JP2014126365A - 静電容量結合方式静電センサー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁体に、導電性材料からなる電極と導通部材を配置し、前記導通部材と前記電極の静電容量を測定する。測定は、同期がとれたsin信号とcos信号を作り、前記sin信号を印加した複数の電極からなる電極群A10に印加し、電極群B11からの出力を電流・電圧変換した信号と前記sin信号およびcos信号とを掛算する掛算し、ローパスフィルタ21,22を通してDC信号化された電圧を計測する。電極群A10の電極をドライブする配線と電流・電圧変換回路15を経由して電極群B11の電極に接続する配線と未接続にする配線の組み合わせを逐次変えて、前記DC信号化された電圧を計測し、演算処理し、電極群A10の電極と電極群B11の電極に指が近接した状態と、電極群A10の電極と電極群B11の電極に物体が載置した状態とを判別する。
【選択図】図1
Description
例えば特許文献1、特許文献2や特許文献3に記載されたものが知られている。特許文献1に記載された静電容量型タッチスイッチ装置は、PETフィルムに銀ペーストでスイッチ電極を印刷している。更に湾曲すると、抵抗値が変化するレジスタ電極を、搭載した電極シートを作成したタッチスイッチに対し、指で押した状態と、押さない状態でレジスタ電極の抵抗値の変化量と、スイッチ電極の静電容量の変化量とを計測する演算回路と、抵抗値及び静電容量の両方の変化量を記憶する不揮発性メモリとを搭載し、水滴による誤動作を防止することが記載されている。
特許文献2に記載されたタッチスイッチ検出装置は、自己容量方式の静電容量型タッチスイッチを採用し、指が接触していると判定した接触電極の数に基づいて使用者の操作の有無を判定する基準である検知閾値を設定することが記載されている。
特許文献3に記載されたタッチパネル装置は、相互容量方式の静電容量型タッチパネルを採用し、検出信号変化量に基づき検出信号の変化量分布を計算し、出力する変化量分布計算部と、前記検出信号の変化量分布のピーク値が所定の負の閾値以下のとき、前記静電容量型タッチパネルへの接触が水滴であると判定する判定部を備えたことが記載されている。
上述した特許文献1に記載された静電容量型タッチスイッチ装置は、水滴による誤動作を防止できるものの、抵抗値を読み取るレジスタ電極が必要となるため、構成が複雑になるという課題を有している。
また、相互容量方式の静電タッチパネルの検出信号変化量は0値を中心にプラスの値とマイナスの値が出力され、水の場合、検出信号変化量はマイナスの値をとり、指とペンの接触の場合、検出信号変化量はプラスの値をとるとしている。これは、逐次送信側電極と受信側電極の交点を計測する場合、水滴が複数箇所の交点に連続して載置すると、計測している送信側電極の信号が、計測していない送信側電極と受信側電極に電圧があるため、水滴を介して吸収され、計測している受信側電極の検出信号が小さくなり、検出信号変化量がマイナスの値となる。
しかしながら、各送信側電極の間隔と各受信側電極の間隔が離れ、送信側電極と受信側電極の1つの交点上にのみ水滴を載置した場合は、水滴の載置場所の検出信号の変化量分布は、プラスの値を示す。これは、計測している送信側電極の信号が、各送信側電極の間隔と各受信側電極の間隔が離れ、水滴が複数箇所の交点に連続して載置していないため、計測していない送信側電極と受信側電極の吸収が非常に少なく、水滴を載置した送信側電極と、受信側電極の交点の場所が、水滴の載置前は空気であり、水滴の方が空気に対して比誘電率が大きいために、水滴が載置した前記交点の検出信号変化量がプラスの値となり、水滴が前記交点に載置していないときの指と、ペンの接触の場合と同じような検出信号変化量がプラスの値となり、座標入力が可能になる。このことより、指又はペンの接触による座標入力と誤入力する可能性がある。
電極群Aの電極をドライブする配線と前記電流・電圧変換回路を経由して電極群Bの電極に接続する配線と未接続にする配線の組み合わせを逐次変えて、前記DC信号化された電圧を計測し、演算処理する手段と、電極群Aの電極と電極群Bの電極に指が近接した状態と、電極群Aの電極と電極群Bの電極に物体が載置した状態とを判別する手段とを備えた静電容量結合方式静電センサーを第一の要旨とするものである。
スイッチ電極は、例えば、電気的に導通する導電性材料をPETフィルム表面に、スクリーン印刷方式により印刷してタッチスイッチを形成している。スクリーン印刷は、オープニングと呼ばれる糸と糸の間の空間(スクリーン版)からスキージ(ゴムのヘラ、または金属のヘラ)を使ってインキを押し出し、画像パターンを形成する印刷法であり、古くから捺染や印染などの伝統工芸として日本に根付いている工法である。また、できあがった画像パターンの厚みは、使用したスクリーン版の厚みである。現在、スクリーン印刷は、エレクトロニクス分野ではなくてはならない工法として確立しており、プリント配線板や電子部品、フラットパネルディスプレイ、自動車メーターなどを製造する工程には、必ずスクリーン印刷法が用いられていることが知られている。スイッチ電極は、スクリーン印刷方式によりPETフィルムの表面に導電性材料である銀ペースト(物質は銀)インク、ITO(酸化インジウム)(物質は錫)インクを用いて印刷することでタッチスイッチを形成している。スイッチ電極を形成するためのスクリーン版の厚さは10〜30μmの版を使用している。また、導電性材料である銀ペーストインク、ITO(酸化インジウムスズ)インクの抵抗率値は高く、数Ω〜数kΩ/ cm2の面積抵抗を持っている。PETフィルム上に、スイッチ電極を形成したスイッチを、タッチスイッチの入力領域として使用し、使用者の指は、PETフィルムを介して、タッチスイッチの入力領域にタッチする。
ここで、sin信号の一つは、2つの掛算回路に接続される。また、cos信号はもう一つの掛算回路に接続される。電流・電圧変換回路の出力は、増幅回路を経由して、バンドパスフィルタを介して、それぞれ2つの掛算回路に接続し、それぞれsin信号・cos信号と掛けられる。真の電流値のAC信号だけが、DC信号を含む2倍のAC周波数になり、ローパスフィルタを通過することでDC信号になる。
スイッチ電極へ混入されるsin信号とcos信号の周波数以外のノイズは、全てsin信号・cos信号との掛算によりsin信号・cos信号の周波数より高い周波数のAC信号になりsin信号・cos信号の周波数より十分低いローパスフィルタを通すことでなくすことができる。
ここで、一つのタッチスイッチについて説明する。sin信号のドライブと電流・電圧変換回路の抵抗Rに接続する個々のスイッチ電極に、sin信号との掛算による検出信号xとcos信号との掛算による検出信号yが生成され、xとyの検出信号が各ローパスフィルタを介し、各A/D変換器で変換して、2つずつのデジタルデータを生成する。このデジタルデータをベクトル値として制御装置に保存する。特に電源投入後等の初期化の状態でのベクトル値を、基準値とし(以上ベース値と呼ぶ)、sin信号側をSW1_x_base値、cos信号側をSW1_y_base値と呼ぶことにする。
そして、指および手とスイッチ電極の状態を計測する場合、sin信号のドライブと、電流・電圧変換回路の抵抗Rに接続したスイッチ電極との間の静電容量を計測し、そのときのsin信号との掛算による検出信号xと、cos信号との掛算による検出信号yとからのベクトル値とベース値のそれぞれの差分の変化量SW1_x_dt、差分の変化量SW1_y_dtを求める。SW1_x_dtは(SW1_x-SW1_x_base)、SW1_y_dtは、(SW1_y-y_base)である。これより、変化量SW1_dtを式ルート(SW1_x_dtの二乗 +SW1_y_dtの二乗)を計算し求める。
ここで、上述の差分の変化量SW1_x_dt、差分の変化量SW1_y_dt、変化量SW1_dtを、基準となる金属の棒を手に持ち、金属の棒をスイッチ電極に接した状態で、基準のスケール値とするため、差分の変化量SW1_x_dtのスケール値をSW1_x_scale、差分の変化量SW1_y_dtのスケール値をSW1_y_scale、変化量SW1_dtのスケール値をSW1_scaleとして、EEPROMに保存する。この保存の際、スケール値SW1_x_scaleとスケール値SW1_y_scaleには、接したときのプラスの方向の変化量なのか、マイナスの方向変化量なのかの方向性も合わせて保存する。そして、指および手とスイッチ電極の状態を計測する状態での、変化量を正規化する。これは、各スイッチ電極間の形や大きさによる計測の違いを補正するためである。この正規化した値SW1_normalは、SW1_dt/SW1_scale×100によりパーセント表現する。さらに、スケール値SW1_x_scaleとスケール値SW1_y_scaleの絶対値の大きい方の符号を用いて、スケール値SW1_x_scaleの符号と変化量SW1_x_dtの符号が違うか、または、スケール値SW1_y_scaleの符号と変化量SW1_y_dtの符号が違うならば、正規化した値SW1_normalにマイナスを掛けて、新たな正規化した変化量SW1_normalとする。これは、sin信号を印加したスイッチ電極群Aのスイッチ電極をドライブする配線の経路より入力する2つの掛算回路に入力する過程で、同期発信回路によって、sin信号と90度位相の違うcos信号の2つを入力する掛算回路で、sin信号を印加したスイッチ電極群Aのスイッチ電極をドライブする配線の経路よりの入力に位相の遅れが発生する場合に対応するためである。
また、予め、外部処理装置からスイッチONの閾値threshold1、スイッチOFFの閾値threshold2、水滴の載置OFFの閾値threshold3、水滴の載置ONの閾値threshold4を入力し、EEPROMに設定する。スイッチはプラス値、水の閾値はマイナス値を表し、条件はthreshold1>threshold2、threshold3>threshold4にする。
そして、正規化値SW1_normalが、閾値threshold1以上の場合は、スイッチ電極の近傍に、指および手が接しているとして、オンと判断し、オンの後、閾値threshold2以下の場合は、スイッチ電極から指および手が離れているとして、オフと判断する。これによりスイッチ電極のオンとオフにヒステリシスの制御を行うことができる。さらに、正規化値SW1_normalが、閾値threshold4以下の場合は、水滴が載置していると判断し、載置と判断した後、閾値threshold3以上の場合は、水滴が載置していないと判断する。これにより水滴の載置のあり、なしのヒステリシスの制御を行うことができる。
まず、制御装置2は、CPU3と、プログラムを内蔵するROM28と、ワーキングメモリを内蔵するRAM29と、定数(例えば閾値)を内蔵するEEPROM32と、信号をsin信号、cos信号に変換する同期発信回路5、6に信号を出力する発振器4、sin信号を供給するスイッチ電極群A10のスイッチ電極101〜104を選択する切替回路8を制御するスイッチ選択27と、sin信号を受信するスイッチ電極群B11のスイッチ電極111〜114を選択する切替回路13を制御するスイッチ選択26と、バンドパスフィルタ回路17よりsin信号の周波数帯域に対応したバンドパスフィルタ回路17のバンドフィルタ171〜173の何れかを選択する切替回路18を制御するスイッチ選択25と、同期発信回路5からのsin信号とバンドパスフィルタ回路17のバンドフィルタ171〜173の何れかを介したsin信号とを掛算回路19で掛算する。ローパスフィルタ21を介した信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路23と、同期発信回路6からのcos信号とバンドパスフィルタ回路17のバンドフィルタ171〜173の何れかを介したsin信号とを掛算回路20で掛算し、ローパスフィルタ22を介した信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路24と、2つのA/D変換回路23、24のデジタルデータを演算して、タッチスイッチのオンまたはオフ情報を外部処理装置31に各タッチスイッチのI/Oとして出力する外部I/F30とから構成している。
ここで、本実施例ではタッチスイッチの数を4個設けたものを例に説明する。タッチスイッチ121は、コンデンサを形成するスイッチ電極群A10のスイッチ電極101と、スイッチ電極群B11のスイッチ電極111との対より構成し、同様に、タッチスイッチ122はスイッチ電極102と112との対より構成し、タッチスイッチ123は、スイッチ電極103と113との対より構成し、タッチスイッチ124は、スイッチ電極104と114との対から構成する。
そして、PETフィルム9上に、スイッチ電極群A10およびスイッチ電極群B11を形成し、使用者の指は、PETフィルム9を介して、タッチスイッチ121〜124の入力領域にタッチする。また、発振器4から出力する発振周波数の種類を3個とし、このsin信号の周波数の帯域を通過させるバンドパスフィルタの種類も3個として説明する。
スイッチ選択27より切替回路8を制御して選択したドライブするスイッチ電極群A10のスイッチ電極101〜104の何れかを介した増幅したsin信号の電圧により、もう一方のスイッチ選択26より切替回路13で、選択したスイッチ電極101〜104に対となるスイッチ電極群B11のスイッチ電極111〜114を通じ抵抗14に電流が流れる。
このとき、選択しないスイッチ電極は、スイッチ選択27より切替回路8を、スイッチ選択26より切替回路13を制御して、未接続にする。タッチスイッチ121〜124のスイッチ電極群Bのスイッチ電極111〜114を介した電流i1〜i4は、抵抗14を通過することで電圧E1〜E4に変換し、増幅回路16で増幅する。そして、スイッチ選択25より切替回路18を制御して発振器4より出力する発振周波数によって、生成するsin信号の帯域に対応するバンドパスフィルタ回路17のバンドパスフィルタ171〜173の何れかを通過し、sin信号の周波数の通過帯域以外の周波数をカットする。
バンドパスフィルタ回路17のバンドパスフィルタ171〜173の何れかより切替回路18を介して出力する周波数は、それぞれ2つの掛算回路19、20のy側に入力する。
そして、それぞれのDC信号は制御装置2のA/D変換器23、24でデジタルデータに変換し、CPU3に入力する。CPU3は、タッチスイッチ121から、タッチスイッチ122、タッチスイッチ123、タッチスイッチ124の順番に、スイッチ選択27とスイッチ選択26を介して、切替回路8と切替回路13を逐次制御して、デジタルデータを入力する。
例えば、人間の指および手が、接続しているスイッチ電極群A10のスイッチ電極101及びスイッチ電極群B11のスイッチ電極111からなるタッチスイッチ121に近づくと、電流i1は、ドライブ線を接続しているスイッチ電極群A10のスイッチ電極101から指等を介し、電流が流れて変化し、抵抗14の両端に電位差E1に変化が発生し、掛算回路19、20のYに入力する。
XとYの入力信号は、掛算され真の電流値のAC信号だけがDC信号を含む2倍のAC周波数になり、次のローパスフィルタ21、22を通すことでDC信号になる。タッチスイッチ121を構成するスイッチ電極群A10のスイッチ電極101と、スイッチ電極群B11のスイッチ電極111に他の周波数成分であるノイズが混入しても、ノイズの周波数は全てsin信号・cos信号との掛算によりsin信号・cos信号の周波数より高い周波数のAC信号になりsin信号・cos信号の周波数より十分低いローパスフィルタ21、22を通すことでなくすことができる。このようにして、人間の指および手等が、タッチスイッチ121に近づいていることを把握することができる。
これより、変化量dtを式ルート((x-x_base)の二乗+(y-y_base)の二乗)を計算する。また、位相差は式アークタンジェント((x-x_base)/(y-y_base))から求められる。図3では、x_baseとy_baseを原点としたときの、水滴が載置していない状態で、かつ、指が接している状態を実線の矢印で示し、このときのsin信号側の検出信号をx1、cos信号側の検出信号をy1と表している。また、水滴が載置している状態で、かつ、指が接していない状態を破線の矢印で示し、このときのsin信号側の検出信号をx2、cos信号側の検出信号をy2と表している。そして、x_baseとy_baseを原点としたとき、水滴が載置していない状態で、かつ、指が接している状態での検出信号x1、y1と、水滴が載置している状態で、かつ、指が接していない状態での検出信号x2、y2とでは、方向性が違うことを示している。 また、水滴が載置している状態で、かつ、指が接している状態での検出信号は、x_baseとy_baseを原点としたときの、水滴が載置していない状態で、かつ、指が接している状態での検出信号x1、y1と同じ方向性で、入力信号の変化量は、大きい傾向を示す。
これらのことより、入力信号のベクトル値、位相差を求め利用することは、精度が要求される位置座標検出等にはとても有効な手段である。
同様な傾向は、空気より比誘電率が大きい、氷4.2、砂3.0〜5.0、小麦粉2.5〜3.0、紙2.0〜2.5、石油2.0〜2.2等も表れる。また、導体である金属、例えば、銅のコインをスイッチ電極101とスイッチ電極111の上に載置すると、銅のコインが結線の働きをし、結果、コンデンサを形成しているスイッチ電極101とスイッチ電極111間の距離が疑似的に短くなり、そのため、スイッチ電極群B11のスイッチ電極111の電圧は、図4の(1)より増加し、電流も増加する。
但し、スイッチ電極101とスイッチ電極111とスイッチ電極102とスイッチ電極112との間には水滴があり、その水の誘電率が80であるのに対して、図4の(1)では水滴のある位置に空気があり、その空気の誘電率が1である。そのため、スイッチ電極群B11のスイッチ電極111とスイッチ電極112の電圧は、図4の(1)より増加し、電流も増加する。その後の増幅回路16、バンドパスフィルタ回路17のバンドフィルタ171〜173の何れかを介し、sin信号、cos信号との掛算回路19、20を通った信号は、図4の(1)より大きくなる。
人間の指と、タッチスイッチ122を構成するスイッチ電極群A10のスイッチ電極102の間に静電容量が発生し、電流Δiがスイッチ電極群A10のスイッチ電極102から指と水滴を介して大地に流れ、また、水滴から指を介して大地に流れて、電流Δiを失うため、スイッチ電極群A10のスイッチ電極102とスイッチ電極群B11のスイッチ電極112ではsin信号の電圧は、図4の(1)および図4の(2)より減少する。その後の増幅回路16、バンドパスフィルタ回路17のバンドフィルタ171〜173の何れかを介し、sin信号、cos信号との掛算回路19、20を通った信号は、図4の(1)および図4の(2)より小さくなるが、上述のタッチスイッチ121よりは大きくなる。 これは、指が、PETフィルム9を介してタッチスイッチ121に近づく、または、接触しているため、タッチスイッチ122より距離が離れているためである。
図9は、実施例1のメインの制御フローを表し、図10は、実施例1のタッチスイッチ121の演算処理フローを表し、図11は、実施例1のスイッチ状態のフラグ補正を表し、図12は、制御フローに使用するRAM29、EEPROM32に配置しているメモリを表している。
次にタッチスイッチ121のデジタルデータを計測するため、タッチスイッチ121を構成するスイッチ電極群A10のスイッチ電極101とスイッチ電極群B11のスイッチ電極111をオンにし、その他のスイッチ電極をオフにするようにスイッチ選択27を介して切替回路8を、スイッチ選択26を介して切替回路13を設定する。そして、そのときの発振器4のsin信号で計測したA/D変換器23を介したデジタルデータと、発振器4のcos信号で計測したA/D変換器24を介したデジタルデータとをRAM29上にSW1_x_base、SW1_y_baseにベース値として保存する(S3)。
次にタッチスイッチ121のデジタルデータを計測するため、タッチスイッチ121を構成するスイッチ電極群A10のスイッチ電極101とスイッチ電極群B11のスイッチ電極111をオンにし、その他のスイッチ電極をオフにするようにスイッチ選択27を介して切替回路8を、スイッチ選択26を介して切替回路13を設定する。そして、そのときの発振器4のsin信号で計測したA/D変換器23を介したデジタルデータと、発振器4のcos信号で計測したA/D変換器24を介したデジタルデータとをRAM29上にSW1_x、SW1_yにベクトル値として保存する(S7)。
ステップ17では、EEPROM32上のメモリHZに発振周波数のデータを保存し、その発振周波数のデータを発振器4に設定し、その発振周波数のデータに対応したバンドパスフィルタ回路17のバンドフィルタ171〜173から選択し、スイッチ選択25を介して切替回路18に設定する。そして、ステップ18に進む。
ステップ21では、RAM29上のSW1_dt_max〜SW4_dt_maxの内容を、EEPROM32のSW1_scale〜SW4_scaleに保存し、RAM29上のSW1_x_dt_max〜SW4_x_dt_maxの内容を、EEPROM32のSW1_x_scale〜SW4_x_scaleに保存し、RAM29上のSW1_y_dt_max〜SW4_y_dt_maxの内容を、EEPROM32のSW1_y_scale〜SW4_y_scaleに保存する。これらは、各タッチスイッチのスイッチ電極に、指および手等が接していない状態で、かつ、水滴が載置していない状態で電源投入後に、基準となる金属の棒を手に持ち、金属の棒をスイッチ電極に接したときに計測するベクトル値とベース値の変化量の最大値とそのときのsin側の差分の変化量とcos側の差分の変化量とを保存している。そして、ステップ22に進む。
ステップ22では、外部処理装置31、例えば、ホストに接続する外部I/F30を介して、各タッチスイッチのベクトル値、ベース値の要求が有ったかどうかを確認し,要求がない場合は、ステップ24に進み、要求が有る場合は、ステップ23に進む。
ステップ23では、RAM29上の各タッチスイッチのベクトル値SW1_x〜SW4_xの内容と、ベース値SW1_x_base〜SW4_x_baseの内容を外部I/F30を介して、ホストに出力する。そして、ステップ24に進む。
ステップ24では、外部処理装置31、例えば、ホストに接続する外部I/F30を介して、各タッチスイッチのスケールの設定データを確認し,設定データがない場合は、ステップ26に進み、設定データがある場合は、ステップ25に進む。
ステップ23と組み合わせることによって、外部処理装置31でベクトル値とベース値の変化量の最大値とそのときのsin側の差分の変化量とcos側の差分の変化量を外部処理装置31から設定できる。これは、金属の棒をスイッチ電極に接したときの設定方法に有用になる。
ステップ25では、外部処理装置31、例えば、ホストに接続する外部I/F30を介して、各タッチスイッチのスケールの設定データを、EEPROM32上のSW1_scale〜SW4_scaleと、SW1_x_scale〜SW4_x_scaleと、SW1_y_scale〜SW4_y_scaleとに保存する。そして、ステップ26に進む。
次に、第2の実施例を示す。第1の実施例において、各タッチスイッチ121〜124を計測するにあたり、スイッチ選択27より切替回路8を制御して選択したドライブするスイッチ電極群A10のスイッチ電極101〜104を全て接続状態にし、スイッチ電極101〜104を一つの電極としている。
図13に、第2の実施例の静電容量結合方式静電センサーによるタッチスイッチのオン/オフを計測する場合の構成図を示す。まず、制御装置2は、CPU3と、プログラムを内蔵するROM28と、ワーキングメモリを内蔵するRAM29と、定数(例えば閾値)を内蔵するEEPROM32と、信号をsin信号、cos信号に変換する同期発信回路5,6に信号を出力する発振器4、sin信号を供給するスイッチ電極群A10のスイッチ電極101〜104を選択する切替回路8を制御するスイッチ選択27と、sin信号を受信するスイッチ電極群B11のスイッチ電極111〜114を選択する切替回路13を制御するスイッチ選択26と、バンドパスフィルタ回路17よりsin信号の周波数帯域に対応したバンドパスフィルタ回路17のバンドフィルタ171〜173の何れかを選択する切替回路18を制御するスイッチ選択25と、同期発信回路5からのsin信号とバンドパスフィルタ回路17のバンドフィルタ171〜173の何れかを介したsin信号とを掛算回路19で掛算し、ローパスフィルタ21を介した信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路23と、同期発信回路6からのcos信号とバンドパスフィルタ回路17のバンドフィルタ171〜173の何れかを介したsin信号とを掛算回路20で掛算し、ローパスフィルタ22を介した信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路24と、2つのA/D変換回路23、24のデジタルデータを演算して、タッチスイッチのオンまたはオフ情報を外部処理装置31に各タッチスイッチのI/Oとして出力する外部I/F30とから構成している。
ここで、本実施例ではタッチスイッチの数を4個設けたものを例に説明する。タッチスイッチ121は、コンデンサを形成するスイッチ電極群A10のスイッチ電極101と、スイッチ電極群B11のスイッチ電極111との対より構成し、同様に、タッチスイッチ122はスイッチ電極102と112との対より構成し、タッチスイッチ123は、スイッチ電極103と113との対より構成し、タッチスイッチ124は、スイッチ電極104と114との対から構成する。そして、PETフィルム9上に、スイッチ電極群A10およびスイッチ電極群B11を形成し、使用者の指は、PETフィルム9を介して、タッチスイッチ121〜124の入力領域にタッチする。また、発振器4から出力する発振周波数の種類を3個とし、このsin信号の周波数の帯域を通過させるバンドパスフィルタの種類も3個として説明する。
このとき、選択しないスイッチ電極は、スイッチ選択26より切替回路13を制御して、未接続にする。タッチスイッチ121〜124のスイッチ電極群Bのスイッチ電極111〜114を介した電流i1〜i4は、抵抗14を通過することで電圧E1〜E4に変換し、増幅回路16で増幅する。そして、スイッチ選択25より切替回路18を制御して発振器4より出力する発振周波数によって、生成するsin信号の帯域に対応するバンドパスフィルタ回路17のバンドパスフィルタ171〜173の何れかを通過し、sin信号の周波数の通過帯域以外の周波数をカットする。
バンドパスフィルタ回路17のバンドパスフィルタ171〜173の何れかより切替回路18を介して出力する周波数は、それぞれ2つの掛算回路19、20のy側に入力する。2つの掛算回路19、20のX側にはsin信号、cos信号が入力する。それぞれの掛算回路19、20の通過によって、周波数をそれぞれの掛算回路19,20の結果は、非常に低い周波数帯域を通過させるローパスフィルタ21、22において、ノイズ信号が消され、DC信号が取り出される。そして、それぞれのDC信号は制御装置2のA/D変換器23、24でデジタルデータに変換し、CPU3に入力する。CPU3は、タッチスイッチ121から、タッチスイッチ122、タッチスイッチ123、タッチスイッチ124の順番に、スイッチ選択26を介して、切替回路13を逐次制御して、デジタルデータを入力する。
制御フローは、第1の実施例と同様な制御を行うことにより、制御することができる。
2 制御装置
3 CPU
4 発振器
5 同期発信回路
6 同期発信回路
7 増幅回路
8 切替回路
9 PETフィルム
10 スイッチ電極群A
101 スイッチ電極
102 スイッチ電極
103 スイッチ電極
104 スイッチ電極
11 スイッチ電極群B
111 スイッチ電極
112 スイッチ電極
113 スイッチ電極
114 スイッチ電極
121 タッチスイッチ
122 タッチスイッチ
123 タッチスイッチ
124 タッチスイッチ
13 切替回路
14 抵抗
15 電流電圧変換器
16 増幅回路
17 バンドパスフィルタ回路
171 バンドパスフィルタ
172 バンドパスフィルタ
173 バンドパスフィルタ
18 切替回路
19 掛算回路
20 掛算回路
21 ローパスフィルタ
22 ローパスフィルタ
23 A/D変換器
24 A/D変換器
25 スイッチ選択
26 スイッチ選択
27 スイッチ選択
28 ROM
29 RAM
30 外部I/F
31 外部処理装置
32 EEPROM
Claims (7)
- 絶縁体に、導電性材料からなる電極と導通部材を配置し、前記導通部材と前記電極の静電容量を、前記導通部材と、前記電極との間に流れる電流を電圧に変換するために、発振器で生成する信号を、同期発振回路により同期がとれたsin信号とcos信号に変換し、前記sin信号を印加した複数の電極からなる電極群Aをドライブする配線と、電流・電圧変換回路とそれを経由して複数の電極からなる電極群Bに接続する配線と、電流・電圧変換された信号と前記sin信号およびcos信号とを掛算する掛算回路と、前記掛算回路による信号をDC信号とするローパスフィルタ回路と、前記DC信号化された電圧を計測し、演算処理する制御装置からなる静電容量結合方式静電センサーにおいて、電極群Aの電極をドライブする配線と前記電流・電圧変換回路を経由して電極群Bの電極に接続する配線と未接続にする配線の組み合わせを逐次変えて、前記DC信号化された電圧を計測し、演算処理する手段と、電極群Aの電極と電極群Bの電極に指が近接した状態と、電極群Aの電極と電極群Bの電極に物体が載置した状態とを判別することを特徴とする静電容量結合方式静電センサー。
- 請求項1記載の静電容量結合方式静電センサーにおいて、計測しない電極群Aの電極の配線と、電極群Bの電極の配線とを未接続にし、電極群Aの電極をドライブする配線と前記電流・電圧変換回路を経由して電極群Bの電極に接続する配線とを逐次変えて、前記DC信号化された電圧を計測し、演算処理することによって、電極群Aの電極と電極群Bの電極に指が近接した状態と、電極群Aの電極と電極群Bの電極に物体が載置した状態とを判別する手段とを備えた静電容量結合方式静電センサー。
- 請求項1記載の静電容量結合方式静電センサーにおいて、計測しない電極群Aの電極の配線を接続し、電極群Bの電極の配線を未接続にし、電極群Aの電極をドライブする配線と前記電流・電圧変換回路を経由して電極群Bの電極に接続する配線とを逐次変えて、前記DC信号化された電圧を計測し、演算処理することによって、電極群Aの電極と電極群Bの電極に指が近接した状態と、電極群Aの電極と電極群Bの電極に物体が載置した状態とを判別する手段とを備えた静電容量結合方式静電センサー。
- 請求項1記載の静電容量結合方式静電センサーにおいて、開始時の電極群Aの電極をドライブする配線と、前記電流・電圧変換回路を経由して電極群Bの電極に接続する配線とを逐次変えて、前記DC信号化された電圧を基準値とし、以降の電極群Aの電極をドライブする配線と前記電流・電圧変換回路を経由して電極群Bの電極に接続する配線とを逐次変えて、前記DC信号化された電圧を計測値とし、予め設定した前記変化量の基準スケールと、前記変化量の方向とによって、演算処理することを特徴とする静電容量結合方式静電センサー。
- 請求項1記載の静電容量結合方式静電センサーにおいて、第1の閾値を設けて、電極群Aの電極と電極群Bの電極に指が近接した状態を判断し、第2の閾値を設けて、電極群Aの電極と電極群Bの電極に指が離れた状態を判断し、第3の閾値を設けて、電極群Aの電極と電極群Bの電極に物体が載置した状態を判断し、第4の閾値を設けて、電極群Aの電極と電極群Bの電極に物体が離れた状態を判断することを特徴とする静電容量結合方式静電センサー。
- 請求項5記載の静電容量結合方式静電センサーにおいて、電極群Aの電極と電極群Bの電極とのオン、オフ状態の通知を指が近接した状態と、指が離れた状態とし、電極群Aの電極と電極群Bの電極の複数に物体が載値した場合に備えて、前記のオンとオフ状態を補正して通知することを特徴とする静電容量結合方式静電センサー。
- 請求項5記載の静電容量結合方式静電センサーにおいて、指が近接した状態と、指が離れた状態と、物体が近接した状態と、物体が離れた状態とを通知することを特徴とする静電容量結合方式静電センサー。
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- 2012-12-25 JP JP2012280688A patent/JP6123286B2/ja active Active
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