JP2014122675A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造の簡素化を図りつつ、径方向の振動に対して確実に減衰特性を発揮する。
【解決手段】防振装置10は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材11、および他方に連結される第2取付け部材12と、これらの両取付け部材11、12を連結する弾性体14と、液体が封入された第1取付け部材11内の液室15を軸線O方向に区画し、弾性体14を壁面の一部とする主液室16と、副液室17と、を画成する仕切り部材18と、主液室16を周方向に区画し、複数の分割主液室19を画成する弾性仕切り体20と、複数の分割主液室19と副液室17とを連通する第1制限通路21と、複数の分割主液室19同士を互いに連通する第2制限通路22と、を備え、第2制限通路22は、第1制限通路21よりも共振周波数が高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車などに適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、軸線方向および径方向の両方向に入力される振動に対して減衰特性を発揮する防振装置が知られている。この防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、およびいずれか他方に連結される第2取付け部材と、これらの両取付け部材を弾性的に連結する第1弾性体と、液体が封入された第1取付け部材内の液室を軸線方向に区画し、第1弾性体を壁面の一部とする主液室と、副液室と、を画成する第1仕切り壁と、主液室を周方向に区画し、複数の分割主液室を画成する第2仕切り壁と、複数の分割主液室と副液室とを各別に連通する複数の制限通路と、を備えている。
この種の防振装置は、主液室および副液室を有することで、軸線方向および径方向の両方向の振動に対して減衰特性を発揮することから、主液室や副液室とは異なる他の液室を更に有するような防振装置に比べて、構造の簡素化を図ることができる。
国際公開第2012−039406号
しかしながら、前記従来の防振装置では、例えば、この防振装置が自動車に適用されたときに径方向に入力される比較的に周波数が高い振動などの径方向の振動に対して、減衰特性を確実に発揮させることについて改善の余地がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、構造の簡素化を図りつつ、径方向の振動に対して確実に減衰特性を発揮することができる防振装置を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、これらの両取付け部材を連結する弾性体と、液体が封入された前記第1取付け部材内の液室を軸線方向に区画し、前記弾性体を壁面の一部とする主液室と、副液室と、を画成する仕切り部材と、前記主液室を周方向に区画し、複数の分割主液室を画成する弾性仕切り体と、前記複数の分割主液室と前記副液室とを連通する第1制限通路と、前記複数の分割主液室同士を互いに連通する第2制限通路と、を備え、前記第2制限通路は、前記第1制限通路よりも共振周波数が高いことを特徴とする。
この発明では、振動発生部から軸線方向に振動が入力されると、両取付け部材が、弾性体および弾性仕切り体を軸線方向に弾性変形させつつ軸線方向に相対的に変位し、分割主液室の容積が変化する。すると、分割主液室と副液室との間で第1制限通路を通して液体が往来し、第1制限通路の共振周波数と同等の周波数の振動が吸収、減衰される。
また、振動発生部から径方向に振動が入力されると、両取付け部材が、弾性体および弾性仕切り体を径方向に弾性変形させつつ径方向に相対的に変位し、各分割主液室の容積が変化する。すると、分割主液室同士の間で第2制限通路を通して液体が往来し、第2制限通路の共振周波数と同等の周波数の振動が吸収、減衰される。
ここで当該防振装置によれば、第2制限通路の共振周波数が、第1制限通路の共振周波数よりも高いので、第2制限通路の共振周波数と同等の周波数の振動が径方向に入力されたときに、例えば第1制限通路内で目詰まりが起こること等により、液体を第2制限通路内で積極的に流通させることが可能になり、構造の簡素化を図りつつも、径方向の振動に対して確実に減衰特性を発揮することができる。
また第2制限通路の共振周波数が、第1制限通路の共振周波数よりも高いので、第1制限通路内で液柱共振が生じているときには、第2制限通路内では液柱共振が実質的に生じないこととなる。したがって、第2制限通路が、第1制限通路内での液柱共振による振動の吸収、減衰に影響を与えるのを抑えることが可能になり、軸線方向の振動に対しても確実に減衰特性を発揮することができる。
ところで前述のように、軸線方向に振動が入力され、両取付け部材が、弾性体および弾性仕切り体を軸線方向に弾性変形させつつ軸線方向に相対的に変位するときに、弾性仕切り体に歪みが生じると、弾性仕切り体の性能を長期にわたって維持し難くなる。そこで、弾性仕切り体を薄肉に形成し、軸線方向に振動が入力されたときに、例えば弾性仕切り体を撓むように弾性変形させること等により、弾性仕切り体での歪みの発生を抑えることが考えられる。ところがこの場合、径方向に振動が入力されたときに、弾性仕切り体の変形による分割主液室の容積の変化が小さくなり、減衰特性を発揮し難くなるおそれがある。
しかしながら、当該防振装置のように、第2制限通路の共振周波数が、第1制限通路の共振周波数よりも高い場合、第2制限通路の共振周波数と同等の周波数の振動が径方向に入力されたときに、前述のように液体を第2制限通路内で積極的に流通させることができることから、弾性仕切り体の変形による分割主液室の容積の変化を小さく抑えても、減衰特性を発揮することができる。したがって、弾性仕切り体を薄肉に形成して弾性仕切り体での歪みの発生を抑えることが可能になり、弾性仕切り体の性能を長期にわたって維持し易くすることができる。
また、前記第2制限通路の共振周波数は、40Hz〜60Hzであってもよい。
この場合、つまり当該防振装置を、周波数が40Hz〜60Hzの径方向の振動に対して減衰特性を発揮させるために適用する場合には、径方向の振動に対してより確実に減衰特性を発揮することができる。
すなわち、周波数が40Hz〜60Hzの振動は、例えば周波数が40Hzよりも低い5〜15Hzの振動などに比べて、制限通路内を液体が僅かに流通するだけであっても効果的に減衰される。したがって、当該防振装置のような、第2制限通路の共振周波数と同等の周波数の振動が径方向に入力されたときに、液体を第2制限通路内で積極的に流通させることができる構成を、周波数が40Hz〜60Hzの径方向の振動に対して適用することで、減衰特性をより確実に発揮させることができる。
また、前記第1制限通路は、前記複数の分割主液室と前記副液室とを各別に連通するように複数備えられていてもよい。
この場合、第1制限通路が、複数の分割主液室と副液室とを各別に連通するように複数備えられているので、振動発生部から軸線方向に振動が入力されたときに、各第1制限通路を通して複数の分割主液室それぞれと副液室との間で液体を各別に往来させることで、複数の分割主液室それぞれの容積を同等に変化させ易くすることが可能になり、軸線方向の振動に対する減衰特性を効果的に発揮することができる。
また、前記第2制限通路は、前記第1制限通路よりも流通抵抗が低くてもよい。
この場合、第2制限通路の流通抵抗が、第1制限通路の流通抵抗よりも低いので、第2制限通路の共振周波数と同等の周波数の振動が径方向に入力されたときに、液体を第2制限通路内に積極的に流通させることが可能になり、減衰特性を効果的に発揮することができる。
また、前記第2制限通路は、前記仕切り部材に設けられていてもよい。
この場合、第2制限通路が、仕切り部材に設けられているので、更なる構造の簡素化を図ることができる。
また、前記第2制限通路を画成する壁面の少なくとも一部は、弾性変形可能なメンブランにより構成されていてもよい。
この場合、第2制限通路を画成する壁面の少なくとも一部が、メンブランにより構成されているので、第2制限通路内を液体が流通するときに、メンブランを弾性変形させることが可能になり、第2制限通路の共振周波数を広範囲にわたらせることができる。
また、前記メンブランは、振動が入力され前記分割主液室の液圧が変動するときに、前記第2制限通路内の液体により弾性変形させられることで前記分割主液室の液圧を前記副液室に伝達可能に構成されていてもよい。
この場合、メンブランが、振動が入力され分割主液室の液圧が変動するときに、第2制限通路内の液体により弾性変形させられることで分割主液室の液圧を副液室に伝達可能に構成されているので、例えば軸線方向に大きな振動の入力があったとき等に、分割主液室の液圧を副液室に伝達することで分割主液室の内圧の上昇を緩和することが可能になり、動ばね定数の上昇を抑えることができる。
また、前記仕切り部材には、前記メンブランを壁面の一部とし、該メンブランを間に挟んで前記第2制限通路の反対側に配置された中間液室が設けられ、該中間液室は、第3制限通路を通して前記副液室に連通していてもよい。
この場合、振動が入力され分割主液室の液圧が変動すると、第2制限通路内の液体によりメンブランが弾性変形させられ、分割主液室の液圧の変動が中間液室に及ぼされ、中間液室と副液室との間で第3制限通路内を通して液体が流通することとなる。これにより、第3制限通路の共振周波数と同等の周波数の振動が入力されたときに、第3制限通路内で液柱共振を生じさせることが可能になり、減衰特性を効果的に発揮することができる。
なお第3制限通路の共振周波数が、第1制限通路の共振周波数および第2制限通路の共振周波数のいずれとも異なっている場合、幅広い周波数の振動に対して減衰特性を発揮し易くすることができる。
本発明に係る防振装置によれば、構造の簡素化を図りつつ、径方向の振動に対して確実に減衰特性を発揮するができる。
本発明の第1実施形態に係る防振装置を示す模式図である。 図1に示す防振装置の作用を説明する模式図である。 図1に示す防振装置の作用を説明する模式図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係る防振装置を示す模式図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る防振装置を説明する。
図1に示すように、防振装置10は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材11、および他方に連結される第2取付け部材12と、これらの両取付け部材11、12を弾性的に連結する弾性体14と、液体が封入された第1取付け部材11内の液室15を軸線O方向に区画し、弾性体14を壁面の一部とする主液室16と、副液室17と、を画成する仕切り部材18と、主液室16を周方向に区画し、複数の分割主液室19を画成する弾性仕切り体20と、複数の分割主液室19と副液室17とを連通する第1制限通路21と、複数の分割主液室19同士を互いに連通する第2制限通路22と、を備えている。
当該防振装置10は、前記液体として、例えばエチレングリコール、水、シリコーンオイル等が封入されたいわゆる液体封入型である。
ここで第1取付け部材11、第2取付け部材12、弾性体14および仕切り部材18の各中心軸線は、共通軸上に位置している。以下では、この共通軸を軸線Oといい、前記軸線O方向に沿って仕切り部材18に対する主液室16側を一方側といい、副液室17側を他方側といい、前記軸線Oに直交する方向を径方向といい、前記軸線O回りに周回する方向を周方向という。
弾性体14は、第1取付け部材11の前記一方側の開口部を閉塞している。弾性体14は、第1取付け部材11の内周面に全周にわたって加硫接着されている。弾性体14には、前記第2取付け部材12が当該弾性体14の前記一方側から加硫接着されている。なお弾性体14は、例えばゴム材料や合成樹脂材料などの弾性体材料により形成されている。
ここで防振装置10には、第1取付け部材11の前記他方側の開口部を閉塞するダイヤフラム23が備えられており、第1取付け部材11内においてダイヤフラム23と前記弾性体14との間に位置する部分が前記液室15となっている。
仕切り部材18は、第1取付け部材11の前記軸線O方向の両開口部の間に位置する部分内に嵌合されている。
弾性仕切り体20は、例えばゴム材料や合成樹脂材料などの弾性体材料により膜状に形成されている。弾性仕切り体20は、膜状よりも厚い壁状に形成してもよく、弾性体14と一体に形成されていてもよい。弾性仕切り体20は、前記軸線O方向から見た平面視において、前記軸線Oを通る直線状に延設され、前記軸線Oを通り主液室16内を横断するように配設されている。弾性仕切り体20は、液室15内を2つの分割主液室19に区画している。
分割主液室19は主液室16が2等分割されてなる。これらの両分割主液室19は、径方向のうち、前記平面視において弾性仕切り体20に交差してほぼ直交する並列方向に、前記軸線Oを間に挟んで並んでいる。両分割主液室19は、前記平面視において弾性仕切り体20を基準として線対称に配設されている。
分割主液室19は、当該防振装置10への振動の入力に伴って液圧が変動する。本実施形態では、主液室16は、弾性体14を壁面の一部としており、前記軸線O方向の振動の入力時における弾性体14の変形により内容積が変化することで、液圧が変動する。
副液室17は、ダイヤフラム23を壁面の一部としており、液圧変動に応じてダイヤフラム23が変形することにより拡縮する。
第1制限通路21および第2制限通路22は、仕切り部材18に設けられている。仕切り部材18には、第1制限通路21および第2制限通路22それぞれの一部を構成する流路部24aが設けられている。流路部24aには、複数の分割主液室19に各別に開口する複数の主開口部24b、および副液室17に開口する副開口部24cが設けられている。副開口部24cは、複数の主開口部24bそれぞれに対応して複数設けられている。
そして主開口部24bと、当該主開口部24bに対応する副開口部24cと、流路部24aのうち、これらの両開口部24b、24cを連通する部分と、により前記第1制限通路21が構成されている。第1制限通路21は、複数の分割主液室19と副液室17とを各別に連通するように複数備えられている。
また両主開口部24bと、流路部24aのうち、これらの両主開口部24bを連通する部分と、により前記第2制限通路22が構成されている。第2制限通路22は、第1制限通路21よりも流通抵抗が低くなっている。
前記防振装置10は、主液室16が鉛直方向上側に位置し、副液室17が鉛直方向下側に位置するように装着される吊下式である。防振装置10では、前記他方側が、装着時に静荷重(初期荷重)が入力されるバウンド側であり、前記一方側が、バウンド側の反対側のリバウンド側となっている。
また本実施形態では、防振装置10は、FF方式の自動車において、振動発生部としてのエンジンを振動受部としての車体に、ペンデュラム懸架方式で連結するときに適用される。このとき第1取付け部材11は前記エンジンに連結され、第2取付け部材12は図示しないブラケット等を介して前記車体に連結され、前記軸線O方向が、鉛直方向に一致し、前記並列方向が車体の前後方向に一致する。
ところで前記自動車では、燃費向上の観点から、近年、前記エンジンのダウンサイジング(排気量減、減気筒)やダウンスピーディング(エンジン低回転化)が進んでいる。また、前記自動車がAT車やCVT車である場合には、燃費向上の観点から、低回転の段階でロックアップしてトルクコンバータを介さず駆動力を伝えることが増えてきている。
これらの場合、燃費は向上するものの、例えば前記自動車が市街地や高速道路などをほぼ一定速度で走行するとき等、前記自動車が微小な加減速を繰り返すときには、前記車体に、前記前後方向(ロール方向)に揺動させられるようなロール振動(例えば周波数が約40〜60Hz程度)が伝達され易くなる。その結果、乗員が感じる揺れや騒音が大きくなるおそれがある。なお前記ロール振動は、前記エンジンが3気筒の場合には、エンジンの回転数が1600〜2400rpmのときに生じ易く、前記エンジンが4気筒の場合には、エンジンの回転数が1200〜1800rpmのときに生じ易い。
ここで、前記車体への前記前後方向の振動の伝達を抑える方法である非連成化は、アイドル振動(例えば、周波数が約15〜30Hz程度)よりも低い周波数の振動が入力されるときには、前記車体を剛体とみなすことができるため有効である。しかしながら、この非連成化は、アイドル振動よりも周波数が高い前記ロール振動の入力時には、前記車体を剛体とみなすことが難しいため効果が小さい。また非連成化は、前記ロール振動の入力により生じる揺れ戻しや揺れ残り等に対しても効果が小さい。
そこで本実施形態では、防振装置10の前記第2制限通路22の共振周波数を、前記ロール振動の周波数と同等の40〜60Hzとし、第2制限通路22内で液柱共振が生じたときに、前記ロール振動が減衰、吸収されるように構成した。
また第2制限通路22は、前記第1制限通路21よりも共振周波数が高くなっている。第1制限通路21の共振周波数は、例えばシェイク振動(周波数が約5〜15Hz程度)の周波数や前記アイドル振動の周波数など同等となっている。第1制限通路21内で液柱共振が生じると、シェイク振動またはアイドル振動が吸収、減衰される。
前記防振装置10に、振動発生部から前記軸線O方向にシェイク振動またはアイドル振動が入力されると、両取付け部材11、12が、弾性体14および弾性仕切り体20を前記軸線O方向に弾性変形させつつ前記軸線O方向に相対的に変位し、分割主液室19の容積が変化する。すると図2に示すように、分割主液室19と副液室17との間で第1制限通路21を通して液体が往来し、シェイク振動またはアイドル振動が吸収、減衰される。
また、振動発生部から前記並列方向にロール振動が入力されると、両取付け部材11、12が、弾性体14および弾性仕切り体20を前記並列方向に弾性変形させつつ前記並列方向に相対的に変位し、各分割主液室19の容積が変化する。すると図3に示すように、分割主液室19同士の間で第2制限通路22を通して液体が往来し、ロール振動が吸収、減衰される。
なおこのように、前記軸線O方向および前記並列方向の両方向の振動を吸収、減衰することで、前記車体に伝達される揺れや騒音が抑えられ、前記自動車の燃費改善が図られることとなる。
以上説明したように、本実施形態に係る防振装置10によれば、第2制限通路22の共振周波数が、第1制限通路21の共振周波数よりも高いので、第2制限通路22の共振周波数と同等の周波数であるロール振動が前記並列方向に入力されたときに、図3に示すように、例えば第1制限通路21内で目詰まりが起こること等により、液体を第2制限通路22内で積極的に流通させることが可能になり、構造の簡素化を図りつつも、径方向の振動に対して確実に減衰特性を発揮することができる。
また第2制限通路22の共振周波数が、第1制限通路21の共振周波数よりも高いので、第1制限通路21内で液柱共振が生じているときには、第2制限通路22内では液柱共振が実質的に生じないこととなる。したがって、第2制限通路22が、第1制限通路21内での液柱共振による振動の吸収、減衰に影響を与えるのを抑えることが可能になり、軸線方向の振動に対しても確実に減衰特性を発揮することができる。
ところで前述のように、前記軸線O方向に振動が入力され、両取付け部材11、12が、弾性体14および弾性仕切り体20を前記軸線O方向に弾性変形させつつ前記軸線O方向に相対的に変位するときに、弾性仕切り体20に歪みが生じると、弾性仕切り体20の性能を長期にわたって維持し難くなる。そこで、弾性仕切り体20を薄肉に形成し、前記軸線O方向に振動が入力されたときに、例えば弾性仕切り体20を撓むように弾性変形させること等により、弾性仕切り体20での歪みの発生を抑えることが考えられる。ところがこの場合、前記並列方向に振動が入力されたときに、弾性仕切り体20の変形による分割主液室19の容積の変化が小さくなり、減衰特性を発揮し難くなるおそれがある。
しかしながら、当該防振装置10のように、第2制限通路22の共振周波数が、第1制限通路21の共振周波数よりも高い場合、第2制限通路22の共振周波数と同等の周波数であるロール振動が前記並列方向に入力されたときに、前述のように液体を第2制限通路22内で積極的に流通させることができることから、弾性仕切り体20の変形による分割主液室19の容積の変化を小さく抑えても、減衰特性を発揮することができる。したがって、弾性仕切り体20を薄肉に形成して弾性仕切り体20での歪みの発生を抑えることが可能になり、弾性仕切り体20の性能を長期にわたって維持し易くすることができる。
また本実施形態のように、第2制限通路22の共振周波数が40Hz〜60Hzであり、当該防振装置10を、周波数が40Hz〜60Hzの前記並列方向の振動に対して減衰特性を発揮させるために適用する場合には、前記並列方向の振動に対してより確実に減衰特性を発揮することができる。
すなわち、周波数が40Hz〜60Hzの振動は、例えば周波数が40Hzよりも低い5〜15Hzの振動などに比べて、制限通路内を液体が僅かに流通するだけであっても効果的に減衰される。したがって、当該防振装置10のような、第2制限通路22の共振周波数と同等の周波数の振動が前記並列方向に入力されたときに、液体を第2制限通路22内で積極的に流通させることができる構成を、周波数が40Hz〜60Hzの前記並列方向の振動に対して適用することで、減衰特性をより確実に発揮させることができる。
また、第2制限通路22の流通抵抗が、第1制限通路21の流通抵抗よりも低いので、第2制限通路22の共振周波数と同等の周波数であるロール振動が前記並列方向に入力されたときに、液体を第2制限通路22内に積極的に流通させることが可能になり、減衰特性を効果的に発揮することができる。
さらに、第1制限通路21が、複数の分割主液室19と副液室17とを各別に連通するように複数備えられているので、振動発生部から前記軸線O方向に振動が入力されたときに、各第1制限通路21を通して複数の分割主液室19それぞれと副液室17との間で液体を各別に往来させることで、複数の分割主液室19それぞれの容積を同等に変化させ易くすることが可能になり、前記軸線O方向の振動に対する減衰特性を効果的に発揮することができる。
なお本実施形態では、第1制限通路21が、複数の分割主液室19と副液室17とを各別に連通するように複数備えられているものとしたが、これに限られない。例えば、前記副開口部が1つのみ設けられており、複数の前記主開口部と、前記流路部と、前記副開口部と、により1つの第1制限通路が構成されてもよい。
また前記防振装置10では、第2制限通路22を画成する壁面の少なくとも一部が、後述するメンブラン31により構成されていてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る防振装置30を説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図4に示す防振装置30では、第1制限通路21と第2制限通路22とが互いに独立して設けられている。
そして本実施形態では、第2制限通路22を画成する壁面の少なくとも一部が、弾性変形可能なメンブラン31により構成されている。メンブラン31は、前記軸線O方向の振動が入力され分割主液室19の液圧が変動するときに、第2制限通路22内の液体により弾性変形させられることで分割主液室19の液圧を副液室17に伝達可能に構成されている。メンブラン31は、例えばゴム材料や合成樹脂材料などの弾性体材料により膜状に形成されている。メンブラン31は、前記第2制限通路22と前記副液室17との間に配設されている。メンブラン31は、仕切り部材18において前記他方側を向く部分に配設されている。メンブラン31は、前記軸線Oに交差するように配設されている。メンブラン31は、第2制限通路22内の液体により前記他方側に膨出するように弾性変形可能となっている。
以上説明したように、本実施形態に係る防振装置30によれば、第2制限通路22を画成する壁面の少なくとも一部が、メンブラン31により構成されているので、第2制限通路22内を液体が流通するときに、メンブラン31を弾性変形させることが可能になり、第2制限通路22の共振周波数を広範囲にわたらせることができる。
またメンブラン31が、振動が入力され分割主液室19の液圧が変動するときに、第2制限通路22内の液体により弾性変形させられることで分割主液室19の液圧を副液室17に伝達可能に構成されているので、例えば前記軸線O方向に大きな振動の入力があったとき等に、分割主液室19の液圧を副液室17に伝達することで分割主液室19の内圧の上昇を緩和することが可能になり、動ばね定数の上昇を抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る防振装置40を説明する。
なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5に示す防振装置40では、仕切り部材18には、メンブラン31を壁面の一部とし、該メンブラン31を間に挟んで第2制限通路22の反対側に配置された中間液室41が設けられている。中間液室41は、メンブラン31を間に挟んで第2制限通路22の前記他方側に配置されている。
そして本実施形態では、中間液室41は、第3制限通路42を通して副液室17に連通している。第3制限通路42の共振周波数は、第1制限通路21の共振周波数および第2制限通路22の共振周波数のいずれとも異なっている。本実施形態では、第3制限通路42の共振周波数は、第1制限通路21の共振周波数よりも高く、かつ第2制限通路22の共振周波数よりも低くなっている。
以上説明したように、本実施形態に係る防振装置40によれば、振動が入力され分割主液室19の液圧が変動すると、第2制限通路22内の液体によりメンブラン31が弾性変形させられ、分割主液室19の液圧の変動が中間液室41に及ぼされ、中間液室41と副液室17との間で第3制限通路42内を通して液体が流通することとなる。これにより、第3制限通路42の共振周波数と同等の周波数の振動が入力されたときに、第3制限通路42内で液柱共振を生じさせることが可能になり、減衰特性を効果的に発揮することができる。
なお本実施形態のように、第3制限通路42の共振周波数が、第1制限通路21の共振周波数および第2制限通路22の共振周波数のいずれとも異なっている場合、幅広い周波数の振動に対して減衰特性を発揮し易くすることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第2制限通路22の流通抵抗は、第1制限通路21の流通抵抗よりも低くなくてもよい。
また前記実施形態では、仕切り部材18に第1制限通路21および第2制限通路22が形成されているが、これに限られるものではなく、例えば、第1制限通路および第2制限通路が、第1取付け部材に溝状に形成されていてもよい。
また前記実施形態では、防振装置10の前記並列方向を、前記前後方向に一致させるものとしたが、これに限られず、前記車体の左右方向など、前記前後方向とは異なる方向に一致させてもよい。
また前記実施形態では、弾性仕切り体20は、前記軸線Oを通るように配設されているものとしたが、前記軸線Oからずらされて配設されていてもよい。
さらに前記実施形態では、弾性仕切り体20により主液室16は2つの分割主液室19に区画されているものとしたが、周方向に複数の分割主液室19に区画されていれば、これに限られるものではない。例えば、弾性仕切り体を、前記平面視において前記軸線を中心とする放射状をなすように設けて、径方向のうちの複数の方向の振動に対する減衰特性を効果的に発揮させてもよい。
また前記実施形態では、第1取付け部材11が振動発生部に連結され、第2取付け部材12が振動受部に連結されるものとしたが、これに限られるものではなく、第1取付け部材11が振動受部に連結され、第2取付け部材12が振動発生部に連結されてもよい。つまり、第1取付け部材が、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結され、第2取付け部材がいずれか他方に連結されればよい。
さらに前記実施形態では、防振装置10、30、40は吊り下げ式であるものとしたが、圧縮式(正立式)であってもよい。
また本発明に係る防振装置10、30、40は、FF式の自動車に適用されるものとしたが、これに限られるものではなく、例えばFR式など、FF式とは異なる構成の自動車に適用することも可能である。
さらに本発明に係る防振装置10、30、40は、車両のエンジンマウントに限定されるものではなく、エンジンマウント以外に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントにも適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントにも適用することも可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10、30、40 防振装置、11 第1取付け部材、12 第2取付け部材、14 弾性体、15 液室、16 主液室、17 副液室、18 仕切り部材、19 分割主液室、20 弾性仕切り体、21 第1制限通路、22 第2制限通路、31 メンブラン、41 中間液室、42 第3制限通路

Claims (8)

  1. 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材、および他方に連結される第2取付け部材と、
    これらの両取付け部材を連結する弾性体と、
    液体が封入された前記第1取付け部材内の液室を軸線方向に区画し、前記弾性体を壁面の一部とする主液室と、副液室と、を画成する仕切り部材と、
    前記主液室を周方向に区画し、複数の分割主液室を画成する弾性仕切り体と、
    前記複数の分割主液室と前記副液室とを連通する第1制限通路と、
    前記複数の分割主液室同士を互いに連通する第2制限通路と、を備え、
    前記第2制限通路は、前記第1制限通路よりも共振周波数が高いことを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1記載の防振装置であって、
    前記第2制限通路の共振周波数は、40Hz〜60Hzであることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項1または2に記載の防振装置であって、
    前記第1制限通路は、前記複数の分割主液室と前記副液室とを各別に連通するように複数備えられていることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の防振装置であって、
    前記第2制限通路は、前記第1制限通路よりも流通抵抗が低いことを特徴とする防振装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の防振装置であって、
    前記第2制限通路は、前記仕切り部材に設けられていることを特徴とする防振装置。
  6. 請求項5記載の防振装置であって、
    前記第2制限通路を画成する壁面の少なくとも一部は、弾性変形可能なメンブランにより構成されていることを特徴とする防振装置。
  7. 請求項6記載の防振装置であって、
    前記メンブランは、振動が入力され前記分割主液室の液圧が変動するときに、前記第2制限通路内の液体により弾性変形させられることで前記分割主液室の液圧を前記副液室に伝達可能に構成されていることを特徴とする防振装置。
  8. 請求項7記載の防振装置であって、
    前記仕切り部材には、前記メンブランを壁面の一部とし、該メンブランを間に挟んで前記第2制限通路の反対側に配置された中間液室が設けられ、
    該中間液室は、第3制限通路を通して前記副液室に連通していることを特徴とする防振装置。
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