JP2014118931A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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広道 上野
Masanori Masuda
正典 増田
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貴司 井上
Mohammad Anwar Hossain
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Abstract

【課題】運転条件に応じて高圧側軸受に対する給油量を最適化できるようにする。
【解決手段】給油機構(30)は、連通路(31)と、連通路(31)を開閉させる弁体(35)とを有する。連通路(31)は、油溜まり部(28)と潤滑路(63)とを連通している。弁体(35)は、油溜まり部(28)内の圧力と潤滑路(63)内の圧力との高低差圧が所定圧力よりも大きい場合に閉じられる一方、高低差圧が所定圧力よりも小さい場合に開かれて油溜まり部(28)の油が潤滑路(63)に流通される。
【選択図】図4

Description

本発明は、スクリュー圧縮機に関するものである。
従来より、ケーシングと、ケーシング内に回転可能に支持するスクリューロータ及びスクリューロータの駆動軸を支持する低圧側軸受及び高圧側軸受とを備え、高圧側軸受が内装された高圧側端部室をシール部を介してロータの高圧部と区画するとともに、高圧側端部室を吸入側に連通させているスクリュー圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このスクリュー圧縮機では、スクリューロータの圧縮室に油が供給される。圧縮室に供給された後の油は、シール部から高圧側端部室に漏出し、高圧側軸受の潤滑に利用されてからロータの吸入側に流入される。
特許第2973648号明細書
しかしながら、従来のスクリュー圧縮機は、シール部の上流側及び下流側の高低差圧によって、シール部から高圧側端部室に向かって油を流入させるようにした構成であるから、高低差圧が所定圧力よりも小さい低差圧運転時には、高圧側端部室に流入する給油量にばらつきが生じて軸受への給油が確実にできないおそれがあった。
ここで、シール部の隙間を大きくすることでシール特性を低く設定し、低差圧運転時であっても高圧側軸受に対して確実に給油できるようにすることも考えられる。しかしながら、シール部の隙間を大きくすると、高差圧運転時には、高温のガス冷媒及び油がロータの吸入側に多量に流入することとなり、吸入ガス過熱によって圧縮機の性能が低下してしまうという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転条件に応じて高圧側軸受に対する給油量を最適化して信頼性を確保できるようにすることにある。
本発明は、ケーシング(11)と、該ケーシング(11)内に配設され且つ冷媒を圧縮するための圧縮室(23)を構成する螺旋溝(41)が外周面に形成されたスクリューロータ(40)と、該ケーシング(11)内に設けられて油が貯留された油溜まり部(28)と、該油溜まり部(28)に貯留された油を該圧縮室(23)に供給するための油供給路(29a)とを備えたスクリュー圧縮機を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記ケーシング(11)内の高圧側に配設されて前記スクリューロータ(40)の駆動軸(21)を回転自在に支持する高圧側軸受(61)と、
前記高圧側軸受(61)を保持するとともに、前記ケーシング(11)内の低圧側に連通して該高圧側軸受(61)を潤滑するための油が流通する潤滑路(63)が設けられた高圧側軸受ホルダ(60)と、
前記圧縮室(23)と前記潤滑路(63)とを区画するとともに、該圧縮室(23)に供給された後の油を該潤滑路(63)に流通させるための隙間が設けられたシール部(45)と、
前記油溜まり部(28)と前記潤滑路(63)とを連通する連通路(31)と、該油溜まり部(28)内の圧力と該潤滑路(63)内の圧力との高低差圧が所定圧力よりも大きい場合に該連通路(31)を閉じる一方、該高低差圧が所定圧力よりも小さい場合に該連通路(31)を開いて該油溜まり部(28)の油を該潤滑路(63)に流通させる弁体(35)とを有する給油機構(30)とを備えたことを特徴とするものである。
第1の発明では、高圧側軸受(61)を保持する高圧側軸受ホルダ(60)には、高圧側軸受(61)を潤滑するための油が流通する潤滑路(63)が設けられており、圧縮室(23)と潤滑路(63)とがシール部(45)で区画される。シール部(45)には、圧縮室(23)に供給された後の油を潤滑路(63)に流通させるための隙間が設けられる。給油機構(30)は、連通路(31)と、連通路(31)を開閉させる弁体(35)とを有する。連通路(31)は、油溜まり部(28)と潤滑路(63)とを連通している。弁体(35)は、油溜まり部(28)内の圧力と潤滑路(63)内の圧力との高低差圧が所定圧力よりも大きい場合に閉じられる一方、高低差圧が所定圧力よりも小さい場合に開かれて油溜まり部(28)の油が潤滑路(63)に流通される。
このような構成とすれば、運転条件に応じて高圧側軸受(61)に対する給油量を最適化することで、信頼性を確保するとともに圧縮機性能の低下を抑えることができる。
具体的に、シール部(45)の上流側及び下流側の高低差圧によって、シール部(45)から潤滑路(63)に向かって圧縮室(23)に供給された後の油を流入させる場合、高低差圧が所定圧力よりも低い低差圧運転時には、高圧側軸受(61)に対する給油量にばらつきが生じて軸受への給油が確実にできないおそれがある。
そこで、本発明では、油溜まり部(28)内の圧力と潤滑路(63)内の圧力との高低差圧が所定圧力よりも小さい低差圧運転時に、給油機構(30)の弁体(35)を開いて油溜まり部(28)の油を連通路(31)を介して潤滑路(63)に流通させるようにしている。これにより、低差圧運転時であっても、高圧側軸受(61)を確実に潤滑させることができる。
また、高低差圧が所定圧力よりも大きい高差圧運転時には、給油機構(30)の弁体(35)が閉じられているので、圧縮室(23)に供給された後の油のみが、シール部(45)を介して高圧側軸受ホルダ(60)の潤滑路(63)に流入する。そのため、高圧側軸受(61)に対して多量の油が供給されることはなく、高圧側軸受ホルダ(60)の内圧が上昇して軸受最大負荷が大きくなることがない。さらに、高温の油がロータの吸入側に多量に流入して吸入ガス過熱によって圧縮機性能が低下してしまうのを抑えることができる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記連通路(31)は、前記高圧側軸受ホルダ(60)に形成され、
前記弁体(35)は、前記連通路(31)内に配設されていることを特徴とするものである。
第2の発明では、高圧側軸受ホルダ(60)に連通路(31)が形成され、連通路(31)内に弁体(35)が配設される。
このような構成とすれば、潤滑路(63)の近傍に連通路(31)を開口させることで、運転条件が急変する過渡運転時に、潤滑路(63)に対して給油遅れが生じるのを抑えることができる。
また、高圧側軸受ホルダ(60)は、圧縮室(23)とは直接接しておらず、熱や応力による変形の影響を受けないため、高圧側軸受ホルダ(60)の連通路(31)内に配設された弁体(35)の作動不良を抑えることができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記給油機構(30)は複数設けられ、
前記複数の弁体(35)は、対応する前記複数の連通路(31)を開くための前記所定圧力がそれぞれ異なっていることを特徴とするものである。
第3の発明では、給油機構(30)が複数設けられる。複数の弁体(35)は、それぞれ異なる所定圧力で開かれる。
このような構成とすれば、給油機構(30)の給油量を、差圧に応じて細かく設定することができ、信頼性を向上させることができる。
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つにおいて、
前記スクリューロータ(40)は、インバータ制御によってその回転数が可変に構成されていることを特徴とするものである。
第4の発明では、スクリューロータ(40)の回転数は、インバータ制御によって可変とされる。
このような構成とすれば、スクリューロータ(40)を高速回転させることができる。具体的に、シール部(45)の隙間を大きくすることでシール特性を低く設定し、低差圧運転時であっても高圧側軸受(61)に対して確実に給油できるようにした場合には、高差圧運転時に、シール部(45)の隙間を介して高圧側軸受(61)に対して多量の油が供給される。そのため、高圧側軸受ホルダ(60)の内圧が上昇して軸受最大負荷が大きくなるので、高圧側軸受(61)の軸受サイズを大きくする必要がある。しかしながら、軸受サイズを大きくすると、遠心力が増加してしまうので、スクリューロータ(40)を高速回転させることができない。
これに対し、本発明では、高差圧運転時には、給油機構(30)の弁体(35)を閉じることで高圧側軸受ホルダ(60)の潤滑路(63)への給油量を最適化することができ、高圧側軸受ホルダ(60)の内圧の上昇が抑えられるので、軸受サイズが小さくても済み、スクリューロータ(40)の高速回転が可能となる。
本発明によれば、油溜まり部(28)内の圧力と潤滑路(63)内の圧力との高低差圧が所定圧力よりも小さい低差圧運転時に、給油機構(30)の弁体(35)を開いて油溜まり部(28)の油を連通路(31)を介して潤滑路(63)に流通させるようにしている。これにより、低差圧運転時であっても、高圧側軸受(61)を確実に潤滑させることができる。
また、高低差圧が所定圧力よりも大きい高差圧運転時には、給油機構(30)の弁体(35)が閉じられているので、圧縮室(23)に供給された後の油のみが、シール部(45)を介して高圧側軸受ホルダ(60)の潤滑路(63)に流入する。そのため、高圧側軸受(61)に対して多量の油が供給されることはなく、高圧側軸受ホルダ(60)の内圧が上昇して軸受最大負荷が大きくなることがない。さらに、高温の油がロータの吸入側に多量に流入して吸入ガス過熱によって圧縮機性能が低下してしまうのを抑えることができる。
本発明の実施形態に係るスクリュー圧縮機の構成を示す縦断面図である。 スクリュー圧縮機の構成を示す横断面図である。 スクリュー圧縮機の構成を一部拡大して示す縦断面図である。 給油機構の連通路が閉じられた状態を示す断面図である。 給油機構の連通路が開かれた状態を示す図4相当図である。 スクリュー圧縮機の圧縮機構の動作を示す平面図であって、(a)は吸入行程を示し、(b)は圧縮行程を示し、(c)は吐出行程を示す。 本変形例に係るスクリュー圧縮機の構成を示す図3相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、スクリュー圧縮機の構成を示す縦断面図、図2は横断面図である。図1及び図2に示すように、スクリュー圧縮機(10)では、圧縮機構(20)と、圧縮機構(20)を駆動する電動機(12)とが金属製のケーシング(11)に収容されている。圧縮機構(20)は、駆動軸(21)を介して電動機(12)と連結されている。
ケーシング(11)内には、低圧のガス冷媒が流入される低圧空間(S1)と、圧縮機構(20)から吐出された高圧のガス冷媒が流入する高圧空間(S2)とが、区画部材(29)によって区画形成されている。
ケーシング(11)の低圧空間(S1)側には、吸入口(11a)が形成されている。吸入口(11a)には、吸入側フィルタ(19)が取り付けられており、ケーシング(11)内に吸入されるガス冷媒に含まれる比較的大きな異物が捕集される。
電動機(12)は、ステータ(13)と、ロータ(14)とを備えている。ステータ(13)は、低圧空間(S1)においてケーシング(11)の内周面に固定されている。ロータ(14)には、駆動軸(21)の一端部が連結されてロータ(14)とともに回転する。電動機(12)はインバータ制御が可能であり、例えば、容量制御時には、ロータ(14)の回転数を上げてスクリューロータ(40)を高速回転させることで、圧縮効率の低下を抑えることができる。
圧縮機構(20)は、ケーシング(11)内に形成された円筒壁(16)と、円筒壁(16)の中に配置された1つのスクリューロータ(40)と、スクリューロータ(40)に噛み合う2つのゲートロータ(50)とを備えている。
スクリューロータ(40)は、概ね円柱状に形成された金属製の部材である。スクリューロータ(40)の外径は、円筒壁(16)の内径よりも若干小さく設定されており、スクリューロータ(40)の外周面が円筒壁(16)の内周面と摺接するように構成されている。スクリューロータ(40)の外周部には、スクリューロータ(40)の軸方向一端から他端へ向かって螺旋状に延びる螺旋溝(41)が複数本形成されている。スクリューロータ(40)の他端部には、螺旋溝(41)が形成されている円柱部分よりも外径が小さな小径部(46)が形成されている。
スクリューロータ(40)には、駆動軸(21)が挿通されている。スクリューロータ(40)と駆動軸(21)とは、キー(22)によって連結されている。駆動軸(21)には、軸方向に貫通する貫通孔(21a)が形成されている。
駆動軸(21)の一端部は、低圧側軸受(66)に回転自在に支持されている。低圧側軸受(66)は、低圧側軸受ホルダ(65)に保持されている。低圧側軸受ホルダ(65)のロータ(14)側は開口しており、駆動軸(21)の貫通孔(21a)を介して低圧側軸受ホルダ(65)内に供給された冷媒が、低圧側軸受(66)を通過した後で低圧側軸受ホルダ(65)の開口部から電動機(12)のモータコイルに向かって供給されるようになっている。一方、駆動軸(21)の他端部は、圧縮機構(20)の高圧側に位置する高圧側軸受(61)に回転自在に支持されている。
ゲートロータ(50)は、放射状に設けられた複数のゲート(51)を有する(図6参照)。ゲートロータ(50)は、金属製のロータ支持部材(55)に取り付けられている。ロータ支持部材(55)は、円筒壁(16)に隣接してケーシング(11)内に区画形成されたゲートロータ室(18)に収容されている。
図2におけるスクリューロータ(40)の右側に配置されたロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が下端側となる姿勢で設置されている。一方、図2におけるスクリューロータ(40)の左側に配置されたロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が上端側となる姿勢で設置されている。各ロータ支持部材(55)の軸部(58)は、ゲートロータ室(18)内の軸受ハウジング(52)に玉軸受(53)を介して回転自在に支持されている。
圧縮機構(20)では、円筒壁(16)の内周面と、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と、ゲートロータ(50)のゲート(51)とによって囲まれた空間が圧縮室(23)となる。スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)は、吸入側端部において低圧空間(S1)に開放しており、この開放部分が圧縮機構(20)の吸入口(24)になっている。
ケーシング(11)における高圧空間(S2)側の底部には、油溜まり部(28)が設けられている。油溜まり部(28)に貯留された油は、スクリューロータ(40)等の駆動部品の潤滑に用いられる。
低圧空間(S1)と高圧空間(S2)とを区画する区画部材(29)内には、油供給路(29a)が形成されている。油供給路(29a)には、油溜まり部(28)に貯留された油に含まれる異物を捕集する油フィルタ(25)が取り付けられている。油フィルタ(25)で異物が捕集された後の油は、油供給路(29a)からインジェクション通路(図示省略)を通ってスクリューロータ(40)の圧縮室(23)内に供給される。
ケーシング(11)の高圧空間(S2)側の上部には、吐出口(11b)が形成されている。油溜まり部(28)の上方位置には、油分離器(26)が配置されている。油分離器(26)は、高圧冷媒から油を分離するものである。具体的に、圧縮室(23)で圧縮された後の高圧冷媒は、油分離器(26)を通過する際に、高圧冷媒に含まれる油が油分離器(26)に捕捉される。油分離器(26)に捕捉された油は、油溜まり部(28)に回収される。一方、油が分離された後の高圧冷媒は、吐出口(11b)を介してケーシング(11)外部に吐出される。
図3は、スクリュー圧縮機の構成を一部拡大して示す縦断面図である。図3に示すように、高圧側軸受(61)は、ケーシング(11)の円筒壁(16)に嵌合された高圧側軸受ホルダ(60)に設置されている。高圧側軸受ホルダ(60)におけるスクリューロータ(40)側の端面の周縁部には、スクリューロータ(40)側に突出した環状壁部(62)が設けられている。
環状壁部(62)は、スクリューロータ(40)が円筒壁(16)内に配置されたときに、スクリューロータ(40)の小径部(46)が環状壁部(62)の内周側に入り込むように構成されている。これにより、小径部(46)と環状壁部(62)とは、圧縮室(23)と高圧側軸受ホルダ(60)内の潤滑路(63)とを区画するシール部(45)を構成している。
シール部(45)における小径部(46)と環状壁部(62)との継ぎ目には、若干の隙間が形成されており、スクリューロータ(40)の小径部(46)と高圧側軸受ホルダ(60)の環状壁部(62)とは径方向にも軸方向にも接触していない。つまり、小径部(46)と環状壁部(62)との間には、スクリューロータ(40)の外周面から径方向内方に入り込んだ後、軸方向に屈曲し、その後、さらに径方向内側に屈曲した、すなわち、縦断面がクランク状に屈曲した形状の潤滑路(63)が形成されている。
潤滑路(63)は、スクリューロータ(40)で圧縮された冷媒に含まれる油を高圧側軸受ホルダ(60)の高圧側軸受(61)に向かって流通させ、高圧側軸受(61)を潤滑させるための流路である。高圧側軸受(61)を通過した冷媒は、駆動軸(21)の他端部から貫通孔(21a)を通って一端部から吐出され、低圧側軸受(66)を潤滑する。低圧側軸受(66)を潤滑した後の冷媒は、低圧側軸受ホルダ(65)の開口部から電動機(12)のモータコイルに向かって供給され、モータコイルを潤滑する。
高圧側軸受ホルダ(60)には、油溜まり部(28)の油を油供給路(29a)から潤滑路(63)に向かって給油するための給油機構(30)が設けられている。具体的に、給油機構(30)は、高圧側軸受ホルダ(60)に形成された連通路(31)と、連通路(31)内に配設された弁体(35)と、連通路(31)が開かれる方向に弁体(35)を付勢する付勢バネ(33)とを有する。
図4に示すように、連通路(31)は、油供給路(29a)に連通する流入孔(31a)と、流入孔(31a)よりも小径に形成されて潤滑路(63)に連通する流出孔(31b)とを有する。
弁体(35)は、連通路(31)の流入孔(31a)よりも小径の本体部(36)と、本体部(36)の後部寄りの位置(図4で右側)で径方向外方に張り出したフランジ部(37)と、本体部(36)の前端部(図4で左側)から前方に突出して延びる筒状のノズル部(38)とを有する。本体部(36)、フランジ部(37)、及びノズル部(38)は、一体形成されている。
フランジ部(37)は、連通路(31)の流入孔(31a)に沿って前後方向に摺動自在な外径を有する。フランジ部(37)の外周面は、その一部が切り欠かれており、この切欠き部分を通って油供給路(29a)から潤滑路(63)に向かって油が流通する。
ノズル部(38)は、連通路(31)の流出孔(31b)に沿って前後方向に摺動自在な外径を有する。ノズル部(38)の筒孔(38a)は、ノズル部(38)の基端部において径方向外方に開口している。ノズル部(38)の筒孔(38a)の開口部分は、弁体(35)が前方に位置付けられたときに流出孔(31b)に重なり合って塞がれる一方、弁体(35)が後方に位置付けられたときに流入孔(31a)に開放される。
付勢バネ(33)は、連通路(31)の流入孔(31a)に嵌め込まれて弁体(35)のフランジ部(37)が後方に向かうように付勢している。ここで、スクリューロータ(40)の回転停止時のように高低差圧が生じていない場合や、油溜まり部(28)と潤滑路(63)との高低差圧が所定圧力よりも小さい場合には、図5に示すように、付勢バネ(33)の付勢力によって弁体(35)が最も後方に位置付けられてノズル部(38)の筒孔(38a)が開放される。これにより、連通路(31)が開かれて油の流通が許可される。
一方、油溜まり部(28)と潤滑路(63)との高低差圧が所定圧力よりも大きい場合には、図4に示すように、油供給路(29a)から連通路(31)の流入孔(31a)から供給される高圧の油によって、付勢バネ(33)の付勢力に抗して弁体(35)が最も前方に位置付けられてノズル部(38)の筒孔(38a)が流出孔(31b)に重なり合って塞がれる。これにより、連通路(31)が閉じられて油の流通が遮断される。
なお、連通路(31)を開くための所定圧力は、付勢バネ(33)のバネ定数を適宜設定することで調整される。
−運転動作−
以下、スクリュー圧縮機(10)の運転動作について説明する。図2に示すように、スクリュー圧縮機(10)において電動機(12)を起動すると、駆動軸(21)が回転するのに伴ってスクリューロータ(40)が回転する。このスクリューロータ(40)の回転に伴ってゲートロータ(50)も回転し、圧縮機構(20)が吸入行程、圧縮行程及び吐出行程を繰り返す。ここでは、図6において網掛けを付した圧縮室(23)に着目して説明する。
図6(a)において、網掛けを付した圧縮室(23)は、低圧空間(S1)に連通している。また、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、図6(a)の下側に位置するゲートロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされている。スクリューロータ(40)が回転すると、このゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって相対的に移動し、それに伴って圧縮室(23)の容積が拡大する。その結果、低圧空間(S1)の低圧ガス冷媒が吸入口(24)を通じて圧縮室(23)へ吸い込まれる。
スクリューロータ(40)がさらに回転すると、図6(b)の状態となる。図6(b)において、網掛けを付した圧縮室(23)は、閉じきり状態となっている。つまり、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、図6(b)の上側に位置するゲートロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされ、このゲート(51)によって低圧空間(S1)から仕切られている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮室(23)の容積が次第に縮小する。その結果、圧縮室(23)内のガス冷媒が圧縮される。
スクリューロータ(40)がさらに回転すると、図6(c)の状態となる。図6(c)において、網掛けを付した圧縮室(23)は、吐出口(図示省略)を介して高圧空間(S2)と連通した状態となっている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮されたガス冷媒が圧縮室(23)から高圧空間(S2)へ押し出されてゆく。
−高圧側軸受に対する給油動作−
次に、高圧側軸受(61)に対する給油動作について説明する。まず、図1に示すように、スクリューロータ(40)を回転駆動させて圧縮機構(20)で冷媒の圧縮動作を行うと、高圧冷媒が高圧空間(S2)に吐出されることで油溜まり部(28)が高圧となる。油溜まり部(28)が高圧になると、油供給路(29a)から圧縮室(23)に対して差圧によって油が供給される。圧縮室(23)に供給された後の油は、シール部(45)の隙間を通って潤滑路(63)に流入して高圧側軸受(61)を潤滑する。高圧側軸受(61)を通過した油を含む冷媒は、駆動軸(21)の貫通孔(21a)を通って低圧側軸受(66)を潤滑する。
ここで、油溜まり部(28)内の圧力と潤滑路(63)内の圧力との高低差圧が所定圧力より大きい高差圧運転時には、図4に示すように、給油機構(30)の弁体(35)が付勢バネ(33)の付勢力に抗して前方に移動し、弁体(35)のノズル部(38)の筒孔(38a)が塞がれた状態となる。これにより、連通路(31)が閉じられるので、圧縮室(23)に供給された後の油のみが、シール部(45)を介して高圧側軸受ホルダ(60)の潤滑路(63)に流入する。
一方、高低差圧が所定圧力よりも小さい低差圧運転時には、図5に示すように、給油機構(30)の弁体(35)が付勢バネ(33)の付勢力によって後方に移動し、弁体(35)のノズル部(38)の筒孔(38a)が開放された状態となる。これにより、連通路(31)が開かれるので、油溜まり部(28)の油が油供給路(29a)から連通路(31)を通って潤滑路(63)に流入する。
以上のように、本実施形態に係るスクリュー圧縮機(10)によれば、運転条件に応じて高圧側軸受(61)に対する給油量を最適化することで、信頼性を確保するとともに圧縮機性能の低下を抑えることができる。
具体的に、本実施形態では、低差圧運転時には、給油機構(30)の弁体(35)を開いて油溜まり部(28)の油を連通路(31)を介して潤滑路(63)に流通させるようにしている。これにより、高圧側軸受(61)を確実に潤滑させることができる。
また、高差圧運転時には、給油機構(30)の弁体(35)を閉じることで、圧縮室(23)に供給された後の油のみを、シール部(45)を介して高圧側軸受ホルダ(60)の潤滑路(63)に流入させるようにしている。これにより、高圧側軸受(61)に対して多量の油が供給されることはなく、高圧側軸受ホルダ(60)の内圧が上昇して軸受最大負荷が大きくなることがない。さらに、高温の油がスクリューロータ(40)の吸入側に多量に流入して吸入ガス過熱によって圧縮機性能が低下してしまうのを抑えることができる。
《変形例》
図7は、本変形例に係るスクリュー圧縮機の構成を示す図3相当図である。図7に示すように、高圧側軸受ホルダ(60)には、周方向に間隔をあけて複数の給油機構(30)が設けられている。図7に示す例では、上下方向に2つ設けられているが、個数は特に限定されない。
上側の給油機構(30)と下側の給油機構(30)とでは、付勢バネ(33)のバネ定数が異なっている。例えば、下側の給油機構(30)のバネ定数を、上側の給油機構(30)のバネ定数よりも小さく設定すれば、高低差圧の圧力変化に応じて、下側の給油機構(30)の弁体(35)の方が先に開くこととなる。
つまり、給油機構(30)を1つのみ設けた場合に比べて、高低差圧の圧力変化に応じた給油量を細かく調整することが可能となる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、スクリューロータ(40)の小径部(46)と高圧側軸受ホルダ(60)の環状壁部(62)とを組み合わせることで、ラビリンス構造のシール部(45)を構成するようにしたが、この形態に限定するものではない。例えば、リップシール等の接触型シールによってシール部(45)を構成してもよい。
以上説明したように、本発明は、運転条件に応じて高圧側軸受に対する給油量を最適化できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
10 スクリュー圧縮機
11 ケーシング
21 駆動軸
23 圧縮室
28 油溜まり部
29a 油供給路
30 給油機構
31 連通路
35 弁体
40 スクリューロータ
41 螺旋溝
45 シール部
60 高圧側軸受ホルダ
61 高圧側軸受
63 潤滑路

Claims (4)

  1. ケーシング(11)と、該ケーシング(11)内に配設され且つ冷媒を圧縮するための圧縮室(23)を構成する螺旋溝(41)が外周面に形成されたスクリューロータ(40)と、該ケーシング(11)内に設けられて油が貯留された油溜まり部(28)と、該油溜まり部(28)に貯留された油を該圧縮室(23)に供給するための油供給路(29a)とを備えたスクリュー圧縮機であって、
    前記ケーシング(11)内の高圧側に配設されて前記スクリューロータ(40)の駆動軸(21)を回転自在に支持する高圧側軸受(61)と、
    前記高圧側軸受(61)を保持するとともに、前記ケーシング(11)内の低圧側に連通して該高圧側軸受(61)を潤滑するための油が流通する潤滑路(63)が設けられた高圧側軸受ホルダ(60)と、
    前記圧縮室(23)と前記潤滑路(63)とを区画するとともに、該圧縮室(23)に供給された後の油を該潤滑路(63)に流通させるための隙間が設けられたシール部(45)と、
    前記油溜まり部(28)と前記潤滑路(63)とを連通する連通路(31)と、該油溜まり部(28)内の圧力と該潤滑路(63)内の圧力との高低差圧が所定圧力よりも大きい場合に該連通路(31)を閉じる一方、該高低差圧が所定圧力よりも小さい場合に該連通路(31)を開いて該油溜まり部(28)の油を該潤滑路(63)に流通させる弁体(35)とを有する給油機構(30)とを備えたことを特徴とするスクリュー圧縮機。
  2. 請求項1において、
    前記連通路(31)は、前記高圧側軸受ホルダ(60)に形成され、
    前記弁体(35)は、前記連通路(31)内に配設されていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    前記給油機構(30)は複数設けられ、
    前記複数の弁体(35)は、対応する前記複数の連通路(31)を開くための前記所定圧力がそれぞれ異なっていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
    前記スクリューロータ(40)は、インバータ制御によってその回転数が可変に構成されていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
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