JP2014115143A - 熱中性子吸収材料及びそのコーティング方法 - Google Patents

熱中性子吸収材料及びそのコーティング方法 Download PDF

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文代 佐々木
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裕 石渡
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義紀 片山
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敏之 藤田
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Abstract

【課題】熱中性子を十分に吸収し、例えば溶融炉心の解体作業中に再臨界状態の発生を防止することが可能な熱中性子吸収材料を提供する。
【解決手段】熱中性子吸収材料は、熱中性子吸収断面積が100バーン以上の粒子状の熱中性子吸収材と、前記熱中性子吸収剤の表面に被覆された樹脂層とで構成され、溶融炉心の解体作業時の再臨界防止用や、燃料保管容器のコーティングに利用される。特に、熱中性子吸収材には酸化ガドリニウムや炭化ホウ素が適している。
【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、熱中性子吸収材料及びそのコーティング方法に関する。
原子力発電所におけるシビアアクシデントでは冷却材による炉心の冷却が不足し、炉心溶融が生じるような事象が想定される。原子炉が停止した状態であっても炉心溶融により燃料の形状が変化することにより原子炉が再び臨界となる「再臨界」事象は、原子炉圧力容器や格納容器、原子炉建屋の損傷を引き起こし、放射性物質の環境への放出につながる可能性がある。したがって再臨界を防ぐことは放射性物質の閉じ込めの観点から重要である。
一方、シビアアクシデントにより炉心溶融が生じた場合は、冷温停止後に圧力容器、格納容器から溶融炉心を搬出してキャスク等の長期保管容器内に密閉する必要がある。しかしながら、溶融炉心は圧力容器や格納容器と溶融・反応して一体化していることが想定され、大きさ及び重量的に炉内で切断・分割して搬出することになる可能性が高い。このような場合、圧力容器や格納容器の一部は水で満たされていると考えられ、溶融炉心の切断は水に浸された状態で行う可能性が高くなる。
また、冷温停止状態においても極小規模の核***は起こっていると考えられ、核***で発生する高速中性子は水によって減速され、核***を起こし易い熱中性子に変換される。したがって、溶融炉心の切断面が水と接触することによって熱中性子が生成され、核***反応が活発化して再臨界になることも想定され、このような事態を防止することが重要である。
再臨界防止方法として、溶融炉心に孔を明けて、熱中性子吸収材を設置する方法が考えられているが、この方法では熱中性子の吸収効果が局所に限定されるため、広範囲に亘り効果的に核***反応を抑制することは困難である。また、上述のように、溶融炉心は格納容器及び圧力容器と一体化していることが想定され、溶融炉心の位置、大きさ及び形状の確定が困難であるために、熱中性子吸収材の設置場所を特定できないことも想定される。
このようなことをかんがみて、例えば直径0.2〜2mmの球状の鉛粉の表面にホウ化物をコーティングしてなる放射線遮蔽材が開示されている。この放射線遮蔽材は、織布、不織布もしくは樹脂フィルムからなる袋の中に入れたり、放射線遮蔽材と樹脂とを混合して煉瓦状や板状等の任意の形状に成形したり、放射線遮蔽材と樹脂とを混合した後で射出可能な容器に収容するようにして用いる。
特開2011−7510号
しかしながら、上記放射線遮蔽材は鉛を用いているために、中性子を遮蔽・吸収することができず、被覆材であるほう化物では体積的に効果的な中性子吸収効果は期待できない。また、金属基材の表面に金属アルミニウム粉末と炭化ホウ素(BC)粉末とを溶射によりコーティングする方法が提案されているが、炭化ホウ素は溶融温度に達する前に熱で分解してしまうので、炭化ホウ素による中性子遮蔽・吸収の効果は期待できない。
本発明は、上述した問題に鑑み、熱中性子を十分に吸収し、例えば溶融炉心の解体作業中に再臨界状態の発生を防止することが可能な熱中性子吸収材料を提供することを目的とする。
実施形態の熱中性子吸収材料は、熱中性子吸収断面積が100バーン以上の粒子状の熱中性子吸収材と、前記熱中性子吸収剤の表面に被覆された樹脂層と、を備える。
本発明によれば、熱中性子を十分に吸収し、例えば溶融炉心の解体作業中に再臨界状態の発生を防止することができる。
実施形態における熱中性子吸収材料の製造装置の概略構成を示す図である。 実施形態における他の熱中性子吸収材料の製造装置の概略構成を示す図である。 実施形態における熱中性子吸収材料のコーティング装置の概略構成を示す図である。
(熱中性子吸収材料)
本実施形態の熱中性子吸収材料は、熱中性子吸収断面積が100バーン以上の粒子状の熱中性子吸収材を含むことが必要である。
本発明者らは、様々な金属材料や化合物について熱中性子の吸収特性や物性を調査した結果、熱中性子吸収材として、熱中性子吸収断面積の大きい材料、具体的には、100バーン以上の熱中性子吸収断面積を有する材料が効果的に熱中性子を吸収できることを見出した。
このような材料としては、ホウ素(759)、ロジウム(155)、カドミウム(2450)、インジウム(194)、サマリウム(5800)、ユーロピウム(4300)、ガドリニウム(46000)、ジスプロシウム(940)及びエルビウム(160)(括弧内の数値は熱中性子吸収断面積(バーン)を表わす)である。
これらの中でも安全性、入手性及びコスト等の観点から、ガドリニウム及びホウ素を用いることが好ましい。但し、ガドリニウム及びホウ素は化学的に不安定であるので、一般には酸化ガドリニウム(ガドリア:Gd)及び炭化ホウ素(BC)の形態で用いる。これらは単独で用いることもできるし、熱中性子吸収材には、熱中性子を吸収するに際し、好ましいエネルギー帯域(エネルギースペクトル範囲)があるとされているので、上述した熱中性子吸収材を組み合わせて用いることもできる。
ホウ素は、質量数が10の10Bと質量数が11の11Bがあるが、11Bはほとんど熱中性子を吸収しない。一方、自然界に存在するホウ素は圧倒的に11Bであるので、ホウ素すなわち炭化ホウ素を熱中性子吸収材料として用いる場合は、10Bを濃縮させ、例えば90原子%以上まで濃縮させた後に、炭化ホウ素とすることが好ましい。なお、濃縮方法は、化学交換蒸留法等、汎用の方法を用いて行うことができる。
また、本実施形態の熱中性子吸収材料は、上記熱中性子吸収材の表面を樹脂層で被覆することが必要である。
上述した酸化ガドリニウムは融点が2330℃と高く、所定の部材に対してコーティングするために使用できる方法がスパッタリング法や電子ビーム蒸着法、プラズマ溶射法等に限られてしまう。スパッタリング法や電子ビーム蒸着法等は、圧力容器や格納容器と溶融炉心との一体化物、あるいはこの一体化物を切断及び分割した部材のような大型の部材に対するコーティング法としては不適切である。また、上記手法を用いた装置は大型であるため、原子炉内に搬入することも極めて困難である。
したがって、酸化ガドリニウムを部材にコーティングするに際しては、比較的小型の装置を使用するコールドスプレー法やプラズマ溶射法を除く溶射法を用いることが考えられる。しかしながら、酸化ガドリニウムは延性に劣るため、塑性変形を利用してコーティングを行うコールドスプレー法もあまり適した方法ではない。また、酸化ガドリニウムの融点が極めて高いために溶射法も多量のエネルギーを必要とし、コーティングコストが増大するとともに、安定したコーティングを行うことができない。
また、炭化ホウ素の融点も2450℃と高く、酸化ガドリニウムの場合と同様に、使用できるコーティング手法は、スパッタリング法や電子ビーム蒸着法、プラズマ溶射法等に限られてしまうが、酸化ガドリニウムの場合と同様にこれら手法は炭化ホウ素のコーティング手法としては不適当である。
したがって、コールドスプレー法やプラズマ溶射法を除く溶射法を用いることが考えられるが、炭化ホウ素は融点近傍で分解してしまうため、溶射法を用いた場合は、上述した炭化ホウ素の分解によって所定の部材に対して炭化ホウ素のコーティングを行うことができない。また、炭化ホウ素も、酸化ガドリニウムと同様に延性に劣るため、塑性変形を利用してコーティングを行うコールドスプレー法もあまり適した方法ではない。
しかしながら、本実施形態では、熱中性子吸収材の表面を樹脂層で覆っているので、上述したコールドスプレー法や塗布法を用いて、熱中性子吸収材である酸化ガドリニウム及び炭化ホウ素の、部材に対するコーティングを行うことができる。
すなわち、樹脂層は、酸化ガドリニウムや炭化ホウ素と比較すると融点が低く、また塑性変形し易い。したがって、コールドスプレー法を用いた場合は、表面の樹脂層が塑性変形して膜状となるので、樹脂被覆層中に粒子状の酸化ガドリニウム及び炭化ホウ素が分散するようになる。したがって、所定の部材に対しては、いわゆる樹脂被覆層をマトリックス層として粒子状の酸化ガドリニウム及び炭化ホウ素が分散した、いわばグラニュラー膜のような態様で熱中性子吸収材料のコーティングを行うことが可能となる。
また、塗布法を用いた場合は、表面の樹脂層が溶媒中に溶融あるいは分散した溶液を得、これを所定の部材に対して塗布する。したがって、上記同様に、部材に対しては、いわゆる樹脂被覆層をマトリックス層として粒子状の酸化ガドリニウム及び炭化ホウ素が分散した、いわばグラニュラー膜のような態様で熱中性子吸収材料のコーティングを行うことが可能となる。
なお、上述したコールドスプレー法や塗布法は、本実施形態の熱中性子吸収材料をコーティングするのに好ましい手法を例示したに過ぎず、本実施形態の熱中性子吸収材料を所定の部材に対してコーティングすることができれば、他のコーティング手法を用いてもよい。
この場合、熱中性子吸収剤を被覆する樹脂層は、汎用の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱硬化性樹脂は、熱を加えると硬化する性質があり、熱を加えて固めてしまえば再び熱を加えても溶け難く、熱による変形が少ないことが特徴として挙げられる。このため、例えば上記構成の熱中性子吸収材料を溶融炉心にコーティングする場合、例えば溶融炉心の熱を利用して上記熱中性子吸収剤を簡便に硬化させてコーティングすることができる。
熱可塑性樹脂は、熱を加えると化学反応を起こすことなく軟化して冷却することにより再び固化する性質があり、この現象は加熱と冷却を繰り返すことにより可逆的に起こすことが可能であるということが特徴として挙げられる。このため、上記構成の熱中性子吸収材料を溶融炉心にコーティングする場合、例えば溶融炉心の熱で軟化して形状変化を起こし、基材への接触が密になる。また、基材へのコーティング方法についても、熱の履歴による影響を受け難いため、例えばコールドスプレーに適している。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性イミドなどを挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂などを挙げることができる。
(熱中性子吸収材料の製造方法)
次に、本実施形態の熱中性子吸収材料の製造方法について説明する。
図1は、本実施形態の熱中性子吸収材料の製造方法の説明図である。熱中性子吸収材料を製造するに際しては、ステンレス製の密閉容器(ドラム)11と、容器11内に投入されたステンレス鋼製のボール12と、容器11を揺動及び回転させるローラ13とを有する製造装置10を用い、容器11内に上述した要件を満足する熱中性子吸収材16及び樹脂層の原料となる樹脂粒子17とを入れる。なお、樹脂粒子17の酸化防止のために、容器11内にはアルゴン等の不活性ガスを充填させておくことが好ましい。
上述した状態で、ローラ13を図示しないモータ等で回転させ、容器11を揺動及び/又は回転させる。すると、熱中性子吸収材16及びボール12に挟まれた樹脂粒子17が薄片状に変形し、熱中性子吸収材16の表面に凝着し、層状となる。なお、容器11の大きさ(体積)、ボール12の大きさ(体積)及びローラ13による揺動、回転等の諸条件は、適宜に設定する。
なお、本実施形態における製造方法においては、熱中性子吸収材16の粒子径をDとし、樹脂粒子17の粒子径をdとした場合に、d/Dが1/50以上1/5以下、好ましくは1/20以上1/10以下とする。この場合、熱中性子吸収材16の表面に形成された樹脂層の厚さが均一となる
なお、上述した下限値は、主として樹脂粒子17の製造コスト、所定の厚さの樹脂層を得るのに必要な処理時間及び取扱の容易性から決定づけられるものである。すなわち、微粉の樹脂粒子は製造が容易でないので製造コストが高くなるとともに、所定の厚さを得るためには多くの樹脂粒子を付着させる必要があり処理時間が長くなる。また、ハンドリングの際に飛散してしまう可能性が大きくなるので、取扱が煩雑となる。
図2は、本実施形態の熱中性子吸収材料の製造方法の他の説明図である。なお、図1に示す構成要素と同一あるいは類似の構成要素は同じ符号を用いている。
熱中性子吸収材料を製造するに際しては、ステンレス製の密閉容器(ドラム)11と、容器11内に投入されたステンレス鋼製の撹拌翼18とを有する製造装置10’を用い、容器11内に上述した要件を満足する熱中性子吸収材16及び樹脂原料17’とを入れる。そして、撹拌翼18によって、熱中性子吸収材16及び樹脂原料17’を混練することにより、樹脂原料17’中に熱中性子吸収材16が分散してなるグラニュラー膜状の熱中性子吸収材料を得ることができる。なお、樹脂原料17’の酸化防止のために、容器11内にはアルゴン等の不活性ガスを充填させておくことが好ましい。
本実施形態における製造方法はあくまでも一例であり、上述した構成の熱中性子吸収材料が形成される限りにおいて、製造方法は特に限定されない。
(熱中性子吸収材料のコーティング方法)
次に、本実施形態の熱中性子吸収材料のコーティング方法について説明する。
図3は、本実施形態の熱中性子吸収材料のコーティング方法の説明図である。なお、本実施形態では、水中で溶融炉心に熱中性子吸収材料をコーティングする場合について説明する。上述したように、溶融炉心は、格納容器等と一体化していると考えられるが、本実施形態では、簡略化のため、このような一体化物も溶融炉心として扱うこととする。
本実施形態では、図3に示すように、コーティングチャンバー21と、コーティングチャンバー21の上面に配設されたガス導入配管22と、コーティングチャンバー21の上面中央部に配設されたコーティングガン23とを有するコーティング装置20を用いる。なお、ガス導入配管22の後方には、高圧ガスを供給するための図示しないボンベ及びレギュレータ等が配設されており、これらはガス導入配管22とともに高圧ガス供給手段を構成する。また、コーティングガン23の後方には熱中性子吸収材料Mをコーティングガン23に供給するための供給ケーブル24が配設されている。
熱中性子吸収材料Mの溶融炉心Oへのコーティングは、図3に示すコーティング装置20を溶融炉心Oが浸漬して存在している水中W内に投入し、ガス導入配管22から例えば高圧の大気またはAr、He、N等の不活性ガスGをコーティングチャンバー21内に導入し、コーティングチャンバー21と溶融炉心Oとの間に存在する水Wを排除する。
一方、このような状態において、熱中性子吸収材料Mを供給ケーブル24からコーティングガン23に供給し、コーティングガン23から熱中性子吸収材料Mを溶融炉心Oに向けて噴出させ、溶融炉心Oの表面に熱中性子吸収材料Mからなる層Sを形成する。これによって、層Sにより溶融炉心Oから放出される熱中性子を吸収することができる。
コーティング装置20は、例えば図示しない多軸のロボットアームに固定されており、コーティングチャンバー21と溶融炉心Oとの距離を一定に保つようにセンサで感知しながら水平方向、鉛直方向、必要に応じてチルトさせながら高範囲に亘って層Sを形成できるようになっている。
なお、コーティングガン23は、コールドスプレー法や溶射法を適用できるように構成することができる。
本実施形態におけるコーティング方法はあくまでも一例であり、上述した構成の熱中性子吸収材料Mの層Sが形成される限りにおいて、コーティング方法は特に限定されない。
また、上述したように、コーティング方法は、このような装置を用いることなく、塗布法を用い、表面の樹脂層が溶媒中に溶融あるいは分散した溶液を得、これを所定の部材に対して塗布してもよい。
(実施例1〜3)
本実施例では平均粒子径が22〜44μmの酸化ガドリニウム粒子(実施例1)、炭化ホウ素粒子(実施例2)、又は濃縮炭化ホウ素粒子(濃縮度90%)(実施例3)と、エポキシ樹脂とを、図2に示すような装置を用いて混練し、上記酸化ガドリニウム粒子等がエポキシ樹脂中に分散した熱中性子吸収材料を製造し、それぞれコールドスプレー、塗布法の2種類のプロセスについて炭素鋼基材へのコーティング試験を行った。塗布法は、エポキシ樹脂の硬化剤を用いた場合と、基材を140〜170℃の温度に加熱した場合の2通りについて行った。
なお、コールドスプレーの場合はメッシュにより分級し平均粒子径が約20μmのものを用いた。比較例として、樹脂被覆を行わなかった上記酸化ガドリニウム粒子(比較例1)及び炭化ホウ素粒子(比較例2)についても同様な試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例4〜6)
本実施例では、エポキシ樹脂に代えてフェノール樹脂を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして、酸化ガドリニウム粒子(実施例4)、炭化ホウ素粒子(実施例5)、及び濃縮炭化ホウ素粒子(濃縮度90%)(実施例6)の表面に、図1に示すような装置を用いてフェノール樹脂の被覆を行い、コールドスプレー、塗布法の2種類のプロセスについて炭素鋼基材へのコーティング試験を行った。但し、塗布法の溶剤にはヘキサンを用いた。結果を表1に示す。
(実施例7〜9)
本実施例では、エポキシ樹脂に代えてポリプロピレン樹脂を用いた以外は、実施例1〜3と同様にして、酸化ガドリニウム粒子(実施例7)、炭化ホウ素粒子(実施例8)、及び濃縮炭化ホウ素粒子(濃縮度90%)(実施例9)の表面に、図1に示すような装置を用いてポリプロピレン樹脂の被覆を行い、コールドスプレー、塗布法の2種類のプロセスについて炭素鋼基材へのコーティング試験を行った。但し、塗布法の溶剤にはヘキサンを用いた。結果を表1に示す。
Figure 2014115143
表1から明らかなように、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリプロピレン樹脂を被覆した酸化ガドリニウム粒子、炭化ホウ素粒子、及び濃縮炭化ホウ素粒子はいずれのコーティングプロセスでも良好な皮膜が形成されたが、炭化ホウ素粒子及び濃縮炭化ホウ素粒子については、いずれのコーティングプロセスにおいても皮膜は形成されなかった。しかしながら、樹脂被覆をした場合は、いずれの方法においても皮膜として形成できるので、溶融炉心に対して形成した場合において、当該溶融炉心から放出される熱中性子を吸収できることが分かる。
但し、酸化ガドリニウム粒子の場合は、コールドスプレー法において多孔質となる傾向があり、炭化ホウ素粒子及び濃縮炭化ホウ素粒子の場合は、塗布法において多孔質となる傾向があった。しかしながら、例えば被覆する樹脂量を最適化することにより連続した膜となることが考えられる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述した具体例では、熱中性子吸収材料を溶融炉心に対してコーティングすることについて述べてきたが、燃料解体用機器の保護や、燃料保管用の容器等の金属部材に対してコーティングし、このような金属部材が熱中性子によって汚染されるのを防止することもできる。
10,10’製造装置
11 密閉容器
12 ボール
13 ローラ
18 撹拌機
20 コーティング装置
21 コーティングチャンバー
22 ガス導入配管
23 コーティングガン
24 熱中性子吸収材料の供給ケーブル

Claims (8)

  1. 熱中性子吸収断面積が100バーン以上の粒子状の熱中性子吸収材と、
    前記熱中性子吸収剤の表面に被覆された樹脂層と、
    を具えることを特徴とする、熱中性子吸収材料。
  2. 前記樹脂層は、熱硬化性樹脂層であることを特徴とする、請求項1に記載の熱中性子吸収材料。
  3. 前記樹脂層は、熱可塑性樹脂層であることを特徴とする、請求項1に記載の熱中性子吸収材料。
  4. 前記熱中性子吸収材は酸化ガドリニウム及び炭化ホウ素の少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1〜3に記載の熱中性子吸収材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一に記載の熱中性子吸収材料のコーティング方法であって、
    前記熱中性子吸収材料をコールドスプレー法又は塗布法によって所定の部材の表面にコーティングすることを特徴とする、熱中性子吸収材料のコーティング方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一に記載の熱中性子吸収材料のコーティング方法であって、
    コーティングチャンバー、当該コーティングチャンバーの上面に配設された高圧ガス供給手段及び前記上面に配設されたコーティングガンを具えたコーティング装置を用い、前記高圧ガス供給手段から高圧ガスを供給し、前記コーティングガンと所定の部材との間に介在する水を排除しながら、前記コーティングガンより前記熱中性子吸収材料を前記部材の表面に供給し、コーティングすることを特徴とする、熱中性子吸収材料のコーティング方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一に記載の熱中性子吸収材料でコーティングされたことを特徴とする、金属部材。
  8. 請求項1〜4のいずれか一に記載の熱中性子吸収材料のコーティング装置であって、
    コーティングチャンバー、当該コーティングチャンバーの上面に配設された高圧ガス供給手段及び前記上面に配設されたコーティングガンを具えたことを特徴とするコーティング装置。
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