実施の形態1.
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、各々強誘電性液晶を備える複数の画素がマトリクス状に配列された表示パネルを備えるパネル型液晶表示装置に適用できるものであるが、以下の各実施の形態では表示パネルとしてアクティブマトリクス型の反射型液晶表示素子を備えた投射型表示装置を例に挙げて説明する。さらに、本実施の形態では、発光色が異なる複数の光源を順次発光させて、時分割駆動を行う、いわゆるフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を説明する。まず、本発明が適用される投射型表示装置及び反射型液晶表示素子の概略構成について説明する。
(全体構成)
図1は、本発明が適用される反射型液晶表示素子を用いた投射型表示装置の一例の概略構成図を示す。同図において、投射型表示装置10は、反射型液晶表示素子11、偏光ビームスプリッタ(以下、PBSという)16、投射レンズ17を含んで構成され、投射レンズ17から照射された光はスクリーン18に投射される。
反射型液晶表示素子11は、導電性及び光反射性をそれぞれ有する複数の画素電極12と、強誘電性液晶による液晶層13と、複数の画素電極12に共通の導電性及び光透過性を有する共通電極(透明電極)14と、画素回路15とを含む。複数の画素電極12は第1の基板(図示せず)の表面に二次元マトリクス状に配置されている。なお、図1では、複数の画素電極12のうちの任意の一つの画素電極のみを示している。共通電極14は第2の基板(図示せず)の表面に形成されている。液晶層13は、強誘電性の液晶からなり、画素電極12及び共通電極14が対向するように第1の基板と第2の基板とが離間配置されて形成された基板間の空間内に封入されている。なお、画素電極12、共通電極14の各表面には配向膜(図示せず)が被覆されている。画素回路15は、画素電極12に電気的に接続されている。
投射型表示装置10では、図示しない照明光学系から射出したバックライトである入射光L1がPBS16に入射する。入射光L1は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のLED(Light Emitting Diode)から射出したRGBの光を含んでいる。そして、RのLEDとGのLEDとBのLEDとを順次発光させて、時分割駆動を行う。入射光L1は、互いに偏光面が直交するS偏光成分とP偏光成分とを含んでいる。図1において、P偏光成分は線分で、またS偏光成分は丸でそれぞれ模式的に示されている。PBS16は入射する光のS偏光成分を反射し、P偏光成分を透過する光学特性を有している。従って、PBS16は入射光L1のS偏光成分を反射し、共通電極14に入射する。
反射型液晶表示素子11は、共通電極14に入射したS偏光成分を液晶層13を通して画素電極12に入射して反射させ、更に画素電極12からの反射光を液晶層13及び共通電極14をそれぞれ通して射出する。ここで、反射型液晶表示素子11は、共通電極14に入射したS偏光成分が画素電極12で反射して共通電極14から射出するまでの上記の過程で、画素電極12に印加される画素データに応じた駆動電圧と、共通電極14に印加される共通電圧との間の電位差に応じて、共通電極14に入射したS偏光成分を変調し、S偏光成分の一部をP偏光成分として、S偏光成分とP偏光成分とからなる光として射出する。
PBS16は、反射型液晶表示素子11から射出された上記の光のうちP偏光成分を透過して投射レンズ17に入射し、S偏光成分は反射して照明光学系へ入射する。投射レンズ17は、PBS16からのP偏光成分を出射光L2としてスクリーン18に投射し画像を表示させる。なお、後述する「出力光の強度」とは、スクリーン18上で測定した出射光L2の照度をいう。
(画素構成)
図2は、本発明になる液晶表示装置の第1の実施の形態の一画素の構成図を示す。図2において、本発明になる液晶表示装置の第1の実施の形態における反射型液晶表示素子11の一つの画素20は、画素回路15aと液晶素子LCとからなり、列データ線Dと行選択線Wとの交差部に配置されている。液晶素子LCは前述したように、画素電極12及び共通電極14が対向するように第1の基板と第2の基板とが離間配置されて形成された基板間の空間内に強誘電性の液晶層13が封入された構成とされている。
一方、画素回路15aは、図1の画素回路15の一例で、図2に示すように、サブサンプルホールド部21、転送用スイッチングトランジスタ22、メインサンプルホールド部23、及び電圧選択部24からなる。サブサンプルホールド部21とメインサンプルホールド部23とはSRAM(Static Random Access Memory)構造のフリップフロップよりなる。サブサンプルホールド部21は、列データ線Dと行選択線Wとに接続されており、行選択線Wを介して印加される行選択信号により選択されたときに、列データ線Dを介して供給される画素データをサンプリング及びホールドする。
転送用スイッチングトランジスタ22は、ソースがサブサンプルホールド部21の出力端子に接続され、ドレインがメインサンプルホールド部23の入力端子に接続され、ゲートが転送用信号線Tに接続されており、転送用信号線Tを介して所定論理値の転送用信号が印加されたときにアクティブとされて、サブサンプルホールド部21にホールドされているサブフレームデータ(画素データ電圧)をメインサンプルホールド部23に転送する。
メインサンプルホールド部23は、転送用スイッチングトランジスタ22を通して入力されたサブフレームデータ(画素データ電圧)をサンプリング及びホールドする。電圧選択部24は、ブランキング電圧線V0、駆動電圧線V1に接続されている。電圧選択部24の出力端子は画素電極12に接続されている。電圧選択部24はメインサンプルホールド部23により保持されているサブフレームデータ(画素データ電圧)の値が「0」であるか「1」であるかに応じて、ブランキング電圧線V0のブランキング電圧及び駆動電圧線V1の駆動電圧の一方を選択して画素電極12に印加する。共通電極14に印加される電圧は共通電圧Vcomと呼ばれている。
図3は、各実施の形態における強誘電性液晶を用いた反射型液晶表示素子11の入力電圧と出力光の強度との関係を示す図である。図3において、横軸は入力電圧であり、画素電極12と共通電極14との間の電位差、すなわち液晶層13の駆動電圧を示す。また、図3の縦軸は、液晶層13から射出される出力光の強度(輝度)を示す。
液晶層13は、電圧Vb[V]印加時に最小輝度の黒表示を行い、電圧Vw[V]印加時に最大輝度の白表示を行う(なお、以下の説明では電圧Vbを黒電圧、電圧Vwを白電圧ともいう)。ただし、液晶層13を構成する強誘電性液晶は、図3に示すように、入力電圧が黒電圧Vb[V]から白電圧Vw[V]へ徐々に増加するときは、図3にIで示すように出力光の強度が変化する特性を示し、入力電圧が白電圧Vw[V]から黒電圧Vb[V]へ徐々に減少するときは、図3にIIで示すように出力光の強度が変化する特性を示し、これら両特性が異なるヒステリシス特性を有する。このため、入力電圧が黒電圧Vb[V]と白電圧Vw[V]との中間の0[V]印加時は直前の電圧により、輝度が変わってしまう。本実施の形態では、この強誘電性液晶の特性に鑑み、液晶表示素子には後述するように黒電圧Vb[V]及び白電圧Vw[V]のどちらか一方が印加されるようにする。なお、黒電圧Vb[V]は負電圧であり、白電圧Vw[V]は正電圧である。
(駆動回路)
図4は、実施の形態1にかかる液晶表示装置のブロック図を示す。同図に示すように、本実施の形態の液晶表示装置30は、サブフレームデータ生成部31、メモリ制御部32、フレームバッファ33、駆動制御部34、LED制御部35、データ転送部36、ソースドライバ37、電圧制御部38、ゲートドライバ39、画素部40を含んで構成されている。
画素部40は、n+1本の列データ線D0〜Dnと、m+1本の行選択線W0〜Wmとが交差する各交差部に配置された、全部で(n+1)×(m+1)個の画素20から構成される。一つの画素20は、図2に示した画素20の構成である。また、画素部40の全ての画素20は、各電圧選択部24にブランキング電圧線V0及び駆動電圧線V1が共通に接続され、各転送用スイッチングトランジスタ22のゲートに転送用信号線Tが共通に接続されている。
LED制御部35は、駆動制御部34からのLED制御信号を基に、前述した照明光学系を構成する発光ダイオード(LED)42を点灯又は消灯するように駆動制御する。LED制御部35は、赤色のLED42rと緑色のLED42gと青色のLED42bを順次発光させて、カラー表示を行う。また、駆動制御部34は、各サブフレーム毎のLED重み付けテーブルを有し、そのLED重み付けテーブルに基づいて、後述するようにサブフレーム毎にLED35の発光期間を予め決定する機能を備えている。
サブフレームデータ生成部31は、後述する図7のサブフレーム階調テーブルを有し、表示する映像信号データを1フレーム毎に、例えば3色×12個のサブフレームデータに変換して出力する。従って、表示する映像信号データが1秒あたり60フレームの信号であるものとすると、上記の12個のサブフレームデータの各データ期間はそれぞれ462μs(=1/(60×12×3)s)となる。また、サブフレームデータ生成部31が出力する12個×3色の各1ビットのサブフレームデータの各値は、表示する映像信号データの画素値(階調値)に応じてサブフレーム階調テーブルを参照した値とされる。このように、本実施の形態の液晶表示装置30では、表示する映像信号の各フレームを、それぞれ1フレーム期間より短時間であるサブフレーム期間をもつ12個×3色のサブフレームにより構成して、画素20をデジタル駆動する。
サブフレームデータ生成部31は、映像信号の各フレームの1フレーム期間に含まれる3色×12個のサブフレーム毎に「1」または「0」を割り当て、記映像信号の各画素値に対応するサブフレームデータを生成する。もちろん、1フレーム期間に含まれるサブフレームデータの数は12に限られるものではなく、2以上の任意の数であればよい。
メモリ制御部32は、サブフレームデータ生成部31から供給される例えば1フレームあたり3色×12ビットのサブフレームデータをフレームバッファ33に供給する。フレームバッファは2セットのフレームバッファを有するダブルバッファ構造(つまり、3色×12個のサブフレームに分割されたフレームバッファが2セット)となっている。一方のフレームバッファにサブフレームデータを書き込むと同時に、他方のフレームバッファから格納されているサブフレームデータを読み出すことを1フレーム期間単位で交互に繰り返す。一方のフレームバッファがメモリ制御部32を通して供給される、ある1フレームの3色×12個のサブフレームデータを書き込んでいる期間は、他方のフレームバッファから既に書き込まれている直前の1フレームの3色×12個のサブフレームデータがメモリ制御部32により読み出される。次の1フレームでは他方のフレームバッファが3色×12個のサブフレームデータを書き込み、これと並行して一方のフレームバッファが直前の1フレームの3色×12個のサブフレームデータを読み出す。以下上記の動作を繰り返す。
駆動制御部34は、サブフレームデータ生成部31に供給される映像信号データの垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCが供給され、これらの同期信号に同期してデータ転送タイミング、電圧制御タイミング、LED制御タイミング等を制御しており、データ転送部36への転送指示、ソースドライバ37/ゲートドライバ39の制御、電圧制御部38及びLED制御部35へのタイミング指示を行う。データ転送部36は、駆動制御部34からの指示に従いメモリ制御部32を指示して、メモリ制御部32がフレームバッファ33から読み出したサブフレームデータのうち、指定したサブレームデータを受け取り、ソースドライバ37へ転送する。
ソースドライバ37は、駆動制御部34からの水平スタート信号(HST)/水平シフトクロック信号(HCK)により、データ転送部36からのサブフレームデータをシフトして、1ライン分の(n+1)画素のサブフレームデータを受け取る毎に、その1ライン分のサブフレームデータを列データ線D0〜Dnを並列に介して画素部40へ同時に転送する。
ゲートドライバ39は、駆動制御部34からの垂直スタート信号(VST)/垂直シフトクロック信号(VCK)により、1水平走査期間毎に行選択信号を行選択線W0〜Wmに順次に供給して画素部40の複数の画素20を、上から下方向にライン単位で順次に選択する。例えば、ゲートドライバ39が行選択線W0〜Wmのうち指定された1ライン(行)yの行選択線Wyをアクティブにすると、指定された行yの(n+1)個の各画素20が選択され、その選択された各画素20内の各サブサンプルホールド部21に、ソースドライバ37から列データ線D0〜Dnを介して並列に入力される1ライン分の(n+1)画素20のサブフレームデータが画素別に転送されて保持される。ソースドライバ37及びゲートドライバ39は、本発明の画素部駆動手段を構成している。
上記の動作が1ライン単位で繰り返されて画素部40のすべてのラインの画素20内のサブサンプルホールド部21への1つのサブフレームのデータ転送及び保持が完了する毎に、駆動制御部34からの転送用信号線Tの転送用信号により、すべての画素20内の転送用スイッチングトランジスタ22がアクティブとされ、サブサンプルホールド部21に保持されているサブフレームデータが、メインサンプルホールド部23に転送されてサンプリング及びホールドされる。メインサンプルホールド部23にサンプリング及びホールドされて電圧選択部24に印加される、画素データであるサブフレームデータは、その画素で表示されるべき階調に応じて「1」又は「0」の値を有している。
図4の電圧制御部38には、黒電圧Vbと白電圧Vwが入力されている。電圧制御部38は黒電圧Vbと白電圧Vwに基づいて、ブランキング電圧と駆動電圧を生成する。電圧制御部38は、駆動制御部34の指示に従い、画素部40のすべての画素20に対して、ブランキング電圧線V0を介してブランキング電圧を供給すると共に、駆動電圧線V1を介して駆動電圧を供給する。上記のブランキング電圧と駆動電圧とは、サブフレームの1サブフレーム期間を1周期とする対称方形波で、互いに逆相(逆極性)とされている。すなわち、1サブフレーム期間を前半期間と後半期間とに分け、前半期間を駆動期間とし、後半期間を補償駆動期間としたとき、ブランキング電圧線V0のブランキング電圧は、図5(G)に示すように、駆動期間では黒電圧Vb[V]であり、補償駆動期間では白電圧Vw[V]である。一方、駆動電圧線V1の駆動電圧は、図5(H)に示すように、駆動期間では白電圧Vw[V]であり、補償駆動期間では黒電圧Vb[V]である。
電圧制御部38は、サブフレームの1サブフレーム期間に対応する周期のパルス波形のブランキング電圧及び駆動電圧を発生させ、ブランキング電圧線及び駆動電圧線にそれぞれ供給する。電圧制御部38は、サブフレームの駆動期間では駆動電圧が第1の電圧値(ここでは、白電圧Vw)、ブランキング電圧が第2の電圧値(ここでは、黒電圧Vb)となる。サブフレームの補償駆動期間では駆動電圧が第2の電圧値、ブランキング電圧が第1の電圧値となる。
図2の電圧選択部24は、メインサンプルホールド部23でホールドされているサブフレームデータの値が「1」のときは、図5(A)に示すように、同図(H)に示した駆動電圧線V1の駆動電圧を選択して画素電極12に印加し、他方、サブフレームデータの値が「0」のときは、図5(A)に示すように、同図(G)に示したブランキング電圧線V0のブランキング電圧を選択して画素電極12に印加する。
液晶素子LCには、共通電極14には電圧制御部38から図5(B)に示す一定電圧0[V]の共通電圧Vcomが印加されている。この一定電圧0[V]は、黒電圧Vb[V]と白電圧Vw[V]との中間電圧である。液晶層13は画素電極12の印加電圧と共通電圧Vcomとの電位差で駆動されるため、液晶層13に印加される駆動電圧は、図5(C)に示すように、サブフレームデータの値が「1」のときは、駆動期間では白電圧Vw[V]で、補償駆動期間では黒電圧Vb[V]となり、サブフレームデータの値が「0」のときは、駆動期間では黒電圧Vb[V]で、補償駆動期間では白電圧Vw[V]となる。
液晶素子LCは、液晶層13に印加される駆動電圧が白電圧Vw[V]のときに駆動されるため、液晶素子LCの駆動波形は図5(D)にハイレベルで模式的に示すように、サブフレームデータの値が「1」のときは、駆動期間で駆動され、サブフレームデータの値が「0」のときは、補償駆動期間で駆動される。すなわち、本実施の形態の液晶表示装置30では、後述するように画素の階調が「0」で、12個のサブフレームデータの値がすべて「0」のときには、駆動期間では駆動されないが、補償駆動期間で駆動されるために常に交流駆動を確保でき、その結果、十分な焼き付き防止を行うことができる。
一方、LED制御部35は、駆動制御部34からの指示に従い、サブフレームデータの値に関係なく駆動期間内でのみ図5(E)にハイレベルで模式的に示すようにLED42を駆動して発光させ、照明光学系内のLED42から照明光が図1に示した入射光L1として射出し、液晶表示素子11に入射する。なお、LED制御部35は、LED42を駆動期間で駆動するが、後述するようにLED重み付けテーブルに従い、1フレーム期間を構成する12個のサブフレーム期間のうちの何番目のサブフレーム期間であるかに応じて、駆動期間全期間(231μs)以下の予め定めた設定期間でLED42を発光させる。
これに対し、液晶表示素子11の一部を構成する液晶素子LCは図5(D)に示したように、サブフレームデータの値が「1」のときは入射光が入射する駆動期間で駆動されるため図5(F)にハイレベルf1で模式的に示すように図1に示した射出光L2が出力されて白表示を行う。一方、図5(D)に示したように、駆動期間ではサブフレームデータの値が「0」のときは入射光が入射しても、液晶素子LCは駆動されないため図5(F)にローレベルf3で模式的に示すように射出光L2が出力されず黒表示を行う。また、サブフレームデータの値が「0」のときは、液晶素子LCは補償駆動期間で図5(D)にハイレベルで模式的に示すように駆動されるが、同図(E)にローレベルで模式的に示すように液晶素子LCに照明光が入射しないため、同図(F)にローレベルf4で模式的に示すように射出光L2が出力されず黒表示を行う。
(駆動パターン)
次に、本実施の形態の液晶表示装置30の駆動パターンについて説明する。図6A〜図6Cは、実施の形態1における液晶表示装置の駆動パターンの一例の説明図を示す。図6A〜図6Cは、映像信号が1秒あたり60フレーム、サブフレーム数が3色×12個の場合の液晶表示装置30の駆動パターンについて示している。1フレームの駆動パターンは、図6A,図6B、図6Cの順になっている。1サブフレーム期間は462[μs]となる。
以下、3色×12個のサブフレームをSF1R〜SF12Bとして識別する。すなわち、Rの第1サブフレーム〜第12サブフレームをSF1R〜SF12Rとする。同様に、Gの第1サブフレーム〜第12サブフレームをSF1G〜SF12Gとし、Bの第1サブフレーム〜第12サブフレームをSF1B〜SF12Bとする。図6A〜図6Cの(A)は1フレーム期間においてサブフレームSF1RからサブフレームSF12Bまでの計3×12個のサブフレーム転送が行われることを示している。
また、図6A〜図6Cの(B)は、各サブフレーム期間が前述したように、前半期間が駆動期間、後半期間が補償駆動期間に設定されることを示す。更に、図6A〜図6Cの(C1)は、LED制御部35により光源であるLED42rが、サブフレームSF1R、SF2R、SF3R、SF4R、SF5Rでは駆動期間の後半に発光するように設定されることを示す。すなわち、LED制御部35は、駆動期間におけるLED42rの発光期間を、サブフレームSF1R〜SF12のうち重み付けが大きなサブフレームSF1R、SF2R、SF3R、SF4R、SF5Rほど駆動期間の終端側から始端方向へ長くし、重み付けが最大のサブフレームSF6〜SF12において駆動期間の全期間を発光期間とするように、LED42rを制御する。駆動期間の後半に発光するようにすることにより、液晶層13の立ち上がり期間におけるロスを低減することができる。
また、図6A〜図6Cの(C1)は、サブフレームSF1R〜SF12Rのうち、サブフレームSF6R〜SF12Rでは駆動期間と同じ期間LED42rが発光し、サブフレームSF1R、SF2R、SF3R、SF4R、SF5Rでは、それぞれ駆動期間の1/32倍、2/32倍、4/32倍、8/32倍、16/32倍の期間発光することを示している。1フレーム期間内のサブフレームSF1R〜SF12Rのうちの何番目のサブフレームであるかに応じてLED42rの発光期間を重み付けして可変制御する動作は、駆動制御部34がLED重み付けテーブルを参照し、LED制御部35を制御することで行う。なお、各駆動期間ではRGBのLED42のうち、1色のLEDが発光する。
図6A〜図6C(C2)は、LED制御部35により光源であるLED42gが、サブフレームSF1G〜SF6Gでは駆動期間の後半に発光するように設定されることを示す。図6A〜図6Cの(C3)は、LED制御部35により光源であるLED42bが、サブフレームSF1B〜SF6Bでは駆動期間の後半に発光するように設定されることを示す。駆動制御部34は、LED42g、LED42bについても、LED42rと同様に、発光期間を重み付けして可変制御する。
したがって、サブフレームSF1G〜SF12Gのうち、サブフレームSF6G〜SF12Gでは駆動期間と同じ期間LED42gが発光し、サブフレームSF1G、SF2G、SF3G、SF4G、SF5Gでは、それぞれ駆動期間の1/32倍、2/32倍、4/32倍、8/32倍、16/32倍の期間発光することを示している。サブフレームSF1B〜SF12Bのうち、サブフレームSF6B〜SF12Bでは駆動期間と同じ期間LED42bが発光し、サブフレームSF1B、SF2B、SF3B、SF4B、SF5Bでは、それぞれ駆動期間の1/32倍、2/32倍、4/32倍、8/32倍、16/32倍の期間発光することを示している。
(階調テーブル)
次に、階調テーブルについて説明する。図7は、階調テーブルの一例を示す。階調テーブルは、サブフレームデータ生成部31が、映像信号データをサブフレームデータに変換して出力する際に、映像信号データの画素値(階調値)に応じて参照するテーブルである。なお、階調テーブルは、全色共通である。したがって、以下の説明では、各色の第1サブフレームSF1R、SF1G,及びSF1RをサブフレームSF1として示し、同様に、RGBの第2サブフレーム〜RGBの第12サブフレームをSF2〜SF12として説明する。なお、以下の説明では各色の階調テーブルが同じものとして説明するが、階調テーブルが色毎に異なっていてもよい。
図7に示す階調テーブルは、縦軸が階調の値を示し、横軸がサブフレームSF1〜SF12を示し、それらにより階調の値に応じた各サブフレームデータの値を決定する。図7に示す階調テーブルは、サブフレームSF1からSF5までは"バイナリ"の重み付けを行い、サブフレームSF6からSF12までは"ステップビット"の重み付けを行うことで、階調0から255までを表現する。
"バイナリ"の重み付けでは、各サブフレームに対して重みが2n(n=0,1,2,・・・)で表わされる重み付けを行う。図7の例ではSF1〜SF5の各パルス幅の比が1(=20)、2(=21)、4(=22)、8(=23)、16(=24)の5個のバイナリビットパルスを用いて0〜31レベルの計32レベルの輝度(階調)を表現でき、少ないパルス数でも、多くの階調を表現することが可能である。これにより、図7では、例えばパルス幅の比が[2、16]のパルスを駆動期間とし、[1、4、8]のパルスをブランキング期間とすることにより、輝度(階調)"18"を表現する。つまり、階調"18"は、SF2、SF5のサブフレームデータの値を「1」、SF1、SF3、SF4のサブフレームデータの値を「0」として表現する(ただし、この場合、SF6〜SF12の各サブフレームデータの値は「0」である)。
一方、"ステップビット"の重み付けでは、パルス幅の比が1、2、4、8、16のバイナリビットパルスがある場合、32、32、32、32、32、32、32のような同じパルス幅のステップビットパルスを用いた同じ重み付けを行う。例えば、階調"127"は、SF1〜SF5の各サブフレームデータの値を「1」として階調「31」を表し、これに加えてステップビットの重み付けを行うSF6〜SF12のうち、SF6〜SF8の3つのサブフレームデータの値を「1」として階調「96」(=3×32)を表し、それらの合計で階調"127"を表現する。
(タイミングチャート)
次に、図8A〜図8Cのタイミングチャートを参照して本実施の形態の液晶表示装置30の動作について更に詳細に説明する。タイミングチャートは、図8A、図8B、図8Cの順になっている。
駆動制御部34に供給される、図8Aの(A)に示す垂直同期信号VSYNCが時刻T0でアクティブとなると、駆動制御部34の指示に従いサブフレームSF1Rのサブフレームデータがデータ転送部36より、ソースドライバ37に順次入力される。ソースドライバ37は1ライン分の(n+1)個のサブフレームデータを格納する毎に列データ線D0〜Dnを並列に介して画素部40へ同時に転送し、ゲートドライバ39で指定された行(1ライン)yの(n+1)個の各画素20内の各サブサンプルホールド部21に画素別にサンプリング及びホールドさせる。
上記の動作が1ライン単位で繰り返されて図8Aの(B)にSF1Rで示すサブフレームSF1Rのすべてのサブフレームデータの画素部40のすべてのラインの画素20内のサブサンプルホールド部21へのデータ転送が完了すると、駆動制御部34から転送用信号線Tに時刻T1で図8Aの(D)に示す転送用信号が出力され、すべての画素20内の転送用スイッチングトランジスタ22が同時にアクティブとされ、全ての画素20内のサブサンプルホールド部21に保持されているサブフレームデータが、メインサンプルホールド部23に同時に転送されてサンプリング及びホールドされる。
例えば、画素部40内のある一つの画素20(x,y)において、SF1R〜SF12RまでのRの12個のサブフレームデータD(R,x,y)の値が、図8A〜図8Cの(C1)に示すように[1,1,1,0,1,1,1,1,1,1,1,0]であり、SF1G〜SF12GまでのGの12個のサブフレームデータD(G,x,y)の値が、図8A〜図8Cの(C2)に示すように[0,0,1,0,0,1,1,0,0,0,0,0]であり、SF1B〜SF12BまでのBの12個のサブフレームデータD(B,x,y)の値が、図8A〜図8Cの(C3)に示すように[1,1,1,0,1,1,1,1,1,0,0,0]であると仮定する。この場合、メインサンプルホールド部23において、時刻T1ではSF1Rのサブフレームデータ"1"が保持される。メインサンプルホールド部23におけるこのSF1Rのサブフレームデータ"1"の保持は、図8Aの(E)に示すように、次のSF1Gのサブフレームデータが転送されている期間(T1−T3)の間保持される。
また、画素20(x,y)の電圧選択部24には、1サブフレーム期間の前半期間である駆動期間では、ブランキング電圧線V0を介して図8A〜図8Cの(F)に示すような、黒電圧Vb[V]がブランキング電圧として印加されると共に、駆動電圧線V1を介して図8A〜図8Cの(G)に示すような白電圧Vw[V]が印加される。従って、電圧選択部24は1サブフレーム期間(T1−T3)の前半期間である駆動期間(T1−T2)ではメインサンプルホールド部23で保持されているサブフレームデータ"1"に基づき、駆動電圧V1を選択して図8Aの(I)にハイレベルで模式的に示すように白電圧Vw[V]を画素電極12に印加する。
このとき、液晶素子LCの共通電極14には図8Aの(H)に示す0[V]の共通電圧Vcomが印加されているため、液晶層13には同図(J)で示すような駆動電圧が印加され、液晶素子LCは同図(K)にハイレベルで模式的に示すように駆動期間(T1−T2)で駆動される。また、LED制御部35はSF1Rの駆動期間(T1−T2)では、図8Aの(L1)にハイレベルで模式的に示すように駆動期間の1/32倍の重み付けの期間だけLED42rを点灯する。従って、SF1Rの駆動期間(T1−T2)では液晶表示装置30の当該画素20(x,y)は、図8Aの(M1)にハイレベルで模式的に示すように上記の重み付けの期間だけ白表示を行う。
続いて、電圧選択部24は1サブフレーム期間(T1−T3)の後半期間である補償駆動期間(T2−T3)ではメインサンプルホールド部23で保持されているサブフレームデータ"1"に基づき、駆動電圧V1を選択して図8Aの(I)にローレベルで示すように黒電圧Vb[V]を画素電極12に印加する。このとき、液晶素子LCの共通電極14には図8Aの(H)に示す0[V]の共通電圧Vcomが印加されているため、液晶層13には同図(J)で示すような駆動電圧が印加され、液晶素子LCは同図(K)にローレベルで模式的に示すように補償駆動期間(T2−T3)では駆動期間とは逆極性の電圧で駆動される。一方、LED制御部35はSF1Rの補償駆動期間(T2−T3)では、図8Aの(L1)に示すようにLED42rを駆動しない。従って、SF1Rの補償駆動期間(T2−T3)では液晶表示装置30の当該画素20(x,y)は、図8Aの(M1)にローレベルで模式的に示すように黒表示を行う。
続いて、メインサンプルホールド部23において、時刻T3ではSF1Gのサブフレームデータ"0"が保持される。メインサンプルホールド部23におけるこのS1Gのサブフレームデータ"0"の保持は、図8Aの(E)に示すように、次のSF1Bのサブフレームデータが転送されている期間(T3−T5)の間保持される。
また、電圧選択部24は1サブフレーム期間(T3−T5)の前半期間である駆動期間(T3−T4)ではメインサンプルホールド部23で保持されているサブフレームデータ"0"に基づき、ブランキング電圧V0を選択して図8A(I)にローレベルで示すように黒電圧Vb[Vを画素電極12に印加する。このとき、液晶素子LCの共通電極14には図8Aの(H)に示す0[V]の共通電圧Vcomが印加されているため、液晶層13には同図(J)で示すような駆動電圧が印加され、液晶素子LCは同図(K)にローレベルで模式的に示すように駆動期間(T3−T4)では黒電圧Vb[V]に対応する電圧で駆動される。また、LED制御部35はSF1Gの駆動期間(T3−T4)では、図8Aの(L2)に示すように駆動期間の1/32倍の重み付けの期間だけLED42gを点灯する。従って、SF1Gの駆動期間(T3−T4)では液晶表示装置30の当該画素20(x,y)は、図8A(M2)にローレベルで模式的に示すように上記の重み付けの期間だけ黒表示を行う。
続いて、電圧選択部24は1サブフレーム期間(T3−T5)の後半期間である補償駆動期間(T4−T5)ではメインサンプルホールド部23で保持されているサブフレームデータ"0"に基づき、ブランキング電圧V0を選択して図8Aの(I)にハイレベルで示すように白電圧Vw[V]を画素電極12に印加する。このとき、液晶素子LCの共通電極14には図8Aの(H)に示す0[V]の共通電圧Vcomが印加されているため、液晶層13には同図(J)で示すような駆動電圧が印加され、液晶素子LCは同図(K)にハイレベルで模式的に示すように補償駆動期間(T4−T5)では白電圧で駆動される。一方、LED制御部35はSF1Gの補償駆動期間(T4−T5)では、図8Aの(L2)に示すようにLED42gを駆動しない。従って、SF1Gの補償駆動期間(T4−T5)では照明光が存在しないため、液晶表示装置30の当該画素20(x,y)は、光出力が0となり図8Aの(M2)にローレベルで模式的に示すように黒表示を行う。
以下、SF1BからSF12Bまで同様な処理が行われる。SF1R、SF1G、及びSF1Bでは、図6Aの(C1)、(C2)、(C3)に示すように駆動期間の1/32倍の重み付けの期間だけLED42r、LED42g、及びLED42bを点灯する。SF2R、SF2G、及びSF2Bでは、図6Aの(C1)、(C2)、(C3)に示すように駆動期間の2/32倍の重み付けの期間だけLED42r、LED42g、及びLED42bを点灯する。SF3R、SF3G、及びSF3Bでは、図6Aの(C1)、(C2)、(C3)に示すように駆動期間の4/32倍の重み付けの期間だけLED42r、LED42g、及びLED42bを点灯する。SF4R、SF4G、及びSF4Bでは、図6A、及び図6Bの(C1)、(C2)、(C3)に示すように駆動期間の8/32倍の重み付けの期間だけLED42r、LED42g、及びLED42bを点灯する。SF5R、SF5G、及びSF5Bでは、図8Bの(C1)、(C2)、(C3)に示すように駆動期間の16/32倍の重み付けの期間だけLED42r、LED42g、及びLED42bを点灯する。SF6R〜SF12Bでは、図6B、及び図6Cに示すように駆動期間の32/32倍の重み付けの期間だけLED42r、LED42g、及びLED42bを点灯する。
この結果、本実施の形態によれば、Rの光出力として、図8A〜図8Cの(M1)に示すようにSF1RからSF12Rまでの各サブフレームにおいて「1,2,4,8,0,32,32,32,32,32,32,0」が出力され、積分値として「215」が出力される。この結果、画素20(R,x,y)において階調値「215」が表示される。RGBのサブフレームデータを用いることで、各画素20において、それぞれの色が256階調で表示される。このように、入力された1フレームのデータは、期間(T0−T1)だけ遅延して、光出力として出力されるため、入力データの1フレーム期間が期間(T0−T6)である場合、光出力の1フレーム期間は期間(T1−T7)となる。
このように、本実施の形態の液晶表示装置30によれば、画素の階調が「0」で、SF1R〜SF12Bの3色×12個のサブフレームデータの値がすべて「0」のときにも、駆動期間と補償駆動期間とでは互いに逆極性の電圧(黒電圧及び白電圧)が交互に画素電極12に印加されて駆動されるため、常に交流駆動を確保でき、その結果、十分な焼き付き防止を行うことができる。
また、本実施の形態の液晶表示装置30によれば、1フレーム期間を3色×12サブフレーム期間に分割して各サブフレーム期間に液晶素子LCを交流駆動しているため、1フレーム毎に3×12回という従来よりも多くのDCバランス極性反転を行うことができ、焼き付き防止精度を向上することができ、その結果、強誘電性液晶を用いた液晶表示装置の信頼性を向上することができる。
更に、本実施の形態の液晶表示装置30によれば、画素電極12に1サブフレームの半の駆動期間と後半の補償駆動期間とで互いに逆極性の電圧(黒電圧及び白電圧)を印加することで交流駆動するようにしているため、特許文献1に記載の液晶表示装置の駆動方法のような映像表示に用いることができない逆電圧画像のためのデータ転送を不要にできる。また、各色の光源を時分割で駆動するフィールドシーケンシャル方式での駆動が可能となるため、消費電力を削減することができる。また、LED42r、42g、42bからのRGBの光を1枚の反射型液晶表示素子11で制御しているため、簡便な構成とすることができる。
(変形例1)
駆動パターンの変形例1について説明する。上記の実施の形態1では、駆動パターンが図5のようなっていたが、変形例1では、駆動パターンが図9のようになっている。図9(A)に示すように、1サブフレーム期間のうち、前半期間が補償駆動期間となっており、後半期間が駆動期間となっている。なお、図5と同様の内容については、説明を省略する。
図9(C)に示すように、サブフレームデータが「1」の場合、補償駆動期間である前半期間には、液晶層13に黒電圧Vbが印加され、駆動期間である後半期間には液晶層13に白電圧Vwが印加される。サブフレームデータが「0」の場合、補償駆動期間である前半期間には、液晶層13に白電圧Vwが印加され、駆動期間である後半期間には、液晶層13に黒電圧Vbが印加される。このようにすることで、上記のように十分な焼き付き防止を行うことができる。
一方、LED制御部35は、駆動制御部34からの指示に従い、サブフレームデータの値に関係なく駆動期間内でのみ図9(E)にハイレベルで模式的に示すようにLED42を駆動して発光させ、照明光学系内のLED42から照明光が図1に示した入射光L1として射出し、液晶表示素子11に入射する。したがって、補償駆動期間である前半期間では、LED42の発光が停止して、駆動期間である後半期間では、LED42が発光する。なお、駆動期間における発光期間は、上記のLED重み付けテーブルに従い、予め設定されている。
したがって、サブフレームデータの値が「1」のときは、白電圧が印加されるので、図9(F)に示すように、LED42が発光する駆動期間で白表示が行われる。サブフレームデータの値が「1」のときは、補償期間ではLED42が発光しないので、図9(F)に示すように、は黒表示が行われる。また、サブフレームデータの値が「0」の時は、黒電圧が印加されるので、駆動期間及び補償駆動期間の両方で黒表示が行われる。このようなパルス波形としても、上記と同様の効果を得ることができる。
(変形例2)
駆動パターンの変形例2について説明する。上記の実施の形態1では、駆動パターンが図5のようなっていたが、変形例2では、駆動パターンが図10のようになっている。図10(A)に示すように、駆動電圧とブランキング電圧は、サブフレームの期間の1/2の周期を有している。すなわち、駆動期間及び補償駆動期間は1サブフレーム期間の1/4となっており、1サブフレーム期間には、2回の駆動期間と2回の補償駆動期間が交互に現れる。1サブフレームが462μsであるとすると、1回の駆動期間は115.5μs(=462μs/4)となっている。同様に、1回の補償駆動期間は、115.5μs(=462μs/4)となっている。そして、1サブフレーム期間(0μs〜462μs)のうち、0μs〜115.5μsが駆動期間となり、115.5μs〜231μsが補償駆動期間となり、231μs〜346.5μsが駆動期間となり、462μsが補償駆動期間となる。
そして、図10(E)に示すように、1サブフレームのうちの2回の駆動期間でLED42を発光させて、2回の補償駆動期間でLED42の発光を停止する。すなわち、LED42は、対応する1サブフレーム期間内において、2回発光する。このようにしても、上記の実施の形態と同様に駆動することができる。さらに、液晶の交流駆動の周期をより短くすることができるため、焼き付き防止精度を向上することができ、その結果、強誘電性液晶を用いた液晶表示装置の信頼性を向上することができる。
また、変形例1と変形例2を組み合わせてもよい。すなわち、1サブフレーム期間において、補償駆動期間、駆動期間、補償駆動期間、駆動期間の順に配置してもよい。1フレーム毎に2×3×12回という従来よりも多くのDCバランス極性反転を行うことができる。さらには、1サブフレーム期間において、駆動期間と補償駆動期間が3回以上繰り返すようにしてもよい。
実施の形態2.
(回路構成)
図11は、本実施の形態にかかる液晶表示装置の回路構成を示す図である。本実施の形態では、サブフレームデータ生成部31の構成が実施の形態1と異なっている。また、実施の形態1では、LED制御部35がLED重み付けテーブルを用いてサブフレームの発光期間を変えていたが、本実施の形態ではサブフレームが同じ発光期間を有している。をなお、液晶表示装置の基本的な構成については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
本実施の形態では、サブフレームデータ生成部31が、映像信号のNビット(Nは2以上の自然数)の階調データに対してディザ処理することにより、Mビット(MはNより大きい自然数)のデータを生成している。そして、Mビットのデータに基づいて、サブフレームの全てがステップビットパルスによって構成されるサブフレームデータを生成している。以下、ディザ処理ついて説明する。
(ディザ処理)
サブフレームデータ生成部31は、ルックアップテーブル変換部311と、誤差拡散部312、FRC(フレームレートコントロール)部313と、リミッタ部314と、サブフレームデータ変換部315を備えている。
以下、サブフレームデータ生成部31におけるデータ処理を図12〜図17を用いて説明する。図12は、サブフレームデータ生成部31における階調表現を説明するための図であり、入力された映像信号データのビット数を8ビットとした例を示している。図13は、実施形態2における駆動階調テーブルを示す図である。図14は、誤差拡散図を示す図ある。図15は、誤差拡散フローを示す図ある。図16は、フレームレートコントロールフローを示す図である。図17は、フレームレートコントロールテーブルを示す図である。
図12において、Nビットの入力された映像信号データは、ルックアップテーブル変換部311にて、Nより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換される。ここで、Mはサブフレーム数を2進数で表したときのビット数、Dは誤差拡散部312により補間されるビット数、Fはフレームレートコントロール部313により補間されるビット数を表している。なおN、M、F、Dは整数である。
図12の例では、入力された映像信号データのビット数は8ビット(N=8)、誤差拡散部312にて補間されるビット数は4ビット(D=4)、フレームレートコントロール部313にて補間されるビット数は2ビット(F=2)としている。サブフレーム数を2進数で表した場合のビット数は4ビット(M=4)、駆動階調は12個(黒を含まない)としている。
サブフレームデータ生成部31が、12ビットのサブフレームデータを生成する。そして、図13に示す階調テーブルで、各画素が12階調で表示される。図13に示す階調テーブルにおいて、サブフレームデータが「1」のサブフレームでは、駆動期間で駆動状態となり、サブフレームデータが「0」のサブフレームでは、補償駆動期間で駆動状態となる。
ここでルックアップテーブル変換部311の動作を説明する。一般的に映像信号はガンマ補正がかけられている。画像表示装置側ではガンマ補正がかけられた映像信号に対し逆ガンマ補正処理を施してリニアな階調に戻すことが必要である。逆ガンマ補正とは入力Xに対して出力がXの2.2乗となるような補正である。この場合、出力特性は「ガンマ2.2」であると以下表現する。ルックアップテーブル変換部311は反射型液晶表示素子6の入出力特性を変換してガンマ2.2の出力特性を有する液晶表示装置を実現する機能を担っている。ルックアップテーブルは、10ビットの出力が、任意の出力特性(例えばガンマ2.2)となるようにあらかじめ調整されている。例えば、図13に示す12個の駆動階調(黒を含まない)のそれぞれの駆動による画像を図1に示す液晶表示装置で投影し、スクリーン18上の照度を照度計等でそれぞれ測定しておく。それぞれの駆動階調間の照度を6ビット(M+D=6)(64階調)で直線補間することによって、0〜768の階調毎の照度データが予測される。それらの照度データから任意の出力特性(例えばガンマ2.2)となるような256個のデータを選び、あらかじめルックアップテーブルとして保持されているものとする。
ルックアップテーブル変換部311は、256×10ビット(すなわち、「2の8乗」階調x(4+2+4)ビット)のルックアップテーブルを有している。ここで、「2の8乗」階調x(4+2+4)ビットとは、「2のN乗」階調x(M+F+D)ビットに対してN=8、M=4、F=2、D=4の値を代入したものに相当する。ルックアップテーブル変換部311は、入力された8ビットの画像データを、10ビットのデータに変換して出力する。
図12に戻り、ルックアップテーブル変換部311にて(M+F+D)ビットに変換された映像信号データは、誤差拡散部312により下位Dビットの情報を周辺画素に拡散することによって、(M+F)ビットのデータに変換される。図12の例では、変換された10ビットのデータは、誤差拡散部312にて、下位4ビットの情報を周辺画素に拡散し上位6ビットのデータに量子化して出力される。
誤差拡散法とは、表示すべき映像信号と実表示値との誤差(表示誤差)を周辺の画素に拡散することで階調不足を補う方法である。第1の実施形態においては、表示すべき映像信号の下位4ビットを表示誤差とし、図14のように右隣の画素に表示誤差の7/16を、左下の画素に表示誤差の3/16を、直下の画素に表示誤差の5/16を、右下の画素に表示誤差の1/16を加える。
誤差拡散部312の動作を図15でより詳しく説明する。ある座標の映像信号は上述のように誤差を拡散するとともに、以前の映像が拡散した誤差が加算される。入力された10ビットのデータは、まず、以前の映像が拡散した誤差が誤差バッファにより加算される。入力映像信号データは誤差バッファの値が加算された後、上位の6ビットと下位の4ビットに分割される。
分割された下位の4ビットの値を以下に示す。右側の値は表示誤差である。
下位4ビット 表示誤差
0000 0
0001 +1
0010 +2
0011 +3
0100 +4
0101 +5
0110 +6
0111 +7
1000 −7
1001 −6
1010 −5
1011 −4
1100 −3
1101 −2
1110 −1
1111 0
分割された下位の4ビットの値に対応する表示誤差は、図15のように誤差バッファへと加算され保持される。また、分割された下位の4ビットの値に対してスレッショルド比較を行ない、値が1000より大きい場合(上記の左部の値が1000である行以降の行)、上位6ビットの値に1が加算される。そして、上位の6ビットのデータが誤差拡散部から出力される。なお、図12、図15では、誤差拡散部312での処理において、上位6ビットに1が加算されることにより、桁上がりしたビットを0ビット目として示している。
図12に戻り、誤差拡散部312にて(M+F)ビットに変換された映像信号データは、フレームレートコントロール部313に入力されるフレームレートコントロール部313は、図16に示すように、フレームレートコントロールテーブルを備えている。フレームレートコントロールテーブルは、図17に示すようになっている。フレームレートコントロール部313では、下位Fビットの値と、画素の位置情報及びフレームのカウント情報から、フレームレートコントロールテーブル内の位置を特定し、その値(1または0の値、以下0/1と記載する。)が上位Mビットに加えられ、Mビットのデータに変換される。ここで、フレームレートコントロール方式とは、表示素子の1画素の表示に対してm(m:m≧2、自然数)フレームを1周期として、その周期のn(n:n>0、m>n、自然数)フレームではオン表示を行ない、残りの(m−n)フレームではオフ表示を行うことにより疑似的に階調を表示させる方式である。
図12の例では、誤差拡散部312により出力された6ビットのデータは、フレームレートコントロール部313に入力される。フレームレートコントロール部313は、下位2ビットの情報と、表示エリアでの位置情報およびフレームカウンタ情報より、フレームレートコントロールテーブルから0/1の値を導き、入力された6ビットから分離された上位4ビットの値に加算する。
フレームレートコントロール部313の動作を図16で具体的に説明する。入力された6ビットのデータは、上位の4ビットと下位の2ビットに分割される。入力された6ビットデータの下位2ビットと、画素の表示エリアでの位置情報(すなわち、座標データであるX座標の下位ビットおよびY座標の下位2ビット)と、フレームカウンタの下位2ビットとの合計8ビットの値を用いて、図17で示すフレームレートコントロールテーブルで示される"0"か"1"の値を特定する。特定された"0"か"1"の値は上位4ビットのデータに加算して、4ビットデータとして出力される。なお、図12、図16では、フレームレートコントロール部313での処理において、上位6ビットに1が加算されることにより、桁上がりしたビットを0ビット目として示している。
図12に戻り、フレームレートコントロール部313から出力された4ビットデータはリミッタ部314にて駆動階調の最大値である12に制限された後、サブフレームデータ作成部315にて、反射型液晶表示素子6へ転送されるべき12ビットのデータに変換される。12ビットのデータへの変換は駆動階調テーブルを使用する。
図11に戻り、サブフレームデータ生成部31から出力された12ビットのデータは、メモリ制御部32にて、サブフレーム毎に分割されたフレームバッファ33に格納される。フレームバッファ33は実施の形態1と同様にダブルバッファの構造になっており、一方のフレームバッファにデータを格納中は、他方のフレームバッファのデータがデータ転送部を経由して反射型液晶表示素子11に転送されることになり、次のフレームでは、前フレーム期間中に格納された他方のフレームバッファのデータがデータ転送部36を経由して液晶表示素子6に転送され、一方のフレームバッファには入力された映像信号データのサブフレームデータ生成部31からの出力データが格納される。
駆動制御部34は、サブフレーム毎の処理のタイミング等を制御しており、データ転送部36への転送指示およびゲートドライバ39の制御を行う。データ転送部36は、駆動制御部34からの指示に従い、メモリ制御部32に指示を行ない、指定したサブフレームのデータをメモリ制御部32から受け取りソースドライバ37へと転送する。データ転送部36は一定間隔で、サブフレームデータを転送する。
ソースドライバ37は、1ライン分のデータをデータ転送部36より受け取る毎に、反射型液晶表示素子11の対応する画素20へ列データ線D0−Dnを用いて同時に転送する。この時、ゲートドライバ39では、駆動制御部34からの垂直スタート信号(VST)/垂直シフトクロック信号(VCK)により指定された行の行選択線Wyをアクティブにし、指定された行yの全ての列の画素へとデータが転送される。
電圧制御部38には、黒電圧Vbと白電圧Vwが入力されている電圧制御部38は液晶に加える電圧であるV0/V1の極性反転処理を行う。V0はブランキング電圧、V1は駆動電圧である。極性反転処理とは、V0/V1の電圧値を等間隔で交互にVbとVwとする処理を行うことをいう。V1はV0と1/2周期ずれた位相で印加される。
(駆動パターン)
図18A〜図18Cは、実施の形態2における液晶表示装置の駆動パターンの一例の説明図を示す。図18A〜図18Cは、図6A〜図6Cと同様に、映像信号が1秒あたり60フレーム、サブフレーム数が3色の12個の場合の駆動パターンについて示している。なお、ブランキング電圧、及び駆動電圧等については、図5と同様であるため説明を省略する。
各サブフレーム期間のうち、前半が駆動期間、後半が補償駆動期間となっている。そして、駆動期間の全期間において、LED42が発光している。図18A〜図18Cの(C1)に示すように、RのサブフレームSF1R、SF2R、SF3R、SF4R、SF5R、SF6R、SF7R、SF8R、SF9R、SF10R、SF11R、及びSF12Rでは、駆動期間の全期間においてLED42rが発光している。同様に、GのサブフレームSF1G、SF2G、SF3G、SF4G、SF5G、SF6G、SF7G、SF8G、SF9G、SF10G、SF11G、及びSF12Gでは、図18A〜図18Cの(C2)に示すように、駆動期間の全期間においてLED42gが発光する。BのサブフレームSF1B、SF2B、SF3B、SF4B、SF5B、SF6B、SF7B、SF8B、SF9B、SF10B、SF11B、及びSF12Bでは、図18A〜図18Cの(C3)に示すように、駆動期間の全期間においてLED42Bが発光している。RGBのLEDが時分割駆動されているため、各色のLED42では、サブフレーム期間の1/2が発光期間となり、サブフレーム期間の1/2が非発光期間となっている。発光期間と非発光期間とが繰り返している。そして、各色の発光期間は、1サブフレームずつずれている。
このように、全てのサブフレームにおいて、LED42の発光期間が同じになっている。1フレームが3色×12個のサブフレームで構成されているため、各画素20において、それぞれの色が12階調で表示される。サブフレームデータ生成部31が生成した12ビットのサブフレームデータに基づいて、画素部が表示を行う。なお、各階調は、図13の階調テーブルによって示される。
(タイミングチャート)
図19A〜図19Cのタイミングチャートを参照して本実施の形態の液晶表示装置30の動作について更に詳細に説明する。図19A〜図19Cは、実施の形態1と同様に、サブフレーム数が3色×12個の場合について示している。なお、実施の形態1と同様の内容については、説明を省略する。たとえば、データ転送のタイミングや、ブランキング電圧と駆動電圧の波形などについては、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
本実施の形態では、図19A〜図19Cの(L1)の示すように、RのLED42rの発光期間がサブフレームの駆動期間と同じ時間になっている。同様に、GのLED42gの発光期間がサブフレームの駆動期間と同じ時間になっており、BのLED42bの発光期間がサブフレームの駆動期間と同じ時間になっている。したがって、いずれのサブフレームにおいても、サブフレームデータが「1」の場合は、駆動期間の全体で白表示を行う。
このように、本実施の形態の液晶表示装置30によれば、実施の形態1と同様に、画素の階調が「0」で、SF1R〜SF12Bの3色×12個のサブフレームデータの値がすべて「0」のときにも、駆動期間と補償駆動期間とでは互いに逆極性の電圧(黒電圧及び白電圧)が交互に画素電極12に印加されて駆動されるため、常に交流駆動を確保でき、その結果、十分な焼き付き防止を行うことができる。
また、本実施の形態の液晶表示装置30によれば、実施の形態1と同様に、1フレーム期間を3色×12サブフレーム期間に分割して各サブフレーム期間に液晶素子LCを交流駆動しているため、1フレーム毎に3×12回という従来よりも多くのDCバランス極性反転を行うことができ、焼き付き防止精度を向上することができ、その結果、強誘電性液晶を用いた液晶表示装置の信頼性を向上することができる。
更に、本実施の形態の液晶表示装置30によれば、画素電極12に1サブフレームの半の駆動期間と後半の補償駆動期間とで互いに逆極性の電圧(黒電圧及び白電圧)を印加することで交流駆動するようにしているため、特許文献3記載の液晶表示装置の駆動方法のような映像表示に用いることができない逆電圧画像のためのデータ転送を不要にできる。また、各色の光源を時分割で駆動するフィールドシーケンシャル方式での駆動が可能となるため、消費電力を削減することができる。また、全てのサブフレームにおいて、駆動期間の全体が発光期間となっているため、輝度を向上することができる。
本実施の形態では、図13、図18A〜図18Cに示す通り、動画擬似輪郭の原因となるバイナリビットパルスを用いず、すべて同じ幅のステップビットパルスを用いている。バイナリビットパルスとは各サブフィールドに対して重みが2n (n=0、1、2、3…)で表されるいわゆる"バイナリの重み付け"を行うものである。一方、ステップビットパルスとは、1、2、4、8、16のバイナリビットパルスがある場合、32、32、32、32、32、32、32のような同じ重み付けのパルスのことをいう。すべてバイナリビットパルスにする場合と比較して、ステップビットパルスを併用することで動画擬似輪郭を相対的に軽減する効果がある。
動画擬似輪郭とは、隣り合った画素の似たような階調において、片方の画素でのバイナリビットパルスの多くが駆動状態であり、もう片方の画素でのバイナリビットパルスの多くがブランキング状態である場合、視線を動かした時や、顔のアップ等が動いたときに、意図しない輝度が眼で知覚されることをいう。本実施形態では、動画擬似輪郭の原因となるバイナリビットパルスを用いず、すべて同じ幅のステップビットパルスを用いている。そのため視線方向を動かした場合でも、輝度が著しく変化しないため、動画擬似輪郭はほとんど知覚されない。
また、フレームレートコントロールにより、隣接画素間で生じる横方向電界を打ち消すことができる。すなわち、横方向電界が均等に分散されるため、高画質での表示が可能となる。
実施形態2において、入力された映像信号データのビット数をN、表示素子の駆動可能な階調数を2進数で表したときのビット数をM、誤差拡散処理により誤差として拡散されるビット数をD、フレームレートコントロールにより擬似的な階調として表現されるビット数をFとしたとき、N=8、M=4、D=4、F=2である場合について説明した。しかし、N、M、D、Fの値は上記の値に限定されず、種々の値を用いて実施することができる。そのなかでも、N=8〜12、M=4〜6、D=4〜8、F=2〜3であることがより好ましい。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1の変形例1、2を適用してもよい。
実施の形態3.
次に、実施の形態3にかかる液晶表示装置について説明する。本実施の形態も図1に示した投射型表示装置10における反射型液晶表示素子11として用いることができる。なお、液晶表示装置の基本的構成は、実施の形態1であるため、適宜説明を省略する。
(画素構成)
図20は、本実施の形態にかかる液晶表示装置の一画素の構成図を示す。同図中、図1及び図2と同一構成部分には同一符号を付してある。図20において、反射型液晶表示素子11の一つの画素50は、画素回路15bと液晶素子LCとからなり、2本の列データ線D及び反転列データ線DXを一組とするデータ線と、行選択線Wとの交差部に配置されている。液晶素子LCは前述したように、画素電極12及び共通電極14が対向するように第1の基板と第2の基板とが離間配置されて形成された基板間の空間内に強誘電性の液晶層13が封入された構成とされている。なお、図2及び図20では各画素回路15a、15b単位で液晶素子LCが設けられていることを分かり易くするために、液晶素子LCを各画素回路単位で図示しているが、実際には液晶素子LCのうち画素電極12は画素回路15a、15b毎に個別に設けられるが、液晶層13及び共通電極14は全画素に共通に設けられている。
一方、画素回路15bは、図20に示すように、サンプルホールド部51及び電圧選択部52からなる。すなわち、画素15bは、実施の形態1で示したサブサンプルホールド部21と転送用スイッチングトランジスタ22が設けられていない構成となっている。したがって、画素回路15bに、1つのサンプルホールド部51のみが設けられている。サンプルホールド部51はSRAM(Static Random Access Memory)構造のフリップフロップよりなる。サンプルホールド部51は、列データ線D及び反転列データ線DXと、行選択線Wとに接続されており、行選択線Wを介して印加される行選択信号により選択されたときに、列データ線D及び反転列データ線DXを介して供給される画素データをサンプリング及びホールドする。
電圧選択部52は、サンプルホールド部51と、ブランキング電圧線V0及び駆動電圧線V1とに接続されている。電圧選択部52の出力端子は画素電極12に接続されている。電圧選択部24は、サンプルホールド部51により保持されているサブフレームデータ(画素データ電圧)の値が「0」であるか「1」であるかに応じて、ブランキング電圧線V0のブランキング電圧及び駆動電圧線V1の駆動電圧の一方を選択して画素電極12に印加する。
(回路構成)
図21は、実施の形態3にかかる液晶表示装置のブロック図を示す。同図中、図4と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図21において、本実施の形態の液晶表示装置60は、サブフレームデータ生成部31、メモリ制御部32、フレームバッファA331及びフレームバッファB332、LED制御部35、データ転送部36、ゲートドライバ39、駆動制御部61、ソースドライバ62、電圧制御部63、画素部64を含んで構成されている。
画素部64は、1本の列データ線D及び1本の反転列データ線DXを一組とする、全部で(n+1)組の列データ線D0〜Dn及び反転列データ線DX0〜DXnと、(m+1)本の行選択線W0〜Wmとが交差する各交差部に配置された、全部で(n+1)×(m+1)個の画素50から構成される。一つの画素50は、図20に示した画素50の構成である。また、画素部64の全ての画素50は、各電圧選択部52にブランキング電圧線V0及び駆動電圧線V1が共通に接続されている。
駆動制御部61は、サブフレームデータ生成部31に供給される映像信号データの垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCが供給され、これらの同期信号に同期してデータ転送タイミング、電圧制御タイミング、LED制御タイミング等を制御しており、データ転送部36への転送指示、ソースドライバ62/ゲートドライバ39の制御、電圧制御部63及びLED制御部35へのタイミング指示を行う。データ転送部36は、駆動制御部61からの指示に従いメモリ制御部32を指示して、メモリ制御部32がフレームバッファ33から読み出したサブフレームデータのうち、指定したサブレームデータを受け取り、ソースドライバ62へ転送する。フレームバッファ331、及びフレームバッファ332は、実施の形態1に示したように、書き込みと読み出しを交互に行う。
ソースドライバ62は、駆動制御部61からの水平スタート信号(HST)/水平シフ
トクロック信号(HCK)により、データ転送部36からのサブフレームデータをシフト
して、1ライン分の(n+1)画素のサブフレームデータを受け取る毎に、その1ライン
分の互いに逆論理値の2種類のサブフレームデータを列データ線D0〜Dn及び反転列データ線DX0〜DXnを並列に介して画素部64へ同時に転送する。
ここで、列データ線D0〜Dnのうち任意の列データ線Diにて転送されるサブフレームデータの値と、反転列データ線DX0〜DXnのうち上記の列データ線Diと同じ組の任意の反転列データ線DXiにて転送される反転サブフレームデータの値とは、常に一方が"1"のとき他方が"0"である、逆論理値の関係にある。ここで、本実施の形態で列データ線D0〜Dn及び反転列データ線DX0〜DXnを用いるのは、画素50内のサンプルホールド部51としてフリップフロップ回路によるSRAMを用いたのに対応して、より実際に近い構成としたためである。SRAMは、データを安定して保持するためには、互いに逆論理値の2つのデータを必要とする。勿論、原理的には図4の実施の形態1の液晶表示装置30のように1種類の列データ線のみでよい。
ゲートドライバ39は、駆動制御部61からの垂直スタート信号(VST)/垂直シフトクロック信号(VCK)により、1水平走査期間毎に行選択信号を行選択線W0〜Wmに順次に供給して画素部64の複数の画素50を、上から下方向にライン単位で順次に選択する。例えば、ゲートドライバ39が行選択線W0〜Wmのうち指定された1ライン(行)yの行選択線Wyをアクティブにすると、指定された行yの(n+1)個の各画素50が選択され、その選択された各画素50内の各サンプルホールド部51に、ソースドライバ62から列データ線D0〜Dn及び反転列データ線DX0〜DXnを介して並列に入力される1ライン分の(n+1)画素のサブフレームデータが画素別に転送されて保持される。ソースドライバ62及びゲートドライバ39は、本発明の画素部駆動手段を構成している。
上記の動作が1ライン単位で繰り返され、画素部64のすべての画素50内のサンプルホールド部51に1つのサブフレーム期間のすべてのサブフレームデータが後述する補償駆動期間内で転送されてサンプリング及びホールドされる。画素データであるサブフレームデータは、その画素で表示されるべき階調に応じて「1」又は「0」の値を有している。
図21の電圧制御部63は、駆動制御部61の指示に従い、画素部64のすべての画素50に対して、ブランキング電圧線V0を介してブランキング電圧を供給すると共に、駆動電圧線V1を介して駆動電圧を供給する。上記のブランキング電圧と駆動電圧とは、サブフレームの1サブフレーム期間を1周期とする対称方形波で、互いに逆相(逆極性)とされている。すなわち、1サブフレーム期間を前半期間と後半期間とに分け、前半期間を補償駆動期間とし、後半期間を駆動期間としたとき、ブランキング電圧線V0のブランキング電圧は、図22(G)に示すように、補償駆動期間では白電圧Vw[V]であり、駆動期間では黒電圧Vb[V]である。一方、駆動電圧線V1の駆動電圧は、図22(H)に示すように、補償駆動期間では黒電圧Vb[V]であり、駆動期間では白電圧Vw[V]である。
図21の電圧選択部52は、サンプルホールド部51でホールドされている列データ線Dを介して入力されたサブフレームデータの値が「1」のとき(すなわち、反転列データ線DXを介して入力された反転サブフレームデータの値が「0」のとき)は、図22(A)に示すように、同図(H)に示した駆動電圧線V1の駆動電圧を選択して画素電極12に印加する。他方、電圧選択部52は、列データ線Dを介して入力されたサブフレームデータの値が「0」のとき(すなわち、反転列データ線DXを介して入力された反転サブフレームデータの値が「1」のとき)は、図22(A)に示すように、同図(G)に示したブランキング電圧線V0のブランキング電圧を選択して画素電極12に印加する。
液晶素子LCの共通電極14には電圧制御部63から図22(B)に示す一定電圧0[V]の共通電圧Vcomが印加されている。この一定電圧0[V]は、黒電圧Vb[V]と白電圧Vw[V]との中間電圧である。液晶層13は画素電極12の印加電圧と共通電圧Vcomとの電位差で駆動されるため、液晶層13に印加される駆動電圧は、図22(C)に示すように、サブフレームデータの値が「1」(反転サブフレームデータの値が「0」)のときは、補償駆動期間では黒電圧Vb[V]で、駆動期間では白電圧Vw[V]となり、サブフレームデータの値が「0」(反転サブフレームデータの値が「1」)のときは、補償駆動期間では白電圧Vw[V]で、駆動期間では黒電圧Vb[V]となる。
液晶素子LCは、液晶層13に印加される駆動電圧が白電圧Vw[V]のときに駆動されるため、液晶素子LCの駆動波形は図22(D)にハイレベルで模式的に示すように、サブフレームデータの値が「1」(反転サブフレームデータの値が「0」)のときは、駆動期間で駆動され、サブフレームデータの値が「0」(反転サブフレームデータの値が「1」)のときは、補償駆動期間で駆動される。すなわち、本実施の形態の液晶表示装置60では、後述するように画素の階調が「0」で、12個のサブフレームデータの値がすべて「0」のときには、駆動期間では駆動されないが、補償駆動期間で駆動されるために常に交流駆動を確保でき、その結果、十分な焼き付き防止を行うことができる。
一方、LED制御部35は、駆動制御部61からの指示に従い、サブフレームデータの値に関係なく駆動期間内でのみ図22(E)にハイレベルで模式的に示すようにLED42を駆動して発光させ、照明光学系内のLED42から照明光が図1に示した入射光L1として射出し、液晶表示素子11に入射する。なお、LED制御部35は、LED42を駆動期間で駆動するが、後述するようにLED重み付けテーブルに従い、1フレーム期間を構成する12個のサブフレーム期間のうちの何番目のサブフレーム期間であるかに応じて、駆動期間全期間以下の予め定めた設定期間でLED42を発光させる。
これに対し、液晶駆動素子11の一部を構成する液晶素子LCは図22(D)に示したように、サブフレームデータの値が「1」(反転サブフレームデータの値が「0」)のときは入射光が入射する駆動期間で駆動されるため図22(F)にハイレベルf14で模式的に示すように図1に示した射出光L2が出力されて白表示を行う。一方、図22(D)に示したように、サブフレームデータの値が「0」(反転サブフレームデータの値が「1」)のときは駆動期間において入射光が入射しても、液晶素子LCは駆動されないため図22(F)にローレベルf12で模式的に示すように射出光L2が出力されず黒表示を行う。
また、サブフレームデータの値が「0」(反転サブフレームデータの値が「1」)のときは、液晶素子LCは補償駆動期間で図22(D)にハイレベルで模式的に示すように駆動されるが、同図(E)にローレベルで模式的に示すように液晶素子LCに照明光が入射しないため、同図(F)にローレベルf11で模式的に示すように射出光L2が出力されず黒表示を行う。
(駆動パターン)
次に、本実施の形態の液晶表示装置60の駆動パターンについて説明する。
図23A〜図23Cは、本実施の形態にかかる液晶表示装置の駆動パターンの一例の説明図を示す。図23A〜図23Cは、図6A〜図6Cと同様にサブフレーム数が12個の場合の本実施の形態の液晶表示装置60の駆動パターンについて示している。図23A〜図23Cの(A)は1フレーム期間においてサブフレームSF1RからサブフレームSF12Bまでの計3色×12個のサブフレーム転送が行われることを示している。すべての画素50内のサンプルホールド部51の情報(サブフレームデータ)を書き換える期間を、データアドレス期間とするとき、データアドレス期間は、各サブフレームにおける前半期間である補償駆動期間内で終了している必要がある。
また、図23A〜図23Cの(B)は、各サブフレーム期間が前述したように、前半期間が補償駆動期間、後半期間が補償駆動期間に設定されることを示す。つまり、データアドレス期間中は補償駆動期間となる。更に、図23A〜図23Cの(C1)は、LED制御部35により光源であるLED42rが、SF1R〜SF6Rでは駆動期間の後半に発光するように設定されることを示す。すなわち、LED制御部35は、駆動期間におけるLED42rの発光期間を、サブフレームSF1〜SF12のうち重み付けが大きなサブフレームSF1R、SF2R、SF3R、SF4R、SF5Rほど駆動期間の終端側から始端方向へ長くし、重み付けが最大のサブフレームSF6R〜SF12Rにおいて駆動期間の全期間を発光期間とするように、LED42を制御する。駆動期間の後半に発光するようにすることにより、液晶層13の立ち上がり期間におけるロスを低減することができる。駆動期間におけるLED42g、LED42bについても、LED42rと同様に重み付けされている。
また、最後のサブフレームSF12Bの駆動期間が終了した後、次のフレームが始まるまでの期間を"非駆動期間"とし、液晶層13にかかる電圧が0[V]となるようにしてもよい。すなわち、ブランキング電圧線V0のブランキング電圧と駆動電圧線V1の駆動電圧とを、それぞれ共通電極電圧Vcomと同じ電圧値となるように設定する。これは、サブフレームの合計期間をフレーム期間に一致させることは非常に困難なため、どうしても余った期間が生じ、この余った期間に余計な電圧が液晶素子LCにかかると、焼き付きの原因になってしまうため、これを防止するためである。すなわち、上記の余った期間を、ブランキング電圧線V0のブランキング電圧と駆動電圧線V1の駆動電圧と共通電極電圧Vcomとをそれぞれ同じ電圧値に設定して液晶素子LCを駆動しない非駆動期間とすることで、サンプルホールド部51にて保持されたサブフレームデータの値によらず、液晶素子LCにかかる電圧を0にして、焼き付きを防止することができる。
また、図23A〜図23Cの(C1)は、サブフレームSF1R〜SF12Rのうち、サブフレームSF6R〜SF12Rでは駆動期間と同じ期間LED42rが発光し、サブフレームSF1R、SF2R、SF3R、SF4R、SF5Rでは、それぞれ駆動期間の1/32倍、2/32倍、4/32倍、8/32倍、16/32倍の期間発光することを示している。1フレーム期間内のサブフレームSF1R〜SF12Rのうちの何番目のサブフレームであるかに応じてLEDの発光期間を重み付けして可変制御する動作は、実施の形態1と同様にLED制御部35がLED重み付けテーブルを参照して行う。また、LED制御部35は、LED42g、LED42bについても同様に発光期間を制御している。したがって、実施の形態1と同様に、LED42g、LED42bは、図23A〜図23Cの(C2)、図23A〜図23Cの(C3)のような波形で発光する。
(タイミングチャート)
次に、図24A〜図24Cのタイミングチャートを参照して本実施の形態の液晶表示装置60の動作について更に詳細に説明する。図24A〜図24Cは、実施の形態1と同様に、サブフレーム数が3色×12個の場合について示している。なお、実施の形態1と同様の内容については、説明を省略する。
駆動制御部61に供給される、図24Aの(A)に示す垂直同期信号VSYNCが時刻T0でアクティブとなると、駆動制御部61の指示に従いサブフレームSF1のサブフレームデータがデータ転送部36より、ソースドライバ62に順次入力される。ソースドライバ37は1ライン分の(n+1)個のサブフレームデータを格納する毎に、列データ線D0〜Dn及び反転列データDX0〜DXnを並列に介してサブフレームデータ及び反転サブフレームデータを同時に画素部64へ転送し、ゲートドライバ39で指定された行(1ライン)yの(n+1)個の各画素50内の各サンプルホールド部51に画素別にサンプリング及びホールドさせる。
例えば、画素部64内のある一つの画素50(x,y)において、SF1R〜SF12RまでのRの12個のサブフレームデータD(R,x,y)の値が、図24A〜図24Cの(C1)に示すように[1,1,1,0,1,1,1,1,1,1,1,0]であり、SF1G〜SF12GまでのGの12個のサブフレームデータD(G,x,y)の値が、図24A〜図24Cの(C2)に示すように[0,0,1,0,0,1,1,0,0,0,0,0]であり、SF1B〜SF12BまでのBの12個のサブフレームデータD(B,x,y)の値が、図24A〜図24Cの(C3)に示すように[1,1,1,0,1,1,1,1,1,0,0,0,]であると仮定する。この場合、画素部64内のある一つの画素50(x,y)において入力されるSF1RからSF12Bまでの3×12個のサブフレームデータD(x,y)の各1ビットの値が、図24A〜図24Cの(C)に示すように[1,0,1,1,0,1,1,1,1,0,0,0,1,0,1,1,1,1,1,1,1,1,0,1,1,0,1,1,0,0,1,0,0,0,0,0]となる。
なお、以下の説明では反転サブフレームデータについては説明を省略する。この場合、最初のサブフレームSF1Rの伝送期間では、垂直同期信号VSYNCの入力時刻T0からyライン分遅れた時刻T1にて図24Aに示すように、yライン目の行選択線Wに供給される行選択信号Wyによりyライン目の各画素50が選択され、それらの各画素50内のサンプルホールド部51にサブフレームSF1Rのサブフレームデータ"1"が保持される。この画素50(x,y)内のサンプルホールド部51におけるSF1Rのサブフレームデータ"1"の保持は、図24A(E)に示すように、次のSF1Gのサブフレームデータが転送される時刻T6までの(T1−T6)の期間保持される。
そして、時刻T2でサブフレームSF1Rのすべてのサブフレームデータの転送が終了し、図24A(B)に示すようにSF1Rのデータアドレス期間が終了する。ここで、サブフレームSF1Rの1サブフレームは、図24A(B)に示す時刻T0から時刻T5までの期間(T0−T5)で、その1サブフレームの前半期間である時刻T0から時刻T3までの期間(T0−T3)では、補償駆動期間としてブランキング電圧線V0には図24A(F)にハイレベルで示す白電圧Vw[V]が、また駆動電圧線V1には図24A(G)にローレベルで示す黒電圧Vb[V]が印加される。続く、SF1Rの1サブフレームの後半期間である時刻T3から時刻T5までの期間(T3−T5)では、駆動期間としてブランキング電圧線V0には図24A(F)にローレベルで示す黒電圧Vb[V]が、また駆動電圧線V1には図24A(G)にハイレベルで示す白電圧Vw[V]が印加される。なお、共通電極電圧Vcomは図24A(H)に示すように、常に0[V]である。
上記の駆動期間(T3−T5)では、画素50(x,y)内のサンプルホールド部51で保持されているサブフレームデータ値は図24A(C)に示したように "1"であるので、画素50(x,y)内の電圧選択部52は、駆動電圧線V1の駆動電圧を選択して図24A(I)にハイレベルで示すように白電圧Vw[V]を画素電極12に印加する。
このとき、画素50(x,y)内の液晶素子LCの共通電極14には図24(H)に示す0[V]の共通電圧Vcomが印加されているため、液晶層13には同図(J)で示すような駆動電圧が印加され、液晶素子LCは同図(K)にハイレベルで模式的に示すように駆動期間(T3−T5)で駆動される。また、LED制御部35はSF1の駆動期間(T3−T5)の終了直前の時刻T4から時刻T5までの、駆動期間の1/32倍の重み付けの期間(T4−T5)では、図24A(L)にハイレベルで模式的に示すようにLED42を点灯する。従って、SF1Rの駆動期間内の上記の重み付けの期間(T4−T5)では液晶表示装置60の当該画素50(x,y)は、図24(M)にハイレベルで模式的に示すように白表示を行う。
続いて、同様に図24A(B)に示す時刻T5から時刻T10までの1サブフレーム(T5−T10)において、次のサブフレームSF1Gの処理が行われる。画素50(x,y)内のサンプルホールド部51は、図24A(E)に示すように、SF1Gのサブフレームデータ"0"を時刻T5直後の時刻T6でサンプリング保持し、次のSF1Bのサブフレームデータが転送される時刻までの期間保持する。
そして、時刻T10でサブフレームSF1Gのすべてのサブフレームデータの転送が終了し、図24A(B)に示すようにSF2のデータアドレス期間が終了する。ここで、サブフレームSF1Gの1サブフレーム(T5−T10)のうち、前半期間である期間(T5−T8)では、補償駆動期間としてブランキング電圧線V0には図24A(F)にハイレベルで示す白電圧Vw[V]が、また駆動電圧線V1には図24A(G)にローレベルで示す黒電圧Vb[V]が印加される。続く、SF1Gの1サブフレームの後半期間である期間(T8−T10)では、駆動期間としてブランキング電圧線V0には図24A(F)にローレベルで示す黒電圧Vb[V]が、また駆動電圧線V1には図24A(G)にハイレベルで示す白電圧Vw[V]が印加される。
上記の駆動期間(T8−T10)では、画素50(x,y)内のサンプルホールド部51で保持されているサブフレームデータ値は図24A(C)に示したように "0"であるので、画素50(x,y)内の電圧選択部52は、ブランキング電圧線V0のブランキング電圧を選択して図24A(I)にローレベルで示すように黒電圧Vb[V]を画素電極12に印加する。
このとき、画素50(x,y)内の液晶素子LCの共通電極14には図24A(H)に示す0[V]の共通電圧Vcomが印加されているため、液晶層13には同図(J)で示すような駆動電圧が印加され、液晶素子LCは駆動期間(T8−T10)では同図(K)にローレベルで模式的に示すように黒電圧Vb[V]に対応する電圧で駆動される。また、LED制御部35はSF1Gの駆動期間(T8−T10)では、図24A(L)に示すように駆動期間の1/32倍の重み付けの期間(T9−T10)だけLED42gを点灯する。これにより、SF2Gの駆動期間(T8−T10)では液晶表示装置60の当該画素50(x,y)は、黒電圧Vb[V]に対応する電圧で駆動されるため、駆動期間の1/32倍の重み付けの期間(T9−T10)だけLED42gが点灯したとき、図24A(M)にローレベルで模式的に示すように黒表示を行う。
以下、SF1BからSF12Bまで同様な処理が行われる。この結果、本実施の形態によれば、光出力として、図24A〜図24Cの(M)に示すようになる。Rの光出力として、図24A〜図24Cの(M1)に示すようにSF1RからSF12Rまでの各サブフレームにおいて「1,2,4,8,0,32,32,32,32,32,32,0」が出力され、積分値として「215」が出力される。この結果、画素20(R,x,y)において階調値「215」が表示される。
なお、時刻T0から始まる1フレーム期間内の最後のサブフレームSF12Bの駆動期間終了時刻T11からその1フレーム期間の最後の時刻(次の1フレーム期間の最初のサブフレームSF1Rの補償駆動期間の開始時刻)T12までの、図24Cに「Blank」で示す期間は、電圧制御部63は図24Cの(F)、(G)にそれぞれ示すように、共通電極電圧Vcomと同一電圧値(0[V])のブランキング電圧及び駆動電圧を発生する。この期間は、図23Cに"非駆動期間"として示した期間に相当し、液晶層13にかかる電圧が0[V]となり、図24C(K)に示すように、液晶素子LCは非駆動とされる。
次に、DCバランスとして図24A〜図24Cの(J)に示す液晶電圧に注目すると、同図(E)に示すサンプルホールドの値が"0"から"1"に変化するサブフレーム(たとえば、SF1B)と、サンプルホールドの値が"1"から"0"に変化するサブフレーム(たとえば、SF1G)とでは、それぞれ波形が逆転している。また、同図(E)に示すサンプルホールドの値が変化しない、他のサブフレーム(たとえば、SF2R)では、サブフレーム内にてDCバランスが0[V]になっている。このように、1フレーム期間で注目すると、本実施の形態の液晶表示装置60ではDCバランスが0[V]に保たれていることが分かる。
このように、本実施の形態の液晶表示装置60によれば、画素の階調が「0」で、SF1R〜SF12Bの3色×12個のサブフレームデータの値がすべて「0」のときにも、補償駆動期間と駆動期間とでは互いに逆極性の電圧(黒電圧及び白電圧)が交互に画素電極12に印加されて駆動されるため、常に交流駆動を確保でき、その結果、十分な焼き付き防止を行うことができる。
また、本実施の形態の液晶表示装置60によれば、1フレーム期間を3×12サブフレームに分割してサブフレーム毎に液晶素子LCを交流駆動しているため、1フレーム毎に3×12回という従来よりも多くのDCバランス極性反転を行うことができ、焼き付き防止精度を向上することができ、その結果、強誘電性液晶を用いた液晶表示装置の信頼性を向上することができる。
更に、本実施の形態の液晶表示装置60によれば、1サブフレームの前半期間を補償駆動期間とし、後半期間を駆動期間として、補償駆動期間でのみサブフレームデータ転送を行うようにしたため、データ転送効率を略50%とすることができる。すなわち、本実施の形態の液晶表示装置60によれば、データ転送期間と駆動期間とを工夫することで、画素回路15b内のサンプルホールド回路は1つのサンプルホールド部51のみでも動作することができ、その結果、画素サイズの小型化が容易となり、第1の実施の形態に比べて、液晶表示装置全体の小型化や高解像度化への応用に有利である。
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えばサブフレームSF1R〜SF12BのそれぞれにおけるLED42の発光期間を図6A〜図6Cの(C)、図23A〜図23Cの(C)に示したように階調テーブルの重み付けに応じた発光期間に可変しているが、発光期間は一定とし発光強度を上記の重み付けに応じて可変する(重み付けが大であるほど発光強度を大とする)ようにしてもよい。サブフレームデータが「0」となる画素では、サブフレームの駆動期間において、液晶により黒表示を行わせ、サブフレームデータが「1」となる画素では、サブフレームの駆動期間において、液晶により黒表示より高い輝度で表示を行わせるようにすればよい。また、1フレーム期間のサブフレームの数は12に限定されるものではなく、10以上であれば所期の目的を達成することができる。
さらに、実施の形態3と実施の形態2とを組み合わせてもよい。すなわち、実施の形態3において、誤差拡散、及びフレームレートコントロールなどによって、12ビットのサブフレームデータを生成する。そして、ステップビットパルスによって、12駆動階調で各画素を駆動する。この場合も同様の効果を得ることができる。
なお、上記の説明では、RGBの順番で時分割駆動を行っているが、駆動する順番はRGBに限られるものではない。もちろん、RGB以外の発光色を有する光源を用いてもよい。さらには、RGBに加えて他の発光色の光源を用いてもよい。
本発明は、色割れの少ない小型あるいは低コストなプロジェクタに応用することができ
る。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。