JP2014109345A - 駆動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】組付作業時にスプリングリテーナがピストンから脱落することを防止して、組付作業性の向上を図ることができる駆動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】ピストン82をリターン方向に付勢するコイルスプリング84bを備えたスプリングリテーナ84と、このスプリングリテーナ84とピストン82のアーム部材822との間に設けられ、スプリングリテーナ84とピストン82のアーム部材822とを、コイルスプリング84bの付勢方向と平行な方向に相対移動可能であるとともに、この相対移動量が設定量を超えると係合して両者の相対移動を規制する係合部材84cと、を備えていることを特徴とする駆動力伝達装置とした。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両駆動系などに適用される駆動力伝達装置に関する。
従来、ハイブリッド駆動力伝達装置に適用されて、駆動力の伝達を段接するクラッチを備えた駆動力伝達装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この駆動力伝達装置は、クラッチドラムとクラッチハブとの間に設けられた多板クラッチを締結するために押圧するピストンを備え、かつ、ピストンには、このピストンを多板クラッチの開放側である初期位置に戻すスプリングリテーナが着座されている。このスプリングリテーナは、スプリング本体と円環板状のリテーナ部材とにより形成されている。
この駆動力伝達装置は、クラッチドラムとクラッチハブとの間に設けられた多板クラッチを締結するために押圧するピストンを備え、かつ、ピストンには、このピストンを多板クラッチの開放側である初期位置に戻すスプリングリテーナが着座されている。このスプリングリテーナは、スプリング本体と円環板状のリテーナ部材とにより形成されている。
しかしながら、上述の従来の駆動力伝達装置は、スプリングリテーナとピストンとが別体であるため、組立工程で、スプリングリテーナとピストンとがばらばらになることがあり、組立作業性に問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、組付作業時にスプリングリテーナがピストンから脱落することを防止して、組付作業性の向上を図ることができる駆動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
ピストンをリターン方向に付勢スプリングを備えたスプリングリテーナと、
このスプリングリテーナと前記ピストンとの間に設けられ、前記スプリングリテーナと前記ピストンとの前記スプリングの付勢方向と平行な方向の相対移動量が設定量を超えると係合して両者の相対移動を規制する係合部材と、
を備えていることを特徴とする駆動力伝達装置とした。
ピストンをリターン方向に付勢スプリングを備えたスプリングリテーナと、
このスプリングリテーナと前記ピストンとの間に設けられ、前記スプリングリテーナと前記ピストンとの前記スプリングの付勢方向と平行な方向の相対移動量が設定量を超えると係合して両者の相対移動を規制する係合部材と、
を備えていることを特徴とする駆動力伝達装置とした。
本発明の駆動力伝達装置では、ピストンに対して、スプリングリテーナの軸方向の設定量を超える移動が係合部材により規制される。
よって、組付作業時において、ピストンにスプリングリテーナを組み付けた後に、ピストンを移動させた際に、スプリングリテーナに位置ずれや脱落などの不具合が生じるのを防止できる。
これにより、係合部材を設けないものと比較して、組付作業性の向上を図ることができる。
よって、組付作業時において、ピストンにスプリングリテーナを組み付けた後に、ピストンを移動させた際に、スプリングリテーナに位置ずれや脱落などの不具合が生じるのを防止できる。
これにより、係合部材を設けないものと比較して、組付作業性の向上を図ることができる。
以下、本発明の駆動力伝達装置を実施するための形態を、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず、構成を説明する。
実施の形態1の駆動力伝達装置を備えたハイブリッド駆動力伝達装置の構成を、「全体構成」、「モータ&クラッチユニットの構成」に分けて説明する。
(実施の形態1)
まず、構成を説明する。
実施の形態1の駆動力伝達装置を備えたハイブリッド駆動力伝達装置の構成を、「全体構成」、「モータ&クラッチユニットの構成」に分けて説明する。
[全体構成]
図1は、実施の形態1のハイブリッド駆動力伝達装置(駆動力伝達装置の一例)を示す全体概略図である。以下、図1に基づき装置の全体構成を説明する。
図1は、実施の形態1のハイブリッド駆動力伝達装置(駆動力伝達装置の一例)を示す全体概略図である。以下、図1に基づき装置の全体構成を説明する。
実施の形態1のハイブリッド駆動力伝達装置は、図1に示すように、エンジンEng(駆動源)と、モータ&クラッチユニットM/Cと、変速機ユニットT/Mと、エンジン出力軸1と、クラッチハブ軸2と、クラッチハブ3と、クラッチドラム軸4と、変速機入力軸5と、クラッチドラム6と、乾式多板クラッチ(クラッチ)7と、スレーブシリンダー8と、モータ/ジェネレータ9と、を備えている。
なお、乾式多板クラッチ7の締結・開放を油圧制御するスレーブシリンダー8は、一般に「CSC(Concentric Slave Cylinderの略)」と呼ばれる。
なお、乾式多板クラッチ7の締結・開放を油圧制御するスレーブシリンダー8は、一般に「CSC(Concentric Slave Cylinderの略)」と呼ばれる。
実施の形態1のハイブリッド駆動力伝達装置は、ノーマルオープンである乾式多板クラッチ7を開放したとき、モータ/ジェネレータ9と変速機入力軸5を、クラッチドラム6とクラッチドラム軸4を介して連結し、「電気自動車走行モード」とする。そして、乾式多板クラッチ7をスレーブシリンダー8により油圧締結したとき、エンジンEngとモータ/ジェネレータ9を、エンジン出力軸1とクラッチハブ軸2を、ダンパー21を介して連結する。そして、クラッチハブ3とクラッチドラム6を締結された乾式多板クラッチ7を介して連結し、「ハイブリッド車走行モード」とする。
モータ&クラッチユニットM/Cは、乾式多板クラッチ7と、スレーブシリンダー8と、モータ/ジェネレータ9と、を有する。乾式多板クラッチ7は、エンジンEngに連結接続され、エンジンEngからの駆動力伝達を断接する。スレーブシリンダー8は、乾式多板クラッチ7の締結・開放を油圧制御する。モータ/ジェネレータ9は、乾式多板クラッチ7のクラッチドラム6の外周位置に配置され、変速機入力軸5との間で動力の伝達をする。
このモータ&クラッチユニットM/Cには、スレーブシリンダー8への第1クラッチ圧油路85を有するシリンダーハウジング81が、O−リング10によりシール性を保ちながら設けられている。
このモータ&クラッチユニットM/Cには、スレーブシリンダー8への第1クラッチ圧油路85を有するシリンダーハウジング81が、O−リング10によりシール性を保ちながら設けられている。
前記モータ/ジェネレータ9は、同期型交流電動機であり、クラッチドラム6と一体に
設けたロータ支持フレーム91と、ロータ支持フレーム91に支持固定され、永久磁石が埋め込まれたロータ92と、を有する。そして、ロータ92にエアギャップ93を介して配置され、シリンダーハウジング81に固定されたステータ94と、ステータ94に巻き付けられたステータコイル95と、を有する。なお、シリンダーハウジング81には、冷却水を流通させるウォータジャケット96が形成されている。
設けたロータ支持フレーム91と、ロータ支持フレーム91に支持固定され、永久磁石が埋め込まれたロータ92と、を有する。そして、ロータ92にエアギャップ93を介して配置され、シリンダーハウジング81に固定されたステータ94と、ステータ94に巻き付けられたステータコイル95と、を有する。なお、シリンダーハウジング81には、冷却水を流通させるウォータジャケット96が形成されている。
変速機ユニットT/Mは、モータ&クラッチユニットM/Cに連結接続され、変速機ハウジング41と、Vベルト式無段変速機機構42と、オイルポンプO/Pと、を有する。Vベルト式無段変速機機構42は、変速機ハウジング41に内蔵され、2つのプーリ間にVベルトを掛け渡し、ベルト接触径を変化させることにより無段階の変速比を得る。オイルポンプO/Pは、必要部位への油圧を作る油圧源であり、オイルポンプ圧を元圧とし、プーリ室への変速油圧やクラッチ・ブレーキ油圧、等を調圧する図外のコントロールバルブからの油圧を必要部位へ導く。この変速機ユニットT/Mには、さらに前後進切換機構43と、オイルタンク44と、エンドプレート45と、が設けられている。エンドプレート45は、第2クラッチ圧油路47(図2参照)を有する。
オイルポンプO/Pは、変速機入力軸5の回転駆動トルクを、チェーン駆動機構を介して伝達することでポンプ駆動する。チェーン駆動機構は、変速機入力軸5の回転駆動に伴って回転する駆動側スプロケット51と、ポンプ軸57を回転駆動させる被動側スプロケット52と、両スプロケット51,52に掛け渡されたチェーン53と、を有する。駆動側スプロケット51は、変速機入力軸5とエンドプレート45との間に介装され、変速機ハウジング41に固定されたステータシャフト54に対し、ブッシュ55を介して回転可能に支持されている。
そして、変速機入力軸5にスプライン嵌合すると共に、駆動側スプロケット51に対して爪嵌合する第1アダプタ56を介し、変速機入力軸5からの回転駆動トルクを伝達する。
そして、変速機入力軸5にスプライン嵌合すると共に、駆動側スプロケット51に対して爪嵌合する第1アダプタ56を介し、変速機入力軸5からの回転駆動トルクを伝達する。
[モータ&クラッチユニットの構成]
図2は、実施の形態1のハイブリッド駆動力伝達装置におけるモータ&クラッチユニットの構成を示す要部断面図であり、図3は、実施の形態1のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのピストン組立体を示す分解斜視図である。以下、図2及び図3に基づき、モータ&クラッチユニットM/Cの構成を説明する。
図2は、実施の形態1のハイブリッド駆動力伝達装置におけるモータ&クラッチユニットの構成を示す要部断面図であり、図3は、実施の形態1のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのピストン組立体を示す分解斜視図である。以下、図2及び図3に基づき、モータ&クラッチユニットM/Cの構成を説明する。
クラッチハブ3は、エンジンEngのエンジン出力軸1に連結される。このクラッチハブ3には、図2に示すように、乾式多板クラッチ7のドライブプレート71がスプライン結合により保持される。
クラッチドラム6は、変速機ユニットT/Mの変速機入力軸5に連結される。このクラッチドラム6には、図2に示すように、乾式多板クラッチ7のドリブンプレート72がスプライン結合により保持される。
乾式多板クラッチ7は、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間に、両面に摩擦フェーシング73,73を貼り付けたドライブプレート71と、ドリブンプレート72と、を交互に複数枚配列することで介装される。つまり、乾式多板クラッチ7を締結することで、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間でトルク伝達可能とし、乾式多板クラッチ7を開放することで、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間でのトルク伝達を遮断する。
前記スレーブシリンダー8は、乾式多板クラッチ7の締結・開放を制御する油圧アクチュエータであり、変速機ユニットT/M側とクラッチドラム6の間の位置に配置される。このスレーブシリンダー8は、図2に示すように、シリンダーハウジング81のシリンダー孔80に摺動可能に設けたピストン82と、シリンダーハウジング81に形成し、変速機ユニットT/Mにより作り出したクラッチ圧を導く第1クラッチ圧油路85と、第1クラッチ圧油路85に連通するシリンダー油室86と、を有する。
ピストン82は、受圧部材821とアーム部材822とニードルベアリング823と、を備えている。
受圧部材821は、シリンダー油室86の油圧を受圧し、シリンダー孔80を軸方向であって、図において右方向に摺動する。
受圧部材821は、シリンダー油室86の油圧を受圧し、シリンダー孔80を軸方向であって、図において右方向に摺動する。
アーム部材822は、 受圧部材821が受圧した油圧による押圧力により乾式多板クラッチ7を締結方向に押圧するもので、円盤状のアームボディ822aと、クラッチドラム6の縦壁61に形成した貫通孔61aを貫通するアーム突条822bと、を備えている。
ニードルベアリング823は、受圧部材821とアーム部材822との間に介装され、受圧部材821がアーム部材822の回転に伴って連れ回るのを抑制している。
また、ピストン82のアーム部材822のアームボディ822aとクラッチドラム6の縦壁61との間に、スプリングリテーナ84が介装されている。
スプリングリテーナ84は、図3に示すように、薄板リング状に形成したリテーナ部材84aと、このリテーナ部材84aに保持された複数個のコイルスプリング84bと、により構成されている。
スプリングリテーナ84は、図3に示すように、薄板リング状に形成したリテーナ部材84aと、このリテーナ部材84aに保持された複数個のコイルスプリング84bと、により構成されている。
コイルスプリング84bは、ピストン82のアーム部材822の乾式多板クラッチ7側の面である表面822d側の支持溝822cに着座されている。
リテーナ部材84aの外周縁部には、図3および図4に示す係合部材84cが一体に形成されている。係合部材84cは、リテーナ部材84aの周方向の複数箇所に設けられており、本実施の形態1では、3箇所に周方向に等間隔で配置されているものとする。
係合部材84cは、軸方向片84dと係合片84eとを備えている。
軸方向片84dは、リテーナ部材84aの外周であって、ピストン82のアーム部材822の外周よりも外径方向の位置に沿って、コイルスプリング84bの付勢方向である軸方向(図2において左方向)に延在されている。そして、軸方向片84dの先端部は、ピストン82のアーム部材822の外周の裏面822e側の位置に配置されている。
軸方向片84dは、リテーナ部材84aの外周であって、ピストン82のアーム部材822の外周よりも外径方向の位置に沿って、コイルスプリング84bの付勢方向である軸方向(図2において左方向)に延在されている。そして、軸方向片84dの先端部は、ピストン82のアーム部材822の外周の裏面822e側の位置に配置されている。
係合片84eは、軸方向片84dの先端から内径方向に折曲され、その先端位置が、ピストン82のアーム部材822の外周と径方向にラップする位置に配置されている。
そして、図4に示すように、軸方向片84dは、ピストン82のアーム部材822の外周との間に第1径方向クリアランスCL1が確保されているとともに、クラッチドラム6の内周との間に第2径方向クリアランスCL2が確保されている。
また、係合片84eは、コイルスプリング84bが伸び切った状態で、ピストン82のアーム部材822の裏面822eとの間に、軸方向クリアランスCL3が確保されている。したがって、スプリングリテーナ84は、ピストン82のアーム部材822に対し、コイルスプリング84bが伸び切った初期位置から軸方向クリアランスCL3だけ相対変位すると、係合片84eがアームボディ822aの裏面822eに係合し、それ以上の相対変位が規制される。さらに、軸方向クリアランスCL3は、支持溝822cの軸方向の深さ寸法よりも短い寸法に設定されている。
また、係合片84eは、コイルスプリング84bが伸び切った状態で、ピストン82のアーム部材822の裏面822eとの間に、軸方向クリアランスCL3が確保されている。したがって、スプリングリテーナ84は、ピストン82のアーム部材822に対し、コイルスプリング84bが伸び切った初期位置から軸方向クリアランスCL3だけ相対変位すると、係合片84eがアームボディ822aの裏面822eに係合し、それ以上の相対変位が規制される。さらに、軸方向クリアランスCL3は、支持溝822cの軸方向の深さ寸法よりも短い寸法に設定されている。
そして、ピストン82のアーム部材822のアーム突条822bと乾式多板クラッチ7との間には、図2に示すように、アーム圧入プレート88が介装されている。
アーム圧入プレート88は、蛇腹弾性支持部材89,89と一体に設けられ、蛇腹弾性支持部材89,89の内周部と外周部がクラッチドラム6に圧入固定されている。このアーム圧入プレート88と蛇腹弾性支持部材89,89により、ピストン82側からのリーク油が乾式多板クラッチ7へ流れ込むのを遮断する。つまり、クラッチドラム6のピストンアーム取り付け位置に密封固定されたアーム圧入プレート88及び蛇腹弾性支持部材89により、スレーブシリンダー8を配置したウェット空間と、乾式多板クラッチ7を配置したドライ空間を分ける仕切り機能を持たせている。
アーム圧入プレート88は、蛇腹弾性支持部材89,89と一体に設けられ、蛇腹弾性支持部材89,89の内周部と外周部がクラッチドラム6に圧入固定されている。このアーム圧入プレート88と蛇腹弾性支持部材89,89により、ピストン82側からのリーク油が乾式多板クラッチ7へ流れ込むのを遮断する。つまり、クラッチドラム6のピストンアーム取り付け位置に密封固定されたアーム圧入プレート88及び蛇腹弾性支持部材89により、スレーブシリンダー8を配置したウェット空間と、乾式多板クラッチ7を配置したドライ空間を分ける仕切り機能を持たせている。
アーム圧入プレート88は、図2に示すように、アーム部材822のアーム突条822bに圧入固定される。そして、アーム圧入プレート88の内側と外側に蛇腹弾性支持部材89,89を一体に有する。
実施の形態1のリーク油回収油路は、図2に示すように、第1ベアリング12と、第1シール部材31と、リーク油路32と、第1回収油路33と、第2回収油路34と、を備えている。すなわち、ピストン82の摺動部からのリーク油を、第1シール部材31により密封された第1回収油路33及び第2回収油路34を経過し、変速機ユニットT/Mに戻す回路である。これに加えて、アーム部材822の摺動部からのリーク油を、仕切り弾性部材(アーム圧入プレート88、蛇腹弾性支持部材89,89)により密封されたリーク油路32と、第1シール部材31により密封された第1回収油路33及び第2回収油路34を経過し、変速機ユニットT/Mに戻す回路である。
実施の形態1のベアリング潤滑油路は、図2に示すように、ニードルベアリング20と、第2シール部材14と、第1軸心油路19と、第2軸心油路18と、潤滑油路16と、隙間17と、を備えている。このベアリング潤滑油路は、変速機ユニットT/Mからのベアリング潤滑油を、ニードルベアリング20と、シリンダーハウジング81に対しクラッチドラム6を回転可能に支持する第1ベアリング12と、ピストン82とアーム部材822との間に介装されたニードルベアリング823と、を通過し、変速機ユニットT/Mへ戻す経路によりベアリング潤滑を行う。
第2シール部材14は、図2に示すように、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間に介装している。この第2シール部材14により、スレーブシリンダー8を配置したウェット空間から、乾式多板クラッチ7を配置したドライ空間へとベアリング潤滑油が流れ込むのをシールしている。
次に、実施の形態1の作用を説明する。
実施の形態1の作用を説明するのにあたり、クラッチ組付工程における作業の一部およびクラッチ締結時の作業について説明する
(組付工程)
クラッチの製造工程において、ピストン82のアーム部材822にスプリングリテーナ84を組み付け、アッセンブリ状態としたものに、乾式多板クラッチ7などの組み付けを行う。
図5はその作業の一部を示したものである。
この組み付けにおいて、予めクラッチドラム軸4を結合させたクラッチドラム6に、ピストン82のアーム部材822およびスプリングリテーナ84を組み付ける。この場合、まず、図5(a)に示すように、クラッチドラム6を、ピストン82を組み付ける側が上になるようにして、軸方向を上下方向に向ける。
実施の形態1の作用を説明するのにあたり、クラッチ組付工程における作業の一部およびクラッチ締結時の作業について説明する
(組付工程)
クラッチの製造工程において、ピストン82のアーム部材822にスプリングリテーナ84を組み付け、アッセンブリ状態としたものに、乾式多板クラッチ7などの組み付けを行う。
図5はその作業の一部を示したものである。
この組み付けにおいて、予めクラッチドラム軸4を結合させたクラッチドラム6に、ピストン82のアーム部材822およびスプリングリテーナ84を組み付ける。この場合、まず、図5(a)に示すように、クラッチドラム6を、ピストン82を組み付ける側が上になるようにして、軸方向を上下方向に向ける。
そして、スプリングリテーナ84を組み付けたピストン82のアーム部材822を、クラッチドラム6に載置する。
あるいは、スプリングリテーナ84を、クラッチドラム6と同軸に配置して縦壁61に載置し、アーム部材822を、その上方から、クラッチドラム6に差し込む。
上記のいずれの手順であっても、アーム部材822は、スプリングリテーナ84の係合部材84cの軸方向片84dを外径方向へ弾性変形させながら、係合片84eを乗り越えさせて、アーム突条822bを、縦壁61の貫通孔61aに挿通させる。なお、スプリングリテーナ84の組み付け後に、アーム部材822を組み付ける場合、係合片84eは、アーム部材822に組付後に、軸方向片84dの先端を折曲させて形成することもできる。
あるいは、スプリングリテーナ84を、クラッチドラム6と同軸に配置して縦壁61に載置し、アーム部材822を、その上方から、クラッチドラム6に差し込む。
上記のいずれの手順であっても、アーム部材822は、スプリングリテーナ84の係合部材84cの軸方向片84dを外径方向へ弾性変形させながら、係合片84eを乗り越えさせて、アーム突条822bを、縦壁61の貫通孔61aに挿通させる。なお、スプリングリテーナ84の組み付け後に、アーム部材822を組み付ける場合、係合片84eは、アーム部材822に組付後に、軸方向片84dの先端を折曲させて形成することもできる。
上記のようにスプリングリテーナ84の組み付け時には、軸方向片84dとクラッチドラム6との間には、第2径方向クリアランスCL2が確保されているため、このクリアランスを確保していないものと比較して、スプリングリテーナ84の移動がスムーズに行われる。
加えて、このクリアランスを充分に確保していないものでは、軸方向片84dがクラッチドラム6に当接して、リテーナ部材84aがクラッチドラム6に対して正規の位置から軸方向にずれて配置され、コイルスプリング84bがセット値以上に短縮された状態となるおそれがある。それに対し、本実施の形態1では、第2径方向クリアランスCL2を確保しているため、リテーナ部材84aを正規の位置に配置し、コイルスプリング84bのセット値を確保できる。
加えて、このクリアランスを充分に確保していないものでは、軸方向片84dがクラッチドラム6に当接して、リテーナ部材84aがクラッチドラム6に対して正規の位置から軸方向にずれて配置され、コイルスプリング84bがセット値以上に短縮された状態となるおそれがある。それに対し、本実施の形態1では、第2径方向クリアランスCL2を確保しているため、リテーナ部材84aを正規の位置に配置し、コイルスプリング84bのセット値を確保できる。
さらに、ピストン82のアーム部材822の内周にクラッチドラム軸4を同軸に挿通させて1つの部品組付体(アッセンブリ)Aを形成する。そして、この部品組付体Aに対し、図5(a)に示す、作業用治具100を上方から組み付ける。この組付は、作業用治具100の差し込み部101の外周をクラッチドラム6の内周に嵌め合わせるとともに、差し込み部101の軸心に形成された嵌合穴102の内周にクラッチドラム軸4の外周を嵌め合わせる。これにより、ピストン82のアーム部材822、クラッチドラム6およびクラッチドラム軸4は、作業用治具100に固定された状態となる。
次に、このアッセンブリを、上下に180度向きを変えて図5(b)の状態とする。
そして、図5(b)に示す部品組付体Aのクラッチドラム6に対し、上方から乾式多板クラッチ7などを組み付ける。
なお、アーム圧入プレート88および蛇腹弾性支持部材89は、この図5(b)の状態としてからアーム部材822のアーム突状822bに組み付けてもよい。
あるいは、アーム圧入プレート88および蛇腹弾性支持部材89は、作業用治具100を組み付ける前の時点で、一旦、クラッチドラム6を横向きなどとして、アーム突条822bに嵌合させた後、図5(a)の向きとすることもできる。
そして、図5(b)に示す部品組付体Aのクラッチドラム6に対し、上方から乾式多板クラッチ7などを組み付ける。
なお、アーム圧入プレート88および蛇腹弾性支持部材89は、この図5(b)の状態としてからアーム部材822のアーム突状822bに組み付けてもよい。
あるいは、アーム圧入プレート88および蛇腹弾性支持部材89は、作業用治具100を組み付ける前の時点で、一旦、クラッチドラム6を横向きなどとして、アーム突条822bに嵌合させた後、図5(a)の向きとすることもできる。
以上の工程において、スプリングリテーナ84は、作業用治具100に固定状態のクラッチドラム6およびクラッチドラム軸4の間に保持されている。
したがって、図5(a)に示す部品組付体Aに作業用治具100を組み付ける際に、クラッチドラム6とクラッチドラム軸4の軸方向組付寸法精度が低いと、スプリングリテーナ84は、クラッチドラム6とクラッチドラム軸4との間で、軸方向に移動するおそれがある。
よって、このような場合に、部品組付体Aを、図5(a)の状態から図5(b)の状態へ、180度向きを変えたときに、スプリングリテーナ84が、アーム部材822から脱落したり、位置がずれた状態となったまま、誤組付けされたりするおそれがあった。
したがって、図5(a)に示す部品組付体Aに作業用治具100を組み付ける際に、クラッチドラム6とクラッチドラム軸4の軸方向組付寸法精度が低いと、スプリングリテーナ84は、クラッチドラム6とクラッチドラム軸4との間で、軸方向に移動するおそれがある。
よって、このような場合に、部品組付体Aを、図5(a)の状態から図5(b)の状態へ、180度向きを変えたときに、スプリングリテーナ84が、アーム部材822から脱落したり、位置がずれた状態となったまま、誤組付けされたりするおそれがあった。
それに対し、本実施の形態1では、スプリングリテーナ84が、ピストン82のアーム部材822に対し軸方向に変位した場合、軸方向クリアランスCL3を越える軸方向の変位は、係合部材84cの係合片84eがアーム部材822の裏面822e外周に係合し、それ以上の変位が規制される。また、スプリングリテーナ84がアーム部材822に対して径方向に変位した場合、第1径方向クリアランスCL1を越える径方向の変位は、係合部材84cの軸方向片84dがアーム部材822の外周に係合し、それ以上の変位が規制される。
よって、スプリングリテーナ84のアーム部材822からの脱落や位置ずれを防止できる。
よって、スプリングリテーナ84のアーム部材822からの脱落や位置ずれを防止できる。
(クラッチ締結時)
次に、乾式多板クラッチ7の締結時には、ピストン82は、スプリングリテーナ84のコイルスプリング84bを短縮させながら、図2において右方向へ移動し、乾式多板クラッチ7を押圧して締結させる。このとき、ピストン82では、アーム部材822が、スプリングリテーナ84の軸方向片84dに沿って軸方向へ移動するが、アーム部材822と軸方向片84dとの間には、第1径方向クリアランスCL1が確保されているため、この相対移動は、スムーズに成される。
また、乾式多板クラッチ7の解放時には、ピストン82は、スプリングリテーナ84のコイルスプリング84bの弾発力により初期位置に戻される。
次に、乾式多板クラッチ7の締結時には、ピストン82は、スプリングリテーナ84のコイルスプリング84bを短縮させながら、図2において右方向へ移動し、乾式多板クラッチ7を押圧して締結させる。このとき、ピストン82では、アーム部材822が、スプリングリテーナ84の軸方向片84dに沿って軸方向へ移動するが、アーム部材822と軸方向片84dとの間には、第1径方向クリアランスCL1が確保されているため、この相対移動は、スムーズに成される。
また、乾式多板クラッチ7の解放時には、ピストン82は、スプリングリテーナ84のコイルスプリング84bの弾発力により初期位置に戻される。
次に、実施の形態1の効果を説明する。
実施の形態1の駆動力伝達装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)実施の形態1の駆動力伝達装置は、
駆動力の伝達を断接するクラッチとしての乾式多板クラッチ7と、
乾式多板クラッチ7の断接を行うピストン82と、
ピストン82に一端が着座され他端がリテーナ部材84aに保持されてピストン82をリターン方向に付勢するコイルスプリング84bを備えたスプリングリテーナ84と、
このスプリングリテーナ84とピストン82との間に設けられ、スプリングリテーナ84とピストン82とを、コイルスプリング84bの付勢方向と平行な方向に相対移動可能であるとともに、この相対移動量が設定量(軸方向クリアランスCL3)を超えると係合して両者の相対移動を規制する係合部材84cと、
を備えていることを特徴とする。
したがって、ピストン82に対して、スプリングリテーナ84の軸方向の移動量が係合部材84cにより規制される。
よって、組付時において、ピストン82にスプリングリテーナ84を組み付けた後に、ピストン82を移動させた際に、スプリングリテーナ84に位置ずれや脱落などの不具合が生じるのを防止できる。
これにより、係合部材84cを設けないものと比較して、組付作業性の向上を図ることができる。
実施の形態1の駆動力伝達装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)実施の形態1の駆動力伝達装置は、
駆動力の伝達を断接するクラッチとしての乾式多板クラッチ7と、
乾式多板クラッチ7の断接を行うピストン82と、
ピストン82に一端が着座され他端がリテーナ部材84aに保持されてピストン82をリターン方向に付勢するコイルスプリング84bを備えたスプリングリテーナ84と、
このスプリングリテーナ84とピストン82との間に設けられ、スプリングリテーナ84とピストン82とを、コイルスプリング84bの付勢方向と平行な方向に相対移動可能であるとともに、この相対移動量が設定量(軸方向クリアランスCL3)を超えると係合して両者の相対移動を規制する係合部材84cと、
を備えていることを特徴とする。
したがって、ピストン82に対して、スプリングリテーナ84の軸方向の移動量が係合部材84cにより規制される。
よって、組付時において、ピストン82にスプリングリテーナ84を組み付けた後に、ピストン82を移動させた際に、スプリングリテーナ84に位置ずれや脱落などの不具合が生じるのを防止できる。
これにより、係合部材84cを設けないものと比較して、組付作業性の向上を図ることができる。
(2)実施の形態1の駆動力伝達装置は、
係合部材84cは、スプリングリテーナ側とピストン側との間に、径方向の空間としての第1径方向クリアランスCL1が設けられていることを特徴とする。
したがって、ピストン82のクラッチ押圧作動時に、アーム部材822と係合部材84cとが相対移動するが、このとき、両者の間に第1径方向クリアランスCL1が確保されていることにより、アーム部材822と係合部材84cとが擦れ合うことがない。
このようなアーム部材822と係合部材84cとが擦れ合いが生じた場合、組付時にコイルスプリング84bが短縮状態に維持されて初期値を発生できなかったり、ピストン82の押圧作動時やコイルスプリング84bの付勢作動時の抵抗となったりする不具合が発生するおそれが生じる。
本実施の形態1では、アーム部材822と係合部材84cとの間に第1径方向クリアランスCL1を設定し両者が擦れ合わないようにしたため、このような不具合の発生を防止できる。
係合部材84cは、スプリングリテーナ側とピストン側との間に、径方向の空間としての第1径方向クリアランスCL1が設けられていることを特徴とする。
したがって、ピストン82のクラッチ押圧作動時に、アーム部材822と係合部材84cとが相対移動するが、このとき、両者の間に第1径方向クリアランスCL1が確保されていることにより、アーム部材822と係合部材84cとが擦れ合うことがない。
このようなアーム部材822と係合部材84cとが擦れ合いが生じた場合、組付時にコイルスプリング84bが短縮状態に維持されて初期値を発生できなかったり、ピストン82の押圧作動時やコイルスプリング84bの付勢作動時の抵抗となったりする不具合が発生するおそれが生じる。
本実施の形態1では、アーム部材822と係合部材84cとの間に第1径方向クリアランスCL1を設定し両者が擦れ合わないようにしたため、このような不具合の発生を防止できる。
(3)実施の形態1の駆動力伝達装置は、
係合部材84cは、スプリングリテーナ84をピストン82に対して正規位置に配置したときに、スプリングリテーナ側とピストン側との間で軸方向の空間である軸方向クリアランスCL3が設定されていることを特徴とする。
したがって、組付時には、スプリングリテーナ84のコイルスプリング84bが正規の状態以上に短縮された状態で組み付けられるのを防止できる。
係合部材84cは、スプリングリテーナ84をピストン82に対して正規位置に配置したときに、スプリングリテーナ側とピストン側との間で軸方向の空間である軸方向クリアランスCL3が設定されていることを特徴とする。
したがって、組付時には、スプリングリテーナ84のコイルスプリング84bが正規の状態以上に短縮された状態で組み付けられるのを防止できる。
加えて、実施の形態1では、軸方向クリアランスCL3は、アーム部材822の支持溝822cの深さ寸法よりも小さな寸法とした。このため、スプリングリテーナ84が軸方向クリアランスCL3だけ軸方向に移動した場合でも、コイルスプリング84bは、アーム部材822から脱落するのを確実に防止でき、上記(1)の効果をより確実に得ることができる。
(4)実施の形態1の駆動力伝達装置は、
係合部材84cは、クラッチドラム6との間に第2径方向クリアランスCL2を設けた。
この第2径方向クリアランスCL2を設けない場合、組付時に、係合部材84cとクラッチドラム6とが擦れ合ってリテーナ部材84aが正規位置とは異なる位置に配置されてしまい、コイルスプリング84bが短縮状態で組み付けられるおそれがある。この場合、ピストン82に対してセット値以上の付勢力が作用する。
本実施の形態1では、クラッチドラム6との間に第2径方向クリアランスCL2を設けたため、リテーナ部材84aが正規位置に配置されて、上記不具合の発生を防止可能である。
係合部材84cは、クラッチドラム6との間に第2径方向クリアランスCL2を設けた。
この第2径方向クリアランスCL2を設けない場合、組付時に、係合部材84cとクラッチドラム6とが擦れ合ってリテーナ部材84aが正規位置とは異なる位置に配置されてしまい、コイルスプリング84bが短縮状態で組み付けられるおそれがある。この場合、ピストン82に対してセット値以上の付勢力が作用する。
本実施の形態1では、クラッチドラム6との間に第2径方向クリアランスCL2を設けたため、リテーナ部材84aが正規位置に配置されて、上記不具合の発生を防止可能である。
(実施の形態2)
実施例2は、係合部材の変形例を示す。
実施の形態2では、図6に示すように、アーム部材822からスプリングリテーナ284へ向けて、係合ロッド284fを軸方向に複数立設している。
実施例2は、係合部材の変形例を示す。
実施の形態2では、図6に示すように、アーム部材822からスプリングリテーナ284へ向けて、係合ロッド284fを軸方向に複数立設している。
一方リテーナ部材284aには、係合ロッド284fを挿通する挿通穴284gが開口されている。そして、この挿通穴284gに挿通された係合ロッド284fの先端部が、折曲あるいはかしめにより挿通穴284gを抜けることのないよう径方向に変形された係合部284hを備えている。
この係合部284hとリテーナ部材284aとの軸方向の間隔は、実施の形態1における軸方向クリアランスCL3と同等の寸法に形成されている。
また、係合ロッド284fの外周と挿通穴284gの内周との間には、径方向に実施の形態1の第1径方向クリアランスCL1相当のクリアランスが設けられている。
また、係合ロッド284fの外周と挿通穴284gの内周との間には、径方向に実施の形態1の第1径方向クリアランスCL1相当のクリアランスが設けられている。
したがって、実施の形態2にあっても、実施の形態1と同様に、組付時などにおいて、スプリングリテーナ284が、ピストン82のアーム部材822に対し変位した場合、軸方向の変位は、係合部284hがリテーナ部材284aの挿通穴284gの周縁部に係合した時点で、それ以上の変位、すなわち、軸方向クリアランスCL3を越える変位が規制される。
また、スプリングリテーナ284のアーム部材822に対する径方向の変位は、係合ロッド284fが挿通穴284gの内周に係合するまで変位した時点で、それ以上、すなわち、第1径方向クリアランスCL1を越える変位が規制される。
よって、スプリングリテーナ284のアーム部材822からの脱落や位置ずれを防止できる。
また、スプリングリテーナ284のアーム部材822に対する径方向の変位は、係合ロッド284fが挿通穴284gの内周に係合するまで変位した時点で、それ以上、すなわち、第1径方向クリアランスCL1を越える変位が規制される。
よって、スプリングリテーナ284のアーム部材822からの脱落や位置ずれを防止できる。
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態2の変形例であり、実施の形態2と係合ロッドおよび挿通穴の設置位置を逆にしている。
実施の形態3は、実施の形態2の変形例であり、実施の形態2と係合ロッドおよび挿通穴の設置位置を逆にしている。
すなわち、実施の形態3では、図7に示すように、リテーナ部材384aからアーム部材822に向けて、係合ロッド384fを軸方向に複数立設している。
一方、アーム部材822には、係合ロッド384fを挿通する挿通穴384gが開口されている。そして、この挿通穴384gに挿通された係合ロッド384fの先端部が、折曲あるいはかしめにより挿通穴384gを抜けることのないよう径方向に変形された係合部384hを備えている。
一方、アーム部材822には、係合ロッド384fを挿通する挿通穴384gが開口されている。そして、この挿通穴384gに挿通された係合ロッド384fの先端部が、折曲あるいはかしめにより挿通穴384gを抜けることのないよう径方向に変形された係合部384hを備えている。
この係合部384hとアーム部材822との軸方向の間隔は、実施の形態1における軸方向クリアランスCL3と同等の寸法に形成されている。
また、係合ロッド384fの外周と挿通穴384gの内周との間には、径方向に実施の形態1の第1径方向クリアランスCL1相当のクリアランスが設けられている。
また、係合ロッド384fの外周と挿通穴384gの内周との間には、径方向に実施の形態1の第1径方向クリアランスCL1相当のクリアランスが設けられている。
したがって、実施の形態3にあっても、実施の形態1と同様に、組付時などにおいて、スプリングリテーナ384が、ピストン82のアーム部材822に対し変位した場合、軸方向の変位は、係合部384hがアーム部材822の挿通穴384gの周縁部に係合した時点で、それ以上の変位、すなわち、軸方向クリアランスCL3を越える変位が規制される。
また、スプリングリテーナ384のアーム部材822に対する径方向の変位は、係合ロッド384fが挿通穴384gの内周に係合するまで変位した時点で、それ以上、すなわち、第1径方向クリアランスCL1を越える変位が規制される。
よって、スプリングリテーナ384のアーム部材822からの脱落や位置ずれを防止できる。
また、スプリングリテーナ384のアーム部材822に対する径方向の変位は、係合ロッド384fが挿通穴384gの内周に係合するまで変位した時点で、それ以上、すなわち、第1径方向クリアランスCL1を越える変位が規制される。
よって、スプリングリテーナ384のアーム部材822からの脱落や位置ずれを防止できる。
以上、本発明の駆動力伝達装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施の形態では、エンジンとモータ/ジェネレータを搭載し、乾式多板クラッチを走行モード遷移クラッチとするハイブリッド駆動力伝達装置への適用例を示した。しかし、本発明の動力伝達装置は、エンジン車のように、駆動源としてエンジンのみを搭載し、乾式クラッチを発進クラッチとするエンジン駆動力伝達装置に対しても適用することができる。あるいは、電気自動車や燃料電池車等のように、駆動源としてモータ/ジェネレータのみを搭載し、乾式クラッチを発進クラッチとするモータ駆動力伝達装置に対しても適用することができる。さらに、本発明の適用範囲は、車両に限らず、産業機器など車両以外にも適用することができる。
実施の形態では、乾式クラッチとして、乾式多板クラッチを用いた例を示したが、単板乾式クラッチ等を用いた例であってもよい。
実施の形態では、ノーマルオープンによる乾式クラッチの例を示した。しかし、ダイアフラムスプリング等を用いたノーマルクローズによる乾式クラッチの例としてもよい。
実施の形態では、ドライブプレートに摩擦フェーシングを有する例を示した。しかし、ドリブンプレートに摩擦フェーシングを有する例としてもよい。
実施の形態では、係合部材は、リテーナ部材の周方向の3箇所に設けたが、その数は、任意に設定可能であり、3以外の複数であってもよいし、全周を囲む円筒状に形成してもよい。
実施の形態では、ノーマルオープンによる乾式クラッチの例を示した。しかし、ダイアフラムスプリング等を用いたノーマルクローズによる乾式クラッチの例としてもよい。
実施の形態では、ドライブプレートに摩擦フェーシングを有する例を示した。しかし、ドリブンプレートに摩擦フェーシングを有する例としてもよい。
実施の形態では、係合部材は、リテーナ部材の周方向の3箇所に設けたが、その数は、任意に設定可能であり、3以外の複数であってもよいし、全周を囲む円筒状に形成してもよい。
7 乾式多板クラッチ
82 ピストン
84 スプリングリテーナ
84a リテーナ部材
84b コイルスプリング
84c 係合部材(スプリングリテーナ側)
284 スプリングリテーナ(係合部材:スプリングリテーナ側)
284a リテーナ部材
284f 係合ロッド(係合部材:ピストン側)
384 スプリングリテーナ
384a リテーナ部材
384f 係合ロッド(係合部材:スプリングリテーナ側)
822 アーム部材(係合部材:ピストン側)
CL1 第1径方向クリアランス
CL2 第2径方向クリアランス
CL3 軸方向クリアランス
82 ピストン
84 スプリングリテーナ
84a リテーナ部材
84b コイルスプリング
84c 係合部材(スプリングリテーナ側)
284 スプリングリテーナ(係合部材:スプリングリテーナ側)
284a リテーナ部材
284f 係合ロッド(係合部材:ピストン側)
384 スプリングリテーナ
384a リテーナ部材
384f 係合ロッド(係合部材:スプリングリテーナ側)
822 アーム部材(係合部材:ピストン側)
CL1 第1径方向クリアランス
CL2 第2径方向クリアランス
CL3 軸方向クリアランス
Claims (3)
- 駆動力の伝達を断接するクラッチと、
このクラッチの断接を行うピストンと、
このピストンに一端が着座され他端がリテーナ部材に保持されて前記ピストンをリターン方向に付勢するスプリングを備えたスプリングリテーナと、
このスプリングリテーナと前記ピストンとの間に設けられ、前記スプリングリテーナと前記ピストンとの前記スプリングの付勢方向と平行な方向の相対移動量が設定量を超えると係合して両者の相対移動を規制する係合部材と、
を備えていることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1に記載された駆動力伝達装置において、
前記係合部材は、前記スプリングリテーナ側と前記ピストン側との間に、径方向の空間が設けられていることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1または請求項2に記載された駆動力伝達装置において、
前記係合部材は、前記スプリングリテーナを前記ピストンに対して正規位置に配置したときに、スプリングリテーナ側とピストン側との間に軸方向の空間が設けられていることを特徴とする駆動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012264907A JP2014109345A (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 駆動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012264907A JP2014109345A (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 駆動力伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014109345A true JP2014109345A (ja) | 2014-06-12 |
Family
ID=51030102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012264907A Pending JP2014109345A (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 駆動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014109345A (ja) |
-
2012
- 2012-12-04 JP JP2012264907A patent/JP2014109345A/ja active Pending
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