子運動は塗膜内部で局部的に起こるが、それが集まり大きな気泡となり、塗膜内部に大きな不均一な空孔を残しながら、溶剤が蒸発する。この過程で溶剤に溶けている結着剤が塗膜の表面へと移行する。これに伴って、集電箔に隣接する部位の結着剤の量が少なくなり、塗膜と集電箔との密着性が悪化する。そこで、定率乾燥期間では、塗膜表面温度が溶剤の沸点未満となるようにして溶剤が蒸発する速度(蒸発率)を遅くすることで、結着剤の塗膜表面への移動を抑制しながら塗膜を乾燥させるためである。
一方、定率乾燥期間が終了した後の減率乾燥期間になると、塗膜内部に残っている溶剤が比較的少ないことから、結着剤の塗膜内部における移動が抑制される。そこで、減率乾燥期間では塗膜表面温度が溶剤の沸点以上となるようにし、溶剤の分子運動を加速させ溶剤の蒸発率を増大させることで、塗膜を早期に乾燥させるためである。
このように第1実施形態によれば、活物質と溶剤に溶かした結着剤とを含むスラリーを集電箔4に塗布して塗膜6、8を形成する塗工工程#1と、溶剤が完全に乾燥する前の定率乾燥期間のとき、塗膜6、8を有する集電箔4を溶剤の沸点未満で加熱する第1加熱工程#3と、定率乾燥期間の終了のタイミングで塗膜6、8を有する集電箔4を溶剤の沸点以上で加熱する第2加熱工程#4とを含むので、塗膜6、8と集電箔4との密着性を確保しながら、塗膜を溶剤の沸点以下に保って乾燥させる場合よりも塗膜が乾燥するまでの時間を短縮することができる。
対象とする塗膜に対して上記図3の特性図を予め実験で求めておくと共に、乾燥開始よりタイマを起動すると、タイマ値よりこの特性図を検索することで、現在の溶剤蒸発率を知ることができる。現在の溶剤蒸発率を知ることができると、定率乾燥期間が終了するタイミングを判定することができる。たとえば、図3より、定率乾燥期間が終了するときの溶剤蒸発率が所定値Aとして定まるので、この所定値Aを改めて閾値Aとして設定する。現在の溶剤蒸発率とこの閾値Aを比較し、現在の溶剤蒸発率が閾値A以上となったタイミングで定率乾燥期間が終了したと判断するのである。
なお、閾値Aとしては実験により定まる値に限らず、70%〜95%の間の任意の値を設定してやればよい。言い換えると、定率乾燥期間に溶剤の70%〜95%を蒸発させ、残り30〜5%を減率乾燥期間に蒸発させるわけである。
さて、電極を製造する場所の室内で対象とする塗膜に対して図3の特性図を予め実験で求めておくとする。この場合に、図3の特性図を求めたときの室内温度と異なる室温になったときには、図3に示した定率乾燥期間での溶剤蒸発率や定率乾燥期間での塗膜表面温度が変化する。たとえば、環境条件の相違で実際の室内温度が図3の特性図を求めたときの室内温度より高くなったときには、定率乾燥期間での溶剤蒸発率が図3の特性より早くなり、かつ定率乾燥期間での塗膜表面温度が図3の平衡温度Bより高くなると考えられる。すると、定率乾燥期間での溶剤蒸発率が早くなった分だけ結着剤が塗膜表面に向かう傾向が大きくなる。
この逆に、実際の室内温度が図3の特性図を求めたときの室内温度より低くなったときには、定率乾燥期間での溶剤蒸発率が図3の特性より遅くなり、かつ定率乾燥期間での塗膜表面温度が図3の平衡温度Bより低くなると考えられる。すると、定率乾燥期間での溶剤蒸発率が遅くなった分だけ定率乾燥期間が終了するまでの時間が長引く。
環境条件の相違があっても定率乾燥期間での溶剤蒸発率が変化せず、かつ定率乾燥期間での塗膜表面温度が図3の平衡温度Bと一致するようにするには、環境条件の相違を検出し、その検出結果に基づいて前半加熱部31での加熱温度を制御することである。この場合に、定率乾燥期間が終了するタイミングを判定する上記の結果を用いることで、環境条件の相違があっても定率乾燥期間に図3で得られている平衡温度Bが得られるようにすることができる。すなわち、定率乾燥期間が終了するタイミングでの塗膜表面温度Tと図3の平衡温度Bを比較し、塗膜表面温度Tが図3の平衡温度Bより高ければ、実際の室内温度が 図3の特性図を求めたときの室内温度より高いことを意味する。このときには、定率乾燥期間での実際の溶剤蒸発率が図3の特性図で求めた定率乾燥期間での溶剤蒸発率よりも早くなっていると考えられるので、結着剤の塗膜表面への移動を抑制するために前半加熱部31での加熱温度を低下させる必要がある。
一方、定率乾燥期間が終了するタイミングでの塗膜表面温度Tが図3の平衡温度Bより低いときには、実際の室内温度が 図3の特性図を求めたときの室内温度より低いことを意味する。このときには、定率乾燥期間での実際の溶剤蒸発率が図3の特性図で求めた定率乾燥期間での溶剤蒸発率よりも遅くなっていると考えられるので、定率乾燥期間を長引かせないために前半加熱部31での加熱温度を上昇させる必要がある。
実際には、図3の平衡温度Bを中心として上下に許容範囲をつけた温度目標値(B−ε≦T≦B+ε)を設定し、定率乾燥期間が終了するタイミングでの塗膜表面温度Tがこの温度目標値に収まるように前半加熱部31での加熱温度を制御する。この制御を行わせるため、前半加熱部31での加熱温度制御装置40を構成する。
これについて説明すると、図4は前半加熱部31の加熱温度制御装置40の概略システム図である。前半加熱部31を構成する熱風ズル22、23、27に、マイコン51(あるいは制御装置)からの信号により熱風量を調整可能な熱風量調整装置41、42、44を、同じくマイコン51からの信号により赤外線ヒータ25に温度調整装置43を設けておく。温度センサ33を前半加熱部31内の塗膜6の表面に近い位置に設け、温度センサ33からの信号をマイコン51に入力する。
マイコン51には、図5のフローに示した制御を行わせる。ここで、図5のフローは前半加熱部31での加熱温度を制御するためのもので、一定時間毎(たとえば10ms毎)に実行する。
ステップ1ではタイマ値を読み込み、ステップ2でこのタイマ値から図3を内容とするテーブルを検索することにより現在の溶剤蒸発率e[%]を算出する。ここでは、タイマ値は定率乾燥期間の開始からの時間を計測しているものとする。
ステップ3で現在の溶剤蒸発率eと閾値A[%]を比較する。ここで、閾値Aは図3に示したように定率乾燥期間を終了するときの溶剤蒸発率で、予め定まる値である。現在の溶剤蒸発率eが閾値A未満であるときにはまだ定率乾燥期間の終了タイミングに到達していないと判断し、今回の処理をそのまま終了する。
一方、現在の溶剤蒸発率eが閾値A以上となったときには、定率乾燥期間の終了タイミングに到達したと判断し、ステップ3よりステップ4、5に進み、温度センサ33により検出される実際の塗膜表面温度T[℃]と平衡温度B[℃]から許容値ε[℃]を差し引いた値を比較する。ここで、平衡温度Bは、図3に示したように定率乾燥期間での塗膜表面温度で、予め定まる値である。許容値εは正の値で予め設定しておく。実際の塗膜表面温度TがB−ε未満であるときには図3の特性を求めたときの室温より低いと判断し、ステップ6に進み加熱温度を上昇させる側に補正し、ステップ8でこの補正信号を出力する。
この補正信号を受ける熱風量調整装置41、42、44、温度調整装置43では、熱風量を一定量増加させ、赤外線ヒータ25の加熱温度を一定温度上昇させる。
ステップ6、8の操作を繰り返せば、やがて実際の塗膜表面温度TがB−ε以上となる。このときにはステップ5に進み、実際の塗膜表面温度Tと平衡温度Bに許容値εを加算した値を比較するが、実際の塗膜表面温度TがB+ε以下となっているので、そのまま今回の処理を終了する。
一方、ステップ4で実際の塗膜表面温度TがB−ε以上であるときにはステップ5に進み、実際の塗膜表面温度Tと平衡温度Bに許容値εを加算した値を比較する。実際の塗膜表面温度TがB+εを超えているときには図3の特性を求めたときの室温より高いと判断し、ステップ7に進み加熱温度を低下させる側に補正し、ステップ8でこの補正信号を出力する。
この補正信号を受ける熱風量調整装置41、42、44、温度調整装置43では、熱風量を一定量減少させ、赤外線ヒータ25の加熱温度を一致温度低下させる。
ステップ5、7の操作を繰り返せば、やがて実際の塗膜表面温度TがB+ε以下となる。このときにはそのまま今回の処理を終了する。
こうして定率乾燥期間が終了するタイミングでの塗膜表面温度Tを温度目標値(B−ε≦T≦B+ε)に収めることで、環境条件の相違があっても定率乾燥期間での溶剤蒸発率を一定に保つことができる。
このように本実施形態によれば、溶剤蒸発率検出手段(タイマ値及び図3のテーブル)を備え、この溶剤蒸発率検出手段により検出される溶剤の蒸発率eと予め定めた閾値Aとの比較に基づいて定率乾燥期間が終了したか否かを判定するので(図5のステップ3参照)、常時モニターできる図3の特性値を使って定率乾燥期間の終了タイミングを正確に判定することができる。
また、本実施形態によれば、閾値Aは70%〜95%であるので、塗膜の乾燥時間を短縮化することができる。すなわち、定率乾燥期間の終了タイミングで溶剤の蒸発率を70%〜95%とした後に塗膜表面温度が溶剤の沸点以上となるようにすることで、塗膜内部に残っている溶剤を短時間で蒸発させることができる。溶剤の蒸発率が70%以上となっている状態では塗膜内部に残っている溶剤が比較的少ないことから、結着剤の塗膜表面への移動が抑制されるのである。
また、本実施形態によれば、第1加熱工程#3に用いる前半加熱部31(第1の加熱装置)と、第2加熱工程#4に用いる後半加熱部32(第2の加熱装置)と、前半加熱部31による加熱温度を調整可能な装置(41〜44)と、第1加熱工程#3で塗膜表面温度を検出する温度センサ33(温度検出手段)とを備え、定率乾燥期間が終了したときの塗膜表面温度Tに基づいて温度目標値が得られるように前半加熱部31による加熱温度を制御するので(図5のステップ3〜8参照)、環境条件の相違で電極を製造する場所の室内温度が相違するときでも、定率乾燥期間での溶剤蒸発率を一定に維持することができる。
(実施例1)
活物質として黒鉛、バインダとしてスチレンブタジエンラテックス、増粘材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を採用し、これらを所定の割合にて混合し、溶剤としての水に融解させ、負極活物質スラリーを生成した。この負極活物質スラリーを塗工装置としてのスリットダイを用いて、集電箔としての銅箔に所定に密度になるように塗布して塗膜を形成した。この塗膜を熱風と赤外線を併用する連続乾燥炉を用いて乾燥させた。
この乾燥工程において、前半加熱部31における塗膜表面温度は、水の沸点未満である80℃に保持し、後半加熱部32における塗膜表面温度は、水の沸点以上である120℃に保持した。塗膜の乾燥時間は0.9分である。
ここで、定率乾燥期間が終了するときの水蒸発率は80%とした(70%〜95%が好ましい)。
(比較例1)
実施例1と同じ負極活物質スラリーを塗布して塗膜を形成し、この塗膜を熱風と赤外線を併用する連続乾燥炉を用いて乾燥させた。
この乾燥工程において、前半加熱部31における塗膜表面温度は、水の沸点未満である80℃に保持し、後半加熱部32における塗膜表面温度も水の沸点未満である80℃に保持した。塗膜の乾燥時間は実施例1と同じ0.9分である。
(評価結果)
次の表1の結果が得られた。
Figure 2014127438
実施例1では、乾燥時間が同じであっても、剥離強度が280mN/12mmとなって向上しかつ残留水分量が比較例1よりも低い状態で乾燥できることがわかった。比較例1では水の沸点未満である100℃以下を保っているため、剥離強度は350mN/12mmと実施例1よりも大きくなってはいるが、乾燥時間が足りておらず塗膜内部の残留水分量が減っていない。その結果、塗膜内部に水分が多く残留していることから電池性能の低下が起こる。
このように実施例1によれば、活物質は黒鉛、溶剤は水であるので、乾燥時間を短縮する効果が最も得られやすいものとなっている。すなわち、定率乾燥期間の終了のタイミングより塗膜を水の沸点以上で加熱することで、黒鉛の細孔に吸着されている水の分子運動が加速され、水の蒸発率を高めることができる。
1 塗工・乾燥装置
4 集電箔
6、8 塗膜
7、9 活物質層
10 電極
11 塗工装置
21 乾燥炉(乾燥装置)
22、23、24、27、28 熱風ノズル
25、26 赤外線ヒータ
31 前半加熱部(第1の加熱装置)
32 後半加熱部(第2の加熱装置)
#1 塗工工程
#2 乾燥工程
#3 第1加熱工程
#4 第2加熱工程

Claims (5)

  1. 活物質と結着剤と溶剤を含むスラリーを集電箔に塗布して塗膜を形成する塗工工程と、
    前記溶剤が完全に乾燥する前の定率乾燥期間のとき、前記塗膜を有する集電箔を溶剤の沸点未満で加熱する第1加熱工程と、
    前記定率乾燥期間の終了のタイミングで前記塗膜を有する集電箔を前記溶剤の沸点以上で加熱する第2加熱工程と
    を含むことを特徴とする電極の製造方法。
  2. 前記定率乾燥期間内に前記溶剤の蒸発率を検出する溶剤蒸発率検出手段を備え、
    この溶剤蒸発率検出手段により検出される溶剤の蒸発率と予め定めた閾値との比較に基づいて前記定率乾燥期間が終了したか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の電極の製造方法。
  3. 前記閾値は70%〜95%であることを特徴とする請求項2に記載の電極の製造方法。
  4. 前記活物質は黒鉛、前記溶剤は水であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の電極の製造方法。
  5. 活物質と結着剤と溶剤を含むスラリーを塗布して塗膜を形成した集電箔を乾燥する電極の乾燥装置であって、
    前記溶剤が完全に乾燥する前の定率乾燥期間のとき、前記塗膜を有する集電箔を前記溶剤の沸点未満で加熱する第1の加熱装置と、
    前記定率乾燥期間の終了のタイミングで前記塗膜を有する集電箔を前記溶剤の沸点以上で加熱する第2の加熱装置と
    を有することを特徴とする電極の乾燥装置。
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